説明

活性種生成ユニット

【課題】ファンを有する空調ユニットに対して追加して設置された場合に、空調ユニットとの連動制御を容易に実現させることが可能な活性種生成ユニットを提供する。
【解決手段】室内ファン92を有する空調ユニット9に対して接続される活性種生成ユニット1であって、ウィルスまたは細菌を捕らえるプリーツフィルタ13と、放電によりプリーツフィルタ13が捕らえているウィルスまたは細菌を不活性化させるための活性種を生じさせる活性種生成部12と、室内ファン92の駆動状態を示す信号を受信するファン駆動状況受信部21と、活性種制御部22とを備えている。活性種制御部22は、ファン駆動状況受信部21が受信した信号に基づいて室内ファン92が駆動中であるか否かを判断し、室内ファン92が駆動中であると判断した場合に活性種生成部12による放電を開始させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性種生成ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、特許文献1(特開平8−131880号公報)に記載されているように、天井カセット式の空気清浄機が提案されている。この天井カセット式の空気清浄機では、空気中の細菌などを帯電させて捕らえる補集エレメントや、この捕集エレメントが捕らえた細菌などを死滅させるための紫外線灯が設けられている。また、この天井カセット式の空気清浄機には、操作されるリモコンからの指令に基づいて作動する制御回路が設けられている。
【0003】
この制御回路は、高電圧発生装置を作動させることで細菌などを帯電させる制御を行い、ファン駆動回路を作動させることでファンの制御を行い、紫外線灯オン・オフ回路を作動させることで紫外線灯の発停制御を行っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1(特開平8−131880号公報)に記載されているような天井カセット式の空気清浄機は、予め、ファン駆動回路および紫外線灯オン・オフ回路の両方を制御できるように、いずれも制御回路に接続されているため、ファンの駆動制御と紫外線灯の発停制御とを連動させることが可能になっている。
【0005】
これに対して、フィルタが捕らえている細菌などを死滅させるための付加的手段が備えられていない空調ユニットに対して、後から、このような付加的手段を設置したい場合がある。しかし、このような場合には、上述したような連動制御を実現させることが難しい。
【0006】
なお、空調ユニットにおいて、後付される付加的手段との間で制御信号の双方向通信が可能となるような接続端子が設けられていない場合には、特に、連動制御を実現させることが困難になる。
【0007】
本発明は上述した点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、ファンを有する空調ユニットに対して追加して設置された場合に、空調ユニットとの連動制御を容易に実現させることが可能な活性種生成ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の観点の活性種生成ユニットは、ファンを有する空調ユニットに対して接続される活性種生成ユニットであって、フィルタと、活性種生成部と、第1受信部と、制御部とを備えている。なお、空調ユニットと活性種生成ユニットとの接続態様としては、被調和空気を運ぶためのダクトを介して接続されていてもよいし、空調ユニットに対して活性種生成ユニットが内蔵される態様で接続されてもよい。フィルタは、ファンによって生じる空気流れ中に含まれるウィルスまたは細菌を捕らえる。活性種生成部は、放電により、フィルタが捕らえているウィルスまたは細菌を不活性化させるための活性種を生じさせる。第1受信部は、ファンの駆動状態を示す信号を受信する。制御部は、第1受信部が受信した信号に基づいてファンが駆動中であるか否かを判断し、ファンが駆動中であると判断した場合に活性種生成部による放電を開始させる。なお、ファンが駆動中であると制御部が判断した場合に活性種生成部による放電を開始すればよく、ファン停止時に活性種生成部による放電も同時に停止させる必要はなく、ファン停止時に遅れて活性種生成部による放電を停止させる場合も上記制御部による制御に含まれる。
【0009】
この活性種生成ユニットは、第1受信部が設けられているため、空調ユニットにおけるファンの駆動状態を示す信号を受信することができる。このため、制御部は、第1受信部が受信した信号に基づいてファンの駆動状況を把握することができ、ファンの駆動中において活性種生成部による放電を開始させることが可能になっている。したがって、ファンが駆動することでフィルタによって捕らえられたウィルスや細菌を、活性種生成部から生成される活性種によって死滅させることができる。
【0010】
これにより、活性種生成ユニットの制御部からの制御指令をファンと活性種生成部との両方に送ることによる制御ができない場合であっても、ファンの駆動状態を示す信号を第1受信部が受信するという容易な構成によって、ファンの駆動中に活性種生成部による放電を開始させることができるようになる。
【0011】
第2の観点の活性種生成ユニットは、第1の観点の活性種生成ユニットにおいて、空調ユニットは、ファンの駆動状態を示す信号を送り出すための端子を有している。第1受信部は、端子から送り出されるファンの駆動状態を示す信号を受信するために端子と接続される。
【0012】
