説明

流体供給装置

【課題】長さを所望長に設定し得る筒体を固定部材に固定し、この固定部材を既存の例えば小型且つ安価なバックホー等のアームに固定することにより、解体現場の高低等に合わせて流体を噴出し得る流体供給装置を提供する。
【解決手段】筒体5を構成するベース筒体5aの基部を固定部材19に固定し、固定部材19をアーム4の先端に固定する。延長筒体5bは解体現場の高さ等に合わせて自在に繋げられるものである。固定部材19は、アーム4に2本のピンにより簡便に固定されるように構成されているので、所望長に接続された筒体5が簡単にアーム4に取り付けられる。従って、既存の小型等で安いバックホー2を利用して安価且つ使い勝手が良く、しかも低公害の流体供給装置1を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばビルディングや家屋等の解体現場に散水する際、或いは高所に置かれた車輌に軽油等を供給する際に用いて好適な流体供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビルディングや一般家屋を解体する場合、解体現場においてコンクリート粉や土埃等の粉塵が発生する。この粉塵は作業員にとって有害である上に、解体現場が見にくくなって作業効率が低下し、近辺に拡散すると公害になる。
【0003】
そこで、従来は図11に示すような散水装置を用いて解体現場に散水し、粉塵発生を抑えていた。散水装置51は、水タンク52と一体に、15〜20KVA程度の電力を発電する発電機53、操作盤54、噴射ポンプ55等を備えている。
【0004】
一方、解体作業は、小型のバックホー61を構成するアーム62の先端に取り付けられた破砕機63をオペレータ(図示せず)が操作して行われる。例えば、家屋64の解体を行うと、有害な粉塵65が大量に発生し、周囲に拡散して解体現場が見にくくなったりする。前記粉塵の発生を抑えるために散水が行われる。
【0005】
散水する場合は、発電機53を駆動して発電し、その電力によって噴射ポンプ55を駆動する。そして、噴射ポンプ55によって加圧された水は、ホース56を介して50〜100m程度離れた解体現場に流通し、作業員57が手持ちした散水ノズル58によって解体現場に噴出する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解体対象が一般家屋のように低層であればよいが、ビルディングのような高層の場合は、低い位置から上階まで水を届かせることができない。この対策として、作業員が高所に上がって解体現場に近づき散水する方法が考えられるが、この方法は危険が多く、禁止されている。
【0007】
高所に散水する手段として、大型のロング解体機の先端に破砕機に代えて散水ノズルを取り付け、解体現場に散水する構成が考えられる。しかし、ロング解体機は数千万円もする高価なものであり、解体用と散水用の2台を併設することはコスト面で困難である。
【0008】
また、大型機は設置費用が多額になるばかりかランニングコストも多額になり、そのうえ騒音が高く、振動も大きい等の問題がある。
【0009】
更に、散水装置については発電機を駆動するため長時間にわたる燃料消費が必要であり、これが有害な一酸化炭素等を多量に排出していた。即ち、従来の散水装置は、温暖化防止等の公害の面、高価な燃料の大量消費の点、発電機駆動による騒音や振動の発生など種々の問題点があった。
【0010】
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型且つ安価なバックホー等を利用して、流体の噴出位置を自在に調整できる流体供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、下記構成により達成される。
1)本発明の流体供給装置は、貯溜された流体を加圧して解体現場に噴出させる流体供給装置において、前記流体を流通させるとともに、流体の流通距離を所望距離に設定し得る筒体の基部を固定部材に固定し、前記固定部材を車輌の一端を支点として角度制御されるアームの一端に固定することにより、前記アームに前記筒体を交換自在に固定し得るように構成したことを特徴としている。
【0012】
前記構成の流体供給装置によれば、固定部材を介して例えばバックホー等の車輌のアームに、流体の流通距離を所望距離に設定し得る筒体を交換自在に湖底することができる。従って、安価なバックホー等を用いて多目的な流体供給を行うことができる。
【0013】
2)本発明の流体供給装置は、上記1)記載の流体供給装置であって、前記筒体は、前記固定部材に固定される基部に対し連結又は取り外しにより所望長に設定される構成、或いは延長状態から折り畳み可能な構成、更に大径の筒体に小径の筒体を連結して所望長に伸縮させる構成の何れかであることを特徴としている。
