説明

浮力発電装置

【課題】 水中に於ける空気のもつ浮力を回転力に変換して発電力を得たとしても、エア−コンプレッサ−の浪費する電力が大きいので期待する蓄電が出来ない。浮力体の容器と送風器を改良したい。
【解決手段】 浮力体となるバケット(6)には開閉する蓋(7)があり、その内側に蝶番で浮子(9)を接続することにより、空気の充満時には蓋をロックし、空気が抜けると蓋のロックを開放するので、バケットの水中への降下を容易にする。
バケット内の空気のもつ浮力によって、回転力に接続されると最上部の回転滑車(25)外側にクランク(26)によって、4基のジャバラ式エア−ポンプ(14)が駆動するので、水中下の空気送入口(2)への送風が可能となり電力を必要としない。
連結するバケット(6)の数と容量に応じて、浮力と回転力が増強されるので、浮力による発電装置と成ります。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中に於ける気体の浮力を回転に変換し、その回転力を活用して、送風と発電力を得る装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の発明では、水中の最下点から上昇する空気又は気泡を浮力体へ直接送入する方法が多く、充満させる時間を要し、発電力に必要とする回転力が充分に得られない。(特開平6−185449)
【0003】
更に、発電力を得たとして、その電力でエア−コンプレッサ−を駆動させる為に消耗し、発電装置としての電力が得られない。
(特開2003−113768)
【発明の開示】

【発明が解決しょうとする課題】
【0004】
水中に於ける空気のもつ浮力を回転に変換して発電力を得たとしても、送風用のエア−コンプレッサ−の浪費する電力が大きいので期待する蓄電が出来ない。浮力体の容器と送風器を改良したい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
浮力体となるバケット(6)には開閉する蓋(7)があり、その内側に蝶番で浮子(9)を接続する。浮子の役目はバケットの上昇期に蓋を浮き上がらせ、空気が進入し溜まりだすと浮子の浮力を失い蓋から落下する。その時テコの作用で蓋をロックして水の侵入を防ぐ。水面際に達して、バケット内の空気が抜けると同時に蓋のロックは開放され、水中下への降下を容易にする。
本装置は両軸回転でバランスを保ち、最上部の回転滑車(25)外側にクランク(26)を取付け、4基のジャバラ式エア−ポンプ(14)を駆動させることによって、水中下の空気送入口(2)への送風には電力を必要としない。連結するバケット(6)の数と容量に応じて、浮力と回転力が増強されるので、浮力による発電機(18)と成ります。但し初期の回転が安定する迄は、外線によりエア−コンプレッサ−(15)を使用して回転槽(1)の空気送入口(2)へ送風する必要があります。
【発明の効果】
【0006】
本発明は水中下に於ける、空気の強力な浮力を活用して多数のバケット(6)を浮上させ、その連続的な揚力を回転力に変換することによって、水面上部のエア−ポンプ(14)を駆動させ、水中下の回転槽(1)の空気送口(2)へ送風する。つまり送風と浮力による回転力の時間差の原理を活用した回転機関である。連結するバケットの数を増加すれば、その数量に応じて浮力と回転力は増強されるので、中央回転軸(24)にギア−ドモ−タ−(17)を経由して発電機(18)と連結することにより浮力発電装置と成ります。
【発明の実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、水中での空気の強力な浮力に耐え得るよう左右対称に回転する両軸構造を基本としており、大部分の材質は腐蝕しない強力なプラスチック材を使用したい。ポリカ−ボネイト(PC)と繊維強化プラスチックは耐衝撃性に優れ、鉄より強く、アルミより軽いので最良の材質である。
【0008】
エア−プンプ(14)から耐圧エア−ホ−ス(16)を通して、回転槽(1)の空気送入口(2)へのパイプ(13)は不動の回転軸となり、ベアリング(5)で回転を安定させる。回転槽の空気噴射口(3)から順次バケット(6)へ空気を噴射させるにはその容量の水を瞬時に進入させる必要があります。今、空気噴射口(3a)からバケット(6)への空気が噴射されると噴射口(3c)と(3d)から自動的に水が進入してくれる。又(3b)からの空気の噴射の時は(3a)と(3d)からの水の進入となります。
【0009】
回転槽(1)の構造は円形が望ましいが、バケット(6)の底も湾曲にする必要となりチエ−ンの緩みが生じ、回転用スプロケットギア−(20)(21)から離れる際にバケットの破壊につながるので、回転槽は四角型と決めることにより支持脚(8)分のチエ−ンの削減もできる。設置で注意することは水深に関係なくバケットの連結する台数を奇数とします。31台、43台など。
回転槽の内部を4分割し、各々の空気噴射口(3)元にジャバラ部(4)を入れると、回転中にバケット(6)底の前後に接触しても破損しない。
【産業上の利用可能性】
【0010】
幸いなことに、ナトリウム−硫黄電池(NAS電池)の開発により、電力貯蔵ができるように成った。小型化したNAS電池単体を車両用バッテリ−としてモジュ−ル電池とすれば、エネルギ−密度、充放電効率の高い電力が充電でき、しかも自己放電がないので長時間の供給も可能と考えます。
本発明の浮力発電装置の発電力は大きくないが、昼夜を通して発電すれば車両用バッテリ−の充電は可能となり、石油代替エネルギ−として地球温暖化の抑制となり、よりクリ−ンな車社会の実現が図れます。
水素による燃料電池発電は、火力、水力、原子力に次ぐ第四の発電として最も有望視されているが、太陽熱、地熱、風力、海洋エネルギ−、バイオエネルギ−利用発電などもある。加えて最も身近かで空気と水による浮力発電装置として電力をモジュ−ル電池に充電すれば、自然環境も良くなり、昼夜及び気象影響に左右されない電化生活が期待できます。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】 本発明の実施形態を示す側面図
【図2】 実施形態を示す正面図の概略図
【図3】 回転槽の斜視図
【図4】 エア−ポンプの配置図
【図5】 バケットの側面図と正面図
【図6】 蓋の側面図と正面図
【図7】 浮子の側面図と正面図
【図8】 連結チエ−ンの側面図と正面図
【符号の説明】
【0012】
1 回転槽
2 空気送入口
3 空気噴射口
4 ジャバラ部
5 ベアリング
6 バケット
7 蓋
8 支持脚
9 浮子
10 ロック(蓋止め)
11 パッキン(蓋用栓)
12 弁(逆流防止用)
13 パイプ(支柱兼用)
14 エア−ポンプ(ジャバラ式)
15 エア−コンプレッサ−
16 耐圧エア−ホ−ス
17 ギア−ドモ−タ−
18 発電機
19 連結チエ−ン
20 上部回転用スプロケットギア−
21 下部回転用スプロケットギア−
22 チエ−ン用スプロケットギア−
23 回転用チエ−ン
24 中央回転軸
25 回転滑車
26 クランク
27 固定用ビス
28 保持ひも


