説明

浄水器用蛇口切り替え装置

【課題】 水道管からの原水と浄水器等からの処理水とを共通の排水口から出水しながら原水と処理水との使い分けができ使い勝手のよい浄水器用蛇口切り替え技術の提供。
【解決手段】 原水取り込み口42と、原水送り口43と、処理水戻り口44と、共通排水口45とが切り替え弁4に形成され、弁体48の原水切り替え位置で原水取り込み口を直接に共通排水口に連通させ、弁体の浄水切り替え位置で原水取り込み口を原水送り口に連通させると共に浄水戻り口を共通排水口に連通させる構成。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水道水を浄化する浄水器やその他、アルカリ整水器、磁気水化装置等に水道水を通すために使用される浄水器用蛇口切り替え装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、台所の流し台付近に設置された浄水器等に水道水を通す場合、通常の蛇口配管とは別に浄水器等への給水管を配管し、この給水管を浄水器の受水口に接続すると共に、浄水器等の吐水口に接続された吐水管を流し台のシンクまで延長させる配管構造となっていた。
【0003】従って、水道水は給水管から浄水器等に流入し、ここで処理された処理水は吐水口から吐水管を経てシンク内に出水されることになる。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の配管構造では浄水器等からシンクまで届くように吐水管を設ける必要があるため、シンクには通常の蛇口管とは別に吐水管が存在することになる。このように蛇口管と吐水管との2本の配管がシンクに存在すると、シンク内での水仕事の邪魔になるし、出水場所が2ヵ所になるため、使い勝手が悪いという問題があった。
【0004】本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、水道管からの原水と浄水器等からの処理水とを共通の排水口から出水しながら原水と処理水との使い分けができ使い勝手のよい浄水器用蛇口切り替え装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明(請求項1)の浄水器用蛇口切り替え装置は、水道管からの原水を取り込む原水取り込み口と、浄水器等の受水口に一次側配管を介して連通させる原水送り口と、浄水器等の吐水口に二次側配管を介して連通させる処理水戻り口と、原水と処理水の共通排水口とが切り替え弁に形成され、この切り替え弁が、弁体の原水切り替え位置で前記原水取り込み口を直接に共通排水口に連通させ、弁体の浄水切り替え位置で原水取り込み口を原水送り口に連通させると共に処理水戻り口を共通排水口に連通させるように形成されている構成とした。
【0005】この浄水器用蛇口切り替え装置では、切り替え弁の弁体を原水切り替え位置に切り替えた状態では、原水取り込み口が共通排水口に直接に連通するため、水道管からの原水は切り替え弁を通って直ちに共通排水口から出水される。又、切り替え弁を浄水切り替え位置に切り替えた状態では、原水取り込み口が原水送り口に連通すると同時に、処理水戻り口が共通排水口に連通する。従って、水道管からの原水はまず切り替え弁を通って一次側配管から浄水器等に流入し、ここで処理されたのち二次側配管から再び切り替え弁に戻り、共通排水口から出水される。
【0006】従って、切り替え弁の弁体を原水切り替え位置と浄水切り替え位置に切り替えるだけで、水道管からの原水と浄水器等からの処理水とを共通の排水口から出水しながら原水と処理水とを使い分けすることができる。
【0007】又、本発明では、切り替え弁が蛇口用水栓の送水口に回動自在に取り付けられた蛇口管に一体的に形成されて、原水取り込み口が蛇口管の上流側に接続され、共通排水口が蛇口管の下流側に接続されている態様(請求項2)がある。
【0008】又、本発明では、切り替え弁が蛇口用水栓の送水口に回動自在に取り付けられた蛇口管に着脱可能に取り付けられて、原水取り込み口が蛇口管の出水口に接続されている態様(請求項3)がある。
【0009】又、本発明では、切り替え弁が蛇口用水栓の本体部に一体的に取り付けられ、原水取り込み口が蛇口用水栓の送水口に接続され、共通排水口に蛇口管が回動可能に接続されている態様(請求項4)がある。
【0010】この態様(請求項4)では、切り替え弁が蛇口用水栓の本体部に一体的に取り付けられると共に、共通排水口に蛇口管が回動可能に接続されているため、蛇口管の回動に連れて切り替え弁が振れ動くことがない。従って、切り替え弁と浄水器を接続する一次側配管および二次側配管が蛇口管の回動に連られて揺れ動くことがないし、この配管を固定しておくことができるため、配管が邪魔になることはない。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。尚、以下の各実施の形態において、同一構成部分については図面の符号を同一にする。
【0012】図1及び図2は本発明の実施の第1形態に係る浄水器用蛇口切り替え装置を示す断面図である。図において、1は蛇口用水栓で、給水口10と送水口11を有する本体部12の内部にハンドル13によって水量を調整する弁体(図示省略)が設けられ、前記給水口10に水道管2が接続され、送水口11に蛇口管3が回動可能に設けられている。
