説明

浮揚ディスク

【課題】 イル−ジョンを演出できる浮遊ディスクを提供する。
【解決手段】 本発明の浮遊ディスク(100)は、(A)ディスク形状のハウジング(102)と、(B)前記ハウジング(102)に連結される一連の光源(104)と、(C)前記ハウジング(102)に取り付けられ、前記光源(104)に電気的に接続される回路基板(304)と、(D)前記光源(104)に電力を与える為に、前記回路基板(304)に電気的に接続される電源(306)と、を有する。ユーザ(マジシャン)は、極細糸(200)を前記ハウジング(102)に取付、前記ハウジング(102)を、その軸方向中心軸(106)を中心に回転させて、前記光源(104)を光らせ、それにより前記浮遊ディスク(100)が浮遊しているかのように見せることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々なイリュージョンを演出するマジックの分野で使用される手品の種に関し、特に、浮遊のイリュージョンを提供するような重量が分散したディスクに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、特に浮遊する物体に関する。浮遊するイリュージョンは、裸眼では見えない糸即ち極細糸を用いて達成される。極細糸は、極めて細い糸で裸眼では通常見ることはできない為、マジシャンは、物をこの極細糸から吊して、物が浮遊するイリュージョンを演出している。
【0003】
目に見えない糸を使用することにより、あるマジシャンは「フライングカード」のトリックを行っている。このトリックでは宙づりの(浮遊)カードを回転させる。「フライングカード」のトリックは、1950年にBob Hummerにより初めて行われた。このトリックは実行することが難しい。その理由は、マジシャンはバランスの悪い軽いカードを回転させる必要があるからである。更にカードは、回転中はバランスを取ることが極めて難しい。その理由はカードは非常に軽いうえに丸くはないからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,228,616号明細書
【特許文献2】米国特許第4,310,616号明細書
【特許文献3】米国特許第4,453,917号明細書
【特許文献4】米国特許第4,778,428号明細書
【特許文献5】米国特許第5,429,552号明細書
【特許文献6】米国特許第5,931,716号明細書
【0005】
別のマジシャンであるJim Paceは、オリジナルのフライングカード・トリックに改良を加えて、カードのエッジにLEDを入れ中心にバッテリを配置した。LEDを動作させるためには、このカードトリックにおいては、ユーザはバッテリの電源を手動でいれなければならない。カードは丸くないために回転するのが難しい。バッテリはカードの中心に配置されており、端側にはないために、カードの軸が簡単にズレ、その結果カードはバランスを失い更には失速する。かくして一般的な形状のカードでは、良好なバランスを与えることができず、その結果カードが容易には回転しない。
【0006】
カードに代わる物としてディスクがある。ディスクは、円筒状であり程よい重さがありバランスの取れた回転をさせることができる。例えば一般的なフリスビーは、重量配分が均等であるために、フリスビーは長時間回転できる。しかし、更なる部品がこのディスクに付加された時には、問題が発生する。
【0007】
一例として特許文献1は、円盤状のフライングトイ(浮遊するおもちゃ)を開示する。ディスクは、一般的に円形で軽いために、モーター駆動のホイールシステムが付加されて、回転中にバランスを失わないようにしている。
【0008】
別の実施例が特許文献2に開示されている。特許文献2は、3個のバッテリからなる光源を有するフリスビーを開示する。バッテリはフリスビーの周囲に均等に分散して配置されているが、それらはフリスビーの中心の方向を向いている。この構成の問題点は、フリスビーがその回転軸を中心に回転すると、重量が中心に偏ってバッテリが揺らぐことである。
【0009】
別の実施例が特許文献3に開示されている。特許文献3は、回転するおもちゃ用の光るシステムを開示する。特許文献3の固有の問題点は、ソーサ(皿)の中心に大きなバッテリを配置したことに起因する。バッテリはソーサ(皿)の中心部に固定されているために、ソーサ(皿)の回転安定性が減少し、その結果回転バランスを容易に失うことになる。
【0010】
別の実施例が特許文献4に開示されている。上記の場合と同様に、特許文献4は、バッテリと電源がソーサ(皿)の中心に配置される構造を開示する。この様に中心に配置することにより、ソーサ(皿)の回転安定性が減少し、その結果、回転バランスを容易に失うことになる。
【0011】
