説明

流通在庫分散システム

【課題】メーカ、商社、問屋が介在する流通過程でそれぞれが在庫を分散して持ち、そのトータルの在庫を極小化し、製品の売れ行き傾向や動向により各流通過程のメーカ、商社、問屋が独自に柔軟に対応すし、販売機会を逃す可能性が少ない流通在庫分散システムを提供すること。
【解決手段】月別に展開された商社、問屋、メーカの各販売計画の商品銘柄に基づいて、メーカが在庫を負担する第1の取引タイプ、商社が在庫を負担する第2の取引タイプ、或いは問屋が在庫を負担する第3の取引タイプの何れかを選択し、選択された取引タイプに応じて設定された各商品銘柄の在庫量に、該各商品銘柄の単価を乗じた在庫金額を算出された在庫金額と基準在庫金額とを比較し、比較された在庫金額が基準在庫金額を超えた場合に、取引タイプを選択することにより在庫金額が基準在庫金額以内になるように商社、問屋、メーカの各在庫量を変更する在庫量変更部22とを有して構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メーカ、商社、問屋が介在する流通過程でのトータル在庫管理及び在庫分散を行なうための流通在庫分散システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータシステムを利用した各種の在庫管理システムが提案されている。例えば、特開2002-91540号公報(特許文献1)には、複数の流通業者から不特定多数の最終需要家に販売される製品の生産計画を作成するにあたり、共同在庫からの出荷量の過去の実績に基づいて予想需要量及び最低在庫量を設定し、現在の共同在庫の量及び予想需要量に基づいて、次回の生産時期に生産される製品が在庫されるまでの期間に共同在庫の量が最低在庫量を下回らないように今回の生産時期における生産量を決定するものが提案されている。
【0003】
また、特開2002-62926号公報(特許文献2)には、出荷計画及び生産計画に従い計算された各銘柄の在庫量が、それぞれ定められた安全在庫量を下回らずしかも在庫費用と銘柄変更に伴い発生するトランジション量との積の和が最小となるよう定めた生産計画に従い製品を生産するものが提案されている。
【0004】
また、特開2002-297215号公報(特許文献3)には、新規に生産計画を立案する際に、その品目番号の前回の生産計画数、現在の在庫数、基準在庫数、基準在庫上限、基準在庫下限を記憶装置から検索し、前回立案した計画対象期間の生産計画数と同じ数量を生産した場合の確定在庫数を計算するものが提案されている。
【0005】
また、特開2001-222577号公報(特許文献4)には、小売店が保有する商品在庫数と、卸問屋が保有する商品在庫数とに基づいた在庫数状況を設定し、注文内容と在庫数状況とに応じた情報を発注元の端末に表示させ、受け付けた注文に対する商品引当処理は、小売店が保有する商品在庫を調べ、引当可能ならばその在庫を引き当て、引当不可能ならば卸問屋に引き当てを依頼するものが提案されている。
【0006】
また、特開平8-221491号公報(特許文献5)には、小売店或いは仲間卸等の店舗に出荷したそれぞれの製品について、過去一定期間の出荷量を算出すると共に出荷日数をカウントし、それらの値から前記出荷量を出荷日数で割った出荷日1日当たりの平均出荷量を求めると共に、過去一定期間の出荷金額ランキングに基づき前記製品をグループ分けして該グループごとに最大在庫の係数を設定し、前記平均出荷量をベースとしそれに前記係数をかけることにより製品毎に最大在庫を設定するものが提案されている。
【0007】
【特許文献1】特開2002−091540号公報
【特許文献2】特開2002−062926号公報
【特許文献3】特開2002−297215号公報
【特許文献4】特開2001−222577号公報
【特許文献5】特開平08−221491号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述の従来例において、共同在庫を管理する特許文献1の技術では、製品の売れ行き傾向や動向により各流通過程のメーカ、商社、問屋が独自に柔軟に対応することが出来ず、販売機会を逃す可能性があった。また特許文献2〜5の技術では、流通過程でのトータル在庫管理及び在庫分散を行なうことが出来ないという問題があった。
【0009】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、メーカ、商社、問屋が介在する流通過程でそれぞれが在庫を分散して持ち、そのトータルの在庫を極小化することが出来、製品の売れ行き傾向や動向により各流通過程のメーカ、商社、問屋が独自に柔軟に対応することが出来、販売機会を逃す可能性が少ない流通在庫分散システムを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するための本発明に係る流通在庫分散システムの第1の構成は、商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとが介在する流通過程でのトータル在庫管理及び在庫分散を行なうための流通在庫分散システムであって、商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売計画を複数月分総合して作成する販売計画作成手段と、前記商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売実績を記憶する販売実績記憶手段と、前記販売実績記憶手段に記憶された前記商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売実績に基づいて、前記販売計画作成手段により作成された前記商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売計画を月別に展開する月別展開手段と、前記月別展開手段により月別に展開された前記商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売計画の商品銘柄に基づいて、メーカが在庫を負担する第1の取引タイプ、商社が在庫を負担する第2の取引タイプ、或いは問屋が在庫を負担する第3の取引タイプの何れかの取引タイプを選択する取引タイプ選択手段と、前記取引タイプ選択手段により選択された取引タイプに応じて設定された在庫分担割合に応じた各商品銘柄の在庫量を算出する在庫量演算手段と、前記在庫量演算手段により演算された在庫量と、基準在庫量とを比較する在庫量比較手段と、前記在庫量比較手段により比較された在庫量に基づいて前記取引タイプ選択手段により取引タイプを選択することにより前記商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各在庫量を変更する在庫量変更手段とを有することを特徴とする。
【0011】
例えば、前記在庫量変更手段は、前記在庫量比較手段により比較された在庫量が前記基準在庫量を超えた場合に、前記取引タイプ選択手段により取引タイプを選択することにより該在庫量が前記基準在庫量以内になるように前記商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各在庫量を変更することが出来るように構成することが出来る。
【0012】
また、本発明に係る流通在庫分散システムの第2の構成は、商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとが介在する流通過程でのトータル在庫管理及び在庫分散を行なうための流通在庫分散システムであって、商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売計画を複数月分総合して作成する販売計画作成手段と、前記商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売実績を記憶する販売実績記憶手段と、前記販売実績記憶手段に記憶された前記商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売実績に基づいて、前記販売計画作成手段により作成された前記商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売計画を月別に展開する月別展開手段と、前記月別展開手段により月別に展開された前記商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売計画の商品銘柄に基づいて、メーカが在庫を負担する第1の取引タイプ、商社が在庫を負担する第2の取引タイプ、或いは問屋が在庫を負担する第3の取引タイプの何れかの取引タイプを選択する取引タイプ選択手段と、前記取引タイプ選択手段により選択された取引タイプに応じて設定された在庫分担割合に応じた各商品銘柄の在庫量を算出する在庫量演算手段と、前記在庫量演算手段により算出された各商品銘柄の在庫量に、該各商品銘柄の単価を乗じた在庫金額を算出する在庫金額演算手段と、前記在庫金額演算手段により演算された在庫金額と、基準在庫金額とを比較する在庫金額比較手段と、前記在庫金額比較手段により比較された在庫金額に基づいて前記取引タイプ選択手段により取引タイプを選択することにより前記商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各在庫量を変更する在庫量変更手段とを有することを特徴とする。
【0013】
例えば、前記在庫量変更手段は、前記在庫金額比較手段により比較された在庫金額が前記基準在庫金額を超えた場合に、前記取引タイプ選択手段により取引タイプを選択することにより該在庫金額が前記基準在庫金額以内になるように前記商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各在庫量を変更するように構成することが出来る。
【0014】
