説明

浮力発電装置

【課題】地球温暖化を防ぐため、京都議定書がつくられ、二酸化炭素など温室効果ガスの排出削減を義務付けられている。いかにして温暖化を最小限に抑えることができるかが全世界の課題である。
【解決手段】本案は引力エネルギーで大きなエネルギーを発生させ、石油等資源に乏しい我国に限らず自然エネルギーを利用するので、動力資源となる燃料は全く不要で、無煙、無臭、地球上どこにでも小さな設備で施設することができ、雨天風・気候・季節に関係なく年中、日夜を問わず稼動させることができ、自然環境に優しく新しいエネルギーの開発である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自然エネルギーである浮力エネルギーを開発するもので、現在水のエネルギーを活用しているものは、水力発電、波力発電、潮汐発電等があるも、本発明のように同じ水を使った水の浮力エネルギーを人工的に発生させる装置は少ない。
【背景技術】
【0002】
水の性質を利用し、浮力のエネルギーを発生させるには、種々多様の方法もあるが、根本的にエネルギーを発生させる工程構造が異なり、いかにして、余分なエネルギーを抽出できるかが問題である。
【0003】
本発明の浮力の対象物質は、空気を利用するもので、一般的に水より軽い空気を水中に沈め、水中に注入することは、注入する以上のエネルギーが必要で余分のエネルギーを抽出することは、不可能に近い。従って、自然の状態で発生させるには、何等かの外力が必要である。
【0004】
それを解消するには本発明のピストンの特殊構造にあり、小さな外力で大きなエネルギーを増殖することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4502074号においては、空気層を形成するエアータンクと、プロペラ付発電機を一体化した装置を水中に沈め、エアータンクの空気の浮力で発電機装置を上昇させ、又、エアータンクの空気を排出して、水をエアータンクに入れ、自重の重さで、発電装置を降下させ、上下運動を繰返すことにより、プロペラを回転させて、電気を起すものと理解するも、水中の空気の浮力と、水中に空気を注入する力が、同じか、又は浮力以上エネルギーが必要で、何等余分のエネルギーは発生しないものと思われる。
従って文献1の発電装置は空気圧縮機の大きなエネルギーで稼働しているものと思料されます。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在、文明が発達すると、自然界にない核分裂のような原子力の平和的利用目的で大きなエネルギーを開発しているも、ややもすれば、事故が発生した場合、放射線が発生し、原爆を投下されたと同じ状況となって、人類が滅亡することにもなりかねない。現実にチェルノブイリ原発事故、スリーマイル島原発事故、日本の東電原発事故は言うまでもない。
これからは、原子力発電エネルギーを廃止し、自然エネルギーを見直す時代でもあり、又課題でもある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
生活に欠かせない電力が、今、世界的に不足しており、エネルギーの開発が急務とされている。本案は公害のない自然エネルギーに着目し、一つは太陽系の熱エネルギーともう一つは地球と月との引力エネルギーとに大別されると思うが、太陽系熱エネルギーは夜間は発生しないので、効率的でない。
引力は1日24時間発生しており、浮力と空気のエネルギーを使って人工的に浮力のエネルギーを発生させ、浮力本来のエネルギーを電気エネルギーに変換するものである。
【発明の効果】
【0008】
現在、電力エネルギーとして、水力発電があるが水力発電は、ダム建設等莫大な費用が必要で、又渇水期には水不足の不安がある。風力発電は風がないと発電できず、太陽光発電は、夜間は発電ができない。又、火力発電は常時燃料費用が必要で経済的でない。
本案はまず、公害のないエネルギーと、燃費不要のエネルギーと、1日24時間、稼動できるエネルギーを発生させることができる、浮力エネルギーを開発したもので、浮力発電は利点が大きく、効果も大であり、公害と地球温暖化を防止するのに役立つエネルギーである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(1)四角形の長い剛管の最下部に円形の筒を設けた斜視図 (2)ピストンの形状の略図
【図2】本発明の本体となる剛管とピストンを組合せた断面図
【図3】(1)図1のピストンの内部を改良し、4ヶ所の空気開閉弁を設け、ピストンが右より左に動いたときのピストン内部の空気の流れを示した断面図 (2)同じく、ピストンが反対に左より右側に動いた時のピストン内の空気の流れを示した断面図
【図4】本発明の全体断面図
【図5】ピストンと空気放出管、水車、空気集器等の配置断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本発明の形態を図面を参照として説明する。
