説明

流速測定装置

【課題】液体の流速を測定する装置において、予め取得しておくべき定数の個数を削減することを目的とする。
【解決手段】制御/演算部28は、第1超音波振動子10から超音波が送信されてから、当該超音波が第2超音波振動子14で受信されるまでの時間と、第2超音波振動子14から超音波が送信されてから、当該超音波が第1超音波振動子10で受信されるまでの時間との差異を時間Δとして求める。制御/演算部28は、時間Δ、超音波の液体中での伝搬速度c3、液体中の超音波の伝搬方向θ3、および液体中の超音波の伝搬路を含む断面における前記液体流路の幅Dに基づいて、液体の流速を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管状の液体流路に導かれる液体の流速を測定する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド自動車、エンジン駆動自動車等のエンジンを搭載する自動車には、エンジンを冷却する装置が搭載される。また、ハイブリッド自動車、電気自動車等の駆動用モータを搭載する自動車には、駆動用モータの電力供給回路を冷却する装置が搭載される。このような冷却装置は、エンジン、駆動用モータ等の冷却対象物に液体の冷媒を導く液体配管を備える。冷媒の流量(単位時間当たりに流れる体積)を制御するため、あるいは、冷媒の流量が適切であるか否かを検出するため、冷却装置には、冷媒の流量を測定する流量測定装置が用いられる。また、電力調整設備の水冷式冷却装置、油圧駆動機構、液体を用いる工業用機械等、液体を循環させる必要のある一般の装置にも、流量測定装置が広く用いられている。
【0003】
流量測定装置には、液体配管内の第1の点から第2の点へと伝搬する超音波の伝搬時間と、液体配管内の第2の点から第1の点へと伝搬する超音波の伝搬時間との差異に基づいて液体の流速および流量を測定するものがある。このような流量測定装置は、液体配管の所定位置に固定された2つの超音波振動子を備える。流量測定装置は、一方の超音波振動子から超音波が送信されてから、他方の超音波振動子でその超音波が受信されるまでの時間と、他方の超音波振動子から超音波が送信されてから、一方の超音波振動子でその超音波が受信されるまでの時間との差異に基づいて液体が流れる速度を測定し、測定された速度に基づいて液体の流量を求める。
【0004】
なお、以下の特許文献には、超音波を用いて液体の流量を測定する装置について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3216769号公報
【特許文献2】特開平10−239127号公報
【特許文献3】特開2004−264250号公報
【特許文献4】特開2004−264251号公報
【特許文献5】国際公開第00/25096号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
2つの超音波振動子を備える流量測定装置は、送信側の超音波振動子から超音波が送信されてから、受信側の超音波振動子でその超音波が受信されるまでの時間を測定し、測定された時間を予め定められた数式に当てはめることで液体の流量を求める。この数式には、超音波振動子の配置位置、液体配管の厚み、液体配管の材質等の測定系の構造に依存する定数が含まれる。そのため、液体の流量の測定に際しては、測定系の構造に依存する定数を予め計測、実験、シミュレーション等によって取得しておく必要があった。
【0007】
本発明は、液体の流速を測定する装置において、予め取得しておくべき定数の個数を削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、管状の液体流路の管壁に配置され、超音波を送受信する第1および第2超音波送受信部と、前記第1超音波送受信部から超音波が送信されてから、当該超音波が前記第2超音波送受信部で受信されるまでの時間と、前記第2超音波送受信部から超音波が送信されてから、当該超音波が前記第1超音波送受信部で受信されるまでの時間と、の差異を往復差異時間として求める時間測定部と、前記往復差異時間、超音波の液体中での伝搬速度、液体中の超音波の伝搬方向、および液体中の超音波の伝搬路を含む断面における前記液体流路の幅、に基づいて、液体の流速を求める流速測定部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る流速測定装置においては、前記第1超音波送受信部は、前記液体流路の互いに対向する管壁のうちの一方に配置され、前記第2超音波送受信部は、前記互いに対向する管壁のうちの他方に、前記液体流路を挟んで前記第1超音波送受信部に斜向かいに対向するよう配置され、前記流速測定部は、前記互いに対向する管壁間の距離を前記液体流路の幅として、液体の流速を求めることが好適である。
【0010】
