説明

流体加熱管

【課題】流体に対して加熱効率が高い流体加熱管を提供する。
【解決手段】流体加熱管10は、導流内管100と、前記導流内管と所定の距離で、前記導流内管を囲むように配置される保護ユニット102と、前記導流内管及び前記保護ユニットの間に配置される加熱ユニット104と、を備える。前記導流内管と前記保護ユニットの間に、密封空間120が形成されている。前記加熱ユニットは、前記密封空間に配置される。前記導流内管の少なくとも一つの端部に接合具1002を配置される。前記加熱ユニットが、加熱素子1046と、該加熱素子と電気的に接続され、間隔を置いて設置された少なくとも二つの電極1042、1044と、を含み、前記加熱素子が複数のカーボンナノチューブからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体加熱管に関し、特に暖房配管に用いる流体加熱管に関するものである。
【背景技術】
【0002】
日常生活、産業及び科学研究において、加熱された流体が必要となる。一般的に、加熱管を加熱することにより、液体又はガスのような流体を加熱及び導流させている。
【0003】
従来の加熱管は、同軸を有している内部管及び外部管を含む。前記外部管は前記内部管を囲み、且つ前記内部管及び外部管は合わせて一つの空洞を定義している。前記内部管の管壁に電気抵抗ワイヤーが埋め込まれている。前記従来の加熱管を使用する場合、流体は前記空洞でガイドされ、前記内部管の管壁に埋め込まれた電気抵抗ワイヤーによって加熱される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許出願公開第101239712号明細書
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Sumio Iijima、“Helical Microtubules of Graphitic Carbon”、Nature、1991年11月7日、第354巻、p.56‐58
【非特許文献2】Kaili Jiang、Qunqing Li、Shoushan Fan、“Spinning continuous carbon nanotube yarns”、Nature、2002年、第419巻、p.801
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前記空洞でガイドされた流体が内部管と外部管の間に配置されているので、外部管は、流体からの熱を外界に導くことにより、加熱管からの流体に対する加熱効率を低める。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、前記課題を解決するために、本発明は流体に対して加熱効率が高い加熱管を提供する。
【0008】
本発明の流体加熱管は、流体が内に流動する導流内管と、前記導流内管と所定の距離で、前記導流内管を囲むように配置される保護ユニットと、前記導流内管及び前記保護ユニットの間に配置される加熱ユニットと、を備える。前記導流内管と前記保護ユニットの間に、密封空間が形成されている。前記加熱ユニットは、前記密封空間に配置される。前記導流内管の少なくとも一つの端部に接合具を配置される。前記加熱ユニットが、加熱素子と、該加熱素子と電気的に接続され、間隔を置いて設置された少なくとも二つの電極と、を含む。前記加熱素子が複数のカーボンナノチューブからなる。
【0009】
前記加熱素子における複数のカーボンナノチューブが分子間力で接続してカーボンナノチューブフィルムを形成させ、該カーボンナノチューブフィルムは、前記導流内管の外表面に被覆又は巻きついている。
【発明の効果】
【0010】
従来の技術と比べて、本発明の流体加熱管は、流体が内で流動する導流内管とそれを囲むように配置される保護ユニットの間に密封空間が形成されており、前記加熱ユニットは、前記密封空間内に配置されているので、前記導流内管を流動する流体を直接的に加熱することができる。前記加熱素子に電流を流す場合、該加熱素子の抵抗が不変であり、該加熱素子に印加する電圧が不変であるので、該加熱素子から発生する熱量も不変である。従って、前記流体を加熱する温度が不変である。また、前記流体を加熱する温度を便利に制御することができる。前記加熱素子がカーボンナノチューブ構造体を含み、該カーボンナノチューブ構造体におけるカーボンナノチューブが均一的に配列され、該加熱素子が均一な厚さ及び抵抗を有するので、該加熱素子は、均一的に熱を放出することができる。前記カーボンナノチューブは電気エネルギーを熱エネルギーに転換する効率が高いので、前記加熱装置は、昇温速度が速く、熱応答速度が速く、熱交換速度が速い。前記加熱素子おけるカーボンナノチューブは、優れた力学性能、優れた靭性及び優れた機械強度を有するので、該加熱素子は、優れた力学性能、優れた靭性と機械強度を有し、使用寿命が長くなる。更に、前記導流内管が柔軟な材料からなる場合、柔軟性のある加熱装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の流体加熱管の実施例1の一つの構造を示す図である。
【図2】図1に示す流体加熱管の断面図である。
【図3】ドローン構造カーボンナノチューブフィルムの走査型電子顕微鏡写真である。
【図4】図3中のカーボンナノチューブフィルムのカーボンナノチューブセグメントの構造を示す図である。