この活性種生成ユニットは、ファンの駆動状態を示す信号を送り出すための端子を有する空調ユニットと共に用いられる。このため、端子から送り出されるファンの駆動状態を示す信号を第1受信部が受信可能なように接続するだけで、活性種生成ユニットの制御部は、容易にファンの駆動状態を把握することが可能になる。
【0013】
第3の観点の活性種生成ユニットは、第1の観点または第2の観点の活性種生成ユニットにおいて、風速センサと、第2受信部とをさらに備えている。風速センサは、ファンによって生じる空気流れの速度を検知する。第2受信部は、風速センサからの信号を受信する。制御部は、第1受信部および第2受信部が受信した信号に基づいて、ファンを駆動させようとしているにも関わらず第2受信部により把握される風速が所定風速に満たないと判断した場合には、活性種生成部による放電を低減させるか、もしくは、停止させる。
【0014】
この活性種生成ユニットは、制御部が、第1受信部が受信した信号によると、空調ユニットのファンが駆動されていると把握でき、第2受信部が風速センサから受信した信号によると、所定風速に満たない風速となっていると把握できる場合がある。この場合に、制御部は、活性種生成部による放電を低減させるか、もしくは、停止させる制御を行うことができるため、活性種が不必要に多く生成される状態を避けることが可能になる。
【0015】
第4の観点の活性種生成ユニットは、第1の観点から第3の観点のいずれかの活性種生成ユニットにおいて、制御部は、以下のいずれか一方の制御を行う。一方の制御では、制御部は、第1受信部がファンの駆動状態を示す信号を受信しなくなった後から所定第1条件を満たすまでの間、活性種生成部による放電を続ける。他方の制御では、制御部は、第1受信部がファンの駆動状態を示す信号を受信しなくなった後に、放電停止状態にある活性種生成部の放電を再開させて所定第2条件を満たすまで放電を続ける。
【0016】
この活性種生成ユニットは、空調ユニットのファンが停止した時点で活性種生成部による放電も停止させるのではなく、空調ユニットのファンが停止した時から所定第1条件もしくは所定第2条件を満たすまでの間、活性種生成部による放電を続ける。これにより、空調ユニットのファン停止時においてフィルタに捕らえられた状態で死滅していないウィルスまたは細菌が残存していたとしても、これらをさらに死滅させることが可能になる。
【0017】
第5の観点の活性種生成ユニットは、第1の観点から第4の観点のいずれかの活性種生成ユニットにおいて、エアフィルタと、活性種生成ユニット用表示部をさらに備えている。エアフィルタは、ファンによって生じる空気流れを通過させるように設けられている。空調ユニットは、運転状態を表示出力する空調ユニット用表示部を有している。活性種生成ユニット用表示部は、制御部と接続されており、エアフィルタに関する状態を空調ユニット用表示部とは別に表示出力する。ここで、『エアフィルタに関する状態』としては、例えば、新しいエアフィルタもしくは洗浄されたエアフィルタの使用が開始されてからのファンの積算運転時間を計測することで特定されたり、圧力損失が大きくなっていることを検出することで特定される目詰まりや汚れの程度等が含まれる。
【0018】
この活性種生成ユニットは、ウィルスや細菌を捕らえるフィルタとは別である、エアフィルタを備えており、このエアフィルタは長く使用することによって、目詰まりや汚れがひどくなっていくことがある。ここで、このようなエアフィルタの汚れに関する表示出力を、空調ユニット用表示部に対して情報送信して表示出力することが困難もしくは不可能な構成であったとしても、この空調ユニット用表示部とは別個に独自の活性種生成ユニット用表示部に対して表示出力することができる。これにより、空調ユニット用表示部において表示出力が困難もしくは不可能な構成であっても、ユーザに対して、エアフィルタの交換もしくはメンテナンス時期を容易に把握させることができる。
【発明の効果】
【0019】
第1の観点の活性種生成ユニットでは、活性種生成ユニットの制御部からの制御指令をファンと活性種生成部との両方に送ることによる制御ができない場合であっても、ファンの駆動状態を示す信号を第1受信部が受信するという容易な構成によって、ファンの駆動中に活性種生成部による放電を開始させることができるようになる。
【0020】
第2の観点の活性種生成ユニットでは、端子から送り出されるファンの駆動状態を示す信号を第1受信部が受信可能なように接続するだけで、活性種生成ユニットの制御部は、容易にファンの駆動状態を把握することが可能になる。
【0021】
第3の観点の活性種生成ユニットでは、活性種が不必要に多く生成される状態を避けることが可能になる。
【0022】
第4の観点の活性種生成ユニットでは、空調ユニットのファン停止時においてフィルタに捕らえられた状態で死滅していないウィルスまたは細菌が残存していたとしても、これらをさらに死滅させることが可能になる。
【0023】
第5の観点の活性種生成ユニットでは、空調ユニット用表示部において表示出力が困難もしくは不可能な構成であっても、ユーザに対して、エアフィルタの交換もしくはメンテナンス時期を容易に把握させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態にかかる空調ユニットおよび活性種生成ユニットの概略構成図である。
【図2】活性種生成ユニット内部の概略構成図である。
【図3】活性種生成部の概略分解斜視図である。
【図4】脱臭フィルタの断面図である。
【図5】上流側脱臭フィルタと下流側脱臭フィルタとが離れて配置されている様子を示す図である。
【図6】他の実施形態(D)にかかる空調ユニットおよび活性種生成ユニットの概略構成図である。
