説明

流量測定装置

【課題】一の装置でありながら、計測対象である流体の清浄度に影響を与えることなく、簡便に複数の計測レンジの異なる流体流量を測定することができる流量測定装置を提供する。
【解決手段】主流路11に1次側圧力流路12及び2次側圧力流路13を介して差圧式流量センサー部20Aを接続した流量測定装置10Aであって、差圧式流量センサー部20Aは、シャフト部36の両端に対向配置された第1,第2ダイヤフラム30,35間に第1チャンバ23と第2チャンバ24とを区画する中間ダイヤフラム26を有する中間区画部22を備え、第1ダイヤフラムの背圧を検出する荷重検出センサー40からの信号を流量信号に変換する演算部Cとを備え、各チャンバ23,24間に差圧を生じさせる圧力損失部50と、各圧力流路12,13が接続する間の主流路11内に開閉弁部60を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の流量測定装置に関し、特に差圧式流量センサーの流量測定域を可変することができる流量測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体の流量を測定する流量センサーとして、回転式流量センサー、浮子式流量センサー、超音波流量センサー、カルマン渦流量センサー等の種々の流量センサーがある。回転式流量センサーや浮子式流量センサーでは羽根車や浮子が流路内で可動することにより流路にパーティクル(微細なゴミ)が発生してしまう等の問題がある。超音波流量センサーやカルマン渦流量センサーは流体(液体)の流通時に発生する気泡に弱く流体の乱れによって精度にばらつきが生じる等の問題がある。特に、半導体製造等のように高清浄度が求められる環境や発泡性流体が用いられる現場での使用には難しい面があった。
【0003】
上記の問題点を解決した流量センサーとして、差圧式流量センサーが知られている。例えば、一体に対向配置された2つの受圧部に対して1つのセンサーで一の受圧部の背圧を検知するように構成された差圧式流量センサーが知られている(特許文献1参照)。特許文献1の差圧式流量センサーは、シャフト部の両端に第1ダイヤフラムと第2ダイヤフラムとを対向配置し、前記両ダイヤフラム間に、前記第1ダイヤフラム内側に接する第1チャンバと前記第2ダイヤフラム内側に接する第2チャンバと、前記第1チャンバと前記第2チャンバとを区画する中間ダイヤフラムを有する中間区画部と、第1ダイヤフラムの背面に配置された荷重差センサーとを備え、中間ダイヤフラムに形成したオリフィス部を介して差圧を生じさせた流体を流通させることにより、前記荷重差センサーが第1ダイヤフラムの背圧を荷重差として検知して流量を測定する。そのため、流体内にパーティクルを発生させるおそれもない流量センサーである。
【0004】
現状、上記差圧式流量センサーを用いて流量測定を行う場合、想定される流量測定範囲に対応した差圧式流量センサーが流通ラインに配置される。そして、測定部分の配管を変化させたり、流量センサーの流量測定範囲外に測定流量を変化させたりする際には、想定外の圧力変動が発生するため、その変動圧力に対応した他の流量測定範囲を設定した差圧式流量センサーに取り替えられていた。しかし、そのような作業は手間であり、ランニングコストもかさむ。このことから、各種の流量領域に対応して最適な測定精度を維持することができるようなレンジアビリティの大きい差圧式流量センサーが求められている。
【0005】
例えば、医療機器において、人工透析機に内蔵される流量センサーの場合、透析を受ける患者が乳幼児、子供、大人等の体格差により、それぞれ透析機内を透過させる血液量が異なる。各患者毎に透析機を使い分けることや、1台の透析機内に何種類もの流量センサーを内蔵した透析機を採用することは病院等に過大な設備負担を強いる。
【0006】
また、半導体製造分野においても、シリコンウエハーに各種の加工を適宜行うため、フッ酸や硫酸、アンモニア等の化学薬液や、超純水を使用してウエハーの洗浄が行われる。ウエハーに供給される薬液の量は実施される工程によって異なるため、広範囲にわたって流量測定が可能な差圧式流量センサーが必要とされる。しかしながら、1台の半導体製造装置に複数のレンジの流量センサーを用いることは、装置が大型化するだけでなく、コストがかさむ等の問題がある。
【0007】
そこで、一の装置において、被計測流体の清浄度に影響を与えることなく、簡便に複数の測定範囲(計測レンジ)の異なる流体流量の測定に適応した流量測定装置が求められるに至った。
【特許文献1】特許第3220283号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前記の点に鑑みなされたものであり、一の装置でありながら、計測対象である流体の清浄度に影響を与えることなく、簡便に複数の計測レンジの異なる流体流量を測定することができる流量測定装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、請求項1の発明は、被計測流体の主流路に1次側圧力流路及び2次側圧力流路を介して差圧式流量センサ部を接続する流量測定装置であって、前記差圧式流量センサー部は、シャフト部の両端に第1ダイヤフラムと第2ダイヤフラムとを対向配置し、前記両ダイヤフラム間に、前記第1ダイヤフラム内側に接する第1チャンバと前記第2ダイヤフラム内側に接する第2チャンバと、前記第1チャンバと前記第2チャンバとを区画する中間ダイヤフラムを有する中間区画部を備え、前記第1ダイヤフラムの背面にダイヤフラムの背圧を検出する荷重検出センサーと、前記荷重検出センサーからの信号を流量信号に変換する演算部とを備え、前記1次側圧力流路は前記主流路と前記第1チャンバを接続し、前記2次側圧力流路は前記主流路と前記第2チャンバを接続し、前記第1チャンバと前記第2チャンバとの間に差圧を生じさせる圧力損失部と、前記1次側圧力流路及び前記2次側圧力流路が接続する間の前記主流路内に少なくとも一の開閉弁部を有することを特徴とする流量測定装置に係る。
【0010】
請求項2の発明は、前記中間ダイヤフラムもしくは前記中間区画部の少なくともいずれかに前記第1チャンバから前記第2チャンバへ被計測流体を通過させると共に前記第1チャンバと前記第2チャンバとの間に差圧を生じさせる圧力損失部が形成されている請求項1に記載の流量測定装置に係る。
【0011】
請求項3の発明は、被計測流体の主流路に1次側圧力流路及び2次側圧力流路を介して差圧式流量センサー部を接続した流量測定装置であって、前記差圧式流量センサー部は、シャフト部の両端に第1ダイヤフラムと第2ダイヤフラムとを対向配置し、前記両ダイヤフラム間に、前記第1ダイヤフラム内側に接する第1チャンバと前記第2ダイヤフラム内側に接する第2チャンバと、前記第1チャンバと前記第2チャンバとを区画する中間区画部を備え、前記中間区画部に前記第1チャンバから前記第2チャンバへ被計測流体を通過させると共に前記第1チャンバと前記第2チャンバとの間に差圧を生じさせる圧力損失部と、前記第1ダイヤフラムの背面にダイヤフラムの背圧を検出する荷重検出センサーと、前記荷重検出センサーからの信号を流量信号に変換する演算部とを備え、前記1次側圧力流路は前記主流路と前記第1チャンバを接続し、前記2次側圧力流路は前記主流路と前記第2チャンバを接続し、前記1次側圧力流路及び前記2次側圧力流路が接続する間の前記主流路内に少なくとも一の開閉弁部を備えたことを特徴とする流量測定装置に係る。