また、本発明に係る流速測定装置においては、前記時間測定部は、前記第1超音波送受信部から超音波が送信されてから、当該超音波が前記液体流路内で反射し前記第2超音波送受信部で受信されるまでの時間と、前記第2超音波送受信部から超音波が送信されてから、当該超音波が前記液体流路内で反射し前記第1超音波送受信部で受信されるまでの時間と、の差異を往復差異時間として求めることが好適である。
【0011】
また、前記第1および第2超音波送受信装置が、前記流体経路の管壁外側に配置される、上記の流速測定装置においては、前記液体流路の管壁に配置され、超音波を送受信する第3超音波送受信部と、前記第3超音波送受信部から超音波が送信されてから、当該超音波が前記液体流路内で反射し前記第3超音波送受信部で受信されるまでの時間に基づいて、超音波の液体中での伝搬速度を求める伝搬速度測定部と、前記伝搬速度測定部によって求められた伝搬速度、前記第1若しくは第2超音波送受信部から前記液体流路の管壁に入射する超音波の伝搬速度、および当該超音波の入射角度、に基づいて、液体中の超音波の伝搬方向を求める伝搬方向測定部と、を備え、前記流速測定部は、前記伝搬速度測定部によって求められた伝搬速度、および前記伝搬方向測定部によって求められた伝搬方向に基づいて、液体の流速を求めることが好適である。
【0012】
また、本発明は、管状の液体流路の管壁外側に配置され、超音波を送受信する第1および第2超音波送受信部と、前記第1超音波送受信部から超音波が送信されてから、当該超音波が前記第2超音波送受信部で受信されるまでの時間から、液体外の領域に対する液体外伝搬時間を除いた第1時間と、前記第2超音波送受信部から超音波が送信されてから、当該超音波が前記第1超音波送受信部で受信されるまでの時間から液体外伝搬時間を除いた第2時間と、を求める時間測定部と、前記第1時間、前記第2時間、液体中の超音波の伝搬方向、および、液体中の超音波の伝搬路を含む断面における前記液体流路の幅に基づいて、液体の流速を求める流速測定部と、を備える流速測定装置において、前記液体流路の管壁外側に配置され、超音波を送受信する第3超音波送受信部と、前記第3超音波送受信部から超音波が送信されてから、前記第3超音波送受信部が配置された壁面に対する裏側の壁面で当該超音波が反射し、前記第3超音波送受信部で受信されるまでの時間に基づいて、液体外伝搬時間を求める液体外伝搬時間測定部と、を備え、前記時間測定部は、前記液体外伝搬時間測定部によって求められた液体外伝搬時間に基づいて、前記第1および第2時間を求めることを特徴とする流速測定装置。
【0013】
また、本発明に係る流速測定装置においては、前記第3超音波送受信部から超音波が送信されてから、当該超音波が前記液体流路内で反射し前記第3超音波送受信部で受信されるまでの時間に基づいて、超音波の液体中での伝搬速度を求める伝搬速度測定部と、前記伝搬速度測定部によって求められた伝搬速度、前記第1若しくは第2超音波送受信部から前記液体流路の管壁に入射する超音波の伝搬速度、および当該超音波の入射角度、に基づいて、超音波の伝搬方向を求める伝搬方向測定部と、を備え、前記流速測定部は、前記伝搬方向測定部によって求められた伝搬方向に基づいて、液体の流速を求めることが好適である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、液体の流速を測定する装置において、予め取得しておくべき定数の個数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態に係る流量測定装置の構成を示す図である。
【図2】第2実施形態に係る流量測定装置の構成を示す図である。
【図3】第3実施形態に係る流量測定装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の応用例に係る冷却システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に本発明の第1実施形態に係る流量測定装置の構成を示す。この流量測定装置は、液体配管18に導かれる液体の流量を超音波の送受信に基づいて測定する。
【0017】
液体配管18には、延伸方向に垂直な断面(管壁より内側の領域をいう。以下、管断面とする。)が、矩形、その他の多角形、円形、楕円形等であるものを用いることができる。ここでは、例として、液体配管18として管断面が矩形であるものを採り上げる。また、液体配管18の管断面の形状および大きさは、延伸方向に一様であるものとする。図1には、液体配管18を中心軸を通る面で切断した場合における、上側管壁20の断面および下側管壁22の断面が示されている。
【0018】
第1超音波振動子10は液体配管18の上側管壁20の外側面に固定部材12を介して固定されている。第2超音波振動子14は、液体配管18を挟んで第1超音波振動子10に対し斜向かいに対向するよう、液体配管18の下側管壁22の外側面に固定部材16を介して固定されている。
【0019】
固定部材12および16は、同一の材料によって三角柱形状に形成されている。固定部材12は、3面の長方形面のうち1面が、液体配管18の上側管壁20に接するよう液体配管18に固定されている。第1超音波振動子10は、固定部材12の他の2面の長方形面のうちの一方に、その面の法線方向に超音波の送受信方向が一致するよう固定されている。ここで、液体配管18に接する長方形面と、第1超音波振動子10が固定される長方形面とがなす角度をθ1で表す。
