説明

流れの悪いバルク材の空気輸送方法および装置

【課題】流れの悪いバルク材の空気輸送方法およびそのための装置を提供する。
【解決手段】バルク材の縦送りコンベヤー1への計量供給は、供給装置8によって行われ、縦送りコンベヤー1からの排出は、機械式コンベヤー9と流入ガスの同時作用によって達成され、機械式コンベヤー9は、排出工程の間に縦送りコンベヤー1からの排出が完全に行われるように、縦送りコンベヤー1内の壁に沿って回転する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流れの悪いバルク材を空気輸送するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
冒頭で述べた方法およびそれを実施する装置は特許文献1に開示されている。この既知の技術はバルク材の空気輸送方法を使用し、バルク材はパイプの中を気流により送出し場所から受入れ場所まで輸送される。この場合、バルク材は、確定された速度の高密度流れの中で、パイプ中にプラグを形成することによってパイプに部分的に充填され、そして、入り口閉鎖弁によってパイプの入り口を閉じた後、パイプが過剰圧によって完全にまたは部分的に空にされ、このサイクルを連続的に繰り返すことによって、送出し場所から受入れ場所への見かけ上連続する物質流れが実現する。特許文献2には、「ポンプフロー法」が開示されている。この方法では、部分真空発生器を設けたことによって、パイプは吸引高密度流操作で部分的に満たされ、圧力操作に切り替えることによって空にされるので、星型供給器(star feeders)または圧力容器を不要とすることができる。2つの吸引ラインが並列に設置されていると、容器および大きな袋は、二重動作モード(double action mode)で、見かけ上、連続して空にされる。
【0003】
ここでの欠点は、容易に流れない「重い」材料の場合に、真空が吸引ラインを満たすのに十分でないことである。その結果、閉鎖機器や輸送プロセスに問題が生じる。
【0004】
代わりに、従来技術では、高圧の星型供給器およびシングル/ダブルの圧力容器がこれまで使用されてきたし、または、特許文献3に記載されているように、それらが互いに組み合わされてきた。
【0005】
何十年にもわたって使われてきたスクリューポンプには、バルク材のプラグをスクリューシャフトと輸送ラインとの間にある閉鎖フラップの前まで輸送するために、高出力の駆動モータが与えられ、閉鎖フラップは輸送圧によって閉鎖状態に保たれる。スクリューポンプは主に鉱物材料に使用されている。
【0006】
特許文献4には、供給容器をスクリュー取入れ口の上部に設置すれば、閉鎖フラップのない輸送スクリューであってもバルク材の供給に使用できることが示されている。スクリューは、供給の圧力差に打ち勝つことには役立たず、空気の漏れを伴うが、しかし、負荷μ、すなわちバルク材と輸送用空気との比を調節または一定に保つ役割は果たしている。
【0007】
特許文献5には、輸送を促進するため、適切な回転方向を有するスクリュー状に予め作製された部分的に柔軟な要素により、輸送管の壁に付着物が付着するのを防止する技術が記載されている。ここでもまた、パイプの実際の充填については、従来公知の圧力容器を使用する技術が提案されている。
【特許文献1】欧州特許出願公開第0 692 411号明細書
【特許文献2】欧州特許第0 692 441号明細書
【特許文献3】独国特許発明第199 60 221号明細書
【特許文献4】DD 267 850 A1
【特許文献5】独国特許出願公開第40 14 912号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、予め決められた量の流れの悪い(流動性に乏しい)バルク材を計量供給し、それを完全に排出して目的の場所まで輸送するための方法およびそのための装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、流れの悪いバルク材を空気輸送(空気圧輸送)する方法であって、バルク材が供給装置(8)により縦送りコンベヤー(1)に計量供給され、その後、輸送ライン(19)を通して縦送りコンベヤー(1)から排出される方法において、縦送りコンベヤー(1)へのバルク材の計量供給は、供給装置(8)によって行われ、縦送りコンベヤー(1)からの排出は、機械式コンベヤー(9)と流入圧縮ガス(17)の同時作用によって達成され、機械式コンベヤー(9)は、排出工程の間に縦送りコンベヤー(1)からの排出が完全に行われるように、縦送りコンベヤー(1)内の壁に沿って回転する方法によって達成される。
