説明

流体循環チューブを結合させるためのデバイスおよび関連方法

本発明は、主に、流体循環チューブを結合させるためのデバイスに関する。このデバイスは、第一のチューブ(3a)および第二のチューブ(5a)を結合する第一のカプリング(1a)を含む。この第一のカプリング(1a)において、第一のチューブ(3a)および第二のチューブ(5a)の各々の端部(2a、4a)は、相互に対して同軸に整列して配置される。前記デバイスは、本質的に、第一のチューブ(3a)および第二のチューブ(5a)の反対側端部の少なくとも一つ(11a)が、流体回路のパイプ(14)に第一のチューブ(3a)あるいは第二のチューブ(5a)を結合させることを意図した第二のカプリング(60、70、80、90)に固定可能である、という特徴を持つ。前記第二のカプリング(60、70、80、90)が、該当チューブ(3a)の反対側端部(11a)と一体に形成された少なくとも一つの部分(61、71、81、91、100)からなるため、第二のカプリング(60、70、80、90)の前記部分(61、71、81、91、100)は、該当チューブ(3a)の反対側端部(11a)を形成する。本発明は、また、該当チューブ(3a)の端部(11a)に第二のカプリング(60、70、80、90)の前記部分(61、71、81、91、100)を機械加工する、少なくとも一つのステップからなる方法に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体循環チューブを結合させるためのデバイス、このようなデバイスを創造するための方法に関する。
【0002】
本発明は、特に、航空機内に設置された気体または液体循環チューブに関する。
【0003】
より詳しくは、本発明は、公称圧力15バールにさらされる航空機燃料タンクの窒素回路に関する。これらの回路のパイプは、燃料タンクを通過する、そして化学製品、特に灯油に、必要な抵抗を確保しなければならない。
【0004】
本発明は、また、およそ15バールの圧力で作動する冷却液回路にも適用される。
【0005】
最終的に、本発明は、酸素回路に、そして操縦装置または350バール程の圧力にさらされる着陸装置コントロールのための加圧液体回路に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
流体の循環、特に金属パイプ中を液体が循環するとき、電荷が生じる可能性がある。
【0007】
チューブ・カプリングは、各々の端部が相互に同軸で保持される二つのチューブを通過する流体の循環を確実に保証すると同時に、流体循環から生じる電荷の蓄積を回避するものとして知られている。
【0008】
このタイプのカプリングは、特に、米国特許出願公開第2008/0169643号公報から既知である。このカプリングは、誘電体カプリングであり、このカプリングの概略断面図である図1を参照して説明する。
【0009】
誘電体カプリング1における第一のチューブ3の端部2と第二のチューブ5の端部4は、相互に対して固定保持される。より正確には、これらの二つの端部2および4は、矢印6に沿って循環する流体が確実な方式でカプリング1を通過するよう、相互に対して同軸で配置される。
【0010】
このカプリング1は、第一のチューブ3と第二のチューブ5の結合を提供する非金属流体圧パイプ7からなる。
【0011】
この金属流体圧パイプ7は、これら二本のチューブ3、5のそれぞれの端部2、4上へ勘合している。そして各チューブは、各々の端部2、4の方向に軸方向に沿ってこのチューブ3、5の特定距離に渡って延びる金属ソケット8を含み、そして、金属ソケット8と、これら第一のチューブ3と第二のチューブ5の各々の端部2、4との間に流体圧パイプ7を堅固に保持するフック10を持つ。
【0012】
金属流体圧パイプ7は、この図に表されていない複数の非金属層から形成され、そして特に、電気カプリング1の電導抵抗を制御可能とする層、例えば炭素層からなる。
【0013】
誘電体カプリングは、また、金属流体圧パイプ7を完全に、そして結合される二本のパイプ3、5を部分的に覆うエンベロープ9からなる。
【0014】
この電気カプリング1が、流体の循環によって発生する電気エネルギーを放散可能であるためには、結合される第一のチューブ3とチューブ・パイプ5は、それらの反対側端部11、12で、流体回路の残りの部分に結合していなければならない。この問題は、米国特許第5,973,903号公報に説明されているカプリングにも存在する。
【0015】
