説明

流水検知装置

【課題】精度の高い安定した不作動流水制御と調圧制御を可能とする。
【解決手段】流水検知装置10は、配管途中に設けられ、2次側圧力の低下により本弁24を開放して加圧水を給水し、圧力スイッチ40により本弁24の開放により流水検知信号を出力する。本弁駆動部は、本弁26に連結されたピストン28をシリンダ室30に収納自在に設け、シリンダ室30に対する圧力水の供給制御により本弁24を開閉する。本弁24の1次側と2次側とバイパスするバイパス配管48には、不作動流水機構52と調圧パイロット機構54を配置した制御弁50が配置され、2次側圧力が締切設定圧力より低下すると不作動流水機構52が開いて2次側圧力を回復させ、更に2次側圧力が下がると調圧パイロット機構54が動作して本弁26を開放する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプリンクラー設備等の消火設備における流水検知装置に関する。

【背景技術】
【0002】
従来、スプリンクラー設備、泡消火設備、水噴霧設備においては、加圧送水装置からの加圧水をヘッドに供給する配管の途中に流水検知装置を設けている。
【0003】
高層ビルに設置されるスプリンクラー設備等においては、加圧送水装置に近い低層階などでは、スプリンクラーヘッドの放水圧力が規定の上限を超える場合がある。このような部分には、流水検知装置の前段に減圧弁設備を設置して減圧を行っている。
【0004】
図7は減圧弁設備を設けた従来の流水検知装置を示す。図7において、給水本管から低層階に分岐された分岐管には仕切弁102を介して流水検知装置100が配置され、流水検知装置100の前段には減圧弁設備104が設置される。減圧弁設備104は減圧弁105を設置すると共に、その1次側に仕切弁106とストレーナ108を設置し、2次側にも仕切弁110を設置している。また減圧弁105が故障しても加圧消火水を供給可能とするためバイパス管112を配置し、バイパス管112に仕切弁114を設けている。
【0005】
通常は仕切弁106と110を開放状態にあり、仕切弁114は閉鎖状態にあることから、減圧弁105で減圧させた加圧消火水を流水検知装置100に供給する。減圧弁105が故障した場合には仕切弁114を開放してバイパス管112より加圧消火水を流水検知装置100に供給する。
【0006】
しかしながら、減圧弁の設置にあたっては、多数の仕切弁や配管を必要とし、その結果設備スペースの増大だけではなく、弁類や配管材といった工業資材と施工工数も増加するという問題がある。
【0007】
このような問題を解決するため、流水検知装置に減圧弁設備の機能を付加した図8に示す2次側調圧機能付きの流水検知装置が提案されている(特許文献1)。
【0008】
図8において、2次側調圧機能付きの流水検知装置は、ピストン211とシリンダ室215を有したリフト型の弁体210について、弁体210の1次側と2次側を接続するバイパス配管222に設けた調圧パイロット弁225により流水検知装置の2次側圧力の監視を行い、2次側圧力が設定圧力値になるようにシリンダ室215の加圧水を流出制御を行い、弁体210のリフト量(開度)を制御している。
【0009】
このような従来の2次側調圧機能付きの流水検知装置にあっては、シリンダ室215を弁体210の1次側に接続して1次側加圧水を導入しており、シリンダ室215の加圧水を調圧パイロット弁225を介して2次側に排出させることで圧力を下げてピストン211により弁体210をリフトして開くようにしている。
【0010】
また、通常監視状態で2次側の漏水等により圧力が低下した場合には、圧力低下により調圧パイロット弁225が開き、バイパス経路222を通して加圧水を2次側に供給して設定圧力値に回復させる弁体210を開放しない不作動流水量の供給動作を行う。
【0011】
また、火災時にスプリンクラーが作動して一定量を超える流水があると、2次側圧力が急激に低下し、調圧パイロット弁225の開放に伴い、シリンダ室215の加圧水が2次側に流出して圧力が急激に低下し、これによってピストン211をリストして弁体210を大きく開き、1次側の加圧水を2次側に供給して設定圧力値に回復させて継続的に供給する。このときシリンダ室115には1次側から加圧水が流れ込むが、バイパス経路222の1次側にオリフィス221を設けて1次側加圧水を抑制し、シリンダ室215の圧力水を2次側に流出させている。
【0012】
このようにスプリンクラーの作動時には調圧パイロット弁225の開放によるシリンダ室215の急激な減圧で弁体210を急速に開放させるため、スプリンクラーからの放水で低下した2次側圧力は急速に回復し、設定圧力値をオーバーシュートした後に、設定圧力値に安定する。
【0013】
しかし、2次側圧力が設定圧力値を大きく越えると、2次側配管に例えば樹脂管などを使用していた場合に安全面で問題があることから、調圧パイロット弁225とは別に安全弁233を設け、2次側に高圧が加わらないようにしている。