【0020】
固定部材16は、3面の長方形面のうち1面が、液体配管18の下側管壁22に接するよう液体配管18に固定されている。第2超音波振動子14は、固定部材16の他の2面の長方形面のうち第1超音波振動子10の送受信面に対向する面に、その面の法線方向に送受信方向が一致するよう固定されている。固定部材16は、液体配管18に接する長方形面と、第2超音波振動子14が固定される長方形面とがなす角度がθ1となるよう形成されている。
【0021】
なお、固定部材12および16としては、液体配管18に接する面および超音波振動子が固定される平面を有し、これらのなす角度が所定角度θ1である立体形状であれば、三角柱以外の形状を採用することができる。
【0022】
第1超音波振動子10から超音波を送信し、その超音波を第2超音波振動子14で受信する場合における超音波の伝搬経路について説明する。第1超音波振動子10から送信された超音波は、固定部材12内を伝搬し、上側管壁20の壁面法線に対しθ1の角度を以て上側管壁20に入射する。上側管壁20に入射した超音波は、上側管壁20の壁面法線に対しθ2の角度をなす方向に上側管壁20内を伝搬する。そして、上側管壁20の壁面法線に対しθ2の角度を以て液体配管18内に入射する。液体配管18内に入射した超音波は、上側管壁20の壁面法線に対しθ3の角度をなす方向に伝搬する。そして、下側管壁22の壁面法線に対しθ3の角度を以て下側管壁22に入射する。下側管壁22に入射した超音波は、下側管壁22の壁面法線に対しθ2の角度をなす方向に下側管壁22内を伝搬する。そして、下側管壁22の壁面法線に対しθ2の角度を以て固定部材16に入射する。固定部材16に入射した超音波は、下側管壁22の壁面法線に対しθ1の角度をなす方向に固定部材16内を伝搬し、第2超音波振動子14へと至る。なお、角度θ1〜θ3は、固定部材12、液体配管18、液体配管18を流れる液体、および固定部材16の超音波に対する媒質定数に基づき、スネルの法則に従って定まる角度である。
【0023】
第1超音波振動子10および第2超音波振動子14は、液体配管18内を伝搬する超音波の経路の中点に関し回転対称となるよう配置されている。したがって、第2超音波振動子14から超音波を送信し、その超音波を第1超音波振動子10で受信する場合における超音波の伝搬経路は、上記の経路を逆に辿った経路となる。
【0024】
流量測定装置が液体の流量を測定する処理について説明する。制御/演算部28は、次のような処理によって、第1超音波振動子10から超音波が送信されてから、第2超音波振動子14で超音波が受信されるまでの時間tuを測定する。
【0025】
制御/演算部28は、第1送受信部24が第1超音波振動子10にパルス信号を出力するよう、第1送受信部24を制御する。これによって、第1送受信部24は、パルス信号を第1超音波振動子10に出力する。第1超音波振動子10は、第1送受信部24から出力されたパルス信号をパルス超音波に変換し、固定部材12に送信する。
【0026】
パルス超音波は、上述のように、固定部材12、液体配管18内、および固定部材16を伝搬して第2超音波振動子14で受信される。第2超音波振動子14は、受信したパルス超音波をパルス信号に変換し、第2送受信部26に出力する。第2送受信部26は、第2超音波振動子14から出力されたパルス信号を、制御/演算部28が処理可能な信号に変換し、受信パルス信号として制御/演算部28に出力する。
【0027】
制御/演算部28は、第1送受信部24にパルス信号を送信させてから、第2送受信部26から受信パルス信号が出力されるまでの時間に基づいて、第1超音波振動子10から超音波が送信されてから、第2超音波振動子14で超音波が受信されるまでの時間tuを求める。
【0028】
具体的には、制御/演算部28は、第2送受信部26が受信パルス信号を出力した時刻から、第1送受信部24にパルス信号を送信させた時刻を減算した時間tu0を求める。そして、第1送受信部24から第1超音波振動子10にパルス信号を伝送するのに要する時間として予め取得された時間、および第2超音波振動子14から制御/演算部28にパルス信号を伝送するのに要する時間として予め取得された時間を時間tu0から減算した時間をtuとして求める。
【0029】
制御/演算部28は、時間tuを求めた処理と同様の処理によって、第2超音波振動子14から超音波が送信されてから、第1超音波振動子10で超音波が受信されるまでの時間tdを求める。
【0030】
制御/演算部28は、時間tdから時間tuを減算した時間Δ=td−tuを求め、液体が流れる速度vを次の(数1)に基づいて求める。図1に矢印を以て示された速度vは第2超音波振動子14の位置に対して第1超音波振動子10側を上流とし、上流から下流へと流れる方向を正とするものである。(数1)の導出過程については後述する。
【0031】
【数1】