【図7】他の実施形態(J)にかかる空調ユニットおよび活性種生成ユニットの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しつつ、ファンを有する空調ユニットに対して接続されて用いられる活性種生成ユニットの一実施形態を例に挙げて説明する。
【0026】
(1)全体構成
図1に、空調ユニット9に対してダクト80を介して接続されている活性種生成ユニット1の概略構成図を示す。
【0027】
(1−1)空調ユニット9
空調ユニット9は、室内の天井近傍に設置された室内機ケーシング91と、その内部に設けられた、室内ファン92、室内熱交換器93、室内制御部94、および、室内ユニットコントローラ95等を有している。室内熱交換器93は、内部に冷媒が流れ、図示しない冷凍サイクルの一部を構成している。この冷凍サイクルの他の構成要素としては、図示しない圧縮機構、熱源側熱交換器、膨張機構等が含まれる。室内熱交換器93は、内部を流れる冷媒と外部を通過する空気との間で熱交換を行い、空気を調和させる。このようにして調和された空気は、室内機ケーシング91の外へ(室内空間へ)供給される。室内制御部94は、外部電源96から電力の供給を受けて作動し、室内ユニットコントローラ95にユーザが入力した指令や図示しない各種センサから得られた情報等に基づいて、室内ファン92の運転制御を行う。なお、室内制御部94は、室内ファン92の駆動制御を複数段階に調節可能であり、室内熱交換器93へと送る風量レベルを選んで制御することが可能になっている。室内制御部94は、室内ファン92が駆動しているか否かの駆動状態を示す信号を送り出すための接続端子94aを有している。なお、室内ファン92が駆動されることによって、各図において示すように空気流れFが生じる。
【0028】
(1−2)ダクト80
ダクト80は、空調ユニット9によって温調される被処理空気を導くものであり、室内機ケーシング91から、室内ファン92の風上側に向けて伸びるようにして設けられている。このダクト80の空調ユニット9とは反対側の端部は、室内の空気を取り込むように設けられていてもよいし、屋外の空気を取り込むように設けられていてもよい。
【0029】
(1−3)活性種生成ユニット1
活性種生成ユニット1は、図1および内部概略構成図である図2に示すように、ダクト80の途中に接続された活性種生成ユニットケーシング10と、その内部に設けられているエアフィルタ11、プリーツフィルタ13、脱臭フィルタ14、活性種生成部12および制御基板20と、制御基板20に接続されたフィルタサイン出力部23と、臭気センサ24と、を有している。
【0030】
活性種生成ユニットケーシング10は、空気流れ方向の上流側に開口した上流側開口10a、および、空気流れ方向の下流側に開口した吹出開口10bを有しており、それぞれダクト80に接続されている。この活性種生成ユニットケーシング10は、活性種生成部12、プリーツフィルタ13、脱臭フィルタ14を内部に収容している。
【0031】
エアフィルタ11は、活性種生成ユニットケーシング10内の上流側に配置されており、空気中の比較的大きな集塵を捕捉する。
【0032】
活性種生成部12は、活性種生成ユニットケーシング10の上流側開口10aの空気流れ方向の下流側であって、プリーツフィルタ13および脱臭フィルタ14の上流側に配置されている。この活性種生成部12は、図2に示すように、線状電極12a、対向電極12b、放電ケーシング15を有している。この放電ケーシング15は、互いに勘合する線状電極側ケーシング15aと対向電極側ケーシング15bとを有している。線状電極12aと、対向電極12bとは、放電ケーシング15の内部に収容されている。線状電極12aは、針状の針状部分Nを4つ有している。対向電極12bは、複数の電極開口12hを有している。対向電極側ケーシング15bは、対向電極12bが放電ケーシング15の内部に収容されている状態で、対向電極12bの電極開口12hと重なる位置に設けられたケーシング開口15bhを有している。活性種生成部12は、図1に示すように、外部電源25から電力の供給を受け、線状電極12aと対向電極12bとの間に電圧が印加されることで放電を行い、線状電極12aの針状部分Nから対向電極12b側に向けてストリーマ放電が生じる。このストリーマ放電によって活性種が生起される。なお、このストリーマ放電によって生起された活性種は、対向電極12bの電極開口12hと、対向電極側ケーシング15bのケーシング開口15bhとを通過し、空気流れFによって下流側へと運ばれていく。また、このように活性種が生起されることに伴い、空気中に存在している酸素からオゾンが生じている。
【0033】
プリーツフィルタ13は、ポリプロピレン等の濾材によって構成されており、ウィルスや細菌を吸着することができる。プリーツフィルタ13に吸着されたウィルスや細菌は、活性種生成部12による放電により生起される活性種が供給されることで不活性化、死滅、除去される。
【0034】
脱臭フィルタ14は、上流側に配置された上流側脱臭フィルタ14aと、上流側脱臭フィルタ14aとは所定の間隔を隔てて下流側に並んで配置された下流側脱臭フィルタ14bと、を有している。上流側脱臭フィルタ14aと下流側脱臭フィルタ14bは、空気流れ方向に垂直な面での切断面が略コルゲート形状である担持体に対して、吸着剤としての活性炭が担持されて構成されており、プリーツフィルタ13では捕らえきれなかった臭気成分を吸着することができる。ここで吸着された臭気成分は、活性種生成部12における放電によって生起された活性種から生じたオゾンが供給されることで分解される。
【0035】