【0012】
請求項4の発明は、前記第1チャンバと前記第2チャンバとを接続する迂回流路が形成されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の流量測定装置に係る。
【0013】
請求項5の発明は、前記迂回路に少なくとも一の開閉弁部が備えられている請求項4に記載の流量測定装置に係る。
【0014】
請求項6の発明は、前記開閉弁部を一の流路に複数備える場合において、いずれの開閉弁部も当該開閉弁部が備えられる一の流路に対して並列に配置される請求項1ないし5のいずれか1項に記載の流量測定装置に係る。
【0015】
請求項7の発明は、前記開閉弁部がポペット弁体を備えている請求項1ないし6のいずれか1項に記載の流量測定装置に係る。
【0016】
請求項8の発明は、前記ポペット弁体に貫通孔が形成されている請求項7に記載の流量測定装置に係る。
【0017】
請求項9の発明は、前記開閉弁部がニードル弁体を備えている請求項1ないし6のいずれか1項に記載の流量測定装置に係る。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明に係る流量測定装置は、被計測流体の主流路に1次側圧力流路及び2次側圧力流路を介して差圧式流量センサー部を接続する流量測定装置であって、前記差圧式流量センサー部は、シャフト部の両端に第1ダイヤフラムと第2ダイヤフラムとを対向配置し、前記両ダイヤフラム間に、前記第1ダイヤフラム内側に接する第1チャンバと前記第2ダイヤフラム内側に接する第2チャンバと、前記第1チャンバと前記第2チャンバとを区画する中間ダイヤフラムを有する中間区画部を備え、前記第1ダイヤフラムの背面にダイヤフラムの背圧を検出する荷重検出センサーと、前記荷重検出センサーからの信号を流量信号に変換する演算部とを備え、前記1次側圧力流路は前記主流路と前記第1チャンバを接続し、前記2次側圧力流路は前記主流路と前記第2チャンバを接続し、前記第1チャンバと前記第2チャンバとの間に差圧を生じさせる圧力損失部と、前記1次側圧力流路及び前記2次側圧力流路が接続する間の前記主流路内に少なくとも一の開閉弁部を有するため、一の装置でありながら被計測流体の清浄度に影響を与えることなく、簡便に複数の測定範囲の異なる流体流量を測定することができる。
【0019】
請求項2の発明に係る流量測定装置は、請求項1において、前記中間ダイヤフラムもしくは前記中間区画部の少なくともいずれかに前記第1チャンバから前記第2チャンバへ被計測流体を通過させると共に前記第1チャンバと前記第2チャンバとの間に差圧を生じさせる圧力損失部が形成されているため、様々な用途に適応する流量測定装置の柔軟な設計が可能となり、より的確な流量測定を実施することができる。
【0020】
請求項3の発明に係る流量測定装置は、被計測流体の主流路に1次側圧力流路及び2次側圧力流路を介して差圧式流量センサー部を接続した流量測定装置であって、前記差圧式流量センサー部は、シャフト部の両端に第1ダイヤフラムと第2ダイヤフラムとを対向配置し、前記両ダイヤフラム間に、前記第1ダイヤフラム内側に接する第1チャンバと前記第2ダイヤフラム内側に接する第2チャンバと、前記第1チャンバと前記第2チャンバとを区画する中間区画部を備え、前記中間区画部に前記第1チャンバから前記第2チャンバへ被計測流体を通過させると共に前記第1チャンバと前記第2チャンバとの間に差圧を生じさせる圧力損失部と、前記第1ダイヤフラムの背面にダイヤフラムの背圧を検出する荷重検出センサーと、前記荷重検出センサーからの信号を流量信号に変換する演算部とを備え、前記1次側圧力流路は前記主流路と前記第1チャンバを接続し、前記2次側圧力流路は前記主流路と前記第2チャンバを接続し、前記1次側圧力流路及び前記2次側圧力流路が接続する間の前記主流路内に少なくとも一の開閉弁部を備えたため、一の装置でありながら被計測流体の清浄度に影響を与えることなく、簡便に複数の測定範囲の異なる流体流量を測定することができる。
【0021】
請求項4の発明は、請求項1ないし3において、前記第1チャンバと前記第2チャンバとを接続する迂回流路が形成されているため、様々な用途に適応する流量測定装置の柔軟な設計が可能となり、より的確な流量測定を実施することができる。
【0022】
請求項5の発明は、請求項4において、前記迂回路に少なくとも一の開閉弁部が備えられているため、複数種類の流路を選択的に構成することが可能となる。
【0023】
請求項6の発明は、請求項1ないし5において、前記開閉弁部を一の流路に複数備える場合において、いずれの開閉弁部も当該開閉弁部が備えられる一の流路に対して並列に配置されるため、一の流路を選択可能な複数の流路として構成することができる。
【0024】
請求項7の発明は、請求項1ないし6において、前記開閉弁部がポペット弁体を備えているため、流体の圧力損失を抑制し、置換特性にも優れた開閉弁部とすることができる。
【0025】
請求項8の発明は、請求項7において、前記ポペット弁体に貫通孔が形成されているため、開閉弁部に圧力損失部を兼用させて当該流量測定装置の構成の簡素化を図ることができる。
【0026】
請求項9の発明は、請求項1ないし9において、前記開閉弁部がニードル弁体を備えているため、開閉弁部に圧力損失部を兼用させて当該流量測定装置の構成の簡素化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施例に係る流量測定装置が配置された流体の供給ラインの概略図、図2は第1実施例の差圧式流量センサー部の要部断面図、図3はポペット弁体を備えた開閉弁部の要部断面図、図4はニードル弁体を備えた開閉弁部の要部断面図、図5は第2実施例に係る流量測定装置の差圧式流量センサー部の要部断面図、図6は第2実施例の差圧式流量センサー部の中間区画部周辺の他の例を表す要部断面図、図7は第3実施例に係る流量測定装置が配置された流体の供給ラインの概略図、図8は第3実施例の差圧式流量センサー部の要部断面図、図9は第4実施例に係る流量測定装置が配置された流体の供給ラインの概略図、図10は迂回流路が形成された差圧式流量センサー部の要部断面図、図11は第5実施例に係る流量測定装置が配置された流体の供給ラインの概略図である。
【0028】
図1に示す本発明の第1実施例に係る流量測定装置10Aは、被計測流体の主流路11に1次側圧力流路12及び2次側圧力流路13を介して差圧式流量センサー部20Aが接続される。図において、符号16は主流路11に被計測流体を供給するための供給部、17は供給された被計測流体の使用部を表す。なお、ここでいう1次側とは被計測流体が流通する供給ラインの上流側(供給部16側)であり、2次側とはその下流側(使用部17側)である。
【0029】
差圧式流量センサー部20Aは、図2に示すように、シャフト部36の両端に第1ダイヤフラム30と第2ダイヤフラム35とが対向配置される。前記両ダイヤフラム30,35間には、第1ダイヤフラム30の内側に面する第1チャンバ23と第2ダイヤフラム35の内側に面する第2チャンバ24と、第1チャンバ23と第2チャンバ24とを区画する中間ダイヤフラム26を有する中間区画部22を備える。第1ダイヤフラム30の背面にはダイヤフラム30の背圧を検出する荷重検出センサー40と、荷重検出センサー40からの信号を流体信号に変換する演算部Cとを備える。
【0030】