【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平11−128388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、このような従来の2次側調圧機能付きの流水検知装置にあっては、2次側の少量の漏水などの圧力低下に対し、弁体210を作動させずに加圧消火水を一次側から二次側へ供給する不作動流水量制御と、火災時のヘッドの放水による本弁の作動による加圧水の供給を同じ調圧パイロット弁225およびバイパス経路で行っているため、高層ビルの低層階のように1次側圧力が高い場合、弁体210の開放時に2次側圧力が設定圧力値を大きく越えてオーバーシュートし、安定するまでの時間遅れが大きく、その間、2次側に設定圧力値を超える高圧がかかる問題がある。
【0016】
このような弁体開放時に大きくオーバーシュートを生ずる原因は、バイパス経路222の1次側にオリフィス221を設けていることによる。即ち、2次側圧力の低下による調圧パイロット弁225の開放により弁体210を急速に開放して2次側圧力が増加すると、設定圧力値を超えた時に調圧パイロット弁225は閉鎖し、パイパス経路222からシリンダ室215に1次側加圧水を導入し、ピストン211の押下げにより弁体210を閉鎖方向に駆動する。
【0017】
しかし、バイパス経路222の1次側にはオリフィス221が設けられているため、シリンダ室215に流れ込む1次側加圧水が制限され、ピストン210の動きが遅く、弁体210の閉鎖方向の応答性が低下し、その結果、2次側に大きなオーバーシュートを生じ、設定圧力値に安定するまでに時間がかかる。
【0018】
特に、高層ビルの低層階のように1次側圧力が高圧の場合には、流水検知装置による減圧は充分にできず、弁開放から設定圧力値に安定するまでのあいだ、1次側圧力に近い高圧が2次側にかかるおそれがある。
【0019】
このように2次側にかかる高圧を回避するため別途安全弁233を設けており、調圧パイロット弁225による弁体210の制御で設定圧力値を維持する制御が充分とはいえず、また、安全弁233を別途設ける必要があることから、装置構成がその分、複雑になる問題がある。
【0020】
また、シリンダ室215にバイパス経路222により1次側を接続した状態で調圧パイロット弁225の開放によりシリンダ室215の圧力水を2次側に流出させて制御圧力を低下させているため、オリフィス221により1次側圧力水が制限されていたとしても、シリンダ室215から2次側への排出と1次側からのシリンダ室215への流入が同時に発生し、シリンダ室215からの圧力水の流出が妨げられることで応答性が低下する問題もある。
【0021】
本発明は、本弁を作動しない不作動流水量制御と本弁を作動する作動流水量制御を精度の高い安定した制御を可能とする流水検知装置を提供することを特徴とする。

