説明

活性炭再生装置

【課題】電力エネルギを用いず、特段の水蒸気発生装置を必要としない活性炭再生装置を提供することを課題とする。
【解決手段】廃棄物処理炉11からの排ガス中の有害物質を吸着除去して吸着性能が低下した劣化活性炭を賦活化して再生する活性炭再生装置IIにおいて、太陽熱集熱装置23と、太陽熱集熱装置23で集熱された太陽熱により劣化活性炭を加熱して賦活化反応ガス雰囲気下で賦活化する活性炭賦活化装置21と、廃棄物処理炉11からの無害化処理された処理済み排ガス及び廃棄物処理炉11からの排ガスにより廃熱ボイラ12で生成した水蒸気のうち少なくとも一方を受けて、これを太陽熱集熱装置23からの太陽熱により加熱して賦活化反応ガスとして活性炭賦活化装置21へ供給するガス加熱器22と、活性炭賦活化装置21から賦活化反応により発生する発生ガスを廃棄物処理炉11内へ帰還せしめる賦活化反応発生ガス帰還手段26とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物を焼却又はガス化・溶融する廃棄物処理炉から排出される排ガス中の有害物質を吸着除去する活性炭吸着装置に使用されて吸着性能が低下した活性炭を賦活化して再生する活性炭再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
廃棄物を処理する技術として、都市ごみやシュレッダーダストなどの廃棄物を火格子上に供給し、廃棄物を燃焼させて、燃焼残渣の灰分を排出するストーカ式焼却炉や流動層式焼却炉を用いる方式と、廃棄物を熱分解して可燃性ガスを発生させ、その熱分解残渣を溶融してスラグにして排出するガス化溶融炉を用いる方式とがある。本発明では、廃棄物焼却炉と廃棄物ガス化溶融炉とを合わせて廃棄物処理炉という。
【0003】
いずれの方式においても、廃棄物処理炉から排出された排ガスは二次燃焼室で完全燃焼され、廃棄物処理炉内で生成した有害物質を分解するようにしている。また、二次燃焼室で燃焼した後の排ガスの廃熱を利用して、ボイラ、エコノマイザにより蒸気として熱回収して有効利用していることが多い。タービン発電機を設けてこの蒸気により発電している場合もある。排ガスを無害化するためには、エコノマイザから排出された排ガスを後段で行う酸性物質除去とろ過式集塵に適した温度にまで、予め減温装置で冷却する。冷却された排ガスは、排ガス中のHClやSOxを除去するためアルカリ薬剤が供給された後、ろ過式集塵機(バグフィルタ)により排ガス中のアルカリ薬剤とHCl、SOxとの反応生成物そしてダストが捕集される。
【0004】
さらに、ろ過式集塵機から排出される排ガス中のダイオキシン類を活性炭吸着装置により吸着除去する。特許文献1では、排ガス処理に用いる活性炭吸着装置が記載されており、活性炭を充填した該活性炭吸着装置の吸着材層を排ガスが通過する間に排ガス中のダイオキシン類が吸着除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−272914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
活性炭吸着装置に排ガスを導入してダイオキシン類を吸着除去する排ガス処理を行うと、次第に活性炭の吸着性能が低下してくる。特許文献1では、所定の吸着除去性能を保持できなくなった時には、活性炭吸着装置から劣化した活性炭を取り出し、新しい活性炭を投入することとしている。劣化活性炭の処理費用、活性炭購入費用が嵩むため、本来、劣化した活性炭を再度賦活化して再生し、これを再使用することが望ましいが、活性炭の再生処理には次のような問題がある。
【0007】
活性炭の賦活化には、次の反応を生じさせるために1000℃程度の高温度と水蒸気を含むガスの供給が必要である。ガスを高温度に加熱するために、従来、電気加熱ヒータが用いられるが、二酸化炭素排出量削減の観点からエネルギ源の転換が求められている。また、この電気加熱ヒータに加え、水蒸気を発生させる装置とその熱源も必要となる。
C+HO→CO+H
【0008】
また、活性炭の賦活化反応で発生するCO、H、活性炭の細孔内に吸着されていて脱離された有害物質を処理する装置が必要である。
