流通履歴管理方法
【課題】
商品の温度情報と施設の温度情報を利用した商品の流通履歴管理の方法において、判定方法の精度をあげ、流通履歴に不正がある場合はその旨を通知することができる商品の流通履歴管理方法を得る。
【解決手段】
温度受信機31、32、33からの温度情報と施設温度測定機41、42、43からの温度情報はネットワーク51を介してトレースサーバ10に蓄積される。トレースサーバ10は管理している温度センサ30の情報と施設温度測定機41、42、43の情報より、商品の流通履歴の信憑性を判定し、判定に際しては判定精度を高めるように利用する温度情報を取得し、商品の流通履歴の信憑性を管理する。この構成により、特別なハード構成などを付加せずに、現状の構成で商品の流通履歴を管理することが可能になる。
商品の温度情報と施設の温度情報を利用した商品の流通履歴管理の方法において、判定方法の精度をあげ、流通履歴に不正がある場合はその旨を通知することができる商品の流通履歴管理方法を得る。
【解決手段】
温度受信機31、32、33からの温度情報と施設温度測定機41、42、43からの温度情報はネットワーク51を介してトレースサーバ10に蓄積される。トレースサーバ10は管理している温度センサ30の情報と施設温度測定機41、42、43の情報より、商品の流通履歴の信憑性を判定し、判定に際しては判定精度を高めるように利用する温度情報を取得し、商品の流通履歴の信憑性を管理する。この構成により、特別なハード構成などを付加せずに、現状の構成で商品の流通履歴を管理することが可能になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タグやバーコードなどを用いて商品の流通履歴を管理するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、いわゆるRFIDタグやバーコードといわれる識別媒体と温度センサ・湿度センサなどのセンサを商品に付与し、商品の流通履歴の取得や、品質管理が行われている。例えば店舗でRFIDを読取る装置に商品に付与されているRFIDタグをかざすと、商品の流通履歴が表示され、消費者に食の安心・安全を提供している。このような商品履歴を表示するシステムでは、表示履歴の通りに商品がその流通経路を通ってきたことを消費者は確認することは難しい。
【0003】
このような問題を鑑みて特許文献1に記載された技術が提案されている。特許文献1においては、流通経路において農産物のすり替えを防ぐことを目的としている。この目的を達成するために、特許文献1では、カメラを用いて農作物の形状を認識し、その画像データをメモリ部に保存し、前回の画像データとの突合せを実施することで、農作物にある傷や形状の特徴から農作物のすり替えを検知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-146570
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のように、特許文献1においては、カメラで取得した画像データを比較することで、農作物のすり替えの検知を行っている。このため、すり替え検知のためにわざわざカメラやサーバを設置することが必要になり、非常にコストの高い偽装防止の方法である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明では、商品に付属されたセンサで取得された環境情報を、流通管理に用いるものである。この際、センサで取得された環境情報と流通拠点や流通手段(トラック等)などの施設で取得された環境情報(もしくは施設で温度等を管理している制御情報)を比較することがより好適である。つまり、これらの比較の結果、所定関係を有するか否かで、流通履歴に不正があるかを判断する。なお、商品に付属させるタグにセンサで取得された情報を格納してもよい。
【0007】
判断に利用する環境情報は、センサで検知するものであり、ある施設で複数の環境情報が存在する。この場合、上記の比較も複数の環境情報を用いる。この場合、以下の処理を行い判定に利用するデータを絞ることで、判定結果の精度を上げている。それは、商品の入荷時刻(もしくは入荷時刻に対応する時点)の環境情報と施設の環境情報の値を比較し、ある範囲内におさまっているかを判断してから、判定に利用する複数の環境情報を取得する。これは、商品はさまざまな場所を移動するため、センサで検知する環境情報も一定ではない。施設に入荷してからしばらくの間は、施設の環境に近づくため環境情報の示す値の変化が大きい。この際の環境情報を利用しないように、商品の温度と施設の温度の差が一定以上であった場合は、入荷時刻に一定時間を加算した時刻から、出荷時刻までの温度を判定に利用する。もしくは、入荷時点から1組ずつ比較を行い、その差分が一定範囲内になった以降のものを判定に用いるようにする。この場合、一定範囲内になった以降の環境情報の数が一定数以下の場合、不正があったとして判定を省略してもよい。
【0008】
なお、本発明の環境情報は物理量として計測され、温度、湿度、気圧(水圧)、光量、音量などが含まれる。また、商品に付属されるセンサとは、商品に添付されることの他、商品の包装や運搬具に添付もしくは設置しても構わない。また、本願明細書での商品とは販売対象以外の製品、製造物、自然物物品などその流通(いわゆる流通の他、運送、生産などを含みその履歴が管理されるもの)が管理されるものであることを含む。
【0009】
またさらに、本発明には、上記センサの一部が欠落した場合の対応、すなわち、代替センサを用いることを含まれる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡便なシステムで、商品の流通履歴の正・不正を管理もしくは把握することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の流通履歴管理システムの一実施形態を示す模擬図である。
【図2】図1のトレースサーバ10のブロック図である。
【図3】本実施形態の温度情報を利用した信憑性判定の処理手順の実施形態を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態の判定に利用する温度情報を取得するための処理手順の実施形態を示すフローチャートである。
【図5】図2の外部記憶装置63に格納されている流通履歴DB104のデータ構成図である。
【図6】図2の外部記憶装置63に格納されている商品温度管理DB105のデータ構成図である。
【図7】図2の外部記憶装置63に格納されている施設温度管理DB106のデータ構成図である。
【図8】第2の実施形態における図2の外部記憶装置63に格納されている入荷履歴DB107のデータ構成図である。
【図9】第2の実施形態における図2の外部記憶装置63に格納されている出荷履歴DB108のデータ構成図である。