差圧式流量センサー部20Aにおいて、荷重検出センサー40は、圧縮ひずみをひずみ計で検出して電圧信号として取り出す公知のロードセルからなる。また、演算部Cとしては、PLC等の公知の演算手段が用いられる。なお、図2において、符号21は差圧式流量センサー部20Aのボディ本体、27は第1チャンバ23に形成された被計測流体の流入部、28は第2チャンバ24に形成された被計測流体の流出部、41は荷重検出センサー40と演算部Cとを接続するリード線である。
【0031】
この差圧式流量センサー部20Aでは、後述する圧力損失部50の流路面積に応じて生じる差圧に基づいて流量の測定が行われる。そこで、差圧式流量センサー部20Aの演算部Cには、圧力損失部50の流路面積に対応する差圧の値と、該差圧に基づいて決定される流量値又はそれらの折れ線近似があらかじめ記憶され、測定誤差等を考慮して記憶された流量値に最適な流量測定範囲が設定される。また、後述するように測定対象の流路内に複数種類の圧力損失部50が配置されている場合には、各圧力損失部50の流路面積にそれぞれ対応した差圧の値とその流量値又はそれらの折れ線近似が記憶され、各流量値に最適な複数種類の流量測定範囲が設定される。
【0032】
この流量測定装置10Aにあっては、1次側圧力流路12は主流路11と第1チャンバ23を接続し、2次側圧力流路13は主流路11と第2チャンバ24を接続する。第1チャンバ23と第2チャンバ24との間には、差圧を生じさせる圧力損失部50が配置され、1次側圧力流路12及び2次側圧力流路13が接続する間の主流路11内に少なくとも一の開閉弁部60が備えられている。
【0033】
圧力損失部50は、差圧式流量センサー部20Aの第1チャンバ23と第2チャンバ24とを連通する流路内に少なくとも1以上設けられる。そして、該圧力損失部50によって生じた差圧に基づいて差圧式流量センサー部20Aが被計測流体の流量を測定するように構成される。なお、圧力損失部50としては、流路面積を絞って差圧を生じさせることが可能なものであればどのような構成であってもよく、例えば、流路を公知のベンチュリ管構造としたり、オリフィス部を設ける等、適宜の構成を採用することができる。
【0034】
開閉弁部60は、被計測流体が流通する適宜の流路を開閉自在に構成される。この開閉弁部60としては、適宜の流路の開閉が可能であればどのような構成であってもよい。例えば、図3に示すポペット弁体75を備えた開閉弁部70や、図4に示すニードル弁体95を備えた開閉弁部90等が用いられる。
【0035】
図3に示す開閉弁部70は、バルブボディ71の弁室72内をダイヤフラム75Aを有するポペット弁体75が進退して弁室72の流入口73を開閉制御して流出口74から流出する流体の流通を制御する。この図において、符号76は流体の流入流路、77は流出流路、80はポペット弁体75の作動機構(シリンダ装置)、81はそのシリンダ室、82はシリンダ室81と弁室72とを区画する区画ブロック、83はポペット弁体75と連結されたピストン部材、84,85はピストン部材83を進退させる作動流体の流出入部、86はエア抜き部、87はポペット弁体75の取付部材、88はポペット弁体75を前進方向に付勢する弾性部材である。
【0036】
この開閉弁部70では、図3に示したように、流出口74を弁室72の横側に形成して流出流路77を連接したことにより、流入流路76から流入口73を経て弁室72内に流入した流体が弁室72から流出口74を経て流出流路77に直線方向に流通する。そのため、流体の圧力損失が小さくなり、置換特性にも優れる。
【0037】
また、図3に示すように、ポペット弁体75には貫通孔78が形成される。この貫通孔78は、ポペット弁体75を前進させて流入口73を閉鎖した際に、流入口73より流路径の小さい流路によって流入口73と弁室72とを連通させる。そのため、貫通孔78は、流入流路76側と流出流路77側との間に差圧を生じさせるオリフィス部として作用する。これにより、開閉弁部70に圧力損失部50を兼用させることが可能となり、当該流量測定装置10Aの構成の簡素化を図ることができる。なお、ポペット弁体75に貫通孔78を形成した際には、当該開閉弁部70が配置されている流路内にオリフィス部等の圧力損失部50を配置しなくてもよい。
【0038】
次に、図4に示す開閉弁部90は、バルブボディ91の弁室92内をダイヤフラム95Aを有するニードル弁体95が進退することにより、弁室92の流入口93の開口量を微調整して流出口94から流出する流体の流量を制御する。この図において、符号96は流体の流入流路、97は流出流路、100はニードル弁体95の作動機構(シリンダ装置)、101はそのシリンダ室、102はシリンダ室101と弁室92とを区画する区画ブロック、103はニードル弁体95と連結されたピストン部材、104,105はピストン部材103を進退させる作動流体の流出入部、106はエア抜き部、108はニードル弁体95を前進方向に付勢する弾性部材、109はねじ棒109Aを介してピストン部材103とともにニードル弁体95を進退させて流入口93の開口量を調節する開度調節機構である。
【0039】
この開閉弁部90は、前記の開閉弁部70と同様に、流出口94を弁室92の横側に形成して流出流路97を連接されたものであるため、流体の圧力損失が小さく、置換特性にも優れる。また、この開閉弁部90では、図4に示したように、ニードル弁体95により流入口93の開口量が調節可能に構成されている。これにより、流入口93の流路径を小さくして弁室92と連通させて流入流路96側と流出流路97側との間に差圧を生じさせる可変オリフィス部とすることができる。従って、開閉弁部90に圧力損失部50を兼用させることが可能となり、当該流量測定装置10Aの構成の簡素化を図ることができる。なお、開閉弁部60がニードル弁体95を有する開閉弁部90である場合には、当該開閉弁部90が配置されている流路内にオリフィス部等の圧力損失部50を配置しなくてもよい。
【0040】
実施例の流量測定装置10Aでは、図1,2に示すように、複数(この例では2つ)の開閉弁部60(第1開閉弁部61,第2開閉弁部62)が主流路11に対して並列に配置されている。すなわち、主流路11が第1分岐流路15aと第2分岐流路15bとを有しており、各分岐流路15a,15bのそれぞれに第1開閉弁部61,第2開閉弁部62が配置されるように構成される。なお、この実施例の開閉弁部60において、流入流路(76,96)は各分岐流路15a,15bの供給部16側流路に対応し、流出流路(77,97)は各分岐流路15a,15bの使用部17側流路に対応する。
【0041】
流量測定装置10Aにあっては、第1開閉弁部61が開放状態かつ第2開閉弁部62が閉鎖状態である場合、差圧式流量センサー部20Aの第1チャンバ23と第2チャンバ24とが1次側圧力流路12から第1分岐流路15aを経て2次側圧力流路13で連通される。
【0042】
また、第1開閉弁部61が閉鎖状態かつ第2開閉弁部62が開放状態である場合、差圧式流量センサー部20Aの第1チャンバ23と第2チャンバ24とが1次側圧力流路12から第2分岐流路15bを経て2次側圧力流路13で連通される。
【0043】
一方、各開閉弁部61,62がともに開放状態である場合、差圧式流量センサー部20Aの第1チャンバ23と第2チャンバ24とが、1次側圧力流路12から第1分岐流路15aを経て2次側圧力流路13で連通されると共に、1次側圧力流路12から第2分岐流路15bを経て2次側圧力流路13で連通される。