【0032】
ここで、Dは液体配管18の上側管壁20の内側面と下側管壁22の内側面との間の距離、c3は液体中を伝搬する超音波の伝搬速度である。距離Dは、液体中の超音波の伝搬路を含む断面における液体配管18の幅であると捉えることができる。距離D、伝搬速度c3および角度θ3は予め取得しておく定数である。伝搬速度c3および角度θ3は、計測、実験、シュレーション等によって取得することができる。これらの値は、制御/演算部28に記憶させておくことが好ましい。
【0033】
また、伝搬速度c3、固定部材12および16における超音波の伝搬速度c1、および角度θ1が予め取得されている場合には、制御/演算部28は、スネルの法則を示す(数2)に基づいて角度θ3を求めてもよい。この場合、伝搬速度c1、c3、および角度θ1は、制御/演算部28に記憶させておくことが好ましい。
【0034】
【数2】

【0035】
制御/演算部28は、速度vに液体配管18の管断面の面積を乗算した値に基づいて、液体の流量を求める。ここで、(数1)に基づく速度vは、液体配管18の管断面内において速度が一様であると仮定して求められるものである。しかし、液体配管18の管断面内において速度にばらつきが生じた場合、この速度vには管断面内の速度ばらつきに基づく誤差が含まれる。そこで、制御/演算部28は、速度vに液体配管18の管断面の面積を乗算し、さらに、流速分布補正係数を乗算した値に基づいて、液体の流量を求めてもよい。流速分布補正係数は、広く知られた技術に基づいて求めることができる。
【0036】
本実施形態に係る処理に基づく効果について説明する。従来、液体が流れる速度vは次の(数3)に基づいて求められることが一般的であった。
【0037】
【数3】

【0038】
ここで、τは、送信側の超音波振動子から液体配管18内の液体に至る経路に対する伝搬時間、および、液体配管18内の液体から受信側の超音波振動子に至る経路に対する伝搬時間を合わせたものである。伝搬時間τは、液体外の領域に対する超音波の伝搬時間であると捉えることができる。
【0039】
(数3)の導出過程について説明する。第1超音波振動子10から超音波が送信されてから、第2超音波振動子14で超音波が受信されるまでの時間tuについては(数4)が成立し、第2超音波振動子14から超音波が送信されてから、第1超音波振動子10で超音波が受信されるまでの時間tdについては(数5)が成立する。
【0040】
【数4】

【0041】
【数5】

【0042】
(数4)および(数5)を用いて伝搬速度c3を消去し、速度vについて解くことで(数3)が得られる。
【0043】
伝搬時間τは、超音波振動子の配置位置、液体配管18の管壁の厚み、液体配管18の材質等の測定系の固有条件によって異なる値である。このように、従来技術では、測定系の固有条件に依存する伝搬時間τを予め計測、実験、シミュレーション等に基づいて取得しておく必要があった。
【0044】
次に、本実施形態で用いられる(数1)について説明する。(数1)は、(数4)および(数5)を用いてτを消去し、速度vについて解くことで得られる。速度vは二次方程式の解であるため、速度vについては2つの解が得られるが、Δとvの極性が異なる解は、物理的に不合理であるため採用しないものとする。
【0045】
(数1)には、液体外の領域に対する伝搬時間τが含まれない。したがって、本実施形態に係る流量測定装置によれば、予め取得しておくべき定数の個数を削減することができる。
【0046】
次に、本発明の第2実施形態に係る流量測定装置について説明する。図2に第2実施形態に係る流量測定装置の構成を示す。この流量測定装置は、上側管壁20に第1超音波振動子10および第2超音波振動子14を配置したものである。図1に示す流量測定装置と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0047】
第1超音波振動子10から超音波を送信し、その超音波を第2超音波振動子14で受信する場合における超音波の伝搬経路について説明する。第1超音波振動子10から送信された超音波は、固定部材12内を伝搬し、上側管壁20の壁面法線に対しθ1の角度を以て上側管壁20に入射する。上側管壁20に入射した超音波は、上側管壁20の壁面法線に対しθ2の角度をなす方向に上側管壁20内を伝搬する。そして、上側管壁20の壁面法線に対しθ2の角度を以て液体配管18内に入射する。液体配管18内に入射した超音波は、上側管壁20の壁面法線に対しθ3の角度をなす方向に伝搬する。そして、下側管壁22の壁面法線に対しθ3の角度を以て下側管壁22に入射する。下側管壁22に入射した超音波は、下側管壁22の内側面で反射し、下側管壁22の壁面法線に対しθ3の角度をなす方向に伝搬する。そして、上側管壁20の壁面法線に対しθ3の角度を以て上側管壁20に入射する。上側管壁20に入射した超音波は、上側管壁20の壁面法線に対しθ2の角度をなす方向に上側管壁20内を伝搬する。そして、上側管壁20の壁面法線に対しθ2の角度を以て固定部材16に入射する。固定部材16に入射した超音波は、上側管壁20の壁面法線に対しθ1の角度をなす方向に固定部材16内を伝搬し、第2超音波振動子14へと至る。なお、角度θ1〜θ3は、固定部材12、液体配管18、液体配管18を流れる液体、および固定部材16の超音波に対する媒質定数に基づき、スネルの法則に従って定まる角度である。
【0048】
第1超音波振動子10および第2超音波振動子14は、図2において左右対称となるよう配置されている。したがって、第2超音波振動子14から超音波を送信し、その超音波を第1超音波振動子10で受信する場合における超音波の伝搬経路は、上記の経路を逆に辿った経路となる。
【0049】
流量測定装置が、液体の流量を測定する処理について説明する。制御/演算部28は、第1超音波振動子10から超音波が送信されてから、第2超音波振動子14で超音波が受信されるまでの時間tuを測定する。また、第2超音波振動子14から超音波が送信されてから、第1超音波振動子10で超音波が受信されるまでの時間tdを測定する。
【0050】
制御/演算部28は、時間tdから時間tuを減算した時間Δ=td−tuを求め、液体が流れる速度vを以下の(数6)に基づいて求める。図2に矢印を以て示された速度vは第2超音波振動子14の位置に対し第1超音波振動子10側を上流とし、上流から下流へと流れる方向を正とするものである。制御/演算部28は、速度vに液体配管18の管断面の面積を乗算した値に基づいて、液体の流量を求める。
【0051】
【数6】