【図10】第2の実施形態における温度情報の代替情報を決定するために必要となる情報を取得するための処理手順の実施形態を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施形態における温度情報の代替情報を決定するための処理手順の実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1に、本発明の流通履歴管理システムの一例を示す。本例では流通する対象として野菜を、環境情報として、温度情報を用いる例にして説明する。また、野菜の流通経路は、生産者、流通倉庫、店舗の流通拠点を順に経由する。この流通履歴管理システムは、野菜にRFIDタグやバーコードなどのID識別用媒体20と温度センサ30を付与し、各流通拠点にはIDを読取るための装置であるID読取機21、22、23と野菜に取付けられた温度センサからの温度情報を取得するための温度受信機31、32、33がそれぞれ配置され、上記読取機、受信機を制御するためにトレースクライアント11、12、13を配置し、店舗には野菜の流通履歴を参照するために履歴表示用端末14とID読取機24をさらに配置し、センタ側には各情報履歴を管理するためのトレースサーバ10を配置する。また、生産者、流通倉庫、店舗の各拠点にはそれぞれの施設の温度を管理するために施設温度測定器41、42、43が配置され、各拠点の温度情報を管理するための施設管理サーバ15、16、17を配置する。トレースクライアント11、12、13と施設管理サーバ15、16、17は、インターネットやイントラネットなどのネットワーク51を介してトレースサーバ10と接続される。温度受信機で受信した野菜の温度情報と施設温度測定機で受信した施設の温度情報の突合せにより、野菜の流通履歴の信憑性を提供する。なお、各クライアントやサーバの情報処理機能は、いわゆるコンピュータで実現され、各機能はプログラムに従ってCPUの如き演算装置で実行される。また、ID識別用媒体20は、当該媒体もしくは商品を識別するIDを格納している。また、温度センサ30で取得した温度情報を書き込み可能にしてもよい。この場合、後述する履歴情報を、このID識別用媒体から取得する。
【0013】
次に、この流通履歴管理システムをより詳細に説明する。
図1は、野菜が流通する場合の模式図を示している。ID識別用媒体20はID読取機21、22、23へID情報を送信し、ID読取機21、22、23は受信したID情報をトレースクライアント11、12、13へ渡し、トレースクライアント11、12、13はそのID情報に読取時刻と拠点情報を付与してネットワーク51を介してトレースサーバ10へ送信する。また、温度センサ30は温度受信機31、32、33へ温度情報を送信し、温度受信機31、32、33はトレースクライアント11、12、13へその温度情報を渡し、トレースクライアント11、12、13はその温度情報をネットワーク51を介してトレースサーバ10へ送信する。拠点毎に施設温度測定機41、42、43にて測定した施設の温度情報を施設温度管理サーバ15、16、17へ送信し、施設温度管理サーバ15、16、17はネットワーク51を介して、施設の温度情報をトレースサーバ10へ送信する。店舗では、ID読取機24は読取ったID識別用媒体20のID情報を履歴表示端末14送信する。履歴表示端末14はネットワーク51を介して、受取ったID情報をトレースサーバ10に送信する。トレースサーバ10にてID情報に合致する流通履歴情報を検索し、結果を履歴表示端末14に返し、履歴表示端末14は受取った結果を表示する。
【0014】
図2のトレースサーバ10は、流通履歴を管理するサーバであって、その主記憶装置62上に、流通履歴判定プログラム100、流通履歴登録プログラム101、温度登録プログラム102、施設温度登録プログラム103が格納され、CPU61によって実行される。また、トレースサーバ10の外部記憶装置63上には流通履歴DB104と商品温度管理DB105と施設温度管理DB106が格納される。
【0015】
図3は、トレースサーバ10における、ID読取機24にて読取れられたID情報を持つ野菜の流通履歴の信憑性を判定し、表示端末14へその結果と流通履歴を返すフローを示す。図4は、図3のフローにおいて一定時間の温度平均値を算出するためのフローを詳細にしたフローを示す。
【0016】
図5に流通履歴DB104における、流通履歴テーブルの構成を示し、図6に商品温度管理DB105における、商品温度管理テーブルの構成を示し、図7に施設温度管理DB106における施設温度管理テーブルの構成を示す。
【0017】
以下、センサの欠落に対応するための第2の実施形態に関する図8以降の図面について、説明する。図8に、流通履歴DB104における、入荷履歴テーブルの構成を示し、図9に流通履歴DB104における出荷履歴テーブルの構成を示す。図10に、トレースサーバ10における、流通履歴の信憑性の判定に際し、必要となる温度情報が欠如した場合に代替となる識別子を特定するために必要となる情報を取得するフローを示す。図11は、図10のフローにおいて取得した情報から、代替となる識別子を特定するためのフローを示す。
【0018】
この流通履歴管理システムの動作について、図1の実施形態を図3、4のフローチャートに基づいて、図2の各部の動作について説明する。
【0019】
本実施の形態のシステムを起動した場合に、ID識別用媒体20のID情報の読取りと温度受信機31、32、33を開始する。また、施設管理サーバ15、16、17を起動した場合に施設温度測定機41、42、43を開始する。また、各流通拠点にて野菜の入荷、出荷時にID読取機21、22、23にて野菜に付与されたID識別用媒体20を読取る。また、温度受信機31、32、33は、温度センサ30から一定間隔で送信される温度情報を受信する。温度センサ30は温度受信機31、32、33との通信が不可能な場所では、温度受信機31、32、33と通信が可能となるまで取得した温度情報を蓄積する。施設温度測定機41、42、43は一定間隔で施設の温度を測定し、施設管理サーバ15、16、17へ送信する。
【0020】
店舗において、ID読取機24により、野菜に付与されたID識別用媒体20のID情報が読取られ、履歴表示端末14はID読取機24により読取られたID情報をトレースサーバ10へ送信する。このID情報を受取ると、トレースサーバ10はCPU61によって、主記憶装置62の流通履歴判定プログラム100を実行する。トレースサーバ10の履歴表示端末14からのID情報の受取りは、ID読取機24によりID識別用媒体20のID情報が読取られる度に実施する(ステップ201)。
【0021】
ステップ201より受信したID情報をキーに流通履歴DB104より、流通履歴情報を検索する(ステップ202)。
【0022】
ID情報に紐付いた流通履歴情報は主記憶装置62上に一旦格納される。本実施の形態では、図5の識別子「1000」の流通履歴情報を取得したとする(ステップ203)。
【0023】
ステップ203にて取得した流通履歴情報は、場所毎に信憑性の判定の処理が異なる。各場所について、「状態」が出荷のみの場合は、生産者と判断し、仮の入荷時刻を付与する処理を実施する。「状態」が入荷のみの場合は店舗と判断し、本プログラムの判定の処理は実施しない。「状態」が出荷・入荷の両方ある場合は、生産者・店舗の間にある流通倉庫として判断する。本実施形態の場合では、A生産者を生産者とし、B倉庫を流通倉庫とし、C店舗を店舗として判断する。尚、場所の判断では「状態」と「時間」を対応付けて持たせ、その場所での「最新の状態」と一番古い時間の「状態」をみて判断してもよい(ステップ204)。
【0024】
ステップ204にて、生産者として判断された情報には、入荷時刻がないため、出荷時刻より一定時間を引いた時間を仮入荷時刻として設定する。本実施形態では、一定時刻を「4時間」とした場合、出荷時刻が「201001100900」のため、仮入荷時刻は「201001100500」となる(ステップ205)。
【0025】
ステップ205により、設定した仮入荷時刻から出荷時刻の間の温度情報を商品温度DB105より、検索し取得する。本実施形態では仮入荷時刻は「201001100500」、出荷時刻が「201001100900」のため、時刻「201001100800」の際の温度情報「9.0」を取得する(ステップ206)。
【0026】