【0014】
前記構成の流体供給装置によれば、例えば高所まで流体を流通させたい場合は、その距離に応じて筒体を繋げればよく、作業終了後などに移動する場合は折り畳んで簡便に運ぶことができる。
【0015】
3)本発明の流体供給装置は、上記1)又は2)記載の流体供給装置であって、前記車輌は、前記貯溜された流体を汲み上げ且つ加圧状態で噴出させるポンプを備えていることを特徴としている。
【0016】
前記構成の流体供給装置によれば、流体を汲み上げ、且つ流通させて噴出させる動力源を特に設ける必要がなく、低公害、低コストの生産、運用が可能になる。
【0017】
4)本発明の流体供給装置は、上記1)〜3)のいずれかに記載の流体供給装置であって、前記流体を貯溜した貯溜槽に係止部を設け、該係止部に前記車輌に設けられている排土板を係止して前記貯溜槽と車輌とを連結することを特徴としている。
【0018】
前記構成の流体供給装置によれば、車輌に他の目的で設けられている排土板を利用して貯溜槽を解体現場の安全な位置まで牽引し、その位置から解体現場までホース等を利用して流体を流通させることができる。
【0019】
5)本発明の流体供給装置は、上記1)〜4)のいずれかに記載の流体供給装置であって、前記筒体に、前記流体の噴出状態を目視可能に監視する監視装置を設けたことを特徴としている。
【0020】
前記構成の流体供給装置によれば、高所或いはオペレータの位置から離れた解体現場の情況を目視することができ、作業の確実性が向上する。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る流体供給装置によれば、高所等に流体を流通させて噴出させる場合、その距離に応じた筒体を予め固定部材に固定し、その固定部材を小型且つ安価なバックホーやショベル等の車輌のアームに固定するので、安価且つ多目的な流体供給装置を得ることができる。
【0022】
しかも、流体の汲み上げと噴出に車輌に備えられているポンプを利用するので、汲み上げや噴出を目的とした動力源は不要になり、低コスト生産、低コスト且つ騒音、廃棄ガス等の少ない運用を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態である流体供給装置の全体構成を示す側面図、図2は水タンクの牽引状態を示す要部の側面図、図3は水タンクの切り離しを示す要部の側面図、図4は固定部材と第1の筒体との固定形態を示す側面図、図5は固定部材の構成を示す平面図、図6は第2の筒体の構成を示す側面図、図7は第3の筒体の構成を示す側面図である。
【0024】
先ず、図1を参照して本実施形態における流体供給装置1(以下、単に供給装置と略称する)の構成を説明する。
【0025】
供給装置1は、貯溜槽である水タンクに貯溜された水をビルディングの上階等の高所に散水するものである。供給装置1は、バックホー2、水タンク3、アーム4の端部に固定された筒体5、筒体5の先端に取り付けられた散水ノズル6等により構成されている。
【0026】
前記バックホー2は、小型又は中型のものであり、キャタピラーを駆動して自走する構成になっている。アーム4は、バックホー2上のオペレータ(図示せず)の操作により、支点7を中心に角度制御し得るように構成されている。また、アーム4には油圧シリンダー8が設けられ、この油圧シリンダー8を伸縮制御することにより、筒体5の角度を実線及び仮想線で示すように制御できる。
【0027】
図1にあっては、バックホー2の近くに水タンク3が図示されているが、この水タンク3の位置は、バックホー2から50〜100m程度離れた後方位置に配置することができる。即ち、解体現場は破壊したコンクリートブロックが転がっていることもあれば、段差があったりする。このような状況下で、重量のある水タンク3を無理に移動させると横転するなどの不測の事態が発生し易い。
【0028】
そこで本実施形態では、バックホー2に設けられている排土板11を利用して水タンク3を安全な位置まで牽引し、通路状況が不良な場合は水タンク3の牽引を解除してバックホー2のみが解体現場まで移動するように構成した。
【0029】
排土板11は、図2に矢印A,Bで示すように上下方向に回動し得るように構成されている。一方、水タンク3の側面には、フック状の係止部12が設けられている。排土板11と係止部12とは、下記のように連結器として作用する。
【0030】
水タンク3を牽引する場合は、バックホー2を運転して排土板11を係止部12の下側に位置決めして、矢印A方向に回動させて係止部12に係止させる。この状態でバックホー2を前進させることにより、水タンク3を所望位置まで牽引することができる。なお、水タンク3は、自在車輪13aと固定車輪13bを備えた車台14上に載置され、散水用の水を給水する給水口15a、排水口15bを備えている。