【0013】そして、この蛇口管3の途中に切り替え弁4が一体的に形成されている。この切り替え弁4のケーシング41には、蛇口管3の上流側に接続して蛇口用水栓1からの原水を取り込む原水取り込み口42と、浄水器5の受水口50に一次側配管52を介して連通させる原水送り口43と、浄水器5の吐水口51に二次側配管53を介して連通させる処理水戻り口44と、蛇口管3の下流側に接続して原水と処理水の共通排水口45とが形成されている。
【0014】又、このケーシング41内には、原水切り替え位置(図1で示す位置)で原水取り込み口42を共通排水口45に連通させると共に、浄水切り替え位置(図2で示す位置)で処理水戻り口44を共通排水口45に連通させる第1通路46と、浄水切り替え位置で原水取り込み口42を原水送り口43に連通させる第2通路47とを備えた弁体48が設けられている。尚、前記第2通路47は、原水切り替え位置では閉鎖される。又、図中49は切り替えレバーである。
【0015】従って、この浄水器用蛇口切り替え装置では、切り替えレバー49によって弁体48を図1に示すように原水切り替え位置に切り替えた状態では、原水取り込み口42が共通排水口45に第1通路46によって連通し、第2通路47は閉鎖されているため、水道管2からの原水は第一通路46を通って直ちに共通排水口45から排水され、蛇口管3の出水口31に至る。
【0016】又、弁体48を図2に示すように浄水切り替え位置に切り替えた状態では、原水取り込み口42が原水送り口43に第2通路47によって連通すると同時に、浄水戻り口44が共通排水口45に第1通路46によって連通するため、水道管からの原水はまず第2通路47を通って一次側配管52から浄水器5に流入し、ここで処理されたのち二次側配管53から再び切り替え弁4に戻り、第1通路46を通って共通排水口45から排水され、蛇口管3の出水口31に至る。
【0017】このように、切り替え弁4の弁体48を原水切り替え位置と浄水切り替え位置に切り替えるだけで、水道管2からの原水と浄水器5からの処理水とを共通の排水口45から排水しながら原水と処理水とを使い分けすることができる。
【0018】次に、図3〜図7は本発明の実施の第2形態に係る浄水器用蛇口切り替え装置を示す断面図で、図4R>4は図3のA−A断面図、図6は図5のB−B断面図、図7は図5のC−C断面図である。
【0019】この実施の形態では、切り替え弁4が蛇口管3とは別体に形成されると共に、この切り替え弁4が蛇口管3に着脱可能に取り付けられている。この切り替え弁4のケーシング41には、原水取り込み口42と、原水送り口43と、処理水戻り口44と、共通排水口45とが形成され、その内部には共通排水口45を囲む状態で小室61が形成され、この小室61の上面に上面連通穴62が形成されると共に、外周壁に側面連通穴63が形成されている。
【0020】又、このケーシング41の内部には弁体48が設けられている。この弁体48は筒状に形成されると共に内部が隔壁64によって上室65と嵌合部66に区画され、この嵌合部66が前記小室61に回動可能に嵌合すると共に、上室65の上縁がケーシング41に形成された環状溝67に嵌合した状態で組み込まれている。
【0021】又、この弁体48の隔壁64には可動側連通穴68が形成され、かつ上室65の外周壁に第1連通穴69が形成されると共に、嵌合部66の外周壁に第2連通穴70が形成されている。尚、この弁体48は、その組み込み状態で上室65が原水取り込み口42に連通している。
【0022】又、弁体48には、原水切り替え位置(図3R>3及び図4で示す位置)と浄水切り替え位置(図5及び図6及び図7で示す位置)が設定されている。原水切り替え位置では可動側連通穴68が上面連通穴62に符合して開放し、第1連通穴69及び第2連通穴70はケーシング41の外周壁によって閉鎖されている。これにより、原水取り込み口42が上室65、可動側連通穴68、上面連通穴62、小室61を介して共通排水口45に直接に連通する
【0023】一方、浄水切り替え位置では、可動側連通穴68が上面連通穴62からずれて閉鎖し第1連通穴69及び第2連通穴70がケーシング41の外周壁からずれて開放する。これにより、原水取り込み口42が上室65を介して原水送り口43に連通すると共に、処理水戻り口44が小室61を介して共通排水口45に連通する。
【0024】この浄水器用蛇口切り替え装置では、原水取り込み口42を蛇口管3の出水口31に接続する状態に取り付ける。そして、切り替えレバー49によって弁体48を図3及び図4に示すように原水切り替え位置に切り替えると、原水取り込み口42が共通排水口45に可動側連通穴68と上面連通穴62との符合によって連通し、第1連通穴69及び第2連通穴70は閉鎖されているため、水道管2からの原水は切り替え弁4内を通って直ちに共通排水口45から出水される。
【0025】又、弁体48を図5及び図6及び図7に示すように浄水切り替え位置に切り替えると、原水取り込み口42が第1連通穴69の開放によって原水送り口43に連通すると同時に、処理水戻り口44が第2連通穴70と側面連通穴63の符合によって共通排水口45に連通するため、水道管2からの原水はまず切り替え弁4内を通って一次側配管52から浄水器5に流入し、ここで処理されたのち二次側配管53から再び切り替え弁4内に戻り、この切り替え弁4内を通って共通排水口45から出水される。