ステップ204にて、流通倉庫として判断された情報には、入荷時刻と出荷時刻が既にあるため、その時刻情報を元に商品温度管理DB105を検索し、入荷時刻と出荷時刻の間の温度情報を取得する。本実施形態では、入荷時刻が「201001101300」、出荷時刻が「201001102000」であるため時刻「201001101400」「201001101600」「201001101800」「201001102000」の温度「5.0」「5.5」「5.0」「6.0」を取得する(ステップ207)。
【0027】
ステップ206、ステップ207にて取得した拠点毎の温度情報を利用し、信憑性の判定に用いる商品温度情報の平均値を算出する。ここで、商品温度情報と施設温度情報とでは、温度を測定する間隔が異なっているため、素直に平均値を算出してしまっては、誤差の大きい値を比較することが多々出現する可能性がある。そこで、このような比較の機会を減少させてから、商品温度の平均値を算出する。施設の温度はほぼ一定に保たれていることが多い。商品の温度は、各地を移動することから変動の幅も大きい。商品の温度の変動の幅が一定に近づくには、施設に到着してから一定時間経過すればこの幅も小さくなる。
【0028】
入荷時刻(または、仮入荷時刻)に一番近い時間の商品と施設の温度情報を比較し、その差が一定温度より大きい場合に、一定時間経過した後の温度情報の平均値を算出する。一定温度以内であった場合には、入荷時刻(または、仮入荷時刻)から出荷時刻までの温度平均値を算出する。本実施形態では、処理を分ける温度の範囲は「0.5」とする。B倉庫の入荷時刻「201001101300」に近い商品温度の情報は時刻「201001101400」、温度「5.0」であり、施設の温度情報は時刻「201001101400」、温度「5.7」であり、これらの温度の誤差を算出すると「0.7」となり、温度の範囲「0.5」をこえているため、ステップ222の処理へ進む(ステップ220)。
【0029】
ステップ220より、この温度の差を小さくして商品と施設の温度を比較するために、入荷時刻(または仮入荷時刻)へ一定時間を加算し、平均値算出のための入荷時刻とする。本実施形態では、加算する一定時間を「2時間」とする。この場合、平均値算出のための入荷時刻は「201001101500」となる(ステップ221)。
【0030】
ステップ220、ステップ221より、入荷時刻(または仮入荷時刻、平均値算出のための入荷時刻)から、出荷時刻の間の温度情報の平均値を算出する。本実施形態では、入荷時刻(平均値算出のための入荷時刻)「201001101500」、出荷時刻「201001102000」の間の商品温度「5.5」「5.0」「6.0」の平均値を算出すると平均値は「5.5」となる(ステップ222)。
【0031】
入荷時刻(または仮入荷時刻)から出荷時刻までの間の施設の温度情報を施設温度管理DB106より検索・取得する。本実施形態では、入荷時刻「201001101300」から出荷時刻「201001102000」までの間の温度情報を取得する。取得する温度情報は時刻「201001101400」「201001101600」「201001101800」「201001102000」、温度「5.7」「5.5」「5.5」「5.8」を取得し、主記憶装置62に一旦格納する。尚、取得した温度情報は必ずしも一旦格納しなくてもよい(ステップ209)。
【0032】
ステップ209により、取得した温度情報の平均値を算出する。本実施形態では、温度情報が「5.7」「5.5」「5.5」「5.8」であり、これらの平均値を算出すると、施設の温度平均値は「5.625」となる(ステップ210)。なお、本例では、平均値を用いたが、合計値などの他の代表値を用いるようにしてもよい。
【0033】
ステップ208(ステップ222)、ステップ210によりそれぞれ取得した商品の温度平均値と施設の温度平均値の差を算出する。本実施形態では、商品の温度平均値は「5.5」、施設の温度平均値は「5.625」であり、この差をとると「1.125」である(ステップ211)。
【0034】
ステップ211より、算出した商品と施設の温度平均値の差が設定値の範囲内かを判定し、設定値の範囲内であれば、流通履歴情報は正しいと判定する。設定値の範囲外であれば、流通履歴情報は誤りと判定する。本実施形態では、設定値を「1」とした場合、商品と施設の温度平均値の差が「1.125」より、設定値の範囲外である。これより、この流通履歴は誤りと判定する(ステップ212)。
【0035】
ステップ212より、範囲外の流通履歴に対して警告情報を付加する。本実施形態では、B倉庫の流通履歴が誤りと判定されたため、B倉庫の流通履歴に警告情報を付加する(ステップ213)。
【0036】
以上のステップより、各流通履歴の信憑性の判定が終了したため、各流通拠点の履歴判定情報を付加した流通履歴情報をネットワーク51を介して、履歴表示端末14に返す。履歴表示端末14では、受取った流通履歴情報を表示する(ステップ214)。
【0037】
以下、本発明の第2の実施形態、つまり、センサに欠落(バッテリー切れ、故障などによる機能の停止、物理的になくなったことなどを含む)に対応するための処理について説明する。流通履歴判定プログラム100の処理途中で、商品温度管理テーブルを検索するステップ206とステップ207があり、両者の処理中の温度情報を取得する際に温度情報が存在するか、代替情報が必要になるかを判定する。
【0038】
ステップ205により、設定した仮入荷時刻から出荷時刻の間の温度情報が商品温度DB105に存在するかを確認する。本実施形態では仮入荷時刻は「201001100500」、出荷時刻が「201001100900」とし、この間の温度情報が存在しない(ステップ301)。
【0039】
ステップ301にて温度情報が存在しない識別子と場所情報をもとに入荷履歴テーブル107を検索する。本実施形態では識別子が「1000」場所が「B倉庫」の条件にて検索する(ステップ302)。
【0040】
ステップ302の検索条件にヒットしたレコードの「場所」「グルーピング時刻」を取得する。本実施形態では、場所「B倉庫」グルーピング時刻が「201001100900-201001100959」を取得する(ステップ303)。
【0041】
ステップ303にて取得した場所、グルーピング時刻を条件にステップ303で利用した識別子を除く条件で再度入荷履歴テーブル107を検索する。本実施形態では、本実施形態では、場所「B倉庫」グルーピング時刻が「201001100900-201001100959」を条件に、識別子「1000」以外の識別子を検索する(ステップ304)。
【0042】
ステップ304の条件にヒットした識別子を全て取得し、主記憶装置62の空き領域に格納する。本実施形態では、識別子「1010」「1020」を取得し。主記憶装置62の空き領域に一時的に格納する(ステップ305)。
ステップ302、303、304、305と同様の処理を出荷履歴テーブル108に対しても実施する。ステップ301にて温度情報が存在しない識別子と場所情報をもとに出荷履歴テーブル108を検索する。本実施形態では識別子が「1000」場所が「B倉庫」の条件にて検索する(ステップ306)。
【0043】
ステップ306の検索条件にヒットしたレコードの「場所」「グルーピング時刻」を取得する。本実施形態では、場所「B倉庫」グルーピング時刻が「201001102000-201001102059」を取得する(ステップ307)。
【0044】
ステップ307にて取得した場所、グルーピング時刻を条件にステップ307で利用した識別子を除く条件で再度出荷履歴テーブル108を検索する。本実施形態では、場所「B倉庫」グルーピング時刻が「201001102000-201001102059」を条件に、識別子「1000」以外の識別子を検索する(ステップ308)。
【0045】