この文脈において、本発明の目的は、第一のカプリング、例えば上記説明の誘電体カプリングによって結合されたチューブの反対側端部を、流体回路のパイプへ結合することを可能にするチューブを結合させるためのデバイスを達成することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的で、本発明の流体循環チューブを結合させるためのデバイスは、第一のチューブと第二のチューブを結合する第一のカプリングからなり、第一のカプリングにおいて、第一および第二のチューブの各々の端部が、相互に対して同軸に配置される。このデバイスは、本質的に、第一および第二のチューブの反対側端部の少なくとも一つが、第一あるいは第二のチューブを流体回路のパイプに結合させることを意図した第二のカプリングに固定されることが可能であり、第二のカプリングは、該当チューブの反対側端部と一体に形成された少なくとも一つの部分からなり、第二のカプリングのこの部分が、該当チューブの反対側端部を形成するという特徴を持つ。
【0017】
本発明のチューブを結合するためのデバイスは、単独で、または可能な技術的な組み合わせのすべてにおいて考慮すべき以下のオプション機能からなることもできる。
【0018】
− 第二のカプリングは、クリンピング操作によって流体回路のパイプの終端に固定可能な機能を加える少なくとも一つのクリンピング・ゾーンからなる。
【0019】
− 第二のカプリングは、該当チューブの反対側端部を形成するスリーブであり、そしてクリンピング・ゾーン内で半径方向圧縮力を適用することよってパイプのクリンピングを提供する少なくとも一つのクリンピング・ゾーンからなるスリーブである。
【0020】
− スリーブは、クリンピング操作中のスリーブに沿った軸方向の変位によるクリンピング手段を形成するカラーからなる。
【0021】
− 第二のカプリングは、該当チューブの端部を形成する第一のカプリング部分からなり、第一のカプリング部分は、流体回路のパイプに固定される第二の組み合わせカプリング部分に対して固定保持されることが可能である。相互に対して固定された位置にあるこれら第一および第二のカプリング部分は、第二のカプリングを通した流体の確実な循環を提供する手段を構成する。
【0022】
− 第一のカプリング部分と第二の組み合わせカプリング部分は、スクリュー・ナットによって取り外すことができるよう、それらを相互に固定保持可能とする固定手段を構成する。
【0023】
− 第一のカプリングは、第一および第二のチューブを循環する流体の移動によって発生する電気エネルギーを放散させることが可能な手段からなる誘電体カプリングである。
【0024】
− 第一および第二のチューブの反対側端部の各々は、該当チューブの反対側端部と一体に形成された少なくとも一つの部分からなる第二のカプリングを構成する。
【0025】
− 第一のチューブ(3a)および第二のチューブ(5a)そしてパイプ(14)は、金属である。
【0026】
本発明は、また、先に説明したデバイス、すなわち、第一および第二のチューブを結合する第一のカプリングからなるデバイスを使用するための方法に関する。第一のカプリングにおいて、第一および第二のチューブの各々の端部は、相互に対して同軸に配置され、デバイスにおける第一および第二のチューブの反対側端部の少なくとも一つは、第一あるいは第二のチューブを流体回路のパイプに結合させることを意図した第二のカプリングに固定されることが可能であり、第二のカプリングは、該当チューブの反対側端部と一体に形成された少なくとも一つの部分からなる。この方法は、該当チューブの端部における第二のカプリングのこの部分を機械加工するための、少なくとも一つのステップからなる。
【0027】
本発明の他の特徴および利点は、図示するのみで限定することのない添付の図面を参照する以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】既に説明した図1は、従来の技術である誘電体カプリング、そして結合される第一および第二のチューブの一部を表す、概略的断面図である。
【図2】チューブを結合させるためのデバイスを概略的に表す。これは、電荷を放散させるための第一のカプリング、そして、第一および第二のチューブを各々(図示していない)流体回路のパイプに結合することを意図した二つの第二のカプリングからなる。
【図3】クリンピング前の、図2に示す第二のカプリングの一部分を表す概略断面図である。
【図4】図3のそれと同じであるが、クリンピング後の、第二のカプリングの一部分を断面図として概略的に表す。
