説明

流体、特に液体石鹸のためのディスペンサー

本発明は、分配すべき流体を収容するのに適した密封シェル(2)を有すると共に流体を分配するための手段(30)を備えた、流体、特に液体石鹸のディスペンサー(1)に関し、シェル(2)はユーザーが手を洗う際に手の間に保持するのに適した形と寸法を有し、分配手段(30)は、流体がシェルから流出するのを妨げる静止位置とユーザーが手洗い中に手で押した時に流体が流出できるようにする作動位置との間で移動できるようにシェル(2)上に取付けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体石鹸ディスペンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、人が自分の体、特に手を洗うための方法には種々のものがある。
【0003】
第1の方法は、固形石鹸等の固形で乾燥した石鹸を使うことであり、好ましくは水に漬けた手の間で石鹸をこすり合わせる。手が石鹸の泡で覆われたら、固形石鹸を洗面台の縁に置くか、適切な石鹸保持台に入れる。この場合、固形石鹸は水たまりの中に置かれることが多く、石鹸が柔らかくなり、その品質が急激に損なわれてしまう。見た目もあまり良くないペースト状の残留物が石鹸保持台にたまってその底に付着してしまい、頻繁に取り除くことが必要となる。
【0004】
また、手を濡らして固形石鹸に擦りつけると、石鹸は汚れた泡で覆われることが多い。従って、その固形石鹸の外観も魅力のないものになる。衛生面から見ると、汚れた固形石鹸で手を洗う次の人はこの汚れで部分的に覆われることになる。細菌も人から人へと容易に運ばれる可能性がある。
【0005】
最後に、固形石鹸の主な欠点は、時間と共に急速に磨り減り、乾燥し、そしてひびがはいることである。或る大きさより小さくなると、使用が困難になるか、場合によっては使用不可能になって捨てられることになり、あまり経済的でない。
【0006】
2番目の方法は、可搬式又は洗面台の直ぐ近くの壁に固定される液体石鹸ディスペンサーを使用することである。一般に、これらの装置は、充填用の開口部を備えた補充可能な容器と、液体石鹸を小出しにするために人によって操作されるポンプとを有している。しかし、これらのポンプは、特に濡れた手で操作するのが困難な場合が多い。手を水に浸した後でポンプを操作すると、水に浸している間に浮き出した汚れ(脂、土等)がポンプの上に堆積し、これを使用毎に取り除かない限り、あまり魅力的でなく、衛生的でもない。
【0007】
この形式の装置は、制御できない量の液体石鹸を放出するポンプによって作動されるため、液体石鹸が必要以上に使われる。
【0008】
使用後、ポンプの噴出口から、液体石鹸の滴が洗面台の縁の上に落ちて広がるので、余分な清掃(水洗い及び拭き取り)が必要となる。
【0009】
最後に、この形式の装置への液体石鹸の補充は、ポンプをそのまま使い、新しい予め充填された容器を毎回購入しない限り面倒な場合が多く、新しい予め充填された容器を毎回購入することは、非常に費用がかかるだけでなく、環境にもあまり優しくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の目的は、実施が容易で、信頼性が高く、そして安価な解決策によって上記の問題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
従って、本発明の主題は、特に液体石鹸のための流体ディスペンサーであり、このディスペンサーは、分配すべき流体を収容するのに適した密閉ケースを有し、流体を分配するための手段を備えており、ケースは、ユーザーが手を洗う際に手の中に保持できる形と寸法を有し、分配手段はケースに取付けられ、流体がケースから流出するのを防ぐ静止位置と、ユーザーが洗浄中に分配手段に手を押し付けた時に流体が流出できるようにする作動位置との間で移動できることを特徴とする。
【0012】
種々の好適な実施形態によれば、本発明によるディスペンサーは、次の特徴の内の少なくとも一の特徴を有している:
‐ ケースは、周囲接合平面に沿って流体が漏れない状態で互いに連結された2部分から作られている;
‐ 分配手段は、ケースの少なくとも一部分の上に設けられており、ケースの外側表面から局所的に突出している;