また、本発明に係る流通在庫分散システムの第3の構成は、前記第1、第2の構成において、前記販売計画作成手段により作成された商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売計画を補正する販売計画補正手段を有し、前記月別展開手段は、前記販売実績記憶手段に記憶された前記商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売実績に基づいて、前記販売計画補正手段により補正された前記商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売計画を月別に展開することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る流通在庫分散システムの第4の構成は、前記第1、第2の構成において、前記在庫量変更手段は、商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとのうちの所定の順で、前記在庫量または在庫金額が前記基準在庫量または基準在庫金額を超えた商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとのうちで前記在庫量または在庫金額から前記基準在庫量または基準在庫金額を差し引いたオーバー在庫量またはオーバー在庫金額が多い順に、その商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとのうちの所定の在庫量から、オーバー在庫量またはオーバー在庫金額が多い順の第1位と第2位との差の在庫量ずつ差し引き、その差し引いた差の在庫量を、前記在庫量または在庫金額が前記基準在庫量または基準在庫金額以内になる商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとのうちの所定の順で、各商品銘柄毎の割り当てがあって且つ前記在庫量または在庫金額から前記基準在庫量または基準在庫金額を差し引いたアンダー在庫量またはアンダー在庫金額が多い順に、その商品銘柄の在庫数量に上乗せして在庫量を変更することを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る流通在庫分散システムの第5の構成は、前記第1、第2の構成において、前記販売実績記憶手段に記憶された商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売実績から同一の商品銘柄で売れ筋のカラーを抽出する売れ筋カラー抽出手段を有し、前記売れ筋カラー抽出手段により抽出された売れ筋のカラーのうちの上位の取引タイプが、商社が在庫を負担する第2の取引タイプに設定されていた場合には、前記取引タイプ選択手段により問屋が在庫を負担する第3の取引タイプに変更することを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る流通在庫分散システムの第6の構成は、前記第1、第2の構成において、前記販売実績記憶手段に記憶された商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売実績から同一の商品銘柄で売れ筋のカラーを抽出する売れ筋カラー抽出手段を有し、前記売れ筋カラー抽出手段により抽出された売れ筋のカラーのうちの下位の取引タイプが、問屋が在庫を負担する第3の取引タイプに設定されていた場合には、前記取引タイプ選択手段により商社が在庫を負担する第2の取引タイプに変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る流通在庫分散システムの第1の構成によれば、販売計画作成手段により製品の売れ行き傾向や動向に応じてメーカ、商社、問屋がそれぞれ独自に販売計画を作成することが出来るので、販売機会を逃すリスクを最小限に抑えることが出来る。また月別展開手段により、メーカ、商社、問屋の各販売実績に基づいて、該メーカ、商社、問屋の各販売計画を月別に展開することが出来る。
【0019】
また取引タイプ選択手段により、月別に展開されたメーカ、商社、問屋の各販売計画の商品銘柄に基づいて、メーカが在庫を負担する第1の取引タイプ(メーカ見込みオーダ型)、商社が在庫を負担する第2の取引タイプ(商社オープン型)、或いは問屋が在庫を負担する第3の取引タイプ(問屋バイオーダ型)の何れかの取引タイプを選択することが出来る。これによりメーカ、商社、問屋の各在庫の負担を選択的に分散化することが出来る。
【0020】
また在庫量演算手段により、選択された取引タイプに応じて設定された在庫分担割合に応じた各商品銘柄の在庫量を算出することが出来る。そして在庫量比較手段により比較された在庫量が基準在庫量を超えた場合に、在庫量変更手段により在庫量が基準在庫量以内になるようにメーカ、商社、問屋の各在庫量を変更することも出来る。
【0021】
また本発明に係る流通在庫分散システムの第2の構成によれば、前記第1の構成に加えて在庫量演算手段により、選択された取引タイプに応じて設定された在庫分担割合に応じた各商品銘柄の在庫量を算出し、在庫金額演算手段により、該在庫量演算手段により算出された各商品銘柄の在庫量に該各商品銘柄の単価を乗じて在庫金額を算出することが出来る。そして在庫金額比較手段により比較された在庫金額が基準在庫金額を超えた場合に、在庫量変更手段により在庫金額が基準在庫金額以内になるようにメーカ、商社、問屋の各在庫量を変更することも出来る。
【0022】
また本発明に係る流通在庫分散システムの第3の構成によれば、販売計画補正手段によりメーカ、商社、問屋の一連の流通過程における相互間の販売計画調整を行なうことが出来、在庫量の過不足を最小限に抑えることが出来る。
【0023】
また本発明に係る流通在庫分散システムの第4の構成によれば、在庫量変更手段により、先ずメーカ、商社、問屋の各基準在庫量または基準在庫金額を設定し、メーカ、商社、問屋のうちの所定の順で、該メーカ、商社、問屋の各在庫量または在庫金額がそれぞれの各基準在庫量または基準在庫金額を超えたメーカ、商社、問屋を抽出し、そのうちで各在庫量または在庫金額から各基準在庫量または基準在庫金額を差し引いたオーバー在庫量またはオーバー在庫金額が多い順にソートし、そのメーカ、商社、問屋のうちの所定の在庫量から、オーバー在庫量またはオーバー在庫金額が多い順の第1位と第2位との差の在庫量ずつ差し引き、その差し引いた差の在庫量を、各在庫量または在庫金額が各基準在庫量または基準在庫金額以内になるメーカ、商社、問屋のうちの所定の順で各商品銘柄毎の割り当てがあって且つ各在庫量または在庫金額から各基準在庫量または基準在庫金額を差し引いたアンダー在庫量またはアンダー在庫金額が多い順に、その商品銘柄の在庫数量に上乗せして各在庫量を変更することでメーカ、商社、問屋の各在庫の負担を均一に分散することが出来る。
【0024】
また本発明に係る流通在庫分散システムの第5の構成によれば、売れ筋カラー抽出手段によりメーカ、商社、問屋の各販売実績をソートして同一の商品銘柄でその売れ筋のカラーを抽出し、その売れ筋のカラーのうちの上位の取引タイプを認識し、認識した上位の取引タイプが商社が在庫を負担する第2の取引タイプに設定されていた場合には取引タイプ選択手段により問屋が在庫を負担する第3の取引タイプに変更することにより問屋が販売機会を逃すリスクを最小限に抑えることが出来る。
【0025】
また本発明に係る流通在庫分散システムの第6の構成によれば、売れ筋カラー抽出手段によりメーカ、商社、問屋の各販売実績をソートして同一の商品銘柄でその売れ筋のカラーを抽出し、その売れ筋のカラーのうちの下位の取引タイプを認識し、認識した下位の取引タイプが問屋が在庫を負担する第3の取引タイプに設定されていた場合には取引タイプ選択手段により商社が在庫を負担する第2の取引タイプに変更することにより問屋の在庫を軽減することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図により本発明に係る流通在庫分散システムの一実施形態を具体的に説明する。図1〜図4は本発明に係る流通在庫分散システムの全体フローを示す図、図5は本発明に係る流通在庫分散システムの制御系の構成を示すブロック図、図6は取引タイプの説明をする図、図7は在庫分散シミュレーションを説明するフローチャート、図8は販売計画の変更設定を行なう様子を示すフローチャート、図9〜図11は問屋処理の詳細を示すフローチャート、図12及び図13は商社処理の詳細を示すフローチャート、図14及び図15はメーカ処理の詳細を示すフローチャート、図16は販売計画入力画面の一例を示す図、図17は基準在庫金額登録画面の一例を示す図、図18は販売計画補正入力画面の一例を示す図、図19は販売計画補正入力承認画面の一例を示す図、図20(a)は販売計画表の一例を示す図、図20(b)は販売計画を集計配分する様子を示すと共に販売計画補正表の一例を示す図、図21(a)は販売実績表の一例を示す図、図21(b)は月別展開表の一例を示す図、図21(c)は総販売計画と基準在庫量または基準在庫金額の一例を示す図、図22は取引タイプ補正選択画面の一例を示す図、図23は生産販売計画表の一例を示す図、図24は商社が在庫を負担する取引タイプのバランス表の一例を示す図、図25は問屋が在庫を負担する取引タイプのバランス表の一例を示す図、図26はメーカが在庫を負担する取引タイプのバランス表の一例を示す図、図27は取引タイプを問屋が在庫を負担する取引タイプから商社が在庫を負担する取引タイプに変更した場合の生産販売計画表の一例を示す図、図28は同一の商品銘柄でカラー毎の売れ筋上位/下位で取引タイプを変更する様子を示し、売れ筋のカラーのうちの下位の取引タイプが問屋が在庫を負担する取引タイプに設定されていた場合に商社が在庫を負担する取引タイプに変更する様子を示す図、図29は売れ筋のカラーのうちの下位の取引タイプが問屋が在庫を負担する取引タイプに設定されていた場合に商社が在庫を負担する取引タイプに変更する場合の生産販売計画表の一例を示す図、図30は同一の商品銘柄でカラー毎の売れ筋上位/下位で取引タイプを変更する様子を示し、売れ筋のカラーのうちの上位の取引タイプが商社が在庫を負担する取引タイプに設定されていた場合に問屋が在庫を負担する取引タイプに変更する様子を示す図、図31は色別販売実績に基づいて、同一の商品銘柄でカラー毎の売れ筋上位/下位で取引タイプを変更する様子を示し、(a)は売れ筋のカラーのうちの上位60%の取引タイプで商社が在庫を負担する取引タイプに設定されていた場合に問屋が在庫を負担する取引タイプに変更する様子を示す図、(b)は売れ筋のカラーのうちの下位40%の取引タイプが問屋が在庫を負担する取引タイプに設定されていた場合に商社が在庫を負担する取引タイプに変更する様子を示す図、図32〜図35は本発明に係る流通在庫分散システムにより在庫量を変更する様子を示すと共に、メーカ、商社、問屋が介在する流通過程でのトータル在庫管理及び在庫分散を行なった結果の一例を説明する図である。
