流路形成方法とそれを用いた生体分析用デバイス
【課題】流体の定量に必要な速度を考慮できる流体形成方法およびそれを用いた生体分析用デバイスを提供することを目的とする。
【解決手段】生体分析用デバイスに形成する毛細管流路の幅wと厚みdpを、毛細管流路を移動する液体の粘性係数の修正係数Aによって決定し、あらかじめ規定した液体の速度になるように形成する。
【解決手段】生体分析用デバイスに形成する毛細管流路の幅wと厚みdpを、毛細管流路を移動する液体の粘性係数の修正係数Aによって決定し、あらかじめ規定した液体の速度になるように形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛細管力によって液体の移送を制御する生体分析用デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生物学的流体を光学的に分析する方法として液体流路を形成したマイクロデバイスを用いて分析する方法が知られている。マイクロデバイスは毛細管を使って流体を制御することが可能であり、毛細管力を利用して試料の採取、定量、移送、分配等を行うことができるため、種々の生物化学的な分析を行うことが可能である。
【0003】
毛細管力を利用して試料の採取を行う方法として特許文献1を挙げることができる。
図10は従来の試料液を毛細管力によって計量採取して試料液を希釈液で希釈・混合し、その希釈された試料液を定量分配して、検査部で検査するための回転分析装置の構成を示したものである。
【0004】
複数の射出成型された基板で構成されているパネルには、試料液を計量および貯留するための試料液貯留部901と、希釈液を計量し収容するための希釈液計量部904と、溢流した希釈液を収容するための溢流部903と、試料液と希釈液を混合し受容するための受容部902とで構成されている。試料液貯留部901は、壁面の一部あるいは全てが親水処理されており、毛細管力により試料液501を吸い上げられるような構造になっている。
【0005】
試料液501が血液である場合、まず、採血用穿刺器具を用いて指先503に針を穿刺して血液だまりを作る。そこに試料液貯留部901の先端部を触れさせることで、試料液貯留部901に毛細管力によって試料液501となる血液の吸い上げが開始される。
【0006】
吸い上げられた試料液501によって、試料液貯留部901と、試料液貯留部901と受容部902を連結する毛細管906とを満たし、毛細管906と受容部902の連結部で停止することで、試料液501は試料液貯留部901と毛細管906の容量で定量採取される。なお、905は溢流壁、907は毛細管、908は空気孔、909は管路、910,911は空気孔である。
【特許文献1】特開2008−64701公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の構成では、試料液貯留部901と毛細管906の容量が、必要とするサンプル量に設定されてはいるけれども、試料液貯留部901の先端部を試料液501の血液だまりに触れさせている時間が十分でない場合には、試料液貯留部901と毛細管906に定量の血液を吸い上げることが出来ないため、この場合には分析結果が不正確になる問題がある。
【0008】
本発明は、所定の時間で必要量の検体を採取でき、正確な検査ができる流路形成方法とそれを用いた生体分析用デバイスの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1記載の流路形成方法は、内部に形成された流路の毛細管力によって液体の移送を制御する生体分析用デバイスにおいて、長さlの前記流路に規定量の前記液体を規定時間以内に吸い上げる目標速度を得るに必要な前記流路の断面形状を決定するに際し、前記流路の前記液体に作用する加速度と、前記流路における単位質量当たりの前記液体に作用する力との運動方程式における前記液体に作用する力を決定する前記液体の粘性係数を、前記流路の幅w,厚みdpに基づく修正係数Aで補正し、前記加速度を決定する速度ベクトルが前記目標速度になるように前記流路の幅w,厚みdpを計算することを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2記載の流路形成方法は、内部に形成された流路の毛細管力によって液体の移送を制御する生体分析用デバイスにおいて、長さlの前記流路に規定量の前記液体を規定時間以内に吸い上げる目標速度を得るに必要な前記流路の断面形状を決定するに際し、速度ベクトル,時間,単位体積当たりの前記流体に加わる外力のベクトル,前記液体の密度,圧力,粘性係数と、前記粘性係数を補正する前記流路の幅w,厚みdpに基づく修正係数Aを用いた運動方程式から、前記速度ベクトルが目標速度になるように前記流路の幅w,厚みdpを計算することを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項3記載の流路形成方法は、請求項1または請求項2において、前記粘性係数の修正係数Aが、前記毛細管の幅w,厚みdp,定数a,b,cとしたときに