更なる実施例が特許文献5,6に開示されている。上記の実施例と同様に、この特許文献5,6は、電気部品がソーサ(皿)の中心にあるような構成を開示する。
【0012】
別の実施例は、Mystery Lights UFUと言う名称で市販されている製品である。このMystery Lights UFUは、2個のLEDを各サイドに搭載し、それらは非常に小さい。重要な点は、LEDはUFOの中心にあるバッテリにより電源が与えられ、それがマジシャンの身体の回りで回転すると、UFOはバランスを失い簡単に落ちてしまう。
【0013】
構成要素を中心に配置し、最終的にソーサ(皿)の重心を中心に配置することにより、従来技術では回転するソーサ(皿)は、簡単にその回転バランスを失う欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
かくして容易に回転しLEDを容易に活性化でき、回転中にそのバランスを失うことのない浮遊物体に対するニーズが依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の問題点を考慮しながら、本発明者は、バッテリを均等に分散して搭載した浮遊ディスクを提供し、これにより浮遊ディスクは、回転軸を維持しながら容易に回転することができる。
【0016】
本発明の浮遊ディスクは、中心軸を有するディスク形状のハウジングと、前記ハウジングに連結される一連の光源とを有する。回路基板が、前記ハウジングに取り付けられ、前記光源に電気的に接続される。電源が、前記回路基板に電気的に接続され、前記光源に電力を与える。ユーザは、極細糸を前記ハウジングに取付、前記ハウジングを、その軸方向中心軸を中心に回転させて、前記光源を光らせ、それにより前記浮遊ディスクが浮遊しているかのように見せる。
他の実施例においては、前記ハウジングに接続される極細糸を更に有する。前記極細糸を前記ハウジングに接着する接着剤を更に有する。
他の実施例においては、前記光源は、発光ダイオード(LED)である。
更に、前記回路基板は、前記ハウジング内に配置され、中央部と複数のアームとを有し、前記各アームは、前記中央部から伸び、アーム端部に至る。
前記回路基板は、前記アームを3本有し、前記3本のアームは、同一形状をしており、これにより、前記回路基板が前記中心軸の回りに均等に重み付けられる。
前記電源は、バッテリを3個有し、前記バッテリは、前記アーム端部)に取り付けられ、これにより、前記浮遊ディスクが前記中心軸の回りに均等に重み付けられる。
他の実施例においては、マイクロ・プロセッサを更に有し、前記マイクロ・プロセッサは、前記ハウジングに取り付けられ、前記回路基板に電気的に接続され、前記光源を様々に変化するパターンで光らせる。
他の実施例においては、遠心力で動作するスイッチを更に有し、前記遠心力で動作するスイッチは、前記回路基板に電気的に接続され、前記浮揚ディスクが回転した時に、前記光源を活性化する。前記マイクロ・プロセッサは、前記浮遊ディスクの回転が停止した時点から所定の時間後前記光源をオフにする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の浮遊ディスクの斜視図。
【図2】極細糸を取り付けた浮遊ディスクの斜視図。
【図3A】浮遊ディスクの内部部品の展開図。
【図3B】回路基板の一例を表す図。
【図3C】回路基板の一例を表す図。
【図3D】貫通孔が形成されたアームを具備する回路基板の一例を表す図。
【図3E】スイッチが他の場所にある本発明の浮遊ディスクの展開図。
【図4】浮遊ディスクの内部を表す図。
【図5】浮遊ディスクの軸方向に沿った断面図。
【図6】浮遊ディスクの背面図。
【図7】浮遊ディスクの右側面図。
【図8】浮遊ディスクの上面図。
【図9】浮遊ディスクの底面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書において、右側、左側、前、後、上部、底部、前方、後方、時計方向、反時計方向は、便宜上使用するものであって特定の方向を示唆するものではない。それらの表記は相対的な場所及び対象物の様々な部分との間の方向を指すに過ぎない。
【0019】
図1に本発明の浮遊ディスク100を示す。具体的には本発明は、浮遊のイリュージョンを演出する回転する浮遊ディスク100に関する。浮遊ディスクのコンセプトは、フライングカードのトリックで使用されたものであり、マジシャンは浮遊するカードに回転を与える。しかしカードは丸くないため回転するのが難しい。更にカードは軽いために回転中にバランスを取るのが難しい。均等に重みが分散していない従来の物体に対しては、別の問題が存在する。それらが回転中にバランスを容易に失い、その結果浮遊のイリュージョンが消えてしまうことである。
【0020】