‐ 分配手段は、ケースの壁に形成された出口オリフィスと密に係合する少なくとも1個の閉止要素を含み、この閉止要素は、流体遮断状態から流体分配状態へと移行するように軸方向に移動可能である;
‐ 出口オリフィスの周囲表面はケースの内側から外側に向かって狭まる円錐形断面を有しており、閉止要素は、遮断状態において流体が漏れない状態を形成するように相補的形状を有している;
‐ 閉止要素はマッシュルーム形状であり、ケース内に位置し頭部まで軸方向に延在する軸部を有し、頭部は閉止手段が静止位置にあるときにオリフィスの周囲表面に当接しており、前記軸部は、頭部を前記周囲表面の押し付けるために頭部に軸方向圧力を加える圧縮バネによって取り囲まれている;
‐ ケースは、各閉止要素の軸部を保持すると共に軸方向に案内する開口部が設けられた支持プレートを有している;
‐ 対応する閉止要素の軸部を心出しするために開口部と同軸にプレートの下側にリングが固定されている;
‐ ディスペンサーは、ケースの各部分の内側表面から突出する2個のねじ付き同軸ソケットを有し、ケースの外側から接近できるねじによって、これらのソケットの間に支持プレートが固定されている;
‐ 一方のソケットの自由端には、前記ソケットの表面に形成された凹部と係合する支持プレートを心出しするための突起が設けられている;
‐ 支持プレートは十字形状で、十字の各腕の端部に開口部が設けられている;
‐ 出口オリフィスが設けられた部分と反対側のケースの部分は、その内側表面に、前記閉止要素の軸部を保持すると共に摺動可能に案内する中空のソケットを有し、圧縮バネはソケットの自由端とそれに対向する頭部の面との間で圧縮されている;
‐ 閉止要素はボールを含み、このボールは、出口オリフィスの周囲表面に当接している第1の部分と、出口オリフィスが設けられた部分と反対側のケースの部分の内側表面から突出したソケット内に心出しされた状態で収納された圧縮バネ上に載った第2の部分とを有し、バネは、出口オリフィスの周囲表面にボールを押し付けるためにボールに対して軸方向圧力を加える;
‐ ボールの第2の部分は、中空ピストンの半球形部分の上に載っており、この中空ピストンは、滑動できるようにソケットを取り囲むと共に、前記ソケットにより軸方向に案内されたバネに当接している;
‐ 半球形部分の底面には圧縮バネと同軸のオリフィスが設けられている;
‐ ボールは、ケース内に収容されたマッサージ用液状製品と協働してマッサージ機能を果たすのに適切な寸法である;
‐ 閉止要素はシリンダーを形成しており、このシリンダーは、出口オリフィスの周囲表面に当接するのに適した丸みのある頭部と、圧縮バネの一方の端部を支持する筒部とを有し、圧縮バネの他方の端部は、出口オリフィスが設けられた部分と反対側のケースの部分に接続されたソケット内に心出しされた状態で保持されている;
‐ 閉止要素の筒部はソケットの周りに取り付けられると共にソケットによって軸方向に案内されている;
‐ 出口オリフィスは、その対称軸と約45°の角度を成す円形周囲表面を有する;
‐ 第1のソケットが、分配手段の設けられたケースの部分の内側表面から突出していると共に、多角形内側断面を有する自由端部と、この端部と反対側のねじ付き部分とを有し、このねじ付き部分が、ケース部分を相互に固定するためのねじを保持している;
‐ 第2のソケットが、ケースの他方の部分の内側表面から第1のソケットと同軸に突出し、その自由端部が多角形外側断面を有すると共に、第1のソケットの端部と滑動可能に係合しており、固定用のねじが第2のソケットを貫通している;
‐ 第2のソケットは、ケースの外側に収納開口部を有し、この収納開口部内に、対応するケース部分の外側表面から突出することなくねじの頭部が保持され、この収納部は取外し可能な蓋で閉止されている;
‐ 充填用オリフィスが流体分配手段の反対側に配置され、取外し可能な密封蓋で閉止されている;
‐ ディスペンサーは、金属、ガラス、セラミクス及びプラスチック材料から成る群から選択された鋳造又は成形材料で作られており、固形石鹸の形を有している。
【0013】
以下、添付の図面に示された例示だけのために提供される特定の実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明によるディスペンサーの斜視図である。
