説明

活魚固定装置及び活締め装置

【課題】魚の暴れを効果的に抑制しながら、魚の大きさのバラツキに対応し、スムーズに魚を固定できる活魚固定装置、および前記活魚固定装置を使用した活締め装置を提供する。
【解決手段】活魚固定装置は、テーブル21に横に寝た姿勢で頭から供給された魚を、テーブル21からの距離が魚の厚さに従い変化するように支持された複数の魚体押さえ具34でテーブル21の方向に押しつけることにより、固定する。魚体押さえ具34は、魚の固定位置で、少なくとも1つが魚の胴部を、少なくとも他の1つは尾部を押さえる位置に設置される。活締め装置は、活魚固定装置と、切り込み用の刃物を進退させることにより固定された魚の所定の位置に切り込みを入れる切り込み機構70とから構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、魚を生きたまま固定する装置及び生きた魚を固定して活締めを行う装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
活魚を扱う作業には、生態調査のための標識付け、飼育魚への予防注射、鮮度を保つための活締め作業などがある。しかし、それらの作業では、魚が暴れて固定するのが難しいため、作業に手間取っているのが現状である。
このため、活魚の固定を行う装置や活締めを行うための装置が開発されている(特許文献1〜4)。
【0003】
特許文献1では、筒状ガイドに投入された魚を検知レバーで検知し、押さえ部材で魚を固定した後に、活け絞め用刃を往復運動させて魚の延髄を切断し、活き絞めを行う装置が開示されている。
【0004】
特許文献2では、ベースプレート上を滑ってきた魚が停止板に当たるのをセンサで感知し、押さえ手段で魚を押さえるとともに、カッタで延髄を切断する活きしめ装置、および、活きしめ装置に魚を供給する搬送路で魚に電気ショックを与えて気絶させ、活きしめ処理を容易にする装置が開示されている。
【0005】
特許文献3では、魚が横に寝た状態で供給されるテーブルと、テーブル上に供給された魚を定位させる手段と、魚に対して同時に進退される2本の刃物とを備えており、この2本の刃物のうち1本は、テーブル上に定位される魚の鰓部から頭部側に刃先が位置しており、他の1本は、テーブル上に定位される魚の鰓部から喉部側に刃先が位置している魚の生けしめ装置が開示されている。
【0006】
特許文献4では、
処理ボックスに投入された魚を押圧する押圧固定手段と、
カッター刃によって上記押圧固定手段によって押圧固定された魚の所定位置をカットして血抜き処理を施す一次側血抜き手段と、一次側血抜き手段とは反対側から押圧固定された魚の所定位置をカットして血抜き処理を施す二次側血抜き手段とを有し、一次側血抜き手段と二次側血抜き手段は魚の大きさに応じてカッター刃の作用位置を魚の長さ方向に沿って異ならせる作用位置可変機構を備えている魚の血抜き装置が開示されている。

【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−204658公報
【特許文献2】特開2007−61051公報
【特許文献3】特開2003−38091公報
【特許文献4】特開2010−130936公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の装置は、いずれも、魚が所定の固定位置に納まったことを検知してから押圧固定手段を作動させるため、魚が装置に供給されてから所定の固定位置に納まるまでの間は暴れを抑えることができない。このため、魚の負担の増加や打撲の発生、活締めの場合は鮮度の低下を招くという問題があり、必要に応じて、炭酸ガスなどを用いた沈静処理が併用されている。また、魚体の固定には、魚体形状と相似形の押し板や平板にクッション材を貼り合わせた板が用いられているため、魚の大きさのバラツキに対応した押圧固定が困難である。
さらに、魚体固定に動力を用いるため、機構が複雑、大がかりとなっており、価格も高く、必ずしも漁業者にとって導入しやすいものとはなっていない。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑み、魚の暴れを効果的に抑制しながら、魚の大きさのバラツキに対応し、スムーズに魚を固定できる活魚固定装置、及び前記活魚固定装置を使用した活締め装置の提供を目的とする。