【図5】図3に示すカーボンナノチューブフィルムを引き出す見取り図である。
【図6】非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤの走査型電子顕微鏡写真である。
【図7】ねじれ状カーボンナノチューブワイヤの走査型電子顕微鏡写真である。
【図8】カーボンナノチューブが配向して配置されているプレシッド構造カーボンナノチューブフィルムの走査型電子顕微鏡写真である。
【図9】カーボンナノチューブが配向せず配置されているプレシッド構造カーボンナノチューブフィルムの走査型電子顕微鏡写真である。
【図10】綿毛構造カーボンナノチューブフィルムの走査型電子顕微鏡写真である。
【図11】図1に示す流体加熱管の加熱ユニットのもう一つの構造を示す図である。
【図12】図1に示す流体加熱管に対してテストを行うテストシステムの構造を示す図である。
【図13】図1に示す流体加熱管の加熱電力と前記流体加熱管で生じた温度差の間の線条性関係図である。
【図14】本発明の流体加熱管の実施例2の一つの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
【0013】
(実施例1)
図1及び図2を参照すると、本実施例は、流体加熱管10を提供する。前記流体加熱管10は、導流内管100と、保護ユニット102と、加熱ユニット104と、二つの密封素子110、を含む。前記保護ユニット102は、前記導流内管100と所定の距離で、前記導流内管100を囲むように配置されている。前記二つの密封素子110は、前記導流内管100と前記保護ユニット102との間に間隔をおいて配置される。前記導流内管100、前記保護ユニット102及び前記二つの密封素子110は、一つの密封空間120を形成し、前記加熱ユニット104は、この密封空間120に配置されている。
【0014】
前記導流内管100の断面は、円形、正方形、三角形又は楕円形であることができる。前記導流内管100は、ガラス、陶器、ポリマー、石英及び樹脂の一種又は数種の絶縁熱伝導性材料からなる。前記導流内管100の長さ及び直径に対しては特に制限がない。前記導流内管100は、その外直径が5.12mm〜6.15mmであり、その壁の厚さが1mm〜1.15mmである円筒形導管である。
【0015】
前記加熱ユニット104は、前記密封空間120の中に位置し、前記導流内管100の外表面又は前記保護ユニット102の内表面に設置されることができる。本実施例において、前記加熱ユニット104は、前記保護ユニット102の内表面と所定の間隔をおいて離れ、前記導流内管100の外表面に被覆されている。前記加熱ユニット104は、加熱素子1046、第一電極1042及び第二電極1044を含む。前記第一電極1042及び第二電極1044は、それぞれ、間隔を置いて設置され、前記加熱素子1046と電気的に接続される。前記加熱素子1046は、前記導流内管100の外表面に配置される場合、接着剤又は機械的な方法によって接着される。前記第一電極1042及び第二電極1044は、前記加熱素子1046の同じ表面又は異なる表面に配置することができる。本実施例において、図1及び図2を参照すると、前記第一電極1042及び第二電極1044は、前記加熱素子1046の同じ表面に配置されている。前記第一電極1042及び第二電極1044は、電気回路に電気的に接続された少なくとも二つの導線である。
【0016】
前記加熱素子1046は、金属ワイヤー、合金ワイヤー、炭素繊維、シルクスクリーン印刷工程で形成されたカーボンナノチューブ層又はカーボンナノチューブ構造体である。該カーボンナノチューブ構造体は、分子間力で緊密に接続した複数のカーボンナノチューブを含み、該複数のカーボンナノチューブからなることが好ましい。前記カーボンナノチューブ構造体は、自立構造の薄膜の形状に形成されている。ここで、自立構造とは、支持体材を利用せず、前記カーボンナノチューブ構造体を独立して利用することができるという形態のことである。すなわち、前記カーボンナノチューブ構造体を対向する両側から支持して、前記カーボンナノチューブ構造体の構造を変化させずに、前記カーボンナノチューブ構造体を懸架させることができることを意味する。例えば、カーボンナノチューブワイヤ構造体又はカーボンナノチューブフィルム構造体である。前記カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ又は多層カーボンナノチューブである。前記カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブである場合、直径は0.5nm〜50nmに設定され、前記カーボンナノチューブが二層カーボンナノチューブである場合、直径は1nm〜50nmに設定され、前記カーボンナノチューブが多層カーボンナノチューブである場合、直径は1.5nm〜50nmに設定される。該カーボンナノチューブ構造体は大きな比表面積(例えば、100m/g以上)を有する。該カーボンナノチューブ構造体の単位体積当たりの熱容量は、0(0は含まず)〜2×10−4J/cm・Kであるが、好ましくは、0(0は含まず)〜1.7×10−6J/cm・Kであり、本実施例では、1.7×10−6J/cm・Kである。前記カーボンナノチューブ構造体の熱容量が非常に低いので、前記カーボンナノチューブ構造体からなる前記加熱素子1046の温度を速く上げる/下げることができ、熱応答速度が速く、物体を加熱する時間が短くなる。