【課題を解決するための手段】
【0022】
配管の途中に設けられ、2次側圧力の低下により本弁を開放して加圧水を給水し、流水検知部により流水検知信号を出力する流水検知装置に於いて、
本弁をシリンダ室に収納自在に設け、シリンダ室に対する圧力水の供給制御により本弁を開閉する本弁駆動部と、
本弁の1次側と2次側とバイパスするバイパス配管に設けられ、不作動流水機構と調圧パイロット機構を備える制御弁と、
を設け、
制御弁の不作動流水機構は、2次側圧力が所定の締切設定圧力を超えている場合に1次側と2次側を切離し、2次側圧力が締切設定圧力以下に低下した場合に2次側に1次側圧力水を供給して2次側圧力を回復させる弁機構を備え、
制御弁の調圧パイロット機構は、2次側圧力が締切設定圧力に対し所定値だけ低い所定の調圧設定圧力に低下するまで1次側を前記シリンダ室に連通すると共に2次側を1次側及びシリンダ室から切離して本弁を閉鎖方向へ付勢し、2次側圧力が調圧設定圧力以下に低下した場合は2次側をシリンダ室に連通すると共に1次側を2次側及びシリンダ室から切離して本弁を開放させる弁機構を備えたことを特徴とする。
【0023】
ここで、不作動流水量弁機構は、
スプリング荷重を軸方向に設定するスプリングと、
ダイヤフラムの一方の面にスプリングのスプリング荷重を受けると共にダイヤフラムの他方の面に形成したダイヤフラム室に2次側圧力を導入し、スプリング荷重と2次側圧力との大小関係に応じてダイヤフラムを変位させるダイヤフラム機構と、
1次側と2次側を連通する第1連通路と、
第1連通路を貫通して軸方向に移動自在に配置され、一端に前記スプリングを当接すると共に他端に前記ダイヤフラムを当接したプランジャと、
プランジャと一体に形成された弁体と、
を備え、
2次側圧力による前記ダイヤフラムの押圧力がスプリング荷重より大きい場合のダイヤフラムの一方向への変位により、プランジャの弁体により1次側から2次側への流路を閉鎖し、2次側圧力によるダイヤフラムの押圧力が前記スプリング荷重より小さい場合の前記ダイヤフラムの逆方向への変位により、プランジャの弁体を開放し1次側から2次側への流路を開放し、
制御弁の調圧パイロット機構は、
1次側、2次側及びシリンダ室の各々と連通する第2連通路を形成し、
不作動流水機構のプランジャと同一方向に移動自在に収納され、第2連通路を貫通して連通状態を切り換える弁体を有するプランジャと、
を備え、
2次側圧力の低下に伴い不作動流水機構を前記ダイヤフラムの一方向への変位に連動して調圧パイロット機構のプランジャを移動させ、1次側と2次側を切り離すと共にシリンダ室を2次側に連通して本弁を開放させ、一方、2次側圧力の増加に伴うダイヤフラムの逆方向への変位に連動して調圧パイロット機構のプランジャを移動させ、シリンダ室を2次側から切り離し、同時に1次側圧力水を前記シリンダ室に導入して本弁を閉鎖方向へ付勢させる。
【0024】
不作動流水機構のプランジャと前記調圧パイロット機構のプランジャは前記ダイヤフラムを間に介して同軸上に配置される。
【0025】
また不作動流水機構は、
スプリング荷重を軸方向に設定するスプリングと、
ダイヤフラムの一端に前記スプリングのスプリング荷重を受けると共にダイヤフラムの他端に形成したダイヤフラム室に2次側圧力を導入し、スプリング荷重と2次側圧力との大小関係に応じて前記ダイヤフラムを変位させるダイヤフラム機構と、
1次側圧力水を導入した第1弁室と、
2次側圧力水を導入した第2弁室と、
第1弁室と第2弁室を連通する軸方向の弁穴と、
弁穴の第1弁室の開口部に形成された弁シートと、
第1弁室、弁穴及び第2弁室を貫通して軸方向に移動自在に配置され、一端にスプリングを当接すると共に他端に前記ダイヤフラムを当接したプランジャと、
プランジャと一体に形成され手前記第1弁室に収納された弁体と、
を備え、
2次側圧力による前記ダイヤフラムの押圧力がスプリング荷重より大きい場合のダイヤフラムの一方向への変位により、プランジャの弁体を弁シートに当接して1次側から2次側への流路を閉鎖し、2次側圧力による前記ダイヤフラムの押圧力が前記スプリング荷重より小さい場合の前記ダイヤフラムの逆方向への変位により、プランジャの弁体を弁シートから離して1次側から2次側への流路を開放する。
【0026】
また制御弁の調圧パイロット機構は、
1次側圧力水を導入した第3弁室と、
第3弁室に隣接して軸方向に配置され、2次側圧力水を導入した第4弁室と、
第4弁室に隣接して軸方向に配置され、本弁の制御圧力を導入した第5弁室と、
第3弁室と第4弁室を連通する軸方向の第1連通穴と、
第1連通穴に軸方向に移動自在に収納され、軸方向に弁穴を形成した第1プランジャと、
第1連通穴と同時に前記第3弁室を貫通して前記ダイヤフラム室に連通した第2連通穴と、
第2連通穴の第4弁室の開口部に形成され、第1プランジャの当接を受ける弁シートと、
第1プランジャを弁シートに当接する閉鎖方向に付勢するバルブスプリングと、
第2連通穴に軸方向に移動自在に設けられ、一端をダイヤフラムに支持されると共に、他端を第1プランジャに相対させた第2プランジャと、
を備え、
2次側圧力の低下に伴い不作動流水量弁機構を開放させるダイヤフラムの一方向への変位により、第2プランジャの先端を第1プランジャに当接させて移動させることにより、第3弁室と第4弁室の流路を閉鎖して1次側と2次側を切り離し、同時に第5弁室と第4弁室の流路を開いてシリンダ室を2次側に連通して本弁を開放させ、一方、2次側圧力の増加に伴うダイヤフラムの逆方向への変位により、第2プランジャの先端を第1プランジャから離す方向に移動させることにより、第5弁室と第4弁室の流路を閉鎖してシリンダ室を2次側から切り離し、同時に第3弁室と第4弁室の流路を開いて1次側圧力水をシリンダ室に導入して本弁を閉鎖させる。
【0027】
ダイヤフラムの2次側加圧面側に前記調圧パイロット機構を配置し、スプリング荷重のみを受けることで、不作動流水量弁機構を開放状態に保持すると共に、調圧パイロット弁機構について2次側をシリンダ室に連通すると共に1次側を2次側及びシリンダ室から切離して本弁を開放状態に保持させる。
【0028】
本弁駆動部のシリンダ室の圧力水を排出して前記本弁を開放させる手動開放弁を設ける。
【0029】
制御弁を配置したパイパス配管の1次側に、2次側圧力に対し1次側圧力が低下したときに閉鎖するチャッキ弁を設ける。
【0030】
制御弁に設けた不作動流水量弁機構の2次側バイパス配管に、所定の不作動流水量を流す定流量弁を配置する。

【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、不作動流水機構と調圧パイロット機構を備える制御弁によって調圧制御と不作動流水量制御を行うことができ、装置の小型化を達成することができる。
【0032】
また、不作動流水機構と調圧パイロット機構を独立して設けたことで、不作動流水制御に影響されることなく、調圧パイロット制御により本弁を作動して2次側圧力を設定圧力値(締切設定圧力値)に高い応答性を持って精度良く制御することができ、1次側圧力が高圧であっても、本弁作動時に2次側圧力を大きくオーバーシュートして高圧にすることがなく、このため2次側高圧を防ぐために安全弁を設ける必要がなく、装置構成も簡単にできる。
【0033】
また、不作動流水機構の2次側に定流量弁を配置することによって、1次側圧力の設定範囲が広い設備であっても、安定した不作動流水を2次側に供給して2次側圧力を設定圧力値に回復させることができる。
【0034】
また、流水検知装置の主弁が何らかの原因で開弁しない場合は、手動開放弁を操作してシリンダ室の圧力水を強制的に排水して全開とすることができる。
【0035】
また不作動流水機構と調圧パイロット機構の制御にダイヤフラム機構を使用し、ダイヤフラムが破損して機能を送出しても、不作動流水量弁機構と調圧パイロット機構は開放側に動作し、調圧機能は失われても本弁は開放側に動作して2次側に確実に圧力水を供給するフェイルセーフが果たされる。

