説明

流体静力学的に支持されるクレイドルピンを有するアキシャルピストンエンジン

【課題】クレイドル振動を抑え、騒音を減少させる。
【解決手段】ハウジング(1)と調節装置(13)と穴(44)とを含むアキシャルピストンエンジンであって、該ハウジングは内部空間に、持上げプレート(3)と、シリンダー(26及び28)及びその中で往復運動し得該シリンダーから突き出す端が該持上げプレート上に支持されるピストン(29)を有する回転可能な状態で支持されるシリンダードラム(6)とを備え、該調節装置は、クレイドルピン(41)及びアーム(14)によって該持上げプレートに作用しこれを調整し、該調節装置はすべり部材(42)を備えた該クレイドルピンがかみ合うすき間(43)を有する調整ピストン(40)を保持する、アキシャルピストンエンジンにおいて、該穴は、該持上げプレート中、該アーム中及び該クレイドルピン中に形成され、該調節ピストンの該すき間に開口することを特徴とするアキシャルピストンエンジンを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジングと調節装置と穴とを有するアキシャルピストンエンジンに関するもので、特に、該ハウジングは内部空間に、持上げプレート(Hubscheibe)(斜板)と、シリンダー及び該シリンダー中で往復運動することができ該シリンダーから突き出した端が該持上げプレート上に支持されるピストンを有する回転可能な状態で支持されるシリンダードラムとを備え、該調節装置は、クレイドルピン及びアームによって該持上げプレートに作用しこれを調節し、該調節装置はすべり部材(Gleitstein)を備えた該クレイドルピンがかみ合うすき間を有する調整ピストンを保持するアキシャルピストンエンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1は、ハウジングを有するアキシャルピストンエンジンであって、該ハウジングが内部空間に、リーク空間(Leckraum)を含み、持上げプレート(斜板)と、シリンダー及び該シリンダー内で往復運動でき該シリンダーから突き出した端が該持上げプレートに支持されるピストンを有する回転可能な状態で支持されたシリンダードラムとを備える、アキシャルピストンエンジンを開示している。
【0003】
更に、特許文献2は、一方ではピボットクレイドルのクレイドルピンに連結され、他方では補助ピストンの押し付け部分に連結されるリングを配置することによって、アキシャルピストンエンジンの該ピボットクレードルの調整がスムーズにかつ磨耗の少ない仕方で行える可能性があることを開示している。前記ピボットクレイドルの調整を担っている前記補助ピストンは、段をつけられた直径を有しそしてそれに合わせて前記ハウジングの段をつけられたすき間を走る。すべり部材が、前記クレイドルピンに適合してはめられ、移動できそして回転できるように配列される。調整部材の一部分に油圧液を誘導する油穴が、前記すべり部材の輪状の空間に開口しそれによって該輪状の空間の負担を流体静力学的に緩和する(hydrostatisch entlasten)。
【0004】
既知のアキシャルピストンエンジンは、ピストンを支持するピボットクレイドルが、アキシャルピストンエンジンの作動の間、クレイドル振動ともいわれる途切れない振動にさらされるという不利点を有する。これによって、一方では構造物によって伝えられる破壊的な騒音が発せられ、他方においては該振動によって悪影響される部品がよりひどい磨耗にさらされ、これはしばしば機械の不調及び高いメンテナンスコストの原因となる。
【0005】
前記振動を抑えるための既知の方法は、主として部品の流体静力学的な負担の軽減(hydrostatische Entlastung)に基づくが、これは構造が高度に複雑になるという特徴を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第4,423,023 A1号明細書
【特許文献2】特開2004−340083号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、それゆえ前記振動及びクレイドル振動を単純な方法で効果的に抑え、構造物によって伝えられる騒音の発生を減少させ、そしてこれによって磨耗に対する抵抗力を改善した、背景技術において述べたようなタイプのアキシャルピストンエンジンを開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、ハウジング(1)と調節装置(13)と穴(44)とを有するアキシャルピストンエンジンであって、該ハウジングは内部空間に、持上げプレート(3)と、シリンダー(26及び