【0044】
このように、複数の開閉弁部60(61,62)を主流路11に対して並列に配置することにより、差圧式流量センサー部20Aの第1チャンバ23と第2チャンバ24とを連通させる複数種類の流路を選択的に構成することが可能となる。
【0045】
また、この流量測定装置10Aでは、上記のとおり、第1チャンバ23と第2チャンバ24とを連通させる流路を複数種類(実施例では、第1分岐流路15a,第2分岐流路15b)構成した場合、第1チャンバ23と第2チャンバ24とを連通させるいずれの流路(第1分岐流路15a,第2分岐流路15b)に対しても、圧力損失部50を少なくとも1以上配置する(この例では、第1分岐流路15aに対して第1圧力損失部51,第2分岐流路15bに対して第2圧力損失部52)ように構成されている。その際、各圧力損失部51,52は、各流路15a,15bの流量にそれぞれ対応する差圧を発生させることができるように適宜設定される。
【0046】
ここで、当該流量測定装置10Aの作用について説明する。この流量測定装置10Aにおいて、差圧式流量センサー部20Aの演算部Cには、第1分岐流路15aに配置された第1圧力損失部51の差圧の値とそれに基づく流量値の折れ線近似、第2分岐流路15bに配置された第2圧力損失部52の差圧の値とそれに基づく流量値の折れ線近似、第1圧力損失部51及び第2圧力損失部52の差圧の値とそれに基づく流量値の折れ線近似がそれぞれ記憶されている。そして、各流量値に対応した流量測定範囲がそれぞれ設定される。仮に、第1圧力損失部51により測定可能な流量を10〜50mL/min、第2圧力損失部52により測定可能な流量を50〜150mL/min、第1圧力損失部51及び第2圧力損失部52により測定可能な流量を10〜200mL/minとして説明する。
【0047】
まず、50mL/minの被計測流体を流通させる場合、第1開閉弁部61を開放状態かつ第2開閉弁部62を閉鎖状態とし、差圧式流量センサー部20Aの第1チャンバ23と第2チャンバ24との間の主流路において、被計測流体が第1分岐流路15aのみを経由して流通するように流路が選択される。その際、差圧式流量センサー部20Aの演算部Cでは、第1圧力損失部51に基づく差圧の値と流量値の折れ線近似が選択されて、対応する流量測定範囲が設定される。
【0048】
また、150mL/minの被計測流体を流通させる場合、第1開閉弁部61を閉鎖状態かつ第2開閉弁部62を開放状態とし、差圧式流量センサー部20Aの第1チャンバ23と第2チャンバ24との間の主流路において、被計測流体が第2分岐流路15bのみを経由して流通するように流路が選択される。その際、差圧式流量センサー部20Aの演算部Cでは、第2圧力損失部52に基づく差圧の値と流量値の折れ線近似が選択されて、対応する流量測定範囲が設定される。
【0049】
さらに、200mL/minの被計測流体を流通させる場合、各開閉弁部61,62をともに開放状態とし、差圧式流量センサー部20Aの第1チャンバ23と第2チャンバ24との間の主流路において、被計測流体が第1分岐流路15a及び第2分岐流路15bの双方を経由して流通するように流路が選択される。その際、差圧式流量センサー部20Aの演算部Cでは、第1圧力損失部51及び第2圧力損失部52に基づく差圧の値と流量値の折れ線近似が選択されて、対応する流量測定範囲が設定される。
【0050】
よって、本発明の流量測定装置10Aでは、異なる流量の被計測流体を切替選択して流通させる場合であっても、単一の装置でありながら目的とする各流量に対応した測定範囲を容易に設定することができる。
【0051】
図5に示す本発明の第2実施例に係る流量測定装置10Bは、被計測流体の主流路11に1次側圧力流路12及び2次側圧力流路13を介して差圧式流量センサー部20Bが接続される。なお、以下の実施例において、第1実施例と同一符号は同一の構成を表すものとして、その説明を省略する。
【0052】
この流量測定装置10Bにおいて、差圧式流量センサー部20Bでは、中間ダイヤフラム26に第1チャンバ23から第2チャンバ24へ被計測流体を通過させる貫通流路29が形成されている。この貫通流路29は、第1チャンバ23と第2チャンバ24との間に差圧を生じさせる圧力損失部50として作用する。
【0053】
この流量測定装置10Bにあっては、第1開閉弁部61が開放状態かつ第2開閉弁部62が閉鎖状態である場合、差圧式流量センサー部20Bの第1チャンバ23と第2チャンバ24とが1次側圧力流路12から第1分岐流路15aを経て2次側圧力流路13で連通されると共に、貫通流路29を介して連通される。
【0054】
また、第1開閉弁部61が閉鎖状態かつ第2開閉弁部62が開放状態である場合、差圧式流量センサー部20Bの第1チャンバ23と第2チャンバ24とが1次側圧力流路12から第2分岐流路15bを経て2次側圧力流路13で連通されると共に、貫通流路29を介して連通される。
【0055】
各開閉弁部61,62がともに開放状態である場合、差圧式流量センサー部20Bの第1チャンバ23と第2チャンバ24とが1次側圧力流路12から各分岐流路15a,15bを経て2次側圧力流路13で連通されると共に、貫通流路29を介して連通される。
【0056】
一方、各開閉弁部61,62がともに閉鎖状態である場合、差圧式流量センサー部20Aの第1チャンバ23と第2チャンバ24とが貫通流路29をのみ介して連通される。つまり、被計測流体は、1次側圧力流路12から貫通流路29を経て2次側圧力流路13に流通される。
【0057】
このように、差圧式流量センサー部20Bの中間ダイヤフラム26に第1チャンバ23から第2チャンバ24へ被計側流体を通過させることができる圧力損失部50(貫通流路29)を設けるとともに、1次側圧力流路12及び2次側圧力流路13が接続する間の主流路11内に少なくとも一の開閉弁部60を備えることにより、差圧式流量センサー部20Bの第1チャンバ23と第2チャンバ24とを連通させる複数種類の流路を選択的に構成することが可能となる。
【0058】
また、この流量測定装置10Bでは、上記のとおり、第1チャンバ23と第2チャンバ24とを連通させる流路を複数種類(実施例では、各分岐流路15a,15b、貫通流路29)構成した場合、第1チャンバ23と第2チャンバ24とを連通させるいずれの流路(各分岐流路15a,15b、貫通流路29)に対しても、圧力損失部50を少なくとも1以上配置する(この例では、第1分岐流路15aに対して第1圧力損失部51,第2分岐流路15bに対して第2圧力損失部52,貫通流路29は第3圧力損失部53に相当)ように構成されている。その際、各圧力損失部51,52,53は、各流路15a,15b,29Aの流量にそれぞれ対応する差圧を発生させることができるように適宜設定される。
【0059】
ここで、当該流量測定装置10Bの作用について説明する。この流量測定装置10Bにおいて、差圧式流量センサー部20Bの演算部Cには、貫通流路29である第3圧力損失部53の差圧の値とそれに基づく流量値の折れ線近似、第1分岐流路15aに配置された第1圧力損失部51及び第3圧力損失部53の差圧の値とそれに基づく流量値の折れ線近似、第2分岐流路15bに配置された第2圧力損失部52及び第3圧力損失部53の差圧の値とそれに基づく流量値の折れ線近似、第1圧力損失部51と第2圧力損失部52と第3圧力損失部53との差圧の値とそれに基づく流量値の折れ線近似がそれぞれ記憶されている。仮に、第3圧力損失部53により測定可能な流量を1〜10mL/min、第1圧力損失部51及び第3圧力損失部53により測定可能な流量を1〜60mL/min、第2圧力損失部52及び第3圧力損失部53により測定可能な流量を1〜160mL/min、第1圧力損失部51と第2圧力損失部52と第3圧力損失部53により測定可能な流量を1〜210mL/minとして説明する。