従って、前記加熱素子1046の加熱効率と加熱温度の正確性が高い。更に、前記カーボンナノチューブ構造体の純度が高く、前記カーボンナノチューブ構造体におけるカーボンナノチューブは容易に酸化しないので、前記加熱素子1046の寿命は長くなる。一方、前記カーボンナノチューブ構造体の体積が小さいので、前記密封空間120を小さくすることができる。この場合、前記導流内管100と前記保護ユニット102の間の距離は、50μm〜500μmである。これによって、前記流体加熱管10の小型化を実現することができる。前記カーボンナノチューブ構造体におけるカーボンナノチューブの面密度が小さく、約1.35g/cmであるので、前記加熱素子1046は軽い。前記カーボンナノチューブ構造体の抵抗の安定性がよいので、前記流体加熱管10の熱安定性を高めることができる。
【0017】
前記カーボンナノチューブ構造体には、複数のカーボンナノチューブが均一に分散されている。該複数のカーボンナノチューブは分子間力で接続されている。前記カーボンナノチューブ構造体には、前記複数のカーボンナノチューブが配向し又は配向せずに配置されている。前記複数のカーボンナノチューブの配列方式により、前記カーボンナノチューブ構造体は非配向型のカーボンナノチューブ構造体及び配向型のカーボンナノチューブ構造体の二種に分類される。本実施例における非配向型のカーボンナノチューブ構造体では、カーボンナノチューブが異なる方向に沿って配置され、又は絡み合っている。配向型のカーボンナノチューブ構造体では、前記複数のカーボンナノチューブが同じ方向に沿って配列している。又は、配向型のカーボンナノチューブ構造体において、配向型のカーボンナノチューブ構造体が二つ以上の領域に分割される場合、各々の領域における複数のカーボンナノチューブが同じ方向に沿って配列されている。この場合、異なる領域におけるカーボンナノチューブの配列方向は異なる。
【0018】
前記カーボンナノチューブ構造体は、少なくとも一枚の、厚さが0.5nm〜10μmであるカーボンナノチューブフィルム、少なくとも一本の、直径が0.5nm〜10μmであるカーボンナノチューブワイヤ、又は前記カーボンナノチューブフィルム及びカーボンナノチューブワイヤを組み合わせて形成した物である。前記カーボンナノチューブ構造体が、複数のカーボンナノチューブワイヤからなる場合、前記複数のカーボンナノチューブワイヤは、間隔をおいて平行し、又は、互いに交叉し、又は、隙間なく並列されることができる。
【0019】
本発明のカーボンナノチューブ構造体としては、以下の(一)〜(四)のものが挙げられる。
【0020】
(一)ドローン構造カーボンナノチューブフィルム
前記カーボンナノチューブ構造体は、超配列カーボンナノチューブアレイ(非特許文献2を参照)から引き出して得られたドローン構造カーボンナノチューブフィルム(drawn carbon nanotube film)である。単一の前記カーボンナノチューブフィルムにおいて、複数のカーボンナノチューブが同じ方向に沿って、端と端が接続されている(図5を参照)。即ち、単一の前記カーボンナノチューブフィルムは、分子間力で長さ方向端部同士が接続された複数のカーボンナノチューブを含む。また、前記複数のカーボンナノチューブは、前記カーボンナノチューブフィルムの表面に平行して配列されている。図3及び図4を参照すると、単一の前記カーボンナノチューブフィルム143aは、複数のカーボンナノチューブセグメント143bを含む。前記複数のカーボンナノチューブセグメント143bは、長さ方向に沿って分子間力で端と端が接続されている。それぞれのカーボンナノチューブセグメント143bは、相互に平行に、分子間力で結合された複数のカーボンナノチューブ145を含む。単一の前記カーボンナノチューブセグメント143bにおいて、前記複数のカーボンナノチューブ145の長さが同じである。前記カーボンナノチューブフィルム143aを有機溶剤に浸漬させることにより、前記カーボンナノチューブフィルム143aの強靭性及び機械強度を高めることができる。有機溶剤に浸漬された前記カーボンナノチューブフィルムの単位面積当たりの熱容量は低くなるので、その加熱効果を高めることができる。前記カーボンナノチューブフィルム143aの幅は100μm〜10cmに設けられ、厚さは0.5nm〜100μmに設けられる。
【0021】
前記カーボンナノチューブ構造体は、積層された複数の前記カーボンナノチューブフィルムを含むことができる。この場合、隣接する前記カーボンナノチューブフィルムは、分子間力で結合されている。隣接する前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブは、それぞれ0°〜90°の角度で交差している。隣接する前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブが0°以上の角度で交差する場合、前記カーボンナノチューブ構造体に複数の微孔が形成される。又は、前記複数のカーボンナノチューブフィルムは、隙間なく並列されることもできる。
【0022】
前記カーボンナノチューブフィルムの製造方法は、カーボンナノチューブアレイを提供する第一ステップと、前記カーボンナノチューブアレイから、少なくとも、一枚のカーボンナノチューブフィルムを引き伸ばす第二ステップと、を含む。
【0023】
(二)カーボンナノチューブワイヤ