【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】通常監視状態における本発明による流水検知装置の実施形態を示した説明図
【図2】本実施形態における1次側及び2次側圧力と調圧パイロット弁機構、本弁および不作動流水量弁機構の動作の関係を示した説明図
【図3】通常監視状態における図1の制御弁を取り出し示した断面図
【図4】本弁作動状態における流水検知装置の実施形態を示した説明図
【図5】本弁作動状態における図4の制御弁を取り出し示した断面図
【図6】不作動流水状態における本実施形態の制御弁を取り出し示した断面図
【図7】減圧弁設備を設けた従来の流水検知装置を示した説明図
【図8】2次側調圧機能を備えた従来の流水検知装置を示した説明図
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は通常監視状態における本発明による流水検知装置の実施形態を示した説明図である。図1において、流水検知装置10は、例えば高層ビル等の加圧給水装置が接続された給水本管から分岐された各階の分岐管の途中に設けられている。
【0038】
流水検知装置10は弁ボディ12の下側に1次側の流入口14を形成し、ここに仕切弁16を介して1次側配管18を接続している。弁ボディ12の上側には2次側となる流出口20が形成され、ここに2次側配管22を接続し、2次側配管22の先にはスプリンクラーヘッドが接続されている。
【0039】
弁ボディ12の内部には、本弁24が後方に一体に形成したピストン28により摺動自在に組み込まれており、弁ボディ12側に一体に形成した弁シート26に当接して、通常監視状態では閉鎖状態となっている。本弁24の背後に形成されたピストン28はシリンダ室30に摺動自在に組み込まれており、シリンダ室30にはピストンを閉鎖方向に付勢するリターンスプリング34が組み込まれている。
【0040】
弁ボディ12内に設けた弁シート26の本弁24が当接するシート面の開口からは外部に配管36が接続され、配管36の先端には信号停止弁38を介して圧力スイッチ40が接続されている。また配管36の下側は、オートドリップ42及びチャッキ弁44を介して配水管側に接続されている。また弁ボディ12の2次側からは配管45が引き出されて配水管に接続され、配管45には排水弁46を接続している。更に弁ボディ12の1次側には空気抜き弁57が設けられている。
【0041】
圧力スイッチ40は流水検知部として機能し、本弁24が開放した際に、弁シート26の流入口から加圧水を配管36を介して導入し、配管36による流入量がオートドリップ42の排出量を超えると、圧力スイッチ40に圧力水が加わって作動することによりタイマを起動し、所定時間後に流水検知信号を外部に出力する。
【0042】
本弁24と一体に形成したピストン28と、シリンダ室30及びリターンスプリング34は、流水検知装置10に設けた本弁24の本弁駆動機構を構成し、この本弁駆動機構は本弁24の1次側と2次側を接続するバイパス配管48に設けた制御弁50により制御される。
【0043】
バイパス配管48に設けた制御弁50は、不作動流水量弁部52と調圧パイロット弁部54を同一軸上に一体に配置した弁構造を備えている。即ち制御弁50は、不作動流水量弁機構と調圧パイロット弁機構という2つの弁機構を一体に備えている。
【0044】
制御弁50の1次側のバイパス配管48にはチャッキ弁56が設けられ、1次側圧力が低下しても、チャッキ弁56が閉鎖することで2次側圧力が低下しないようにしており、このバイパス配管48にチャッキ弁56を導入することによって流水検知装置10全体を逆止弁構造としている。
【0045】
バイパス配管48は制御弁50に設けた不作動流水量弁部52と調圧パイロット弁部54にそれぞれ分岐されて接続され、2次側をそれぞれから分岐されて取り出されている。また制御弁50に設けた調圧パイロット弁部54に対しては、シリンダ室30が配管49を介して接続され、この配管49には手動開放弁55が接続されている。
【0046】
手動開放弁55は、流水検知装置10の本弁24の開閉制御が何らかの原因でできなくなった異常時に、手動開放弁55を開くことで、シリンダ室30の加圧水を強制的に排水し、1次側圧力による押上げで本弁24を全開位置に作動できるようにしている。
【0047】
また、手動開放弁55は施工時における配管内のゴミを取り除くための配管フラッシング作業や、弁座にゴミなどが紙込んだ際に手動で全開状態に開放させ、水流で取り除く作業にも利用できる。
【0048】
制御弁50に設けた不作動流水量弁部52から引き出された2次側に対するバイパス配管の途中には定流量弁58が設けられ、不作動流水量弁部52の制御で流す不作動流水量を一定流量とするようにしている。定流量弁58としては、簡単な場合はオリフィスであっても良いし、これ以外に、入力圧力の如何に関わらず流量を一定に保つ公知の定流量弁を使用することもできる。
【0049】
更に流水検知装置10の1次側には1次側圧力計60が接続され、2次側には2次側圧力計61が接続されている。
【0050】
図2は本実施形態における1次側圧力及び2次側圧力と、調圧パイロット弁部54、本弁24及び不作動流水量弁部52の動作の関係を示した説明図である。図2において、縦軸は圧力Pであり、1次側圧力P1に対し2次側の設定圧力値となる締切設定圧力P2が設定され、更に、これより低い位置に調圧パイロット設定圧力P3が設定されている。
【0051】
なお1次側圧力P1は1次側圧力設定範囲Aの中の一点であり、高層ビルの場合には、1次側圧力P1は1次側圧力範囲Aの中で、低層階においては高く、高層階になるほど低い値をとるようになる。
【0052】
図1に示した通常監視状態にあっては、本弁24は閉鎖状態にあり、このとき2次側配管22の圧力は予め定めた締切設定圧力P2となっている。
【0053】
通常監視状態で2次側配管22側の漏水などにより2次側圧力が締切設定圧力P2より低下すると、それまで閉鎖状態にあった不作動流水量弁部52が開作動し、バイパス配管48から開放した不作動流水量弁部52を通って、更に定流量弁58で決まる一定の不作動流水量の流水を2次側に供給し、低下した2次側圧力を締切設定圧力P2に回復させる。このとき本弁24は閉鎖状態にあることから、このときの流水を不作動流水と呼んでいる。
【0054】
火災などによりスプリンクラーヘッドが作動して2次側配管に一定量を超える流水が発生すると、2次側圧力は締切設定圧力P2から急速に低下し、まず不作動流水量弁部52が開いてバイパス配管48により1次側圧力水を2次側に供給するが、これでは2次側圧力は回復せず、締切設定圧力P2に対し所定値だけ低い位置に設定した調圧パイロット設定圧力P3を下回ると、本弁24の開放による調圧制御が開始される。
【0055】
ここで調圧パイロット弁部54は、2次側圧力が調圧パイロット設定圧力P3に低下するまではバイパス配管48の1次側をシリンダ室30に連通すると同時に、2次側のバイパス配管を切り離した状態としており、このため1次側の圧力水が調圧パイロット弁部54を介してシリンダ室30に供給され、ピストン28の押圧により本弁24を閉鎖した状態にある。
【0056】
この状態で2次側圧力が低下して調圧パイロット設定圧力P3以下になると、調圧パイロット弁部54はシリンダ室30を2次側に連通すると同時に、1次側をシリンダ室30から切り離す切替え状態となる。このためシリンダ室30の加圧水が調圧パイロット弁部54を通って2次側に流出し、これによってシリンダ室30の圧力が低下し、本弁24の開放が行われる。
【0057】
本弁24が開放すると、1次側加圧水が2次側に供給されることで2次側圧力が回復し、2次側圧力が調圧パイロット設定圧力P3を超えると再び本弁24が閉鎖方向に移動され、以下、本弁24の開閉を繰り返しながら、調圧パイロット設定圧力P3を維持するように1次側圧力水を2次側に継続的に供給することになる。
【0058】
図3は通常監視状態における図1の制御弁を取り出して示した断面図である。図3において、制御弁50は上部にスプリング62を組み込み、その下に不作動流水量弁部52を配置し、続いてダイヤフラム74とダイヤフラム室76を備えたダイヤフラム機構を介して、同一軸線上となる下側に調圧パイロット弁部54を配置している。
【0059】
不作動流水量弁部52には、1次側のバイパス配管48が接続されたポートaを連通した第1弁室64と、2次側のバイパス配管48aを接続したポートbを連通した第2弁室66を軸方向に配置し、第1弁室64と第2弁室66を結ぶ連通穴に対し、スプリング62のスプリング荷重を受けたプランジャ68を摺動自在に配置している。プランジャ68の第1弁室64の部分には弁体70が設けられ、弁体70の上側の弁穴の開口部には弁シート72が形成されている。
【0060】
不作動流水量弁部52の下側にはダイヤフラム74が配置され、ダイヤフラム74の下側にダイヤフラム室76が形成され、ダイヤフラム室76には2次側のバイパス配管48bが接続されたポートdに連通し、2次側圧力水をダイヤフラム室76に導入している。不作動流水量弁部52に設けたプランジャ68は、上側についてはスプリング62によるスプリング荷重を受け、下側についてはダイヤフラム74のダイヤフラム室76に導入した2次側圧力による押圧力を受けている。