A ={ a・〔(dp/(w+dp)〕2+ b・〔dp/(w+dp)〕+ c }2
であることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項4記載の生体分析用デバイスは、内部に形成された流路の毛細管力によって必要量の液体を吸い上げて分析に使用する生体分析用デバイスであって、前記流路の前記液体に作用する加速度と、前記流路における単位質量当たりの前記液体に作用する力との運動方程式における前記液体に作用する力を決定する前記液体の粘性係数として、分析対象の範囲で進行速度が最も遅くなる前記液体の場合の粘性係数を使用し、この粘性係数を前記流路の幅w,厚みdpに基づく修正係数Aで補正して、前記加速度を決定する速度ベクトルが前記目標速度になるように前記流路の幅w,厚みdpを設定したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、定量性だけでなく、規定量の液体を規定時間以内に吸い上げるに必要な吸い上げ速度の断面形状にすることができ、所定の時間で必要量の検体を採取でき、正確な分析結果を期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明の流路形成方法を具体的な実施の形態に基づいて説明する。
図1と図2は本発明の生体分析用デバイス101を示す。
生体分析用デバイス101は、射出成型された基板104,105とキャップ部106とで構成されている。基板104,105は何れも透光性の材料によって形成されており、基板105には基板104との貼り合わせ面にマイクロチャネル102となる凹部が形成されている。具体的には、基板104,105のそれぞれの厚みは、1mm,5mmで形成しているが、特に制限は無く、マイクロチャネル102を形成可能な厚みであればよい。
【0015】
基板104,105の形状については、この実施の形態では円形の一部に凹部と凸部を形成した形状としたが、用途目的に応じた形状、例えば、シート状、板状、その他複雑な形状の成形物などの形状が可能である。この実施の形態では、基板104,105の材料として、易成形性、高生産性、低価格の面からプラスチックを使用しているが、ガラス、シリコンウェハー、金属、セラミックなど接合できる材料であれば特に制限はない。
【0016】
この実施の形態では、接着剤を用いて基板104と基板105を接合しているが、使用する材料に応じて超音波を用いた溶融接合やレーザー接合などの接合方法で接合してもかまわない。
【0017】
キャップ部106は、基板104と基板105を貼り合わせて形成された点着部209とその周辺部分を覆うように形成されており、孔106aを基板104,105に形成された凸部104a,105aに係合して回動自在である。
【0018】
基板104,105を貼り合わせて形成されたマイクロチャネル102は、複数の流路と複数の貯留部と検査部などから形成されている。
図3はマイクロチャネル102の構成を示す。
【0019】
マイクロチャネル102は、回転中心103から外周方向に向かって形成された毛細管で形成された検体採取定量部201と、検体採取定量部201より外周方向に形成された検体貯留部202と、回転中心103の近傍に配置された希釈液貯留部203と、希釈液貯留部203より外周方向に配置された希釈液定量部204と、検体貯留部202と希釈液定量部204よりさらに外周方向に配置された混合部205とオーバーフロー部206で構成されている。検体採取定量部201の一方の端部は、生体分析用デバイス101から突出した点着部209を形成しており、点着部209から直接に検体を採取できる構成になっている。さらに、検体貯留部202は、検体貯留部202の外周側と混合部205の内周側で接続されるような毛細管サイフォン207で連結されており、希釈液定量部204についても、希釈液定量部204の外周側と混合部205の内周側で接続されるような毛細管サイフォン208で連結されており、検体や希釈液の移送が可能になっている。
【0020】
生体分析用デバイス101では、このような構成をとることによって、分析対象となる血液等の試料液を後述する毛細管によって所定の時間で採取し、遠心力によって採取した試料液を貯留部に導入する。同時に、その試料液を希釈するための希釈液についても、希釈液定量部204によって定量される。そして、生体分析用デバイス101を回転中心103を軸に回転させ、その回転により発生する遠心力を利用して試料液と希釈液を混合部に流体移動し試料液と希釈液の混合及び混合液の検査を行う。
【0021】
マイクロチャネル102の流路内の粘性抵抗を減らし流体移動をしやすくするために基板104,105の壁面の一部あるいは全ての壁面に親水性処理を行っているが、基板104,105の形成材料としてガラス等の親水性材料を用いたり、成形時に界面活性剤、親水性ポリマー、シリカゲルの如き親性粉末などの親水化剤を添加させて材料表面に親水性を付与させてもかまわない。親水性処理方法としては、プラズマ、コロナ、オゾン、フッ素等の活性ガスを用いた表面処理方法や界面活性剤による表面処理が挙げられる。ここで、親水性とは水との接触角が90度未満のことをいい、より好ましくは接触角40度未満である。
