説明

浮上通路に拘わる、連続自動、獣類捕獲装置。

【課題】 浮上通路に拘わる、連続自動獣類、捕獲装置
従来は、獣類の鹿、猪の罠等の捕獲では、同一器具、装置での単発的な捕獲が主で、山林の斜面や地形そのまま活用した、誘導柵9、10、誘導通路4、浮上通路1によって、連続して自動的に生け捕りする捕獲装置は無く、確率、効率から捕獲による生息管理上の重大な懸念があった。
【解決の手段】 誘導柵9、10で山を扇形状に仕切り、要の部分の浮誘連係基盤3の設定を基本に、その前部に形成する誘導通路4と、その後部の浮上通路1の両者を架設、連結して、終着界面6の一面の狭間から先は、間口が一気に解放し、恰も地面から浮上したような形で空間に突出した浮上通路1で、何時しか自然に、浮上通路1の先端に誘導して転回不能として、下の地面に移行せざるを得ないように仕向けて、蓄養柵12の内部に連続して自動的に生け捕り捕獲する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、獣類の鹿、猪を主に対象とした、浮上通路に拘わる、連続自動、獣類捕獲装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の獣類を捕獲する技法では、大略して、銃猟、くくり罠、落とし罠、掘り落とし罠等があるが、皆、柵の活用の度合いが少なく、それぞれの捕獲法では、防護柵、誘導柵等を活用して獲物を概ねの方向性をつけて、目的方向に誘導して引き寄せないので、猟果は運に任せた確率と、猟具の特性、性能とその技能等の効率に支配されて思いに任せず、また捕獲のためにその都度、山野を縦横に跋渉する多大な労力を要し、また落とし穴や仕掛けの掘割等では、大仕掛けの営為と労力と工費を伴い、また何処にでも設置することができなく、又する訳にはいかない現実の難点があって、その他殆どは、その都度毎の単発的な捕獲の仕様であるが、本発明は現場の地形をそのまま活用して、誘導柵で導いて、緩勾配の下り斜面に誘導通路と浮上通路を設定する、簡略な仕掛けをすることで、連続した自動的な生け捕り捕獲をすることは、従来の技法では殆ど至難であった。
【0003】
この改善策としてまず、山野における獣類の往来を仕切って、その通行をある方向えと向かわせる誘導柵は、有刺鉄線、鉄筋、鉄線、金網の柵、電気柵等を用いるが、これ等の柵で仕切ると、柵に沿って獣類の誘導された通路も次第に形成されてくるようになるので、他の既設、新設の山林の防護柵等とも連携させながら、柵で仕切った山を往来する時に、出来るだけ通行時の抵抗感を減らす措置を施し、どうでも本発明の捕獲装置の方向えと、向かうはざるを得ないように仕向ける誘導路の設置で、本発明の浮上通路に拘わる、連続自動、獣類捕獲装置に導いて、連続して自動的に生け捕り捕獲する装置と技術を提供することである。
【0004】
防護柵、誘導柵等により、獣類は知らず知らずに誘導されて、山の斜面や地形をそのまま活用し、始発界面と接する地盤から、先えと遊離する路面性を具備する誘導通路で、路面を空間に持ち上げらせて連結した、浮上通路に導かれ、空間に恰も浮上したように突出して、幅が先細りして下降気味の,浮上通路上で行き詰まり、戻ろうとしても、転回しての回帰不能となって、やもえずに、下の山の地面に移行せざるを得ないように仕向けて、蓄養柵内に取り込む訳であるが、この場合に、浮上通路の前方が地面より高すぎると、浮上通路上で獣類が、下の地面えの移行をためらいがちとなり、円滑な移行に支障が生ずることもあり得るし、又、低すぎると、浮上通路の価値が消失して、獲物の再帰、逃亡を招きその役割を果たせなくなるので、一定の基準値として、獣類の鹿、猪の一般的な形態を基準として、浮上通路の接地面よりの高さを現場に合わせて微調整をする。
【特許文献1】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
鹿の山林の林地被害、猪の山麓の農地被害等の防除のための防護柵等にも連結した、誘導柵の末端の誘動通路で浮上通路に誘い込む訳であるが、一度設置しておけば、以後は、捕獲するための労力を要せずに、自然の生態の行動のままに、獲物を蓄養柵内に移行させて、連続して自動的に獲物を生け捕り捕獲する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