【0052】
(数6)の導出過程について説明する。第1超音波振動子10から超音波が送信されてから、第2超音波振動子14で超音波が受信されるまでの時間tuについては(数7)が成立し、第2超音波振動子14から超音波が送信されてから、第1超音波振動子10で超音波が受信されるまでの時間tdについては(数8)が成立する。
【0053】
【数7】

【0054】
【数8】

【0055】
(数6)は、(数7)および(数8)を用いてτを消去し、速度vについて解くことで得られる。速度vは二次方程式の解であるため、2つの解が得られるが、Δとvの極性が異なる解は、物理的に不合理であるため採用しないものとする。
【0056】
(数6)には、液体外の領域に対する伝搬時間τが含まれない。したがって、本実施形態に係る流量測定装置によれば、予め取得しておくべき定数の個数を削減することができる。
【0057】
次に、第3実施形態に係る流量測定装置について説明する。図3に第3実施形態に係る流量測定装置の構成を示す。この流量測定装置は、第1実施形態に係る流量測定装置に対し、超音波の伝搬速度を測定するための音速測定用探触子30および第3送受信部34を追加したものである。図1に示す流量測定装置の構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0058】
本実施形態に係る流量測定装置は、第1実施形態に係る(数1)および(数2)において予め取得しておくべき定数とされていた、固定部材12および16における超音波の伝搬速度c1、液体中の超音波の伝搬速度c3を測定によって求めるものである。
【0059】
音速測定用探触子30は、送信用の超音波振動子および受信用の超音波振動子を備え、超音波の送信および受信を行う素子である。音速測定用探触子30としては、送信用と受信用とで超音波振動子を個別に備えるものを用いてもよいし、送受信共用の超音波振動子を備えるものを用いてもよい。
【0060】
固定部材32は、固定部材12および16の材料と同一の材料で、直方体形状に形成されている。固定部材32は、その6面の長方形面のうち1面が、液体配管18の上側管壁20の外側面に接するよう液体配管18に固定されている。音速測定用探触子30は、上側管壁20に接する固定部材32の面に対向する面に、その面の法線方向に超音波の送受信方向が一致するよう固定されている。なお、固定部材32の形状は、液体配管18の管壁の法線方向に超音波が送受信されるよう音速測定用探触子30を固定するものであれば、直方体以外の形状を採用することができる。また、音速測定用探触子30は下側管壁22に固定してもよい。
【0061】
制御/演算部28は、上述の処理によって、第1超音波振動子10から超音波が送信されてから、第2超音波振動子14で超音波が受信されるまでの時間tu、および第2超音波振動子14から超音波が送信されてから、第1超音波振動子10で超音波が受信されるまでの時間tdを求め、時間tdから時間tuを減算した時間Δ=td−tuを求める。
【0062】
制御/演算部28は、第3送受信部34が音速測定用探触子30にパルス信号を出力するよう、第3送受信部34を制御する。これによって、第3送受信部34は、パルス信号を音速測定用探触子30に出力する。音速測定用探触子30は、第3送受信部34から出力されたパルス信号をパルス超音波に変換し、固定部材32に送信する。
【0063】
音速測定用探触子30から送信されたパルス超音波は、上側管壁20の外側面、上側管壁20の内側面、および下側管壁22の内側面でその一部が反射し、それぞれの面において、反射パルス超音波P1、反射パルス超音波P2、および反射パルス超音波P3が生じる。反射パルス超音波P1、P2およびP3は、この順序で音速測定用探触子30で受信される。
【0064】
音速測定用探触子30は、受信した反射パルス超音波をパルス信号に変換し、第3送受信部34に出力する。第3送受信部34は、音速測定用探触子30から出力されたパルス信号を、制御/演算部28が処理可能な信号に変換し、受信パルス信号として制御/演算部28に出力する。
【0065】
制御/演算部28は、第3送受信部34にパルス信号を送信させてから、反射パルス超音波P1に対応する受信パルス信号が第3送受信部34から出力されるまでの時間に基づいて、音速測定用探触子30から超音波が送信されてから、音速測定用探触子30で反射パルス超音波P1が受信されるまでの時間t1を求める。
【0066】
具体的には、制御/演算部28は、第3送受信部34が反射パルス超音波P1に対応する受信パルス信号を出力した時刻から、第3送受信部34にパルス信号を送信させた時刻を減算した時間t10を求める。そして、第3送受信部34から音速測定用探触子30にパルス信号を伝送するのに要する時間として予め取得された時間、および音速測定用探触子30から制御/演算部28にパルス信号を伝送するのに要する時間として予め取得された時間を時間t10から減算した時間をt1として求める。
【0067】
制御/演算部28は、(数9)に基づいて固定部材32における超音波の伝搬速度c1を求める。固定部材12、16、および32は同一の材料で形成されているため、ここで求められる伝搬速度c1は、固定部材12および16における超音波の伝搬速度と同一である。
【0068】
【数9】