従来技術の改善点として、本発明の浮遊ディスク100は、浮遊ディスク100の周囲にバッテリが配置されており、その結果、回転すると、重量は浮遊ディスク100の外側/周囲に分散している。この構成の利点は、完全なバランスを与えることができ、その結果、浮遊ディスク100が回転すると、浮遊ディスク100はバランスを失ったり落下することがなく、浮遊ディスク100は、高速かつ安定して回転し、回転速度を維持することができる。本発明の詳細を以下説明する。
【0021】
浮遊ディスク100は、ハウジング102と、このハウジング102に連結された一連の光源104とを有する。ハウジング102は、回転するのに適した形状をしている。ハウジング102は、UFOを表し、その結果、浮遊ディスク100は、小さなUFOのように見える。浮遊ディスク100は、中心軸106を有し、それを中心に浮遊ディスク100が回転する。中心軸106は、浮遊ディスク100の中央を貫通して回転中心となる(実際に軸が存在するわけではない)。
【0022】
図2において、浮遊ディスク100を回転させるために、浮遊ディスク100は、何かから吊す必要がある。かくして本発明の浮遊ディスク100は、極細糸200を有し、これでディスク形状のハウジング102に接続されている。極細糸200は、「裸眼では見えない糸」とも称し、非常に細いフィラメントであり、裸眼では見ることができない程細い。極細糸200は、個々のストランドに分離されたナイロンから形成されるが、時にシルクの場合もある。この極細糸の一例は、Yigal Mesika(本出願人)から市販されている「Invisible Thread」である。
【0023】
接着剤202を用いて、極細糸200をハウジング102に接着する。接着剤202は、ユーザが極細糸200をハウジング102に接着できるような適宜の部材であり、その一例はワックスである。かくしてユーザは、ワックスを用いて極細糸200を浮遊ディスク100に接着できる。
【0024】
一例として、接着剤202は、最初に極細糸200にその後浮遊ディスク100に接着する。かくして接着剤202を極細糸200の周りに固定(接着)する際には、極細糸200を接着剤202の中心に置くことは難しい。更に接着剤202は浮遊ディスク100に接着されるが、それが中心にくることは稀である。かくしてバッテリ(電源306)を浮遊ディスク100又はハウジング102の周囲に配置することは、回転中の浮遊ディスク100の安定性に寄与する。
【0025】
図3Aにおいて、ハウジング102は、第1半分部分300と第2半分部分302とから構成される。これらはネジ303(或いは、嵌め合い等)で連結される。ハウジング102とここに開示された様々な構成要素は、適宜の部品あるいは適宜の部材を含む、あるいは取り付ける様々な材料を含む。一例として、ネジ303はプラスチック製のネジであり、ハウジング102は、プラスチック製又は発泡材料製あるいは他の軽量な材料製である。その結果浮遊ディスク100は極細糸で吊り下げることができる。ハウジング102は、一体品あるいは複数の部品(例えば第1半分部分300とネジ303と第2半分部分302)で形成される。更に浮遊ディスク100は適宜の大きさである。一例として、浮遊ディスク100は、組立後は幅(円形の場合は直径)83mmで厚さが22mmである。
【0026】
回路基板304は、ハウジング102に取り付けられ、光源104に電気的に接続される。光源104は、光る適宜の物体でありその一例はLEDである。光源104に電力を与えるために、電源306は、回路基板304又は光源104に電気的に接続される。電源306は、光源104に電力を与える適宜の物品であり、その一例は3Vのリチウム電池である。各バッテリは3.3Vで動作するが、ステップアップコンバータで、電圧を上げてLEDを光らせるてもよい。例えば青と緑のLEDは、より多くのパワー例えば3.3Vを必要とする。
【0027】
本発明によれば、浮遊ディスクは、適宜の数の光源105を有する。一例として、浮遊ディスク100は、5個のLEDを有する。このLEDは、あらゆる色で光る、あらゆる順番で光ることもできる。一例としてLEDの色は、上部から底部にかけて、赤、青、黄、緑、赤の順番でもよい。
【0028】
LEDは、浮遊ディスク100が回転中に点滅してもよい。一例として、この点滅間隔は一定あるいはLED毎に変わっていてもよい。点滅の間隔により、適宜のパターンあるいは複数のパターン(30通りのパターン)を形成できる。浮遊のイリュージョンを実行している間、点滅するLEDを用いて、観客の目を、浮遊ディスク100の点滅する光あるいはパターンに向けさせて、浮遊ディスク100を吊っている極細糸から目をそらせて、浮遊のイリュージョンをより完璧に演出できる。
【0029】