【図2】ディスペンサーの第1の実施形態を示す、図1のII−II線上での断面図である。
【図3】使用位置にある図2の詳細図である。
【図4】閉止要素の詳細図である。
【図5】閉止要素支持プレートの平面図である。
【図6】ディスペンサーケースの第1部分の断面図である。
【図7】ディスペンサーケースの第2部分の断面図である。
【図8】本発明によるディスペンサーの第2の実施形態の断面図である。
【図9】図8の正面図である。
【図10】ディスペンサーの底面図である。
【図11】閉止要素の第2の実施形態の詳細断面図である。
【図12】閉止要素の第3の実施形態の詳細断面図である。
【図13】本発明の他の変形例の矢印A(図14)方向に見た内部図である。
【図14】本発明の他の変形例の断面図である。
【図15】本発明の他の変形例の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、例えば、浴室、台所又はトイレで使用するための液体石鹸ディスペンサー1を示す。この石鹸ディスペンサー1は固形石鹸の形と寸法を有しており、手で容易に扱うことができる。典型的には、長さが約5〜10センチ、幅が約3〜6センチ、厚さが約1〜3センチの丸石の形状をしている。
【0016】
石鹸ディスペンサー1は、例えば、アルミニウム又はステンレス鋼等の金属、ガラス、セラミック及びプラスチックから成る群から選択される鋳造又は成形材料から作られる。
【0017】
ディスペンサー1は、分配すべき液体石鹸を収容するのに適した気密ケース2を有している。このケース2は、実質的に同じ寸法で、周囲接合中間面5で互いに接合された2個の半体シェル10及び20から構成されている。
【0018】
図2と図3にも示すように、第1半体シェル10の外側表面llは石鹸分配手段30を有している。この石鹸分配手段30は、流体がケースから流出するのを防ぐ静止位置(図2)と、ユーザーが洗浄中に分配手段に手を押し付けた時に流体が流出できるようにする作動位置(図3)との間で移動できるように第1半体シェル10に取り付けられている。
【0019】
より正確には、各石鹸分配手段30は、第1半体シェル10の壁を貫通して形成された出口オリフィス12に密に係合している少なくとも1個の閉止要素31を有している。
【0020】
図2〜図7に示す第1の実施形態によれば、閉止要素31はマッシュルーム形状であり、ケース2内に位置し頭部33まで軸方向に延在する軸部32を有し、頭部33は、閉止手段30が静止位置にあるときに出口オリフィス12の周囲表面13に当接している。
【0021】
特に図3及び図6において見られるように、出口オリフィス12の周囲表面13はケース2の内側から外側に向かって狭まる円錐形断面を有しており、閉止要素30は、遮断状態において流体が漏れない状態を形成するように相補的形状を呈している。本実施形態においては、円形周囲表面13は、出口オリフィス12の対称軸に対して45°の角度を成している。
【0022】
頭部33の一部は第1半体シェル10の外側表面llから数ミリ局所的に突出しており、頭部33はユーザの手によって動かすことができる。軸部32は圧縮バネ34によって取り囲まれており、この圧縮バネ34は、図2に示すように、オリフィス32の周囲表面13に対して頭部33を押し付けるために頭部33に軸方向の圧力を加える。
【0023】
また、ケース2は、各閉止要素31の軸部32を保持すると共に軸方向に案内する開口部41を備えた支持プレート40を有している。対応する閉止要素31の軸部32を心出しするために開口部41と同軸にプレートの下側にリング42が固定されている。従って、ユーザーの手によって頭部33に力Fが加えられた結果、軸部32が軸方向に変位すると(図3参照)、軸部32は開口部41内で摺動してリング42に入り、このため、軸部32は傾かない。これにより、液体石鹸を図3の矢印Sに沿って適切に放出することができる。ばね34は、第一に支持プレート40と対向する頭部34の表面35に当接すると共に、第二に支持プレート40の表面45に当接している。
【0024】
図5は、液体石鹸分配手段の分散状態を示す。従って、第1半体シェル10の外側表面llには、十字状に分散された4個の出口オリフィス12が設けられている。支持プレート40自体が十字形状であり、各腕部の先端には、出口オリフィス12と同軸の貫通開口部41が設けられている。