【課題を解決するための手段】
【0010】
第1発明の活魚固定装置は、魚が頭から横に寝た姿勢で供給されるテーブルと、前記テーブルに設置された少なくとも1つの案内板と、前記案内板の奥に配置された当て止めと、前記供給された魚を前記テーブルとの間に挟む複数の魚体押さえ具と、前記各々の魚体押さえ具を、当該魚体押さえ具の前記テーブルからの距離が前記供給された魚の当該魚体押さえ具の位置における厚さに従い変化するよう支持しながら前記テーブルの方向に押しつける押圧機構とを備え、前記供給された魚の頭部が前記当て止めに当たる状態で、前記魚体押さえ具のうち少なくとも1つは前記供給された魚の胴部を、少なくとも他の1つは尾部を押さえる位置に設置されていることを特徴とする。
【0011】
第2発明の活魚固定装置は、第1発明において、前記魚体押さえ具の少なくとも1つが魚の供給方向に回転するローラーであることを特徴とする。
【0012】
第3発明の活魚固定装置は、第1発明または第2発明において、前記押圧機構の少なくとも1つが、前記魚体押さえ具または前記魚体押さえ具と前記押圧機構に働く重力のみを利用して前記魚体押さえ具を前記テーブルの方向に押しつけることを特徴とする。
【0013】
第4発明の活魚固定装置は、第1、第2または第3発明において、前記押圧機構は、一端が前記テーブルまたは前記テーブルと固定されたフレームに、魚の供給方向に沿って回動自在に固定され、他端が前記魚体押さえ具を支持するよう固定されているアームであることを特徴とする。
【0014】
第5発明の活魚固定装置は、第1、第2、第3または第4発明において、前記当て止めと、前記魚体押さえ具のうち前記供給された魚の尾部を押さえる少なくとも1つの魚体押さえ具に電極が形成されており、前記当て止めに形成された電極に正極が、前記魚体押さえ具に形成された電極に負極が、それぞれ電気的に接続された電流供給手段を備えることを特徴とする。
【0015】
第6発明の活締め装置は、第1、第2、第3、第4または第5発明の活魚固定装置と、切り込み用の刃物を前記活魚固定装置に固定された魚の所定の位置に対して進退させる切り込み機構とを備えることを特徴とする。
【0016】
第7発明の活締め装置は、第5発明の活魚固定装置と、前記電流供給手段からの電流の供給を検知する通電検知手段と、切り込み用の刃物を前記活魚固定装置に固定された魚の所定の位置に対して進退させる切り込み機構とを備え、前記通電検知手段の検出結果に基づき前記刃物を進退させることを特徴とする。
【0017】
第8発明の活締め装置は、第6発明または第7発明の活魚固定装置と、前記魚体押さえ具のテーブルからの距離を検出する魚体厚み検出手段と、前記魚体厚み検出手段の検出結果に基づき異なる切り込み位置で前記刃物を進退させる刃物位置調整機構とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
第1発明によれば、活魚固定装置に供給された魚は、テーブル上を所定の固定位置に向けて移動する間、魚体押さえ具によってテーブルとの間に挟まれ、押圧機構によりテーブルに押しつけられているため、暴れが抑制されるので、魚をスムーズに所定の固定位置に移動させることができる。また、魚体押さえ具は、魚の厚みに追従してテーブルからの距離が変わるため、魚の大きさにバラツキがあっても、魚をテーブルに押さえつけることができる。
【0019】
第2発明によれば、テーブル上で魚を移動させる際の魚押さえ具による抵抗が低減され、魚をよりスムーズに所定の固定位置に移動させることができる。
【0020】
第3発明によれば、無動力で魚押さえ具により魚を押さえることができるので、アクチュエーターや制御機構を必要とせず、装置の簡素化、低価格化を図ることができる。また、魚押さえ具で魚をテーブルに押さえつけるために弾性体を利用した場合は、厚みの薄い尾部では魚を押さえる力が低下し、尾部の暴れを抑制できないことがあるが、本発明によれば、魚を押さえる力が魚の厚みによらずほぼ一定となり、尾部の暴れも効果的に抑えることができる。
【0021】
第4発明によれば、魚押さえ具をアームで支持することで、装置の簡素化、低価格化を図ることができる。
【0022】
第5発明によれば、魚の頭部が当て止めに接触すると同時に、魚に電流が流れて電気麻酔がかかり、魚の暴れが抑制されるため、暴れを抑制した魚の供給と連動して、魚を確実に固定できる。
【0023】
第6発明によれば、活締めする魚を、第1発明〜第5発明の活魚固定装置によって暴れを抑えながらスムーズに固定するため、魚の暴れによる打撲や鮮度の低下などを防ぐことができる。
【0024】
第7発明によれば、供給された魚が所定の固定位置に固定され、電気麻酔が作用したことを通電検知手段で検知し、刃物を進退させて活締めを行うので、魚の供給、固定、活締めが一連動作として行われ、効率的な作業が可能である。
【0025】
第8発明によれば、魚の厚みに追従する魚体押さえ具のテーブルからの距離を計測して魚の厚みを求め、魚の厚みから魚の体長を推定して、体長に対応した切り込み位置に切り込みを入れることができるので、魚の大きさの変動によらず確実な活締めが可能である。