【0022】
生体分析用デバイス101を用いた検体の採取、移送プロセス、測定について詳細に説明する。この実施の形態では、検体に血液301を用いた場合について説明する。
図4に示すように、指先からでた血液301は、点着部209に接触させることによって、毛細管力によって試料採取定量部201に吸い込まれる。
【0023】
次に、図5(a)に示すように、回転中心103を軸に生体分析用デバイス101を回転させることによって、採取し定量された血液301を検体貯留部202に移送する。この回転の際に、生体分析用デバイス101内部にすでに注入されている希釈液502は、希釈液定量部204に移送される。希釈液定量部204では、所望の量の希釈液302が定量された後、不要な希釈液502は、オーバーフロー部206に移送される。
【0024】
次に回転を停止すると、図5(b)のように血液301は毛細管サイフォン207を満たし始め、希釈液302は毛細管サイフォン208も満たし始める。血液301と希釈液502が、それぞれの毛細管サイフォン207と毛細管サイフォン208の混合部205との連結部にまで移送された後、回転中心103を軸に生体分析用デバイス101を再度回転させることによって、図5(c)に示すように血液301と希釈液502は混合部205に移送される。混合部205の内部には血液301に含まれる測定対象と反応することによって色の変化を生じさせるための試薬が塗布されている。
【0025】
混合部205に移送された血液301と希釈液502は、生体分析用デバイス101を回転中心103を軸に揺動させることによって混合される。揺動動作は、図6に示すように生体分析用デバイス101を回転中心103を軸に図6(a)に示す正回転と図6(b)に示す逆回転を交互に繰り返すことで行う。具体的には、±5°の範囲で1秒間に5往復するような揺動を行うことによって、血液301と希釈液502を混合した。その際に、混合部205の内部に担持された試薬112との反応を行わせる。
【0026】
検査すべき試料液118と試薬112を反応させた後、図7に示すように混合部205にレーザー光源806から透過光を照射してその反応状態をフォトディテクタ803で受光し演算部804にて分析して表示部805で測定結果を表示する。測定時には、混合部205に充填された反応液が、反応の割合で吸光度を変化させるため、レーザー光源806から混合部205に透過光を照射し、フォトディテクタ803にてその透過光の光量を測定することで、反応液を透過した光量の変化を測定することができるため、血液301の特性を分析することができる。802は光学測定部、807は回転駆動手段、808は制御手段である。
【0027】
この実施の形態においては、検体採取定量部201が次のように形成されている。
検体採取定量部201は、図3および図8に示すように幅w、厚みdp、長さlの毛細管で形成されており、下記の流路形成方法を実施することによって分析対象として取り扱う検体の物性にかかわらず所定の時間内に採取できる。
【0028】
所定の時間内に検体を採取できるような寸法を算出する方法としては、流体シミュレーションで用いられるナビエ・ストークス(Navier−stokes)方程式がよく知られている。ナビエ・ストークス方程式は、速度ベクトルu,時間t,単位体積当りの流体に加わる外力のベクトルf,液体の密度ρ,圧力p,粘性係数νを用いて下記の式(1)で表される。
【0029】
【数1】
【0030】
しかしながら、ナビエ・ストークス方程式では、流体と壁面の間で生じる流体抵抗の影響が考慮されていないため、毛細管力による流体の進行速度を正確に予測できないという課題を有していた。
【0031】
本発明では、この流体抵抗を考慮するためにナビエ・ストークス方程式で用いられている粘性係数νに、下記の式(2)で表される修正係数Aをかけた式(3)を用いることによって、毛細管力による流体の進行速度を正確に予測することが可能となる。
【0032】
【数2】
【0033】
修正係数Aは、毛細管の流路の幅w,毛細管の流路の厚みdp、定数a,b,cを用いた式で表される。この修正係数Aは、毛細管に使われる材料や、毛細管内部の親水処理方法によって予め毛細管の流路の幅wと、毛細管の流路の厚みを変化させて実験し、その結果から定数a,b,cを求める必要がある。しかし、材料や親水処理方法の組み合わせごとに予め定数a,b,cを求めておくことによって、これを読み出して利用可能である。
【0034】
この実施の形態では、毛細管の材料をPMMA(メタクリル酸メチル樹脂)とし、毛細管内部の幅dpと長さlで形成される面にのみ親水処理を施した。この場合、修正係数Aは、図9の粘性係数の修正係数Aと毛細管断面の寸法(dp/(dp+w))との関係に示す傾向の2次曲線になった。
【0035】
この修正係数Aを式(3)に適用し、最適な毛細管寸法を算出した結果、生体分析用デバイス101では、検査で想定される血液(ヘマトクリット値:20〜60%)を5秒以内に採取できる検体採取定量部201にするために、毛細管進行速度が一番遅くなるヘマトクリット値:60%のときに必要量10μLの血液を5秒以内で採取できる検体採取定量部201として、この修正係数Aを適用した式(3)を用いて、毛細管の幅w=3.0(mm),毛細管の厚みdp=0.34(mm),毛細管の長さl=10(mm)となった。