図6を参照すると、前記カーボンナノチューブワイヤは、分子間力で接続された複数のカーボンナノチューブからなる。この場合、一本のカーボンナノチューブワイヤ(非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤ)は、端と端とが接続された複数のカーボンナノチューブセグメント(図示せず)を含む。前記カーボンナノチューブセグメントは、同じ長さ及び幅を有する。さらに、各々の前記カーボンナノチューブセグメントに、同じ長さの複数のカーボンナノチューブが平行に配列されている。前記複数のカーボンナノチューブはカーボンナノチューブワイヤの中心軸に平行に配列されている。この場合、一本の前記カーボンナノチューブワイヤの直径は、1μm〜1cmである。図7を参照すると、前記カーボンナノチューブワイヤをねじり、ねじれ状カーボンナノチューブワイヤを形成することができる。ここで、前記複数のカーボンナノチューブは前記カーボンナノチューブワイヤの中心軸を軸に、螺旋状に配列されている。この場合、一本の前記カーボンナノチューブワイヤの直径は、1μm〜1cmである。前記カーボンナノチューブ構造体は、前記非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤ、ねじれ状カーボンナノチューブワイヤ、又はそれらの組み合わせのいずれか一種からなる。
【0024】
前記カーボンナノチューブワイヤを形成する方法は、カーボンナノチューブアレイから引き出してなるカーボンナノチューブフィルムを利用する。前記カーボンナノチューブワイヤを形成する方法は、次の三種がある。第一種では、前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの長手方向に沿って、前記カーボンナノチューブフィルムを所定の幅で切断し、カーボンナノチューブワイヤを形成する。第二種では、前記カーボンナノチューブフィルムを有機溶剤に浸漬させて、前記カーボンナノチューブフィルムを収縮させてカーボンナノチューブワイヤを形成することができる。第三種では、前記カーボンナノチューブフィルムを機械加工(例えば、紡糸工程)してねじれたカーボンナノチューブワイヤを形成する。詳しく説明すれば、まず、前記カーボンナノチューブフィルムを紡糸装置に固定させる。次に、前記紡糸装置を動作させて前記カーボンナノチューブフィルムを回転させ、ねじれたカーボンナノチューブワイヤを形成する。
【0025】
(三)プレシッド構造カーボンナノチューブフィルム
前記カーボンナノチューブ構造体は、少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルムを含む。このカーボンナノチューブフィルムは、プレシッド構造カーボンナノチューブフィルム(pressed carbon nanotube film)である。単一の前記カーボンナノチューブフィルムにおける複数のカーボンナノチューブは、等方的に配列されているか、所定の方向に沿って配列されているか、または、異なる複数の方向に沿って配列されている。前記カーボンナノチューブフィルムは、押し器具を利用することにより、所定の圧力をかけて前記カーボンナノチューブアレイを押し、該カーボンナノチューブアレイを圧力で倒すことにより形成された、シート状の自立構造を有するものである。前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの配列方向は、前記押し器具の形状及び前記カーボンナノチューブアレイを押す方向により決められている。
【0026】
図8を参照すると、単一の前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブが配向して配列される場合には、該カーボンナノチューブフィルムは、同じ方向に沿って配列された複数のカーボンナノチューブを含む。ローラー形状を有する押し器具を利用して、同じ方向に沿って前記カーボンナノチューブアレイを同時に押す場合、基本的に同じ方向に配列されるカーボンナノチューブを含むカーボンナノチューブフィルムが形成される。また、ローラー形状を有する押し器具を利用して、異なる方向に沿って、前記カーボンナノチューブアレイを同時に押す場合、前記異なる方向に沿って、選択的な方向に配列されるカーボンナノチューブを含むカーボンナノチューブフィルムが形成される。
【0027】
図9を参照すると、単一の前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブが配向せずに配置される場合には、該カーボンナノチューブフィルムは、等方的に配列されている複数のカーボンナノチューブを含む。隣接するカーボンナノチューブが分子間力で相互に引き合い、接続する。該カーボンナノチューブ構造体が平面等方性を有する。該カーボンナノチューブフィルムは、平面を有する押し器具を利用して、カーボンナノチューブアレイが成長された基板に垂直な方向に沿って前記カーボンナノチューブアレイを押すことにより形成される。
【0028】