【0031】
前記のように、水タンク3を設置し易い平坦な位置まで牽引して停止させ、排土板11を矢印B方向に回動させると、図3に実線で示すように排土板11が係止部12から外れ、水タンク3を安全な位置に設置できる。この状態で図3に仮想線で示すようにバックホー2を前進させることにより、バックホー2のみが解体現場に近づくことができる。
【0032】
バックホー2が解体現場に停止した後、バックホー2に設けられた油圧式の散水ポンプユニット16と水タンク3に設けたストレーナー17との間を自在ホース18で接続する。なお、自在ホース18の接続は、ワンタッチホースカップリング23により簡単に行うことができる。
【0033】
散水ポンプユニット16と、アーム4の端部に取り付けられた筒体5との間は図示しないホースにて接続されている。なお、筒体5とアーム4とは、固定部材19を介して固定され、筒体5はベース筒体5aと伸縮用の延長筒体5bとによって構成されている。そして、延長筒体5bの先端に散水ノズル6が解体位置に向けて固定されている。なお、ベース筒体5aと延長筒体5bとはロックハンドル21によって着脱自在に連結されるものであり、必要に応じて延長筒体5bを多段に接続することができる。
【0034】
次に、散水作用について説明する。
散水を行う場合、図1に示すように解体現場がビルディング22の上階であれば、散水位置の高さに応じた長さに設定された筒体5を固定部材19を介してアーム4に固定する。この固定については、後に図4〜図7を参照して詳細に説明するが、2本のピンにより簡単に固定できるようになっている。
【0035】
図1に示すように、供給装置1を構成した状態で散水ポンプユニット16を駆動すると、水タンク3内の水、言い換えれば予め貯溜された水が揚水され、加圧された状態で散水ノズル6から解体現場に向けて勢いよく噴出する。従って、解体現場における粉塵の発生が抑さえられ、作業員は解体現場を目視しながら作業を行い得るようになる。また、粉塵が周囲に拡散することも防止でき、作業員の健康管理を図ることもできる。なお、水タンク3の容量は自在に設定できるが、牽引の便宜等を考慮して例えば3m程度でよく、水が不足した場合は必要に応じて給水口15aから新たに補給することができる。
【0036】
次に、図4及び図5を参照して前記筒体5の第1具体例を説明する。
本具体例においては、筒体5のうちのベース筒体5aの基部が固定部材19に溶接等により固定されている。ベース筒体5aの下端には、ワンタッチホースカップリング23によって自在ホース24が接続されている。なお、自在ホース24は、図1に示したアーム4内又はアーム4の側面等に配設されているものであり、他端は前記散水ポンプユニット16に接続されている。
【0037】
ベース筒体5aの端部にはフランジ25aが設けられ、これに接続される延長筒体5bの端部にもフランジ25bが設けられている。ベース筒体5aと延長筒体5bとを接続する場合は、両フランジの間に漏水防止のためのパッキンを挟み、ボルト及びナット等の締結部材26により締め付け固定する。そして、延長筒体5bの先端に散水ノズル6が取り付けられるが、筒体5の全体の長さは散水位置に合わせて設定され、前記接続作業は安全性の上から地上で行われる。
【0038】
一方、固定部材19は筒体5をアーム4に簡便に取り付けるためのものであり、鋼材からなる長方形の基板27の両側に鋼材からなる枠体28a,28bを直立状に固定した構成になっている。そして、両枠体28a,28bには2個のピン挿通孔29a,29bが設けられている。
【0039】
筒体5は、図4及び図5に示すように基板27に溶接により固定されている。そして、筒体5を図1に示したようにアーム4に取り付ける場合は、図5に仮想線で示したようにアーム4を両枠体28a,28bで挟むように位置決めする。この結果、ピン挿通孔29a,29bがアーム4に設けたピン挿通孔(図示せず)と連通する。
【0040】
次いで、各連通孔にピンを挿入してアーム4、固定部材19、筒体5を一体化する。この作業は連通孔に2本のピンを挿入するという簡単な作業であり、前記筒体5の固定及び延長作業と同様に地上で簡単に行われる。
【0041】
次に、図6を参照して筒体5の第2具体例を説明する。
本具体例において、ベース筒体5aの基部は前記第1具体例と同様に固定部材19に固定され、且つ自在ホース24にも接続される。しかし、ベース筒体5aと延長筒体5bとは蝶番31によって折り畳み自在に接続される。即ち、ベース筒体5aと延長筒体5bの側面には蝶番31が設けられ、接合面にはフランジ25a,25bが設けられている。
【0042】