上流側脱臭フィルタ14aおよび下流側脱臭フィルタ14bは、図4に示すように、上記断面が略コルゲート形状の板状部材が厚み方向に複数積層されて構成されている。この板状部材の一枚当たりの厚さLTは、図4に示すように、2〜5mm程度である。また、この板状部材のコルゲート形状の単位波当たりの間隔LBは、図4に示すように、4〜10mm程度である。この板状部材と、板状部材の厚み方向に湾曲して配置されている波状部材と、によって仕切られている複数の空間は、上流側脱臭フィルタ14a内および下流側脱臭フィルタ14b内において、空気流れ方向上流側から下流側までの間でそれぞれ独立して伸びている。これにより、上流側脱臭フィルタ14aおよび下流側脱臭フィルタ14bには、独立して空気流れ方向に延びる複数の細かな流路R1、R2、R3が設けられていることになる。
【0036】
上流側脱臭フィルタ14aには、空気流れ方向の上流側端面に塗布された光触媒を含む層である上流光触媒部14aaが設けられている。この光触媒は、光触媒チタンアパタイトであり、プリーツフィルタ13で捕らえきれなかった臭気成分、有害成分(例えば、ホルムアルデヒド)、有機化合物、ウィルス、細菌等について、プリーツフィルタ13や脱臭フィルタ14の他の部分よりも強力に吸着することができる。そして、ここで吸着された臭気成分、有害成分(例えば、ホルムアルデヒド)、有機化合物、ウィルス、細菌は、活性種生成部12による放電により生起される活性種や、活性種により生じたオゾンによって、分解、不活性化、死滅、除去される。さらに、光触媒は、活性種の供給を受けることで活性化されるため、上記分解、不活性化、死滅、除去の効果をさらに高めることができている。なお、上流光触媒部14aaは、図5に示すように、上流側脱臭フィルタ14aの上流側端面全体を塞ぐことなく、上流側脱臭フィルタ14aを構成する部材の上流側端部を縁取るように設けられている。この上流光触媒部14aaの空気流れ方向の厚みは、100μmである。また、図5に示すように、上流側脱臭フィルタ14aの空気流れ方向における厚みL1は、5〜120mmである。
【0037】
下流側脱臭フィルタ14bは、上流側脱臭フィルタ14aと同じ形状、構造および寸法であって、断面略コルゲート形状の担持体に吸着剤としての活性炭が担持された構成となっている。下流側脱臭フィルタ14bの空気流れ方向における厚みL2は、図5に示すように上流側脱臭フィルタ14aの厚みL1と同様であり、5〜120mmである。この下流側脱臭フィルタ14bについても、空気流れ方向の上流側端面に塗布された光触媒を含む層である下流光触媒部14baが設けられている。この下流光触媒部14baは、上流光触媒部14aaと同じ成分であり、下流側脱臭フィルタ14bの上流側端面全体を塞ぐことなく、下流側脱臭フィルタ14bを構成する部材の上流側端部を縁取るように設けられている。この下流光触媒部14baの空気流れ方向の厚みは、100μmである。
【0038】
なお、上流側脱臭フィルタ14aの下流側端面と、下流側脱臭フィルタ14bの上流側端面(正確には、下流光触媒部14baの上流側端面)との間に設けられた空気流れ方向の間隔LDは、20〜30mmとなっている。
【0039】
制御基板20は、図1に示すように、外部電源25から電力の供給を受けて作動し、活性種生成部12を制御するための信号を受信するファン駆動状況受信部21と、活性種制御部22と、を有している。ファン駆動状況受信部21からは、端部にコネクタを有する通信線が伸び出しており、空調ユニット9の室内制御部94に設けられている接続端子94aに接続される。これにより、ファン駆動状況受信部21は、接続端子94aからの室内ファン92の駆動状況を示す信号を一方向通信により受信する。ここで、空調ユニット9の室内制御部94に設けられている接続端子94aは、外部(ここでは活性種生成ユニット1)からの情報を受信できるようには構成されていないため、上述したように、空調ユニット9側から活性種生成ユニット1側に向かう一方向通信のみが確立されることになる。このようにして室内ファン92の駆動状況を示す信号をファン駆動状況受信部21が受信することにより、制御基板20上に設けられている活性種制御部22が、この受信した信号に基づいて活性種生成部12による放電を行うタイミングを制御する。なお、空調ユニット9側から活性種生成ユニット1側に向かう一方向通信を確立させる態様は特に限られるものではなく、有線接続であっても無線接続であってもよい。例えば、無線接続の場合には、発振器を接続端子94aに接続して、対応する受信機をファン駆動状況受信部21に接続することになる。
【0040】
フィルタサイン出力部23は、制御基板20に接続されており、エアフィルタ11のメンテナンスタイミングを出力することができるようになっている。具体的には、室内ファン92の積算運転時間によりエアフィルタ11の汚れの程度を推測しており、一定条件の汚れを超えていると判断されることにより、活性種制御部22が、エアフィルタ11のメンテナンス時期が到来したことを示す情報をフィルタサイン出力部23において出力させる。ここでは、LED等のランプを発光させることによりメンテナンス時期が到来したことを報知している。
【0041】
臭気センサ24は、活性種生成ユニットケーシング10であって、エアフィルタ11の下流側であって、プリーツフィルタ13の上流側に配置されており、通過する空気の臭気成分の濃度を検出する。この臭気センサ24は、制御基板20に接続されており、臭気センサ24の周囲を通過する空気の臭気成分の濃度を、活性種制御部22が把握できるようになっている。なお、ここでの臭気センサ24が検出する臭気成分は、例えば、アセトアルデヒト、硫化水素、アンモニア、ホルムアルデヒド等のいずれか1つである。