図3Aは、光源105がLEDストラップ305に接続されている状態を示す。このLEDストラップ305は、ハウジング102と回路基板304のアーム310との間に配置されている。この構成は単なる一実施例であり、LEDストラップ305は、必ずしも回路基板304のアーム310の下に配置する必要はなく、あらゆる場所に配置可能である。一例として、LEDストラップ305は回路基板304の層の間に配置することもできる。他の実施例として、光源105が突出する複数のLED穴507の代わりに、浮遊ディスク100は、その上部に1個の孔が形成され、この孔にLEDストラップ305あるいはワイヤを通し、これによりLEDストラップ305を浮遊ディスク100の上部に固着することもできる。LED105を具備したフレキシブルな回路基板304を、その後浮遊ディスク100に取り付けることもできる。一実施例においては、ハウジング102は、軽量な材料例えば発泡スチロールから形成され、LEDストラップ305が容易にそこに接着可能となる。
【0030】
図3Aにおいて、回路基板304は、ハウジング102内に配置され、中央部分308とアーム310とを有する。各アーム310は、中央部分308からアーム端部312に伸びる。回路基板304は、中央部分308から伸びる適宜の本数のアーム310を有する。アーム310の本数の一例は、2本、3本、4本である。同図に示すように、回路基板304は3本のアーム310を有する。これらはほぼ同じ形状で、中央部分308の周囲に均等に分散して配置され、回路基板304が中央部分308と中心軸106の周囲に均等にかかるようにしている。回路基板304の形状の変形例としては、図3Aに示す3本のアーム310で交換することもできる。図3Bに示すように、回路基板304’は4本のアームを具備し、プラスのサインの格好をして、電源306をアームのエッジに配置することもできる。図3Cに示す他の実施例においては、回路基板304”は、垂直方向に厚みのある棒であり、2本のアームが中央から伸び、2個の電源306がこの2本のアームの端部に配置される。
【0031】
図3Dは、回路基板304”’の他の実施例を示す。この実施例においては、アーム310は、アーム310に開けられた1個又は複数個の穴314を有する。穴314は、中央部分308から各アーム310に沿って、アーム310のエッジ(端部)まで形成されている。端部に電源(バッテリ)306が配置される。穴314はアーム310’”の重量を軽減し、重量をディスクの周囲に分散させる効果がある。これにより最終的に極細糸が支持するのに必要な重量を軽減し、ディスクのバランスを保持する。穴314は3本のアームを貫通するよう示されているが、本発明は、これに限定されず、穴314は回路基板に形成してもよい。4本のアーム(図3B)と2本のアーム(図3C)を有してもよい。
【0032】
更に浮遊ディスク100は、適宜の数のバッテリを電源306として含む。例えば浮遊ディスク100は3個のバッテリを含む。この実施例において、アーム端部312にはバッテリ(電源306)が取り付けられている。バッテリをアーム端部312に取り付けることにより、バッテリの重量は浮遊ディスク100の周囲に均等に分散し、これにより浮遊ディスク100に、安定した回転を与える。
【0033】
浮遊ディスク100は適宜のスイッチング機構を具備し、光源104を切り換えることもできる。例えばスライドスイッチ(又はボタンスイッチ等)を搭載して、電気を光源104に与え、これによりユーザは、手動で光源104をオン/オフできる。
【0034】
別の構成として、遠心力で動作するスイッチ313を回路基板304に電気的に接続することもできる。この遠心力で動作するスイッチ313は、適宜のスイッチング機構であり、浮遊ディスク100が回転すると、光源104を活性化する。一実施例として、この遠心力で動作するスイッチ313は、回路基板304から立ち上がるピンを具備したスプリングを含む。浮遊ディスク100が回転すると、遠心力がスプリングにかかり、スプリングがピンに接触し、電気回路を閉じて、光源104をオンにする。別の構成として、浮遊ディスク100の回転が減速すると、遠心力で動作するスイッチ313は、電気回路を開き光源104をオフにすることもできる。
【0035】
ユニット(光源104)を活性化する遠心力で動作するスイッチ313は、適宜の場所に配置可能である。例えば図3Aに示すように、スイッチ313は回路基板304の中心に配置できる。別の構成として、図3Dに示すように、スイッチ313は、中心近傍ではなく回路基板304”’のアーム端部312上に配置することもできる。更なる配置構成を図3Eに示す。同図において、スイッチ313は、回路基板304の上部に配置される。具体的には、スイッチ313は、電源306の上部のアーム端部312近傍に配置できる。これにより、スイッチ313を浮遊ディスク100の周囲に配置可能となり、電源306は容易に取り外しができるようになる。
【0036】