【0027】
図1〜図4において、管理センター4に設けられた流通在庫分散システム34は、メーカ1、商社2、問屋3が介在する流通過程でのトータル在庫管理及び在庫分散を行なうものである。メーカ1とアパレル等の小売店との間に商社2及び問屋3が介在する場合、或いはメーカ1と小売店との間に商社2または問屋3の何れかが介在する場合についても適用可能である。ここで、商社2とは問屋3に対して与信機能(問屋3に対する代金回収機能を持ち、回収不能に陥った場合にはメーカ1に対する債務の返済責任を負う)を持つものである。
【0028】
管理センター4には、図5に示すように、アプリケーションサーバ装置14に設けられた商社2、問屋3のうちの少なくとも1つと、メーカ1との各販売計画を複数月分総合して作成する販売計画作成手段となる販売計画作成部15、商社2、問屋3のうちの少なくとも1つと、メーカ1との各販売実績を記憶するデータベースサーバ装置7に設けられた販売実績記憶手段となる販売実績データベース(以下、「販売実績DB」という)5に記憶された商社2、問屋3のうちの少なくとも1つと、メーカ1との各販売実績に基づいて販売計画作成部15により作成された商社2、問屋3のうちの少なくとも1つと、メーカ1との各販売計画を月別に展開する月別展開手段となる月別展開部16、該月別展開部16により月別に展開された商社2、問屋3のうちの少なくとも1つと、メーカ1との各販売計画の商品銘柄に基づいて、メーカ1が在庫を負担する第1の取引タイプ(以下、「メーカ見込みオーダ型」という)、商社2が在庫を負担する第2の取引タイプ(以下、「商社オープン型」という)、問屋3が在庫を負担する第3の取引タイプ(以下、「問屋バイオーダ型」という)の何れかの取引タイプを選択する取引タイプ選択手段となる取引タイプ選択部17、該取引タイプ選択部17により選択された取引タイプに応じて設定された在庫分担割合に応じた各商品銘柄の在庫量を算出する在庫量演算手段となる在庫量演算部18、該在庫量演算部18により演算された在庫量と、データベースサーバ装置7に設けられた基準在庫記憶手段となる基準在庫DB13に記憶された基準在庫量とを比較する在庫量比較手段となる在庫量比較部19、在庫量演算部18により算出された各商品銘柄の在庫量に、該各商品銘柄の単価を乗じた在庫金額を算出する在庫金額演算手段となる在庫金額演算部20、該在庫金額演算部20により演算された在庫金額と、データベースサーバ装置7に設けられた基準在庫記憶手段となる基準在庫DB13に記憶された基準在庫金額とを比較する在庫金額比較手段となる在庫金額比較部21、在庫量比較部19により比較された在庫量に基づいて取引タイプ選択部17により取引タイプを選択することにより商社2、問屋3のうちの少なくとも1つと、メーカ1との各在庫量を変更するか、もしくは在庫金額比較部21により比較された在庫金額に基づいて取引タイプ選択部17により取引タイプを選択することにより商社2、問屋3のうちの少なくとも1つと、メーカ1との各在庫量を変更する在庫量変更手段となる在庫量変更部22、更には販売計画作成部15により作成された商社2、問屋3のうちの少なくとも1つと、メーカ1との各販売計画を補正する販売計画補正手段となる販売計画補正部23等がコンピュータシステムにより構築されている。
【0029】
前記在庫量変更手段となる在庫量変更部22は、例えば、在庫量比較部19により比較された在庫量が基準在庫量を超えた場合に、取引タイプ選択部17により取引タイプを選択することにより在庫量が基準在庫量以内になるように商社2、問屋3のうちの少なくとも1つと、メーカ1との各在庫量を変更するか、もしくは在庫金額比較部21により比較された在庫金額が基準在庫金額を超えた場合に、取引タイプ選択部17により取引タイプを選択することにより在庫金額が基準在庫金額以内になるように商社2、問屋3のうちの少なくとも1つと、メーカ1との各在庫量を変更することが出来るように構成することも出来る。
【0030】
尚、販売計画補正部23により、販売計画作成部15により作成された商社2、問屋3のうちの少なくとも1つと、メーカ1との各販売計画を補正する場合には、月別展開部16はデータベースサーバ装置7に設けられた販売実績DB5に格納された商社2、問屋3のうちの少なくとも1つと、メーカ1との各販売実績に基づいて販売計画補正部23により補正された商社2、問屋3のうちの少なくとも1つと、メーカ1との各販売計画を月別に展開するように構成される。
【0031】
在庫量変更部22は、在庫量または在庫金額が基準在庫量または基準在庫金額を超えた商社2、問屋3のうちの少なくとも1つと、メーカ1とのうちで、予め優先順位が設定された所定の順に、在庫量または在庫金額から基準在庫量または基準在庫金額を差し引いたオーバー在庫量またはオーバー在庫金額が多い順に、その商社2、問屋3のうちの少なくとも1つと、メーカ1とのうちで、予め優先順位が設定された所定の順に、それらの在庫量から、オーバー在庫量またはオーバー在庫金額が多い順の第1位と第2位との差の在庫量ずつ差し引き、その差し引いた差の在庫量を、在庫量または在庫金額が基準在庫量または基準在庫金額以内になる商社2、問屋3のうちの少なくとも1つと、メーカ1とのうちで、予め優先順位が設定された所定の順に、各商品銘柄毎の割り当てがあって且つ在庫量または在庫金額から基準在庫量または基準在庫金額を差し引いたアンダー在庫量またはアンダー在庫金額が多い順に、その商品銘柄の在庫数量に上乗せして在庫量を変更するように構成される。
【0032】
また、管理センター4のアプリケーションサーバ装置14には、販売実績DB5に記憶された商社2、問屋3のうちの少なくとも1つと、メーカ1との各販売実績から同一の商品銘柄で売れ筋のカラーを抽出する売れ筋カラー抽出手段となる売れ筋カラー抽出部24がコンピュータシステムにより構築されており、該売れ筋カラー抽出部24により抽出された売れ筋のカラーのうちの上位の取引タイプが、商社2が在庫を負担する第2の取引タイプ(商社オープン型)に設定されていた場合には、取引タイプ選択部17により問屋3が在庫を負担する第3の取引タイプ(問屋バイオーダ型)に変更するように構成される。
【0033】
また、売れ筋カラー抽出部24により抽出された売れ筋のカラーのうちの下位の取引タイプが、問屋3が在庫を負担する第3の取引タイプ(問屋バイオーダ型)に設定されていた場合には、取引タイプ選択部17により商社2が在庫を負担する第2の取引タイプ(商社オープン型)に変更するように構成される。
【0034】
管理センター4に設けられた社外用WEBサーバ装置25はファイヤーウオール26を介して通信手段となるインターネット8に接続されており、アプリケーションサーバ装置14、データベースサーバ装置7、テスト用待機サーバ装置27、データ連携用サーバ装置28は更にファイヤーウオール29を介してインターネット8に接続されている。
【0035】
管理センター4の各サーバ装置はインターネット8を介してメーカ1、商社2、問屋3に設けられたパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という)6と接続されており、社外用WEBサーバ装置25から提供されるウエブ(ホームページ)上で各種情報の入力、送受信、或いは閲覧、更には各種ファイルのアップロード、或いはダウンロードが出来るように構成されている。
【0036】
図1及び図2に示すように、先ず、メーカ1、商社2、問屋3は各社のパソコン6を利用して管理センター4の社外用WEBサーバ装置25により提供されるウエブ(ホームページ)上にアクセスし、図16に示す販売計画入力画面10により各社の販売計画を販売計画欄10bに入力する(図2のステップS)。図16は問屋3aの各商品銘柄とカラー別の販売計画を入力した一例である。
【0037】
入力された各社の販売計画は図16に示す販売計画入力画面10上の登録確認ボタン10aをクリックすることにより管理センター4のデータベースサーバ装置7に送信され、管理センター4に設けられた販売計画記憶手段となる販売計画データベース(以下、「販売計画DB」という)9に一旦記憶されて格納される。
【0038】
一方、各社は図17(b)に示す基準在庫金額各社申請登録画面31により各社の希望する基準在庫金額を入力する。入力された各社の基準在庫金額は図17(b)に示す基準在庫金額各社申請登録画面31上の修正登録確認ボタン31aをクリックすることにより管理センター4のデータベースサーバ装置7に送信され、基準在庫DB13に記憶されて格納される。
【0039】
図17(a)は管理センター4側で各社の基準在庫金額を一覧する基準在庫金額登録画面30であり、各社の基準在庫金額を修正する修正画面を兼ねる。管理センター4側で各社の基準在庫金額を確認し、適宜修正した後、修正登録確認ボタン30aをクリックすることにより各社のパソコン6に送信され、各社で図17(b)に示す基準在庫金額各社申請登録画面31上に修正金額が反映されて表示される。各社では再度、図17(b)に示す基準在庫金額各社申請登録画面31により訂正内容を承認するか、若しくは各社の希望する基準在庫金額を再入力して管理センター4側とで基準在庫金額のやりとりが行われ、最終的な基準在庫金額が基準在庫DB13に記憶されて格納される。
【0040】
尚、図示しないが、基準在庫金額の代わりに各社の希望する基準在庫量を入力し、基準在庫DB13に格納することも出来る。例えば、基準在庫量または基準在庫金額は販売実績DB5に格納された在庫実績情報に基づいて適宜設定される。
【0041】