【0010】
流れの悪いバルク材は、縦送りコンベヤー(1)内に均一に存在していることが好ましい。
【0011】
圧縮ガス(17)は空気輸送を可能にする圧力で導入される。この圧力は、通常、1bar超であるが、システムに応じて変化させることができる。圧縮ガス(17)は、圧縮した空気、窒素、酸素、その他の希ガス、またはこれらの混合物を含むことが好ましい。
【0012】
本特許出願の趣旨に関して、「流れの悪いバルク材」という用語は、ブリッジを形成するバルク材、または、誘導もしくは機械的な補助がなければ流れないバルク材を意味する。流れの悪いバルク材の例としては、パラメータD(v,0.9)が40μm以下の顔料や固体が挙げられる。D(v,0.9)パラメータは、当業者にはよく知られており、体積粒径分布における粒径を示し、体積粒径分布の90%の粒子がD(v,0.9)より小さい粒径を有し、10%の粒子がD(v,0.9)より大きい粒径を有することを示す。
【0013】
本特許出願の趣旨に関して、「完全排出」とは、縦送りコンベヤー(1)に計量供給された流れの悪いバルク材の97%以上が、本方法により排出されることを意味する。縦送りコンベヤー(1)は98%以上の程度まで排出されることが好ましい。
【0014】
本特許出願の趣旨に関して、「壁に沿って回転」とは、機械式コンベヤー(9)が壁との間にほとんど隙間がないよう、実際、スクリューとバレルの製作公差が許容する範囲の狭さになるように設計されていることを意味する。
【0015】
上記教示によって、流れの悪いバルク材が空気輸送ライン(19)に問題なく、かつ、正確に計量導入され、目的の場所に輸送されるという利点が得られる。
【0016】
機械式の縦送りコンベヤー(1)は、流れの悪いバルク材を輸送ライン(19)に供給するとともに、圧力付加後に完全な排出を行う。機械式コンベヤー(9)は、空気輸送を補助して、流れの悪いバルク材が底部に沈降せず、縦送りコンベヤー(1)から完全に排出されるように構成されていることが重要である。
【0017】
本方法においては、縦送りコンベヤー(1)への計量供給とそれからの排出を制御するために、さらに制御装置(36)を使用することが好ましい。
【0018】
この場合、制御装置(36)は、供給装置(8)による縦送りコンベヤー(1)への計量供給、閉鎖弁(4),(31),(32)および圧縮ガス弁(30)の切り替え、並びに、スクリューのギアードモータ(7)のオン・オフの切り替えを制御し監視する。
【0019】
縦送りコンベヤー(1)への計量供給とそれからの排出は、多数回繰り返すことが好ましく、縦送りコンベヤー(1)への計量供給中、輸送ライン(19)の流量を15〜50m/sに維持するために、追加したバイパスライン(12)を通して圧縮ガス(17)を輸送ライン(19)へ導入する。
【0020】
計量供給された量のバルク材が全て沈降することなく完全に受入れ場所に到達するように、バルク材が輸送ライン(19)を通って移動することが好ましい。
【0021】
本特許出願の趣旨に関して、「沈降」とは、バルク材が縦送りコンベヤー(1)の底または輸送ライン(19)の底に堆積し、圧縮ガス(17)によって供給されるガス流ではそれ以上輸送されない状態を意味する。
【0022】
本発明は、また、流れの悪いバルク材の空気輸送装置であって、供給装置(8)、機械式コンベヤー(9)を有する縦送りコンベヤー(1)、機械式コンベヤー(9)用ギアードモータ(7)、縦送りコンベヤー(1)の両端部にそれぞれ設けられた圧縮ガス入口ライン(11)および圧縮ガス出口ライン(10)、並びに、バルク材または圧縮ガス(17)用輸送ライン(19)を含む装置において、機械式コンベヤー(9)が縦送りコンベヤー(1)内に壁に沿って回転するように設けられている装置に関する。
【0023】
圧縮ガス(17)用流路(13)を1つもしくはそれ以上備えた装置が好ましい。
【0024】
機械式コンベヤー(9)としては、リボンスクリュー、パドルスクリュー、フルブレードスクリューまたはダブルスクリューが好ましく、特にダブルパドルスクリューまたはダブルリボンスクリューが好ましい。
【0025】