【0025】
図6は、第1半体シェル10の断面図であり、その内側表面15に中央ソケット50が設けられている。このソケットは、固定ねじ55(図1)を保持するための雌ねじ51を有している。この固定ねじ55はケースの外側から接近可能であると共に、2個の半体シェル10及び20を漏れがない状態で相互に固定することを可能にする。また、ソケット50は、その自由端部52に2個の突起53を有し、この突起53は、前記ソケットを心出しすると共に所定位置に保持することを可能にするために、支持プレート40に設けられた凹部43(図5)と係合している。第2のシェル20自体は、その内側表面25から突出する別のソケット70を有している。支持プレート40はソケット50と70の間で強固に固定され、ソケット50と70は、固定ねじ55によって互いに近づく方向に押されている。
【0026】
図7で見られるように、本発明の液体石鹸ディスペンサーを再充填できるように漏れの無い充填蓋80が第2半体シェル20に設けられている。
【0027】
図8〜図10に示す変形例では、各閉止要素31の軸部32が、ケース2の内側で第2半体シェル20の内側表面25から突出している中空のソケット60内で軸方向に摺動する。ソケット60の自由端部62と、この自由端部と対向する頭部33の表面35との間で圧縮バネ34が圧縮されている。
【0028】
また、第2半体シェル20の内側表面25は、第1半体シェル10の内側表面15から突出するソケット50と同軸の、ケース2から突出する中央ソケット70を有している。ソケット50は、多角形内側断面を有する自由端部53と、この端部と反対側の部分51とを有しており、この部分51には、固定ねじ55を保持するためにねじが形成されている。ソケット70は、ソケット50の端部53と摺動可能に係合する多角形外側断面を有する自由端部73を有する。この固定ねじはソケット70を通るすべての道を通る。
【0029】
また、第2半体シェル20の外側表面21は、ケース2の外側に開口する収容部26をソケット70と連続して有している。ねじ55の頭部57が、第2半体シェル20の外側表面21から突出することなくこの収容部26に保持されている。収納部26も、取外し可能な蓋27で閉止されている。
【0030】
図11に示す別の実施形態によれば、閉止要素31はシリンダーの形状を有しており、このシリンダーは、出口オリフィス12の周囲表面13に当接するのに適した丸みのある頭部37と筒部36とを有している。圧縮バネ34は筒部36に収容されると共に、第2半体シェル20の内側表面25から突出するソケット60内に心出しされた状態で保持されている。
【0031】
ユーザーの手が頭部37に押し付けられると、筒部36はソケット60に沿って軸方向に摺動し、圧縮バネ34が徐々に圧縮される。これにより、図3に示す実施形態と同様に、液体石鹸の出口通路が閉止要素31の頭部36と出口オリフィス12の周囲表面13との間に形成される。
【0032】
図12に示す閉止要素31の別の実施形態によれば、閉止要素31は金属ボール39を含んでいる。このボール39は、出口オリフィス12の周囲表面13に当接している第1の部分39aと、中空ピストン90の半球部分92の上に乗っている第2の部分39bとを有している。中空ピストン90は、第2半体シェル20の内側表面25から突出するソケット60を摺動可能に包囲している。また、中空ピストン90は圧縮バネ34の上に乗っている。この圧縮バネ34は、ソケット60内に心出しされた状態で収容されると共に、出口オリフィス12の周囲表面13に対してボール39を押し付けるためにボール39に軸方向の圧力を加えている。
【0033】
従って、ユーザーの手がボール39に押し付けられると、液体石鹸の出口通路を形成するためにボール39は軸方向に移動してケース2内に入る。圧力が取り除かれると、出口オリフィス12を閉止して石鹸の流出を防ぐために、圧縮バネ34の復元力によりボール39が出口オリフィス12の周囲表面13に対して漏れが無い状態で押し付けられる。
【0034】
ボール39は、ケース2に収容されている液状のマッサージ用製品と協働してマッサージ機能を果たすのに適した寸法であることが有利である。
【0035】