管理センター4のアプリケーションサーバ装置14に設けられた販売計画作成部15によりメーカ1、商社2、問屋3の各社から送信された図16に例示する各販売計画を複数月分総合して作成する。図20(a)は半年(6か月)間の各商品銘柄毎の販売計画数量が集計された販売計画表の一例である。
【0042】
次に図20(b)に示すように、メーカ1、商社2、問屋3の各社から送信された各販売計画を集計配分して販売計画配分結果を求める(図2のステップS)。即ち、図20(b)に示す各社販売計画欄12aに入力された各社の販売計画数量の総計(メーカ1;「1000」+商社2a;「600」+問屋3a;「300」+問屋3b;「200」=「2100」)を流通業者の種別の数(ここでは、メーカ1、商社2、問屋3の3種別)となる「3」で除した値(2100/3=700)を求めた後、その流通業者の種別毎にその値「700」を配分する。
【0043】
即ち、図20(b)の販売計画配分結果欄12bに示すように、メーカ1及び商社2aに対してそれぞれ「700」が配分され、問屋3aと問屋3bの合計配分として「700」が配分される。ここで、問屋3aと問屋3bに対してはそれぞれの各社販売計画欄12aに記載された販売計画数量の比率に基づいて「700」が配分される。即ち、図20(b)の各社販売計画欄12aにおいて、問屋3aは販売計画量が「300」、問屋3bは販売計画量が「200」に設定されており、合計配分「700」を300:200の比率で配分することにより問屋3aの配分は420(=700×(300/500))、問屋3bの配分は280(=700×(200/500))に設定される。
【0044】
図20(b)に示す集計配分された販売計画は管理センター4の社外用WEBサーバ装置25からインターネット8を介してメーカ1、商社2、問屋3に送信され、各社に設けられたパソコン6の画面上に表示される。
【0045】
次に、各社ではパソコン6の表示画面上に図18に示された販売計画補正入力画面11を呼び出して各商品銘柄及び各カラー毎にその配分結果欄11aを確認しながら補正入力欄11bに適宜補正入力を行い(図2のステップS)、登録確認ボタン11cをクリックして管理センター4の社外用WEBサーバ装置25に送信する。尚、配分結果欄11aに記載された集計配分された販売計画を承認する場合には、補正入力欄11bに補正入力を行なわずに登録確認ボタン11cをクリックすることで承認したことが管理センター4の社外用WEBサーバ装置25に送信される。
【0046】
管理センター4では、管理センター4の社外用WEBサーバ装置25に送信された販売計画補正値に基づいて、図19に示す販売計画補正入力承認画面32がパソコン6の表示画面上に表示され、補正された販売計画を更に修正する場合には、管理センター4のアプリケーションサーバ装置14に設けられた販売計画補正部23によりメーカ1、商社2、問屋3の各社の各販売計画を補正し、データベースサーバ装置7の販売計画DB9に格納する(図20(b)参照)。
【0047】
即ち、図19の販売計画補正入力承認画面32の修正入力欄32aに適宜修正値を入力し、修正登録ボタン32bをクリックすることで、再度修正された販売計画は管理センター4の社外用WEBサーバ装置25からインターネット8を介してメーカ1、商社2、問屋3に送信され、各社でも再度パソコン6の画面上に図18に示された販売計画補正入力画面11を呼び出して各商品銘柄及び各カラー毎にその配分結果欄11aを確認しながら補正入力欄11bに適宜補正入力を行い(図2のステップS)、登録確認ボタン11cをクリックして管理センター4の社外用WEBサーバ装置25に送信する。これを受信した管理センター4で販売計画を承認する場合には図19の販売計画補正入力承認画面32の承認ボタン32cをクリックすることでメーカ1、商社2、問屋3の各社の各販売計画がデータベースサーバ装置7の販売計画DB9に格納される(図20(b)参照)。
【0048】
次に図3のステップSにおいて、メーカ1、商社2、問屋3の各社の販売計画リスクと全体の販売計画を決定し、販売実績DB5に記憶されたメーカ1、商社2、問屋3の各社の販売実績(図21(a)参照)に基づいて、アプリケーションサーバ装置14に設けられた月別展開部16により販売計画補正部23により補正されたメーカ1、商社2、問屋3の各社の各販売計画を月別に展開し、図21(b)に示す月次生産・販売計画を作成する(図3のステップS)。
【0049】
管理センター4のアプリケーションサーバ装置14に設けられた取引タイプ選択部17は、月別展開部16により月別に展開されたメーカ1、商社2、問屋3の各社の各販売計画の各商品銘柄に基づいて、図16、図18、図19、図22、図28〜図30に例示されたように、商社2が在庫を負担する取引タイプ(商社オープン型)、問屋3が在庫を負担する取引タイプ(問屋バイオーダ型)、メーカ1が在庫を負担する取引タイプ(メーカ見込みオーダ型)を適宜選択して設定する。
【0050】
ここで、メーカ1が在庫を負担する第1の取引タイプ(メーカ見込みオーダ型)、商社2が在庫を負担する第2の取引タイプ(商社オープン型)、問屋3が在庫を負担する第3の取引タイプ(問屋バイオーダ型)は、図6に示すように、在庫を保持する機能「◎」と、一部在庫を保持する機能「○」と、在庫の無い機能「×」とに分類される。
【0051】
図22は取引タイプ補正選択画面33の一例であり、例えば、売れ行きが良い商品銘柄については、問屋3が在庫を負担する第3の取引タイプ(問屋バイオーダ型)が設定され、新商品銘柄等で販売先が未定の商品銘柄については、商社2が在庫を負担する第2の取引タイプ(商社オープン型)が設定され、流行に影響されずに年間を通して売上が一定の商品銘柄については、メーカ1が在庫を負担する第1の取引タイプ(メーカ見込みオーダ型)が予め設定される。
【0052】
即ち、各商品銘柄毎に取引タイプ補正選択画面33の取引タイプ欄33aに取引タイプとして、「メーカ見込みオーダ型」、「商社オープン型」、「問屋バイオーダ型」を適宜入力して修正登録確認ボタン33bをクリックすることにより管理センター4のデータベースサーバ装置7に設けられた販売計画DB9に記憶して格納される。
【0053】
次に図4のステップSにおいて在庫分散シミュレーションを実行する。先ず、図7のステップSに示すように、販売計画DB9に格納された月次全体販売計画の読み込みを行なう。次にステップSにおいて、図17(a)の基準在庫金額登録画面30に示すように、基準在庫記憶手段となる基準在庫データベース(以下、「基準在庫DB」という)13に記憶して格納された予め設定された相手先別基準在庫量または基準在庫金額の読み込みを行う。尚、以下の実施形態では、基準在庫金額を適用した場合の一例について説明するが、基準在庫量を適用することも出来る。
【0054】
次に図7のステップSにおいて、図示しない設定画面により基準限度額範囲として、最小(%)及び最大(%)の各数値を設定し、切り崩し率、切り崩しピッチが適宜設定され、問屋3間の融通処理に利用される。また、色別分解切り崩し率が設定される。
【0055】
次に図7のステップS10において、各商品銘柄を読み込み、各社の月次在庫・販売計画の作成を行なう。このとき、各商品銘柄が商社2が在庫を負担する商社オープン型の取引タイプに設定されたものは在庫を商社2に引き当て、問屋3が在庫を負担する問屋バイオーダ型の取引タイプに設定されたものは在庫を問屋3に引き当て、メーカ1が在庫を負担するメーカ見込みオーダー型の取引タイプに設定されたものは在庫をメーカ1に引き当てる。
【0056】
例えば、図23はメーカ1、商社2及び問屋3毎の月次生産・販売計画数量を示したものであり、図24は各社の生産・販売計画に基づいて商社2aが在庫を負担する商社オープン型の取引タイプに配分設定されたものである。即ち、図24(a)に示すように、先ず商社2aに在庫月数(例えば1ヶ月分)を配分する。即ち、商社2aの5月の販売計画数量「87」分を該商社2aの4月の在庫数量「87」に配分する。次に図24(b)に示すように、図24(a)で設定された商社2aの4月分の在庫量に基づいてメーカ1、問屋3a,3bのそれぞれの在庫量及び生産量が決定される。
【0057】
図25は各社の販売計画に基づいて問屋3が在庫を負担する問屋バイオーダ型の取引タイプに配分設定されたものである。即ち、図25(a)に示すように、先ず問屋3a,3bに在庫月数(例えば1ヶ月分)を配分する。即ち、問屋3a,3bのそれぞれの5月の販売計画数量「60.9」、「29」分を該問屋3a,3bのそれぞれの4月の在庫数量「60.9」、「29」に配分する。
【0058】
次に図25(b)に示すように、商社2aには5月分の全体の販売計画数量「130.5」の10%である「13.05」が4月分の在庫量として配分される。次に図25(c)に示すように、図25(a),(b)で設定された問屋3a,3b及び商社2aの4月分の在庫量に基づいてメーカ1の在庫量及び生産量が決定される。
【0059】
図26は各社の販売計画に基づいてメーカ1が在庫を負担するメーカ見込みオーダ型の取引タイプに配分設定されたものである。即ち、図26(a)に示すように、先ず、メーカ1に全体の在庫量「130.5」を配分する。次に図26(b)に示すように、商社2aの在庫量として、全体の在庫量「130.5」の10%の在庫量「13.05」が配分される。そして、図26(c)に示すように、問屋3a,3bの4月分の在庫量に基づいて問屋3a,3b及びメーカ1の在庫量が決定される。
【0060】
次に図7のステップS11において、アプリケーションサーバ装置14に設けられた取引タイプ選択手段となる取引タイプ選択部17により商品銘柄毎に予め設定された取引タイプに応じて全ての商品銘柄の在庫の引き当ての設定が終了したか否かを判断し、終了した場合には、ステップS12に進んで各商品銘柄の在庫数量にその単価を乗じた在庫金額を集計処理する。ステップS11において在庫の引き当てが終了していない場合にはステップS10に戻って全ての商品銘柄の設定が終了するまでステップS10〜ステップS11を繰り返す処理を行う。
【0061】