まず前以てあらかじめ山林内に、防護柵、誘導柵等で仕切って、獣類の往来に特定の方向性を持たせた要所、要所の特定の場所に、通路の先端の路面を、先方に向かって、成り立つ地盤から次第に上に向かって切り離して行き、恰も浮上したように、前方の空間に突き出したような形の路を、現場の地形をそのまま活用して、通るのは易く戻りの効かない浮上通路を形成して、日常的な往来の中で避けて通れずに、知らず知らずの内に、吹きだまりのようにいつしか取り込まれてしまう、浮上通路のエアポケットの状態を形成させて、蓄養柵内に連続して自動的に獣類を生け捕り捕獲する装置を構成することである。
【発明の効果】
【0007】
現場の地形を活用して、誘導柵を配置して囲い、誘導通路と浮上通路が設置できれば、何処にでも獣類捕獲装置の設置が容易であるので、林地での、鹿等の食害その他による森林被害の防護柵等を活用すれば、それ等が作用する、柵に添った通路が形成され易くなるので、その柵の延長線の任意の箇所に、地形的に誘導通路や浮上通路の仕掛けのし易い場所を選び、本発明の獣類捕獲装置の仕掛けを一度設置しておけば、森林被害を防除しながら自然に鹿、猪等の自動捕獲につながる一石二鳥の効果が期待される。
【0008】
本発明の獣類捕獲装置を一度設置しておけば、防護柵や誘導柵に沿って鹿、猪等が自然に往来するうちに、仕掛けにはまって、蓄養の柵内に移行させられて、連続して自動的に生け捕り捕獲と、一時の蓄養も可能化するので、連続して自動的に生け捕り捕獲が可能化することで、以後の捕獲に要する労苦のエネルギーを極めて省力化することで、捕獲の目的達成が可能化することである。
【0009】
獲物をいつも生け捕り捕獲が可能化することによって、獣類の鹿、猪等の生態の調査や防疫と、適正な数えの調整が容易にしやすくなって、その結果、生態に拘わる自然調査や、生体数の調和を図り易くなることによって、広義の自然保護、管理の体制が構築され易くなり、若し緊急の必要性により捕獲の実効を上げたい時は、山林を人や猟犬で更に追い込めば必然的に、殆どの獲物は吹きだまりのように、本発明の獣類捕獲装置内に追い込むことも、可能化する効果が期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(図3)(図4)(図5)の浮上通路1を平らな地面から、空間に持ち上げて先えと突き出したい場合には、その架設の基盤となる浮誘連係基盤3と、それに連結する浮上通路1の、浮上前架柱基板2を一定基凖値の高さに設定して、そこに連結する誘導通路4の左右の側壁板7、8の、端末の高さによって形成される誘導通路4の上下えの傾きを作り、浮上通路1の傾きを、地面に対して凡そ水平から下降気味に設定する。若しも、山地の下降した緩斜面を活用する場合には、そのままの地形を活用して、下降斜面から浮上通路1が恰も浮き上がったように、空間に突き出した格好を作るために、まず緩斜面の特定の位置につなぐ、誘導通路4の始発界面5から延伸して、接地面より一定基準値の高さに設定した、浮誘連係基盤3上で浮上通路1と連結して、浮上通路1の前部を支える浮上面架柱基板2の、接地面より浮上通路1の天板までを一定基準値の高さにして、浮上通路1を、地面に対して凡そ水平から下降気味に設定して、誘導通路4の始発界面5と山の斜面との交差の位置の選択次第で、誘導通路4の傾斜角度の選択が可変であり、この場合には、誘導通路4の山との交差面えの、長さを変えることによって適宜に調節が可能であり、概して山の斜面に凖じた下り緩勾配の、誘導通路4と浮上通路1の流れが、結果として自然の形態に近いように選択して、山の平地や下り緩斜面の状態に合わせて設定するが、斜面を上向きで浮上通路1は設定しない。
浮上通路1に連結して、その基盤を作る浮誘連係基盤3、誘導通路4の設置場所は、山麓部分、山腹の斜面の部分、山腹の谷間の部分と、山頂稜線部分等の最適地を自由に選択が可能である。
【0011】
因に四足歩行の野生動物の運動習性として、その進行方向に対して、一般的な番外や、例外は除けば、通常は、四足歩行の後ずさりはしないものであり。そういった局面に追い込まれると、通常は、左右に空いた空間があれば、自然と、左右に方向転回しようとする習性を活用して、落差のある下の地面に移行させる。
