説明

流体ディスペンサ組立品

流体ディスペンサ組立品であって、流体ディスペンサ(1,2)と可撓性のカバー部材(3)とを有し、流体ディスペンサ(1,2)は、流体貯蔵器(1)と閉鎖部材(2)とで成り、貯蔵器は少なくとも1枚の可撓性シート(11)を有し、当該可撓性シート(11)には開口部(14)が開けられており、閉鎖部材(2)には流体ディスペンサ開口部(210)が形作られており、閉鎖部材は前記開口部(14)に取り付けられており、可撓性のカバー部材(3)は、ディスペンサを包装するものであって、窓(34)を有し、当該窓(34)を介して閉鎖部材(2)を操作できること、を特徴とする流体ディスペンサ組立品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は流体ディスペンサ組立品に関し、より具体的には、クリーム、ジェル、ポマードなどのペーストを吐出するための組立品に関する。本発明の効果的な用途は、化粧品、薬剤、さらには香水の分野に見出される。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、ディスペンサと当該ディスペンサを覆う外装とから成る流体ディスペンサ組立品について記述した公知文献としては、仏国特許第2 822 808号公報がある。このディスペンサは、小型で比較的平らなポーチの形をしており、辺部(edge)の1つにディスペンサ開口部が形作られている。ディスペンサ開口部は、初期状態では栓部材によって閉じられているが、当該栓部材は、具体的には引き抜く形で取り外される。小型ポーチは外装によって覆われているが、取り外し可能な栓部材のある位置に切り欠き部が形作られる。こうした位置関係とするために、切り欠き部は外装の側面側の辺部に形作られる。
【0003】
こうした型のディスペンサ組立品に関する問題点は、ディスペンサから出る流体をユーザが掬い取るのに手間取ることである。ユーザは、取り外し可能な栓部材を引き抜いた後、外装を押さえることでディスペンサの小型ポーチを圧迫する。その結果、外装の切り欠き部の奥の部分に位置するディスペンサ開口部を通って流体が出てくる。小さな切り込みの奥の部分にある流体を掬い取るのが容易でないことは理解できるであろう。そのため、ディスペンサ開口部近くで流体が外装の内部に散ってしまう事態がしばしば起こる。従って、実際のところ、上記従来技術のディスペンサ組立品も、クリームなどのペーストを吐出するようには作られていない。当該従来技術のディスペンサ組立品は、香水のように噴霧の形で放出される流体を対象としている。ディスペンサ開口部の出口位置で直に流体を掬い取るものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
仏国特許第2 822 809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、ペーストやクリームの吐出により適した流体ディスペンサ組立品を作ることを目的とする。また、ユーザが流体を、周囲に散らしてしまうことなく、容易に掬い取れるようにする。本発明の組立品は、ユーザが容易に保持でき、そうして流体を容易に掬い取れるようにする。また、本発明の組立品は、見た目がよく、商標、ロゴ、装飾、文字などの何らかの種類の情報を、容易かつ広範囲に載せられるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これらの様々な目的を達成するために本発明が提供するのは、流体ディスペンサ組立品であって、流体ディスペンサと可撓性のカバー部材とを有し、流体ディスペンサは、流体貯蔵器と閉鎖部材とで成り、貯蔵器は少なくとも1枚の可撓性シートを有し、当該可撓性シートには開口部が開けられており、閉鎖部材は前記開口部に取り付けられており、可撓性のカバー部材は、ディスペンサを包装するものであって、窓を有し、当該窓を介して閉鎖部材を操作できること、を特徴とする流体ディスペンサ組立品である。
【発明の効果】
【0007】