【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係る活締め装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る活締め装置の構成を示す断面図である。
【図3】魚体押さえ機構の他の例を示す図である。
【図4】魚体押さえ具の他の例を示す図である。
【図5】魚への切り込み位置を示す模式図である。
【図6】刃物の刃部形状を示す図である。
【図7】魚体の大きさの推定方法の説明図である。
【図8】刃物位置調整機構の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、本発明に係る活締め装置の一実施形態について、図面を用いて説明する。
図1、図2に示すように、本実施形態の活締め装置は、魚体固定部2と切り込み部7から構成されており、活締め装置に供給された魚Fは、魚体固定部2で固定され、切り込み部7で魚の所定の切り込み位置、具体的には図5に示すように鰓11の付け根にあり太い血管が通っている鰓弓部12に切り込みを入れられ、活締めされる。
【0028】
魚体固定部2は、フレーム1、テーブル21、案内板22、当て止め35、魚体押さえ部30、電気麻酔部50から構成されている。
テーブル21は、フレーム1の底側に固定され、投入口23からテーブル21上に活締めされる魚Fが供給される。
魚Fをその自重を利用してスムーズに移動させるため、テーブル21は魚Fの供給方向Aに向けて先下がりに設置されている。また、魚Fを手前側に寄せた状態で、所定の固定位置に容易に移動させるため、テーブル21には、手前側が低くなるように傾斜が付けられている。
テーブル21上には、供給された魚Fが所定の固定位置に向けて移動するようガイドする案内板22が設けられている。また、テーブル21上を移動してきた魚Fを所定の固定位置で停止させるため、魚の供給方向Aのテーブル端部に当て止め35が設けられている。
当て止め35は、活締め作業が終了した後に本装置から魚Fを容易に排出できるよう、軸受36を介してテーブル21に固定されており、開閉可能となっている。
【0029】
魚体押さえ部30は、魚体押さえ具34と押圧機構32によって構成される魚体押さえ機構31を3個、魚の供給方向Aに並べて配置し、構成されている。
魚体押さえ具34は、魚Fの供給方向Aに回転するローラー(魚体押さえローラー)であり、ローラーが回転することで、魚Fが魚体押さえ具でテーブル21に押さえつけられても、スムーズにテーブル21上を移動するようになっている。
【0030】
押圧機構32は、一端が魚体押さえローラー34を回転自在に支持し、他端が軸受33を介して回動自在にフレーム1に固定されたアームとなっていて、魚Fの厚みに従い魚体押さえローラー34が押し上げられ、魚体押さえローラー34とアーム32の自重で魚Fをテーブル21に押さえつけるようになっている。
魚体押さえ機構31のうち1個は、所定の固定位置にある魚Fの尾部の尾びれ寄りを、別の1個は腹部と尾部の境目付近を、残りの1個は腹部を押さえるように取り付けられている。
【0031】
魚体押さえ機構31は、腹部、尾部それぞれ少なくとも1個設ける必要があるが、その数は処理する魚種の体長などに応じて適宜変更することができる。
魚体押さえ具34は、ローラー以外でも、図4に示す円、楕円または船底型の断面の棒など、供給された魚によりテーブルから押し上げられやすく、魚が魚体押さえ具とテーブルの間に挟まれながら移動しても傷が付きにくい形状のものであればよい。
また、押圧機構32のアームは、他端が軸受を介してテーブル1に固定されていても良い。
【0032】