ステップ308の条件にヒットする識別子が存在するかを確認する。本条件にヒットする識別子がない場合は、ステップ301にて温度情報が存在しない識別子は代替温度情報がないとし、流通履歴情報として、信憑性の判定が出来ないことを警告情報として付加し、履歴表示端末14へ返す。本実施形態では、識別子「1010」「1020」「1030」が条件にヒットする(ステップ309)。
【0046】
ステップ308の条件にヒットした識別子を取得し、主記憶装置62の空き領域に格納する。本実施形態では、識別子「1010」「1020」「1030」を取得し。主記憶装置62の空き領域に一時的に格納する(ステップ310)。
【0047】
ステップ305とステップ310にて主記憶装置62の空き領域に格納された識別子の中から、ステップ301にて温度情報が存在しない識別子の代替温度情報となる識別子を選択する。ステップ305にて取得した識別子はステップ301にて温度情報が存在しない識別子のある場所にあける入荷時刻が同一時間帯の識別子、ステップ310にて取得した識別子はステップ301にて温度情報が存在しない識別子のある場所にあける出荷時刻が(少なくとも一部が重なる)同一時間帯の識別子である。そのため、ステップ305とステップ310で取得した識別子の中に同一の識別子が存在すれば、それがステップ301で温度情報が存在しない識別子と同じ時間その場所に存在したことになる。よって、ステップ305とステップ310で取得したそれぞれの識別子を比較する。本実施形態では、ステップ305で取得した識別子「1010」「1020」とステップ310で取得した識別子「1010」「1020」「1030」を比較する。識別子「1010」「1020」が合致する(ステップ321)。
【0048】
ステップ321で合致するものがあるため、合致した識別子をステップ301で温度情報が存在しない識別子の代替識別子し、信憑性の判定処理に用いる。本実施形態では、識別子「1010」「1020」が合致しており、複数合致する識別子が存在する場合は、識別子が若い方(数値が少ない)など所定条件に従った方を採用する。この場合、識別子「1010」をステップ301で温度情報が存在しない識別子の代替識別子とする(ステップ324)。
【0049】
ステップ321にて、合致する識別子が存在しない場合、ステップ301で温度情報が存在しない識別子と入荷時間帯もしくは出荷時間帯の片方が一致している識別子だけが残っている。ステップ305で取得した識別子はステップ301で温度情報が存在しない識別子と入荷時間帯が同一であるため、その中の識別子で出荷時刻がステップ301で温度情報が存在しない識別子の出荷時刻を超えているものであれば、信憑性判定のための情報を取得することが可能である。よって、ステップ305で取得した識別子の中で、ステップ301で温度情報が存在しない識別子の出荷時刻を越えているものを検索する。本実施形態ではステップ321にて合致するものがあるため、当該処理は省略可能である(ステップ322)。
【0050】
ステップ322で代替識別子として採用する識別子が取得できない場合、ステップ310で取得した識別子はステップ301で温度情報が存在しない識別子の出荷時間帯と同一であるため、その中の識別子で入荷時刻がステップ301で温度情報が存在しない識別子の入荷時刻以前であるものがあれば、信憑性判定のための情報を取得することが可能である。よって、ステップ310で取得した識別子の中でステップ301で温度情報が存在しない識別子の入荷時刻以前のものを検索する。本実施形態ではステップ321にて合致するものがあるため、当該処理は実施されない(ステップ323)。
【0051】
ステップ321、322、323を実施し、代替識別子が存在しない場合は当該識別子においては、信憑性判定の情報が不足しているとして警告情報を付加する(ステップ325)。
【0052】
本発明の第1の実施形態の流通履歴管理システムによれば、野菜にID識別用媒体と温度センサを付与し、各流通拠点にID読取機と温度受信機を配設し、各施設に施設温度測定機を配設し、これらにより商品温度情報と施設温度情報を取得し、それらの情報の比較結果の精度を高めるように比較に用いる温度情報をDBより取得し、商品温度情報と施設温度情報を比較することで、商品が流通した拠点の信憑性の判定を実施し、流通拠点が不正の場合には警告情報を付加し、消費者へ商品の流通履歴を通知し、商品の流通履歴の信憑性を高めることができる。
【符号の説明】
【0053】
10…トレースサーバ
11、12、13…トレースクライアント
14…履歴表示端末
15、16、17…施設管理サーバ
20…ID識別用媒体
21、22、23、24…ID読取機
30…温度センサ
31、32、33…温度センサ受信機
41、42、43…施設温度測定器
100…流通履歴判定プログラム
101…流通履歴登録プログラム
102…温度登録プログラム
103…施設温度登録プログラム
104…流通履歴DB
105…商品温度管理DB
106…施設温度管理DB
【技術分野】
【0001】
本発明は、タグやバーコードなどを用いて商品の流通履歴を管理するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、いわゆるRFIDタグやバーコードといわれる識別媒体と温度センサ・湿度センサなどのセンサを商品に付与し、商品の流通履歴の取得や、品質管理が行われている。例えば店舗でRFIDを読取る装置に商品に付与されているRFIDタグをかざすと、商品の流通履歴が表示され、消費者に食の安心・安全を提供している。このような商品履歴を表示するシステムでは、表示履歴の通りに商品がその流通経路を通ってきたことを消費者は確認することは難しい。
【0003】
このような問題を鑑みて特許文献1に記載された技術が提案されている。特許文献1においては、流通経路において農産物のすり替えを防ぐことを目的としている。この目的を達成するために、特許文献1では、カメラを用いて農作物の形状を認識し、その画像データをメモリ部に保存し、前回の画像データとの突合せを実施することで、農作物にある傷や形状の特徴から農作物のすり替えを検知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-146570
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のように、特許文献1においては、カメラで取得した画像データを比較することで、農作物のすり替えの検知を行っている。このため、すり替え検知のためにわざわざカメラやサーバを設置することが必要になり、非常にコストの高い偽装防止の方法である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明では、商品に付属されたセンサで取得された環境情報を、流通管理に用いるものである。この際、センサで取得された環境情報と流通拠点や流通手段(トラック等)などの施設で取得された環境情報(もしくは施設で温度等を管理している制御情報)を比較することがより好適である。つまり、これらの比較の結果、所定関係を有するか否かで、流通履歴に不正があるかを判断する。なお、商品に付属させるタグにセンサで取得された情報を格納してもよい。
【0007】