ベース筒体5aと延長筒体5bとを散水可能に延長する場合は、実線で示すように蝶番31を開き、漏水防止用のパッキンを挟んで両フランジ25a,25bを合わせ、ボルト及びナット26によって締め付け固定する。この状態で、前記第1具体例と同様に固定部材19と一体にアーム4に固定することにより、延長筒体5bの先端に取り付けた散水ノズル6から解体現場に向けて散水できるようになる。そして、散水終了後にボルト及びナット26を外すことにより、筒体5を仮想線で示すように折り畳むことができる。
【0043】
本具体例においても、筒体5のアーム4への固定作業は2本のピンによって簡単に行うことができる。また、筒体5の延長作業、アーム4への固定作業、更に折り畳み作業を全て地上で行うことができ、前記ピンによる固定作業と相俟って作業開始から作業終了後の片付け作業までを効率的に行うことができる。
【0044】
次に、図7を参照して筒体5の第3具体例を説明する。
本具体例においても、ベース筒体5aは前記各具体例と同様に固定部材19に固定される。筒体5は、ベース筒体5aよりも小径の延長筒体5b、この延長筒体5bよりも更に小径の延長筒体5cにより構成され、延長筒体5cの先端に散水ノズル6が取り付けられている。
【0045】
筒体5の延長構造は各種あるが、以下にその一例を述べると、ベース筒体5aの上端内側面にネジ溝(図示せず)が形成され、延長筒体5bの下端外側面にもネジ溝が形成され、両ネジ溝が螺合するようになっている。また、延長筒体5bの上端内側面にネジ溝が形成され、延長筒体5cの外側面にもネジ溝が形成され、両者が螺合するようになっている。
【0046】
筒体5を所望長に延長する場合は、各ネジ溝が合うように位置決めして、順次螺合するだけで1本の筒体5が構成される。次に、筒体5を前記各具体例と同様に固定部材19と一体にアーム4に固定し、散水ノズル6から解体現場に向けて散水する。
【0047】
一方、散水作業終了後は各螺合を外し、ベース筒体5a内に延長筒体5bを収納し、延長筒体5b内に延長筒体5cを収納する。従って、散水作業終了後に撤収する場合など、筒体5の持ち運び、トラックへの積み込み作業等が容易になる。
【0048】
前記筒体5の延長作業、アーム4への固定作業等は、前記各具体例と同様に地上で行うことができ、散水後の縮小作業も地上で行うことができるので、前記同様に作業効率が向上する。また、ネジ溝を形成しない別例として、水圧により筒体を延長する水圧延長管であると、連結作業が不要であり作業の簡便化を図ることができる。
【0049】
次に、図8を参照して本発明の第2実施形態を説明する。なお、本実施形態では、前記第1実施形態における水タンク3に代えて、ソーラーパネル付の定置水タンク35が適用されている。
【0050】
水タンク35の上側面には、ソーラーパネル36が取り付けられ、ガソリン等の燃料を消費することなく電力を発生するようになっている。一方、水タンク35の内部には、ソーラーパネル36から発電した電力で駆動される水中ポンプ37が配設されている。
【0051】
この構成によれば、水タンク35内の水を散水ポンプユニット16まで送水することができ、散水ポンプユニット16の動力を節減することができる。なお、送水に使用される自在ホース41の長さは、例えば50m程度まで延長することができる。
【0052】
また、散水ポンプユニット16、バックホー2、アーム4、散水ノズル6に至る構成は、前記第1実施形態と同様である。また、筒体5については、前記第1〜第3具体例で説明した構成の何れを適用しても良い。
【0053】
次に、図9を参照して本発明の第3実施形態を説明する。なお、本実施形態は、流体として軽油を高所に供給するものであり、上記散水ポンプユニット16は軽油ポンプユニット38として転用される。また、バックホー2、アーム4、筒体5の構成は前記各実施形態と同様であるが、筒体5の先端に散水ノズルに代えて軽油ノズル39が取り付けられている。この軽油ノズル39は、先端にホース45を接続し得るように構成されている。
【0054】
一方、ビルディング22の上階には、解体用の重機である例えばバックホー42が停車している。また、軽油ポンプユニット38は、ホース43を介して軽油タンク44内の軽油を汲み上げ得るようになっている。このとき、軽油ポンプユニット38の駆動をバックホー2の不図示の油圧ポンプを兼用することで、揚油用の水発電機が不要となり、静電気対策も特別に設ける必要はないので、安全性及びコスト面でも有効である。
【0055】
この構成によれば、軽油ポンプユニット38を駆動することにより、軽油ドラム44からホース43を介して軽油を汲み上げ、且つ加圧して軽油ノズル39からバックホー42に燃料である軽油を供給することができる。本実施形態においても、筒体5として、前記第1〜第3具体例に示した各種筒体5を適用することができる。