ステップS12では、アプリケーションサーバ装置14に設けられた在庫金額演算手段となる在庫金額演算部20により各商品銘柄の在庫量に該各商品銘柄の単価を乗じた在庫金額を算出し、ステップS13では、在庫金額比較手段となる在庫金額比較部21により該在庫金額演算部20により演算された在庫金額と、予め設定された基準在庫金額とを比較する。
【0062】
尚、本実施形態では、ステップS13において、在庫金額と基準在庫金額とを比較する構成としたが、アプリケーションサーバ装置14に設けられた在庫量演算手段となる在庫量演算部18により算出された各商品銘柄の在庫量と、予め設定された基準在庫量とを比較することでも良い。
【0063】
そして、在庫金額が基準在庫金額を越えない場合にはステップS14に進んで、図18に示す在庫・販売計画を出力する。そして、社外用WEBサーバ装置25によりインターネット8を介してウエブ上で公開し、メーカ1、商社2、問屋3はそれぞれのパソコン6を利用してアクセスし、図19に示す販売計画補正入力承認画面32上で在庫・販売計画を承認するか若しくは訂正する。尚、本実施形態ではステップS13において在庫金額が基準在庫金額を越えない場合にはステップS14に進む構成としたが、在庫量が基準在庫量を越えない場合にステップS14に進む構成としても良い。
【0064】
前記ステップS13において、在庫金額が基準在庫金額を越えている場合には、ステップS15に進んで各商品銘柄の在庫量及び在庫金額のシミュレーション(処理A)を実行する。即ち、図8のステップS31において、メーカ1、商社2、問屋3のそれぞれの基準在庫金額の限度を越える相手先を読み込む。尚、本実施形態では在庫金額が基準在庫金額を越えている場合にステップS15に進む構成としたが、在庫量が基準在庫量を超えている場合にステップS15に進み、ステップS31において、メーカ1、商社2、問屋3のそれぞれの基準在庫量の限度を越える相手先を読み込むことでも良い。
【0065】
処理Aは具体的には、図8に示すステップS31において、各相手先の基準在庫金額を読み込み、図19で設定された在庫量に単価をかけた在庫金額から基準在庫金額を差し引いて差額金額を設定する。次にステップS32において、在庫金額が基準在庫金額を超える相手先について、第1優先順位として問屋3、第2優先順位として商社2、第3優先順位としてメーカ1の順で、それぞれの差額金額の多い順にソートをして読み込む。
【0066】
次にステップS33において、基準在庫金額を超えた相手先が終了したか否かを判断し、相手先が終了しない間はステップS34に進み、それ等の相手先がメーカ1、商社2、問屋3の何れであるかを判断する。ステップS34において、相手先が問屋3である場合にはステップS35に進んで図9〜図11に示す問屋処理(処理B)を行い、相手先が商社2である場合にはステップS36に進んで図12及び図13に示す商社処理(処理C)を行い、相手先がメーカ1である場合にはステップS37に進んで図14及び図15に示すメーカ処理(処理D)を行う。また、ステップS33において、基準在庫金額を超えた相手先が終了した場合には、図7のステップS16へ進む。
【0067】
図7のステップS16において、処理Aが終了したか否かを判断し、処理Aが終了するまでステップS13〜ステップS16を繰り返す。ステップS16において、処理Aが終了した場合にはステップS14に進んで、図19に示す販売計画補正入力承認画面32を出力する。
【0068】
図8のステップS34において、相手先が問屋3である場合にはステップS35に進んで図9〜図11に示す問屋処理(処理B)を行う。先ず、図9に示すステップS41において、図18に示す対象相手先販売計画情報を読み込み、ステップS42において、新商品があるか否かを判断し、新商品があればステップS43に進む。
【0069】
ステップS43において、その新商品が問屋3が在庫を負担する「問屋バイオーダ型」の取引タイプに設定されていた場合には、取引タイプ選択手段となる取引タイプ選択部17により商社2が在庫を負担する「商社オープン型」の取引タイプに変更する。
【0070】
即ち、図27(a)及び図29(a)に示すように、問屋3が在庫を負担する「問屋バイオーダ型」の取引タイプで2005年4月の商社2aの在庫量が「13.05」、問屋3a,3bの在庫量がそれぞれ「60.9」、「29」に設定された状態から、図27(d)及び図29(d)に示すように、商社2が在庫を負担する「商社オープン型」の取引タイプで2005年4月の商社2aの在庫量が「87」、問屋3a,3bの在庫量が「8.05」、「8.55」にそれぞれ設定が変更される。
【0071】
尚、図27(a)及び図29(a)は処理前の状態で、図27(b)及び図29(b)は処理1として先ず商社2aを設定し、図27(c)及び図29(c)は処理2としてメーカ1を設定し、図27(d)及び図29(d)は処理3として問屋3a,3bを設定してメーカ1補正したものである。
【0072】
次にステップS44において、各相手先が基準在庫金額以内になったか否かを判断し、基準在庫金額以内になるまでステップS41〜ステップS44を繰り返す。ステップS44において、各相手先が基準在庫金額以内になった場合には図7のステップS16に進む。
【0073】
前記ステップS42において、新商品が無くなればステップS45に進み、図18に示す対象相手先販売計画情報を読み込み、在庫金額が多い順にソートする。次にステップS46において、図18に示す対象相手先販売計画において商品銘柄Iを1からIまで繰り返し、ステップS47において、商品銘柄Iが終了したか否かを判断する。
【0074】
ステップS47において、商品銘柄Iが終了しない間は、ステップS48において、商品銘柄Iの他の問屋3の販売計画情報を読み込み、基準在庫金額を下回る差が多い問屋3順にソートする。次にステップS49において、商品銘柄Iが存在するか否かを判断し、商品銘柄Iが存在すれば、ステップS50に進んで基準在庫金額限度以上の問屋3から基準在庫金額限度以下の問屋3へと予め設定された切り崩し率まで在庫融通する。即ち、在庫金額が基準在庫金額を越えない問屋3の在庫許容範囲内で在庫金額が基準在庫金額を越える問屋3から共有する商品銘柄の在庫量を融通することにより問屋3間で在庫を分散する。前記ステップS49において、商品銘柄Iが存在しない場合には、次の商品銘柄IについてステップS46〜ステップS49を繰り返す。
【0075】
次にステップS51において、各相手先が基準在庫金額以内になったか否かを判断し、基準在庫金額以内になるまでステップS50〜ステップS51を繰り返し、所定の切り崩し率に達する最終回の切り崩しが終了するまでステップS46〜ステップS51を繰り返す。
【0076】
図32(a)〜(e)及び図33(a)〜(d)はその具体例を示し、図32(a)に示すように、メーカ1、商社2a、2b、問屋3a〜3cのそれぞれの基準在庫量及び基準在庫金額が設定され、図32(b)及び図33(a)に示すように、メーカ1、商社2a、2b、問屋3a〜3cのそれぞれの希望在庫量に基づいて各基準在庫量との差異量が演算される。図33はその各差異量を示す棒グラフであり、基準在庫量を示す水平軸よりも上に示された差異量は基準在庫量よりも在庫量が下回る場合(在庫不足)を示しており、基準在庫量を示す水平軸よりも下に示された差異量は基準在庫量よりも在庫量が上回る場合(余剰在庫)を示している。この段階で図33(a)に示すように、商社2b、問屋3b,3cの在庫量が各基準在庫量をオーバーしていることが示される。
【0077】
先ず、図32(c)及び図33(b)に示すように、予め切り崩しの第1優先順位として問屋3が設定されており、更に問屋3のうちで、在庫量と基準在庫量との差異量が大きい順に第1優先順位として問屋3bが設定され、第2優先順位として問屋3cが設定される。そして問屋3bの差異量と、問屋3cの差異量との差となる「500(=1000−500)」を問屋3bから減量して問屋3aに増量する。
【0078】
次に、図32(d)及び図33(c)に示すように、第1優先順位として問屋3cが設定され、該問屋3cの差異量「500」を問屋3cから減量して問屋3aに増量する。次に、図32(e)及び図33(d)に示すように、問屋3bの差異量「500」を問屋3bから減量して問屋3aに増量する。
【0079】
前記ステップS51において、各相手先が基準在庫金額以内になった場合には、図7に示すステップS16へ進む。前記ステップS47において、商品銘柄Iが終了したらステップS52に進んで図18に示す販売計画情報を読み込み、問屋3が在庫を負担する問屋バイオーダ型の取引タイプに設定された商品銘柄を選択する。そして在庫金額が多い順に商品銘柄Jをソートする。
【0080】
次に図10に示すステップS53において、図19に示す対象相手先販売計画情報で商品銘柄Jを1からJまで繰り返し、ステップS54において、商品銘柄Jが終了したか否かを判断する。商品銘柄Jが終了しない間はステップS55に進んで図19に示す商品銘柄Jの商社2の販売計画情報を読み込み、在庫金額が多い順にソートする。
【0081】
次にステップS56において、各商品銘柄がカラー分割可能な商品銘柄か否かを判断し、カラー分割可能な商品銘柄であれば、ステップS57において、前記ステップS55でソートした商品銘柄Jをカラー別数量に分解し、販売量の下位色の順にアプリケーションサーバ装置14に設けられた取引タイプ選択手段となる取引タイプ選択部17により、図31(b)に示すように、問屋3が在庫を負担する「問屋バイオーダ型」の取引タイプから、商社2が在庫を負担する「商社オープン型」の取引タイプに切り替える。即ち、「売れ筋色」から「売れ筋でない色」に切り替えるのである。
【0082】
図28はその一例であり、商社2aの商品銘柄Aの中で販売量が一番少ない問屋3が在庫を負担する「問屋バイオーダ型」の取引タイプに設定された色別販売量の「赤」を選択し、商社2が在庫を負担する「商社オープン型」の取引タイプに切り替える。これを全体の所定の切り崩し率まで繰り返す。
【0083】
このとき、コンピュータシステムにより構成された売れ筋カラー抽出手段となる売れ筋カラー抽出部24により販売実績DB5に記憶されたメーカ1、商社2、問屋3の各販売実績から売れ筋のカラーを抽出する。そして、売れ筋カラー抽出部24により抽出された売れ筋のカラーのうちの下位の取引タイプが、問屋3が在庫を負担する「問屋バイオーダ型」の取引タイプに設定されていた場合には、取引タイプ選択手段となる取引タイプ選択部17により商社2が在庫を負担する「商社オープン型」の取引タイプに変更する。