28)及び該シリンダー中で往復運動することができ該シリンダー(26及び28)から突き出した端が該持上げプレート(3)上に支持されるピストン(29)を有する回転可能な状態で支持されるシリンダードラム(6)とを備え、該調節装置は、クレイドルピン(41)及びアーム(14)によって該持上げプレート(3)に作用しこれを調節し、該調節装置はすべり部材(42)を備えた該クレイドルピン(41)がかみ合うすき間(43)を有する調整ピストン(40)を保持する、アキシャルピストンエンジンにおいて、該穴(44)は、該持上げプレート(3)中、該アーム(14)中及び該クレイドルピン(41)中に形成され、該調節ピストン(40)の該すき間(43)に開口することを特徴とするアキシャルピストンエンジンを提供することで達成される。
【0009】
すなわち本発明によると、クレイドルピン及びアームによってピボットクレイドルに作用し調整する調整装置であって、すべり部材を備えた該クレイドルピンがかみ合うすき間を有する調整ピストンを保持する調整装置、及び該ピボットクレイドル中、該アーム中及び該クレイドルピン中に形成され、そして該調整ピストンの該すき間に開口する穴が提供される。
【0010】
これによって前記すべり部材を有する前記クレイドルピンがかみ合う前記すき間の中に油圧媒体が誘導され、そして前記アキシャルピストンエンジンの前記ピボットクレイドルの調節を低摩擦下で行い、アキシャルピストンエンジンの作動の間に起こる振動を抑制する潤滑剤の薄層が形成される。
【0011】
本発明の更なる有利点及び特徴が残りの従属請求項から理解される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明は、以下により好ましい実施形態及び図面を参照して詳細に説明される。図は:
【図1】従来技術によるアキシャルピストンエンジンの実施形態の全体図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態によるピボットクレイドルの概略側面図である。
【図3】図2によるピボットクレイドルの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明による方法のより良い理解を提供するために、最初に図1として、従来技術による可変容量(verstellbaren Verdraengungsvolumen)かつ可変な流れ方向の斜板構造物(Schraegscheibenbauweise)を有するアキシャルピストンエンジンの断面を示す。このアキシャルピストンエンジンは既知の仕方で、重要な部品として、図1で上に位置する端面で開口する中空の円柱状のハウジング1、該ハウジング1に固定され該ハウジングの開口端を閉じる連結ブロック2、持上げ板または斜板(Hub− oder Scraegschebe)3、制御部材4、駆動軸5、シリンダードラム6、及び随意に冷却回路7を含む。
【0014】
前記斜板3は、半円筒状の横断面を有するいわゆるピボットクレイドルとして構築され、そしてお互いに間隔(そこでは負担が油圧によって軽減される)(unter hydrostatischer Entlastung)をとって回転方向に沿って平行に延びる2つのベアリング面と共に、前記連結ブロック2に面するハウジング端壁9の内側の面に固定された2つの対応して形成されるベアリングシェル8上に支持される。前記油圧による負担の軽減は、前記ベアリングシェル8中に形成されそして連結部11によって圧力媒体を供給される圧力ポケット10によって、既知の方法に従い行われる。円柱状のハウジング壁12の突出物中に配列された調整装置13が、斜板3を、前記連結ブロック2の方向に延びるアームによって捕捉し、そしてアームを斜板の回転方向に関して垂直な回転軸の回りに回転させる働きをする。
【0015】
前記制御部材4は、ハウジングの内部空間に面する前記連結ブロック2の内側の面に固定されそしてインゲン豆形制御スロットの形態の2つの直通の開口部15が該制御部材には備えられ、この直通の開口部は、連結ブロック2の圧力導管16D及び吸込み導管16Sによって圧力回路及び吸込み回路(図示せず)に連結される。前記圧力導管16Dは、前記吸込み導管16Sよりも小さい流れの横断面を有する。ハウジングの内部空間に面する前記制御部材4の球状の制御面が、前記シリンダードラム6のベアリング面として作用する。
【0016】