【0069】
ここで、H1は固定部材32の超音波伝搬方向の厚みである。固定部材32の厚みH1は、予め取得しておく定数であり、制御/演算部28に記憶させておくことが好ましい。
【0070】
また、制御/演算部28は、時間t1を求める処理と同様の処理に基づいて、音速測定用探触子30から超音波が送信されてから、音速測定用探触子30で反射パルス超音波P2が受信されるまでの時間t2を求める。
【0071】
さらに、制御/演算部28は、時間t1を求める処理と同様の処理に基づいて、音速測定用探触子30から超音波が送信されてから、音速測定用探触子30で反射パルス超音波P3が受信されるまでの時間t3を求める。
【0072】
制御/演算部28は、(数11)に基づいて液体中における超音波の伝搬速度c3を求める。
【0073】
【数10】

【0074】
制御/演算部28は、測定によって得られた伝搬速度c1およびc3を用い、(数2)に基づいて角度θ3を求める。そして、(数2)によって求められた角度、測定によって得られた伝搬速度c3、および時間Δを用い、(数1)に基づいて液体の流速および流量を求める。
【0075】
第3実施形態に係る流量測定装置によれば、伝搬速度c1およびc3が、音速測定用探触子30を用いた測定によって求められる。(数1)および(数2)を用いるに当たって予め取得しておくべき定数は、第1超音波振動子10による超音波の入射角度θ1、距離D、および固定部材32の厚みH1である。したがって、本実施形態に係る流量測定装置によれば、予め取得しておくべき定数の個数を削減することができる。
【0076】
ここでは、図1に示す第1実施形態に係る流量測定装置に対し、音速測定用探触子30および第3送受信部34を、超音波の伝搬速度を測定するために追加したものを第3実施形態とした。このような構成の他、図2に示す第2実施形態に係る流量測定装置に対し、音速測定用探触子30および第3送受信部34を追加した構成としてもよい。
【0077】
次に、第4実施形態に係る流量測定装置について説明する。第3実施形態に係る流量測定装置では、固定部材32における超音波の伝搬速度c1、液体配管18の管壁中の超音波の伝搬速度c2、液体中の超音波の伝搬速度c3が測定によって得られる。本実施形態では、音速測定用探触子30を用いた測定によって得られた伝搬速度c1、c2、およびc3を用いて、液体外の領域に対する伝搬時間τを求め、上記(数2)および(数3)を用いて液体の流量を求める。第4実施形態に係る流量測定装置の構成は、第3実施形態に係る流量測定装置の構成と同様であるため、説明に際しては図3を援用する。
【0078】
制御/演算部28は、第3実施形態と同様にして伝搬速度c1およびc3を求める他、(数11)に基づいて管壁内における超音波の伝搬速度c2を求める。
【0079】
【数11】

【0080】
ここで、H2は液体配管18の管壁の厚みである。管壁の厚みH2は、予め取得しておく定数であり、制御/演算部28に記憶させておくことが好ましい。
【0081】
制御/演算部28は、測定によって得られた伝搬速度c1およびc2を用い、スネルの法則を示す(数12)に基づいて、管壁中を伝搬する超音波の伝搬方向が上側管壁20の壁面法線に対してなす角θ2を求める。
【0082】
【数12】