又、浮上通路1に導く根本の狭い終着界面6も、地面に対して一定基凖値の落差を付けて、浮上した状態を作る浮上通路1の板面下には側壁をつけずに、側面を空洞化してすかして、側面からの跳び付きの距離感のとつかかりの、目測も付けにくくすると共に、若し跳び乗ろうとしても、幅の狭い浮上通路1では,横からでは万一飛び付き乗り越え得ても、跳び乗ることは殆ど不可能で、元の浮上通路1えの復帰は不可能に近い難事であって、それでまた元の誘導通路4に後戻りが、効かないように仕向けられて、連続して自動的に捕獲の蓄養柵12内の図1に取り込んで、生け捕り捕獲することを可能化する罠仕掛け装置の、浮上通路に拘わる、連続自動獣類、捕獲装置である。
【0012】
本発明では、獣類捕獲装置の仕掛けを出来るだけ簡略化するために、現場の地形等をそのまま活用して、現場の誘導通路4の路面の進行先を、空間に浮上するように、空間に持ち上げるようにして、空間に突き出した浮上通路1につなぐ、誘導通路4の工作が出来さえすれば、何処にでも容易に設置が可能化して、誘導通路4の先端の狭間は、ほんの横一線だけの一部分だけとして、すぐにその前方は全解放となって、浮上通路1に連なり、浮上通路1は幅が先細りで下降気味なので、浮上通路1の先で行き詰まり、転回の回帰不能となって、下部の蓄養柵12内に移行させて生け捕りにして、蓄養するような仕掛けとするのであるが、浮上通路1は、その路盤が浮上した通路のような形状を持ち側面を空にして、下から元の浮上通路1に戻るのに、目測のとっかかりを排除して、連続して、自動的に獣類を生け捕り捕獲する装置を提供することである。
【0013】
獣類捕獲装置え誘動する誘導柵9、10は、有刺鉄線、無刺鉄線、鉄筋、金網、コンゼットパイプ、電気柵等を用いて、扇形状の要の基底部で、浮上通路1の関門となる、誘導通路4の狭窄部6による圧迫感を極力排除するためには、誘動柵9、10の延長線の基底部の誘導通路4自体も、始発界面5を梯形に広くして、その狭窄部6はほんの横一線部分だけで、空間を一気に解放して抵抗を減じて、浮上通路1に連結する誘導通路4を形成しているので、獲物の鹿、猪は知らず知らずに自然に浮上通路1の先まで行くような仕掛けにして、誘導柵9、10で仕切った誘導通路4と浮上通路1による、獣類捕獲装置の仕掛けは、足場の悪い、山林、傾斜地が多いので、現場の地形をそのまま活用して、大型工事や大型部品を要しないような、小型部品を集めて現地で組み立て工事が容易なように実現することである。
【0014】
浮上通路1の天板や、浮上前架柱板2と、誘導通路4の天板や、左右の側壁板7、8は、その耐久性や工作の利便性からも、鉄筋コンクリト板が好ましく、その場合に、浮上通路1や誘導通路4の上面は、獲物の抵抗感を少なくするために、内部を凹面にして、土のタタキで被覆して自然の状態に近づける場合もある。
【0015】
誘導通路4の側壁板7、8に添付させた誘導柵9、10の末端は、その誘導通路4の終着界面6で完結して、その先の浮上通路1は、全開放状態にして、進行方向の抵抗を排除して、その誘導柵9、10の末端と、獲物の蓄養柵との間には、視覚の緩衝、遮蔽材として、帯状の緑地帯13を設け獲物に安心感を与えるようにする。
【実施例1】
【0016】
図1は本発明の実施例の原理図であって、山林の稜線の、下り部分の最適条件を満たす緩勾配の場所を選択して、既設、新設の山林の防護柵14等も活用し連結した、誘導通路4と浮上通路1の獣類捕獲装置の仕掛けにより、自動的に生け捕り捕獲した獲物を蓄養する囲い込みの、蓄養柵12を山林内に設置するが、この場合には、浮上通路1は両面進入口ではなく、誘導柵9、10が山の上斜面方向に向かって展開する、上面からだけの片面進入口として、獲物の囲い込みの蓄養柵12とした方が便利の場合である。
また時と場合の必要に応じて、幅が先細りになった浮上通路1の先端の幅のままで、更に浮上通路1を若干延長して効果を高める場合もある。
【実施例2】
【0017】
山腹を横行する獣道を活用し、そこを起点にする誘導通路4から、左右の誘導柵9、10を扇状形に両側に展開させて、片側は上方の山林の稜線方向に展開し、もう片側は山麓方向に展開して、全方向の既設、新設の山林の防護柵14とも連結して、浮上通路1の入り口は、互いに向かい合った両方を少しで離して、向かい合った両面からの進入口として、付帯した獲物の蓄養柵12の仕掛けを設置し、その蓄養柵12の空間の上部に、鹿の雌雄のフェロモンの臭気や、鳴き声の仕掛けを設置して鹿を誘導することもある。
【実施例3】
【0018】