判断に利用する環境情報は、センサで検知するものであり、ある施設で複数の環境情報が存在する。この場合、上記の比較も複数の環境情報を用いる。この場合、以下の処理を行い判定に利用するデータを絞ることで、判定結果の精度を上げている。それは、商品の入荷時刻(もしくは入荷時刻に対応する時点)の環境情報と施設の環境情報の値を比較し、ある範囲内におさまっているかを判断してから、判定に利用する複数の環境情報を取得する。これは、商品はさまざまな場所を移動するため、センサで検知する環境情報も一定ではない。施設に入荷してからしばらくの間は、施設の環境に近づくため環境情報の示す値の変化が大きい。この際の環境情報を利用しないように、商品の温度と施設の温度の差が一定以上であった場合は、入荷時刻に一定時間を加算した時刻から、出荷時刻までの温度を判定に利用する。もしくは、入荷時点から1組ずつ比較を行い、その差分が一定範囲内になった以降のものを判定に用いるようにする。この場合、一定範囲内になった以降の環境情報の数が一定数以下の場合、不正があったとして判定を省略してもよい。
【0008】
なお、本発明の環境情報は物理量として計測され、温度、湿度、気圧(水圧)、光量、音量などが含まれる。また、商品に付属されるセンサとは、商品に添付されることの他、商品の包装や運搬具に添付もしくは設置しても構わない。また、本願明細書での商品とは販売対象以外の製品、製造物、自然物物品などその流通(いわゆる流通の他、運送、生産などを含みその履歴が管理されるもの)が管理されるものであることを含む。
【0009】
またさらに、本発明には、上記センサの一部が欠落した場合の対応、すなわち、代替センサを用いることを含まれる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡便なシステムで、商品の流通履歴の正・不正を管理もしくは把握することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の流通履歴管理システムの一実施形態を示す模擬図である。
【図2】図1のトレースサーバ10のブロック図である。
【図3】本実施形態の温度情報を利用した信憑性判定の処理手順の実施形態を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態の判定に利用する温度情報を取得するための処理手順の実施形態を示すフローチャートである。
【図5】図2の外部記憶装置63に格納されている流通履歴DB104のデータ構成図である。
【図6】図2の外部記憶装置63に格納されている商品温度管理DB105のデータ構成図である。
【図7】図2の外部記憶装置63に格納されている施設温度管理DB106のデータ構成図である。
【図8】第2の実施形態における図2の外部記憶装置63に格納されている入荷履歴DB107のデータ構成図である。
【図9】第2の実施形態における図2の外部記憶装置63に格納されている出荷履歴DB108のデータ構成図である。
【図10】第2の実施形態における温度情報の代替情報を決定するために必要となる情報を取得するための処理手順の実施形態を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施形態における温度情報の代替情報を決定するための処理手順の実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1に、本発明の流通履歴管理システムの一例を示す。本例では流通する対象として野菜を、環境情報として、温度情報を用いる例にして説明する。また、野菜の流通経路は、生産者、流通倉庫、店舗の流通拠点を順に経由する。この流通履歴管理システムは、野菜にRFIDタグやバーコードなどのID識別用媒体20と温度センサ30を付与し、各流通拠点にはIDを読取るための装置であるID読取機21、22、23と野菜に取付けられた温度センサからの温度情報を取得するための温度受信機31、32、33がそれぞれ配置され、上記読取機、受信機を制御するためにトレースクライアント11、12、13を配置し、店舗には野菜の流通履歴を参照するために履歴表示用端末14とID読取機24をさらに配置し、センタ側には各情報履歴を管理するためのトレースサーバ10を配置する。また、生産者、流通倉庫、店舗の各拠点にはそれぞれの施設の温度を管理するために施設温度測定器41、42、43が配置され、各拠点の温度情報を管理するための施設管理サーバ15、16、17を配置する。トレースクライアント11、12、13と施設管理サーバ15、16、17は、インターネットやイントラネットなどのネットワーク51を介してトレースサーバ10と接続される。温度受信機で受信した野菜の温度情報と施設温度測定機で受信した施設の温度情報の突合せにより、野菜の流通履歴の信憑性を提供する。なお、各クライアントやサーバの情報処理機能は、いわゆるコンピュータで実現され、各機能はプログラムに従ってCPUの如き演算装置で実行される。また、ID識別用媒体20は、当該媒体もしくは商品を識別するIDを格納している。また、温度センサ30で取得した温度情報を書き込み可能にしてもよい。この場合、後述する履歴情報を、このID識別用媒体から取得する。
【0013】
次に、この流通履歴管理システムをより詳細に説明する。
図1は、野菜が流通する場合の模式図を示している。ID識別用媒体20はID読取機21、22、23へID情報を送信し、ID読取機21、22、23は受信したID情報をトレースクライアント11、12、13へ渡し、トレースクライアント11、12、13はそのID情報に読取時刻と拠点情報を付与してネットワーク51を介してトレースサーバ10へ送信する。また、温度センサ30は温度受信機31、32、33へ温度情報を送信し、温度受信機31、32、33はトレースクライアント11、12、13へその温度情報を渡し、トレースクライアント11、12、13はその温度情報をネットワーク51を介してトレースサーバ10へ送信する。拠点毎に施設温度測定機41、42、43にて測定した施設の温度情報を施設温度管理サーバ15、16、17へ送信し、施設温度管理サーバ15、16、17はネットワーク51を介して、施設の温度情報をトレースサーバ10へ送信する。店舗では、ID読取機24は読取ったID識別用媒体20のID情報を履歴表示端末14送信する。履歴表示端末14はネットワーク51を介して、受取ったID情報をトレースサーバ10に送信する。トレースサーバ10にてID情報に合致する流通履歴情報を検索し、結果を履歴表示端末14に返し、履歴表示端末14は受取った結果を表示する。
【0014】
図2のトレースサーバ10は、流通履歴を管理するサーバであって、その主記憶装置62上に、流通履歴判定プログラム100、流通履歴登録プログラム101、温度登録プログラム102、施設温度登録プログラム103が格納され、CPU61によって実行される。また、トレースサーバ10の外部記憶装置63上には流通履歴DB104と商品温度管理DB105と施設温度管理DB106が格納される。
【0015】
図3は、トレースサーバ10における、ID読取機24にて読取れられたID情報を持つ野菜の流通履歴の信憑性を判定し、表示端末14へその結果と流通履歴を返すフローを示す。図4は、図3のフローにおいて一定時間の温度平均値を算出するためのフローを詳細にしたフローを示す。
【0016】
図5に流通履歴DB104における、流通履歴テーブルの構成を示し、図6に商品温度管理DB105における、商品温度管理テーブルの構成を示し、図7に施設温度管理DB106における施設温度管理テーブルの構成を示す。
【0017】
以下、センサの欠落に対応するための第2の実施形態に関する図8以降の図面について、説明する。図8に、流通履歴DB104における、入荷履歴テーブルの構成を示し、図9に流通履歴DB104における出荷履歴テーブルの構成を示す。図10に、トレースサーバ10における、流通履歴の信憑性の判定に際し、必要となる温度情報が欠如した場合に代替となる識別子を特定するために必要となる情報を取得するフローを示す。図11は、図10のフローにおいて取得した情報から、代替となる識別子を特定するためのフローを示す。
【0018】