【0083】
ここで、角度θ1は、予め取得しておく定数であり、制御/演算部28に記憶させておくことが好ましい。
【0084】
制御/演算部28は、(数12)に基づいて求められた角度θ2および測定によって得られた伝搬速度c2を用い、(数13)に基づいて伝搬時間τを求める。
【0085】
【数13】

【0086】
(数13)の右辺第1項は、第1超音波振動子10から上側管壁20に至るまでの経路に対する伝搬時間を示し、右辺第2項は上側管壁20に超音波が入射されてから液体配管18内に至る経路に対する伝搬時間を示す。ここで、L1は第1超音波振動子10から上側管壁20までの距離である。距離L1は、予め取得しておく定数であり、制御/演算部28に記憶させておくことが好ましい。
【0087】
次に、制御/演算部28は、測定によって得られた伝搬速度c1およびc3を用い、スネルの法則を示す(数2)に基づいて角度θ3を求める。
【0088】
そして、(数12)および(数13)に基づいて得られた伝搬時間τ、および(数2)に基づいて得られた角度θ3、さらに、測定処理によって得られた時間tdおよび時間tuを用い、(数3)に基づいて液体の速度および流量を求める。
【0089】
第4実施形態に係る流量測定装置によれば、伝搬速度c1〜c3および伝搬時間τが、音速測定用探触子30を用いた測定によって求められる。(数12)、(数13)、(数2)および(数3)を用いるに当たって、予め取得しておくべき定数は、第1超音波振動子10による超音波の入射角度θ1、第1超音波振動子10から上側管壁20までの距離L1、、距離D、固定部材32の厚みH1、および管壁の厚みH2である。したがって、本実施形態に係る流量測定装置によれば、予め取得しておくべき定数の個数を削減することができる。
【0090】
次に、本発明の応用例について説明する。図4に本発明の応用例に係る冷却システムの構成を示す。冷却システムは、ハイブリッド自動車、電気自動車等の駆動用モータを搭載する自動車に用いられる。
【0091】
電力供給回路42は、駆動用モータ44に供給する電力を車両制御部46の制御に基づいて調整する。電力供給回路42は、駆動用モータ44への電力供給に伴い発熱する。そのため、電力供給回路42には、発生した熱を冷媒へと導く受熱用熱交換器40が取り付けられている。
【0092】
ポンプ36は、放熱用熱交換器42の側から受熱用熱交換器40の側へと冷媒を送り出す。液体配管38は、ポンプ36、受熱用熱交換器40、放熱用熱交換器42の順に冷媒を導く。ポンプ36、ポンプ36から受熱用熱交換器40に送り出された冷媒には、受熱用熱交換器40によって、電力供給回路42が発生した熱が与えられる。そして、受熱用熱交換器40から放熱用熱交換器42へと導かれた冷媒からは、放熱用熱交換器42によって熱が放出される。放熱後の冷媒は、放熱用熱交換器42からポンプ36へと導かれる。
【0093】
液体配管38には、第1から第4のいずれかの実施形態に係る流量測定装置48が取り付けられている。流量測定装置48は、液体配管38を流れる冷媒の流量を測定し、測定値を車両制御部46に出力する。
【0094】
車両制御部46は、流量測定装置48から出力された測定値が、予め定められた基準値を下回るときは、駆動力が大きくなるようポンプ36を制御する。また、車両制御部46は、流量測定装置48から出力された測定値が、予め定められた基準値を上回るときは、駆動力が小さくなるようポンプ36を制御する。
【0095】
流量測定装置48の測定値は、冷却システムの異常を検出するために用いてもよい。この場合、車両制御部46は、流量測定装置48から出力された測定値が予め定められた基準範囲内にないときは、記憶部50に冷却システムに異常がある旨の情報を記憶する。記憶された情報は、自動車の保守、点検等の際に参照される。また、冷却システムに異常がある旨の情報を記憶部50に記憶する処理と共に、または、その処理に代えて、運転席に設けられた表示器52に冷却システムに異常がある旨の情報を表示させる構成としてもよい。
【0096】
本応用例に係る冷却システムは、エンジン駆動自動車のエンジンの冷却に用いてもよい。この場合、受熱用熱交換器40をエンジンに取り付ければよい。
【符号の説明】
【0097】
10 第1超音波振動子、12,16,32 固定部材、14 第2超音波振動子、18,38 液体配管、20 上側管壁、22 下側管壁、24 第1送受信部、26 第2送受信部、28 制御/演算部、30 音速測定用探触子、34 第3送受信部、36 ポンプ、40 受熱用熱交換器、42 電力供給回路、44 駆動用モータ、46 車両制御部、48 流量測定装置、50 記憶部、52 表示器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状の液体流路の管壁に配置され、超音波を送受信する第1および第2超音波送受信部と、