【0060】
まず、60mL/minの被計測流体を流通させる場合、第1開閉弁部61を開放状態かつ第2開閉弁部62を閉鎖状態とし、被計測流体が差圧式流量センサー部20Bの第1チャンバ23と第2チャンバ24との間の第1分岐流路15a及び貫通流路29を経由して流通するように流路が選択される。その際、差圧式流量センサー部20Bの演算部Cでは、第1圧力損失部51及び第3圧力損失部53に基づく差圧の値と流量値の折れ線近似が選択されて、対応する流量測定範囲が設定される。
【0061】
160mL/minの被計測流体を流通させる場合、第1開閉弁部61を閉鎖状態かつ第2開閉弁部62を開放状態とし、被計測流体が差圧式流量センサー部20Bの第1チャンバ23と第2チャンバ24との間の第2分岐流路15b及び貫通流路29を経由して流通するように流路が選択される。その際、差圧式流量センサー部20Bの演算部Cでは、第2圧力損失部52及び第3圧力損失部53に基づく差圧の値と流量値の折れ線近似が選択されて、対応する流量測定範囲が設定される。
【0062】
210mL/minの被計測流体を流通させる場合、第1及び第2開閉弁部61,62をともに開放状態とし、被計測流体が差圧式流量センサー部20Bの第1チャンバ23と第2チャンバ24との間の第1分岐流路15aと第2分岐流路15bの双方及び貫通流路29を経由して流通するように流路が選択される。その際、差圧式流量センサー部20Bの演算部Cでは、第1圧力損失部51と第2圧力損失部52と第3圧力損失部53に基づく差圧の値と流量値の折れ線近似が選択されて、対応する流量測定範囲が設定される。
【0063】
25mL/minの被計測流体を流通させる場合、第1及び第2開閉弁部61,62を閉鎖状態とし、被計測流体が貫通流路29のみを経由して流通するように流路が選択される。その際、差圧式流量センサー部20Bの演算部Cでは、第3圧力損失部53に基づく差圧の値と流量値の折れ線近似が選択されて、対応する流量測定範囲が設定される。
【0064】
よって、本発明の流量測定装置10Bでは、異なる流量の被計測流体を切替選択して流通させる場合であっても、単一の装置でありながら目的とする各流量に対応した測定範囲を容易に設定することができる。なお、差圧式流量センサー部20Bでは、第1チャンバ23から第2チャンバ24へ被計測流体を通過させると共に第1チャンバ23と第2チャンバ24との間に差圧を生じさせる圧力損失部50として、図6に示すような中間区画部22に貫通流路29Aを形成した場合であっても、同様の効果を奏することができる。
【0065】
図7に示す本発明の第3実施例に係る流量測定装置10Cは、被計測流体の主流路11に1次側圧力流路12及び2次側圧力流路13を介して差圧式流量センサー部20Cが接続される。
【0066】
差圧式流量センサー部20Cは、図8に示すように、第1チャンバ23と第2チャンバ24とを区画する中間区画部22Aを備える。この中間区画部22Aは、第1チャンバ23から第2チャンバ24へ被計測流体を通過させるとともに、シャフト部36が挿入される貫通流路29Bを有している。そして、貫通流路29Bの内壁面と、貫通流路29Bに挿入されたシャフト部36外周面との間に形成されるオリフィス部分が、第1チャンバ23と第2チャンバ24との間に差圧を生じさせる圧力損失部50として作用する。
【0067】
実施例の流量測定装置10Cでは、図7,8に示すように、1次側圧力流路12及び2次側圧力流路13が接続する間の主流路11内に単一の開閉弁部60(第4開閉弁部64)が配置されている。この実施例の開閉弁部60では、流入流路(76,96)は主流路11の供給部16側流路に対応し、流出流路(77,97)は主流路11の使用部17側流路に対応する。
【0068】
流量測定装置10Cにあっては、第4開閉弁部64が開放状態である場合、差圧式流量センサー部20Cの第1チャンバ23と第2チャンバ24とが1次側圧力流路12から主流路11を経て2次側圧力流路13で連通されると共に、貫通流路29Bを介して連通される。
【0069】
また、第1開閉弁部64が閉鎖状態である場合、差圧式流量センサー部20Cの第1チャンバ23と第2チャンバ24とが貫通流路29Bをのみ介して連通される。つまり、被計測流体は、1次側圧力流路12から貫通流路29Bを経て2次側圧力流路13に流通される。
【0070】
このように、差圧式流量センサー部20Bの中間区画部22Aに第1チャンバ23から第2チャンバ24へ被計側流体を通過させることができる圧力損失部50(貫通流路29B)を設けるとともに、1次側圧力流路12及び2次側圧力流路13が接続する間の主流路11内に少なくとも一の開閉弁部60を備えることにより、差圧式流量センサー部20Cの第1チャンバ23と第2チャンバ24とを連通させる複数種類の流路を選択的に構成することが可能となる。
【0071】
また、この流量測定装置10Cでは、上記のとおり、第1チャンバ23と第2チャンバ24とを連通させる流路を複数種類(実施例では、主流路11、貫通流路29B)構成した場合、第1チャンバ23と第2チャンバ24とを連通させるいずれの流路(主流路11、貫通流路29B)に対しても、圧力損失部50を少なくとも1以上配置する(この例では、主流路11対して第4圧力損失部54,貫通流路29Bのオリフィス部分は第5圧力損失部55に相当)その際、各圧力損失部54,55は、各流路11,29Bの流量にそれぞれ対応する差圧を発生させることができるように適宜設定される。
【0072】
ここで、当該流量測定装置10Cの作用について説明する。この流量測定装置10Cにおいて、差圧式流量センサー部20Cの演算部Cには、貫通流路29Bのオリフィス部分である第5圧力損失部55の差圧の値とそれに基づく流量値の折れ線近似、主流路11に配置された第4圧力損失部54及び第5圧力損失部55の差圧の値とそれに基づく流量値の折れ線近似がそれぞれ記憶されている。そして、各流量値に対応した流量測定範囲がそれぞれ設定される。仮に、第5圧力損失部55により測定可能な流量を5〜15mL/min、第4圧力損失部54及び第5圧力損失部55により測定可能な流量を5〜165mL/minとして説明する。
【0073】
まず、165mL/minの被計測流体を流通させる場合、第4開閉弁部64を開放状態とし、被計測流体が主流路11及び貫通流路29Bを経由して流通するように流路が選択される。その際、差圧式流量センサー部20Cの演算部Cでは、第4圧力損失部54及び第5圧力損失部55に基づく差圧の値と流量値の折れ線近似が選択されて、対応する流量測定範囲が設定される。
【0074】
また、15mL/minの被計測流体を流通させる場合、第4開閉弁部64を閉鎖状態とし、被計測流体が貫通流路29Bのみを経由して流通するように流路が選択される。その際、差圧式流量センサー部20Cの演算部Cでは、第5圧力損失部55に基づく差圧の値と流量値の折れ線近似が選択されて、対応する流量測定範囲が設定される。
【0075】