前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの傾斜の程度は、前記カーボンナノチューブアレイにかけた圧力に関係する。前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブと該カーボンナノチューブフィルムの表面とは、角度αを成し、該角度αは0°以上15°以下である。好ましくは、前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブが該カーボンナノチューブフィルムの表面に平行する(即ち、角度αは0°である)。前記圧力が大きくなるほど、前記傾斜の程度が大きくなる。前記カーボンナノチューブフィルムの厚さは、前記カーボンナノチューブアレイの高さ及び該カーボンナノチューブアレイにかけた圧力に関係する。即ち、前記カーボンナノチューブアレイの高さが大きくなるほど、また、該カーボンナノチューブアレイにかけた圧力が小さくなるほど、前記カーボンナノチューブフィルムの厚さが大きくなる。これとは逆に、カーボンナノチューブアレイの高さが小さくなるほど、また、該カーボンナノチューブアレイにかけた圧力が大きくなるほど、前記カーボンナノチューブフィルムの厚さが小さくなる。
【0029】
(四)綿毛構造カーボンナノチューブフィルム
前記カーボンナノチューブ構造体は、少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルムを含む。このカーボンナノチューブフィルムは綿毛構造カーボンナノチューブフィルム(flocculated carbon nanotube film)である。図10を参照すると、単一の前記カーボンナノチューブフィルムにおいて、複数のカーボンナノチューブは、絡み合い、等方的に配列されている。前記カーボンナノチューブ構造体においては、前記複数のカーボンナノチューブが均一に分布されている。複数のカーボンナノチューブは配向せずに配置されている。単一の前記カーボンナノチューブの長さは、100nm以上であり、100nm〜10cmであることが好ましい。前記カーボンナノチューブ構造体は、自立構造の薄膜の形状に形成されている。ここで、自立構造は、支持体材を利用せず、前記カーボンナノチューブ構造体を独立して利用することができるという形態である。前記複数のカーボンナノチューブは、分子間力で接近して、相互に絡み合って、カーボンナノチューブネット状に形成されている。前記複数のカーボンナノチューブは配向せずに配置されて、多くの微小な穴が形成されている。ここで、単一の前記微小な穴の直径が10μm以下になる。前記カーボンナノチューブ構造体におけるカーボンナノチューブは、相互に絡み合って配置されるので、該カーボンナノチューブ構造体は柔軟性に優れ、任意の形状に湾曲して形成させることができる。用途に応じて、前記カーボンナノチューブ構造体の長さ及び幅を調整することができる。前記カーボンナノチューブ構造体の厚さは、0.5nm〜1mmである。
【0030】
前記カーボンナノチューブフィルムの製造方法は、下記のステップを含む。
【0031】
第一ステップでは、カーボンナノチューブ原料(綿毛構造カーボンナノチューブフィルムの素になるカーボンナノチューブ)を提供する。
【0032】
ナイフのような工具でカーボンナノチューブを基材から剥離し、カーボンナノチューブ原料が形成される。前記カーボンナノチューブは、ある程度互いに絡み合っている。前記カーボンナノチューブの原料においては、該カーボンナノチューブの長さは、100マイクロメートル以上であり、10マイクロメートル以上であることが好ましい。
【0033】
第二ステップでは、前記カーボンナノチューブ原料を溶剤に浸漬し、該カーボンナノチューブ原料を処理して、綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を形成する。
【0034】
前記カーボンナノチューブ原料を前記溶剤に浸漬した後、超音波式分散、又は高強度攪拌又は振動などの方法により、前記カーボンナノチューブを綿毛構造に形成させる。前記溶剤は水または揮発性有機溶剤である。超音波式分散方法の場合、カーボンナノチューブを含む溶剤に対して10〜30分間処理する。カーボンナノチューブは大きな比表面積を有し、カーボンナノチューブの間に大きな分子間力が生じるので、前記カーボンナノチューブはそれぞれもつれて、綿毛構造に形成されている。
【0035】
第三ステップでは、前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を含む溶液をろ過して、最終的な綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を取り出す。
【0036】
まず、濾紙が置かれたファネルを提供する。前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を含む溶剤を濾紙が置かれたファネルにつぎ、しばらく放置して、乾燥させると、綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体が分離される。図10を参照すると、前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体におけるカーボンナノチューブが互いに絡み合って、不規則的な綿毛構造となる。
【0037】
分離された前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を容器に置き、前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を所定の形状に展開し、展開された前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体に所定の圧力を加え、前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体に残留した溶剤を加熱させるか、或いは、該溶剤を自然に蒸発させると、綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムが形成される。