前記第1超音波送受信部から超音波が送信されてから、当該超音波が前記第2超音波送受信部で受信されるまでの時間と、前記第2超音波送受信部から超音波が送信されてから、当該超音波が前記第1超音波送受信部で受信されるまでの時間と、の差異を往復差異時間として求める時間測定部と、
前記往復差異時間、超音波の液体中での伝搬速度、液体中の超音波の伝搬方向、および液体中の超音波の伝搬路を含む断面における前記液体流路の幅、に基づいて、液体の流速を求める流速測定部と、
を備えることを特徴とする流速測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の流速測定装置において、
前記第1超音波送受信部は、
前記液体流路の互いに対向する管壁のうちの一方に配置され、
前記第2超音波送受信部は、
前記互いに対向する管壁のうちの他方に、前記液体流路を挟んで前記第1超音波送受信部に斜向かいに対向するよう配置され、
前記流速測定部は、
前記互いに対向する管壁間の距離を前記液体流路の幅として、液体の流速を求めることを特徴とする流速測定装置。
【請求項3】
請求項1に記載の流速測定装置において、
前記時間測定部は、
前記第1超音波送受信部から超音波が送信されてから、当該超音波が前記液体流路内で反射し前記第2超音波送受信部で受信されるまでの時間と、前記第2超音波送受信部から超音波が送信されてから、当該超音波が前記液体流路内で反射し前記第1超音波送受信部で受信されるまでの時間と、の差異を往復差異時間として求めることを特徴とする流速測定装置。
【請求項4】
前記第1および第2超音波送受信装置が、前記流体経路の管壁外側に配置される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の流速測定装置において、
前記液体流路の管壁に配置され、超音波を送受信する第3超音波送受信部と、
前記第3超音波送受信部から超音波が送信されてから、当該超音波が前記液体流路内で反射し前記第3超音波送受信部で受信されるまでの時間に基づいて、超音波の液体中での伝搬速度を求める伝搬速度測定部と、
前記伝搬速度測定部によって求められた伝搬速度、前記第1若しくは第2超音波送受信部から前記液体流路の管壁に入射する超音波の伝搬速度、および当該超音波の入射角度、に基づいて、液体中の超音波の伝搬方向を求める伝搬方向測定部と、
を備え、
前記流速測定部は、
前記伝搬速度測定部によって求められた伝搬速度、および前記伝搬方向測定部によって求められた伝搬方向に基づいて、液体の流速を求めることを特徴とする流速測定装置。
【請求項5】
管状の液体流路の管壁外側に配置され、超音波を送受信する第1および第2超音波送受信部と、
前記第1超音波送受信部から超音波が送信されてから、当該超音波が前記第2超音波送受信部で受信されるまでの時間から、液体外の領域に対する液体外伝搬時間を除いた第1時間と、前記第2超音波送受信部から超音波が送信されてから、当該超音波が前記第1超音波送受信部で受信されるまでの時間から液体外伝搬時間を除いた第2時間と、を求める時間測定部と、
前記第1時間、前記第2時間、液体中の超音波の伝搬方向、および、液体中の超音波の伝搬路を含む断面における前記液体流路の幅に基づいて、液体の流速を求める流速測定部と、
を備える流速測定装置において、
前記液体流路の管壁外側に配置され、超音波を送受信する第3超音波送受信部と、
前記第3超音波送受信部から超音波が送信されてから、前記第3超音波送受信部が配置された壁面に対する裏側の壁面で当該超音波が反射し、前記第3超音波送受信部で受信されるまでの時間に基づいて、液体外伝搬時間を求める液体外伝搬時間測定部と、
を備え、
前記時間測定部は、
前記液体外伝搬時間測定部によって求められた液体外伝搬時間に基づいて、前記第1および第2時間を求めることを特徴とする流速測定装置。
【請求項6】
請求項5に記載の流速測定装置において、
前記第3超音波送受信部から超音波が送信されてから、当該超音波が前記液体流路内で反射し前記第3超音波送受信部で受信されるまでの時間に基づいて、超音波の液体中での伝搬速度を求める伝搬速度測定部と、
前記伝搬速度測定部によって求められた伝搬速度、前記第1若しくは第2超音波送受信部から前記液体流路の管壁に入射する超音波の伝搬速度、および当該超音波の入射角度、に基づいて、超音波の伝搬方向を求める伝搬方向測定部と、
を備え、
前記流速測定部は、
前記伝搬方向測定部によって求められた伝搬方向に基づいて、液体の流速を求めることを特徴とする流速測定装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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