この流通履歴管理システムの動作について、図1の実施形態を図3、4のフローチャートに基づいて、図2の各部の動作について説明する。
【0019】
本実施の形態のシステムを起動した場合に、ID識別用媒体20のID情報の読取りと温度受信機31、32、33を開始する。また、施設管理サーバ15、16、17を起動した場合に施設温度測定機41、42、43を開始する。また、各流通拠点にて野菜の入荷、出荷時にID読取機21、22、23にて野菜に付与されたID識別用媒体20を読取る。また、温度受信機31、32、33は、温度センサ30から一定間隔で送信される温度情報を受信する。温度センサ30は温度受信機31、32、33との通信が不可能な場所では、温度受信機31、32、33と通信が可能となるまで取得した温度情報を蓄積する。施設温度測定機41、42、43は一定間隔で施設の温度を測定し、施設管理サーバ15、16、17へ送信する。
【0020】
店舗において、ID読取機24により、野菜に付与されたID識別用媒体20のID情報が読取られ、履歴表示端末14はID読取機24により読取られたID情報をトレースサーバ10へ送信する。このID情報を受取ると、トレースサーバ10はCPU61によって、主記憶装置62の流通履歴判定プログラム100を実行する。トレースサーバ10の履歴表示端末14からのID情報の受取りは、ID読取機24によりID識別用媒体20のID情報が読取られる度に実施する(ステップ201)。
【0021】
ステップ201より受信したID情報をキーに流通履歴DB104より、流通履歴情報を検索する(ステップ202)。
【0022】
ID情報に紐付いた流通履歴情報は主記憶装置62上に一旦格納される。本実施の形態では、図5の識別子「1000」の流通履歴情報を取得したとする(ステップ203)。
【0023】
ステップ203にて取得した流通履歴情報は、場所毎に信憑性の判定の処理が異なる。各場所について、「状態」が出荷のみの場合は、生産者と判断し、仮の入荷時刻を付与する処理を実施する。「状態」が入荷のみの場合は店舗と判断し、本プログラムの判定の処理は実施しない。「状態」が出荷・入荷の両方ある場合は、生産者・店舗の間にある流通倉庫として判断する。本実施形態の場合では、A生産者を生産者とし、B倉庫を流通倉庫とし、C店舗を店舗として判断する。尚、場所の判断では「状態」と「時間」を対応付けて持たせ、その場所での「最新の状態」と一番古い時間の「状態」をみて判断してもよい(ステップ204)。
【0024】
ステップ204にて、生産者として判断された情報には、入荷時刻がないため、出荷時刻より一定時間を引いた時間を仮入荷時刻として設定する。本実施形態では、一定時刻を「4時間」とした場合、出荷時刻が「201001100900」のため、仮入荷時刻は「201001100500」となる(ステップ205)。
【0025】
ステップ205により、設定した仮入荷時刻から出荷時刻の間の温度情報を商品温度DB105より、検索し取得する。本実施形態では仮入荷時刻は「201001100500」、出荷時刻が「201001100900」のため、時刻「201001100800」の際の温度情報「9.0」を取得する(ステップ206)。
【0026】
ステップ204にて、流通倉庫として判断された情報には、入荷時刻と出荷時刻が既にあるため、その時刻情報を元に商品温度管理DB105を検索し、入荷時刻と出荷時刻の間の温度情報を取得する。本実施形態では、入荷時刻が「201001101300」、出荷時刻が「201001102000」であるため時刻「201001101400」「201001101600」「201001101800」「201001102000」の温度「5.0」「5.5」「5.0」「6.0」を取得する(ステップ207)。
【0027】
ステップ206、ステップ207にて取得した拠点毎の温度情報を利用し、信憑性の判定に用いる商品温度情報の平均値を算出する。ここで、商品温度情報と施設温度情報とでは、温度を測定する間隔が異なっているため、素直に平均値を算出してしまっては、誤差の大きい値を比較することが多々出現する可能性がある。そこで、このような比較の機会を減少させてから、商品温度の平均値を算出する。施設の温度はほぼ一定に保たれていることが多い。商品の温度は、各地を移動することから変動の幅も大きい。商品の温度の変動の幅が一定に近づくには、施設に到着してから一定時間経過すればこの幅も小さくなる。
【0028】
入荷時刻(または、仮入荷時刻)に一番近い時間の商品と施設の温度情報を比較し、その差が一定温度より大きい場合に、一定時間経過した後の温度情報の平均値を算出する。一定温度以内であった場合には、入荷時刻(または、仮入荷時刻)から出荷時刻までの温度平均値を算出する。本実施形態では、処理を分ける温度の範囲は「0.5」とする。B倉庫の入荷時刻「201001101300」に近い商品温度の情報は時刻「201001101400」、温度「5.0」であり、施設の温度情報は時刻「201001101400」、温度「5.7」であり、これらの温度の誤差を算出すると「0.7」となり、温度の範囲「0.5」をこえているため、ステップ222の処理へ進む(ステップ220)。
【0029】
ステップ220より、この温度の差を小さくして商品と施設の温度を比較するために、入荷時刻(または仮入荷時刻)へ一定時間を加算し、平均値算出のための入荷時刻とする。本実施形態では、加算する一定時間を「2時間」とする。この場合、平均値算出のための入荷時刻は「201001101500」となる(ステップ221)。
【0030】
ステップ220、ステップ221より、入荷時刻(または仮入荷時刻、平均値算出のための入荷時刻)から、出荷時刻の間の温度情報の平均値を算出する。本実施形態では、入荷時刻(平均値算出のための入荷時刻)「201001101500」、出荷時刻「201001102000」の間の商品温度「5.5」「5.0」「6.0」の平均値を算出すると平均値は「5.5」となる(ステップ222)。
【0031】
入荷時刻(または仮入荷時刻)から出荷時刻までの間の施設の温度情報を施設温度管理DB106より検索・取得する。本実施形態では、入荷時刻「201001101300」から出荷時刻「201001102000」までの間の温度情報を取得する。取得する温度情報は時刻「201001101400」「201001101600」「201001101800」「201001102000」、温度「5.7」「5.5」「5.5」「5.8」を取得し、主記憶装置62に一旦格納する。尚、取得した温度情報は必ずしも一旦格納しなくてもよい(ステップ209)。
【0032】
ステップ209により、取得した温度情報の平均値を算出する。本実施形態では、温度情報が「5.7」「5.5」「5.5」「5.8」であり、これらの平均値を算出すると、施設の温度平均値は「5.625」となる(ステップ210)。なお、本例では、平均値を用いたが、合計値などの他の代表値を用いるようにしてもよい。
【0033】
ステップ208(ステップ222)、ステップ210によりそれぞれ取得した商品の温度平均値と施設の温度平均値の差を算出する。本実施形態では、商品の温度平均値は「5.5」、施設の温度平均値は「5.625」であり、この差をとると「1.125」である(ステップ211)。
【0034】
ステップ211より、算出した商品と施設の温度平均値の差が設定値の範囲内かを判定し、設定値の範囲内であれば、流通履歴情報は正しいと判定する。設定値の範囲外であれば、流通履歴情報は誤りと判定する。本実施形態では、設定値を「1」とした場合、商品と施設の温度平均値の差が「1.125」より、設定値の範囲外である。これより、この流通履歴は誤りと判定する(ステップ212)。
【0035】