【0042】
(2)活性種生成部12による放電の開始
活性種生成ユニット1の活性種制御部22は、室内ファン92の駆動状況を示す信号をファン駆動状況受信部21が受信した時に、活性種生成部12による放電を開始することによって、活性種を生起させる。
【0043】
なお、本実施形態において、室内ファン92の駆動状況を示す信号をファン駆動状況受信部21が受信した時には、制御される風量レベルにもよるが、概ね、風量500m3/hで、風速0.7m/sec程度の空気流れFが活性種生成ユニットケーシング10内に生じている。
【0044】
具体的には、室内ファン92の駆動状況を示す信号をファン駆動状況受信部21が受信した時に、活性種制御部22が、活性種生成部12の線状電極12aと対向電極12bとの間に電圧を印加させるように制御し、線状電極12aの針状部分Nから対向電極12b側に向けてストリーマ放電が生じることで、活性種が生起される。これにより、空調ユニット9の室内ファン92と活性種生成ユニット1の活性種生成部12とを連動させた制御が可能になることで、活性種を必要なタイミングで生成させることができるようになっている。
【0045】
ここで、活性種制御部22が生じさせる活性種の量は、活性種生成部12の線状電極12aと対向電極12bとの間に印加させる電圧を設定された値に固定しつつ、電圧を印加させたON状態と、印加させていないOFF状態と、を切り換える頻度を調節することによって制御されている。すなわち、活性種制御部22が生じさせる活性種の量を多くしようとする場合には、単位時間当たりにおけるON状態が長くなるように制御しつつ、生じさせる活性種の量を少なくしようとする場合には、単位時間当たりにおけるON状態が短くなるように制御する。
【0046】
活性種制御部22は、臭気センサ24が検出する臭気成分の濃度が高いほど、電圧が印加されたON状態の頻度が上がるように、活性種生成部12を制御する。
【0047】
この活性種は、対向電極12bの電極開口12hと、対向電極側ケーシング15bのケーシング開口15bhとを通過し、空気流れFによって、より下流側に配置されているプリーツフィルタ13、上流光触媒部14aa、上流側脱臭フィルタ14a、下流光触媒部14baおよび下流側脱臭フィルタ14bに対して順に供給されていく。
【0048】
上流光触媒部14aaや下流光触媒部14baの光触媒は、上述した活性種が供給されることで活性化される。活性化した光触媒は、上流光触媒部14aaや下流光触媒部14ba自身が吸着していた成分等を、より強力に分解、もしくは、不活性化させる。
【0049】
上流側脱臭フィルタ14aや下流側脱臭フィルタ14bのうち、上流光触媒部14aaおよび下流光触媒部14ba以外の部分に吸着されている臭気成分は、活性種によって生じたオゾンが供給されることにより分解される。
【0050】
このように、活性種生成部12によって活性種が生起されることにより、プリーツフィルタ13、上流光触媒部14aa、上流側脱臭フィルタ14a、下流光触媒部14baおよび下流側脱臭フィルタ14bの機能が維持されている。
【0051】
なお、図4に示すように、上流光触媒部14aa、上流側脱臭フィルタ14a、下流光触媒部14baおよび下流側脱臭フィルタ14bは、板状部材の一枚当たりの厚さLTが2〜5mm程度で、コルゲート形状の単位波当たりの間隔LBが4〜10mm程度に設計されていることで、互いに独立した無数の小さな流路が形成されている。このように、1つの流路の通路面積を小さく設計しておくことで、吸着に寄与する表面積を増大でき、保持されている吸着成分の量も増大(吸着材の濃度も増大)させることができているため、清浄化能力を向上させることができている。
【0052】
(3)活性種生成部12の残留運転
上述のように、ファン駆動状況受信部21が室内ファン92の駆動状況を示す信号を受信した時には、活性種生成部12による放電が開始されるように活性種制御部22が制御を行うが、ファン駆動状況受信部21が室内ファン92の停止状況を示す信号を受信した時には、活性種制御部22は、直ちに活性種生成部12による放電を停止させるのではなく、所定時間の間、活性種生成部12による放電状態を維持させる。これにより、プリーツフィルタ13、上流光触媒部14aa、上流側脱臭フィルタ14a、下流光触媒部14baおよび下流側脱臭フィルタ14bにおいて、ウィルスや細菌や臭気成分の残存量を低減させている。
【0053】
(4)特徴
(4−1)
上記実施形態の活性種生成ユニット1が有する機能を備えていない空調ユニット9に対して、同時にもしくは後から追加するようにして活性種生成ユニット1を設置しようとする場合には、室内ファン92と活性種生成部12とを連動させて制御するには、各ユニットの制御部に対する双方向通信が可能なコントローラを別途設ける等の対処が必要になることがある。
【0054】
これに対して、上記実施形態では、空調ユニット9の室内制御部94において一般的に設けられているような接続端子94aから送り出される信号を、活性種生成ユニット1の制御基板20に設けられたファン駆動状況受信部21が受信できるように構成したことで、室内ファン92と活性種生成部12の制御を連動させることが可能になっている。しかも、空調ユニット9の室内制御部94が、活性種生成ユニット1側からの情報を受信して処理することが予定されていないような構成であったとしても、空調ユニット9の室内制御部94の接続端子94aから活性種生成ユニット1の制御基板20のファン駆動状況受信部21に向かう一方向通信を確立するだけで、室内ファン92と活性種生成部12との連動制御を容易に実現させることができるようになっている。