さらに、押圧機構32は、アーム以外でも、図3に示すようにフレーム1またはテーブル21に固定した魚体押さえ具案内板37に溝を設け、魚体押さえ具38に取り付けた軸をはめ合わせて、魚体押さえ具38が魚Fの厚みに応じて上下しつつ、魚体押さえ具38の自重で魚Fをテーブル21に押さえつける機構でも良い。魚の押圧は、魚体押さえ具38の自重のほか、バネなどの弾性体の復元力を利用してもよい。また、フレーム1に固定したアクチュエータにより、魚体押さえ具38をテーブル21に押しつける機構としてもよい。
【0033】
電気麻酔部50は、直流電源51の正極を当て止め35に形成された正極電極52に、直流電源51の負極を負極電極として用いる最も尾びれ寄りのステンレス製魚体押さえローラー53に、それぞれ電気的に接続して構成されている。
電極の形成は、当て止め35や魚体押さえ具34を導電体で構成して行っても、絶縁体の当て止め35や魚体押さえ具34に導電体の板を固定して行っても良い。
直流電源51の電圧は32Vとしているが、魚種に応じて、電気麻酔による沈静化に十分な電流を流すことが可能な電圧であればよい。
【0034】
切り込み部7は、刃物位置調整機構76、切り込み機構70、制御部80により構成される。
刃物位置調整機構76は、制御部80の出力により魚Fの体長方向にロッドが進退する直動駆動機構であり、フレーム1に固定されている。
【0035】
切り込み機構70は、エアシリンダー71のロッドに切り込み用の刃物75を固定して構成され、エアシリンダー71の作動により刃物75を進退させることで、魚Fに切り込みが入るように刃物位置調整機構76のロッドに取り付けられている。
また、切り込み用の刃物75は、図6に示すように、魚の表面を滑って切り込み位置からはずれないよう、刃先がV字形状または円弧形状に中央がくぼんだ形状であることが望ましい。
【0036】
制御部80には各魚体押さえ機構31に設けられた角度センサー81の出力が送られる。角度センサー81は、アーム32とフレーム1を接続する軸に取り付けられ、図7に示すように、魚Fによって押し上げられたアーム32とフレーム1のなす角(θa〜θc)を検出して出力する。
制御部80は、各魚体押さえ機構31a〜31cの角度センサー81a〜81cの出力(θa〜θc)、アーム32a〜32cの長さ(La〜Lc)及び当て止め35とアーム32a〜32cのフレームへの取り付け位置との距離(Xa1〜Xc3)から、各魚体押さえローラー34a〜34cの位置における魚Fの厚みの分布を求め、この厚みの分布より魚Fの体長と鰓の位置を推定して、刃物位置調整機構76を作動させ、魚Fの鰓弓部に切り込みが入る位置に切り込み機構70を移動させる。
【0037】
魚Fの厚みが大きいほど、体長は長く、鰓の位置は当て止めから離れた位置となる。
また、胴部の厚みが同程度の魚であっても、尾びれに近い部分の厚みが相対的に小さいものは、体長が短く、鰓は、当て止めに近い位置にあると推定する。
【0038】
各魚体押さえ機構31に設けられた角度センサー81は、魚体押さえ具34とテーブル21との距離を求めることができる手段であれば良く、図3の魚体押さえ機構においては、ワイヤーの送り出し量を巻き取りリールの回転量で計測するセンサを用いても良い。
制御部80にはマイコンを用いているが、シーケンサなどを利用しても良い。
【0039】
魚の体長に応じた切り込み位置の調整は、切り込み機構70を移動させる方法のほか、図8のように複数の切り込み機構70を体長方向に並べて配置し、魚の体長に応じていずれかのひとつの切り込み機構70の刃物75を進退させることにより行っても良い。
【0040】
直流電源51の正極と正極電極52との間には、直列に電流センサー82が挿入されており、電流センサー82が通電を検出すると、切り込み機構70のエアシリンダー71が作動し、切り込み用の刃物75を進退させて、魚Fに切り込みを入れ、活締めを行う。
【0041】
次に、このように構成される活締め装置の動作を説明する。
まず、魚の固定について説明する。