【0036】
このように、検体採取定量部201における流体の進行速度を精確に予測した上で、流路の寸法を形成することによって、毛細管進行速度のばらつきの大きい物性を持つ血液等の検体においても所定の時間で必要量の検体を採取でき、正確な検査ができる分析装置を実現できる。
【0037】
なお、上記の実施の形態では運動方程式としてナビエ・ストークス方程式の場合を例に挙げて説明したが、このナビエ・ストークス方程式と同様に、流路の液体に作用する加速度と、流路における単位質量当たりの液体に作用する力との運動方程式を基に導き出された理論式であっても、流路における単位質量当たりの液体に作用する力を決定する粘性係数を、流路の幅w,厚みdpに基づく修正係数Aで補正することによって、流路の幅w,厚みdpを決定することができる。例えば、ナビエ・ストークス方程式を基に導き出された理論式として、液体の吸上げ高さhと時間tの関係を示したルーカス−ウォッシュバーン(Lucas-Washburn)の理論式(4)(5)(6)が挙げられるが、この理論式に用いる粘性係数ηを、流路の幅w,厚みdpに基づく修正係数Aで補正した理論式によって、目標とする時間tと吸い上げ高さhを満たすように流路の幅w、厚みdpを決定することによっても実施できる。理論式(4)で用いたパラメータは、t:時間,h:吸上げ高さ,dp:厚み,ρ:溶液密度,η:粘性係数,rL:表面張力,g:重力加速,θ:接触角である。
【0038】
【数3】
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は迅速検査に使用される各種の生体分析用デバイスの高性能化と、分析結果の正確さを実現して、分析装置全般の操作性の向上を期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態における生体分析用デバイスの分解斜視図
【図2】同実施の形態における生体分析用デバイスの背面斜視図
【図3】同実施の形態における生体分析用デバイスの平面図
【図4】同実施の形態における点着時の移送プロセスの説明図
【図5】同実施の形態における血液と希釈液との混合までの移送プロセスの説明図
【図6】同実施の形態における血液と希釈液の混合液の試薬との移送反応プロセスの説明図
【図7】同実施の形態における測光プロセスの説明図
【図8】図3におけるA−AA断面図
【図9】同実施の形態における修正係数Aに関する関係図
【図10】従来の回転分析装置の模式図
【符号の説明】
【0041】
101 生体分析用デバイス
102 マイクロチャネル
103 回転中心
104,105 基板
106 キャップ部
201 検体採取定量部
202 検体貯留部
209 点着部
301 血液
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛細管力によって液体の移送を制御する生体分析用デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生物学的流体を光学的に分析する方法として液体流路を形成したマイクロデバイスを用いて分析する方法が知られている。マイクロデバイスは毛細管を使って流体を制御することが可能であり、毛細管力を利用して試料の採取、定量、移送、分配等を行うことができるため、種々の生物化学的な分析を行うことが可能である。
【0003】
毛細管力を利用して試料の採取を行う方法として特許文献1を挙げることができる。
図10は従来の試料液を毛細管力によって計量採取して試料液を希釈液で希釈・混合し、その希釈された試料液を定量分配して、検査部で検査するための回転分析装置の構成を示したものである。
【0004】
複数の射出成型された基板で構成されているパネルには、試料液を計量および貯留するための試料液貯留部901と、希釈液を計量し収容するための希釈液計量部904と、溢流した希釈液を収容するための溢流部903と、試料液と希釈液を混合し受容するための受容部902とで構成されている。試料液貯留部901は、壁面の一部あるいは全てが親水処理されており、毛細管力により試料液501を吸い上げられるような構造になっている。
【0005】
試料液501が血液である場合、まず、採血用穿刺器具を用いて指先503に針を穿刺して血液だまりを作る。そこに試料液貯留部901の先端部を触れさせることで、試料液貯留部901に毛細管力によって試料液501となる血液の吸い上げが開始される。
【0006】
吸い上げられた試料液501によって、試料液貯留部901と、試料液貯留部901と受容部902を連結する毛細管906とを満たし、毛細管906と受容部902の連結部で停止することで、試料液501は試料液貯留部901と毛細管906の容量で定量採取される。なお、905は溢流壁、907は毛細管、908は空気孔、909は管路、910,911は空気孔である。