【0055】
これにより、空調ユニット9の電源がONになっている時に常に活性種生成部12による放電を行わせるのではなく、室内ファン92が駆動しており、清浄対象成分を含んだ空気がプリーツフィルタ13や脱臭フィルタ14に対して供給されている状況において活性種生成部12による放電を行わせることができる。これにより、不必要に活性種を生じさせることを抑制でき、オゾン濃度が上昇し過ぎることを防止できる。
【0056】
(4−2)
上記実施形態の活性種生成ユニット1では、室内ファン92と活性種生成部12との連動制御を行う場合に、室内ファン92が停止した時点ですぐに活性種生成部12による放電を停止させてしまうのではなく、所定時間の間、活性種生成部12による放電状態を維持させる残留運転を行っている。
【0057】
このため、プリーツフィルタ13、上流光触媒部14aa、上流側脱臭フィルタ14a、下流光触媒部14baおよび下流側脱臭フィルタ14bにおいて、ウィルスや細菌や臭気成分等が残存量を低減させることができ、次回の室内ファン92の運転開始時において、室内にウィルスや細菌や臭気成分が漏れだしてしまうことを防止することができている。
【0058】
(4−3)
上記実施形態の活性種生成ユニット1には、制御基板20に対してフィルタサイン出力部23が接続されており、エアフィルタ11のメンテナンスタイミングを出力することができるようになっている。
【0059】
このため、空調ユニット9の室内制御部94が、活性種生成ユニット1の制御基板20側から送信される情報を受信して処理することが予定されていない構成のものであり、室内ユニットコントローラ95に表示出力することができない場合であっても、活性種生成ユニット1が独自の出力部としてのフィルタサイン出力部23を有していることにより、エアフィルタ11のメンテナンス時期が到来したことを示す情報をユーザに知らせることができるようになっている。
【0060】
(4−4)
一般に、吸着処理を行う部材の吸着成分を密に担持させた場合には、空気流れが通過する流路が小さくなり、空気流れの通風抵抗が増大することになってしまう。特に、吸着処理を行う部材が、空気流れ方向に長い場合には、このような通風抵抗の増大は顕著になってしまい、吸着成分を密に担持させているにも関わらず、空気の清浄化能力が低下してしまうこともある。
【0061】
これに対して、上記実施形態の脱臭フィルタ14では、上流側脱臭フィルタ14aと下流側脱臭フィルタ14bとに分割された複数のフィルタを、空気流れ方向の間隔LDを設けて配置している。このため、上流側脱臭フィルタ14aと下流側脱臭フィルタ14bとが一体となって設けられている場合と比較して、通風抵抗を低く抑えることができている。
【0062】
さらに、このように上流側脱臭フィルタ14aと下流側脱臭フィルタ14bとを分けて配置することにより、上流側脱臭フィルタ14aの各流路を通過して流出した空気が、下流側脱臭フィルタ14bに流入する前に一度攪拌されるために、上流側脱臭フィルタ14aと下流側脱臭フィルタ14bとが一体となって設けられている場合と比較して、脱臭機能が発揮される位置のムラを低減させることができ、脱臭フィルタ14の全体を満遍なく利用することができている。
【0063】
また、脱臭フィルタ14を、上流側脱臭フィルタ14aと下流側脱臭フィルタ14bとに分けることで、上流側の端面を増大させることができているため、上流側脱臭フィルタ14aだけでなく下流側脱臭フィルタ14bを設けることが可能になっている。このため、光触媒に一度だけしかふれないような構成と比較して、空気清浄能力を増大させることができている。
【0064】
(5)他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について図面に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更した形態についても含まれる。
【0065】
(A)
上記実施形態では、ダクト80を介して、活性種生成ユニット1を空調ユニット9に接続する場合を例に挙げて説明した。
【0066】
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、空調ユニットに、活性種生成ユニットを収容可能なスペースが存在している場合には、活性種生成部12を空調ユニットに内蔵させるようにして両者を接続してもよい。
【0067】
(B)
上記実施形態では、残留制御を行うことにより、室内ファン92の駆動が停止した後においても、しばらくの間、活性種生成部12における放電が続けられる制御を例に挙げて説明した。
【0068】
しかし、本発明は、これに限られるものではない。
【0069】
例えば、活性種生成部12における放電制御としては、室内ファン92の駆動状況に関連して制御されるものであればよく、例えば、室内ファン92の駆動状況と同期させる制御であってもよいし、室内ファン92の駆動中にのみ間欠的に放電を行うような制御であってもよい。
【0070】
(C)
上記実施形態では、室内ファン92が停止した後であっても、室内ファン92の停止時において放電を行っていた活性種生成部12について、所定時間の間、放電を続けさせるという残留運転を例に挙げて説明した。
【0071】
しかし、本発明は、これに限られるものではない。
【0072】
