説明

浮力エネルギーを利用した発電装置。

【課題】 本発明は、地理的位置や天候および時間に影響される自然エネルギー発電システムの欠点を克服し、安全で安定した電力の供給を目的とする。
【解決手段】 物体の水中での体積と浮力の自然法則を利用したもので、鍾と容器を一体化した装置の天地の関係により、得られる浮力に差が生じる。
この浮力の差を回転体の両側へ伝えることにより、バランスが崩れ回転体は回る。
回転体が回ることにより、再び、回転体の両側で天地が異なる状態となり、浮力の差を生じ続ける。
その浮力の差により回転体は回り続け、運動エネルギーを発生し続ける。
この運動エネルギーを電力へ変換することにより、現在における自然エネルギー発電システムの欠点を克服し、安全で安価な電力を、常時供給し続けることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安定した電力の供給を目的とした、自然エネルギー発電装置の開発に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自然エネルギーを利用した発電システムには、潮の干満を利用した潮力発電、火山大国である日本の地熱を利用した地熱発電、風の持つエネルギーを利用した風力発電、太陽のエネルギーを利用した太陽光発電がある。
【0003】
これらの発電システムは、地球温暖化による環境悪化、福島第一原子力発電所の事故に代表される放射能汚染等の危惧はなく、資源小国日本にとって、また、原爆被爆国日本にとっては理想的なものである。
【0004】
しかしながら、現在の発電システムは地理的位置や天候および時間に影響され、火力発電や原子力発電のように安定した電力の供給を維持することは難しく、工業立国である日本にとって、それらの状況の如何に拘らず、自然エネルギーによる安定した電力供給発電装置の開発が期待されているところである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような従来の自然エネルギー発電装置が有していた問題を解決しようとするものであり、水中における物体の体積と浮力との自然法則を利用したもので、貯水池のみ建造すれば、場所、天候および時間に関係なく本システムを稼動させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するための請求項1による発明は、物体の体積と浮力との自然法則を利用するもので、容器と錘の天地関係により体積を変化させようとするものである。
錘が上にある場合は錘が容器内へ入り、請求項1による装置全体の体積は小となる。
請求項1による装置の天地が逆になった場合は、錘が容器外へ出、その全体の体積は大となる。
この様に、請求項1による装置の質量は同じであるものの、その全体の体積について、天地の状態により、異なるものとなる。
【0007】
また、請求項2の発明は、上下部の回転体に請求項1による装置を等間隔で取り付けたワイヤー等を掛け、体積大の状態である請求項1による装置の列が上部回転体をとおり過ぎる度に請求項1による装置の天地が逆になるようにしたもので、天地が逆になることにより、体積の小となる状態の列ができる。
このように、一方の列の請求項1による装置の体積は大、他方の列の請求項1による装置の体積は小となる状態を維持し続けるようにしたものである。
【0008】
この装置を水の中へ入れることにより、両方の列の質量は同じであるものの、体積の異なる各列には浮力の違いが生じる。その各列の浮力の差を利用し、上下部回転体を回転させようとするもので、これらのことが繰り返し続く限り回転体は回り続け、運動エネルギーを発生させることができる。
【発明の効果】
【0009】
体積に比例する浮力の性質を利用したものであり、浮力の差のみで回転体を回転させ運動エネルギーを発生させることは、貯水池等のみ必要であり、地理的位置や天候、時間等に影響を受けることのない、安全で安価な電力を、昼夜問わず安定供給し続けることができる。
なお、本発明は、水中における物体の体積と浮力との自然法則を利用したものであり、浮力の差により生じたエネルギーを運動エネルギーに変換させ、発電しようとする自然エネルギー発電装置である。
貯水池等に水が存在する限り永久にエネルギーを生み出すものの、巷間伝わる永久機関ではない。また、エネルギー保存の法則にも抵触しない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】 主に異なる浮力を得るための装置の断面図である。
【図2】 図1による装置の正面図である。
【図3】 本システム全体の正面図である。
【図4】 本システム全体の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1、2は、主に水中において、異なる浮力を得るための装置であり、錘とそれより一回り大きな容器を一体化したもので、図1、2の装置の天地の状態により、錘は重力との関係により容器の中を出入する。そのことにより、図1、2による装置の全体の体積が異なり、浮力についても異なるものとなる。
なお、その際、容器内への水の浸入がないように、膜等で密閉しなければならない。
【0012】
図3は支柱に設置した上下回転体に、図1、2による装置を等間隔に取り付けたワイヤー等を掛けたもので、本システム全体の正面図である。
【0013】
図4は本システム全体の側面図である。
【符号の説明】
【0014】
1 錘
2 錘より一回り大きい容器
3 容器と錘の隙間を密封する膜
4 回転体
5 回転体を回すためのワイヤー
6 装置全体を支える支柱
7 心棒
8 発電機
9 符号2の容器をワイヤーに取り付けるための金物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主に浮力を得るために中を空洞にした容器の内外を、容器より一回り小さい錘が自由にスライド出来るようにさせたもので、錘が上に来た時にはその重さにより容器の内へ入りこみ、錘が下に来た時はその重さにより容器の外へ出る。
このように錘と容器の天地関係により、錘+容器の一体化された全体の体積が異なる状態になる装置。
ただし、錘が容器をスライドする際、容器内に水が入り込まないよう、スライド部分を密閉する。
【請求項2】
水中において、請求項1による装置の質量は変わらないものの、水による浮力は物質の体積に比例する故、錘と容器の天地の関係による体積の変化で、請求項1による装置に対する浮力が変わる。
請求項1による装置を等間隔に取り付けたワイヤーにより、支柱上下部の回転体は回り、回転体が回ることにより、請求項1による装置は上下部回転体の頂上及び真下を越えた時点で天地が逆になり、再び浮力の異なる状態を作り出す。
これらのことを繰り返し行うことで、浮力の異なる状態を常に生じさせ、浮力の差による運動エネルギーを常時安定して得ようとする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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