上記スクリューを使用したとき、コークスクリュー状の流れが発生することが好ましく、これと、スクリューの機械的な輸送動作とによって、縦送りコンベヤー(1)からの完全な排出がなされる。圧縮ガス(17)は、圧縮ガス入口ライン(11)を通して、もし適切ならば、縦送りコンベヤー(1)の全長にわたる流路(13)と、圧縮ガス出口ライン(10)で、従来技術で利用可能な供給装置によりもたらされる。これに対応するリボンスクリューを備えた装置では、高い内部摩擦を有する流れの悪いバルク材が、輸送ライン(19)に正確に計量供給された量だけ導入され、機械的輸送動作に補助されて排出されることが判明した。
【0026】
圧縮ガス(17)用流路(13)は、縦送りコンベヤー(1)の下面に設けることが好ましい。ここで、「下面」とは、縦送りコンベヤー(1)の下側の半円を意味する。
【0027】
環状ギャップまたはT形部品を備えたバイパスライン(12)を、圧縮ガス出口ライン(10)下流の輸送ライン(19)に設置することが好ましい。
【0028】
ピンチ弁またはボール弁を、圧縮ガス出口ライン(10)下流に、輸送ライン(19)の方向に設けることが好ましい。
【0029】
振動シュート、輸送スクリュー、位置調節スライダーまたは星型供給器を、供給装置(8)として使用することが好ましい。
【0030】
蠕動絞り装置(18)を供給装置(8)の上部に配置することが好ましい。これにより大きな袋(Big Bags)などの供給容器(2)からの排出が容易になる。ホッパーやコンテナなどの供給容器(2)からの排出には、空気ノズルまたは振動シュートを備えた流動化装置を使用することが好ましい。流動化動作および同時に生ずるスクリューによる輸送の結果、バルク材を、完全に、トラブルもなく、閉塞も起こすことなく、残りのサブユニットである輸送ライン(19)に導入することができる。
【0031】
縦送りコンベヤー(1)への計量供給は、1つもしくはそれ以上の秤量装置(38)によって記録されることが好ましい。この場合、制御装置(36)によって、必要量のバルク材を縦送りコンベヤー(1)に正確に導入することができる。代わりに、重量の決定を前述の供給容器(2)での差分測定によって行ってもよい。
【0032】
本発明の装置の特別な変形例では、縦送りコンベヤー(1)に対し開口する複数の供給容器(2)が互いに間隔をあけて設けられている。そのような実施形態は、複数の成分を配合(formulation)、混合(mixture)またはバッチ(batch)にしたがって計量供給し、比較的長い距離を空気輸送するとき、特に有利である。この目的のためには、流れの悪いバルク材の計量供給を制御するため、制御装置(36)と統合された複数の供給装置(8)を供給容器(2)の下面に互いに間隔をあけて配置することができる。
【0033】
上記装置を複数製作し、並列に接続することが好ましい。1つもしくはそれ以上の供給装置(8)により、1つもしくはそれ以上の装置が供給を受けることが好ましい。
【0034】
本発明の方法およびそれに付随する装置の利点は、本発明の新規な縦送りコンベヤー(1)によって、バルク材のどの部分も形成できる点にある。機械式コンベヤー(9)として輸送スクリューを設ける必要があるため、バルク材のプラグが比較的長い場合には、比較的大量のバルク材を輸送するために、中間マウンティングを有するこのタイプのスクリューコンベヤー(1)が使用されるか、または複数の縦送りコンベヤー(1)が直列に配置される。
【0035】
かくして、本発明によれば、これらの量のバルク材を制御しながらターゲット容器(20)に空気輸送することが可能な、5〜20メートル以上の長さの縦送りコンベヤー(1)を問題なく製造することができる。
【0036】
本発明は、したがって、縦送りコンベヤー(1)を輸送ライン(19)の一部として配置するだけでなく、圧縮ガス入口ライン(11)および、もし適切ならば、縦送りコンベヤー(1)のバレルの周囲に配置され、縦送りコンベヤー(1)内の流れの悪いバルク材に通気して、流れの悪いバルク材の輸送を可能にする圧縮ガス(17)用の流路(13)によって実施される。
【0037】
並列に接続された2つの縦送りコンベヤー(1)を使用することによって、見かけ上連続する空気輸送が実現され、これ以外には高圧星型供給器または二重圧力容器の使用によってのみ達成されるが、しかし、空気漏れや装置の高さに関する問題を避けることができる。スクリューおよび駆動モータを機械式コンベヤー(9)として使用するとき、機械設備に要する費用は、以前より知られた方法のものより、はるかに少ない。計量供給中の縦送りコンベヤー(1)への通気は必要なく、計量供給は純粋に機械的に行われるが、縦送りコンベヤー(1)からの排出には空気圧/機械的な補助が加えられる。