【図5】図3の第二のカプリングを表す。この第二のカプリングの二つの部分を固定する位置にあるボルトを持つ。
【図6】電荷を放散させるための第一のカプリング、そして、流体回路のパイプに第一のチューブを結合する第二のカプリングからなる、チューブを結合させるためのデバイスを概略的に表す。
【図7】クリンピング操作中の、図6の第二のカプリングの概略断面図である。
【図8】本発明の第一の変形例による、チューブを結合させるためのデバイスを概略的に表す。これは、電荷を放散させるための第一のカプリング、そして、流体回路のパイプに第一および第二のチューブを各々結合する二つの第二のカプリングからなる。
【図9】クリンピング後の第二のカプリングを主に表す、図8の円によって囲まれた部分IXの断面図である。
【図10】本発明の第二の変形例による、チューブを結合させるためのデバイスを概略的に表す。これは、電荷を放散させるための第一のカプリング、そして、流体回路のパイプに第一および第二のチューブを各々結合する二つの第二のカプリングからなる。
【図11】クリンピング前の、図10の第二のカプリングを主に表す断面図である。
【図12】クリンピング後の第二のカプリングを主に表す、図10の円によって囲まれた部分XIIの断面図である。
【図13】第三の変形例による、クリンピング後の第二のカプリングを主に表す断面図である。
【図14】第四の変形例による、取り外せるタイプの第二のカプリングを主に表す断面図である。
【図15】第五の変形例による、第二の取り外せるカプリングの一部分を表す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0029】
電荷を放散させるための第一のカプリング1a、そしてこの第一のカプリング1aが結合を提供する第一のチューブ3aおよび第二のチューブ5aを表す図2を参照する。このカプリングは、上記説明の誘電体カプリング1であることが可能である、または流体循環を提供する他のカプリングでもよい。この図では、これら第一および第二のチューブ3aおよび5aの各々の端部2a、4aも、点線によって表されている。これら端部は、流体が確実な状態でカプリング1aを通って循環するよう、相互に対して同軸に配置されて、相互に対して固定保持されている。
【0030】
この図2によれば、第二のカプリング13が、第一のチューブ3aの反対側端部11aに位置する。この第二のカプリング13は、第一のチューブ3aを流体回路のパイプ14に結合する。
【0031】
第二の同一のカプリング13aが、第二のチューブ5aの反対側端部12aに取り付けられている。明瞭に示すために、図2から図15を参照して説明するすべての実施例は、第一のチューブ3aに固定される第二のカプリングのみを詳細に説明する。この第二のカプリング13に関するすべての要素は、第二のチューブ5aに固定される他の第二のカプリング13aに適用可能である。
【0032】
図2および図5を参照する。第二のカプリング13は、組み合わせオス・カプリング部分16上へ嵌合するメス・カプリング部分15からなる。オス・カプリング部分は、このオス・カプリング部分16に第一のチューブ3aの固定を提供するクリンピング・ゾーン17を含む。
【0033】
図5から分かるように、オス・カプリング部分16は、ショルダ28によって拡張されたノーズ26と、後部円筒状部分28aからなる。
【0034】
メス・カプリング部分15は、オス・カプリング部分16のノーズ26上に乗る円錐内面19を持つ前部分を含み、スクリュー・ナット18によってこの位置に保持されている。ナットの内面20は、部分的に、オス・カプリング部分16のショルダ28の形状を持ち、そして、メス・カプリング部分15の外面上に形成されたネジ付き組み合わせゾーン19bに位置した、ネジを設けたゾーン19aを含む。
【0035】
メス・カプリング部分15上のスクリュー・ナット18のネジ付きジョイントは、オス・カプリング部分16上のこのメス・カプリング部分15の固定を提供すると共に、この固定に対する取り外し機能を付与する。
【0036】
メス・カプリング部分15は、二つのボス15b、15cを持つクリンピング・ゾーン15aからなるスリーブの形態で存在する。クリンピング・ゾーンは、図示しないクリンピング・カラーの締着作用の影響下で、そのクリンピング・ゾーン15aにおけるこのメス・カプリング部分15の内面の塑性変形、そしてパイプ14の端部21の変形を同時に生じさせることによって、スリーブを圧縮することが可能である。適用されるクリンピング・プロセス、そしてクリンピング・ゾーンに関わるスリーブについては、図10から図12の実施例を参照して、より詳細に説明する。