前記駆動軸5は、前記ハウジング端壁9の直通穴を通って該ハウジング1中に突き出し、ベアリング17によってこの直通穴の中に、そして他のベアリング18によって、前記連結ブロック2中の端で広がる止まり穴19のより狭い穴部分に、及びこのより狭い穴部分に隣接した制御部材4中の中央直通穴20の領域に回転可能な状態で支持される。前記ハウジング1の内側では、前記駆動軸5は、前記斜板3の回転による最大の偏りに従って一定の大きさに作られた直径を有する前期斜板3中の中央直通穴21、及び2つの穴部分を有する前記シリンダードラム6の中央直通穴を通って更に延びる。
【0017】
これらの穴部分の一方が袖状の拡張部23中に形成されるが、該袖状の拡張部は、前記シリンダードラム6上に形成され、該シリンダードラムの斜板3に面する端面22を超えて突き出し、この拡張部によって該シリンダードラム6が前記駆動軸5にキー溝接合部24によって回転を固定される仕方で連結される。もう一方の穴部分は、円錐形の通路で構築される。この穴は、第1の穴部分の近くで最大の直径を有するこの穴の横断面から、前記制御部材4に接触する前記シリンダードラム6の端面またはベアリング面の近くで最小の直径有するこの穴の横断面まで先細りする。前記駆動軸5及びこの円錐形の穴部分によって画定される環状の空間を25と指定する。
【0018】
前記シリンダードラム6は、概して軸の方向に延びる段をつけられたシリンダー穴26を有し、該シリンダー穴は均一に前記駆動軸に関して同軸のピッチ円(Teilkreis)上に配列され、そしてシリンダードラム端面22で直接に開口し、前記制御部材4に面するシリンダードラムベアリング面で前記制御スロットと同じピッチ円上の開口導管27を経由して開口する。前記シリンダードラム端面22で直接に開口するより大きな直径を有するシリンダー穴部分それぞれに、裏当て28が挿入される。この裏当て28を含む前記シリンダー穴26を、この場合シリンダーと呼ぶ。またこれらのシリンダー26及び28内で動けるように配列されたピストン29が与えられ、ピストンの端部は前記斜板3に面し、ピストンは、スライディングシュー31中に支持され、斜板5(Schraegscheibe 5)に固定された環状のスライディングプレート32上に流体静力学的に支持される球状のヘッド30を有する。
【0019】
それぞれのスライディングシュー31には、前記スライディングプレート32に面するそれらのスライディング面で、図示はしないが圧力ポケットが与えられ、該圧力ポケットは、該スライディングシュー31中の直通穴33によって、前記ピストン29中の段をつけられた軸上の直通導管34へ連結され、そしてこのようにして次に前記シリンダー穴26中の該ピストン29によって画定されるシリンダーの作動空間へと連結される。それぞれの軸上の直通導管34においては、付属する球状のヘッド30の領域において絞り弁が構築される。キー溝接合部24によって前記駆動軸5上に軸の方向に移動可能な状態で配列され、バネ35によって斜板3の方向に作用される据付部材36が、前記スライディングプレート32に対して前記スライディングシューが接触するように該スライディングシュー31を保持する。
【0020】
ハウジング内部空間中の受容される部品3〜6などによって占有されていない構造空間は、リーク空間37として作用し、このリーク空間は、アキシャルピストンエンジンの作動の間に、例えばシリンダー26及び28とピストン29との間、制御部材4とシリンダードラム6との間、斜板3とスライディングプレート32とベアリングシェル8との間などの全てのギャップを通して排出されるリーク液を受容する。
【0021】
前記アキシャルピストンエンジンの機能は、一般的に知られ、そして以下のポンプとして使用したときの説明中ではその要点に限定して説明される。
【0022】
前記アキシャルピストンエンジンは、作動のために流体として油を備える。前記シリンダードラム6は、前記ピストン29と共に駆動軸5によって回転させられる。前記調節装置13を始動させることによって、前記斜板3を前記シリンダードラム6に対して傾斜した位置に回転させるとき、全てのピストン29は持ち上がり運動を行う。前記シリンダードラム6が360°回転させられるとき、それぞれのピストン29は吸込みストローク及び圧縮ストロークを行い、対応する油の流れが産出され、これは前記開口導管27、前記制御スロット15、並びに前記圧力導管16D及び前記吸込み導管16Sを経由して供給及び排出される。それぞれのピストン29の圧縮ストロークの間、圧力油は、関連するシリンダー26及び28から、前記軸上の直通導管34及び付属するスライディングシュー31中の直通穴33を経由して、その圧力ポケットへと流れ、そして前記スライディングプレート32と各スライディングシュー31の間に圧力場を形成し、これは該スライディングシューの流体静力学的ベアリングとして作用する。更に、圧力油が、前記連結部11を経由して、前記ベアリングシェル8中の圧力ポケット10へと供給され、斜板3を流体静力学的に支持する。
【0023】