【0038】
本発明の装置が、ホッパー装置の深さ50cm未満の溝内または1階に設置されるときには、2階以上の階であろうと地下であろうと、階全体を節約できる。特に、地下水位に関連してバルク材の荷降ろし用装置にしばしば起こる実際的な問題は発生しない。また、顕著な荷降ろし処理能力を有する線路下でのバルク貨物用の大型鉄道貨車との連結は、今度は以前に比べてより良く行うことができる。
【0039】
以下、本発明を実施する複数の方法を示す図面を参照しながら本発明を説明する。ここでは、本発明のさらなる創意に富んだ特徴と利点は図面とその説明により開示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
図1には本発明の装置を概略的に示す。図1において、輸送すべき流れの悪いバルク材(流動性に乏しいバルク材)は、供給容器(2)としての大きな袋(Big Bag)に貯蔵されている。空気輸送(空気圧式輸送)装置によって、予め決められた量が、取入れフィルタ(35)および抽気ファン(40)を備えたターゲット容器(20)へ輸送される。供給容器(2)としての大きな袋(Big Bag)は、既知の商業的に入手可能な絞り装置によって自動的に空にされる。流れの悪いバルク材は、したがって、開いた遮断フラップ(4)および関連する連結部品(5)を通って、縦送りコンベヤー(1)に矢印(6)の方向に導入され、縦送りコンベヤー(1)が流れの悪いバルク材を、縦送りコンベヤー(1)の輸送バレルの全体にわたって配分する。流れの悪いバルク材によって置き換えられた圧縮ガス(17)は排気フィルタ(33)を通過する。縦送りコンベヤー(1)への充填は、最も簡単な方法で経時的に制御される(体積計量供給)。正確に計量供給するためには、重量によって縦送りコンベヤー(1)への計量供給を制御する。この目的のためには、多くの変形が可能である。
【0041】
供給容器(2)としての大きな袋(Big Bag)の重量は懸架時に測定される。特定量のバルク材が排出された後、縦送りコンベヤー(1)への導入が停止される。別の方法では、縦送りコンベヤー(1)の重量が測定され、縦送りコンベヤー(1)はこの目的のために補償装置を有している。縦送りコンベヤー(1)への計量供給は、縦送りコンベヤー(1)の重量増加の関数として停止される。
【0042】
さらなる変形例では、供給装置(2)としての大きな袋(Big Bag)から、供給装置(8)としての計量供給装置に、定期的に少しずつ排出される。所要量のバルク材が、供給装置(8)としての計量供給装置により、縦送りコンベヤー(1)に導入される。縦送りコンベヤー(1)に計量供給された後、遮断フラップ(4)および排気フラップ(31)が閉じられる。圧縮ガス(17)が、圧縮ガス入口ライン(11)を通して、閉鎖された縦送りコンベヤー(1)に供給される。縦送りコンベヤー(1)の圧力が輸送ライン(19)の圧力を超えると直ちに、輸送ライン(19)への出口閉鎖弁(32)が開けられる。出口閉鎖弁(32)が開けられると同時に、縦送りコンベヤー(1)が再起動し、圧縮ガスの量が予め決められた値にまで増大させられる。流路(13)としての流動化装置によって、流れの悪いバルク材の内部摩擦が低下し、排出が生じる。流れの悪いバルク材は、縦送りコンベヤー(1)の圧縮ガス入口ライン(11)を介して導入された圧縮ガス(17)と、縦送りコンベヤー(1)の補助、および機械式コンベヤー(9)の動作、すなわち回転によって排出される。縦送りコンベヤー(1)は、流れの悪いバルク材が完全に排出されて空になる。空になった後、出口閉鎖弁(32)および圧縮ガス入口ライン(11)の圧縮ガス弁(30)が再び閉じられる。輸送ライン(19)に導入された量の流れの悪いバルク材をターゲットまで輸送するために、その後、圧縮ガス(17)を、輸送手段として、バイパスライン(12)を通して導入する必要がある。縦送りコンベヤー(1)は、排気ライン、排気ポート(21)および排気フィルタ(33)により減圧される。これは排気ファン(34)の助けを借りる。その後、上記のような新たな輸送サイクルが開始される。空気輸送のための圧縮ガス(17)の導入に関しては、前述したような供給側での供給の可能性のみならず、出口側での図2に示すような環状ギャップまたは図3に示すようなT形部品を通しての供給の可能性がある。