【0037】
第一のチューブ3aのクリンピングは、図3および図4を参照して説明する。このクリンピング操作は、米国特許第6,108,895号公報にも説明されている。
【0038】
これらの図においては、オス・カプリング部分16がメス型20内へ嵌め込まれている。クリンピングの目的で第一のチューブ2aの端部11aが、オス・カプリング部分16内へ導入され、メス型20内に形成されたストップ22まで入れられている。
【0039】
メス型20はベース23からなり、オス・カプリング部分16の側へ管状部分24が延びている。それの内面25は円錐であり、オス・カプリング部分16のノーズ26上に乗る。
【0040】
クリンピング・カラー30は、オス・カプリング部分16をそのショルダ26の箇所で囲み、クリンピング・カラー30の内面31がショルダ28に接触する。
【0041】
それから、メス型20の方へクリンピング・カラー30を変位させる。その内面31の特徴から、この変位と、オス・カプリング部分16のショルダ28に対するストップを形成するメス型の管状部分24の存在との組み合わせによって、まず、メス型20の内面25に対するオス・カプリング部分16のノーズ26の軸方向の圧縮が生じる。それから、第一のチューブ2a上のこのオス・カプリング部分16の半径方向の圧縮が、オス・カプリング部分16のノーズ26の永久変形、そして、この同じオス・カプリング部分16のショルダ28の押し潰しに至る。これらの二つの変形は第一のチューブ2aを圧縮する。このチューブは、オス・カプリング部分16の永久変形によって初期の形状を採ることが不可能な状態に変形する。
【0042】
オス・カプリング部分16のノーズ26およびショルダ28は、第二のカプリング13のクリンピング・ゾーン17である、と定義する。
【0043】
オス・カプリング部分16および第一のチューブ2aによって形成されたアセンブリは、それから、メス型20から、そしてクリンピング・カラー30から取り出され、図5に示すように、メス・カプリング部分15内へ嵌め込まれる。
【0044】
それから、スクリュー・ナット18によって、メス・カプリング部分15にオス・カプリング部分16を固定する。
【0045】
図6および図7を参照する。チューブを結合するためのデバイスは、第一のカプリング1aに加えて、スリーブ36と二つのクリンピング・リング37、38からなる第二のカプリング35を含む。
【0046】
第二のカプリングを、図7を参照して、より正確に説明する。これは、国際公開第95/05556号公報にも説明されている。
【0047】
この第二のカプリング35の構成は、スリーブ36が、対称軸XX′を形成する環状中央窪み39を含み、この環状窪み39が二つのストップ40、41によって制限され、これらのストップが、クリンピング・ゾーン58a、58bを各々形成するクリンピング操作前の初期状態で管状な部分42、43として拡張している、という点で対称形である。
【0048】
第一のチューブ3aの端部11aとパイプ14の端部21は、中央環状窪み39の近く、スリーブ36内へ導入される。
【0049】
クリンピング・リング37、38は、各々、異なる物質で形成された環状インサート42、43および環状カラー44、45から構成される。例えば、環状インサート42、43はチタンから形成され、そして環状カラー44、45は、高抵抗グラファイト繊維で補強されたエポキシ樹脂から形成される。
【0050】
クリンピング操作を実行するためには、矢印46、47に沿って、クリンピング・リング37、38が変位操作される。環状インサート42、43の各々の内面48、49と、スリーブ36の初期管状部分42、43の各々の外面50、51との組み合わせ形状、ならびに環状インサート42、43の各々の内面54、55に位置する各々の環状窪み52、53の存在によって、半径方向への圧縮から初期管状部分42、43の永久変形が生じ、同時に、この第二のカプリング35が確実な結合を保証する第一のチューブ3aの、そしてパイプ14の、各々の端部11a、21が変形する。
【実施例2】
【0051】
図8および図9は、本発明の第一の変形例を表す。この変形例では、第二のカプリング60は、図6および図7の例のカプリング35の部分、この例の対称軸XX’に沿う部分に対応する。したがって、先行する例で既に説明される要素を含んでいる。すなわち、スリーブ61は、クリンピング・ゾーン68、そして、環状インサート63と環状カラー64から形成されたクリンピング・リング62からなる。すべてのこれらの要素は、先行例の第二のカプリング35の対応する要素と同一である。クリンピング操作は、先行例で説明したように、第一のチューブ2aの端部11aを形成するスリーブ61のストップ65の方へ、クリンピング・リング62を軸方向へ変位させることによって行われる。