ステップ212より、範囲外の流通履歴に対して警告情報を付加する。本実施形態では、B倉庫の流通履歴が誤りと判定されたため、B倉庫の流通履歴に警告情報を付加する(ステップ213)。
【0036】
以上のステップより、各流通履歴の信憑性の判定が終了したため、各流通拠点の履歴判定情報を付加した流通履歴情報をネットワーク51を介して、履歴表示端末14に返す。履歴表示端末14では、受取った流通履歴情報を表示する(ステップ214)。
【0037】
以下、本発明の第2の実施形態、つまり、センサに欠落(バッテリー切れ、故障などによる機能の停止、物理的になくなったことなどを含む)に対応するための処理について説明する。流通履歴判定プログラム100の処理途中で、商品温度管理テーブルを検索するステップ206とステップ207があり、両者の処理中の温度情報を取得する際に温度情報が存在するか、代替情報が必要になるかを判定する。
【0038】
ステップ205により、設定した仮入荷時刻から出荷時刻の間の温度情報が商品温度DB105に存在するかを確認する。本実施形態では仮入荷時刻は「201001100500」、出荷時刻が「201001100900」とし、この間の温度情報が存在しない(ステップ301)。
【0039】
ステップ301にて温度情報が存在しない識別子と場所情報をもとに入荷履歴テーブル107を検索する。本実施形態では識別子が「1000」場所が「B倉庫」の条件にて検索する(ステップ302)。
【0040】
ステップ302の検索条件にヒットしたレコードの「場所」「グルーピング時刻」を取得する。本実施形態では、場所「B倉庫」グルーピング時刻が「201001100900-201001100959」を取得する(ステップ303)。
【0041】
ステップ303にて取得した場所、グルーピング時刻を条件にステップ303で利用した識別子を除く条件で再度入荷履歴テーブル107を検索する。本実施形態では、本実施形態では、場所「B倉庫」グルーピング時刻が「201001100900-201001100959」を条件に、識別子「1000」以外の識別子を検索する(ステップ304)。
【0042】
ステップ304の条件にヒットした識別子を全て取得し、主記憶装置62の空き領域に格納する。本実施形態では、識別子「1010」「1020」を取得し。主記憶装置62の空き領域に一時的に格納する(ステップ305)。
ステップ302、303、304、305と同様の処理を出荷履歴テーブル108に対しても実施する。ステップ301にて温度情報が存在しない識別子と場所情報をもとに出荷履歴テーブル108を検索する。本実施形態では識別子が「1000」場所が「B倉庫」の条件にて検索する(ステップ306)。
【0043】
ステップ306の検索条件にヒットしたレコードの「場所」「グルーピング時刻」を取得する。本実施形態では、場所「B倉庫」グルーピング時刻が「201001102000-201001102059」を取得する(ステップ307)。
【0044】
ステップ307にて取得した場所、グルーピング時刻を条件にステップ307で利用した識別子を除く条件で再度出荷履歴テーブル108を検索する。本実施形態では、場所「B倉庫」グルーピング時刻が「201001102000-201001102059」を条件に、識別子「1000」以外の識別子を検索する(ステップ308)。
【0045】
ステップ308の条件にヒットする識別子が存在するかを確認する。本条件にヒットする識別子がない場合は、ステップ301にて温度情報が存在しない識別子は代替温度情報がないとし、流通履歴情報として、信憑性の判定が出来ないことを警告情報として付加し、履歴表示端末14へ返す。本実施形態では、識別子「1010」「1020」「1030」が条件にヒットする(ステップ309)。
【0046】
ステップ308の条件にヒットした識別子を取得し、主記憶装置62の空き領域に格納する。本実施形態では、識別子「1010」「1020」「1030」を取得し。主記憶装置62の空き領域に一時的に格納する(ステップ310)。
【0047】
ステップ305とステップ310にて主記憶装置62の空き領域に格納された識別子の中から、ステップ301にて温度情報が存在しない識別子の代替温度情報となる識別子を選択する。ステップ305にて取得した識別子はステップ301にて温度情報が存在しない識別子のある場所にあける入荷時刻が同一時間帯の識別子、ステップ310にて取得した識別子はステップ301にて温度情報が存在しない識別子のある場所にあける出荷時刻が(少なくとも一部が重なる)同一時間帯の識別子である。そのため、ステップ305とステップ310で取得した識別子の中に同一の識別子が存在すれば、それがステップ301で温度情報が存在しない識別子と同じ時間その場所に存在したことになる。よって、ステップ305とステップ310で取得したそれぞれの識別子を比較する。本実施形態では、ステップ305で取得した識別子「1010」「1020」とステップ310で取得した識別子「1010」「1020」「1030」を比較する。識別子「1010」「1020」が合致する(ステップ321)。
【0048】
ステップ321で合致するものがあるため、合致した識別子をステップ301で温度情報が存在しない識別子の代替識別子し、信憑性の判定処理に用いる。本実施形態では、識別子「1010」「1020」が合致しており、複数合致する識別子が存在する場合は、識別子が若い方(数値が少ない)など所定条件に従った方を採用する。この場合、識別子「1010」をステップ301で温度情報が存在しない識別子の代替識別子とする(ステップ324)。
【0049】
ステップ321にて、合致する識別子が存在しない場合、ステップ301で温度情報が存在しない識別子と入荷時間帯もしくは出荷時間帯の片方が一致している識別子だけが残っている。ステップ305で取得した識別子はステップ301で温度情報が存在しない識別子と入荷時間帯が同一であるため、その中の識別子で出荷時刻がステップ301で温度情報が存在しない識別子の出荷時刻を超えているものであれば、信憑性判定のための情報を取得することが可能である。よって、ステップ305で取得した識別子の中で、ステップ301で温度情報が存在しない識別子の出荷時刻を越えているものを検索する。本実施形態ではステップ321にて合致するものがあるため、当該処理は省略可能である(ステップ322)。
【0050】
ステップ322で代替識別子として採用する識別子が取得できない場合、ステップ310で取得した識別子はステップ301で温度情報が存在しない識別子の出荷時間帯と同一であるため、その中の識別子で入荷時刻がステップ301で温度情報が存在しない識別子の入荷時刻以前であるものがあれば、信憑性判定のための情報を取得することが可能である。よって、ステップ310で取得した識別子の中でステップ301で温度情報が存在しない識別子の入荷時刻以前のものを検索する。本実施形態ではステップ321にて合致するものがあるため、当該処理は実施されない(ステップ323)。
【0051】
ステップ321、322、323を実施し、代替識別子が存在しない場合は当該識別子においては、信憑性判定の情報が不足しているとして警告情報を付加する(ステップ325)。
【0052】
本発明の第1の実施形態の流通履歴管理システムによれば、野菜にID識別用媒体と温度センサを付与し、各流通拠点にID読取機と温度受信機を配設し、各施設に施設温度測定機を配設し、これらにより商品温度情報と施設温度情報を取得し、それらの情報の比較結果の精度を高めるように比較に用いる温度情報をDBより取得し、商品温度情報と施設温度情報を比較することで、商品が流通した拠点の信憑性の判定を実施し、流通拠点が不正の場合には警告情報を付加し、消費者へ商品の流通履歴を通知し、商品の流通履歴の信憑性を高めることができる。