【0043】
図4に示す例では、交互に動作する2つの縦送りコンベヤー(1)および(1a)により見かけ上連続的な輸送が実現される。一方の装置の部品は全て簡単な参照数字のみで示されるが、他方の同じ部品は文字(例えばa,b,cまたはd)で示される。
【0044】
図4は、一方の縦送りコンベヤー(1)が空気輸送のために装入されているとき、他方の縦送りコンベヤー(1a)は、導入された流れの悪いバルク材を排出しており、逆もまた同様であることを示している。この例では、供給容器(2)としてのホッパーおよび供給装置(8)としての星型供給器からの空気輸送が選択されている。
【0045】
重複する部品は、したがって交互にのみ動作する。こうして、輸送ライン(19a)の2本のサブセクションが互いに開き、かくして輸送ライン(19)を交互に満たすので、輸送ライン(19)内には見かけ上連続する物質の流れが実現される。
【0046】
交互に動作する上記複式装置は、制御装置(36)によって動作させられることが好ましい。
【0047】
供給容器(2)としての大きな袋(Big Bag)から縦送りコンベヤー(1)に計量供給する代わりに、
・ホッパー、
・容器、
・鉄道タンク車、または
・バルクタンカー
から縦送りコンベヤー(1)に供給してもよい。
【0048】
この場合、縦送りコンベヤー(1)に計量供給すべき量の供給と制御に関して説明した方法を同様に用いることができる。
【0049】
図5は、本発明の空気圧力輸送装置により、成分を計量供給する工業プラントを示している。本発明の重要な利点は、この例により明らかになる。多くの流れの悪いバルク材の輸送では、複数の供給容器(2a〜2c)および供給装置(8a〜8c)から供給を受ける、ただ1つの装置が必要であることを示している。
【0050】
ここでもまた、縦送りコンベヤー(1)は、輸送方向に直列に配置され互いに連結された、複数の個々の縦送りコンベヤー(1)を備えることができ、その結果、圧縮ガス(17)用の複数の流路(13)もまた、このように形成された縦送りコンベヤー(1)の相当に長い管状の容器の下面に配置される。
【0051】
続けて処理を行う特定のプラントに計量供給し輸送する場合、機械式コンベヤー(9)は、多くの供給容器(2)(例えば大きな袋(Big Bags))からプログラム制御によって同時に充填される。この目的のために、遮断フラップ(4a〜4c)が開かれ、供給装置(8a〜8c)、図5では供給装置(8)としての計量供給スクリューのスイッチがオンに切り替えられる。供給容器(2)の重量測定によって決定した、流れの悪いバルク材の所定量が、縦送りコンベヤー(1)に導入された後、遮断フラップ(4a〜4c)および排気フラップ(31)が閉じられる。混合物またはバッチ向けの流れの悪いバルク材の量が、その後、上記方法で、次の処理が行われるプラントに輸送される。
【0052】
上で説明した方法の特に有利な点は、混合物またはバッチが縦送りコンベヤー(1)にまず供給されるため、流れの悪いバルク材の混合物またはそれから調製されたバッチを輸送するための経過時間が非常に短くなることである。
【0053】
このような本発明の方法および装置は、下流のプラントの生産性を増大させる。
【0054】
成分を混合する機能に関しては、機械式コンベヤー(9)のスクリューの回転速度と圧縮ガス(17)の量を調整したパラメータをメモリーに組み込ませた制御装置(36)により、本発明の装置を運転することが有利である。
【0055】
1つの有利な実施態様では、パイプの閉塞を防止するために、機械式コンベヤー(9)のスクリューの回転速度と圧縮ガス(17)の量が、縦送りコンベヤー(1)の圧力の関数として調節される。
【0056】
本発明の主題は、個々の請求項における主題からだけでなく、個々の請求項同士の組み合わせからも生起されるものである。同じことが、本明細書に開示されたあらゆるパラメータおよびそれらの組み合わせにも適用される。
【0057】
[実施例]
本発明は次の実施例によって、さらに詳しく説明されるが、これによって本発明が限定されるものではない。
【0058】
本特許出願により構成された装置は、縦送りコンベヤー(1)としての直径200mmのスクリューバレルを備え、縦送りコンベヤー(1)内に壁に沿って回転するよう設置された機械式コンベヤー(9)としての長さ2.5mのリボンスクリューが設けられた。
【0059】