【0084】
次にステップS58において、対象相手先の在庫金額が基準在庫金額以内になったか否かを判断し、在庫金額が基準在庫金額以内になるまでステップS57〜ステップS58を繰り返して切り崩しを繰り返す。そして、所定の切り崩し率に達して切り崩しが終了したら、次の商品銘柄についてステップS53〜ステップS58を繰り返す。ステップS58において、在庫金額が基準在庫金額以内になった場合には図7のステップS16に進む。
【0085】
ステップS56において、カラー分割が出来ない商品銘柄である場合には、ステップS59に進んで、対象商品銘柄の商社2が基準在庫金額以上ならば商社2が在庫を負担する「商社オープン型」の取引タイプに切り替える。次にステップS60に進んで対象相手先の在庫金額が基準在庫金額以内になったか否かを判断し、在庫金額が基準在庫金額以内になるまでステップS53〜ステップS60を繰り返し、切り崩しが終了したら次の商品銘柄も同様に繰り返す。ステップS60において、対象相手先の在庫金額が基準在庫金額以内になった場合は図7のステップS16へ進む。
【0086】
前記ステップS54において、商品銘柄Jが終了した場合には、図11に示すステップS61に進み、図18に示す販売計画情報を読み込み、問屋3が在庫を負担する問屋バイオーダ型の取引タイプに設定された商品銘柄Kを選択する。そして在庫金額が多い順にソートする。
【0087】
次にステップS62において、図18に示す対象相手先の販売計画において、商品銘柄Kを1からKまで繰り返し、ステップS63において商品銘柄Kが終了したか否かを判断する。商品銘柄Kが終了しない間はステップS64に進んで図18に示す商品銘柄Kの商社2の販売計画情報を読み込み、在庫金額が多い順にソートする。次にステップS65において、商社2が基準在庫金額以内になるか否かを判断し、基準在庫金額以内にならない間はステップS62〜ステップS65を繰り返す。
【0088】
前記ステップS65において、商社2が基準在庫金額以内になった場合には、取引タイプで引き取り日を30日ずらす。引き取り日をずらすことで商社2が在庫を一時預かるバッファの役割を果たす。このとき予め設定した切り崩し率に達するまで切り崩しを実施する。次にステップS67において、基準在庫金額以内になったか否かを判断し、基準在庫金額以内になるまではステップS62〜ステップS67を繰り返す。基準在庫金額以内になった場合には、図7のステップS16へ進む。
【0089】
前記ステップS63において、商品銘柄Kが終了した場合には、ステップS68に進み、図18に示す販売計画情報を読み込み、問屋3が在庫を負担する「問屋バイオーダ型」の取引タイプに設定された商品銘柄を選択する。そして在庫金額が多い順に商品銘柄Lをソートする。
【0090】
次にステップS69において、対象相手先の販売計画において商品銘柄Lを1からLまで繰り返し、ステップS70において、商品銘柄Lが終了したか否かを判断する。商品銘柄Lが終了しない間はステップS71に進んで、メーカ1が在庫を負担する「メーカ見込みオーダ型」の商品銘柄に設定する。
【0091】
次にステップS72において、基準在庫金額以内になったか否か、或いは終了したか否かを判断し、基準在庫金額以内にならない間、或いは終了しない間はステップS68〜ステップS72を繰り返す。ステップS70において商品銘柄Lが終了した場合、或いはステップS72において、基準在庫金額以内になった場合、或いは終了した場合には図7のステップS16へ進む。
【0092】
次に図8に示すステップS34において、相手先が商社2であった場合には、ステップS36に進んで図12及び図13に示す商社処理(処理C)を行う。先ず、図12に示すステップS81において、図18に示す対象相手先販売計画情報を読み込み、ステップS82において、新商品があるか否かを判断し、新商品があればステップS83に進み、その新商品が商社2が在庫を負担する「商社オープン型」の取引タイプに設定されていた場合には、アプリケーションサーバ装置14に設けられた取引タイプ選択手段となる取引タイプ選択部17により問屋3が在庫を負担する「問屋バイオーダ型」の取引タイプに変更する。
【0093】
次にステップS84において、在庫金額が基準在庫金額以内になったか否かを判断し、在庫金額が基準在庫金額以内になるまではステップS81〜ステップS84を繰り返し、在庫金額が基準在庫金額以内になった場合には図7のステップS16に進む。ステップS82において、新商品が無い場合にはステップS85に進んで図18に示す販売計画情報を読み込み、商社2が在庫を負担する「商社オープン型」の取引タイプに設定されていた商品銘柄を選択し、基準在庫金額を下回る差が大きい商品銘柄Iをソートする。
【0094】
次にステップS86において、図18に示す対象相手先販売計画において、商品銘柄Iを1からIまで繰り返し、ステップS87において、商品銘柄Iが終了したか否かを判断する。商品銘柄Iが終了しない間はステップS88に進み、図18に示す商品銘柄Iの問屋3の販売計画情報を読み込み、在庫金額が多い順にソートする。
【0095】
次にステップS89において、カラー分割可能な商品銘柄か否かを判断し、カラー分割可能であれば、ステップS90に進んで商品銘柄Iをカラー別数量に分解し、販売量の上位色の順にアプリケーションサーバ装置14に設けられた取引タイプ選択手段となる取引タイプ選択部17により、図31(a)に示すように、商社2が在庫を負担する「商社オープン型」の取引タイプから、問屋3が在庫を負担する「問屋バイオーダ型」の取引タイプに切り替える。即ち「売れ筋でない色」から「売れ筋色」に切り替えるのである。
【0096】
図30は商品銘柄Aの問屋3a,3bの合計の中で商社2が在庫を負担する「商社オープン型」の取引タイプに設定された販売量が一番多い色別販売量の「白」を選択し、問屋3が在庫を負担する「問屋バイオーダ型」の取引タイプに切り替える一例を示す。このとき予め設定された切り崩し率に達するまで繰り返す。
【0097】
このとき、コンピュータシステムにより構成された売れ筋カラー抽出手段となる売れ筋カラー抽出部24により販売実績DB5に記憶されたメーカ1、商社2、問屋3の各販売実績から売れ筋のカラーを抽出する。そして、売れ筋カラー抽出部24により抽出された売れ筋のカラーのうちの上位の取引タイプが、商社2が在庫を負担する「商社オープン型」の取引タイプに設定されていた場合には、取引タイプ選択部17により問屋3が在庫を負担する「問屋バイオーダ型」の取引タイプに変更する。
【0098】
次にステップS91において、在庫金額が基準在庫金額以内になったか否かを判断し、基準在庫金額以内になるまではステップS86〜ステップS91を繰り返す。基準在庫金額以内になった場合には図7のステップS16へ進む。前記ステップS89において、カラー分割可能でない商品銘柄の場合には、ステップS92に進み、対象商品銘柄Iの問屋3が基準在庫金額以内になるならば、問屋3が在庫を負担する「問屋バイオーダ型」の取引タイプに変更する。
【0099】
次にステップS93において、在庫金額が基準在庫金額以内になったか否かを判断し、基準在庫金額以内になるまではステップS86〜ステップS93を繰り返す。基準在庫金額以内になった場合には図7のステップS16へ進む。
【0100】
図32(f)及び図33(e)はその具体例を示し、問屋3aの基準在庫量との差分となる「500」を商社2bから減量し、問屋3aに増量する。
【0101】
前記ステップS87において、商品銘柄Iが終了した場合には、図13に示すステップS94に進み、図18に示す販売計画情報を読み込み、問屋3が在庫を負担する「問屋バイオーダ型」の取引タイプに設定された商品銘柄Jを選択し、在庫金額が多い順にソートする。次にステップS95において、図18に示す対象相手先販売計画において商品銘柄Jを1からJまで繰り返し、ステップS96において、商品銘柄Jが終了したか否かを判断する。
【0102】
商品銘柄Jが終了するまでの間はステップS97に進んで図18に示す商品銘柄Jの問屋3の販売計画情報を読み込み、在庫金額が多い順にソートする。次にステップS98において、対象商品銘柄Jの問屋3が基準在庫金額以内になる場合には、取引タイプで引き取り日を30日ずらす。このとき予め設定された切り崩し率に達するまで繰り返す。
【0103】
次にステップS99において、基準在庫金額以内になったか否かを判断し、基準在庫金額以内になるまではステップS95〜ステップS99を繰り返す。基準在庫金額以内になった場合には図7のステップS16へ進む。
【0104】
前記ステップS96において、商品銘柄Jが終了した場合には、ステップS100に進み、図18に示す販売計画情報を読み込み、商社2が在庫を負担する「商社オープン型」の取引タイプに設定された商品銘柄を選択する。そして在庫金額が多い順に商品銘柄Jをソートする。
【0105】
次にステップS101において、メーカ1が在庫を負担する「メーカ見込みオーダ型」の商品銘柄に設定し、ステップS102において、基準在庫金額以内になったか否か、或いは終了したか否かを判断する。基準在庫金額以内になるまでの間、或いは終了するまでの間はステップS101〜ステップS102を繰り返して切り崩しを繰り返し、基準在庫金額以内になったか、或いは終了した場合には、図7に示すステップS16へ進む。
【0106】
図32(g)及び図33(f)はその具体例を示し、商社2bの基準在庫量との差分となる「1500」を商社2bから減量し、メーカ1に増量する。
【0107】
次に図8に示すステップS34において、相手先がメーカ1であった場合には、ステップS37に進んで図14及び図15に示すメーカ処理(処理D)を行う。先ず、図14に示すステップS111において、前記図8のステップS35における問屋処理(処理B)、図8のステップS36における商社処理(処理C)が終了したか否かを判断し、両処理B,Cが終了していない場合にはステップS112に進んでメーカ1の順位を最後にして図8に示すステップS35、S36に移行する。
【0108】