本発明は先に述べた通り浮力のエネルギーの開発であり、「浮力は流体内に一部、又は全体をつけている物体は、その流体からその物体が排除した流体の重さに等しい上向きの浮力を受ける」の法則があり、浮力を発生させるには、第一に空気を水の中に沈める必要がある。
【0011】
然し、一般常識では、水より軽い空気を水中に注入することは、水中に注入する以上のエネルギーが必要で、余分なエネルギーを発生させることは不可能に近い。
【0012】
本発明は、図2に示すように水中に長い剛管の下部にピストンを設えて固定して、ピストンを矢印の様に左右に動かすと、水の深さにほとんど関係なく、水の抵抗があるも、小さな力でピストンを動かすことができる。
【0013】
続いて、図3はピストンの内部を改良し、2個の空気室を設け、4個所の開閉弁を設けて、ピストンが左右に動く毎に1室には空気を注入し、もう1室は空気を放出する。
別々の二つの室の空気を注入と排出を同時に行うことにより稼動させる。
【0014】
図3の(1)で詳しく述べると、ピストンが右側より左側に矢印の方向に動いた場合、開閉弁の働きによりピストン内部は二つに分れ、右側の空気はピストンの力で押されて矢印のように放出管を通って水中に放出される。同時に左側の室には空気が注入される。
【0015】
図3の(2)は(1)の反対で、ピストンが左側より右側に押されて、移動し、左側の室の空気は空気放出管を通って、水中に放出され、右側の室には空気が注入される。
したがって、ピストンが左側、右側に動くたびにピストン内の弁の働きにより空気が水中に放出される。
【0016】
図4で、番号5の空気放出管より放出された空気は番号7の水車を回転させ、外気の空中に放出される。一度放出した空気は、同じ空気で何度でも浮力エネルギーを発生させることができ、本発明の特徴でもある
【0017】
水車が回転することにより番号8の発電機により電気は変電器に送られる。
【0018】
ピストンを動かすには、外力が必要で番号10のモーターにより番号12−(1)、12−(2)の円盤を廻して、ピストンを動かす。以上により、小さなエネルギーで大きなエネルギーを生み出すことができる。
【0019】
地上での動力エンヂンは、吸入・圧縮・爆発・排気と4サイクルが普通で、本発明は、ピストンを水中に設け、空気の注入と放出を同時に行ない、一サイクルの工程で浮力エネルギーを発生させることも本案の特徴である。
【0020】
尚、ピストンを動かすエネルギーは地上に設けたモーターであるが、水の性質により深さが10米深くなる毎に一気圧だけ増えることにもなるも、ピストンの水の抵抗は浅くとも深くとも比重に変りないため、ピストンの両面を押す力は同じで深さに関係なく、小さな力でピストンを動かすことはできる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本案の浮力エネルギーを発生させるには、小さな外力が必要であるが、何十倍ものエネルギーに増殖することができる。
特にエネルギーの素は▲1▼空気と水であり無尽蔵にあること。
▲2▼燃料等の物質は不要であること、▲3▼夜、昼、天候等に関係なく1日24時間エネルギーを発生させることができる。
▲4▼自然エネルギーであり、万が一、事故、故障が生じても、放射線等人体に害がなく、COが発生しないので産業上の利用は大きい。
【符号の説明】
【0022】
1 水面
2 空気口
3−(1)本体(四角型)
3−(2)本体(円筒型)
4 ピストン
5 空気放出管
6−(1)空気集器(1号)
6−(2) 〃 (2号)
7−(1)水車(1号)
7−(2)〃 (2号)
8−(1)発電機(1号)
8−(2) 〃 (2号)
9−(1)空気開閉弁(1)
9−(2) 〃 (2)
9−(3) 〃 (3)
9−(4) 〃 (4)
10 モーター
11 ベルト
12−(1)円盤(1)
12−(2)〃 (2)
13 支持柱
14 シャフト
15 送電ケーブル
16 変電器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角型で長い剛管の先端に円筒を横にして、取り付け水中に沈めてゆき、円筒の中に外力で、左右に動くピストンを設え、ピストンが左右に動くたびに管内の空気を放出と注入を開閉器により同時に行うことにより、一度水中に放出した空気は、浮力で次ぎ次ぎと水車を回転させて、電気を発生させることを特徴とする浮力発電装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−237302(P2012−237302A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121002(P2011−121002)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【特許番号】特許第4930892号(P4930892)
【特許公報発行日】平成24年5月16日(2012.5.16)
【出願人】(306022502)
【Fターム(参考)】