【0061】
ダイヤフラム74の下側に配置した調圧パイロット弁部54は、1次側のバイパス配管48を接続したポートcに連通して下端部に第3弁室78を形成し、その上側に2次側のバイパス配管48bを接続したポートdに連通する第4弁室80を形成し、更に第4弁室80とダイヤフラム74側を連通する軸穴の途中に、シリンダ室30へ配管49により接続するポートeを連通している。
【0062】
第3弁室78と第4弁室80の間には軸方向の軸穴が形成され、この軸穴に第1プランジャ84を摺動自在に組み込んでいる。第1プランジャ84は、軸方向に連通穴84aを形成すると共に、上端に弁部84bを形成し、更にバルブスプリング85を設けている。
【0063】
シリンダ室30に連通するポートeが形成された軸穴となる第5弁室82には、ダイヤフラム74に連結された第2プランジャ86が摺動自在に組み込まれており、第2プランジャ86は、図示の通常監視状態にあっては、先端を第1プランジャ84から離れた位置に配置しており、このため第1プランジャ84はバルブスプリング85により弁部84bを弁シートに当接した閉鎖位置に保持されている。
【0064】
このような通常監視状態における制御弁50にあっては、ダイヤフラム74にはスプリング62によるスプリング荷重がプランジャ68を介して加わり、同時にダイヤフラム室76に導入した2次側圧力による上向きの力が加わり、スプリング荷重と2次側圧力による力とのバランスにより決まる図示の位置にダイヤフラム74が位置し、この通常監視状態におけるダイヤフラム74の位置、即ち2次側圧力が図2に示した締切設定圧力P2にあるときには、プランジャ68の弁体70が弁シート72に当接されて1次側と2次側の流路を閉鎖しており、不作動流水量弁部52は閉鎖状態に置かれている。
【0065】
一方、下側の調圧パイロット弁部54にあっては、ダイヤフラム74の通常監視状態における位置で第2プランジャ86の先端は弁穴の内部に入った状態にあり、弁穴の開口の弁シートに対し、バルブスプリング85により第1プランジャ84が当接して閉鎖状態としている。
【0066】
このため1次側のポートcは、第3弁室78、第1プランジャ84の連通穴84a、及び第5弁室85のポートeから配管49を介してシリンダ室30に連通し、1次側圧力水を図1に示したシリンダ室30に加えている。
【0067】
一方、2次側のポートdについては、第1プランジャ84の弁部84bの当接による閉鎖で、2次側のポートdは1次側のポートc及びシリンダ室30から切り離された状態に置かれている。したがって通常監視状態にあっては、図1に示すように、流水検知装置10の本弁24は2次側に締切設定圧力P2を保持した閉鎖状態に置かれている。
【0068】
図4は本弁作動状態における流水検知装置の実施形態を示した説明図である。図4にあっては、2次側配管22側に設けたスプリンクラーヘッドが火災により作動して放水した場合であり、スプリンクラーヘッドからの放水により2次側圧力が急速に低下する。
【0069】
2次側圧力が低下すると、図2に示したように、締切設定圧力P2を下回ったときに制御弁50の不作動流水量弁部52が開放し、バイパス配管48を介して2次側に不作動流水を流すが、これだけでは2次側の圧力は回復せず、更に2次側圧力は低下する。
【0070】
2次側圧力が図2に示した調圧パイロット設定圧力P3を下回ると、調圧パイロット弁部54が動作して1次側を切り離すと共に、シリンダ室30を2次側に連通することで、シリンダ室30の圧力水を調圧パイロット弁部54を介して2次側に流出し、これによってシリンダ室30の圧力を低下させ、本弁24は1次側圧力に押されて開放し、1次側加圧水を2次側に供給する。
【0071】
図5は本弁作動状態における図4の制御弁を取り出して示した断面図である。図5にあっては、2次側圧力が図2に示した調圧パイロット設定圧力P3以下に低下した状態であり、この状態にあっては、ダイヤフラム室76に加わる2次側圧力の低下による力に対し、スプリング62によるスプリング荷重が打ち勝って、ダイヤフラム74は下方に移動し、不作動流水量弁部52の開状態を継続したまま、ダイヤフラム74は第2プランジャ86を下側に移動し、第2プランジャ86の先端で第1プランジャ84を押し下げる。
【0072】
これによって第1プランジャ84の連通路84aが閉鎖されると同時に、弁部84bが開口部の弁シートから離れる。したがって、シリンダ室30に連通するポートeが2次側のバイパス配管48bのポートdに連通し、同時に1次側のポートc側は2次側及びシリンダ室30側から切り離される。このため図4に示したシリンダ室30の加圧水はポートeから流入し、ポートdを通って2次側に流出し、シリンダ室30の圧力が2次側の圧力低下に伴って急速に低下し、本弁24の開放動作が行われる。
【0073】
本弁24が開放されると、2次側に対する1次側加圧水の供給により2次側圧力が回復し、2次側圧力が図2に示す調圧パイロット設定圧力P3に回復すると、図5の下側に変位したダイヤフラムが上方にリフトし、第1プランジャ84に対する当接を解除し、1次側のポートcをシリンダ室30のポートeに連通して、2次側のポートdを切り離す閉鎖状態に戻り、これによって1次側圧力がシリンダ室30に供給され、ピストン28の押圧で開放した本弁24を閉じ、2次側に対する加圧水の供給を停止する。
【0074】
このとき不作動流水量弁部52に設けた弁体70は、弁シート72に当接する位置までは戻っておらず、不作動流水量弁部52は開放状態を維持している。以後、2次側のスプリンクラーヘッドからの放水が継続している間は、調圧パイロット弁部54は図2の調圧パイロット設定圧力P3を維持するように本弁24の開閉制御を繰り返している。
【0075】
図6は不作動流水状態における本実施形態の制御弁を取り出して示した断面図である。図6において、不作動流水状態にあっては、図1に示した通常監視状態において、2次側の漏水などにより2次側圧力が図2の締切設定圧力P2を下回った場合である。この場合にはダイヤフラム室76に対する2次側圧力の低下でスプリング62のスプリング荷重に押されて、ダイヤフラム74は図3に示した通常監視状態に対し下側に移動する。
【0076】
これに伴って第1プランジャ68が下降して弁体70を弁シート72から離すことで、1次側に連通したポートaと2次側に連通したポートbの間を開き、バイパス配管48を通して2次側に加圧水を流水する。この2次側に流れる加圧水は、図1に示したように不作動流水量弁部52の2次側のバイパス配管に設けている定流量弁58により決まる一定流量となる。
【0077】
2次側に対する不作動流水が行われると、低下した2次側圧力が回復し、図2に示した締切設定圧力P2に回復したときにダイヤフラム74は図3に示した通常監視状態に示す位置にリフトし、弁体70を弁シート72に当接して1次側と2次側の連通を遮断する閉鎖状態とする。
【0078】
次に図3に示した通常監視状態でダイヤフラム74が破れた場合の動作を説明する。経年変化などの理由でダイヤフラム74が破れると、ダイヤフラム室76に対する2次側圧力水が漏洩し、ダイヤフラム74を2次側圧力水により上側に押す力が失われる。このためダイヤフラム74は、スプリング62によるスプリング荷重のみを受けて下側に押されることになる。
【0079】
スプリング62によりダイヤフラム74が下側の当接位置まで押されると、不作動流水量弁部52についてはプランジャ68の弁体75が弁シート72から離れることで、1次側を2次側に連通した開放状態となり、バイパス流路48を不作動流水量弁部52を介して2次側に連通した状態となる。
【0080】
また調圧パイロット弁部54にあっては、ダイヤフラム74の当接位置までの下降により第2プランジャ86が第1プランジャ84を押し下げ、シリンダ室30のポートeを2次側のポートdに連通し、一方、1次側のポートcを切り離し、シリンダ室30は常に2次側に連通した状態となる。
【0081】
このため、火災によりスプリンクラーヘッドが作動したとすると、2次側圧力水の低下によりシリンダ室の加圧水が2次側に排出されて、シリンダ室30の圧力が急速に低下し、本弁24は全開位置まで開放し、1次側加圧水を2次側に継続的に供給することができる。
【0082】
このように、制御弁50に設けたダイヤフラム74が破損しても、不作動流水量弁部52及び調圧パイロット弁部54は共に、2次側に1次側加圧水を供給するフェイルセーフ側に動作し、ダイヤフラム74の破損によって、漏水時あるいは火災時のスプリンクラー作動時に流水検知装置10が確実に動作して2次側に加圧水を供給するフェイルセーフ動作を実現することができる。
【0083】
なお上記の実施形態にあっては、制御弁50に設けた不作動流水量弁部52の2次側のバイパス配管に定流量弁58を設けているが、1次側圧力範囲が広くない固定的に決まるような設備にあっては、定流量弁58を設けなくともよい。
【0084】
また本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。

