説明

流量センサ

【課題】被検出流体の規定の検出方向を任意に設定可能として使い勝手を改善する。
【解決手段】流量センサは、被検出流体の流量を検出するための流量センサであって、流路口を対向する端面に開口するよう形成した本体ケースと、本体ケースに内包されて、流路口と連通して被検出流体を通過させる流路を構成する中空状の測定管と、測定管を通過する被検出流体の流量及び流れ方向を検出可能な流体検出部と、流体検出手段で検出される被検出流体の流量を表示可能な表示部と、測定管を通過する被検出流体の流れ方向に対して、規定の方向を設定可能な流れ方向設定部と、設定手段で設定された規定の流れ方向と逆向きに被検出流体が流れたことを検出して、警告を発するための警告手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検出流体の流量を検出する流量センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液体や気体等の流体の流量を検出するために種々の流量センサが用いられている。例えば被検出流体を羽根車に当てて、その回転数を流量値に換算する羽根車式や、鉛直方向に設置されたパイプ中に浮きを配置し、この浮きの上昇度合いで流量を検出する浮き子式、ファラデーの電磁誘導の原理を使用して、流路内に可動部や障害物を配置することなく流量を測定可能な電磁式等がある。この内、電磁流量計には大別して接液電極形と非接液電極形の2種類が存在する。接液電極形の電磁流量計(接液式あるいは電極式電磁流量計等と呼ばれる)は、電極が被検出流体と直接接触し、被検出流体に発生する起電力を直接検出する。一方、非接液電極形の電磁流量計((静電)容量式電磁流量計等と呼ばれる)は、電極が被検出流体と直接接触せず、被検出流体に発生する起電力を被検出流体と電極間の静電容量を介して検出する。このような電磁流量計では被検出流体の経路が貫通構造であり、メンテナンス性に優れる。特に容量式電磁流量計では、測定管内面に電極が露出しないので、電極表面に付着するスケールの掃除等の作業を無くし、維持管理の手間を大幅に省力化できる利点が得られる。
【0003】
このような流量センサは、使用目的に従って瞬時流量、積算流量等の測定値を表示部に表示する機能を備えている。また測定値に加えて、被検出流体の実際の流れ方向や流速の大小を表示する機能を備えた流量計も開発されている(特許文献1参照)。図27に示す流量計700は、本出願人が先に開発した特許文献1に係る流量計の模式図である。この流量計700は、表示ケース750に設けられた方向表示部753の4つの横並びのLEDの点滅を、被検出流体の流れ方向に従って順に行うことで、ユーザは配管内の被検出流体の流れ方向を直感的に知ることができる。図27において(a)は被検出流体が左から右方向(矢印αで示す方向)に流れる場合の配管例、(b)は右から左方向(矢印βの方向)に流れる場合の配管例を示している。いずれの場合も本体ケース710に印刷された矢印Yで示す方向に被検出流体が流れるように配管して、方向表示部753のLEDの点滅パターンを移動させることによって、被検出流体の実際の流れ方向を作業者に表示できる。
【特許文献1】特開2002−267509号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この流量計1は、本体ケース710に付された矢印表示Yを流体の流れ方向に合致させて配管720に取り付ける必要がある。すなわち、予め規定された方向に配管しなければならず、図27の(a)、(b)のように流体の流れ方向が異なる場合は、それぞれ別個の流量計を用意しなければならず、使い勝手に劣るという問題があった。
【0005】
一方、図27の流量計1は、表示ケース750と本体ケース710とが相対回転可能に連結されており、ユーザの見易い方向に表示ケース750を相対させることが可能である。しかしながら、回転可能とするための機械的構造が必要となる上、位置検出センサを設けて、本体ケース710の回転位置を検出する機構も必要となり、流量計の大型化や製造コスト上昇に繋がるという問題もあった。
【0006】
本発明は、従来のこのような問題点を解決するためになされたものである。本発明の一の目的は、被検出流体の実際の流れ方向を表示可能とした流量センサの、規定の検出方向を任意に設定可能として使い勝手を改善した流量センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の目的を達成するために、第1発明に係る流量センサは、被検出流体の流量を検出するための流量センサであって、流路口を対向する端面に開口するよう形成した本体ケースと、本体ケースに内包されて、流路口と連通して被検出流体を通過させる流路を構成する中空状の測定管と、測定管を通過する被検出流体の流量及び流れ方向を検出可能な流体検出部と、流体検出手段で検出される被検出流体の流量を表示可能な表示部と、測定管を通過する被検出流体の流れ方向に対して、規定の方向を設定可能な流れ方向設定部と、設定手段で設定された規定の流れ方向と逆向きに被検出流体が流れたことを検出して、警告を発するための警告手段とを備える。
【0008】
第2発明に係る流量センサは、表示部が、被検出流体の流れ方向を表示する流れ方向表示手段を備えてもよい。
【0009】
第3発明に係る流量センサは、流れ方向表示手段が、複数の表示灯を直線状に配置してなり、表示灯の点灯パターンによって流れ方向を表示するよう構成できる。
【0010】
第4発明に係る流量センサは、警告手段が、表示灯の点灯色を通常状態から変更することにより警告状態を表示するよう構成できる。
【0011】
第5発明に係る流量センサは、さらに流体検出手段で検出される被検出流体の流量に対して所定の閾値を設定するための閾値設定部と、流体検出手段で検出される被検出流体の流量と、閾値設定部で設定された閾値とを比較して、比較結果に基づき所定の出力を出力可能な出力部とを備え、出力部の出力結果に応じて、表示灯の表示パターンを変更可能に構成できる。
【発明の効果】
【0012】
第1発明によれば、流量センサの設置状態等に応じて規定の流れ方向を設定できるので、流量センサの配管の自由度を高めることができる。また第2発明によれば、流れ方向を表示部で表示できるので、ユーザは直感的に流れ方向を把握できる。特に第3発明によれば、表示灯の点灯パターンで流体の流れ方向を動的に把握できる。さらに第4発明によれば、表示灯を警告表示に利用でき、ユーザに視覚的に警告を促すことができる。さらにまた第5発明によれば、出力の状態も表示灯で把握できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための流量センサを例示するものであって、本発明は流量センサを以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
(容量式電磁流量計)
【0014】