図13〜図15は、この実施形態の変形例を示す。即ち、上側の半体シェル10の矢印A方向に沿って見た内部図である図13で見ることができるように、ディスペンサー1は丸みのある断面を有するパック(puck)の形状であり、単一の円に沿って例えば120°の等角度間隔で円形に配置された3個の閉止要素31を有する。各閉止要素31はボール39を有し、このボールの第1部分39aは、出口オリフィス12の周囲表面13に当接すると共に半体シェル10の外側表面から僅かに突出しており、第2部分39bは、座部を形成する中空ピストン90の上側半球部分92の上に乗っている。
【0036】
中空ピストン90は、第2半体シェル20の内側表面25から突出するソケット60を摺動可能に包囲している。また、中空ピストン90は圧縮バネ34の上に乗っている。この圧縮バネ34は、ソケット60内に心出しされた状態で収容されていると共に、出口オリフィス12の周囲表面13に対してボール39を押し付けるためにボール39に軸方向の圧力を加えている。
【0037】
中空ピストン90の上側半球部分92は、ばね34と同軸の中央オリフィス92aを更に有し、ボール39の自転を可能にしている。また、このオリフィス92aは、ボールが座部92上で回転した時に、ソケット60内に存在する石鹸でボールを被覆すことを可能にする。
【0038】
従って、ユーザーがボール39に手をこすり付けて押すと、ボールは僅かに軸方向に移動してケース2内に入り、オリフィス12に液体石鹸のための出口通路が形成される。更に、ボール39は、座部92に乗った状態で自転し、その周囲表面に石鹸を運ぶ。圧力が取り除かれると、出口オリフィス12を閉止して石鹸の漏れを防ぐために、圧縮バネ34の復元力によりボール39が出口オリフィス12の周囲表面13に対して漏れが無い状態で押し付けられる。
【0039】
また、本実施形態によるディスペンサー1には、閉止要素31を含む面と反対側の面の中心に配置された充填蓋が設けられている。
【0040】
言うまでもなく、例示のみを目的とする本発明の主題の詳細な記載は如何なる限定も構成するものでなく、また、技術的均等物も本発明の範囲に含まれるものである。
【0041】
従って、分配手段30の数は限定されることはなく、また、分配手段30を一方の半体シェル上に分散させて設けるか又は両方の半体シェルに同時に分散させて設けるかも限定されない。
【0042】
閉止要素の形態も、出口オリフィスの周囲表面13と共に漏れを防止できる限り、変更してもよい。
【0043】
2個の半体シェルのための固定ねじは、半体シェルが分離することを防ぐために後で所定の位置で溶接することもできる。或いは、超音波、高周波又は摩擦を利用した技術により半体シェルを、例えば、それらの接合面で互いに直接溶接することもできる。
【0044】
ボールは、例えば、成形プラスチック、金属又はガラス等の種々の材料から作ることができる。
【符号の説明】
【0045】
1 ディスペンサー
2 ケース
12 出口オリフィス
30 流体分配手段
31 閉止弁
34 圧縮バネ
39 ボール
60 ソケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分配すべき流体を収容するように適合され、周囲接合平面(5)に沿って流体が漏れない状態で互いに連結された二部分(10、20)からなり、且つユーザーが手を洗う際に手の中に保持できるように適合された寸法を有する、密閉ケース(2)と、
流体がケースから流出するのを妨げる静止位置とユーザーが洗浄中に手で押した場合に流体が流出できるようにする作動位置との間で移動できる様にケース(2)上に取付けられた流体分配手段(30)であって、ケース(2)の少なくとも一部分(10;20)上に配置され、ケースの外側表面(11;21)から局所的に突出しており、ケース(2)の壁に形成された出口オリフィス(12)と密に係合する少なくとも1個の閉止弁(31)を含み、この閉止弁(31)は、流体遮断状態から流体分配状態へと移行するように軸方向に移動可能であり、出口オリフィス(12)の周囲表面(13)がこの目的のため、ケース(2)の内側から外側に向かって狭まる円錐形断面を有しており、閉止弁(31)は、遮断状態において流体が漏れない状態を形成するように相補的形状を有している流体分配手段と、
を含む、流体、特に液体石鹸のディスペンサー(1)において、