従来技術のディスペンサ組立品のディスペンサ開口部が、側面側の辺部の1つに配置されているのと異なり、本発明のディスペンサ開口部は、可撓性シートに配置されている(すなわち、シート及びカバーの辺部から離れた位置にある)。これにより、本発明のディスペンサ開口部は、実質的に平らな面に位置することとなり、そのため、吐出された流体を掬い取るのに都合が良い。また、開口部および窓には、それぞれ周縁部が形作られており、両周縁部は平坦であり、一方の上に他方が重ねられた形に配置されていること、とするのが効果的である。そして、ディスペンサは永続的な形でカバー部材に固定されていること、とするのが好ましい。しかしながら、ディスペンサをカバー部材から取り外す構成も考えられる。また、閉鎖部材は、永続的な形または解放可能な形で保持する保持手段を有し、当該保持手段は、窓の周縁部を固定的に受け止めるように構成されていること、とするのが効果的である。そして、保持手段は外周縁溝で成り、当該外周縁溝の中に窓の周縁部が、効果的な構成としてスナップ留めの形で嵌め込まれていること、とするのが好ましい。このようにすれば、カバー部材内部にディスペンサを接着する必要もなくなる。ただし、状況によっては、別の形または追加の接着材で接着を行うこととする。
【0008】
また、本発明の別の特徴として、窓は、初期状態では、取り外し可能な蓋によって閉じられていること、とする。そして、取り外し可能な蓋は、カバー部材に形成されており、予め決められた破断領域によって規定されていること、とするのが効果的である。こうした構成では、ユーザは、初回の使用に先立って取り外し可能な蓋を外し、そうして閉鎖部材に接触する。また、取り外し可能な蓋を再び元の位置には戻せない作りとして、蓋を取り外す作業自体が、組立品の初めての使用であることをユーザに通知することになる、という構成にするのが好ましい。この構成では、取り外し可能な蓋は、初めての使用であることを保証する機能も果たす。加えて、取り外し可能な蓋によってカバー部材が見た目よく仕上げられ、蓋の部分も含めて、カバー部材全体にわたって模様を描くことができる。
【0009】
また、実際的な実施の形態では、ディスペンサは正面シートと背面シートとを有し、当該正面シートおよび背面シートは、効果的な構成として、一体に接続されて単一部材となっており、シート同士は辺部において封止処理されて一体化しており、正面シートには開口部が形成されており、閉鎖部材は周縁フランジを有し、当該周縁フランジには開口部の周縁部が、効果的な構成として熱シール処理によって固定されていること、とする。さらに、カバー部材は正面部と背面部とを有し、当該正面部および背面部は、効果的な構成として、一体に接続されて単一部材となっており、正面部には窓が形成されており、当該窓は効果的な構成として、正面シートの中央に位置する形で開けられており、ディスペンサは正面部と背面部との間に、窓の位置に閉鎖部材が来るように配置されていること、とすることもできる。そして、カバー部材は更に封止用折り返し部を有し、当該封止用折り返し部は効果的な構成として正面部に接続されて単一部品の形を取り、背面部は折り返し部に固定されて、ディスペンサを包む形でカバー部材を閉じること、とするのが効果的である。この構成におけるカバー部材は、面の1つの窓が開けられた、一種のケースを形成している。窓の形状については様々なものが考えられる。窓の配置については中央とするのが効果的だが、反対に、中央から外れた位置に置いてもよい。カバー部材は、1枚の紙、厚紙、プラスチック素材、金属、または、これらの組み合わせから作ることができる。
【0010】
本発明の効果的な実施の形態では、閉鎖部材には流体ディスペンサ開口部が形作られており、当該流体ディスペンサ開口部は効果的な構成として流体取り出し皿内に配置されており、閉鎖部材は元の位置に戻すことが可能な閉鎖キャップを有し、当該閉鎖キャップは、開口部を閉じると共に、効果的な構成として取り出し皿を覆うように作られていること、とする。この構成では、流体が吐出されるたびに、ユーザは取り出し皿で流体を掬い取ることができ、その後、閉鎖キャップを戻してディスペンサ開口部を閉じる。
【0011】
また、本発明のディスペンサ組立品は、効果的な構成として、全体的な形状は実質的に平らで平面を形作り、ディスペンサ開口部は前記平面に対して実質的に垂直な軸に沿う方向に延びていること、とする。
本発明の原理は、実質的に平らな面に流体放出口を有したディスペンサを、見た目がよく機能的な形で包むことにある。放出口は、2枚のシートの間に位置するのではなく、一方のシートに開けられて開口部を形成しており、シートの辺部に達することはない。そうして、開口部は封止線によって縁取られた形となり、開口部が設けられたシートを別の部材(もう1枚のシートなど)に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態を構成する流体ディスペンサ組立品を組立作業中の状態で示す分解斜視図である。
【図2】図1のディスペンサ組立品を組立後の状態で示す図である。