以下、本発明に係る流量センサの例として、容量式電磁流量計に適用した例を図1〜図19に基づいて説明する。これらの図において、図1は容量式電磁流量計100の構成を示すブロック図、図2は本体ケースの断面図、図3は容量式電磁流量計100の回路構成のさらに詳細なブロック図、図4は容量式電磁流量計の斜視図、図5は図4の容量式電磁流量計の表示ユニットを外した分解斜視図、図6は図5の本体ケースから口金と補強板を外した分解斜視図、図7はサイドカバーを本体カバーで固定する状態の分解斜視図、図8はハウジングを本体カバーで保持する状態の断面図、図9は測定管の斜視図及び電極を外した分解斜視図、図10は図6の本体ケースの分解斜視図、図11はプリアンプモジュールの分解斜視図、図12は励磁モジュールの斜視図、図13は励磁プレートの斜視図、図14は励磁コイルの分解斜視図、図15は一体型表示ユニットの分解斜視図、図16は本体ケースに、表示ユニットを固定する様子を示す斜視図、図17は分離型表示ユニットを使用した容量式電磁流量計の斜視図、図18はこの電磁流量計のブロック図、図19は分離型表示ユニットの分解斜視図を、それぞれ示している。
(ブロック図)
【0015】
図1のブロック図及び図2の本体ケース断面図に示すように、容量式電磁流量計100は、被検出流体を通過させる測定管10と、ポールピース178の周囲に巻回され、測定管10の外部から被検出流体に磁場を印加する励磁コイル22と、励磁コイル22で交番磁界を発生させるための励磁回路24と、励磁コイル22で発生される磁界中を被検出流体が通過して発生される起電力を検出するための電極30と、電極30を介して起電力を検出する検出回路34と、励磁回路24及び検出回路34を駆動制御し、さらに検出された信号から流量を演算するための制御部40と、制御部40で演算された流量を表示する表示部51とを備える。この制御部40は、流量検出手段を構成する本体ケース110で検出された被検出流体の流量に基づき、積算流量を演算可能な流量演算部として機能する。また必要に応じて、出力信号を出力するための出力部60や、外部からのリセット信号等の各種入力信号を入力するための入力部70、各種設定を行うための設定部80等を設けてもよい。これら制御部40、表示部51、出力部60、入力部70、設定部80等は、表示ユニット50として、本体ケース110と別部材のユニット状に構成される。
【0016】
この容量式電磁流量計100の回路構成のさらに詳細なブロック図を図3に示す。この図では、容量式電磁流量計100を構成する本体ケース110と表示ユニット50各々について、これらを構成する部材を示している。まず本体ケース110側には、電極30とプリアンプ163を一対、測定管に配置している。そしてこれらの電極30で起電力を検出する検出回路34として、差動増幅器35と、増幅器36と、周期性リセット回路37を備える。図3の例では、プリアンプ163の出力は差動増幅器35に入力され、電極30間に発生した起電力を検出する。差動増幅器35の出力はさらに増幅器36で増幅されて、周期性リセット回路37を介して、A/D変換器38でA/D変換され、制御部40に入力される。周期性リセット回路37は、制御部40から周期的に送られるリセット信号を受けて、検出された電圧をリセットするための回路である。
【0017】
一方、測定管に励磁コイル22で磁界を生じさせる励磁回路24としては、励磁用の励磁電源25、励磁コイル22と励磁電源25との間に介在され、励磁の極性を切り替える励磁極性切替回路28、及び励磁コイル22に所定の定電流を通電させるための定電流回路29を備える。この励磁回路24では、励磁極性切替回路28が励磁電源25より供給される電力をスイッチングして交流電流を励磁コイル22に供給し、交番磁界を発生させる。図3の例では、励磁電源25として、初期励磁電源26及び励磁継続電源27の2つを備えており、これらを切り替えて使用する。すなわち、励磁コイル22の立ち上げ時には高電圧が必要であるため、より高出力を得られる初期励磁電源26を使用する。そして励磁が安定すると、励磁を継続させるために必要な電圧は低くなるので、励磁継続電源27に切り替える。これにより、起動時の高電圧と安定動作時の定電圧とを供給するために、専用の電源を用意することで、電源が大型化したり電力損失が増すことを回避でき、装置の小型化や発熱防止が図られる。
【0018】
さらに、励磁極性切替回路28の出力は、表示ユニット50側の制御部40に入力される。表示ユニット50は、A/D変換器38と、制御部40と、表示部51と、設定部80と、入力部70と、出力部60を備える。制御部40は、マイクロコンピュータ等で構成され、これら励磁回路24と検出回路34を同期させて駆動、制御する。また設定部80は、各種の設定や操作を行うためのスイッチやコンソールである。表示部51は、7セグメント式表示器等を備え、検出された瞬時流量や積算流量、あるいは設定値などを切り替えて、又は同時に表示する。入力部70は、外部信号を入力する入力回路である。出力部60は、制御信号等を出力するための外部出力回路61とアナログ電流出力回路62を備える。
【0019】
なお、これら表示ユニットや本体ケース、あるいは励磁回路や検出回路などの区分けは一例であり、各構成部材が属するユニットや回路を適宜変更しても同様の機能が実現できることはいうまでもない。また、機能が実現される限りにおいて任意の部材を統合することも可能である。
【0020】
この容量式電磁流量計100の動作原理を、図1に基づいて説明する。被検出流体を導く測定管10は、測定管10の左右に配置された一対の励磁コイル22により発生し、ポールピース178に導かれたほぼ平行な磁界と直交するよう配置されている。また、測定管10の上下面に対向して配置された一対の電極30は、励磁コイル22で発生される磁界及び被検出流体の通過方向と直交する方向に発生する起電力を検出するよう配置されている。この構成において、測定管10内に被検出流体が流れる、すなわち磁界と直交する方向に導電性流体が移動すると、ファラデーの電磁誘導の法則に従い被検出流体中には、その移動速度(流速)に比例した起電力が発生する。このとき起電力はファラデーの法則により磁束密度、流速及び測定管径の積に比例する。電極30は、誘導体からなる測定管10の管壁を介して被検出流体と対向し、静電容量結合されており、流体内部に発生した起電力を電気的に取り出す働きをする。取り出された起電力は、制御部40に伝達され、流量信号に変換されて表示部51に表示され、あるいは電気信号として出力される。
(本体ケース110)
【0021】
次に、容量式電磁流量計の各部材の詳細を図面に基づき説明する。図4及び図5に示す容量式電磁流量計100は、容量式電磁流量計本体を構成する本体ケース110と、表示ユニット50とで構成される。この容量式電磁流量計は、本体ケース110の両端面に開口された流路口111から被検出流体を内部に通過させ、その流量を検出して表示ユニット50に表示する。
【0022】
本体ケース110には、PPS樹脂等が利用できる。特に本体ケース110を金属でなく樹脂で形成することにより、軽量化を図ると共に複雑な形状にも容易に形成でき、安価に構成できる利点が得られる。本体ケース110の上面には、図5に示すように、表示ユニット50が固定される。また本体ケース110の側面には、図6に示すように測定管10を収納するハウジング120の前後に各々サイドカバー130を固定している。各サイドカバー130には被検出流体を流入、排出するための流路口111を開口している。
【0023】