よって、本発明の流量測定装置10Cでは、異なる流量の被計測流体を切替選択して流通させる場合であっても、単一の装置でありながら目的とする各流量に対応した測定範囲を容易に設定することができる。
【0076】
図9に示す本発明の第4実施例に係る流量測定装置10Dは、被計測流体の主流路11に1次側圧力流路12及び2次側圧力流路13を介して差圧式流量センサー部20Dが接続される。
【0077】
この流量測定装置10Dでは、図9,10に示すように、差圧式流量センサー部20Dに第1チャンバ23と第2チャンバ24とを接続する迂回流路25が形成されている。この差圧式流量センサー部20Dあっては、前記差圧式流量センサー部20Aに、図示のような迂回流路25を形成してなる。また、このような迂回流路25は、差圧式流量センサー部20B,20Cに対しても適用可能である。
【0078】
流量測定装置10Dには、1次側圧力流路12及び2次側圧力流路13が接続する間の主流路11内もしくは迂回流路25のいずれかに少なくとも一の開閉弁部60が備えられている。実施例では、1次側圧力流路12及び2次側圧力流路13が接続する間の主流路11内に単一の開閉弁部60(第4開閉弁部64)が配置されている。なお、この図において、符号25aは迂回流路25の1次側流路、25bは迂回流路25の2次側流路を表す。
【0079】
流量測定装置10Dにあっては、第4開閉弁部64が開放状態である場合、差圧式流量センサー部20Dの第1チャンバ23と第2チャンバ24とが1次側圧力流路12から主流路11を経て2次側圧力流路13で連通されると共に、迂回流路25を介して連通される。
【0080】
また、第4開閉弁部64が閉鎖状態である場合、差圧式流量センサー部20Dの第1チャンバ23と第2チャンバ24とが迂回流路25をのみを介して連通される。つまり、被計測流体は、1次側圧力流路12から迂回流路25を経て2次側圧力流路13に流通される。
【0081】
このように、1次側圧力流路12及び2次側圧力流路13が接続する間の主流路11内もしくは迂回流路25のいずれかに少なくとも一の開閉弁部60を備えることにより、差圧式流量センサー部20Bの第1チャンバ23と第2チャンバ24とを連通させる複数種類の流路を選択的に構成することが可能となる。
【0082】
また、この流量測定装置10Dでは、上記のとおり、第1チャンバ23と第2チャンバ24とを連通させる流路を複数種類(実施例では、主流路11、迂回流路25)構成した場合、第1チャンバ23と第2チャンバ24とを連通させるいずれの流路(主流路11、迂回流路25)に対しても、圧力損失部50を少なくとも1以上配置する(この例では、主流路11に対して第4圧力損失部54,迂回流路25に対して第6圧力損失部56)ように構成されている。その際、各圧力損失部54,56は、各流路11,25の流量にそれぞれ対応する差圧を発生させることができるように適宜設定される。
【0083】
ここで、当該流量測定装置10Dの作用について説明する。この流量測定装置10Dにおいて、差圧式流量センサー部20Dの演算部Cには、主流路11に配置された第4圧力損失部54及び迂回流路25に配置された第6圧力損失部56の差圧の値とそれに基づく流量値の折れ線近似、第6圧力損失部56のみの差圧の値とそれに基づく流量値の折れ線近似がそれぞれ記憶されている。そして、各流量値に対応した流量測定範囲がそれぞれ設定される。仮に、第6圧力損失部56により測定可能な流量を5〜25mL/min、第4圧力損失部54及び第6圧力損失部56により測定可能な流量を5〜175mL/minとして説明する。
【0084】
まず、175mL/minの被計測流体を流通させる場合、第4開閉弁部64を開放状態とし、被計測流体が主流路11及び迂回流路25を経由して流通するように流路が選択される。その際、差圧式流量センサー部20Dの演算部Cでは、第4圧力損失部54及び第6圧力損失部56に基づく差圧の値と流量値の折れ線近似が選択されて、対応する流量測定範囲が設定される。
【0085】
また、25mL/minの被計測流体を流通させる場合、第4開閉弁部64を閉鎖状態とし、被計測流体が迂回流路25のみを経由して流通するように流路が選択される。その際、差圧式流量センサー部20Dの演算部Cでは、第6圧力損失部56に基づく差圧の値と流量値の折れ線近似が選択されて、対応する流量測定範囲が設定される。
【0086】
よって、本発明の流量測定装置10Dでは、異なる流量の被計測流体を切替選択して流通させる場合であっても、単一の装置でありながら目的とする各流量に対応した測定範囲を容易に設定することができる。
【0087】
図11に示す本発明の第5実施例に係る流量測定装置10Eは、被計測流体の主流路11に1次側圧力流路12及び2次側圧力流路13を介して差圧式流量センサー部20Eが接続され、1次側圧力流路13及び2次側圧力流路14が接続する間の主流路11内及び迂回流路25の両方にそれぞれ少なくとも一の開閉弁部60が備えられている。なお、差圧式流量センサー部20Eは、前記差圧式流量センサー部20Dの迂回流路25内に開閉弁部60が配置されるように構成されている。また、迂回流路25内に開閉弁部60を配置する構成は、前記差圧式流量センサー部20B,20Cに対しても適用可能である。
【0088】
実施例の流量測定装置10Eは、図11に示すように、1次側圧力流路12及び2次側圧力流路13が接続する間の主流路11内と迂回流路25の両方に開閉弁部60がそれぞれ1つずつ配置されている。なお、この実施例において、迂回流路25に配置される第6開閉弁部66では、流入流路(76,96)は迂回流路25の1次側流路25aに対応し、流出流路(77,97)は迂回流路25の2次側流路25bに対応する。
【0089】
流量測定装置10Eにあっては、第1開閉弁部61が開放状態かつ第2及び第6開閉弁部62,66がともに閉鎖状態である場合、差圧式流量センサー部20Eの第1チャンバ23と第2チャンバ24とが1次側圧力流路12から第1分岐流路15aを経て2次側圧力流路13で連通される。
【0090】
第1及び第6開閉弁部61,66がともに閉鎖状態かつ第2開閉弁部62が開放状態である場合、差圧式流量センサー部20Eの第1チャンバ23と第2チャンバ24とが1次側圧力流路12から第2分岐流路15bを経て2次側圧力流路13で連通される。
【0091】
第1及び第2開閉弁部61,62がともに閉鎖状態かつ第6開閉弁部66が開放状態である場合、差圧式流量センサー部20Eの第1チャンバ23と第2チャンバ24とが迂回流路25をのみを介して連通される。つまり、被計測流体は、1次側圧力流路12から迂回流路25を経て2次側圧力流路13に流通される。
【0092】
第1及び第2開閉弁部61,62がともに開放状態かつ第6開閉弁部66が閉鎖状態である場合、差圧式流量センサー部20Eの第1チャンバ23と第2チャンバ24とが、1次側圧力流路12から第1分岐流路15aを経て2次側圧力流路13で連通されると共に、1次側圧力流路12から第2分岐流路15bを経て2次側圧力流路13で連通される。
【0093】
第1及び第6開閉弁部61,66がともに開放状態かつ第2開閉弁部62が閉鎖状態である場合、差圧式流量センサー部20Eの第1チャンバ23と第2チャンバ24とが1次側圧力流路12から第1分岐流路15aを経て2次側圧力流路13で連通されると共に、迂回流路25を介して連通される。
【0094】