【図3】図2と同様の図であり、ディスペンサが開いた状態で示す図である。
【図4】図1と同様の図であり、本発明の第2の実施の形態を示す図である。
【図5】図4のディスペンサ組立品を、組立後の状態、そして取り外し可能な蓋が取り外された状態で示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態を示す、図3と同様の図である。
【図7】図1乃至3のディスペンサ組立品を閉じた状態で示す拡大断面図である。
【図8】図7と同様の図であり、ディスペンサが開いた状態で示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態において用いられる閉鎖部材を、金型から外した直後の状態で示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明について、非限定的な例としての本発明の2つの実施の形態を示す添付図面を参照しながら、詳細に説明していく。
先ず、図1乃至3を参照しながら、本発明の流体ディスペンサ組立品の第1の実施の形態について詳細に説明する。組立品は、3つの構成要素(すなわち、流体貯蔵器1、閉鎖部材2、カバー部材3)を有する。貯蔵器1と閉鎖部材2とは、一体に組み立てられて流体ディスペンサを構成している。
【0014】
貯蔵器1は、可撓性素材(例えば、プラスチック素材とアルミニウムの層とで構成されたシート)で作られている。また、プラスチック素材、紙、金属などを単独で用いて作ったシートを用いることも可能である。貯蔵器は小型で扁平なポーチの形をしており、当該ポーチは正面シート11と背面シート12とから成る。これらシートは、効果的な構成として、単一の部材の形(すなわち、共通の辺部112を有する形)で作ることができる。ただし、2枚の別々のシート11、12から貯蔵器を作ることも可能である。シート11、12を重ねた状態に置いてから、それらの周縁部13に封止処理を施す。実施する封止処理は、熱シール処理とするのが効果的である。そのためには、プラスチック素材で作ったシートまたはプラスチック素材でコーティングしたシートを用いるのが効果的である。封止処理は、共通の辺部112を含むシートの全周縁にわたって施すことも可能であるが、ここでは、封止処理は3つの側面に施されており、共通の辺部112によって形成された側面に封止処理は行っていない。本発明の効果的な特徴として、正面シート11は、周縁部15によって規定された開口部14を有する形で形成されている。本実施の形態における開口部14は、シート11のほぼ中央に形成されている。開口部14は中央から外れた位置に配置することもできるが、必ず、シート11の外側の縁からは離しておかなければならない。言い換えると、開口部14は、シート11に形成された周縁部15に切れ目なく囲まれている。従って、開口部14は、周縁部15と同様にシート11の面内にある。
【0015】
シート11の開口部14の位置には閉鎖部材2が置かれ、開口部14を閉じる形となっている。閉鎖部材2の機能は、貯蔵器1内に格納されている流体の放出を可能にすることである。そのために、閉鎖部材には、貯蔵器の内部と外部とをつなぐ流体ディスペンサ開口部210が形作られている。効果的な構成として、閉鎖部材は、漏れの生じないようにディスペンサ開口部を閉じる栓部材を有する。
【0016】
次いで、ここからは図7、8、9を参照しながら、本発明の閉鎖部材の非限定的な実施の形態について詳細に説明する。閉鎖部材は、単一の部品として作ることもできるが、ここでは3つの部分から成る。すなわち、閉鎖部材は、先ず底部21を有し、当該底部には、取り出し皿211、ディスペンサ開口部210、周縁境界部212が形作られている。取り出し皿211の形状は、凹形とするのが好ましい。ディスペンサ開口部210は、皿211の中央に位置している。周縁境界部212は取り出し皿211を囲んでいる。皿211の外周縁部は、境界部212よりも上に突き出している。閉鎖部材の第2の部分は冠部22であり、当該冠部は効果的な構成として、ブリッジ部24を介して底部21に連結されている。冠部には、突き出した環状リム(annular rim)224を囲む形で、環状固定用領域222が形成されている。リムには環状周縁溝223が形作られており、当該周縁溝は、後述する内容を読めば分かる通り、カバー部材3を保持する保持手段として働く。冠部22は、境界部212の上に置かれて、取り出し皿211を囲む形となる。これは、図7、8を見れば分かる。ただし、図9に示すように、金型から外された時点では、冠部22と底部21とは同一面上に位置している。