さらにサイドカバー130の上面はヨーク蓋140で、下面は補強板142で各々閉塞している。さらに補強板142を覆うように、断面コ字状の本体カバー150で被覆し、本体カバー150の両端でサイドカバー130を固定して補強している。本体ケース110を本体カバー150で被覆して、サイドカバー130同士を本体カバー150で固定する状態を図7に示す。この図に示すように、ハウジング120の前後にサイドカバー130を固定した状態で、本体カバー150の側板155を挿入できる段差を形成している。さらに本体カバー150で本体ケース110を被覆した状態で、側板155に開口された螺子孔156に螺子を挿入して、本体カバー150の両端でサイドカバー130を螺号して固定する。さらに螺子孔156は、ハウジング120とサイドカバー130との連結に兼用することもでき、これにより組み立て作業効率も向上される。
【0024】
本体カバー150は、板金等剛性のある部材で構成し、両端でサイドカバー130と螺子で螺号する等して、容量式電磁流量計の筐体に強度を持たせる。これにより、容量式電磁流量計を配管する際に、容量式電磁流量計の両側に設けられた配管固定機構に応力が加えられても、十分対抗できる強度を付与できる。例えば流路口111の内面に設けられた螺子溝112を螺号すると、両端から逆向きのトルクが加えられるが、このような捻れ応力で本体ケース110が破損しないよう本体カバー150が補強する。
【0025】
また、容量式電磁流量計の筐体全体を金属製とするのでなく、本体ケース110を樹脂部材とすることで軽量化も図られる。本体カバー150は金属製ではあるが比較的軽量な板金で構成することにより、全体としての軽量化が実現できる。さらに本体ケース110を複雑な形状としても、金属製の場合と比較して安価に形成でき、コスト面でも有利となる。特に金属部品は単純な板金形状とすることで、安価とできる。さらにまた、容量式電磁流量計の本体ケース110表面を板金等の本体カバー150で被覆することにより、筐体表面を保護する効果も得られる。加えて、両端のサイドカバー130同士を金属製の本体カバー150で連結することにより、両端面を導通させてアース電位を共通にできるという副次的な効果も得られる。一方、本体ケース110には液アース端子144を備えており、被検出流体の電位をサイドカバー130の接地電位とする。
【0026】
本体カバー150は、上記の例では図8(a)に示すように一枚の断面コ字状本体カバー150でハウジング120全体をカバーする構成とした。特に板金を断面コ字状に折曲することで、曲げ強度を一層増すことができる。また本体カバー150一枚でサイドカバー130同士を連結できるので、部品点数も最小限とでき、組み立て作業性にも優れる。ただ、本体カバーは、上記の構成に限られず、複数枚で構成してもよい。例えば図8(b)に示すように、本体カバー151を2枚、それぞれ断面コ字状とし、これらをハウジング120の上下から覆うように構成することもできる。あるいは図8(c)に示すように、断面L字状の本体カバー152とし、これらをハウジング120の対角線方向から狭持する構成としてもよい。さらに図8(d)に示すように、2枚の平板状本体カバー153を使用して、サイドカバー同士を橋渡しする構成としても良い。
(サイドカバー130)
【0027】
サイドカバー130は、流路口111を開口している。流路口111は、本体ケース110に内蔵される測定管10とで流路を構成する。流路の口径は、流路口111の一端から他端までほぼ同じ直径として、この流路に被検出流体を一方向に流す際の損失を低減する。流路口111の部分には、容量式電磁流量計を設置する工場等の外部配管(図示せず)と接続するための配管固定機構として、流路口111の内面に螺子溝112が形成されている。螺合により配管する際の機械的強度を確保するために、好ましくはサイドカバー130を金属で一体に形成する。なお外部配管と流路との他の接続方法としては、本体ケースの開口端面にボルトを植設し、他方、外部配管の端にフランジを設け、このフランジの挿通孔にボルトを通した後にナットを螺着させることによって本体ケースと外部配管とを接続するようにしてもよい。
(測定管10)
【0028】
測定管10は、管状の内部に被検出流体を通過させる絶縁性ライニングである。測定管10には、被検出流体を通過させるパイプとしての優れた耐薬品性能と、コンデンサを構成するための電気的特性とが要求される。機械的特性の面からは、測定管10は、被検出流体の圧力、温度変化による配管の伸縮に基づく引張又は圧縮の力を担う強度母体とし、かつそれに耐える所要の内径、肉厚、長さを有する剛構造部材とする。一方、電気的特性の面からは、測定管10は非磁性の絶縁性部材として誘電体材料であることが望まれる。特に測定管10の周囲に貼付される電極30と被検出流体との静電容量結合を高めS/N比を改善するために、誘電率の高い材質で構成する。このような材質としてはセラミックスやプラスチック等が利用できる。一般的にはセラミックスが用いられるが、測定管の外周面に、後述する位置決めのための突起12や段差14を一体的に形成する場合、成形時の熱収縮による位置決め精度の低下や、後加工でこのような突起や段差を形成するとコスト的に高くなるおそれがある。このため、本実施の形態では比較的強度があり、且つ成形精度と高誘電性を確保できるセラミックスを混入したPPS樹脂を採用している。PPS樹脂は、耐油、耐薬品性等に優れる。本実施の形態では、ポリプラスチックス株式会社製フレクティス(登録商標)を使用した。また測定管10の内面には必要に応じてライニングが施工される。
【0029】
被検出流体は、水や非腐食性の液体であり、所定の導電率を備える液体である。容量式電磁流量計は、接液式の電磁流量計と異なり、電極30を被検出流体に直接接触させないため、従来は使用できなかった電極を腐食するような液体であっても測定できる。また、測定管10の材質を選択することによって、様々な被検出流体に対応できる。特に、測定精度等に対応して要求される誘電率と、被検出流体に対する耐性に応じて、測定管10の材質を選択できる。特に本実施の形態に係る容量式電磁流量計は、測定管10を本体ケース110と別部材としているので、測定管10のみを変更し、他の構成部品を共通化して様々な仕様の容量式電磁流量計を構成でき、製品仕込みの上で有利なものとなる。
【0030】
さらに測定管10には、円柱状の測定管10の回転を阻止するための回転阻止機構を設けている。すなわち、測定管10の周囲で電極30と励磁コイル22とを直交させる必要があるため、円柱状の測定管10が回転して位置ずれを生じると、正確な検出に支障を来すおそれがある。このため、図9(a)に示すように測定管10の外周に突起12を設けている。突起12を支承する孔をプリアンプモジュール160や本体ケース110等に形成することで、測定管10を所定の姿勢に位置決めし、回転を阻止する。
【0031】
測定管10は、本体ケース110と別部材とする。これにより、測定管10を構成する部材にはコンデンサに適した材質を選択できる。一方で本体ケース110は、複雑な形状にも容易に成型可能な樹脂が使用できる。このように、測定管10を本体ケース110と別部材とすることにより、各々に適した部材で構成できる。特に測定管を構成する高誘電材料は一般に高価であるため、必要な部分のみを高価な部材で構成し、他の部材はより安価な材質として全体のコストを低減できる。また、容量式電磁流量計に要求される精度等に応じて、適切な材質の測定管10を選定できる。さらに、口径の異なる測定管に交換することもできる。このように、容量式電磁流量計の検出目的や用途、求められる仕様やコストに応じて、適切な材質の測定管を選定することができる。また、複数の測定管を一の容量式電磁流量計にセット可能とすることで、多品種の容量式電磁流量計の部材を共通化して、安価に提供できる。