第1開閉弁部61が閉鎖状態かつ第2及び第6開閉弁部62,66がともに開放状態である場合、差圧式流量センサー部20Eの第1チャンバ23と第2チャンバ24とが1次側圧力流路12から第2分岐流路15bを経て2次側圧力流路13で連通されると共に、迂回流路25を介して連通される。
【0095】
各開閉弁部61,62,66がいずれも開放状態である場合、差圧式流量センサー部20Eの第1チャンバ23と第2チャンバ24とが、1次側圧力流路12から各分岐流路15a,15bを経て2次側圧力流路13で連通されると共に、迂回流路25を介して連通される。
【0096】
このように、1次側圧力流路12及び2次側圧力流路13が接続する間の主流路11内及び迂回流路25の両方にそれぞれ少なくとも一の開閉弁部60を備えることにより、差圧式流量センサー部20Eの第1チャンバ23と第2チャンバ24とを連通させる複数種類の流路を選択的に構成することが可能となる。
【0097】
また、この流量測定装置10Eでは、上記のとおり、第1チャンバ23と第2チャンバ24とを連通させる流路を複数種類(実施例では、各分岐流路15a,15b、迂回流路25)構成した場合、第1チャンバ23と第2チャンバ24とを連通させるいずれの流路(各分岐流路15a,15b、迂回流路25)に対しても、圧力損失部50を少なくとも1以上配置する(この例では、第1分岐流路15aに対して第1圧力損失部51,第2分岐流路15bに対して第2圧力損失部52,迂回流路25に対して第6圧力損失部56)ように構成されている。その際、各圧力損失部51,52,56は、各流路15a,15b,25の流量にそれぞれ対応する差圧を発生させることができるように適宜設定される。
【0098】
ここで、当該流量測定装置10Eの作用について説明する。この流量測定装置10Eにおいて、差圧式流量センサー部20Eの演算部には、第1分岐流路15aに配置された第1圧力損失部51の差圧の値とそれに基づく流量値の折れ線近似、第2分岐流路15bに配置された第2圧力損失部52の差圧の値とそれに基づく流量値の折れ線近似、迂回流路25に配置された第6圧力損失部56の差圧の値とそれに基づく流量値の折れ線近似、第1圧力損失部51及び第2圧力損失部52の差圧の値とそれに基づく流量値の折れ線近似、第1圧力損失部51及び第6圧力損失部56の差圧の値とそれに基づく流量値の折れ線近似、第2圧力損失部52及び第6圧力損失部56の差圧の値とそれに基づく流量値の折れ線近似、第1圧力損失部51と第2圧力損失部52と第6圧力損失部56との差圧の値とそれに基づく流量値の折れ線近似がそれぞれ記憶されている。仮に、第1圧力損失部51により測定可能な流量を10〜50mL/min、第2圧力損失部52により測定可能な流量を50〜150mL/min、第6圧力損失部56により測定可能な流量を5〜25mL/min、第1圧力損失部51及び第2圧力損失部52により測定可能な流量を10〜200mL/min、第1圧力損失部51及び第6圧力損失部56により測定可能な流量を5〜75mL/min、第2圧力損失部52及び第6圧力損失部56により測定可能な流量を5〜175mL/min、第1圧力損失部51と第2圧力損失部52と第6圧力損失部56により測定可能な流量を5〜225mL/minとして説明する。
【0099】
まず、50mL/minの被計測流体を流通させる場合、第1開閉弁部61を開放状態かつ第2及び第6開閉弁部62,66をともに閉鎖状態とし、被計測流体が差圧式流量センサー部20Eの第1チャンバ23と第2チャンバ24との間の第1分岐流路15aのみを経由して流通するように流路が選択される。その際、差圧式流量センサー部20Eの演算部では、第1圧力損失部51に基づく差圧の値と流量値の折れ線近似が選択されて、対応する流量測定範囲が設定される。
【0100】
150mL/minの被計測流体を流通させる場合、第1及び第6開閉弁部61,66をともに閉鎖状態かつ第2開閉弁部62を開放状態とし、被計測流体が差圧式流量センサー部20Eの第1チャンバ23と第2チャンバ24との間の第2分岐流路15bのみを経由して流通するように流路が選択される。その際、差圧式流量センサー部20Eの演算部では、第2圧力損失部52に基づく差圧の値と流量値の折れ線近似が選択されて、対応する流量測定範囲が設定される。
【0101】
25mL/minの被計測流体を流通させる場合、第1及び第2開閉弁部61,62を閉鎖状態かつ第6開閉弁部66を開放状態とし、被計測流体が迂回流路25のみを経由して流通するように流路が選択される。その際、差圧式流量センサー部20Eの演算部では、第6圧力損失部56に基づく差圧の値と流量値の折れ線近似が選択されて、対応する流量測定範囲が設定される。
【0102】
200mL/minの被計測流体を流通させる場合、第1及び第2開閉弁部61,62をともに開放状態かつ第6開閉弁部66を閉鎖状態とし、被計測流体が差圧式流量センサー部20Eの第1チャンバ23と第2チャンバ24との間の第1分岐流路15aと第2分岐流路15bの双方を経由して流通するように流路が選択される。その際、差圧式流量センサー部20Eの演算部では、第1圧力損失部51及び第2圧力損失部52に基づく差圧の値と流量値の折れ線近似が選択されて、対応する流量測定範囲が設定される。
【0103】
75mL/minの被計測流体を流通させる場合、第1及び第6開閉弁部61,66をともに開放状態かつ第2開閉弁部62を閉鎖状態とし、被計測流体が第1分岐流路15aと迂回流路25の双方を経由して流通するように流路が選択される。その際、差圧式流量センサー部20Eの演算部では、第1圧力損失部51及び第6圧力損失部56に基づく差圧の値と流量値の折れ線近似が選択されて、対応する流量測定範囲が設定される。
【0104】
175mL/minの被計測流体を流通させる場合、第1開閉弁部61を閉鎖状態かつ第2及び第6開閉弁部62,66を開放状態とし、被計測流体が第2分岐流路15bと迂回流路25の双方を経由して流通するように流路が選択される。その際、差圧式流量センサー部20Eの演算部では、第2圧力損失部52及び第6圧力損失部56に基づく差圧の値と流量値の折れ線近似が選択されて、対応する流量測定範囲が設定される。
【0105】
225mL/minの被計測流体を流通させる場合、各開閉弁部61,62,66をいずれも開放状態とし、被計測流体が各分岐流路15a,15bと迂回流路25のそれぞれを経由して流通するように流路が選択される。その際、差圧式流量センサー部20Eの演算部では、各圧力損失部51,52,56に基づく差圧の値と流量値の折れ線近似が選択されて、対応する流量測定範囲が設定される。
【0106】
よって、本発明の流量測定装置10Eでは、異なる流量の被計測流体を切替選択して流通させる場合であっても、単一の装置でありながら目的とする各流量に対応した測定範囲を容易に設定することができる。
【0107】
なお、各実施例の流量測定装置10A,10B,10C,10D,10Eでは、各流路11,12,13や、差圧式流量センサー部20A,20B,20C,20D,20E、圧力損失部50,開閉弁部60(70,90)等における被計測流体が接触する部材が、耐食性、耐薬品性に優れたフッ素樹脂から形成されている。部材の材料となるフッ素樹脂は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)、FEP(パーフルオロエチレンプロペンコポリマー)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)等である。これらのフッ素樹脂は、流通する流体の性質、加工のしやすさ等を考慮して選択される。これにより、被計測流体の計測時にその清浄度に影響を与えることが抑制される。