【特許文献1】特開2008−64701公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の構成では、試料液貯留部901と毛細管906の容量が、必要とするサンプル量に設定されてはいるけれども、試料液貯留部901の先端部を試料液501の血液だまりに触れさせている時間が十分でない場合には、試料液貯留部901と毛細管906に定量の血液を吸い上げることが出来ないため、この場合には分析結果が不正確になる問題がある。
【0008】
本発明は、所定の時間で必要量の検体を採取でき、正確な検査ができる流路形成方法とそれを用いた生体分析用デバイスの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1記載の流路形成方法は、内部に形成された流路の毛細管力によって液体の移送を制御する生体分析用デバイスにおいて、長さlの前記流路に規定量の前記液体を規定時間以内に吸い上げる目標速度を得るに必要な前記流路の断面形状を決定するに際し、前記流路の前記液体に作用する加速度と、前記流路における単位質量当たりの前記液体に作用する力との運動方程式における前記液体に作用する力を決定する前記液体の粘性係数を、前記流路の幅w,厚みdpに基づく修正係数Aで補正し、前記加速度を決定する速度ベクトルが前記目標速度になるように前記流路の幅w,厚みdpを計算することを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2記載の流路形成方法は、内部に形成された流路の毛細管力によって液体の移送を制御する生体分析用デバイスにおいて、長さlの前記流路に規定量の前記液体を規定時間以内に吸い上げる目標速度を得るに必要な前記流路の断面形状を決定するに際し、速度ベクトル,時間,単位体積当たりの前記流体に加わる外力のベクトル,前記液体の密度,圧力,粘性係数と、前記粘性係数を補正する前記流路の幅w,厚みdpに基づく修正係数Aを用いた運動方程式から、前記速度ベクトルが目標速度になるように前記流路の幅w,厚みdpを計算することを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項3記載の流路形成方法は、請求項1または請求項2において、前記粘性係数の修正係数Aが、前記毛細管の幅w,厚みdp,定数a,b,cとしたときに
A ={ a・〔(dp/(w+dp)〕2+ b・〔dp/(w+dp)〕+ c }2
であることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項4記載の生体分析用デバイスは、内部に形成された流路の毛細管力によって必要量の液体を吸い上げて分析に使用する生体分析用デバイスであって、前記流路の前記液体に作用する加速度と、前記流路における単位質量当たりの前記液体に作用する力との運動方程式における前記液体に作用する力を決定する前記液体の粘性係数として、分析対象の範囲で進行速度が最も遅くなる前記液体の場合の粘性係数を使用し、この粘性係数を前記流路の幅w,厚みdpに基づく修正係数Aで補正して、前記加速度を決定する速度ベクトルが前記目標速度になるように前記流路の幅w,厚みdpを設定したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、定量性だけでなく、規定量の液体を規定時間以内に吸い上げるに必要な吸い上げ速度の断面形状にすることができ、所定の時間で必要量の検体を採取でき、正確な分析結果を期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明の流路形成方法を具体的な実施の形態に基づいて説明する。
図1と図2は本発明の生体分析用デバイス101を示す。
生体分析用デバイス101は、射出成型された基板104,105とキャップ部106とで構成されている。基板104,105は何れも透光性の材料によって形成されており、基板105には基板104との貼り合わせ面にマイクロチャネル102となる凹部が形成されている。具体的には、基板104,105のそれぞれの厚みは、1mm,5mmで形成しているが、特に制限は無く、マイクロチャネル102を形成可能な厚みであればよい。
【0015】
基板104,105の形状については、この実施の形態では円形の一部に凹部と凸部を形成した形状としたが、用途目的に応じた形状、例えば、シート状、板状、その他複雑な形状の成形物などの形状が可能である。この実施の形態では、基板104,105の材料として、易成形性、高生産性、低価格の面からプラスチックを使用しているが、ガラス、シリコンウェハー、金属、セラミックなど接合できる材料であれば特に制限はない。
【0016】
この実施の形態では、接着剤を用いて基板104と基板105を接合しているが、使用する材料に応じて超音波を用いた溶融接合やレーザー接合などの接合方法で接合してもかまわない。
【0017】
キャップ部106は、基板104と基板105を貼り合わせて形成された点着部209とその周辺部分を覆うように形成されており、孔106aを基板104,105に形成された凸部104a,105aに係合して回動自在である。