ステップS111において、問屋処理(処理B)及び商社処理(処理C)が終了している場合には、ステップS113に進んで、図18に示す販売計画情報を読み込み、在庫金額が多い順に商品銘柄Mをソートする。
【0109】
次にステップS114において、図18に示す販売計画において、商品銘柄Mを1からMまで繰り返し、ステップS115において、商品銘柄Mが終了したか否かを判断する。商品銘柄Mが終了しない間はステップS116に進んで問屋3が在庫を負担する「問屋バイオーダ型」の取引タイプに設定された商品銘柄が基準在庫金額以内の在庫金額となる問屋3ならばメーカ1の在庫として存在する問屋3が在庫を負担する「問屋バイオーダ型」の取引タイプに設定された商品銘柄を問屋3に設定する。
【0110】
図32(h)及び図33(g)はその具体例を示し、商社2aの基準在庫量との差分となる「2000」をメーカ1から減量し、商社2aに増量する。図33(h)の最終結果で示すように、この段階でメーカ1は基準在庫量を下回って在庫不足となるため、例えば生産指示等の対策が施される。
【0111】
また、商社2が在庫を負担する「商社オープン型」の取引タイプに設定された商品銘柄が基準在庫金額以内の在庫金額となる商社2ならばメーカ1の在庫として存在する商社2が在庫を負担する「商社オープン型」の取引タイプに設定された商品銘柄を商社2に設定する。ここで、予め設定された取り崩し率に達するまで繰り返す。
【0112】
次にステップS117において、メーカ1の基準在庫内か否かを判断し、メーカ1の基準在庫内である間はステップS114〜S117を繰り返して切り崩しを繰り返す。ステップS117において、メーカ1の基準在庫を超えた場合には図7のステップS16へ進む。
【0113】
ステップS115において、商品銘柄Mが終了した場合には、図15に示すステップS118に進み、図18に示す販売計画情報を読み込み、在庫金額が多い順に商品銘柄Nをソートする。次にステップS119において、図18に示す販売計画において商品銘柄Nを1からNまで繰り返し、ステップS120において、商品銘柄Nが終了したか否かを判断する。商品銘柄Nが終了しない間はステップS121に進んで、生産計画月数を予め設定された所定の月数ずつ所定の期間までずらす。
【0114】
次にステップS122において、基準在庫金額以内になったか否かを判断し、基準在庫金額以内にならない間は前記ステップS119〜ステップS122を繰り返す。ステップS122において、基準在庫金額以内になった場合には、図7のステップS16へ進む。
【0115】
前記ステップS120において、商品銘柄Nが終了した場合には、ステップS123に進み、図18に示す販売計画情報を読み込み、在庫金額が多い順に商品銘柄Pをソートする。次にステップS124において、図18に示す販売計画において商品銘柄Pを1からPまで繰り返し、ステップS125において、商品銘柄Pが終了したか否かを判断する。商品銘柄Pが終了しない間はステップS126に進んで、生産計画量を予め設定された所定の削減率まで減らす。
【0116】
次にステップS127において、基準在庫金額以内になったか否かを判断し、基準在庫金額以内にならない間は前記ステップS124〜ステップS127を繰り返す。ステップS127において、基準在庫金額以内になった場合、或いはステップS125において商品銘柄Pが終了した場合には、それぞれ図7のステップS16へ進む。
【0117】
尚、前述した図32及び図33に示した一例は、商社2a、2b及び問屋3a〜3cが全て基準在庫量以下になり、メーカ1では基準在庫量を下回った場合の一例について説明したが、図34及び図35では商社2a、2b及び問屋3a〜3cが全て基準在庫量以下になり、メーカ1では基準在庫量を上回って余剰在庫が生じた場合の一例について説明する。
【0118】
図9に示す前記ステップS46〜ステップS51において、図34(a)〜(d)及び図35(a)〜(c)はその具体例を示し、図34(a)に示すように、メーカ1、商社2a、2b、問屋3a〜3cのそれぞれの基準在庫量及び基準在庫金額が設定され、図34(b)及び図35(a)に示すように、メーカ1、商社2a、2b、問屋3a〜3cのそれぞれの希望在庫量に基づいて各基準在庫量との差異量が演算される。図35はその各差異量を示す棒グラフであり、基準在庫量を示す水平軸よりも上に示された差異量は基準在庫量よりも在庫量が下回る場合(在庫不足)を示しており、基準在庫量を示す水平軸よりも下に示された差異量は基準在庫量よりも在庫量が上回る場合(余剰在庫)を示している。この段階で図35(a)に示すように、商社2b、問屋3b,3cの在庫量が各基準在庫量をオーバーしていることが示される。
【0119】
先ず、図34(c)及び図35(b)に示すように、予め切り崩しの第1優先順位として問屋3が設定されており、更に問屋3のうちで、在庫量と基準在庫量との差異量が大きい順に第1優先順位として問屋3bが設定され、第2優先順位として問屋3cが設定される。そして問屋3bの差異量と、問屋3cの差異量との差となる「1000(=2000−1000)」を問屋3bから減量して問屋3aに増量する。
【0120】
次に、図34(d)及び図35(c)に示すように、第1優先順位として問屋3cが設定され、該問屋3cの差異量「1000」を問屋3cから減量して問屋3aに増量する。
【0121】
次に、図10に示すステップS53〜ステップS60において、図34(e)及び図35(d)に示すように、問屋3bの基準在庫量との差異量「1000」を問屋3bから減量し、商社2aに増量する。
【0122】
次に、図11に示す前記ステップS71において、図34(f)及び図35(e)に示すように、商社2bの基準在庫量との差異量「3000」を商社2bから減量し、メーカ1に増量する。
【0123】
図35(f)は最終結果を示し、この段階でメーカ1は基準在庫量を上回っているため余剰在庫の処理等の対策が施される。
【0124】
尚、前記実施形態では、各在庫金額と基準在庫金額とを利用して比較、設定を行う構成としたが、アプリケーションサーバ装置14に設けられた在庫量演算手段となる在庫量演算部18により算出された各商品銘柄の在庫量と、予め設定された基準在庫量とを利用して比較、設定を行う構成とすることが出来、詳しい説明は省略するが略同様な構成で同様な効果を得ることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明の活用例として、メーカ、商社、問屋が介在する流通過程でのトータル在庫管理及び在庫分散を行なうための流通在庫分散システムに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明に係る流通在庫分散システムの全体フローを示す図である。
【図2】本発明に係る流通在庫分散システムの全体フローを示す図である。
【図3】本発明に係る流通在庫分散システムの全体フローを示す図である。
【図4】本発明に係る流通在庫分散システムの全体フローを示す図である。
【図5】本発明に係る流通在庫分散システムの制御系の構成を示すブロック図である。
【図6】取引タイプの説明をする図である。
【図7】在庫分散シミュレーションを説明するフローチャートである。
【図8】販売計画の変更設定を行なう様子を示すフローチャートである。
【図9】問屋処理の詳細を示すフローチャートである。
【図10】問屋処理の詳細を示すフローチャートである。
【図11】問屋処理の詳細を示すフローチャートである。
【図12】商社処理の詳細を示すフローチャートである。
【図13】商社処理の詳細を示すフローチャートである。
【図14】メーカ処理の詳細を示すフローチャートである。
【図15】メーカ処理の詳細を示すフローチャートである。
【図16】販売計画入力画面の一例を示す図である。
【図17】基準在庫金額登録画面の一例を示す図である。
【図18】販売計画補正入力画面の一例を示す図である。
【図19】販売計画補正入力承認画面の一例を示す図である。
【図20】(a)は販売計画表の一例を示す図、(b)は販売計画を集計配分する様子を示すと共に販売計画補正表の一例を示す図である。
【図21】(a)は販売実績表の一例を示す図、(b)は月別展開表の一例を示す図、(c)は総販売計画と基準在庫量または基準在庫金額の一例を示す図である。
【図22】取引タイプ補正選択画面の一例を示す図である。
【図23】生産販売計画表の一例を示す図である。
【図24】商社が在庫を負担する取引タイプのバランス表の一例を示す図である。
【図25】問屋が在庫を負担する取引タイプのバランス表の一例を示す図である。
【図26】メーカが在庫を負担する取引タイプのバランス表の一例を示す図である。
【図27】取引タイプを問屋が在庫を負担する取引タイプから商社が在庫を負担する取引タイプに変更した場合の生産販売計画表の一例を示す図である。
【図28】同一の商品銘柄でカラー毎の売れ筋上位/下位で取引タイプを変更する様子を示し、売れ筋のカラーのうちの下位の取引タイプが問屋が在庫を負担する取引タイプに設定されていた場合に商社が在庫を負担する取引タイプに変更する様子を示す図である。
【図29】売れ筋のカラーのうちの下位の取引タイプが問屋が在庫を負担する取引タイプに設定されていた場合に商社が在庫を負担する取引タイプに変更する場合の生産販売計画表の一例を示す図である。
【図30】同一の商品銘柄でカラー毎の売れ筋上位/下位で取引タイプを変更する様子を示し、売れ筋のカラーのうちの上位の取引タイプが商社が在庫を負担する取引タイプに設定されていた場合に問屋が在庫を負担する取引タイプに変更する様子を示す図である。
【図31】色別販売実績に基づいて、同一の商品銘柄でカラー毎の売れ筋上位/下位で取引タイプを変更する様子を示し、(a)は売れ筋のカラーのうちの上位60%の取引タイプで商社が在庫を負担する取引タイプに設定されていた場合に問屋が在庫を負担する取引タイプに変更する様子を示す図、(b)は売れ筋のカラーのうちの下位40%の取引タイプが問屋が在庫を負担する取引タイプに設定されていた場合に商社が在庫を負担する取引タイプに変更する様子を示す図である。