図2及び図3は、斜板に作用する調整装置13を有する、本発明に従い構築したアキシャルピストンエンジンの好ましい実施形態の該斜版3のそれぞれ側面図及び平面図である。図2による表示は、図1に対して反対方向から見た斜板3を示しており、そして対応する部品はそれゆえ図1に関して反対の側に配列される。他の全ての点で、本発明によって構築されるアキシャルピストンエンジンは、例えばより詳細には示していない部品について、図1に示した従来技術によるアキシャルピストンエンジンの実施形態と同様にして構築することができる。
【0024】
本発明の構造では、前記斜板3は、ピボットクレイドルの形態で構築されるが、該ピボットクレイドルは、詳細には示さないが2つの2枚貝の片方の殻の形をしたベアリング要素上に支持され、図2及び図3中でもやはり示さない保持器に誘導されるローラーベアリング要素によって該殻の形をしたベアリング要素上を回転する。前記ピボットクレイドル3を調整するための前記調整装置13は、調整ピストン40を有し、該調整ピストンは、クレイドルピン41によって前記アーム14に連結され、該アーム14は該ピボットクレイドル3に作用する。前記クレイドルピン41の前記調整ピストン40中へのかみ合わせは、必然的に、関与する部品の運動方向の組合せから生み出される円弧と直線の幾何学的組合せによって、及び2次元運動を可能とするすべり部材42によって行われる。
【0025】
前記すべり部材42は、中空の円柱の形に構築され、前記アーム14に連結される前記クレイドルピン41に適合してはめられる。前期すべり部材は、前記調整ピストン40中に形成されるすき間43にかみ合う。前記すべり部材42は、前記ピボットクレイドル3の回転をスムーズに調整するために一定の程度のクリアランスと共にこのすき間43に支持されなければならない。
【0026】
しかし、これは、例えば前記シリンダードラム23の循環運動のために、前記アキシャルピストンエンジンの作動の間に必然的に起こる振動をもたらす。その結果、構造物によって伝えられる騒音が、個々の部品を経由して外に発せられ、そして前記アキシャルピストンエンジンの増加させられたレベルの作動騒音として現れる。更に、前記すべり部材42の領域のクリアランスのために、関与する部品の磨耗がより激しくなる危険性もある。
【0027】
本発明によると、それゆえ、油圧媒体を穴44を通して前記すき間43へと誘導することによって前記すべり部材42の負担を流体静力学的に緩和する(hydrostatisch zu entlasten)設備が与えられる。前記穴44は、前記ピボットクレイドル3中、前記アーム14中、及び前記クレイドルピン41中を延び、そして最後に前記すき間43に開口する。前記すべり部材42は、これによって前記すき間43中に流体の観点から見て支持される。
【0028】
前記穴44の加圧側開口部は、高圧領域中に、好ましくは前記アキシャルピストンエンジンのシリンダー26及び28が面する前記ピボットクレイドル3の面45の高圧領域中に形成される。これによって、前記シリンダー26及び28中の高圧によって油圧媒体が絶え間なく前記穴44中に押し出されるので、該穴44を経由して信頼できる様式で前記すき間43を確実に充填できる。前記すき間43中へ運搬された油圧媒体は、再びリークギャップによってアキシャルピストンエンジンの前記リーク空間37に達し得、そしてそこで再び利用可能となる。
【0029】
前記すき間43の充填及び前記すべり部材42の負担の流体静力学的軽減のために、該すべり部材42と、前記クレイドルピン41と、前記調整ピストン40の該すき間43との間のギャップサイズまたはクリアランスはより小さくできる。加えて、構造物によって伝えられる騒音が効果的に抑制されるので、前記アキシャルピストンエンジンの作動騒音レベルを減少させることができる。摩擦する相手同士がもはや固定された本体の接触によってお互いにその上を滑る状態でなくなり、その代り潤滑剤の薄層によってお互いに滑る状態となるので、前記ピボットクレイドル3の調整スピードを著しく増加させることができる。部品の磨耗が改善されるように、ヒステリシス特性も改善することができる。
【0030】
本発明は、示された実施形態に限定されず、例えばアキシャルピストンエンジンの他の構造のためにも使用できる。本発明の全ての特徴をお互いに、あらゆる望ましい仕方で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0031】
1 ハウジング
2 連結ブロック
3 持上げプレートまたは斜板
4 制御部材
5 駆動軸
6 シリンダードラム
7 冷却回路
8 ベアリングシェル
9 ハウジング端壁
10 圧力ポケット
11 連結部