【0018】
基板104,105を貼り合わせて形成されたマイクロチャネル102は、複数の流路と複数の貯留部と検査部などから形成されている。
図3はマイクロチャネル102の構成を示す。
【0019】
マイクロチャネル102は、回転中心103から外周方向に向かって形成された毛細管で形成された検体採取定量部201と、検体採取定量部201より外周方向に形成された検体貯留部202と、回転中心103の近傍に配置された希釈液貯留部203と、希釈液貯留部203より外周方向に配置された希釈液定量部204と、検体貯留部202と希釈液定量部204よりさらに外周方向に配置された混合部205とオーバーフロー部206で構成されている。検体採取定量部201の一方の端部は、生体分析用デバイス101から突出した点着部209を形成しており、点着部209から直接に検体を採取できる構成になっている。さらに、検体貯留部202は、検体貯留部202の外周側と混合部205の内周側で接続されるような毛細管サイフォン207で連結されており、希釈液定量部204についても、希釈液定量部204の外周側と混合部205の内周側で接続されるような毛細管サイフォン208で連結されており、検体や希釈液の移送が可能になっている。
【0020】
生体分析用デバイス101では、このような構成をとることによって、分析対象となる血液等の試料液を後述する毛細管によって所定の時間で採取し、遠心力によって採取した試料液を貯留部に導入する。同時に、その試料液を希釈するための希釈液についても、希釈液定量部204によって定量される。そして、生体分析用デバイス101を回転中心103を軸に回転させ、その回転により発生する遠心力を利用して試料液と希釈液を混合部に流体移動し試料液と希釈液の混合及び混合液の検査を行う。
【0021】
マイクロチャネル102の流路内の粘性抵抗を減らし流体移動をしやすくするために基板104,105の壁面の一部あるいは全ての壁面に親水性処理を行っているが、基板104,105の形成材料としてガラス等の親水性材料を用いたり、成形時に界面活性剤、親水性ポリマー、シリカゲルの如き親性粉末などの親水化剤を添加させて材料表面に親水性を付与させてもかまわない。親水性処理方法としては、プラズマ、コロナ、オゾン、フッ素等の活性ガスを用いた表面処理方法や界面活性剤による表面処理が挙げられる。ここで、親水性とは水との接触角が90度未満のことをいい、より好ましくは接触角40度未満である。
【0022】
生体分析用デバイス101を用いた検体の採取、移送プロセス、測定について詳細に説明する。この実施の形態では、検体に血液301を用いた場合について説明する。
図4に示すように、指先からでた血液301は、点着部209に接触させることによって、毛細管力によって試料採取定量部201に吸い込まれる。
【0023】
次に、図5(a)に示すように、回転中心103を軸に生体分析用デバイス101を回転させることによって、採取し定量された血液301を検体貯留部202に移送する。この回転の際に、生体分析用デバイス101内部にすでに注入されている希釈液502は、希釈液定量部204に移送される。希釈液定量部204では、所望の量の希釈液302が定量された後、不要な希釈液502は、オーバーフロー部206に移送される。
【0024】
次に回転を停止すると、図5(b)のように血液301は毛細管サイフォン207を満たし始め、希釈液302は毛細管サイフォン208も満たし始める。血液301と希釈液502が、それぞれの毛細管サイフォン207と毛細管サイフォン208の混合部205との連結部にまで移送された後、回転中心103を軸に生体分析用デバイス101を再度回転させることによって、図5(c)に示すように血液301と希釈液502は混合部205に移送される。混合部205の内部には血液301に含まれる測定対象と反応することによって色の変化を生じさせるための試薬が塗布されている。
【0025】
混合部205に移送された血液301と希釈液502は、生体分析用デバイス101を回転中心103を軸に揺動させることによって混合される。揺動動作は、図6に示すように生体分析用デバイス101を回転中心103を軸に図6(a)に示す正回転と図6(b)に示す逆回転を交互に繰り返すことで行う。具体的には、±5°の範囲で1秒間に5往復するような揺動を行うことによって、血液301と希釈液502を混合した。その際に、混合部205の内部に担持された試薬112との反応を行わせる。
【0026】
検査すべき試料液118と試薬112を反応させた後、図7に示すように混合部205にレーザー光源806から透過光を照射してその反応状態をフォトディテクタ803で受光し演算部804にて分析して表示部805で測定結果を表示する。測定時には、混合部205に充填された反応液が、反応の割合で吸光度を変化させるため、レーザー光源806から混合部205に透過光を照射し、フォトディテクタ803にてその透過光の光量を測定することで、反応液を透過した光量の変化を測定することができるため、血液301の特性を分析することができる。802は光学測定部、807は回転駆動手段、808は制御手段である。