この形から、冠部22を回動させてブリッジ部24を変形させることにより、冠部22を上から底部21に係合させることができる。環状の周縁固定用領域222は、溝223の周囲に延びる。固定用領域222は、貯蔵器のシート11を固定する役目を果たす。より厳密に言えば、図7、8に見られるように、開口部14の周縁部15は、冠部22の固定用領域222に封止され、その封止方法は熱シール処理とするのが効果的である。封止処理は冠部の周縁全体にわたって実施され、漏れの生じない状態の接触を実現する。閉鎖部材の第3の部分は元の位置に戻すことのできる閉鎖キャップ23であり、当該キャップ23には、底部21のディスペンサ開口部210に漏れを生じさせない形で係合する封鎖ピン230が形作られている。また、本キャップは取り出し皿211を覆う。キャップ23はヒンジ232によって冠部に接続されている。図9で示すように、当初の状態では、キャップ23は冠部22と実質的に同一面上にあり、複数の破壊可能なブリッジ部233によって前記冠部に接続されている。ブリッジ以外の位置では、キャップの外側の縁部は、円弧スロット234によって冠部から切り離されている。初回の使用以前の段階では、破壊可能なブリッジ部233は無傷である。それにより、ユーザは、閉鎖部材がこれまでに一度も開かれていないと分かる。つまり、ブリッジ233は、初めての使用であることを保証する機能を果たす。冠部22は底部21の境界部212に、熱シール処理などによって、永続的な様態で固定される。閉鎖部材2に固定されるのがシート11だけである点に留意すべきである。背面シート12が閉鎖部材2に固定される箇所はない。しかし、背面シート12が閉鎖部材2に固定される構成を排除するわけではない。
【0017】
当然のことながら、図7乃至9に示す特定の閉鎖部材の代わりに他の何らかの適当な閉鎖部材を用いても、1枚または2枚の可撓性シートで形成された貯蔵器から流体を放出できるようにすることは可能である。元の位置に戻すことのできる閉鎖キャップも必須ではない。
カバー部材3は正面部31と背面部32とを有し、これら2つは、共有辺部312を介して連結された単一部品として作ることもできる。正面部31は窓34を備えた形で形成されており、窓34には周縁部35が形作られている。図に示した例では、窓34は正面部31のほぼ中央に位置している。加えて、カバー部材は封止用折り返し部33を有し、当該折り返し部33は、本実施の形態では正面部31に接続されている。折り返し部33は、正面部31と共に単一の部材として形成することができ、その場合は共有辺部313が形作られるが、当該共有辺部については、正面部を背面部に接続する辺部312に平行とするのが効果的である。
【0018】
第1の組立ステップは、ディスペンサ1を正面部31に装着する作業であり、装着は、窓34の中に閉鎖部材2を配置する形で行う。効果的な構成として、窓の縁部は、閉鎖部材の溝223の中にスナップ留めすることができる。また、貯蔵器を作るシート11を正面部31の内側に接着してもよい。第2の組立作業は、折り返し部33を折ってディスペンサ1の上に重ねると共に、折り返し部を背面シート12に押し付ける、というものである。第3の作業は、背面部32を折ってディスペンサ1の上に重ね、背面部32が背面シート12を押さえる状態にする、というものである。背面シート12を背面部32に接着してもよい。最後に背面部32を折り返し部33に固定するが、接着剤または熱シール処理によって固定するのが効果的である。こうして、ディスペンサ1の全体がカバー部材3に包まれる。この状態は図2に示してある。しかしながら、カバー部材3の開いた側面を通して、ディスペンサ1は目に見える状態となっている。ただし、側面折り返し部(図示せず)を備えた形でカバー部材3を形成して、カバー部材3でディスペンサ1の全体を囲む、という構成も排除するわけではない。そうした構成とした場合は、閉鎖部材2の位置を除き、前記ディスペンサは全く目に見えない状態となる。
【0019】