【0108】
以上図示し説明したように、本発明の流量測定装置10A,10B,10C,10D,10Eでは、いずれも一つの装置でありながら被計測流体の清浄度に影響を与えることなく、簡便に複数の測定範囲の異なる流体流量を測定することができる。そのため、例えば、医療機器において、人工透析機等に当該流量測定装置を内蔵すれば、透析を受ける患者が乳幼児、子供、大人等の体格差によって透析機内を透過させる血液量が異なる場合であっても、各患者毎に透析機を使い分ける必要がなくなり、作業効率や設備負担等を大幅に改善することができる。
【0109】
特に、流量測定装置内において、第1チャンバと第2チャンバとを接続(迂回流路を形成、あるいは、中間ダイヤフラムもしくは中間区画部に貫通流路を形成)する構成を採用することにより、前記のような様々な用途に適応する流量測定装置の柔軟な設計が可能となり、より的確な流量測定を実施することができる。
【0110】
また、半導体製造分野においても、必要とされる個々の処理毎に異なる測定範囲の流量センサーを使い分ける必要がなくなり、設備負担を軽減できる。
【0111】
なお、本発明の流量測定装置は、前述の実施例のみに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の一部を適宜に変更して実施することができる。例えば、各開閉弁部の開閉動作等を差圧式流量センサー部の演算部によって制御可能に構成してもよい。このように構成すれば、各流路の選択切替を効果的かつ効率よく行うことができる。
【0112】
また、実施例では、主流路に2つの分岐流路を設けて開閉弁部を並列に配置する構成としたが、並列させる開閉弁部の数はこれに限定されるものではなく、必要に応じて増減させることができる。
【0113】
さらに、第3実施例では開閉弁部が主流路に配置されているが、差圧式流量センサー部の迂回流路に開閉弁部を配置して、主流路を常に連通させた構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の第1実施例に係る流量測定装置が配置された流体の供給ラインの概略図である。
【図2】第1実施例の差圧式流量センサー部の要部断面図である。
【図3】ポペット弁体を備えた開閉弁部の要部断面図である。
【図4】ニードル弁体を備えた開閉弁部の要部断面図である。
【図5】第2実施例に係る流量測定装置の差圧式流量センサー部の要部断面図である。
【図6】第2実施例の差圧式流量センサー部の中間区画部周辺の他の例を表す要部断面図である。
【図7】第3実施例に係る流量測定装置が配置された流体の供給ラインの概略図である。
【図8】第3実施例の差圧式流量センサー部の要部断面図である。
【図9】第4実施例に係る流量測定装置が配置された流体の供給ラインの概略図である。
【図10】迂回流路が形成された差圧式流量センサー部の要部断面図である。
【図11】第5実施例に係る流量測定装置が配置された流体の供給ラインの概略図である。
【符号の説明】
【0115】
10A,10B,10C,10D,10E 流量測定装置
11 主流路
12 1次側圧力流路
13 2次側圧力流路
16 供給部
17 使用部
20A,20B,20C,20D,20E 差圧式流量センサー部
50 圧力損失部
60 開閉弁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被計測流体の主流路に1次側圧力流路及び2次側圧力流路を介して差圧式流量センサ部を接続する流量測定装置であって、
前記差圧式流量センサー部は、シャフト部の両端に第1ダイヤフラムと第2ダイヤフラムとを対向配置し、前記両ダイヤフラム間に、前記第1ダイヤフラム内側に接する第1チャンバと前記第2ダイヤフラム内側に接する第2チャンバと、前記第1チャンバと前記第2チャンバとを区画する中間ダイヤフラムを有する中間区画部を備え、前記第1ダイヤフラムの背面にダイヤフラムの背圧を検出する荷重検出センサーと、前記荷重検出センサーからの信号を流量信号に変換する演算部とを備え、
前記1次側圧力流路は前記主流路と前記第1チャンバを接続し、前記2次側圧力流路は前記主流路と前記第2チャンバを接続し、
前記第1チャンバと前記第2チャンバとの間に差圧を生じさせる圧力損失部と、
前記1次側圧力流路及び前記2次側圧力流路が接続する間の前記主流路内に少なくとも一の開閉弁部を有することを特徴とする流量測定装置。
【請求項2】
前記中間ダイヤフラムもしくは前記中間区画部の少なくともいずれかに前記第1チャンバから前記第2チャンバへ被計測流体を通過させると共に前記第1チャンバと前記第2チャンバとの間に差圧を生じさせる圧力損失部が形成されている請求項1に記載の流量測定装置。
【請求項3】
被計測流体の主流路に1次側圧力流路及び2次側圧力流路を介して差圧式流量センサー部を接続した流量測定装置であって、
前記差圧式流量センサー部は、シャフト部の両端に第1ダイヤフラムと第2ダイヤフラムとを対向配置し、前記両ダイヤフラム間に、前記第1ダイヤフラム内側に接する第1チャンバと前記第2ダイヤフラム内側に接する第2チャンバと、前記第1チャンバと前記第2チャンバとを区画する中間区画部を備え、前記中間区画部に前記第1チャンバから前記第2チャンバへ被計測流体を通過させると共に前記第1チャンバと前記第2チャンバとの間に差圧を生じさせる圧力損失部と、前記第1ダイヤフラムの背面にダイヤフラムの背圧を検出する荷重検出センサーと、前記荷重検出センサーからの信号を流量信号に変換する演算部とを備え、
前記1次側圧力流路は前記主流路と前記第1チャンバを接続し、前記2次側圧力流路は前記主流路と前記第2チャンバを接続し、
前記1次側圧力流路及び前記2次側圧力流路が接続する間の前記主流路内に少なくとも一の開閉弁部を備えたことを特徴とする流量測定装置。
【請求項4】
前記第1チャンバと前記第2チャンバとを接続する迂回流路が形成されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の流量測定装置。
【請求項5】
前記迂回路に少なくとも一の開閉弁部が備えられている請求項4に記載の流量測定装置。
【請求項6】
前記開閉弁部を一の流路に複数備える場合において、いずれの開閉弁部も当該開閉弁部が備えられる一の流路に対して並列に配置される請求項1ないし5のいずれか1項に記載の流量測定装置。
【請求項7】
前記開閉弁部がポペット弁体を備えている請求項1ないし6のいずれか1項に記載の流量測定装置。
【請求項8】
前記ポペット弁体に貫通孔が形成されている請求項7に記載の流量測定装置。
【請求項9】
前記開閉弁部がニードル弁体を備えている請求項1ないし6のいずれか1項に記載の流量測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−44012(P2010−44012A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−209689(P2008−209689)
【出願日】平成20年8月18日(2008.8.18)
【出願人】(000101514)アドバンス電気工業株式会社 (24)
【Fターム(参考)】