【0038】
前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体が展開される面積によって、綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムの厚さと面密度を制御できる。即ち、一定の体積を有する前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体は、展開される面積が大きくなるほど、綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムの厚さと面密度が小さくなる。
【0039】
また、微多孔膜とエアーポンプファネル(Air−pumping Funnel)を利用して綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムが形成される。具体的には、微多孔膜とエアーポンプファネルを提供し、前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を含む溶剤を、前記微多孔膜を通して前記エアーポンプファネルにつぎ、該エアーポンプファネルに抽気し、乾燥させると、綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムが形成される。前記微多孔膜は、平滑な表面を有する。該微多孔膜において、単一の微小孔の直径は、0.22マイクロメートルにされている。前記微多孔膜は平滑な表面を有するので、前記カーボンナノチューブフィルムは容易に前記微多孔膜から剥落することができる。さらに、前記エアーポンプを利用することにより、前記綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムに空気圧をかけるので、均一な綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムを形成させることができる。
【0040】
前記第一電極1042及び前記第二電極1044は、導電材料からなり、その形状は制限されず、導電フィルム、金属シート又は金属リード線である。前記第一電極1042及び前記第二電極1044は、導電フィルムである場合、前記加熱ユニット104の厚さを減少させることができる。この場合、前記導電フィルムの厚さが0.5nm〜500nmである。前記第一電極1042及び前記第二電極1044の材料は、金属、合金、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化アンチモンスズ(ATO)、銀ペースト、導電重合体又はカーボンナノチューブ構造体などである。前記金属は、アルミニウム、銅、タングステン、モリブデン、金、チタン、ネオジム、パラジウム又はセシウムなどである。前記合金は、前記金属の合金である。前記第一電極1042及び前記第二電極1044がカーボンナノチューブ構造体からなる場合、該カーボンナノチューブ構造体は、ドローン構造カーボンナノチューブフィルム、超長構造カーボンナノチューブフィルム、非ねじれ状の線状のカーボンナノチューブ構造体、ねじれ状の線状のカーボンナノチューブ構造体のいずれか一種又は数種を含む。該カーボンナノチューブフィルム又は線状のカーボンナノチューブ構造体は、金属型のカーボンナノチューブを含むことが必要である。この場合、該カーボンナノチューブ構造体自体の接着性又は導電接着剤によって、前記加熱素子1046の表面に固定できる。複数の前記第一電極1042及び前記第二電極1044を利用する場合、該複数の前記第一電極1042及び前記第二電極1044は、交互に間隔を置いて設置される。前記金属シート又は金属リード線の材料は、銅又はアルミニウムなどである。前記第一電極1042及び前記第二電極1044が金属シートである場合、該金属シートを、導電接着剤で前記加熱素子1046の表面に固定することができる。本実施例において、それぞれ一つの前記第一電極1042及び一つの前記第二電極1044を設置し、前記第一電極1042及び第二電極1044が銅線であり、その直径が0.25mmである。前記第一電極1042及び第二電極1044は、それぞれ前記導流内管100の軸方向に沿って配列されるが、その長さは前記導流内管100の長さより短い。前記第一電極1042及び第二電極1044は、前記導流内管100の中心軸に沿って配置される。前記加熱素子1046におけるカーボンナノチューブが同じ方向に沿って配列する場合、前記カーボンナノチューブは、前記第一電極1042から前記第二電極1044へ延伸し、又は前記第二電極1044から前記第一電極1042へ延伸するように配列されている。
【0041】
図11を参照すると、前記第一電極1042及び第二電極1044は、それぞれ前記導流内管100の対向する両端に接続され、前記導流内管100の外表面を回って設置されることもある。この場合、ドローン構造カーボンナノチューブフィルムからなる前記加熱素子1046は、前記導流内管100の外表面に被覆されて、前記加熱素子1046におけるカーボンナノチューブが、前記導流内管100の軸方向に沿って前記第一電極1042から前記第二電極1044へ、又は前記第二電極1044から前記第一電極1042へ延伸するように配列されている。