魚Fは、投入口23から、魚体押さえローラー34とテーブル21の間に押し込まれるようにして供給される。供給された魚Fは、魚体押さえローラー34を押し上げながら、案内板22に沿って供給方向Aに移動し、当て止め35に当たって所定の固定位置で停止する。
このとき、魚Fは、複数ある魚体押さえローラー34でテーブル21に押さえつけながら移動するので、暴れが抑制され、スムーズに所定の固定位置に到達する。
【0042】
魚Fが当て止め35に当たると、直流電源51の正極から、当て止め35に形成された正極電極52、魚Fの頭部、胴部、尾部、負極電極である最も尾びれよりの魚体押さえローラー53、直流電源51の負極に至る電気回路ができて、魚Fの頭部から尾部へと電流が流れるので、魚Fは電気麻酔により沈静化され、確実に固定される。
【0043】
次に、活締めについて説明する。
制御部80は、各魚体押さえ機構31の角度センサー81の出力から魚Fの鰓の位置を推定し、刃物位置調整機構76の直動駆動機構を作動させて、切り込み機構70を鰓弓部を切り込むのに適した位置に移動させる。
【0044】
直流電源51の正極と、当て止め35に形成された正極電極51との間に直列に挿入された電流センサー82は、魚Fが所定の固定位置に移動して電気麻酔が作用したことによる通電を検知して、切り込み機構70のエアシリンダ71を作動させる。切り込み機構70は、制御部80により魚Fの鰓弓部を切り込むよう位置調整されているので、エアシリンダ71が作動し切り込み用の刃物75が進退することにより、魚Fの鰓弓部に切り込みが入り、活締めが行われる。
【0045】
エアシリンダ71の作動後、当て止め35を開き、活締めされた魚Fを排出する。当て止め35の開閉は、手動により行うことも、適当な機構によりエアシリンダ71の作動と連動させることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、生態調査のための標識付け、飼育魚への予防注射など生きた魚を扱う作業、および魚の鮮度を保つための活締め作業で利用でき、魚の暴れを効果的に抑え効率的に作業を行いたい場合に利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0047】
1:フレーム
2:魚体固定部
7:切り込み部
11:鰓
12:鰓弓部
20:傾斜台
21:テーブル
22:案内板
23:投入口
30:魚体押さえ部
31:魚体押さえ機構
31a:第一魚体押さえ機構
31b:第二魚体押さえ機構
31c:第三魚体押さえ機構
32:押圧機構(アーム)
32a:第一押圧機構(アーム)
32b:第二押圧機構(アーム)
32c:第三押圧機構(アーム)
33:軸受
34:魚体押さえ具(魚体押さえローラー)
34a:第一魚体押さえ具(魚体押さえローラー)
34b:第二魚体押さえ具(魚体押さえローラー)
34c:第三魚体押さえ具(魚体押さえローラー)
35:当て止め
36:当て止め開閉軸受
37:魚体押さえ具案内板
38:魚体押さえ具
50:電気麻酔部
51:直流電源
52:正極電極
53:負極電極
70:切り込み機構
71:エアシリンダー
72:切り込み機構固定用ステー
73:切り込み機構取付用プレート
74:刃物取付用ヘッド
75:刃物
76:刃物位置調整機構
80:制御部
81:角度センサー
81a:第一角度センサー
81b:第二角度センサー
81c:第三角度センサー
82:電流センサー
A:魚の供給方向
F:魚
La:アーム32aの長さ
Lb:アーム32bの長さ
Lc:アーム32cの長さ
Xa:当て止め35とアーム32aのフレームへの取り付け位置との距離
Xb:当て止め35とアーム32bのフレームへの取り付け位置との距離
Xc:当て止め35とアーム32cのフレームへの取り付け位置との距離
θa:フレーム1とアーム32aの角度
θb:フレーム1とアーム32bの角度
θc:フレーム1とアーム32cの角度










