【0056】
次に、図10を参照して本発明の第4実施形態を説明する。本実施形態は、前記第1及び第2で説明した散水状態を監視する監視カメラ、例えばTVカメラを散水ノズル6の近傍に設けたものである。即ち、バックホー2、アーム4、筒体5、散水ノズル6の構成は前記同様であるが、散水ノズル6の近傍に散水方向を映し出すTVカメラ46が設けられている。また、ディスプレイ装置の図示は省略しているが、バックホー2上のオペレータが目視し易い位置に設置される。
【0057】
この構成によれば、オペレータは解体現場の情況をモニターしながら必要と思われる位置に散水することができ、防塵効果の向上、散水量の節約、作業効率の向上を図ることができる。
【0058】
以上、本発明の実施形態を述べたが、第1〜第3実施形態の何れにおいても、小型で安価なバックホーや中古のショベル等を利用して流体供給装置を構成することができる。しかも、解体現場の高さに合わせて簡便に筒体の長さを調整できるうえに、筒体の交換も簡単に行うことができる。
【0059】
更に、揚水及び散水のための発電機が不要であり、発電機用の燃料を準備する必要はなく、低コスト生産を行い得るとともに低コスト運用も可能になる。また、低騒音、廃棄ガスの低減も可能であり、低公害の解体作業が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1実施形態を示す流体供給装置の側面図である。
【図2】水タンクの係止構造を示す側面図である。
【図3】水タンクの係止解除を示す側面図である。
【図4】筒体の第1具体例を示す側面図である。
【図5】固定部材の構成を示す平面図である。
【図6】筒体の第2具体例を示す側面図である。
【図7】筒体の第3具体例を示す側面図である。
【図8】本発明の第2実施形態を示す流体供給装置の側面図である。
【図9】本発明の第3実施形態を示す流体供給装置の側面図である。
【図10】本発明の第4実施形態を示す側面図である。
【図11】従来の散水装置及び解体作業を示す説明図である。
【符号の説明】
【0061】
1 流体供給装置
2 バックホー
3 水タンク
4 アーム
5 筒体
5a ベース筒体
5b 延長筒体
6 散水ノズル
8 油圧シリンダー
11 排土板
12 係止部
16 散水ポンプユニット
19 固定部材
23 ワンタッチホースカップリング
24 自在ホース
27 基板
28a,28b 枠体
29a,29b ピン挿通孔
35 ソーラーパネル付水タンク
36 ソーラーパネル
37 水中ポンプ
38 軽油ポンプユニット
39 軽油ノズル
46 TVカメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯溜された流体を加圧して解体現場に噴出させる流体供給装置において、
前記流体を流通させるとともに、流体の流通距離を所望距離に設定し得る筒体の基部を固定部材に固定し、前記固定部材を車輌の一端を支点として角度制御されるアームの一端に固定することにより、前記アームに前記筒体を交換自在に固定し得るように構成したことを特徴とする流体供給装置。
【請求項2】
前記筒体は、前記固定部材に固定される基部に対し連結又は取り外しにより所望長に設定される構成、或いは延長状態から折り畳み可能な構成、更に大径の筒体に小径の筒体を連結して所望長に伸縮させる構成の何れかであることを特徴とする請求項1記載の流体供給装置。
【請求項3】
前記車輌は、前記貯溜された流体を汲み上げ且つ加圧状態で噴出させるポンプを備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の流体供給装置。
【請求項4】
前記流体を貯溜した貯溜槽に係止部を設け、該係止部に前記車輌に設けられている排土板を係止して前記貯溜槽と車輌とを連結することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の流体供給装置。
【請求項5】
前記筒体に、前記流体の噴出状態を目視可能に監視する監視装置を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の流体供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−255563(P2008−255563A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−95385(P2007−95385)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(591121203)株式会社テクノサカト (3)
【Fターム(参考)】