【0042】
前記加熱素子1046は、一つの線状のカーボンナノチューブ構造体である場合、電極を利用せず、前記加熱素子1046の両端をそれぞれ一つの電源線の両端に電気的に接続させることができる。
【0043】
前記加熱ユニット104の損傷を防止するために、保護ユニット102を利用して、前記加熱ユニット104を保護する。前記保護ユニット102の内径が、前記導流内管100の外径より大きい。好ましくは、前記保護ユニット102と前記導流内管100は同軸で配置される。前記保護ユニット102の材料は制限されず、例えば、プラスチックなどの絶縁材料又は例えば金属などの導電性材料である。前記金属は、ステンレス、炭素鋼、銅、ニッケル、チタン、亜鉛、アルミニウムなどである。前記絶縁材料は、樹脂、陶器、プラスチック、ガラス、木材又は石英である。前記樹脂は、アクリル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、エポキシ樹脂又はポリテトラフルオロエチレンである。本実施例において、前記保護ユニット102は、ポリテトラフルオロエチレン層であり、その内径が6.36mmであり、厚さが0.5mm〜2mmである。前記保護ユニット102及び前記導流内管100の全体が柔性材料からなる場合、前記流体加熱管10は応用によっていかなる形状に曲がることができる。
【0044】
更に、前記流体加熱管10は接合具1002を含むことができる。該接合具1002は、前記導流内管100の少なくとも一つの端部から延び、前記導流内管100を他の導管に接続するために配置される。一つの例として、前記接合具1002は、前記流体加熱管10の軸方向に沿って、前記保護ユニット102を越えて伸びた前記導流内管100の拡張部分を機械的に処理して形成することができる。前記接合具1002は、前記導流内管100の直径と同じでも異なってもよい。例えば、前記接合具1002は複数のネジ山(screw threads)を含むことができる。更に、前記接合具1002に固定素子14を配置することができる。前記固定素子14によって前記接合具1002を他の導管に接続させる。好ましくは、前記固定素子14は、連結ナットであり、それは複数のネジを含み、前記固定素子14の複数のネジは、前記接合具1002の複数のネジ山と物理的に一体となることができる。即ち、前記接合具1002の複数のネジ山を有する部分は、前記固定素子14に挿し込んで固定される。従って、前記流体加熱管10及び他の導管は、前記固定素子14によって接続することができる。ここで、前記他の導管は、加熱効能がない通常の導管であるか、または加熱効能を有する導管であってもよい。
【0045】
前記流体加熱管10は、更に熱反射層112を含むことができる。前記熱反射層112は、前記加熱ユニット104と対向し、前記加熱ユニット104と間隔をおいて、前記保護ユニット102の内表面に配置される。前記熱反射層112により、前記加熱ユニット104から放射した熱を、前記導流内管100へ反射させることができる。前記熱反射層112は、金属酸化膜、金属塩類、セラミックス、銀、アルミニウム、金及び合金の一種又は数種の熱輻射性がよい材料からなる。前記熱反射層112の厚さは100μm〜0.5mmである。
【0046】
前記流体加熱管10は、更に断熱層130を含むことができる。前記断熱層130は、前記保護ユニット102の外表面に配置される。前記断熱層130は、石綿、珪藻岩、真珠岩、ガラス繊維、ケイ酸カリウムの一種又は数種からなる。前記断熱層130を設置することにより、前記加熱ユニット104から放射した熱の損失を減少することができる。
【0047】
前記流体加熱管10を利用する場合、前記第一電極1042及び第二電極1044は電源線106によって電源に接続される。前記流体加熱管10は、更に、恒温装置108を含む。前記恒温装置108は、前記加熱ユニット104と電気的に接続される。前記恒温装置108は、前記加熱ユニット104に印加する電圧を変更することにより、前記加熱ユニット104から放射した熱を制御して、前記流体加熱管10の加熱温度を一定に保持できる。本実施例において、前記恒温装置108は、電源線106によって電源に直列する。
【0048】
前記流体加熱管10は、流体の導管として直接的に利用し、又は通常の流体の導管の一部として利用することができる。例えば、前記流体加熱管10を、通常の流体の導管の一つ端部(上水道)に接続し、又は二つの流体の導管の間に接続する。前記加熱素子1046に電流を流す場合、該加熱素子1046の抵抗が一定であり、該加熱素子1046に印加する電圧が一定である場合、該加熱素子1046から生じた熱も一定である。勿論、前記恒温装置108を利用して、前記流体加熱管10から生じた熱を制御することができ、精確に流体に加熱する温度を制御することができる。
【0049】