【0052】
さらに、図9から分かるように、スリーブ61は、チューブ3aの端部11aの不可分の一体部分を形成する。このスリーブ61は、例えば、金属である第一のチューブ3aの端部11aへの機械加工によって作り出すことができる。
【0053】
この変形例は、パイプ14のチューブ2aへの結合が、先行例による二つに替えて単一のクリンピング操作のみを必要とするので、非常に有利である。さらに、第二のカプリング60の全長は、先行例の第二のカプリング35のそれと比較して半分に減少される。結果的に、第二のカプリングの全質量も、第二の変形例の第二のカプリング35に比べ、減少し、約45%の質量節約になる。
【実施例3】
【0054】
同様に、図10および図12に表す第二の変形例は第二のカプリング70を含む。これは、第一のチューブ2aの端部11aをも形成するスリーブ71の形態で存在する。
【0055】
図11に示すように、クリンピング前に、第二のカプリング70のスリーブ71は、その外面72に、クリンピング・ゾーン79を形成する平面扁平なゾーンを持つ第一の環状のボス73aと第二の環状のボス73bを含む。スリーブ71の内面74は管状である。パイプ14の端部21は、第一のカプリング1aの近く、第二のカプリング70のスリーブ71内に導入される。
【0056】
クリンピング操作は、図11に表すクリンピング・カラー75によって実行される。このクリンピング・カラー75は、スリーブ71に対向して配置され、このスリーブの内面74の塑性変形とパイプ14の変形が同時に生じるようにスリーブ71を圧縮する方式でクランピング操作される。同業者は、クリンピング・カラーの幾何学的形状を、先に説明したクリンピング操作に適応させることができる。
【実施例4】
【0057】
最後に、第三の変形例も、第一および第二の変形例の原理に従うものである。図13を参照する。第二のカプリング80は、第一のチューブ3の端部11に機械加工されたスリーブ81の形態で存在する。この第二のカプリング80と、対応するクリンピング操作は、仏国特許第2899307号公報に説明されている。
【0058】
スリーブ81の外面89は、クリンピング・ゾーン87を形成する一連のボス85からなる。この上に、半径方向のクリンピング力が、(図示していない)適当なツールで、矢印86に従って適用される。これにより、スリーブ81の恒久的な圧縮変形が生じる、また、結合すべきパイプ14の端部21の変形が同時に生じる。
【0059】
さらに、パイプ14の端部21に接触するスリーブ81の内面82は、接着部分83からなり、複数の構成要素からなる接着剤で接着される。それらの要素の一つは、クリンピング前に、この接着部分がその接着機能を実行しないような方式で封入される。
【0060】
対照的に、半径方向クリンピング力が矢印86の方向に適用されると、接着剤は解放されて、スリーブ81内にパイプ14の端部21を保持するように貢献する。
【0061】
先に説明したすべてのデバイスが、第一のカプリング1aで流体回路のパイプ14へ結合されることによって、第一のチューブ3aおよび第二のチューブ5aの結合を可能にするなら、第一、第二、そして第三の変形例は、図2から図6を参照して説明した例に比べ第二のカプリングの質量が減少するため、特に有利である。この第二のカプリングの存在によるスペースの必要性は減少する。また、第一のチューブ3aの端部11aへの機械加工によって、容易に製作可能である。
【0062】
(実施例5および実施例6)
図14および図15は、クリンピング・ゾーンを含まない二つの実施例を表す。しかし、第二のカプリングは、第一のカプリング部分、そして分離可能な第二のカプリング部分からなる。したがって、この第二のカプリングは取り外し可能である。さらに、本発明によれば、第一あるいは第二の部分のいずれか一方が、第一のカプリング1aから出る第一のチューブ3aの端部11aに創造される。
【0063】
より詳しくは、第一のチューブ3aの端部11aに位置するカプリング部分は、第一のチューブ3aのこの端部11aに機械加工を施すことによって作り出される。
【0064】
図14を参照する。第二のカプリング90は、第一のカプリング1aから出る第一のチューブ3aの端部11aに機械加工されたスリーブの形態にある、第一の部分91からなる。