【0009】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、廃棄物処理炉から排出される排ガス処理に用いる活性炭吸着装置に使用され吸着性能が低下した活性炭を賦活化して再生する活性炭再生装置であって、活性炭の賦活化の反応に必要な熱そして水蒸気を含むガスを得るために、電力エネルギを用いず、さらには、水蒸気を発生させる特段の装置が不要であり、活性炭の賦活化反応で発生するCO、H、脱離された有害物質を処理する装置が不要である活性炭再生装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る活性炭再生装置は、廃棄物を焼却又はガス化・溶融する廃棄物処理炉から排出される排ガス中の有害物質を吸着除去する活性炭吸着装置に使用されて吸着性能が低下した劣化活性炭を賦活化して再生する。
【0011】
かかる活性炭再生装置において、本発明によると、上述の課題は、次の第一発明又は第二発明により解決される。
【0012】
<第一発明>
太陽熱を集熱する太陽熱集熱装置と、太陽熱集熱装置で集熱された太陽熱により劣化活性炭を加熱して賦活化反応ガス雰囲気下で賦活化する活性炭賦活化装置と、廃棄物処理炉から排出され無害化処理された処理済み排ガス及び廃棄物処理炉から排出された排ガスにより廃熱ボイラで生成した水蒸気のうち少なくとも一方を受けて、これを太陽熱集熱装置からの太陽熱により加熱して賦活化反応ガスとして上記活性炭賦活化装置へ供給するガス加熱器と、活性炭賦活化装置から賦活化反応により発生する発生ガスを廃棄物処理炉内へ帰還せしめる賦活化反応発生ガス帰還手段とを有することを特徴とする活性炭再生装置。
【0013】
このような構成の第一発明によると、排ガス中の有害物質の吸着除去に供した後の劣化活性炭は活性炭賦活化装置へ送られる。一方、ガス加熱器は、賦活化に必要なガスそして水蒸気として、廃棄物処理炉から排出されて処理された排ガスとボイラからの水蒸気の少なくとも一方を受け、これを賦活化に必要な温度にまで、太陽熱集熱装置で受けた太陽熱で加熱する。ここで加熱されたガスは、上記活性炭賦活化装置へ送られて、活性炭賦活化装置へ太陽熱集熱装置から投入される太陽熱と相俟って、劣化活性炭を加熱して賦活化を行って再生活性炭を得る。活性炭の賦活化により発生した発生ガスは賦活化反応発生ガス帰還手段により廃棄物処理炉へ帰還されて、ここでの廃棄物の焼却又はガス化・溶融に供する。
【0014】
<第二発明>
太陽熱を集熱する太陽熱集熱装置と、太陽熱集熱装置からの太陽熱を受けて熱媒体を加熱する太陽熱受熱装置と、太陽熱受熱装置で加熱された熱媒体により劣化活性炭を加熱して賦活化反応ガス雰囲気下で賦活化する活性炭賦活化装置と、廃棄物処理炉から排出され無害化処理された処理済み排ガス及び廃棄物処理炉から排出された排ガスにより廃熱ボイラで生成した水蒸気のうち少なくとも一方を受けて、これを太陽熱受熱装置で加熱された熱媒体により加熱して賦活化反応ガスとして上記活性炭賦活化装置へ供給するガス加熱器と、活性炭賦活化装置から賦活化反応により発生する発生ガスを廃棄物処理炉内へ帰還せしめる賦活化反応発生ガス帰還手段とを有することを特徴とする活性炭再生装置。
【0015】
かかる構成の第二発明では、太陽熱受熱装置を備えていて、太陽熱集熱装置からの太陽熱により該太陽熱受熱装置で熱媒体を加熱し、この熱媒体をガス加熱器と活性炭賦活化装置へ送り、ガス加熱器でガスを加熱すると共に活性炭賦活化装置で劣化活性炭を加熱する。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、このように、太陽熱を利用して劣化活性炭、賦活化反応ガスを加熱するため、電力エネルギを用いずに活性炭再生を行うことができ、二酸化炭素排出量削減効果があると共に、賦活化反応ガスとして、廃棄物処理炉からの処理済み排ガス、廃熱ボイラで生成した水蒸気を用いるため、水蒸気を発生させる特段の装置を設けることが不要となる。さらには、賦活化反応発生ガスを廃棄物処理炉内へ帰還させて、CO、Hを燃焼し廃熱エネルギとして利用でき、脱離された有害物質を廃棄物処理炉内で分解し無害化するため、賦活化反応発生ガスを処理する装置が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態装置の概要構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面の図1にもとづき、本発明の実施形態を説明する。