【特許請求の範囲】
【請求項1】
4個所の空気噴射口(3)を有する回転槽(1)の両側に透間を開け、下部回転用スプロケットギア−(21)を固定し、同型の上部回転用スプロケットギア−(20)とを各バケット(6)の支持脚(8)の前後を連結チエ−ン(19)で連結する。バケットには開閉する蓋(7)があり、蓋の内側に蝶番で浮子(9)を接続する。浮子の役目は、バケットの上昇初期に蓋を浮き上がらせ、空気が進入し溜まり出すと浮子の浮力は失い落下する。その時テコの作用でロック(10)し水の侵入を防ぐ。水面際に達して、バケット内の空気が抜けると同時に蓋のロックは開放され、水中下への降下を容易にする。
チエ−ン用スプロケットギア−(22)と水面上部の中央回転軸(24)を回転用チエ−ン(23)で連結させる。更に上部へ回転滑車(25)を設け、その外側にクランク(26)を接続し、4基のジャバラ式エア−ポンプ(14)を駆動させて、水中下の空気送入口(2)への送風と浮力によるバケットの揚力を回転力に変換する回転機関である。初期の送風は、外線によりエア−コンプレッサ−(15)を利用する。多数のバケットを上下方向へ回動させることによりエア−ポンプが自力で駆動すれば、中央回転軸とギア−ドモ−タ−(17)を連結し急速回転に変換させ、発電機(18)と連結する浮力発電装置。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−215334(P2008−215334A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−98873(P2007−98873)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(501297457)
【Fターム(参考)】