輸送すべき流れの悪いバルク材は、4.56μmのD(v,0.9)パラメータおよび0.45t/mの密度を有する酸化鉄であった。D(v,0.9)パラメータは、2分間、200Wの超音波による分散を行った後、分散剤として0.1%燐酸ナトリウムを含む水性懸濁液中で、レーザー光散乱(Malvern Instruments製の装置「Mastersizer-S」)により測定した。
【0060】
輸送すべき流れの悪いバルク材が、供給装置(8)としての遮断フラップ(4)を通して供給容器(2)から、リボンスクリューを備えた縦送りコンベヤー(1)に導入された。縦送りコンベヤー(1)の後に、表示幅65mm、長さ45mの輸送ライン(19)が設けられた。縦送りコンベヤー(1)の排出端で、バルク材に置き換えられた空気が、排気フィルタ(33)を介して、圧縮ガス(17)として排出された。
【0061】
縦送りコンベヤー(1)へ計量供給している間、機械式コンベヤー(9)としてのリボンスクリューを、Fabrikat Bauer製のギアードモータ(7)により60rpmの速度で12秒間、作動させた。こうして30kgの酸化鉄が縦送りコンベヤー(1)に計量供給された。その後、遮断フラップ(4)および排気フラップ(31)を閉じた。圧縮ガス(17)に圧縮空気を使用し、その後、縦送りコンベヤー(1)の端部に設けられている圧縮ガス入口ライン(11)、および流路(13)を通して、260標準m/hの流量で導入した。
【0062】
その後、縦送りコンベヤー(1)の他端部に設けられている圧縮ガス出口ライン(10)を通して、20秒で縦送りコンベヤー(1)から排出される一方、圧縮ガスは同時に縦送りコンベヤー(1)を通り、リボンスクリューは機械式コンベヤー(9)として作動し、製品はすべて、輸送ライン(19)を介して、取入れフィルタ(35)および抽気ファン(40)を備えたターゲット容器(20)に輸送された。計量供給された30kgの酸化鉄のうち、29.43kgが輸送され、したがって、縦送りコンベヤー(1)は98%以上の程度まで排出された。この場合、スクリュー内の圧力は2.3barであった。
【0063】
減圧し、リボンスクリューを停止させ、圧縮ガス弁(30)を閉じた後、同様の輸送サイクルを多数回繰り返した。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】供給容器(2)としての大きな袋(Big Bag)からターゲット容器(20)に流れの悪いバルク材を輸送するための概略図である。
【図2】バイパスライン(12)を通して圧縮ガス(17)が軸方向に供給される、図1の縦送りコンベヤー(1)を示す図である。
【図3】バイパスライン(12)を通して圧縮ガス(17)が上向きに供給される、図1の縦送りコンベヤー(1)を示す図である。
【図4】見かけ上連続的な空気輸送が行われる、図1を複式にした配置を示す図である。
【図5】図1の複数配置、すなわちバルク材混合物およびバッチの、複数の異なる供給容器(2)からの輸送を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
1 縦送りコンベヤー
2 供給容器
4 遮断フラップ
5 連結ポート
6 矢印方向
7 ギアードモータ
8 供給装置
9 機械式コンベヤー
10 圧縮ガス出口ライン
11 圧縮ガス入口ライン
12 バイパスライン
13 流路
15 バイパス弁
17 圧縮ガス
18 蠕動絞り装置
19 輸送ライン
20 ターゲット容器
21 排気ポート
30 圧縮ガス弁
31 排気フラップ
32 出口閉鎖弁
33 排気フィルタ
34 排気ファン
35 取入れフィルタ
36 制御装置
38 秤量装置
40 抽気ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流れの悪いバルク材を空気輸送する方法であって、バルク材が供給装置(8)により縦送りコンベヤー(1)に計量供給され、その後、輸送ライン(19)を通して縦送りコンベヤー(1)から排出される方法において、
バルク材の縦送りコンベヤー(1)への計量供給は、供給装置(8)によって行われ、縦送りコンベヤー(1)からの排出は、機械式コンベヤー(9)と流入圧縮ガス(17)の同時作用によって達成され、機械式コンベヤー(9)は、排出工程の間に縦送りコンベヤー(1)からの排出が完全に行われるように、縦送りコンベヤー(1)内の壁に沿って回転することを特徴とする方法。
【請求項2】