以下、本実施例の前記流体加熱管10の加熱効果に対してテストする。図12を参照すると、試験装置は、第一容器60と、ポンプ30と、第二容器40と、を含む。前記流体加熱管10は、前記第一容器60と第二容器40の間に位置され、前記ポンプ30は、前記流体加熱管10の一端に接続される。前記導流内管100の長さが、前記保護ユニット102の長さより長い。前記導流内管100の両端が、全て前記保護ユニット102から突き出ており、それぞれ通常の導管によって前記第一容器60及び第二容器40に接続されている。前記ポンプ30によって、前記第一容器60における流体50を前記第一容器60から前記導流内管100を通じて前記第二容器40に流動させる。前記流体50は、前記流体加熱管10の前記導流内管100へ流れると、加熱される。ここで、前記流体50は水である。前記導流内管100は円筒状のゴム導管である。前記導流内管100の、外径が5.12mmであり、壁の厚さが1.15mmである。前記保護ユニット102は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる円筒である。前記保護ユニット102の内径は6.36mmであり、壁の厚さが1.35mmである。前記密封素子110は、プラスチックからなる。前記第一電極1042及び第二電極1044は、銅線である。前記第一電極1042及び第二電極1044は、前記導流内管100の軸方向に沿って配列される。前記加熱素子1046は、幅が5cmのドローン構造カーボンナノチューブフィルムからなる。前記加熱素子1046は、前記保護ユニット102に対向して前記導流内管100の外表面に被覆されている。前記第一電極1042及び第二電極1044は、前記加熱素子1046の外表面に配置される。前記ドローン構造カーボンナノチューブフィルムからなる加熱素子1046におけるカーボンナノチューブは、前記第一電極1042から前記第二電極1044へ延伸するように配列されている。
【0050】
図12を参照すると、前記流体加熱管10で液体50の流速は3.53ml/minである。前記第一容器60における液体50の温度が24℃である。前記第二容器40での液体50の温度は、前記流体加熱管10の加熱電力によって確定される。前記第一電極1042及び第二電極1044の間に印加する電圧は、前記流体加熱管10の加熱力によって確定される。前記第一電極1042及び第二電極1044の間に印加する電圧、前記加熱素子1046に流れた電流、前記流体加熱管10の加熱電力及び前記第二容器40での液体50の温度の関係は、表1に示されている。
【0051】
【表1】

【0052】
表1を参照すると、前記流体加熱管10は低い電圧でもそれを通じる流体50は十分に加熱される。前記テストプロセスでは、流体50は前記流体加熱管10によって30分で所定の温度に達することができ、且つ加熱効果が安定、均一である。
【0053】
図13は、前記流体加熱管10の加熱電力と、前記流体50の前記流体加熱管10によって生じた温度差と、の関係を示す図である。従って、前記流体加熱管10は、その中に流動した流体50を均一的に加熱することができる。
【0054】
(実施例2)
図14を参照すると、本実施例は、流体加熱管20を提供する。本実施例の流体加熱管20は、実施例1の流体加熱管10と比較すると、次の異なる点がある。本実施例において、熱反射層212は、絶縁性の反射層であり、加熱ユニット204は、密封空間220の中に位置し、前記熱反射層212の前記密封空間220に隣接する表面に配置される。
【符号の説明】
【0055】
10、20 流体加熱管
14 固定素子
1042、2042 第一電極
1044、2044 第二電極
1046、2046 加熱素子
112、212 熱反射層
106 電源線
108 恒温装置
130、230 断熱層
1002 接合具
100、200 導流内管
102、202 保護ユニット
104、204 加熱ユニット
110 密封素子
120、220 密封空間
30 ポンプ
60 第一容器
50 流体
40 第二容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導流内管と、前記導流内管と所定の距離で、前記導流内管を囲むように配置される保護ユニットと、前記導流内管及び前記保護ユニットの間に配置される加熱ユニットと、を備えた流体加熱管であって、
前記導流内管と前記保護ユニットの間に、密封空間が形成され、
前記加熱ユニットは、前記密封空間の中に配置され、
前記導流内管の少なくとも一つの端部に接合具が配置され、
前記加熱ユニットが、加熱素子と、該加熱素子と電気的に接続され、間隔を置いて設置された少なくとも二つの電極と、を含み、
前記加熱素子が複数のカーボンナノチューブからなることを特徴とする流体加熱管。
【請求項2】
前記加熱素子は、少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルムを含み、
単一のカーボンナノチューブフィルムは、分子間力で接続した複数のカーボンナノチューブを含み、
前記カーボンナノチューブフィルムは、前記導流内管の外表面を被覆しているか、又は前記導流内管に巻き付ついていることを特徴とする、請求項1に記載の流体加熱管。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−163748(P2011−163748A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−293188(P2010−293188)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(598098331)ツィンファ ユニバーシティ (534)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】