【0019】
本実施形態装置は、大別して廃棄物処理装置Iと、活性炭再生装置IIとを有している。
【0020】
廃棄物処理装置Iは、前段として、廃棄物が投入され焼却又はガス化・溶融される廃棄物処理炉11と、該廃棄物処理炉11から排ガスを受けてその廃熱を熱回収して水蒸気を生成する廃熱ボイラ12と、該廃熱ボイラ12から熱回収された排ガスを受けて排ガスの温度を減温する減温塔13と、該減温塔13で減温された排ガスを受けて除塵する集塵装置14と、該集塵装置14から除塵された排ガスを受けてダイオキシン類など有害物質を吸着除去する活性炭吸着装置15と、有害物質が除去され無害化された排ガスを放出する煙突16が順次接続されて構成されている。
【0021】
活性炭再生装置IIは、上記活性炭吸着装置15で有害物質を吸着して劣化した劣化活性炭を該活性炭吸着装置15から受けてこれを賦活化させる活性炭賦活化装置21と、該活性炭賦活化装置21へ賦活に必要な高温のガスを供給するガス加熱器22と、太陽熱集熱装置23そして太陽熱受熱装置24を有している。太陽熱集熱装置23は、太陽熱を集熱してこの熱を上記ガス加熱器22そして活性炭賦活化装置21へ供給する装置であるが、その熱を直接ガス加熱器22そして活性炭賦活化装置21へ供給しても、太陽熱受熱装置24で熱媒体を加熱してこの熱媒体で熱を供給してもよい。
【0022】
上記ガス加熱器22は、廃熱ボイラ12で生じた水蒸気の一部及び活性炭吸着装置15からの処理済み排ガスの一部のうち少なくとも一方を受け、これらの水蒸気と排ガスのうち少なくとも一方を上記太陽熱で加熱する。
【0023】
上記ガス加熱器22は、劣化活性炭を受けるように活性炭吸着装置15に接続されている上記活性炭賦活化装置21に接続されている。この活性炭賦活化装置21は、その発生ガスを廃棄物処理炉11へ帰還させるように、ブロワ25と発生ガス帰還経路26を介して、該廃棄物処理炉11に接続されている。
【0024】
上記太陽熱集熱装置23は、ガス加熱器22そして活性炭賦活化装置21と直接的に(図1における破線)、あるいは太陽熱受熱装置24を経て間接的に(図1における実線)接続されている。
【0025】
以下、上記の活性炭再生装置IIを構成する各装置について詳述する。
【0026】
<活性炭賦活化装置>
劣化活性炭を熱媒体により加熱して高温の賦活化反応ガス雰囲気下で該劣化活性炭を賦活化する装置である。
【0027】
該活性炭賦活化装置21は、活性炭吸着装置15で有害物質の吸着除去に供せられ吸着性能が低下した劣化活性炭を該活性炭吸着装置15から受け、賦活化反応ガスとしての処理済み排ガス又は水蒸気の雰囲気下で該劣化活性炭を800〜1000℃の高温に加熱し、活性炭に吸着した有害物質を揮発、分解して脱離させるとともに、活性炭に微細孔を生成して賦活化し吸着性能を回復させる。かくして、賦活化され吸着性能が回復した再生活性炭を、活性炭吸着装置15へ戻して再利用可能となる。賦活化された活性炭は、活性炭賦活化装置21から取り出されて一旦、他の場所に保管されても(図1における実線矢印)、あるいは直ぐに活性炭吸着装置15へ戻されてもよい(図における破線矢印)。
【0028】
活性炭の賦活化反応は、次のごとく行われる。
・賦活化反応ガスとして水蒸気を用いる場合
活性炭表面で、C+HO→CO+Hの反応が生じ活性炭に微細孔が生成されて賦活化され、有害物質に対する高い吸着性能が得られる。
・賦活化反応ガスとして排ガスを用いる場合
排ガスは水蒸気、CO、Oを含んでいるので、上記の水蒸気の反応とともに、活性炭表面で、C+CO→2CO の反応が生じ活性炭に微細孔が生成されて賦活化される。また、排ガス中には少量のOが含まれており、上記の反応で生じたCO、Hの一部を部分酸化させ酸化発熱反応を生じさせ、上記の水蒸気の反応やCOの反応が吸熱反応であるため活性炭賦活化装置内の温度が低下することを防ぐ効果がある。酸素濃度が高いと活性炭が燃焼するため、酸素濃度は10vol%未満とすることが好ましい。
【0029】
また、賦活化反応ガスとして水蒸気を用いることにより、活性炭に吸着されている有機ハロゲン化合物が水蒸気との反応により、CO、H、HClに分解される効果もある。発生したHClは廃棄物処理炉へ帰還され分解され無害化される。