縦送りコンベヤー(1)への計量供給およびそれからの排出を制御するために、制御装置(36)がさらに使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
縦送りコンベヤー(1)への計量供給とそれからの排出が多数回繰り返されるとともに、縦送りコンベヤー(1)への計量供給中、輸送ライン(19)における流量を15〜50m/sに維持するために、追加したバイパスライン(12)を通して圧縮ガス(17)が輸送ライン(19)へ導入されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
計量供給された量のバルク材が全て沈降することなく完全に受入れ場所に到達するように、バルク材が輸送ライン(19)を移動することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
流れの悪いバルク材の空気輸送装置であって、供給装置(8)、機械式コンベヤー(9)を有する縦送りコンベヤー(1)、機械式コンベヤー(9)用ギアードモータ(7)、縦送りコンベヤー(1)の両端部にそれぞれ設けられた圧縮ガス入口ライン(11)および圧縮ガス出口ライン(10)、並びに、バルク材または圧縮ガス(17)用輸送ライン(19)を含む装置において、
機械式コンベヤー(9)が、縦送りコンベヤー(1)内に壁に沿って回転するように設けられていることを特徴とする装置。
【請求項6】
1つもしくはそれ以上の圧縮ガス(17)用流路(13)を有することを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
機械式コンベヤー(9)が、リボンスクリュー、パドルスクリュー、フルブレードスクリューまたはダブルスクリュー、好ましくはダブルパドルスクリューまたはダブルリボンスクリューであることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の装置。
【請求項8】
圧縮ガス(17)用流路(13)が、縦送りコンベヤー(1)の下面に配置されていることを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
環状ギャップまたはT形部品を備えたバイパスライン(12)が、好ましくは出口(10)下流の輸送ライン(19)に設けられていることを特徴とする請求項5ないし請求項8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
ピンチ弁またはボール弁が、圧縮ガス出口ライン(10)下流に、輸送ライン(19)の方向に設けられていることを特徴とする請求項5ないし請求項9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
振動シュート、輸送スクリュー、位置調節スライダーまたは星型供給器が、供給装置(8)として使用されることを特徴とする請求項5ないし請求項10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
蠕動絞り装置が供給装置(8)の上部に配置されていることを特徴とする請求項5ないし請求項11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
空気ノズルを有する流動化装置を備えた供給容器(2)が、供給装置(8)の上部に設けられていることを特徴とする請求項5ないし請求項12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
縦送りコンベヤー(1)への計量供給量が、1つもしくはそれ以上の秤量装置(38)によって記録されることを特徴とする請求項5ないし請求項13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
複数の装置が並列に連結されていることを特徴とする請求項5ないし請求項14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
1つもしくはそれ以上の装置が、1つもしくはそれ以上の供給装置(8)により供給を受けることを特徴とする請求項5ないし請求項15のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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