山麓部分の山林の下辺の境界の防護柵14等も活用し、それと連結する片側の誘導柵9、10は少し山地方向に入り、最適地を選択して、そこを扇形状の要の起点にする誘導通路4から、もう片側の誘導柵9、10を上方に位置する山林の稜線方向に延ばし、既設、新設の山林の防護柵14等も又活用して連結する。
この場合に浮上通路1は、互いに向かい合った両方を少しで離して、向かい合った両面進入口として、付帯した獲物の蓄養柵12の仕掛けを設置する。
【実施例4】
【0019】
山腹どうしの谷間の狭間を活用する、縦方向の下り斜面を活用して、その山腹の適地を、誘導通路4の扇形状の要の起点として、誘導通路4の両面を挟む誘導柵9、10の延長線を、両側の山腹から稜線方向に延ばして、既設、新設の山林の防護柵14等も活用して連結して、山を末絞りで扇の骨のように囲い込み、獲物の進行方向を絶えず一方向に、誘導するように山を囲い込む。
この場合の浮上通路1は、谷間の縦方向を活用して、上面から下方に向かって、開口した片面進入口とするが、若し山腹同士の谷間の緩斜面を横方向に活用する場合には、谷間を蓄養柵12として活用して、互いに向かい合った両方を少しで離して、向かい合った両面進入口とする場合もある。
【実施例5】
【0020】
獲物の蓄養柵12は、大型の猪が進入することもあるので、その衝突に対する耐性からも、1、3メートル以上の高さの丈夫な金網または鉄筋の柵を連結して周回して囲い込み、一定間隔の柵柱11に結束して構築した方がよい。
【実施例6】
【0021】
誘導通路4、浮上通路1の天板や、緩勾配を形成する両側面の側壁板7、8は、用水路等の組立式の側壁板のように、コンパクトに各ブロック毎の組み立て方式として、山地での運搬、工事の便益上、出来るだけ小単位の分割組み立てセット作りにして、現場での組立方式にする、既製の浮上通路1、誘導通路4の天板と側壁板7、8のセットの組み立て合成の構成にして、山地での構築の便益に供する。
【産業上の利用可能性】
【0022】
近年は全国的に、鹿、猪等が大繁殖傾向で、その有害作用も顕著になりつつあるが、特に鹿の林業被害が目立っていて、鹿の角磨きや、冬季の食の飢欠期に、食害で杉、桧の植林の樹皮の剥離や、植林した杉、桧の苗木の著しい食害等でも、駆除や対策が追いつかずにお手上げの状態になりつつあるので、人工林の林業経営等の産業を益々圧迫し、危殆に追い込んでいる現状なので、鹿、猪による林業被害や農作物の被害の抑制に、本発明の、浮上通路に拘わる、連続自動、獣類捕獲装置で有意義な有害獣の防除と生物管理が、一度設置しておけば、自動で連続した被害防除と、駆除作業が可能化する。
【図面の簡単な説明】
【図1】浮上通路に拘わる連続自動獣類、捕獲装置の基本原理図
【図2】浮上通路と誘導通路の上視正面図。
【図3】浮上通路と誘導通路関連の上斜視立体図。
【図4】下り緩斜面での浮上通路、誘導通路関連の横断面図。
【図5】平地での浮上通路、誘導通路関連の横断面図。
【符号の説明】
1、浮上通路
2、浮上前架柱基板
3、浮誘連係基盤
4、誘導通路
5 始発界面
6、終着界面
7、側壁板 右
8、 〃 左
9、誘導柵 右
10 誘導柵 左
11 柵柱
12 蓄養柵
13 緑地帯
14 防護柵
15 逆行止受

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮上前架柱基板で前部を支える浮上通路と、誘導通路の連結を下支えする浮誘連係基盤を要として、誘導通路の、両側に添った誘導柵と柵柱を伸展させ。又、始発界面と接する地盤から、先えと遊離する路面性を具備する、誘導通路と連結する浮上通路は、前方を空間に突出させて、前方での転回不能の行き詰まり状態を導き、下部の地面え移行せざるを得ない運動局面を誘発して、生け捕りで捕獲した獣類を、囲い込む蓄養柵で構成される罠仕掛けの、浮上通路に拘わる、連続自動、獣類捕獲装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−142067(P2008−142067A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−357156(P2006−357156)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【出願人】(593107786)
【Fターム(参考)】