そうして、ディスペンサ開口部210と取り出し皿211とを表に出すには、ユーザは、ブリッジ部233を壊してキャップ23を持ち上げるだけでよい。そうして、カバー部材3を押下して正面部を背面部に押し付ければ、貯蔵器1は変形し、貯蔵器に格納されていた流体には圧力が加わる。その結果、流体はディスペンサ開口部210を通って流れ出ることになる。そうして、ユーザは取り出し皿211に溜まった流体を掬い取ることができる。使用が終われば、ユーザはキャップ23をはめて開口部210を閉じる。ここで再び図7、8を参照すると、窓34の周縁部35は閉鎖部材2の冠部22の方に突き出て延びていることが分かる。効果的な構成として、周縁部35は、冠部22に形成された溝223にはめ込まれる。しかしながら、例えば接着剤または熱シール処理によって、周縁部35を冠部に固定する構成を排除するわけではない。周縁部35はスナップ留めによって溝223に保持することができるが、溝223が存在しない場合でも、何らかの手段(例えば接着剤)によってディスペンサ1をカバー部材3内部に保持することは可能である。周縁部35は、領域222上でリム224を囲む形になるよう、溝に収納することができる。これにより、ディスペンサ(より具体的には閉鎖部材)を、窓34の中央に位置づけることが可能となる。
【0020】
カバー部材3は、可撓性素材(例えば、紙、ボール紙、プラスチック素材または金属)で作られる。ディスペンサ1を包んだ状態では、正面部31は(そして効果的には背面部32も)一定の可撓性を示し、正面部および背面部は変形して、お互いに近づく方向または遠ざかる方向に移動する。
次に、図4乃至6を参照する。これらの図が示すのは第2の実施の形態であり、第1の実施の形態の変形例を構成している。ディスペンサ1は、実質的または完全に第1の実施の形態のディスペンサと同一とすることができる。ただし、ここでのカバー部材3と第1の実施の形態のカバー部材とは、初期状態において、窓34が蓋36によって閉じられている点、そして、当該蓋36が効果的な構成として正面部31と一体に形成されている点で異なっている。蓋36は、予め定められた破断領域37によって規定されており、当該破断領域は、切取り線または弱化領域の形とすることができる。図5で示すように窓の覆いを外すには、ユーザは、取り外し可能な蓋36を引っぱり、これを予め定められた破断領域37に沿ってシート31から切り離すだけでよい。そうすれば、ユーザは第1の実施の形態の場合と同様に組立品を使用することができる。取り外し可能な蓋36によって正面部31の完全性(integrity)を保つことができるので、窓の位置で装飾が途絶えることがない。蓋36については、浮き彫り加工で作り、正面部31の他の部分から浮き出した形とすることができる。そうすると、蓋36をキャップ23や閉鎖部材のリム224の上に置くことができ、窓の周縁部35は、溝223に収容されるか、少なくともリム224を囲む形となる。
【0021】
このように、本発明が提供する流体ディスペンサ組立品は、水平に保持された取り出し皿211を備えるため、流体を入れた従来の種類の小瓶と同様に扱うことができる。ユーザは一方の手だけで、組立品を保持し、正面部31を押下して流体を放出させる。そうして、ユーザは、もう一方の手で流体を掬い取る。使用後、ユーザはキャップを閉じ、それによって完全な密封性が保証される。言うまでもないが、カバー部材3はディスペンサ1の外観を改善するだけでなく、同時に、組立品を手に保持することをより容易にし、そして、装飾、ロゴ、商標などの情報、他の何らかの法律関係の情報や有用な情報を載せることのできる面の面積を大幅に拡大する。本ディスペンサ組立品の厚みは小さく、数ミリメートル程度である。比較的扁平で、占有する空間もほとんど高さがない。これにより、広告用サンプルとして雑誌に挿入することも可能である。ただし、ディスペンサ開口部210が組立品の面に対して垂直方向に延びている点に留意すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体ディスペンサ組立品であって、
流体ディスペンサ(1,2)と可撓性のカバー部材(3)とを有し、
流体ディスペンサ(1,2)は、流体貯蔵器(1)と閉鎖部材(2)とで成り、貯蔵器は少なくとも1枚の可撓性シート(11)を有し、当該可撓性シート(11)には開口部(14)が開けられており、閉鎖部材(2)には流体ディスペンサ開口部(210)が形作られており、閉鎖部材は前記開口部(14)に取り付けられており、
可撓性のカバー部材(3)は、ディスペンサを包装するものであって、窓(34)を有し、当該窓(34)を介して閉鎖部材(2)を操作できること、
を特徴とする流体ディスペンサ組立品。
【請求項2】
開口部(14)および窓(34)には、それぞれ周縁部(15,35)が形作られており、両周縁部(15,35)は平坦であり、重ね合わされていること、
を特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ組立品。
【請求項3】