例えば、室内ファン92の運転中において活性種生成部12による放電を間欠的に行う等、室内ファン92の運転中においても活性種生成部12による放電が停止されている状態があるような制御が行われてもよい。そして、室内ファン92が停止した時点において活性種生成部12による放電が行われていない状態であったとしても、上記実施形態の残留運転とは異なり、室内ファン92が停止された後に、活性種生成部12による放電を開始して、しばらくの間(所定時間、もしくは、所定の条件を満たすまでの間)放電を続けるようにしてもよい。
【0073】
また、室内ファン92が停止した時点から残留運転時の活性種生成部12による放電を終えるまでの間の時間長さは、予め定められた時間であってもよいし、室内ファン92が駆動されていた前回の積算運転時間に比例する時間長さとなるようにしてもよい。
【0074】
(D)
上記実施形態では、接続端子94aを介して受信部が取得した室内ファン92の駆動状況に関する情報が正しいことを前提としている場合を例に挙げて説明した。
【0075】
しかし、本発明は、これに限られるものではない。
【0076】
例えば、図6に示すように、風速センサ297、風速受信部226、活性種制御部222、および、上記実施形態と同様のファン駆動状況受信部21が制御基板220に設けられた活性種生成ユニット201であってもよい。
【0077】
この風速センサ297は、空気流れFが生じる部分(図6では、空調ユニット9内を例示している)に設けられており、通過する空気流れFの速度を検知する。そして、風速受信部226は、風速センサ297からの信号を受信する。活性種制御部222は、ファン駆動状況受信部21が受信した信号に基づいて空調ユニット9が室内ファン92を駆動させようとしているか否かを把握するとともに、風速受信部226が受信した信号に基づいて実際に空気流れFが生じているか否かを把握する。これにより、活性種制御部222が、空調ユニット9が室内ファン92を駆動させようとしているにも関わらず、風速受信部226が受信した信号によると実際に生じている空気流れFの風速が所定風速に満たない状態であると判断した場合には、活性種制御部222は、活性種生成部12による放電を停止させる。
【0078】
これにより、何らかの原因で実際に空気流れFが生じていない状況になっているにも関わらず空調ユニット9の接続端子94aから室内ファン92が駆動中である旨の信号を受信することにより、活性種生成部12による放電が行われてしまうことを抑制でき、活性種が不必要に多く生成される状態を避けることが可能になる。
【0079】
なお、活性種制御部222は、活性種生成部12による放電を停止させるのではなく、活性種生成部12による放電量を減少させるようにしてもよい。
【0080】
(E)
上記実施形態では、接続端子94aから室内ファン92が駆動しているか否かを示す信号を送り出すことができる空調ユニット9を例に挙げて説明した。
【0081】
しかし、本発明は、これに限られるものではない。
【0082】
例えば、接続端子94aから送り出すことができる信号としては、室内ファン92が駆動しているか否かの情報に留まらず、風量レベルについても把握できる信号であってもよい。この場合であっても、活性種制御部22が、室内ファン92の駆動状態に応じたて活性種生成部12による放電制御を行うができる。さらに、ファン駆動状況受信部21が室内ファン92の風量レベルについても受信できる場合には、活性種制御部22は、室内ファン92の風量レベルにあわせて活性種生成部12の放電量を制御するようにしてもよい。
【0083】
(F)
上記実施形態では、脱臭フィルタ14が、上流側脱臭フィルタ14aおよび下流側脱臭フィルタ14bの複数のフィルタによって構成されている場合を例に挙げて説明した。
【0084】
しかし、本発明は、これに限られるものではない。
【0085】
例えば、圧力損失を低減させたい場合や、脱臭フィルタとしては1つ設けられていれば要求される清浄能力を十分に達成できる場合には、一つのみが設けられた構成としてもよい。
【0086】
(G)
上記実施形態では、脱臭フィルタ14における光触媒として光触媒チタンアパタイトを例に挙げて説明した。
【0087】
しかし、上記実施形態における光触媒としては、例えば、酸化チタン等であってもよい。
【0088】
(H)
上記実施形態では、脱臭フィルタ14における吸着剤として活性炭が担持されている場合を例に挙げて説明した。
【0089】
しかし、上記実施形態における吸着剤としては、例えば、シリカゲルや、ゼオライト等であってもよい。
【0090】
(I)
上記実施形態では、活性種制御部22が生じさせる活性種の量は、活性種生成部12に対する固定電圧の印加頻度を、臭気センサ24が検出する臭気成分の濃度に応じて調節される、という場合を例に挙げて説明した。
【0091】
これに対して、活性種制御部22が生じさせる活性種の量は、例えば、臭気センサ24が検出する臭気成分の濃度が高いほど、活性種生成部12に対して印加させる電圧が高い値になるように制御してもよい。
【0092】
(J)
上記実施形態では、臭気センサ24が検出する臭気成分の濃度に応じて、活性種制御部22が活性種生成部12に生じさせる活性種の量を調節する場合を例に挙げて説明した。
【0093】
これに対して、例えば、図7に示すように、オゾンセンサ27を有する活性種生成ユニット301であってもよい。
【0094】
このオゾンセンサ27は、活性種生成ユニットケーシング10内において、プリーツフィルタ13の下流側であって、脱臭フィルタ14の上流側に配置されており、通過する空気に含まれるオゾンの濃度を検出する。このオゾンセンサ27は、制御基板20に接続されており、オゾンセンサ27の周囲を通過する空気のオゾン濃度を、活性種制御部22が把握できるようになっている。なお、ここでオゾンセンサ27が検出するオゾンは、主として、活性種生成部12が生じさせた活性種に由来するものである。