【0027】
この実施の形態においては、検体採取定量部201が次のように形成されている。
検体採取定量部201は、図3および図8に示すように幅w、厚みdp、長さlの毛細管で形成されており、下記の流路形成方法を実施することによって分析対象として取り扱う検体の物性にかかわらず所定の時間内に採取できる。
【0028】
所定の時間内に検体を採取できるような寸法を算出する方法としては、流体シミュレーションで用いられるナビエ・ストークス(Navier−stokes)方程式がよく知られている。ナビエ・ストークス方程式は、速度ベクトルu,時間t,単位体積当りの流体に加わる外力のベクトルf,液体の密度ρ,圧力p,粘性係数νを用いて下記の式(1)で表される。
【0029】
【数1】
【0030】
しかしながら、ナビエ・ストークス方程式では、流体と壁面の間で生じる流体抵抗の影響が考慮されていないため、毛細管力による流体の進行速度を正確に予測できないという課題を有していた。
【0031】
本発明では、この流体抵抗を考慮するためにナビエ・ストークス方程式で用いられている粘性係数νに、下記の式(2)で表される修正係数Aをかけた式(3)を用いることによって、毛細管力による流体の進行速度を正確に予測することが可能となる。
【0032】
【数2】
【0033】
修正係数Aは、毛細管の流路の幅w,毛細管の流路の厚みdp、定数a,b,cを用いた式で表される。この修正係数Aは、毛細管に使われる材料や、毛細管内部の親水処理方法によって予め毛細管の流路の幅wと、毛細管の流路の厚みを変化させて実験し、その結果から定数a,b,cを求める必要がある。しかし、材料や親水処理方法の組み合わせごとに予め定数a,b,cを求めておくことによって、これを読み出して利用可能である。
【0034】
この実施の形態では、毛細管の材料をPMMA(メタクリル酸メチル樹脂)とし、毛細管内部の幅dpと長さlで形成される面にのみ親水処理を施した。この場合、修正係数Aは、図9の粘性係数の修正係数Aと毛細管断面の寸法(dp/(dp+w))との関係に示す傾向の2次曲線になった。
【0035】
この修正係数Aを式(3)に適用し、最適な毛細管寸法を算出した結果、生体分析用デバイス101では、検査で想定される血液(ヘマトクリット値:20〜60%)を5秒以内に採取できる検体採取定量部201にするために、毛細管進行速度が一番遅くなるヘマトクリット値:60%のときに必要量10μLの血液を5秒以内で採取できる検体採取定量部201として、この修正係数Aを適用した式(3)を用いて、毛細管の幅w=3.0(mm),毛細管の厚みdp=0.34(mm),毛細管の長さl=10(mm)となった。
【0036】
このように、検体採取定量部201における流体の進行速度を精確に予測した上で、流路の寸法を形成することによって、毛細管進行速度のばらつきの大きい物性を持つ血液等の検体においても所定の時間で必要量の検体を採取でき、正確な検査ができる分析装置を実現できる。
【0037】
なお、上記の実施の形態では運動方程式としてナビエ・ストークス方程式の場合を例に挙げて説明したが、このナビエ・ストークス方程式と同様に、流路の液体に作用する加速度と、流路における単位質量当たりの液体に作用する力との運動方程式を基に導き出された理論式であっても、流路における単位質量当たりの液体に作用する力を決定する粘性係数を、流路の幅w,厚みdpに基づく修正係数Aで補正することによって、流路の幅w,厚みdpを決定することができる。例えば、ナビエ・ストークス方程式を基に導き出された理論式として、液体の吸上げ高さhと時間tの関係を示したルーカス−ウォッシュバーン(Lucas-Washburn)の理論式(4)(5)(6)が挙げられるが、この理論式に用いる粘性係数ηを、流路の幅w,厚みdpに基づく修正係数Aで補正した理論式によって、目標とする時間tと吸い上げ高さhを満たすように流路の幅w、厚みdpを決定することによっても実施できる。理論式(4)で用いたパラメータは、t:時間,h:吸上げ高さ,dp:厚み,ρ:溶液密度,η:粘性係数,rL:表面張力,g:重力加速,θ:接触角である。
【0038】
【数3】
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は迅速検査に使用される各種の生体分析用デバイスの高性能化と、分析結果の正確さを実現して、分析装置全般の操作性の向上を期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態における生体分析用デバイスの分解斜視図
【図2】同実施の形態における生体分析用デバイスの背面斜視図
【図3】同実施の形態における生体分析用デバイスの平面図
【図4】同実施の形態における点着時の移送プロセスの説明図
【図5】同実施の形態における血液と希釈液との混合までの移送プロセスの説明図
【図6】同実施の形態における血液と希釈液の混合液の試薬との移送反応プロセスの説明図
【図7】同実施の形態における測光プロセスの説明図
【図8】図3におけるA−AA断面図
【図9】同実施の形態における修正係数Aに関する関係図
【図10】従来の回転分析装置の模式図