【0030】
活性炭賦活化装置内の温度制御は、活性炭賦活化装置内に温度計測センサを設け、賦活化反応ガスの流量を調整するバルブを設け、活性炭賦活化装置内の温度を所定範囲内になるように制御することができる。
【0031】
活性炭賦活化装置21は、流動層炉、ロータリキルン炉などの炉形式で活性炭を流動又は攪拌しながら加熱する機構が好ましい。
【0032】
かかる活性炭賦活化装置21は、図1の太陽熱受熱装置24に設けられた受熱部内に熱媒体を流通させ、活性炭層内に熱交換器を設けこの熱交換器に上記熱媒体を流通させることにより、活性炭を太陽熱受熱装置24からの太陽熱との熱交換により間接的に加熱してもよいし、あるいは、太陽熱集熱装置23からの太陽熱で直接加熱してもよい。
【0033】
さらに、活性炭賦活化装置21は、高温に加熱された賦活化反応ガスを活性炭層に吹き込むことによっても、活性炭が加熱される。
【0034】
<ガス加熱器>
ガス加熱器22は、廃棄物処理炉11から排出されダスト、酸性ガス、ダイオキシン類を除去された処理済み排ガスの一部そして廃棄物処理炉11から排出される排ガスから廃熱回収する廃熱ボイラ12で生成した水蒸気の一部のうち少なくとも一方を、太陽熱集熱装置23からの太陽熱により直接的に、あるいは太陽熱受熱装置24により加熱された熱媒体との熱交換により間接的に、加熱して賦活化反応ガスとして活性炭賦活化装置21へ供給する装置である。
【0035】
上記ガス加熱器22は、廃熱ボイラ12で生成された水蒸気の一部と、活性炭吸着装置15から排出される有害物質を除去した後の排ガスの一部とのうち少なくとも一方を賦活化反応ガスとして受け入れ、太陽熱を利用して該賦活化反応ガスを加熱する熱交換器を有している。該熱交換器は、上記賦活化反応ガスを太陽熱で直接的に、あるいは上記熱交換により間接的に加熱し、これを活性炭賦活化装置21へ送るように接続されている。このように、熱交換器がガスの加熱のための熱を、直接的あるいは間接的に太陽熱から受けるように構成されている。
【0036】
ガス加熱器22は、その内部に蓄熱材を設け太陽熱集熱装置23で集熱された太陽熱を受けて該蓄熱材を加熱し、加熱された蓄熱材にガスを接触させ加熱するようにしてガスを加熱するようにしてもよい。
【0037】
<太陽熱集熱装置及び太陽熱受熱装置>
太陽熱集熱装置23は、太陽熱を集熱すべく構成されていて、例えば、複数の反射鏡と反射された太陽光を収束させるため断面が放物線状の収束反射鏡とを有していて、複数の反射鏡で反射された太陽光が収束反射鏡により集光され、収束された太陽光を太陽熱受熱装置24の受熱部に照射することにより効率的に太陽熱を利用するようになっている。太陽熱受熱装置24は、内部に熱媒体を流通させる受熱部を有していて、太陽熱集熱装置23からの太陽熱により熱媒体を加熱すようになっている。加熱された熱媒体は活性炭賦活化装置21の熱交換器に送られ、上記活性炭を加熱する。また、加熱された熱媒体はガス加熱器22の熱交換器に送られ、賦活化反応ガスを加熱する。太陽熱受熱装置24の表面は、透明ガラス、透明石英等に覆われ、透明ガラス等と受熱部との間の空間を真空とすることにより、滞留伝熱による熱ロスを抑制できる。また、受熱部表面は、黒色塗料が塗布されるか、凹凸のある鏡面構造を有することで、輻射伝熱ロスを抑制できるようになっていて、太陽熱集熱装置23からの受熱熱量を最大に、かつ熱ロスを最小化にする。
【0038】
このように、太陽熱受熱装置24は、この太陽熱集熱装置23から受けた太陽熱を活性炭賦活化装置21で用いられるのに適合した形で、活性炭賦活化装置21に接続されている。活性炭は、太陽熱受熱装置24によって上記のように熱媒体を介して加熱されてもよいし、熱媒体を介さずに上記太陽熱集熱装置23により直接加熱されてもよい。太陽熱集熱装置23で受けた太陽熱を活性炭賦活化装置21内の活性炭に直接照射する場合には、活性炭賦活化装置21の受熱部の表面は、透明ガラス、透明石英等に覆われ、太陽熱が透過できるようになっていることが好ましい。
【0039】