(電極30)
【0032】
測定管10の周囲には電極30が配置される。電極30は、ポリイミド等の絶縁テープに銅箔をコーティングしたものが使用できる。この電極30は、図9(b)に示すように、円筒状の測定管10の外周に沿うように湾曲された面状の導電体であり、一対の電極30を測定管10を挟んで対向するように配置する。このように一対の電極30と被検出流体との静電結合により、流体中に発生した起電力を測定管10から外部に取り出して、流量を検出できる。各電極30は、測定管10の外周に隙間なく貼付される。貼付にはテープや接着剤等が利用できる。電極30は、好ましくは可撓性部材で構成することにより、測定管10の外面に隙間なく固定できる。
【0033】
また面状の導電体である電極の腐食や結露による一対の電極間の導通を防止するために、導電体は絶縁層で被覆することが好ましい。図9の例では、シリコーン樹脂等の絶縁性の接着材を介して測定管10の外周に接着することにより、絶縁層の形成と接着を同時に実現している。また、その他の構成として絶縁層としてポリイミド樹脂テープを使用し、ポリイミド樹脂テープ上に銅箔の面状導電体を予め設けた電極30を、測定管10上に配置する構成とすることもできる。測定管10の周囲には、電極30を配置する位置及び大きさに段差14を形成しており、電極30の位置決めを実現する。段差14は、測定管10外周の肉厚を薄くすることで形成している。
【0034】
さらに電極30は、プリアンプモジュール160と電気接続するためのリードを設ける。図9の例では、銅箔の面状導電体の一部に切り込みを入れてリード片32とし、これを引き出している。この構成は、リードの配線等を不要とし、極めて安価且つ容易に電極30の配線を行うことができる。
【0035】
なおこの例では一対の電極を使用したが、2組以上の電極を使用することも可能である。複数組の電極を使用する場合、各電極で検出する電界が磁界と直交するように、電極の位置は調整される。
(ハウジング120)
【0036】
次にハウジング120の内部に収納される部材を、図10の分解斜視図に基づいて説明する。この図に示すように、ハウジング120は測定管10と、一対のプリアンプと、励磁モジュール170とを備える。またハウジング120の前後には貫通孔121が開口され、ここに測定管10が挿入される。またハウジング120内部に保持される測定管10の上下に、プリアンプが配置される。図11に示すように、電極30を装着した状態で、測定管10の上下からプリアンプモジュール160にて狭持する。
(プリアンプ)
【0037】
プリアンプモジュール160は、信号増幅用のプリアンプを構成する。容量式電磁流量計においては、電極30と被検出流体との静電容量結合が一般に数十pF程度と小さいため、電気信号を通すためのフィルタを設ける際の抵抗のインピーダンスが極めて高くなっている。このため、各電極30に検出回路34としてプリアンプを接続してインピーダンスを下げる。図10に示すプリアンプは、測定管10に配置される一対の電極30と電気的に接続され、検出された電気信号を増幅して制御部40に送出する。このプリアンプは、プリアンプモジュール160を、シールドケース161に収納し、さらにシールドカバー162で閉塞し、電極30を含むプリアンプを確実にシールドして電気信号をノイズから保護する。
(プリアンプモジュール160)
【0038】
プリアンプモジュール160の外観を図11に示す。この図において、図11(a)は一対のプリアンプモジュール160の斜視図を、図11(b)はプリアンプモジュール160の分解斜視図を、それぞれ示している。各プリアンプモジュール160は、図11(b)に示すように、プリアンプ基板164と、プリアンプ基板ホルダ165と、電極保護シート166とで構成される。プリアンプ基板164は、電極30で検出された電気信号増幅用の電子部品を実装する。プリアンプ基板164は、プリアンプ基板ホルダ165に保持される。図11(b)に示すプリアンプ基板ホルダ165は、上面にプリアンプ基板164を保持する開口を形成している。またプリアンプ基板ホルダ165は、下面を測定管10の側面に沿うようアーチ状に湾曲させており、この湾曲面に電極保護シート166を固定する。電極保護シート166は、ゴム等の弾性体で構成され、プリアンプ基板ホルダ165の湾曲面で押圧されて、電極30を測定管10の周囲に隙間なく押圧する。特に電極30による静電容量結合を高めるため、電極30と測定管10との間に隙間が生じないように固定する必要がある。この作業を、電極保護シート166を利用することで、プリアンプモジュール160を測定管10にセットする際に、電極30を測定管10の周囲に確実に押圧して隙間なく固定でき、信頼性を高めると共に構成を簡素化して作業能率も向上する。
(励磁モジュール170)
【0039】
さらに、図10に示すハウジング120は、測定管10の左右側面を挟むように、励磁モジュール170が配置される。励磁モジュール170は、励磁コイル22を備えており、測定管10の左右から磁界を付与する。したがって、電極30により検出される電界と磁界が直交するように、励磁モジュール170とプリアンプの配置位置が設定される。
【0040】
励磁モジュール170の斜視図を図12に示す。図12(a)は励磁モジュール170を斜め上方から見た斜視図、図12(b)は斜め下方から見た斜視図を、それぞれ示している。この図に示す励磁モジュール170は、励磁コイル22を保持するコイルケース172と、コイルケース172を一対、対向するように固定する励磁プレート174と、中継基板176で構成される。
(励磁プレート174)
【0041】
励磁プレート174の斜視図を図13(a)、(b)に示す。励磁プレート174は、一対のコイルケース172を離間させて保持し、コイルケース172のポールピース178同士の間で磁界を生じさせる。この励磁プレート174は、ほぼ平行に離間させた対向片174aを、連結片174bの両端で連結した断面ほぼコ字状に形成され、対向片174aに各々コイルケース172を保持して、これらを平行に離間させて保持する。また励磁プレート174の上面の両端部には、ヨーク蓋固定用のヨーク片174cが各々形成される。
【0042】
励磁プレート174は、励磁コイル22で発生される磁界で磁気回路を構成するため、強磁性体材料で構成する。この励磁プレート174は、金属等で一体に形成している。また対向するポールピース178同士の間で磁界が効率よく発生されるように、いいかえるとポールピース178から発される磁束が、下方向の連結片174bに向かう漏れ磁束を低減するため、励磁プレート174の一部を部分的に開口している。特に、連結片174bと対向片174aとの接合部分を大きく開口して開口部174dを形成することにより、磁気回路の短絡を防止する。このような形状の励磁プレート174を使用することで、漏れ磁場を低減し、磁気回路の効率を高めることができる。
(中継基板176)
【0043】