【0026】このように、弁体48を原水切り替え位置と浄水切り替え位置に切り替えるだけで、水道管2からの原水と浄水器5からの処理水とを共通の排水口45から排水しながら原水と処理水とを使い分けすることができる。
【0027】次に、図8は本発明の実施の第3形態に係る浄水器用蛇口切り替え装置を示す断面図である。
【0028】この実施の形態では、切り替え弁4が蛇口用水栓1の本体部12に一体的に取り付けられ、原水取り込み口42が蛇口用水栓2の送水口11に接続され、共通排水口45に蛇口管3が回動可能に接続されている点に特徴がある。尚、その他の構成は実施の第1形態と同様になるためその説明を省略する。
【0029】従って、この浄水器用蛇口切り替え装置では、切り替え弁4が蛇口用水栓1の本体部12に一体的に取り付けられると共に、共通排水口45に蛇口管3が回動可能に接続されているため、蛇口管3の回動に連れて切り替え弁4が振れ動くことがない。このため切り替え弁4と浄水器5を接続する一次側配管52及び二次側配管53が蛇口管3の回動に連られて揺れ動くことがないし、この配管52,53を固定しておくことができるため、配管52,53が邪魔になることはない。
【0030】以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限定されるものではない。例えば、切り替え弁について、弁体がケーシングの中で摺動するスライド構造のものを使用してもよい。又、実施の第3形態では、切り替え弁を実施の第1形態と同様のものを用いたが、実施の第2形態と同様のものを用いてもよい。
【0031】又、本発明の浄水器用蛇口切り替え装置は、浄水器に限らず、アルカリ整水器や磁気水化装置、その他、水道水の処理器を使用の対象にすることができる。
【0032】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の浄水器用蛇口切り替え装置にあっては、上記のように構成したので、切り替え弁の弁体を原水切り替え位置と浄水切り替え位置に切り替えるだけで、水道管からの原水と浄水器等からの処理水とを共通の排水口から排水しながら原水と処理水とを使い分けすることができ、使い勝手を向上させることができる。
【0033】又、請求項4記載の発明では、切り替え弁が蛇口用水栓の本体部に一体的に取り付けられると共に、共通排水口に蛇口管が回動可能に接続されているため、切り替え弁と浄水器を接続する一次側配管および二次側配管が蛇口管の回動に連られて揺れ動くことがないし、この配管を固定しておくことができるため、配管が邪魔になることはないという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態に係る浄水器用蛇口切り替え装置を示す断面図である。
【図2】この浄水器用蛇口切り替え装置を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の第2形態に係る浄水器用蛇口切り替え装置を示す断面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】この浄水器用蛇口切り替え装置を示す断面図である。
【図6】図5のB−B断面図である。
【図7】図5のC−C断面図である。
【図8】本発明の実施の第3形態に係る浄水器用蛇口切り替え装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 蛇口用水栓
11 送水口
12 本体部
2 水道管
3 蛇口管
31 出水口
4 切り替え弁
42 原水取り込み口
43 原水送り口
44 処理水戻り口
45 共通排水口
48 弁体
5 浄水器
50 受水口
51 吐水口
52 一次側配管
53 二次側配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】 水道管からの原水を取り込む原水取り込み口と、浄水器等の受水口に一次側配管を介して連通させる原水送り口と、浄水器等の吐水口に二次側配管を介して連通させる処理水戻り口と、原水と処理水の共通排水口とが切り替え弁に形成され、この切り替え弁が、弁体の原水切り替え位置で前記原水取り込み口を直接に共通排水口に連通させ、弁体の浄水切り替え位置で原水取り込み口を原水送り口に連通させると共に処理水戻り口を共通排水口に連通させるように形成されていることを特徴とした浄水器用蛇口切り替え装置。
【請求項2】 切り替え弁が蛇口用水栓の送水口に回動自在に取り付けられた蛇口管に一体的に形成されて、原水取り込み口が蛇口管の上流側に接続され、共通排水口が蛇口管の下流側に接続されている請求項1記載の浄水器用蛇口切り替え装置。
【請求項3】 切り替え弁が蛇口用水栓の送水口に回動自在に取り付けられた蛇口管に着脱可能に取り付けられて、原水取り込み口が蛇口管の出水口に接続されている請求項1記載の浄水器用蛇口切り替え装置。
【請求項4】 切り替え弁が蛇口用水栓の本体部に一体的に取り付けられ、原水取り込み口が蛇口用水栓の送水口に接続され、共通排水口に蛇口管が回動可能に接続されている請求項1記載の浄水器用蛇口切り替え装置。

【図1】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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