【符号の説明】
【0085】
10:流水検知装置
12:弁ボディ
18:1次側配管
22:2次側配管
24:本弁
26:弁シート
28:ピストン
30:シリンダ室
34:リターンスプリング
48:バイパス配管
50:制御弁
52:不作動流水量弁部
54:調圧パイロット弁部
58:定流量弁
62:スプリング
68:プランジャ
84:第1プランジャ
84a:連通穴
84b:弁部
86:第2プランジャ
a〜e:ポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管の途中に設けられ、2次側圧力の低下により本弁を開放して加圧水を給水し、流水検知部により流水検知信号を出力する流水検知装置に於いて、
前記本弁をシリンダ室に収納自在に設け、前記シリンダ室に対する圧力水の供給制御により前記本弁を開閉する本弁駆動部と、
前記本弁の1次側と2次側とバイパスするバイパス配管に設けられ、不作動流水機構と調圧パイロット機構を備える制御弁と、
を設け、
前記制御弁の不作動流水機構は、2次側圧力が所定の締切設定圧力を超えている場合に1次側と2次側を切離し、2次側圧力が前記締切設定圧力以下に低下した場合に2次側に1次側圧力水を供給して2次側圧力を回復させる弁機構を備え、
前記制御弁の調圧パイロット機構は、2次側圧力が前記締切設定圧力に対し所定値だけ低い所定の調圧設定圧力に低下するまで1次側を前記シリンダ室に連通すると共に2次側を1次側及び前記シリンダ室から切離して前記本弁を閉鎖方向へ付勢し、2次側圧力が前記調圧設定圧力以下に低下した場合は2次側を前記シリンダ室に連通すると共に1次側を2次側及び前記シリンダ室から切離して前記本弁を開放させる弁機構を備えたことを特徴とする流水検知装置。