また図12(b)に示すように、励磁プレート174の連結片174bの裏面には、中継基板176が固定される。中継基板176は、励磁コイル22の励磁する励磁回路24として、図3に示す初期励磁電源26、励磁継続電源27、励磁極性切替回路28、定電流回路29を構成する。励磁回路24でポールピース178同士の間で交番磁界を発生させるように、中継基板176には必要な電気回路が実装される。この励磁モジュール170は、商用周波数と異なる周波数で交番磁界を発生させる。好ましくは、励磁周波数は商用周波数よりも高い周波数、例えば75kHzとする。これにより、商用周波数で生じるノイズを回避することができる。
(コイルケース172)
【0044】
コイルケース172は、コアを挿入し、コアの周囲に励磁コイル22を捲回する構成とする。コイルケース172の分解斜視図を図14に示す。この図に示すように、コイルケース172は中空の軸で平板172a、172bを連結した形状とし、平板172a、172b同士の間に励磁コイル22を捲回するコイル捲回空間172cが形成される。一方の平板172aには、コアとしてポールピース178を挿入するポールピース挿入口172dが開口される。またポールピース挿入口172dは中空の軸状とし、コイル捲回空間172cを貫通している。さらに他方の平板172bは矩形状とし、図12(a)に示すように励磁プレート174の対向片174aに固定される。
(ポールピース178)
【0045】
励磁コイル22はポールピースコア178aの周囲に捲回される。ポールピース178は、ポールピースコア178aをなす鉄芯の一端に矩形状の平板178bを固定し、平板178bを介して磁束が出入りする。ポールピースコア178aには積層鉄心等の導電性の磁性材が好適に使用できる。またポールピースコアを使用しないで、この部分で生じる磁気回路遅れを低減する構成としてもよい。
【0046】
この励磁モジュール170は、内蔵される一対の励磁コイル22を離間して配置し、中継基板176で励磁コイル22を励磁してポールピース178同士の間に磁界を生じさせる。これにより、ポールピース178の間に設置された測定管10に対して、被検出流体として導電率を有する液体を流すと、液体の運動方向と直交する方向に起電力を生じさせる。
【0047】
なお図1の例では、励磁コイル22を2つ使用し、測定管10の左右に設けているが、コイルを一とすることもできる。例えば図20に示すようにコア178Bの両端で測定管10Bを挟むようにすれば、コア178Bに捲回する励磁コイル22Bを一とできる。この図に示す容量式電磁流量計も、図1等と同様に、励磁回路24Bで励磁コイル22Bを励磁し、測定管10Bを通過する被検出流体により生じる起電力を検出回路34Bが電極30Bで検出し、制御部40Bに送出して表示部51Bにて表示する。
【0048】
さらに図5に戻り、容量式電磁流量計は、本体ケース110の上面に、表示ユニット50を固定している。本体ケース110の上面には、表示ユニット50を固定するための螺子孔122をハウジング120の四隅に形成している。また、サイドカバー130の上端は、本体ケース110上面に固定された表示ユニット50の表面と同一平面となるよう、窪ませた段差空間が形成されている。この段差空間は、表示ユニット50の外形及び大きさとほぼ等しいか、これよりも若干大きく形成される。
(表示ユニット50)
【0049】
表示ユニット50は被検出流体の流量等の情報を表示するための部材であり、図4等に示すように表示部51として表示画面52を備える。図4の例では表示画面52に数値を表示する数値表示領域として、7セグメント式表示器を使用しており、流量等を数値で表示する。7セグメント式表示器には、検出した流量について、瞬時流量や積算流量等の数値を表示する。この図に示す表示画面52は、7セグメント式表示器を2段備えており(52a、52b)、積算流量と設定値とを同時に表示可能としている。ただ、7セグメント式表示器を1画面のみ設けて、積算流量や瞬時流量、設定値等の表示を切り替え可能とすることも可能であることはいうまでもない。
【0050】
また表示画面52は、被検出流体の流速や流れ方向を示す表示灯53を備える。表示灯53は、直線状のバー型に配置されたLEDで構成される。表示灯53は、例えば流量に応じた速さでLEDを流れ方向に順次点灯、さらに消灯させ、流速と流れ方向を感覚的に表現できる。またバー状LEDに代わって、矢印形の表示灯等も利用できる。さらに、LED等を使用したセグメント式の表示画面52に代わって、液晶や有機EL等を使用した表示画面とすることも可能である。このように表示画面52には、流量等の数値のみならず矢印等の図形やイメージを併せて、あるいは択一的に表示させることができ、検出した流量等の情報をユーザに視認しやすい形で表示できる。
【0051】
図21は、容量式電磁流量計100を配管した状態で、被検出流体の流量と流れ方向を表示画面52で表示する状態を示す模式図である。このように、表示画面52は流量の数値表示に加えて、流れ方向を表示灯53で表示できる。この容量式電磁流量計100は、流路に対して特定の一方向(図21において矢印で示す左から右方向)に流れる被検出流体のみを検出する例に限られず、両方向の流量を計測することは可能である。ただ、流量センサの実際の利用形態においては、一方向の流量のみを計測したい例が多く、逆向きの流量はエラーとして判定したい場合が一般的である。このため、流量を測定したい方向を規定の流れ方向として、予め流れ方向設定部で設定しておき、規定の流れ方向に被検出流体が流れている場合は通常状態として流量を表示し、一方で規定方向と逆方向に被検出流体が流れたことを検出した場合は、逆流エラーとして警告手段で警告する。
(流れ方向設定部)
【0052】
流れ方向設定部で規定の流れ方向を設定する様子を図22に基づいて説明する。流れ方向設定部は、設定部80である操作パネル54と表示画面52によって実現される。図22(a)は、右から左方向を規定方向として設定する表示画面52の表示例を、(b)は左から右方向を規定方向として設定する表示例を、それぞれ示している。この表示画面52は、上述の通り7セグメント式表示器52a、52bを2段並べ、上段の7セグメント式表示器52aを一回り大きく、下段の7セグメント式表示器52bを上段よりも小さくしている。表示画面52の表示を、流量を表示する測定モードから、設定を行う設定モードに移行する操作を操作パネル54から行うことで、図22の状態となる。表示画面52を切り替える操作は、例えば所定の設定ボタンを押したり、長押しすることで実現できる。図22に示すように規定方向の設定画面を表示させると、上段の7セグメント式表示器52aは、方向設定を示す「dir」が表示され、下段の7セグメント式表示器52bには方向「A」又は「b」が表示されると共に、方向を示すために「=」の表示パターンを、規定の流れ方向に沿って移動させている。これにより、設定を行うユーザは規定方向を設定する際に、「A」・「B」いずれがどの方向であるかを覚えていなくとも、動作によって視覚的に把握できるので、設定が容易で設定ミスを防ぐことができる。
【0053】
また図23は、測定モードにおける表示画面52の表示例を示している。上段の7セグメント式表示器52aには、流量の測定値が表示され、下段の7セグメント式表示器52bには予め設定された閾値が表示される。さらに、上段の7セグメント式表示器52aの上方に設けられたインジケータの点滅パターンを切り替えて、規定の流れ方向に沿って点灯が移動するように表示する。これにより、被検出流体の流れ方向をユーザは視覚的に把握できる。さらに上述の通り、被検出流体の流速に応じて点灯パターンの速度も変化させ、流速の大小も併せて把握できる。