【図32】本発明に係る流通在庫分散システムにより在庫量を変更する様子を示すと共に、メーカ、商社、問屋が介在する流通過程でのトータル在庫管理及び在庫分散を行なった結果の一例を説明する図である。
【図33】本発明に係る流通在庫分散システムにより在庫量を変更する様子を示すと共に、メーカ、商社、問屋が介在する流通過程でのトータル在庫管理及び在庫分散を行なった結果の一例を説明する図である。
【図34】本発明に係る流通在庫分散システムにより在庫量を変更する様子を示すと共に、メーカ、商社、問屋が介在する流通過程でのトータル在庫管理及び在庫分散を行なった結果の一例を説明する図である。
【図35】本発明に係る流通在庫分散システムにより在庫量を変更する様子を示すと共に、メーカ、商社、問屋が介在する流通過程でのトータル在庫管理及び在庫分散を行なった結果の一例を説明する図である。
【符号の説明】
【0127】
1…メーカ
2,2a〜2d…商社
3,3a〜3c…問屋
4…管理センター
5…販売実績DB
6…パソコン
7…データベースサーバ装置
8…インターネット
9…販売計画DB
10…販売計画入力画面
10a…登録確認ボタン
10b…販売計画欄
11…販売計画補正入力画面
11a…配分結果欄
11b…補正入力欄
11c…確認登録ボタン
12a…各社販売計画欄
12b…販売計画配分結果欄
13…基準在庫DB
14…アプリケーションサーバ装置
15…販売計画作成部
16…月別展開部
17…取引タイプ選択部
18…在庫量演算部
19…在庫量比較部
20…在庫金額演算部
21…在庫金額比較部
22…在庫量変更部
23…販売計画補正部
24…売れ筋カラー抽出部
25…社外用WEBサーバ装置
26…ファイヤーウオール
27…テスト用待機サーバ装置
28…データ連携用サーバ装置
29…ファイヤーウオール
30…基準在庫金額登録画面
30a…修正登録確認ボタン
31…基準在庫金額各社申請登録画面
31a…修正登録確認ボタン
32…販売計画補正入力承認画面
32a…修正入力欄
33…取引タイプ補正選択画面
33a…取引タイプ欄
33b…修正登録確認ボタン
34…流通在庫分散システム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとが介在する流通過程でのトータル在庫管理及び在庫分散を行なうための流通在庫分散システムであって、
商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売計画を複数月分総合して作成する販売計画作成手段と、
前記商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売実績を記憶する販売実績記憶手段と、
前記販売実績記憶手段に記憶された前記商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売実績に基づいて、前記販売計画作成手段により作成された前記商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売計画を月別に展開する月別展開手段と、
前記月別展開手段により月別に展開された前記商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売計画の商品銘柄に基づいて、メーカが在庫を負担する第1の取引タイプ、商社が在庫を負担する第2の取引タイプ、或いは問屋が在庫を負担する第3の取引タイプの何れかの取引タイプを選択する取引タイプ選択手段と、
前記取引タイプ選択手段により選択された取引タイプに応じて設定された在庫分担割合に応じた各商品銘柄の在庫量を算出する在庫量演算手段と、
前記在庫量演算手段により演算された在庫量と、基準在庫量とを比較する在庫量比較手段と、
前記在庫量比較手段により比較された在庫量に基づいて前記取引タイプ選択手段により取引タイプを選択することにより前記商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各在庫量を変更する在庫量変更手段と、
を有することを特徴とする流通在庫分散システム。
【請求項2】
商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとが介在する流通過程でのトータル在庫管理及び在庫分散を行なうための流通在庫分散システムであって、
商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売計画を複数月分総合して作成する販売計画作成手段と、
前記商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売実績を記憶する販売実績記憶手段と、
前記販売実績記憶手段に記憶された前記商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売実績に基づいて、前記販売計画作成手段により作成された前記商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売計画を月別に展開する月別展開手段と、
前記月別展開手段により月別に展開された前記商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売計画の商品銘柄に基づいて、メーカが在庫を負担する第1の取引タイプ、商社が在庫を負担する第2の取引タイプ、或いは問屋が在庫を負担する第3の取引タイプの何れかの取引タイプを選択する取引タイプ選択手段と、
前記取引タイプ選択手段により選択された取引タイプに応じて設定された在庫分担割合に応じた各商品銘柄の在庫量を算出する在庫量演算手段と、
前記在庫量演算手段により算出された各商品銘柄の在庫量に、該各商品銘柄の単価を乗じた在庫金額を算出する在庫金額演算手段と、
前記在庫金額演算手段により演算された在庫金額と、基準在庫金額とを比較する在庫金額比較手段と、
前記在庫金額比較手段により比較された在庫金額に基づいて前記取引タイプ選択手段により取引タイプを選択することにより前記商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各在庫量を変更する在庫量変更手段と、
を有することを特徴とする流通在庫分散システム。
【請求項3】
前記販売計画作成手段により作成された商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売計画を補正する販売計画補正手段を有し、
前記月別展開手段は、前記販売実績記憶手段に記憶された前記商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売実績に基づいて、前記販売計画補正手段により補正された前記商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売計画を月別に展開することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流通在庫分散システム。
【請求項4】
前記在庫量変更手段は、商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとのうちの所定の順で、前記在庫量または在庫金額が前記基準在庫量または基準在庫金額を超えた商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとのうちで前記在庫量または在庫金額から前記基準在庫量または基準在庫金額を差し引いたオーバー在庫量またはオーバー在庫金額が多い順に、その商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとのうちの所定の在庫量から、オーバー在庫量またはオーバー在庫金額が多い順の第1位と第2位との差の在庫量ずつ差し引き、その差し引いた差の在庫量を、前記在庫量または在庫金額が前記基準在庫量または基準在庫金額以内になる商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとのうちの所定の順で、各商品銘柄毎の割り当てがあって且つ前記在庫量または在庫金額から前記基準在庫量または基準在庫金額を差し引いたアンダー在庫量またはアンダー在庫金額が多い順に、その商品銘柄の在庫数量に上乗せして在庫量を変更することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流通在庫分散システム。
【請求項5】
前記販売実績記憶手段に記憶された商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売実績から同一の商品銘柄で売れ筋のカラーを抽出する売れ筋カラー抽出手段を有し、
前記売れ筋カラー抽出手段により抽出された売れ筋のカラーのうちの上位の取引タイプが、商社が在庫を負担する第2の取引タイプに設定されていた場合には、前記取引タイプ選択手段により問屋が在庫を負担する第3の取引タイプに変更することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流通在庫分散システム。
【請求項6】
前記販売実績記憶手段に記憶された商社、問屋のうちの少なくとも1つと、メーカとの各販売実績から同一の商品銘柄で売れ筋のカラーを抽出する売れ筋カラー抽出手段を有し、
前記売れ筋カラー抽出手段により抽出された売れ筋のカラーのうちの下位の取引タイプが、問屋が在庫を負担する第3の取引タイプに設定されていた場合には、前記取引タイプ選択手段により商社が在庫を負担する第2の取引タイプに変更することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流通在庫分散システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2006−327817(P2006−327817A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−157667(P2005−157667)
【出願日】平成17年5月30日(2005.5.30)
【出願人】(303046303)旭化成せんい株式会社 (548)
【Fターム(参考)】