【請求項2】
請求項1記載の流水検知装置に於いて、
前記不作動流水機構は、
スプリング荷重を軸方向に設定するスプリングと、
ダイヤフラムの一方の面に前記スプリングのスプリング荷重を受けると共に前記ダイヤフラムの他方の面に形成したダイヤフラム室に2次側圧力を導入し、前記スプリング荷重と2次側圧力との大小関係に応じて前記ダイヤフラムを変位させるダイヤフラム機構と、
前記1次側と2次側を連通する第1連通路と、
前記第1連通路を貫通して軸方向に移動自在に配置され、一端に前記スプリングを当接すると共に他端に前記ダイヤフラムを当接したプランジャと、
前記プランジャと一体に形成された弁体と、
を備え、
2次側圧力による前記ダイヤフラムの押圧力が前記スプリング荷重より大きい場合の前記ダイヤフラムの一方向への変位により、前記プランジャの弁体により1次側から2次側への流路を閉鎖し、2次側圧力による前記ダイヤフラムの押圧力が前記スプリング荷重より小さい場合の前記ダイヤフラムの逆方向への変位により、前記プランジャの弁体を開放し1次側から2次側への流路を開放し、
前記制御弁の調圧パイロット機構は、
前記1次側、2次側及びシリンダ室の各々と連通する第2連通路を形成し、
前記不作動流水機構のプランジャと同一方向に移動自在に収納され、前記第2連通路を貫通して連通状態を切り換える弁体を有するプランジャと、
を備え、
2次側圧力の低下に伴い前記不作動流水機構を前記ダイヤフラムの一方向への変位に連動して前記調圧パイロット機構のプランジャを移動させ、前記1次側と2次側を切り離すと共に前記シリンダ室を2次側に連通して本弁を開放させ、一方、2次側圧力の増加に伴う前記ダイヤフラムの逆方向への変位に連動して前記調圧パイロット機構のプランジャを移動させ、前記シリンダ室を2次側から切り離し、同時に前記1次側圧力水を前記シリンダ室に導入して本弁を閉鎖方向へ付勢させることを特徴とする流水検知装置。