【0054】
このように、容量式電磁流量計はいずれの方向に対しても被検出流体の流量を測定可能であるので、測定方向を固定せずユーザが設定可能とすることができ、これにより容量式電磁流量計の配管状態等に応じて任意の方向を規定の流れ方向として設定可能となり、使い勝手の良い容量式電磁流量計が実現される。特に、従来の流量計では、流量計を測定方向が固定されているため、被検出流体の流れ方向に従って配管する必要があり、その結果表示部が逆向きに設置されることがあり、ユーザが表示画面の表示値を視認し難くなる問題があった。これに対して上記の容量式電磁流量計では、ユーザが視認し易い表示向きに合わせて設置し、その設置方向に合わせて規定方向を設定することが可能となる。
(警告手段)
【0055】
また測定された流れ方向が規定方向と一致する場合は正常動作として流量値を表示し、規定方向と逆方向の場合は逆流エラーとして警告表示することもできる。図24及び図25に、表示画面52に警告表示を行う表示例を示す。図24の例では、規定方向を左から右方向に設定した場合であり、(a)は検出された被検出流体の流れ方向が規定方向と同じ左から右方向であり、インジケータが緑色に、流れ方向に沿って順次点灯して動きで示し、さらに通常の測定結果として流量と閾値がそれぞれ表示される。一方、(b)は逆流を検出した画面例であり、インジケータを構成する3つのLED表示灯53を赤色に変更して点滅させ、異常を告知すると共に、上段の7セグメント式表示器52aには「rev」と表示し、閾値の表示をOFFとする。このように、表示画面52を正常状態と明らかに変更することによって、ユーザが容易に異常状態を識別できるようにする。また必要に応じてブザーや音声案内などを付加することもできる。
【0056】
同様に図25は、規定方向を右から左方向に設定した場合の表示例を示しており、図25(a)は検出された流れ方向が正常で通常の測定を行う状態、図25(b)は検出された流れ方向が規定方向と逆で、警告動作を行う例を、それぞれ示している。また逆向きの場合もインジケータを逆向きに走査するよう点灯させることで、流れ方向を示すこともできる。このように、表示画面52の表示パターンを逆流の場合に変更することで、ユーザに対し異常を視覚的に告知することができ、使いやすい容量式電磁流量計が実現される。
(設定部80)
【0057】
図4に戻り、表示ユニット50の説明を続ける。表示ユニット50は、各種の設定を行う設定部80として操作パネル54を備えている。操作パネル54は、各種の設定を行うためのキーやボタンを備えている。図4等の例では、表示画面52に4桁の7セグメント式表示器を2段に配置し、さらに右下に操作パネル54を設け、十字方向にキーを配置している。この設定部80は、後述する積算流量の初期値や所定のリセット値を設定するためのリセット設定部等として機能する。
【0058】
なお、この例では表示画面52を表示する表示回路に、検出回路34及び励磁回路24と接続されてこれらを制御する制御部40を組み込んでいる。ただ、制御回路を個別の部材で構成し、本体ケース110内に組み込むことも可能であることは言うまでもない。また制御回路や検出回路、励磁回路等を統合することも可能である。
(出力部60)
【0059】
表示ユニット50は出力部60を備えている。この例では、出力部60は制御出力、アナログ出力、タイムアウト出力を備え、各々の出力に応じた外部出力端子を備えている。制御出力は、容量式電磁流量計で外部機器のON/OFF動作を直接制御するON/OFF出力として使用できる。この場合は、検出された瞬時流量が所定値に達したときにON/OFF出力を切り替えるように、HIGH/LOWの2つの状態に出力するスイッチとして機能する。スイッチ機能は、ノーマルオープン、ノーマルクローズのいずれとしてもよい。あるいは、制御出力として、検出された積算流量に応じたパルス電圧を出力することもできる。この場合は、外部の電圧入力機器に対して、積算流量で制御する用途等に利用できる。また、積算流量をリセットするリセット信号入力端子を備えてもよい。
【0060】
一方、アナログ出力は、測定された瞬時流量や積算流量等に応じたアナログ電流を出力できる。この例では、瞬時流量が0〜定格値の範囲で変化すると、4〜20mAの範囲でアナログ電流を出力する。このため出力部60は、アナログ電流出力回路62を備える。アナログ電流は電圧信号に比べてノイズ耐性に優れており、これを外部に出力することで、データの記録や解析に利用できる。さらにタイムアウト出力は、後述するようにタイムアウト時にタイムアウト信号を出力する。
【0061】
このように出力部60は積算値出力部や瞬時値出力部として機能できる。なお出力部は、上記の制御出力、アナログ出力、タイムアウト出力のいずれかを省略したり、あるいはさらに別の出力端子を備えてもよい。さらに、各出力端子の出力状態を示す出力表示灯を設けてもよい。
(閾値設定部)
【0062】
さらに設定部80は、流体検出手段で検出された被検出流体の流量に対して所定の閾値を設定するための閾値設定部として機能する。すなわち、検出された流量を、予め閾値設定部で設定された閾値と比較し、これを上回る(或いは下回る)と出力部から出力信号を出力するセンサとして動作できる。
【0063】
さらに出力の状態を、表示部に表示させることもできる。図26に、出力に連動して表示画面の表示を変更する表示例を示す。図26(a)は出力がOFFの場合の表示例、図26(b)は出力がONの場合の表示例をそれぞれ示している。出力がOFFの場合は、表示画面は図26(a)に示すように通常の測定結果を示しており、インジケータの表示色は緑色である。一方、所定の閾値を上回って出力がONとなったときは、図26(b)に示すようにインジケータの表示色を緑色から赤色に変更して表示する。これによりユーザはインジケータの表示色によって、出力状態を把握できる。またインジケータの点灯パターンや上下段の7セグメント式表示器の表示内容等は、通常動作と同様とすることにより、異常状態とを区別することができる。なお、上述した点灯色や点灯パターンなどは例示であるから、任意の点灯色や点灯パターンを適宜採用し得ることは言うまでもない。
(入力部70)
【0064】
さらに表示ユニット50は入力部70を備えることもできる。入力部70は、温度センサ等の外部機器からの入力信号や、積算値をリセットするためのリセット信号、各種設定情報等を入力するためのインターフェースである。入力部としては、データ通信可能な通信ユニットやI/O端子、メモリカード等が利用できる。
(表示ユニット50)
【0065】
一方、表示ユニット50としては、本体ケース110に表示ユニット50を設ける一体型表示ユニット50と、本体ケース110とは別の位置に表示ユニットを配置する分離型表示ユニット50Bとが利用できる。図15に、一体型表示ユニット50の分解斜視図を示す。
(一体型表示ユニット50)
【0066】