【0065】
この第一のカプリング部分91はメス面取り端面92を持ち、これは、パイプ14の端部21に機械加工された第二のカプリング部分94のオス面取り端面93に合致する。第一および第二カプリング部分91および94の各々の端面92、93は、スクリュー・ナット95によって接触状態に支持される。このナットの内面は、第一の部分91の外面に形成されたネジ付き組み合わせゾーン98に位置する、ネジ付きゾーン97からなる。
【0066】
第一のカプリング部分91の管状流体循環ゾーン91aと第二のカプリング部分94の管状流体循環ゾーン94aは、第二のカプリング90を通る流体の循環を確保するよう、相互に対して同軸に配置される。
【0067】
スクリュー・ナット95の締め付けは、第二のカプリング部分94上への第一のカプリング部分90の固定保持を保証する。他方、スクリュー・ナットをゆるめることによって、第二のカプリング部分94からの第一のカプリング部分90の取り外しを可能にする。
【0068】
さらに、第二のカプリング部分は、一点でパイプ14の直径を広げる環状ネック96を含み、この第二のカプリング部分94および第二のカプリング90全体としてそれらの特性、特に密着特性を保持することができるよう、弾力性をこの第二のカプリング部分94に与える。
【0069】
この実施例では、パイプ14の直径は、第一のチューブ3aの直径よりも小さい。これは、第一のカプリング90に位置する狭くなるゾーン99の存在を必要とする。この実施例は、第一のチューブ3aとパイプ14の直径が同一である構成にも適用できることは明らかである。同業者は、このような構成に、第一のカプリング90をどのように適応させるかを理解できる。
【0070】
図15を参照する。図14に表す実施例と同じ原理により、第二のカプリングは、第一のカプリング1aから出る第一のチューブ3aの端部11aに機械加工された第一のカプリング部分100を含む。
【0071】
この第一のカプリング部分100もスリーブの形態で存在し、その第一端部分101から、外径が増加する第一面取り部分102、第一平表面103、外径が増加する第二面取り部分104、第二平表面104、そして、第三面取り部分105によって第二平表面104に結合した環状ネック105を含む。
【0072】
第二のカプリング部分はこの図に表されていないが、同業者には、第二の密着性取り外し可能なカプリングを形成するために、それをこの第一のカプリング部分にどのように適応させるべきかは明らかである。例えば、第二のカプリング部分は、第一のカプリング部分の第一面取り部分102に少なくとも部分的に適合する形状を持つ内方面取り面を含み、その位置にロック・ナットによって固定保持される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のチューブ(3a)と第二のチューブ(5a)を結合する第一のカプリング(1a)からなる、流体循環チューブを結合させるためのデバイスであって、
第一のカプリング(1a)において、第一のチューブ(3a)および第二のチューブ(5a)の各々の端部(2a、4a)が相互に対して同軸に配置され、
第一のチューブ(3a)および第二のチューブ(5a)の反対側端部の少なくとも一つ(11a)が、第一のチューブ(3a)あるいは第二のチューブ(5a)を流体回路のパイプ(14)に結合させることを意図した第二のカプリング(60、70、80、90)に固定可能であり、
前記第二のカプリング(60、70、80、90)が、該当チューブ(3a)の反対側端部(11a)と一体に形成された少なくとも一つの部分(61、71、81、91、100)からなり、このため、第二のカプリング(60、70、80、90)のこの部分(61、71、81、91、100)が、該当チューブ(3a)の反対側端部(11a)を形成することを特徴とする、デバイス。
【請求項2】
第二のカプリング(60、70、80)が、流体回路のパイプ(14)の端部(21)に、クリンピング操作によって固定可能な機能を備える少なくとも一つのクリンピング・ゾーン(68、79、87)からなることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
第二のカプリング(60、70、80)が、該当チューブ(3a)の反対側端部(11a)を形成するスリーブ(61、71、81)であり、このスリーブは、少なくとも一つのクリンピング・ゾーン(68、79、87)からなり、このクリンピング・ゾーン(68、79、87)内に半径方向圧縮力が加わるとパイプ(14)のクリンピングを提供することを特徴とする、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