12 円柱状のハウジング壁
13 調整装置
14 アーム
15 直通開口部
16D 圧力導管
16S 吸込み導管
17 ベアリング
18 ベアリング
19 止まり穴
20 中央直通穴
21 中央直通穴
22 端面
23 袖状の拡張部
24 キー溝接合部
25 円錐形の穴部分によって画定される空間
26 段をつけられたシリンダー穴
27 開口導管
28 裏当て
29 ピストン
30 球状のヘッド
31 スライディングシュー
32 スライディングプレート
33 直通穴
34 軸上の直通導管
35 バネ
36 据付部材
37 リーク空間
40 調整ピストン
41 クレイドルピン
42 すべり部材
43 すき間
44 穴
45 面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(1)と調節装置(13)と穴(44)とを有するアキシャルピストンエンジンであって、該ハウジングは内部空間に、持上げプレート(3)(Hubscheibe)(斜板)と、シリンダー(26及び28)及び該シリンダー中で往復運動することができ該シリンダー(26及び28)から突き出した端が該持上げプレート(3)上に支持されるピストン(29)を有する回転可能な状態で支持されるシリンダードラム(6)とを備え、該調節装置は、クレイドルピン(41)及びアーム(14)によって該持上げプレート(3)に作用しこれを調節し、該調節装置はすべり部材(Gleitstein)(42)を備えた該クレイドルピン(41)がかみ合うすき間(43)を有する調整ピストン(40)を保持する、アキシャルピストンエンジンにおいて、
該穴(44)は、該持上げプレート(3)中、該アーム(14)中及び該クレイドルピン(41)中に形成され、該調節ピストン(40)の該すき間(43)に開口することを特徴とするアキシャルピストンエンジン。
【請求項2】
前記穴(44)が前記シリンダー(26及び28)に面する前記持上げプレート(3)の面の加圧される側に開口することを特徴とする、請求項1に記載のアキシャルピストンエンジン。
【請求項3】
前記すき間(43)を前記シリンダー(26及び28)から高圧力をかけられている前記穴(44)を経て油圧媒体で充填し得ることを特徴とする、請求項1または2に記載のアキシャルピストンエンジン。
【請求項4】
前記すべり部材(42)と、前記クレードルピン(41)と、前記調整ピストン(40)の前記すき間(43)の壁との間に潤滑剤の薄層を形成することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のアキシャルピストンエンジン。
【請求項5】
前記潤滑剤の薄層によって前記調整ピストン(40)からの前記クレイドルピン(41)の機械的切り離しがもたらされることを特徴とする、請求項4に記載のアキシャルピストンエンジン。
【請求項6】
前記すべり部材(42)が中空の円柱として構築されることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載のアキシャルピストンエンジン。
【請求項7】
前記すべり部材(42)が前記クレイドルピン(41)に適合してはめられる(aufgesteckt ist)ことを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載のアキシャルピストンエンジン。
【請求項8】
前記調整ピストン(40)の並進運動(translatorische Bewegung)が前記すべり部材(42)及び前記クレイドルピン(41)によって前記調整装置(13)の前記アーム(14)の回転運動に変換されることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載のアキシャルピストンエンジン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−539008(P2009−539008A)
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512452(P2009−512452)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【国際出願番号】PCT/EP2007/004470
【国際公開番号】WO2007/140867
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(506010219)ブリューニングハウス ハイドロマティック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (13)
【Fターム(参考)】