この図に示す一体型表示ユニット50は、フロントケース55と、電源ケーブル56と、表示基板57と、電源基板58とを備える。フロントケース55は、表示ユニット50の筐体であり、表示基板57を内部に保持すると共に、開口窓を通じて表示基板57上に設けられた7セグメント式表示器が外部に表出するように位置決めして固定する。また表示基板57の裏面には電源基板58が離間して配置される。電源ケーブル56は、容量式電磁流量計を駆動するための外部電源と接続されて、容量式電磁流量計に電力を供給する。表示基板57は、7セグメント式表示器や各種インジケータを構成するLED等の表示素子の駆動回路や、操作パネル54のスイッチ等を含む電子部品やCPU等の制御部品が実装されている。さらに、表示基板57と別に電源基板58が用意され、電源回路部品が電源基板58に実装される。表示用駆動回路を実装した表示基板57と、電源回路を実装した電源基板58とを分離することにより、電源回路の発熱を表示回路の電子部品から分離できる。
(択一固定機構)
【0067】
表示ユニット50は、容量式電磁流量計の取り付け位置や姿勢に応じて、ユーザが表示画面52を目視しやすい姿勢に表示ユニット50の取り付け方向を変更可能としている。図16に、容量式電磁流量計の本体ケース110に、表示ユニット50を固定する様子を示す。図16(a)は、分離型表示ユニット50B、図16(b)は一体型表示ユニット50を固定する状態、非検出流体の流れ方向と水平に固定する状態、図16(c)は図16(b)と同じ一体型表示ユニット50を、非検出流体の流れ方向と垂直な姿勢に固定する状態を、それぞれ示している。
【0068】
具体的には、表示ユニット50及び本体ケース110上面の段差空間をほぼ正方形状として、表示ユニット50の取り付け角度を90°回転させても、固定可能としている。このため、表示ユニット50を本体ケース110上面に固定するための螺子孔122は、正確に四隅に穿孔されている。これにより、表示ユニット50を90°回転させた姿勢でも本体ケース110に固定でき、表示画面52の表示方向を変更できる。すなわち、被検出流体の流れ方向(例えば上下又は左右)に沿う姿勢に測定管10を固定すると共に、この容量式電磁流量計に固定する表示ユニット50の姿勢は、ユーザが表示画面52を目視しやすい方向に固定できる。
【0069】
従来、容量式電磁流量計を配管等に固定する際、容量式電磁流量計が横置きの姿勢のみならず、縦置きの姿勢で固定されることもあった。この場合、表示器が縦方向に配置されるため、横書きで表示される数値が読みづらくなるという問題があった。一方、上述した特許文献2に示すように、縦横いずれの方向でも表示画面52を視認できるよう、表示ユニット50を本体ケース110と回転させる機構を備えた流量計も存在したが、回転機構が必要となり、その分構造が複雑となり、コストアップやサイズの大型化等の問題があった。これに対し、上記の構成では、取り付け姿勢を変更してねじ止めするという極めて簡単な構成であるため、部品点数が増えることもなく、小型化を実現しつつ、表示画面52が水平となるように、すなわちユーザが直立した姿勢から目視できる姿勢に、固定することができ、視認性がよくなる。
【0070】
また、必ずしもユーザが見て水平位置に固定する必要はなく、設置位置やユーザの視認方向等に応じて、適切な姿勢に固定できることは言うまでもない。このように、表示部を本体ケースに対して回転させる構造等を必要とせず、90°単位で縦、横いずれかの姿勢を選択して固定する方式のため、容量式電磁流量計の設置方向に応じて見易い方向に表示部を固定できると共に、固定位置を変更するための構造を簡素化でき、装置の小型化に寄与する。
【0071】
なお、表示ユニット50を固定する方法は四隅の螺合に限られず、例えば正方形の各辺の中間に螺子孔を穿孔したり、フック等による係合や嵌合とすることもできる。
【0072】
また、必ずしも一の表示ユニットの取り付け角度を変更する構成に限られず、例えば水平方向表示用の表示ユニット、垂直方向表示用の表示ユニットを個別に用意し、用途に応じて適切な表示ユニットを選択して固定するように構成してもよい。この構成であれば90°回転可能な構成とする必要がないので、本体ケースの上面形状をほぼ正方形状とする必要がなく、本体ケースの形状を長方形状等様々な形状とすることができる利点が得られる。
【0073】
さらに、本体ケース110に固定する表示ユニット50を交換式とできる。これにより、本体ケース110は一体型、分離型のいずれの表示ユニット50に対しても共通に使用でき、部材の共通化を図れるという利点が得られる。
(分離型表示ユニット50B)
【0074】
図16(a)は、分離型の表示ユニット50Bの一例を示している。分離型表示ユニット50Bは、図17に示すように表示画面52を本体ケース110から離間させて、本体ケース110には表示パネル50Cを配置し、ケーブル等により電気信号をやりとりして、本体ケース110と離れた位置で流量等の情報を表示画面52に表示する。表示パネル50Cは、上述した一体型表示ユニット50と同様の構成とできる。
【0075】
図18に、分離型表示ユニットを使用した電磁流量計200のブロック図を示す。この図に示す電磁流量計200は、本体ケースについては、上述した図3に係る一体型表示ユニットを使用した電磁流量計の本体ケース110と同じものが使用でき、詳細説明は省略する。図18のブロック図では、表示ユニット50Bに、A/D変換器38Bと、制御部40Cと、表示部として動作表示画面52Bと、出力部としてアナログ電流出力回路62Bと、通信部としてシリアル通信回路63を備える。シリアル通信回路63は、表示パネル50Cとデータ通信を行い、表示パネル50Cで表示すべき必要なデータを送信する。
【0076】
図16(a)の例では、7セグメント式表示器に代わって、本体ケース110の上面に動作表示画面52Bとして、被検出流体の通過を示すインジケータ53Bを設けている。動作表示画面52Bは、流量を検出中であること等、容量式電磁流量計の動作状態を示す他、被検出流体の移動方向を示すことができる。図16(a)の例ではインジケータ53Bとして、測定管10の検出方向に沿って矢印状の表示灯を4つ水平に並べており、LED等によって表示灯を点灯させる。インジケータ53Bは、被検出流体の通過方向に向かってインジケータ53Bを点滅させ、光を移動させるように点灯させることによって流れ方向を視覚的に表示する。
【0077】
例えば、検出方向に沿って被検出流体が流れている場合は表示灯を青色に点灯させ、一方被検出流体が逆方向に流れている場合は赤色に表示させる。また、表示灯の点滅パターンを動的に変化させて被検出流体の移動方向を表示させることで、さらに視覚的に流体の移動を容易に認識することができる。
【0078】
分離型表示ユニット50Bを構成する動作表示画面52Bの分解斜視図を図19に示す。この図に示す分離型表示ユニット50Bは、フロントケース55Bと、表示基板57Bと、電源基板58Bと、電源ケーブル56Bと、温度センサケーブル59Bとを備える。フロントケース55Bは、インジケータ53Bをインサート成形している。表示基板57Bや電源基板58Bは、上述した一体型表示ユニット50と同様の部品を実装して構成できる。さらにこの例では、被検出流体の温度を検出する温度センサからの入力信号を温度センサケーブル59Bを介して入力部70に入力し、被検出流体の温度を、離間して配置した表示パネル50C側に送出して表示させることもできる。
【0079】