スリーブ(68)が、クリンピング操作中の前記スリーブ(68)に沿った軸方向の変位によるクリンピング手段を形成するカラー(62)からなることを特徴とする、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
第二のカプリング(90)が、該当チューブ(3a)の端部(11a)を形成する第一のカプリング部分(91、100)からなり、前記第一のカプリング部分(91、100)が、流体回路のパイプ(14)に固定される第二の組み合わせカプリング部分(94)に対して固定保持可能であり、相互に対して固定位置にあるこれら第一のカプリング部分(91、100)および第二のカプリング部分(94)が、第二のカプリング(90)を通る流体の確実な循環を提供する手段(92、93、95、97、98、102)を構成することを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
第一のカプリング部分(91、100)および第二の組み合わせカプリング部分(94)が、スクリュー・ナット(95)によって取り外せるような方式で、それらを相互に対して固定保持可能にする固定手段(97、98)を含むことを特徴とする、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
第一のカプリング(1a)が、第一のチューブ(3a)および第二のチューブ(5a)を循環する流体の移動によって発生する電気エネルギーを放散可能な手段からなる誘電体カプリングであることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
第一のチューブ(3a)および第二のチューブ(5a)の反対側端部(11a、12a)の各々が、該当チューブ(3a、5a)の反対側端部(11a、12a)と一体に形成された少なくとも一つの部分(61、71、81、91、100)からなる第二のカプリング(60、70、80、90)を構成することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
第一のチューブ(3a)および第二のチューブ(5a)ならびにパイプ(14)が金属であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイスを使用するための方法であって、
このデバイスが、第一のチューブ(3a)および第二のチューブ(5a)を結合する第一のカプリング(1a)からなり、
この第一のカプリング(1a)において、第一のチューブ(3a)および第二のチューブ(5a)の各々の端部(2a、4a)が相互に対して同軸に配置され、
このデバイスにおいて、第一のチューブ(3a)および第二のチューブ(5a)の反対側端部の少なくとも一つ(11a)が、流体回路のパイプ(14)に第一のチューブ(3a)あるいは第二のチューブ(5a)を結合させることを意図した第二のカプリング(60、70、80、90)に固定可能であり、
前記第二のカプリング(60、70、80、90)が、該当チューブ(3a)の反対側端部(11a)と一体に形成された少なくとも一つの部分(61、71、81、91、100)からなり、
前記方法が、該当チューブ(3a)の端部(11a)に第二のカプリング(60、70、80、90)のこの部分(61、71、81、91、100)を機械加工するための少なくとも一つのステップからなる、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2013−517436(P2013−517436A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549399(P2012−549399)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【国際出願番号】PCT/FR2011/050090
【国際公開番号】WO2011/089353
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(512189325)
【氏名又は名称原語表記】PERMASWAGE
【住所又は居所原語表記】ZI des Dames − BP 60025,F−78340 Les Clayes Sous Bois,France
【Fターム(参考)】