閉止弁(31)はボール(39)を含み、このボール(39)は、出口オリフィス(12)の周囲表面(13)に当接している第1の部分(39a)と、出口オリフィス(12)が設けられた部分(10)と反対側のケースの部分(20)の内側表面(25)上に突出したソケット(60)内に心出しされた状態で収納された圧縮バネ(34)上に載った第2の部分(39b)とを有し、バネ(34)がボール(39)に対し軸方向圧力を加えて、それを出口オリフィス(12)の周囲表面に押しつけていることを特徴とする流体ディスペンサー。
【請求項2】
ボール(39)の第2の部分(39b)は、中空ピストン(90)の半球形部分の上に載っており、この中空ピストンは、ソケット(60)により軸方向に案内されるバネ(34)によって支持されると共に、滑動可能にソケット(60)を取り囲んでいることを特徴とする請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項3】
半球形部分(92)の底面には圧縮バネ(34)と同軸のオリフィス(92a)が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のディスペンサー。
【請求項4】
ボール(39)は、ケース(2)の中に収容されたマッサージ用液状製品と協働してマッサージ機能を果たすように寸法決定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のディスペンサー。
【請求項5】
出口オリフィス(12)は、その対称軸と約45°の角度を成す円形周囲表面を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のディスペンサー。
【請求項6】
第1のソケット(50)が、分配手段(30)を備えたケース部分(10)の内側表面(15)上に突出し、且つ多角形内側断面をもつ自由端部(53)と、この端部と反対側のねじが設けられた部分とを有し、この部分には、ケース部分を相互に固定するねじ(55)が収容されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のディスペンサー。
【請求項7】
第2のソケット(70)が、第1のソケット(50)と同軸に、他方のケース部分(20)の内側表面(25)上に突出すると共に、第1のソケット(50)の端部(53)と滑動する形で協働する多角形外側断面をもつ自由端部(73)を有し、固定用ねじ(55)が貫通していることを特徴とする請求項6に記載のディスペンサー。
【請求項8】
第2のソケット(70)は、ケース(2)の外側に通じる収納部(26)を有し、この収納部の中には対応するケース部分(20)の外側表面(21)上に突出することなくねじ(55)の頭部(57)が収容され、この収納部(26)が取外し可能な蓋(27)で塞がれていることを特徴とする請求項7に記載のディスペンサー。
【請求項9】
充填用オリフィスが流体分配手段(30)の反対側に配置され、取外し可能な密封蓋(80)で塞がれていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のディスペンサー。
【請求項10】
金属、ガラス、セラミクス及びプラスチック材料から成る群から選択された成形材料で作られており、固形石鹸の形を呈することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のディスペンサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2010−526622(P2010−526622A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507947(P2010−507947)
【出願日】平成20年4月15日(2008.4.15)
【国際出願番号】PCT/FR2008/000528
【国際公開番号】WO2008/142296
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(509315489)ソシエティ シヴレ エムジーエス (1)
【氏名又は名称原語表記】SOCIETE CIVILE MGS
【Fターム(参考)】