【符号の説明】
【0041】
101 生体分析用デバイス
102 マイクロチャネル
103 回転中心
104,105 基板
106 キャップ部
201 検体採取定量部
202 検体貯留部
209 点着部
301 血液
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に形成された流路の毛細管力によって液体の移送を制御する生体分析用デバイスにおいて、長さlの前記流路に規定量の前記液体を規定時間以内に吸い上げる目標速度を得るに必要な前記流路の断面形状を決定するに際し、
前記流路の前記液体に作用する加速度と、前記流路における単位質量当たりの前記液体に作用する力との運動方程式における前記液体に作用する力を決定する前記液体の粘性係数を、前記流路の幅w,厚みdpに基づく修正係数Aで補正し、
前記加速度を決定する速度ベクトルが前記目標速度になるように前記流路の幅w,厚みdpを計算する
流路形成方法。
【請求項2】
内部に形成された流路の毛細管力によって液体の移送を制御する生体分析用デバイスにおいて、長さlの前記流路に規定量の前記液体を規定時間以内に吸い上げる目標速度を得るに必要な前記流路の断面形状を決定するに際し、
速度ベクトル,時間,単位体積当たりの前記流体に加わる外力のベクトル,前記液体の密度,圧力,粘性係数と、前記粘性係数を補正する前記流路の幅w,厚みdpに基づく修正係数Aを用いた運動方程式から、前記速度ベクトルが目標速度になるように前記流路の幅w,厚みdpを計算する
流路形成方法。
【請求項3】
前記粘性係数の修正係数Aが、
前記毛細管の幅w,厚みdp,定数a,b,cとしたときに
A ={ a・〔(dp/(w+dp)〕2+ b・〔dp/(w+dp)〕+ c }2
である
請求項1または請求項2に記載の流路形成方法。
【請求項4】
内部に形成された流路の毛細管力によって必要量の液体を吸い上げて分析に使用する生体分析用デバイスであって、
前記流路の前記液体に作用する加速度と、前記流路における単位質量当たりの前記液体に作用する力との運動方程式における前記液体に作用する力を決定する前記液体の粘性係数として、分析対象の範囲で進行速度が最も遅くなる前記液体の場合の粘性係数を使用し、この粘性係数を前記流路の幅w,厚みdpに基づく修正係数Aで補正して、前記加速度を決定する速度ベクトルが前記目標速度になるように前記流路の幅w,厚みdpを設定した
生体分析用デバイス。
【請求項1】
内部に形成された流路の毛細管力によって液体の移送を制御する生体分析用デバイスにおいて、長さlの前記流路に規定量の前記液体を規定時間以内に吸い上げる目標速度を得るに必要な前記流路の断面形状を決定するに際し、
前記流路の前記液体に作用する加速度と、前記流路における単位質量当たりの前記液体に作用する力との運動方程式における前記液体に作用する力を決定する前記液体の粘性係数を、前記流路の幅w,厚みdpに基づく修正係数Aで補正し、
前記加速度を決定する速度ベクトルが前記目標速度になるように前記流路の幅w,厚みdpを計算する
流路形成方法。
【請求項2】
内部に形成された流路の毛細管力によって液体の移送を制御する生体分析用デバイスにおいて、長さlの前記流路に規定量の前記液体を規定時間以内に吸い上げる目標速度を得るに必要な前記流路の断面形状を決定するに際し、
速度ベクトル,時間,単位体積当たりの前記流体に加わる外力のベクトル,前記液体の密度,圧力,粘性係数と、前記粘性係数を補正する前記流路の幅w,厚みdpに基づく修正係数Aを用いた運動方程式から、前記速度ベクトルが目標速度になるように前記流路の幅w,厚みdpを計算する
流路形成方法。
【請求項3】
前記粘性係数の修正係数Aが、
前記毛細管の幅w,厚みdp,定数a,b,cとしたときに
A ={ a・〔(dp/(w+dp)〕2+ b・〔dp/(w+dp)〕+ c }2
である
請求項1または請求項2に記載の流路形成方法。
【請求項4】
内部に形成された流路の毛細管力によって必要量の液体を吸い上げて分析に使用する生体分析用デバイスであって、
前記流路の前記液体に作用する加速度と、前記流路における単位質量当たりの前記液体に作用する力との運動方程式における前記液体に作用する力を決定する前記液体の粘性係数として、分析対象の範囲で進行速度が最も遅くなる前記液体の場合の粘性係数を使用し、この粘性係数を前記流路の幅w,厚みdpに基づく修正係数Aで補正して、前記加速度を決定する速度ベクトルが前記目標速度になるように前記流路の幅w,厚みdpを設定した
生体分析用デバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2009−288112(P2009−288112A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−141780(P2008−141780)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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