【0095】
なお、プリーツフィルタ13はオゾンを通過させやすいが、脱臭フィルタ14は脱臭のためにオゾンを消費するため、オゾンを通過させにくい。ところが、活性種生成部12が必要以上の活性種を生じさせてしまうと、オゾンが脱臭フィルタ14を通過して室内側に漏れだしてしまうおそれがある。このため、この他の実施形態(J)では、活性種制御部22は、オゾンセンサ27が検出するオゾン濃度が高い場合には、活性種生成部12に固定電圧を印加する頻度を抑えるように制御している。これにより、オゾンが必要以上に多く生じて、室内側に流出することを抑制できている。
【0096】
なお、活性種制御部22は、オゾンセンサ27が検出したオゾン濃度に応じた制御を、臭気センサ24が検出した臭気成分の濃度に応じた制御よりも優先させる。すなわち、臭気成分が多くなったとしても、室内側にオゾンが流出しそうな状況になると、活性種の生成を抑制するようにしている。
【0097】
なお、他の構成は上記実施形態と概ね同様である。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明の活性種生成ユニットは、例えば、ファンを有する空調ユニットに対して追加して設置させる場合に、特に有用である。
【符号の説明】
【0099】
1 活性種生成ユニット
9 空調ユニット
11 エアフィルタ
12 活性種生成部
13 プリーツフィルタ(フィルタ)
14 脱臭フィルタ
20 制御基板(基板)
21 ファン駆動状況受信部(第1受信部)
22 活性種制御部(制御部)
23 フィルタサイン出力部(活性種生成ユニット用表示部)
92 室内ファン(ファン)
94 室内制御部
94a 接続端子(端子)
95 室内ユニットコントローラ(空調ユニット用表示部)
201 活性種生成ユニット
222 活性種制御部(制御部)
226 風速受信部(第2受信部)
297 風速センサ
301 活性種生成ユニット
【先行技術文献】
【特許文献】
【0100】
【特許文献1】特開平8−131880号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファン(92)を有する空調ユニット(9)に対して接続される活性種生成ユニット(1、201、301)であって、
前記ファン(92)によって生じる空気流れ中に含まれるウィルスまたは細菌を捕らえるフィルタ(13)と、
放電により、前記フィルタ(13)が捕らえている前記ウィルスまたは前記細菌を不活性化させるための活性種を生じさせる活性種生成部(12)と、
前記ファン(92)の駆動状態を示す信号を受信する第1受信部(21)と、
前記第1受信部(21)が受信した信号に基づいて前記ファン(92)が駆動中であるか否かを判断し、前記ファン(92)が駆動中であると判断した場合に前記活性種生成部(12)による放電を開始させる制御部(22)と、
を備えた活性種生成ユニット(1、201、301)。
【請求項2】
前記空調ユニット(9)は、前記ファン(92)の駆動状態を示す信号を送り出すための端子(94a)を有しており、
前記第1受信部(21)は、前記端子(94a)から送り出される前記ファン(92)の駆動状態を示す信号を受信するために前記端子(94a)と接続される、
請求項1に記載の活性種生成ユニット(1、201、301)。
【請求項3】
前記ファン(92)によって生じる空気流れの速度を検知する風速センサ(297)と、
前記風速センサ(297)からの信号を受信する第2受信部(226)と、
をさらに備え、
前記制御部(222)は、前記第1受信部(21)および前記第2受信部(226)が受信した信号に基づいて、前記ファン(92)を駆動させようとしているにも関わらず前記第2受信部(226)により把握される風速が所定風速に満たないと判断した場合には、前記活性種生成部(12)における放電を低減させるか、もしくは、停止させる、
請求項1または2に記載の活性種生成ユニット(201)。
【請求項4】
前記制御部(22)は、
前記第1受信部(21)が前記ファン(92)の駆動状態を示す信号を受信しなくなった後から所定第1条件を満たすまでの間、前記活性種生成部(12)における放電を続けるか、
もしくは、
前記第1受信部(21)が前記ファン(92)の駆動状態を示す信号を受信しなくなった後に、放電停止状態にある前記活性種生成部(12)の放電を再開させて所定第2条件を満たすまで放電を続ける、
請求項1から3のいずれか1項に記載の活性種生成ユニット(1、201、301)。
【請求項5】
前記ファン(92)によって生じる空気流れを通過させるように設けられたエアフィルタ(11)をさらに備え、
前記空調ユニット(9)は、運転状態を表示出力する空調ユニット用表示部(95)を有しており、
前記制御部(22)と接続されており、前記エアフィルタ(11)に関する状態を前記空調ユニット用表示部(95)とは別に表示出力するための活性種生成ユニット用表示部(23)をさらに備えた、
請求項1から4のいずれか1項に記載の活性種生成ユニット(1、201、301)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−68000(P2012−68000A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−215578(P2010−215578)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】