【符号の説明】
【0053】
10…トレースサーバ
11、12、13…トレースクライアント
14…履歴表示端末
15、16、17…施設管理サーバ
20…ID識別用媒体
21、22、23、24…ID読取機
30…温度センサ
31、32、33…温度センサ受信機
41、42、43…施設温度測定器
100…流通履歴判定プログラム
101…流通履歴登録プログラム
102…温度登録プログラム
103…施設温度登録プログラム
104…流通履歴DB
105…商品温度管理DB
106…施設温度管理DB
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の流通履歴の管理をサーバ装置を用いて実行する流通履歴管理方法において、
商品固体の識別IDをもつ識別用媒体と、商品が存在する場所の環境を示す環境情報を検知するセンサが前記商品に装着され、
前記商品の流通施設において、前記識別用媒体とセンサから識別IDとセンサ環境情報を取得して、前記識別IDと関連付けて前記環境情報を登録しておき
前記流通施設に配設された施設環境測定機が施設環境情報を検知して登録しておき、
前記識別IDを含む流通履歴要求を受付けた場合、受付けた前記識別IDに関連付いた環境情報と、前記施設環境情報を比較し、
当該比較の結果、一定関係にあるか否かに応じて、前記商品の流通履歴の信憑性を判断して、当該判断結果を出力することを特徴とする流通履歴管理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の流通履歴管理方法において、
前記センサ環境情報および前記施設環境情報のそれぞれを、検知された時間を対応付けて登録しておき、
前記比較において、前記検知された時間を用いて比較すべきセンサ環境情報および施設環境情報を特定することを特徴とする流通履歴管理方法。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかに記載の流通履歴管理方法において、
前記センサ環境情報と前記施設環境情報の比較は、それぞれの一定時間内の平均値の差を算出し、当該一定時間内の平均値の差が所定範囲内にあるか否かを比較することを特徴とする流通履歴管理方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の流通履歴管理方法において、
前記比較の結果である判断情報を、前記商品の流通履歴に付加して登録することを特徴とした流通履歴管理方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の流通履歴管理方法において、
前記センサ環境情報および施設環境情報それぞれは、複数の時点の情報を含み、所定時点の差分を算出して、当該差分に一定差以上あった場合に、差分が前記一定差以下の時点以降のセンサ環境情報および施設環境情報を、前記比較の処理に用いることを特徴とした流通履歴管理方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の流通履歴管理方法において、
前記センサ環境情報および前記施設環境情報のそれぞれは、前記サーバ装置に登録されることを特徴とする流通履歴管理方法。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれかに記載の流通履歴管理方法において、
前記センサ環境情報は、前記識別用媒体に登録されることを特徴とする流通履歴管理方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の流通履歴管理方法において、
前記環境情報の比較において、前記流通履歴要求に含まれる識別IDが、登録された前記環境情報に関連付けて記憶されていない場合、代替識別IDを特定し、特定された前記代替識別IDに関連付けられた環境情報を当該比較に用いることを特徴とする流通履歴管理方法。
【請求項1】
商品の流通履歴の管理をサーバ装置を用いて実行する流通履歴管理方法において、
商品固体の識別IDをもつ識別用媒体と、商品が存在する場所の環境を示す環境情報を検知するセンサが前記商品に装着され、
前記商品の流通施設において、前記識別用媒体とセンサから識別IDとセンサ環境情報を取得して、前記識別IDと関連付けて前記環境情報を登録しておき
前記流通施設に配設された施設環境測定機が施設環境情報を検知して登録しておき、
前記識別IDを含む流通履歴要求を受付けた場合、受付けた前記識別IDに関連付いた環境情報と、前記施設環境情報を比較し、
当該比較の結果、一定関係にあるか否かに応じて、前記商品の流通履歴の信憑性を判断して、当該判断結果を出力することを特徴とする流通履歴管理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の流通履歴管理方法において、
前記センサ環境情報および前記施設環境情報のそれぞれを、検知された時間を対応付けて登録しておき、
前記比較において、前記検知された時間を用いて比較すべきセンサ環境情報および施設環境情報を特定することを特徴とする流通履歴管理方法。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかに記載の流通履歴管理方法において、
前記センサ環境情報と前記施設環境情報の比較は、それぞれの一定時間内の平均値の差を算出し、当該一定時間内の平均値の差が所定範囲内にあるか否かを比較することを特徴とする流通履歴管理方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の流通履歴管理方法において、
前記比較の結果である判断情報を、前記商品の流通履歴に付加して登録することを特徴とした流通履歴管理方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の流通履歴管理方法において、
前記センサ環境情報および施設環境情報それぞれは、複数の時点の情報を含み、所定時点の差分を算出して、当該差分に一定差以上あった場合に、差分が前記一定差以下の時点以降のセンサ環境情報および施設環境情報を、前記比較の処理に用いることを特徴とした流通履歴管理方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の流通履歴管理方法において、
前記センサ環境情報および前記施設環境情報のそれぞれは、前記サーバ装置に登録されることを特徴とする流通履歴管理方法。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれかに記載の流通履歴管理方法において、
前記センサ環境情報は、前記識別用媒体に登録されることを特徴とする流通履歴管理方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の流通履歴管理方法において、
前記環境情報の比較において、前記流通履歴要求に含まれる識別IDが、登録された前記環境情報に関連付けて記憶されていない場合、代替識別IDを特定し、特定された前記代替識別IDに関連付けられた環境情報を当該比較に用いることを特徴とする流通履歴管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−3743(P2012−3743A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107834(P2011−107834)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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