【請求項3】
請求項2記載の流水検知装置に於いて、
前記不作動流水機構のプランジャと前記調圧パイロット機構のプランジャは前記ダイヤフラムを間に介して同軸上に配置されたことを特徴とする流水検知装置。

【請求項4】
請求項1記載の流水検知装置に於いて、
前記不作動流水機構は、
スプリング荷重を軸方向に設定するスプリングと、
ダイヤフラムの一方の面に前記スプリングのスプリング荷重を受けると共に前記ダイヤフラムの他方の面に形成したダイヤフラム室に2次側圧力を導入し、前記スプリング荷重と2次側圧力との大小関係に応じて前記ダイヤフラムを変位させるダイヤフラム機構と、
1次側と2次側弁室と、
前記第1弁室と第2弁室を連通する軸方向の弁穴と、
前記第1弁室、弁穴及び第2弁室を貫通して軸方向に移動自在に配置され、一端に前記スプリングを当接すると共に他端に前記ダイヤフラムを当接したプランジャと、
前記プランジャと一体に形成され前記第1弁室に収納された弁体と、
を備え、
2次側圧力による前記ダイヤフラムの押圧力が前記スプリング荷重より大きい場合の前記ダイヤフラムの一方向への変位により、前記プランジャの弁体を弁シートに当接して1次側から2次側への流路を閉鎖し、2次側圧力による前記ダイヤフラムの押圧力が前記スプリング荷重より小さい場合の前記ダイヤフラムの逆方向への変位により、前記プランジャの弁体を弁シートから離して1次側から2次側への流路を開放し、
前記制御弁の調圧パイロット機構は、
1次側圧力水を導入した第3弁室と、
前記第3弁室に隣接して軸方向に配置され、2次側圧力水を導入した第4弁室と、
前記第4弁室に隣接して軸方向に配置され、前記本弁の制御圧力を導入した第5弁室と、
前記第3弁室と第4弁室を連通する軸方向の第1連通穴と、
前記第1連通穴に軸方向に移動自在に収納され、軸方向に弁穴を形成した第1プランジャと、
前記第1連通穴と同時に前記第3弁室を貫通して前記ダイヤフラム室に連通した第2連通穴と、
前記第2連通穴の第4弁室の開口部に形成され、前記第1プランジャの当接を受ける弁シートと、
前記第1プランジャを弁シートに当接する閉鎖方向に付勢するバルブスプリングと、
前記第2連通穴に軸方向に移動自在に設けられ、一端を前記ダイヤフラムに支持されると共に、他端を前記第1プランジャに相対させた第2プランジャと、
を備え、
2次側圧力の低下に伴い前記不作動流水機構を開放させる前記ダイヤフラムの一方向への変位により、前記第2プランジャの先端を前記第1プランジャに当接させて移動させることにより、前記第3弁室と第4弁室の流路を閉鎖して1次側と2次側を切り離し、同時に前記第5弁室と第4弁室の流路を開いて前記シリンダ室を2次側に連通して本弁を開放させ、一方、2次側圧力の増加に伴う前記ダイヤフラムの逆方向への変位により、前記第2プランジャの先端を前記第1プランジャから離す方向に移動させることにより、前記第5弁室と第4弁室の流路を閉鎖して前記シリンダ室を2次側から切り離し、同時に前記第3弁室と第4弁室の流路を開いて1次側圧力水を前記シリンダ室に導入して本弁を閉鎖させることを特徴とする流水検知装置。

【請求項5】
請求項2、4記載の流水検知装置に於いて、前記ダイヤフラムの2次側加圧面側に前記調圧パイロット機構を配置し、前記ダイヤフラムが破損した場合、前記スプリング荷重のみを受けることで前記不作動流水機構を連通状態に保持すると共に、前記調圧パイロット機構について2次側を前記シリンダ室に連通すると共に1次側を2次側及び前記シリンダ室から切離して前記本弁を開放状態に保持させることを特徴とする流水検知装置。

【請求項6】
請求項1記載の流水検知装置に於いて、前記本弁駆動部のシリンダ室の圧力水を排出して前記本弁を開放させる手動開放弁を設けたことを特徴とする流水検知装置。

【請求項7】
請求項1記載の流水検知装置に於いて、前記制御弁を配置したパイパス配管の1次側に、2次側圧力に対し1次側圧力が低下したときに閉鎖するチャッキ弁を設けたことを特徴とする流水検知装置。

【請求項8】
請求項1記載の流水検知装置に於いて、前記制御弁に設けた不作動流水機構の2次側バイパス配管に、所定の不作動流水量を流す定流量弁を配置したことを特徴とする流水検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−24793(P2011−24793A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−173947(P2009−173947)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【出願人】(591017847)小熊機械株式会社 (2)
【Fターム(参考)】