ディスペンサ(1,2)は永続的な形でカバー部材に固定されており、流体は、閉鎖部材が開けられた後、カバー部材の窓から外に出ること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の流体ディスペンサ組立品。
【請求項4】
閉鎖部材(2)は保持手段(223)を有し、当該保持手段は、窓(34)の周縁部(35)を固定的に受け止めるように構成されていること、
を特徴とする請求項2又は3に記載の流体ディスペンサ組立品。
【請求項5】
保持手段は外周縁溝(223)で成り、当該外周縁溝(223)の中に窓(34)の周縁部(35)が、効果的な構成としてスナップ留めの形で嵌め込まれていること、
を特徴とする請求項4に記載の流体ディスペンサ組立品。
【請求項6】
窓は、初期状態では、取り外し可能な蓋(36)によって閉じられていること、
を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の流体ディスペンサ組立品。
【請求項7】
取り外し可能な蓋(36)は、カバー部材(3)に形成されており、予め決められた破断領域(37)によって規定されていること、
を特徴とする請求項6に記載の流体ディスペンサ組立品。
【請求項8】
ディスペンサ(1,2)は正面シート(11)と背面シート(12)とを有し、当該正面シートおよび背面シートは、効果的な構成として、一体に接続されて単一部材となっており、
シート同士は辺部(13)において封止処理されて一体化しており、正面シート(11)には開口部(14)が形成されており、
閉鎖部材(2)は周縁フランジ(223)を有し、当該周縁フランジ(223)には開口部(14)の周縁部(15)が、効果的な構成として熱シール処理によって固定されていること、
を特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の流体ディスペンサ組立品。
【請求項9】
カバー部材は正面部(31)と背面部(32)とを有し、当該正面部(31)および背面部(32)は、効果的な構成として、一体に接続されて単一部材となっており、
正面部(31)には窓(34)が形成されており、当該窓(34)は効果的な構成として、正面シートの中央に位置する形で開けられており、
ディスペンサ(1,2)は正面部(31)と背面部(32)との間に、窓(34)の位置に閉鎖部材(2)が来るように配置されていること、
を特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の流体ディスペンサ組立品。
【請求項10】
カバー部材は更に封止用折り返し部(33)を有し、当該封止用折り返し部(33)は効果的な構成として正面部(31)に接続されて単一部品の形を取り、背面部(32)は折り返し部(33)に固定されて、ディスペンサを包む形でカバー部材を閉じること、
を特徴とする請求項9に記載の流体ディスペンサ組立品。
【請求項11】
閉鎖部材(2)には流体ディスペンサ開口部(210)が形作られており、当該流体ディスペンサ開口部(210)は効果的な構成として流体取り出し皿(211)内に配置されており、閉鎖部材(2)は元の位置に戻すことが可能な閉鎖キャップ(23)を有し、当該閉鎖キャップ(23)は、開口部(210)を閉じると共に、効果的な構成として取り出し皿(211)を覆うように作られていること、
を特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の流体ディスペンサ組立品。
【請求項12】
全体的な形状は実質的に平らで平面を形作り、ディスペンサ開口部(210)は前記平面に対して実質的に垂直な軸に沿う方向に延びていること、
を特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の流体ディスペンサ組立品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−515631(P2010−515631A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545210(P2009−545210)
【出願日】平成20年1月7日(2008.1.7)
【国際出願番号】PCT/FR2008/050013
【国際公開番号】WO2008/099096
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(502343252)バルワー エス.アー.エス. (144)
【Fターム(参考)】