【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚が頭から横に寝た姿勢で供給されるテーブルと、
前記テーブルに設置された少なくとも1つの案内板と、
前記案内板の奥に配置された当て止めと、
前記供給された魚を前記テーブルとの間に挟む複数の魚体押さえ具と、
前記各々の魚体押さえ具を、当該魚体押さえ具の前記テーブルからの距離が前記供給された魚の当該魚体押さえ具の位置における厚さに従い変化するよう支持しながら前記テーブルの方向に押しつける押圧機構とを備え、
前記供給された魚の頭部が前記当て止めに当たる状態で、前記魚体押さえ具のうち少なくとも1つは前記供給された魚の胴部を、少なくとも他の1つは尾部を押さえる位置に設置されている、
活魚固定装置。

【請求項2】
前記魚体押さえ具の少なくとも1つが魚の供給方向に回転するローラーである、請求項1記載の活魚固定装置。

【請求項3】
前記押圧機構の少なくとも1つが、前記魚体押さえ具または前記魚体押さえ具と前記押圧機構に働く重力のみを利用して前記魚体押さえ具を前記テーブルの方向に押しつけることを特徴とする、請求項1または2に記載の活魚固定装置。

【請求項4】
前記押圧機構は、
一方が前記テーブルまたは前記テーブルに固定されたフレームに、魚の供給方向に沿って回動自在に固定され、
他方が前記魚体押さえ具を支持するよう固定されたアームである、
請求項1から3のいずれかに記載の活魚固定装置。

【請求項5】
前記当て止めと、前記魚体押さえ具のうち前記供給された魚の尾部を押さえる位置に設置された少なくとも1つの魚体押さえ具に電極が形成されており、
前記当て止めに形成された電極に正極が、前記魚体押さえ具に形成された電極に負極が、それぞれ電気的に接続された電流供給手段を備えることを特徴とする、
請求項1から4のいずれかに記載の活魚固定装置。

【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の活魚固定装置と、
切り込み用の刃物を前記活魚固定装置に固定された魚の所定の位置に対して進退させる切り込み機構とを備えた活締め装置。

【請求項7】
請求項5に記載の活魚固定装置と、
前記電流供給手段からの電流の供給を検知する通電検知手段と、
切り込み用の刃物を前記活魚固定装置に固定された魚の所定の位置に対して進退させる切り込み機構とを備え、
前記通電検知手段の検出結果に基づき前記刃物を進退させる活締め装置。

【請求項8】
前記魚体押さえ具のテーブルからの距離を検出する魚体厚み検出手段と、
前記魚体厚み検出手段の検出結果に基づき異なる切り込み位置で前記刃物を進退させる刃物位置調整機構とを備えた、請求項6または請求項7に記載の活締め装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−228194(P2012−228194A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97708(P2011−97708)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(310010575)地方独立行政法人北海道立総合研究機構 (51)
【出願人】(511030932)
【出願人】(511104510)金田一商事株式会社 (1)
【Fターム(参考)】