また、太陽熱受熱装置24は、この太陽熱集熱装置23から受けた太陽熱をガス加熱器22で用いられるのに適合した形で、ガス加熱器22に接続されている。賦活化反応ガスは、太陽熱受熱装置24によって上記のように熱媒体を介して加熱されてもよいし、熱媒体を介さずに上記太陽熱集熱装置23により直接加熱されてもよい。太陽熱集熱装置23で受けた太陽熱をガス加熱器22内の賦活化反応ガス活性炭に直接照射する場合には、ガス加熱器22の受熱部の表面は、透明ガラス、透明石英等に覆われ、太陽熱が透過できるようになっていることが好ましい。
【0040】
<賦活化反応発生ガス帰還手段>
賦活化反応発生ガス帰還手段は、活性炭賦活化装置21での発生ガスを廃棄物処理炉11へ帰還する装置であり、発生ガスを廃棄物処理炉11へ帰還させるブロワ25と発生ガス帰還経路26とを有している。
【0041】
上記活性炭賦活化装置21での活性炭賦活化反応で発生したガスは、CO、H、そして活性炭に吸着していて脱離された有害物質をも含んでいる。
【0042】
CO、Hは廃棄物処理炉11で燃焼され廃熱回収される熱源の一部となり、脱離された有害物質は廃棄物処理炉11で分解され無害化される。
【0043】
本発明は、廃棄物を焼却又はガス化・溶融する廃棄物処理炉から排出される排ガス中の有害物質を吸着除去する活性炭吸着装置に使用されて吸着性能が低下した劣化活性炭を賦活化して再生する活性炭再生装置に関するものであるが、スクラップ溶解用電気炉等の溶解炉や金属製錬炉から排出される排ガス中の有害物質を吸着除去する活性炭吸着装置に使用されて吸着性能が低下した劣化活性炭を賦活化して再生する目的にも、適用することができる。
【符号の説明】
【0044】
11 廃棄物処理炉
12 廃熱ボイラ
15 活性炭吸着装置
21 活性炭賦活化装置
22 ガス加熱器
23 太陽熱集熱装置
24 太陽熱受熱装置
26 賦活化反応発生ガス帰還経路
II 活性炭再生装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物を焼却又はガス化・溶融する廃棄物処理炉から排出される排ガス中の有害物質を吸着除去する活性炭吸着装置に使用されて吸着性能が低下した劣化活性炭を賦活化して再生する活性炭再生装置において、
太陽熱を集熱する太陽熱集熱装置と、
太陽熱集熱装置で集熱された太陽熱により劣化活性炭を加熱して賦活化反応ガス雰囲気下で賦活化する活性炭賦活化装置と、
廃棄物処理炉から排出され無害化処理された処理済み排ガス及び廃棄物処理炉から排出された排ガスにより廃熱ボイラで生成した水蒸気のうち少なくとも一方を受けて、これを太陽熱集熱装置からの太陽熱により加熱して賦活化反応ガスとして上記活性炭賦活化装置へ供給するガス加熱器と、
活性炭賦活化装置から賦活化反応により発生する発生ガスを廃棄物処理炉内へ帰還せしめる賦活化反応発生ガス帰還手段とを有することを特徴とする活性炭再生装置。
【請求項2】
廃棄物を焼却又はガス化・溶融する廃棄物処理炉から排出される排ガス中の有害物質を吸着除去する活性炭吸着装置に使用されて吸着性能が低下した劣化活性炭を賦活化して再生する活性炭再生装置において、
太陽熱を集熱する太陽熱集熱装置と、
太陽熱集熱装置からの太陽熱を受けて熱媒体を加熱する太陽熱受熱装置と、
太陽熱受熱装置で加熱された熱媒体により劣化活性炭を加熱して賦活化反応ガス雰囲気下で賦活化する活性炭賦活化装置と、
廃棄物処理炉から排出され無害化処理された処理済み排ガス及び廃棄物処理炉から排出された排ガスにより廃熱ボイラで生成した水蒸気のうち少なくとも一方を受けて、これを太陽熱受熱装置で加熱された熱媒体により加熱して賦活化反応ガスとして上記活性炭賦活化装置へ供給するガス加熱器と、
活性炭賦活化装置から賦活化反応により発生する発生ガスを廃棄物処理炉内へ帰還せしめる賦活化反応発生ガス帰還手段とを有することを特徴とする活性炭再生装置。

【図1】
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【公開番号】特開2011−212516(P2011−212516A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80549(P2010−80549)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000004123)JFEエンジニアリング株式会社 (1,044)
【Fターム(参考)】