なお、本体ケース上面の動作表示画面からインジケータを省いたり、逆に分離型表示ユニットであっても本体ケース側に流量等を表示する表示画面を設けること、すなわち表示ユニットを本体ケースと、それ以外の位置の2カ所に設けることも可能であることは言うまでもない。
【0080】
なお上記では容量式電磁流量計に適用した例を説明したが、本発明はこれに限られず接液式の電磁流量計やその他の流量検出手段を備える電磁流量計、例えばタービン式、カルマン渦式、ダイヤフラム式、パドル式、超音波式等、様々な既知のセンサを適宜採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明の流量センサは、導電性液体の流量を検出する容量式電磁流量計として好適に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】電磁流量計の構成を示すブロック図である。
【図2】本体ケースの断面図である。
【図3】容量式電磁流量計の詳細なブロック図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る電磁流量計を示す斜視図である。
【図5】図4に示す電磁流量計の表示ユニットを外した分解斜視図である。
【図6】図5の本体ケースから口金と補強板を外した分解斜視図である。
【図7】サイドカバーを本体カバーで固定する状態を示す分解斜視図である。
【図8】ハウジングを本体カバーで保持する状態を示す断面図である。
【図9】測定管の斜視図及び電極を外した分解斜視図である。
【図10】図6の本体ケースの分解斜視図である。
【図11】プリアンプモジュールの分解斜視図である。
【図12】励磁モジュールの斜視図である。
【図13】励磁プレートの斜視図である。
【図14】励磁コイルの分解斜視図である。
【図15】一体型表示ユニットの分解斜視図である。
【図16】電磁流量計の本体ケースに、表示ユニットを固定する様子を示す斜視図である。
【図17】分離型表示ユニットを使用した電磁流量計を示す斜視図である。
【図18】分離型表示ユニットを使用した電磁流量計を示すブロック図である。
【図19】分離型表示ユニットの分解斜視図である。
【図20】電磁流量計の他の構成を示すブロック図である。
【図21】容量式電磁流量計を配管した状態で、被検出流体の流量と流れ方向を表示画面で表示する状態を示す模式図である。
【図22】流れ方向設定部で規定の流れ方向を設定する様子を示すイメージ図である。
【図23】測定時の表示部における表示例を示すイメージ図である。
【図24】警告表示を行う表示例を示すイメージ図である。
【図25】警告表示を行う他の表示例を示すイメージ図である。
【図26】出力に連動して表示画面の表示を変更する表示例を示すイメージ図である。
【図27】本出願人が先に開発した特許文献1に係る流量計の模式図である。
【符号の説明】
【0083】
100、200…電磁流量計
10、10B…測定管;12…突起;14…段差
22、22B…励磁コイル;24、24B…励磁回路
25…励磁電源;26…初期励磁電源;27…励磁継続電源;28…励磁極性切替回路
29…定電流回路
30、30B…電極
32…リード片
34、34B…検出回路
35…差動増幅器;36…増幅器
37…周期性リセット回路
38、38B…A/D変換器
40、40B、40C…制御部
42…メモリ部
50…表示ユニット;50B…分離型表示ユニット;50C…表示パネル
51、51B…表示部
52…表示画面
52a…上段の7セグメント式表示器;52b…下段の7セグメント式表示器
52B…動作表示画面
53…表示灯;53B…インジケータ
54…操作パネル
55、55B…フロントケース;56、56B…電源ケーブル
57、57B…表示基板;58、58B…電源基板;59B…温度センサケーブル
60…出力部;61…外部出力回路;62、62B…アナログ電流出力回路
63…シリアル通信回路
70…入力部
80…設定部
110…本体ケース
111…流路口
112…螺子溝
120…ハウジング
121…貫通孔
122…螺子孔
130…サイドカバー
140…ヨーク蓋
142…補強板
144…液アース端子
150、151、152、153…本体カバー
155…側板
156…螺子孔
160…プリアンプモジュール;161…シールドケース;162…シールドカバー
163…プリアンプ;164…プリアンプ基板;165…プリアンプ基板ホルダ
166…電極保護シート
170…励磁モジュール
172…コイルケース
172a、172b…平板;172c…コイル捲回空間;172d…ポールピース挿入口
174…励磁プレート
174a…対向片;174b…連結片;174c…ヨーク片;174d…開口部
176…中継基板
178…ポールピース
178a…ポールピースコア;178b…平板
178B…コア
700…流量計;710…本体ケース;720…配管
750…表示ケース;753…方向表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検出流体の流量を検出するための流量センサであって、
流路口を対向する端面に開口するよう形成した本体ケースと、
前記本体ケースに内包されて、前記流路口と連通して被検出流体を通過させる流路を構成する中空状の測定管と、
前記測定管を通過する被検出流体の流量及び流れ方向を検出可能な流体検出部と、
前記流体検出手段で検出される被検出流体の流量を表示可能な表示部と、
前記測定管を通過する被検出流体の流れ方向に対して、規定の方向を設定可能な流れ方向設定部と、
前記設定手段で設定された規定の流れ方向と逆向きに被検出流体が流れたことを検出して、警告を発するための警告手段と、
を備えることを特徴とする流量センサ。
【請求項2】
請求項1に記載の流量センサであって、
前記表示部が、被検出流体の流れ方向を表示する流れ方向表示手段を備えることを特徴とする流量センサ。
【請求項3】
請求項2に記載の流量センサであって、
前記流れ方向表示手段が、複数の表示灯を直線状に配置してなり、表示灯の点灯パターンによって流れ方向を表示するよう構成してなることを特徴とする流量センサ。
【請求項4】
請求項3に記載の流量センサであって、
前記警告手段が、前記表示灯の点灯色を通常状態から変更することにより警告状態を表示するよう構成してなることを特徴とする流量センサ。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の流量センサであって、さらに
前記流体検出手段で検出される被検出流体の流量に対して所定の閾値を設定するための閾値設定部と、
前記流体検出手段で検出される被検出流体の流量と、前記閾値設定部で設定された閾値とを比較して、比較結果に基づき所定の出力を出力可能な出力部と、
を備え、
前記出力部の出力結果に応じて、前記表示灯の表示パターンを変更可能に構成してなることを特徴とする流量センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2007−315812(P2007−315812A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−143323(P2006−143323)
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】