言い換えると、スイッチ313が具備したスプリングは、浮遊ディスク100の回転中にユニットを活性化し、停止(非回転)中にはユニットを非活性化する。停止中はスプリングが接点に接触しないからである。浮遊ディスク100は、タイマーを具備して点灯している時間を決定することもできる。スプリングスイッチ(即ち、遠心力によるスイッチ)313は、浮遊ディスク100の中央部に配置できるが、回路基板304のエッジあるいはバッテリの近傍に配置することもできる。遠心力によるスイッチ313は、アーム端部312の近傍あるいはバッテリの近くに配置するのが好ましい。その理由は、浮遊ディスク100が回転中には遠心力は浮遊ディスク100の周囲が中心より大きくなり、これにより、接点の感度が良くなるからである。
【0037】
浮遊ディスク100は、マイクロ・プロセッサ314を有する。このマイクロ・プロセッサ314は、ハウジング102に、回路基板304又は他の適宜の接続手段を介して固定され、電気的に回路基板304に接続される。マイクロ・プロセッサ314は、光源104が様々に変化するパターンを照射するようにすることもできる。例えばLEDが点滅して、別のパターン(30通りのパターン)を作り出すこともできる。
【0038】
他の態様において、マイクロ・プロセッサ314は、浮遊ディスク100の回転が停止した後所定の時間(1秒後)、光源104をオフにすることもできる。
【0039】
図3Aに示すように、マイクロ・プロセッサ314は、回路基板304に中央部分308で取り付けて、浮遊ディスク100の回転安定性に対する悪影響を減らすことができる。上記したように、浮遊ディスク100の重量は、回転の安定性を維持するのに重要である。このことは、アーム端部312に配置したバッテリを具備した3本のアーム310の配置により示される。他の構成(図3C)においては、1本の棒(即ちアーム端部312から突き出た2本のアーム)として構成されるので、バッテリはアーム端部312で各アームに配置され、マイクロ・プロセッサ314は中央部分308に配置される。この構成により、ディスクに安定性を与えることができる。安定した構成とは、浮遊ディスク100の全幅に渡って、好ましくは浮遊ディスク100の周囲に、重量を均等に分散する構成である。重量を周囲に分散させることにより、浮遊ディスク100は、回転したときに回転の慣性力を維持できる。これはフライホイール、ジャイロスコープに類似する。
【0040】
図4は、ディスクの第1半分部分300とその内部構成要素を示す。同図に示すように、回路基板304は3本のアーム310を有する。このアーム310は中央部分308から伸びて、円周方向に均等に分散配置されている。マイクロ・プロセッサ314は、中央部分308の近傍にあるいはその上に取り付けられる。更に、遠心力で動作するスイッチ313は、スプリング400とピン402(回路基板304から伸びる)とを有する。バッテリ(電源306)は、各アームのアーム端部312に取り付けられる。
【0041】
図5は、浮遊ディスク100の横方向断面を示す。同図において、回路基板304は、ハウジング102内に配置され、光源104は、回路基板304に電気的に(ワイヤあるいは他の適宜の導電体を介して)接続される。
【0042】
上記したように、本発明の浮遊ディスク100の構造により、浮遊ディスク100がその中心軸の回りを回転した時に、回転の安定性を与える。これは浮遊のイリュージョンを行うときに重要なことである。この様なイリュージョンの一例は、極細糸の一端をハウジングに接着剤を用いて取り付け、極細糸の他端は巻かれて、ユーザ(マジシャン)の耳にテープで留められ、これにより浮遊ディスク100がユーザの耳から垂れることになる。浮遊ディスク100は、ユーザの耳から垂れると、回転し、浮遊ディスク100が浮いているようなイリュージョンを演出する。極細糸は見ることが難しいので、ユーザは浮遊ディスク100を一方の手から他方の手に糸を親指の回りに掛けることにより浮遊させて、浮遊ディスク100を思い通りに動かすことができる。このイリュージョンは、浮遊ディスク100をユーザの身体の回りに投げることにより強調される。これは回転慣性力とユーザの身体に取り付けられている事実による。これにより、ユーザの回りを浮遊ディスク100が回転することになる。
【0043】
この様なイリュージョンを実行する際に、浮遊ディスクは、テーブル上で回転し極細糸を用いてテーブルから浮遊させることもできる。本発明の効果として、本発明は、浮遊ディスクの周囲に配置されたバッテリを具備する浮遊ディスクを提供し、その結果、浮遊ディスクが回転するときには、重量は浮遊ディスクの外側/周囲に分散することになる。この構成の利点は、完全なバランスが取れ、その結果、浮遊ディスクが回転しているときには、浮遊ディスクは回転力を失うことなくあるいははじき飛ばされることもない。これにより、浮遊ディスクは、高速で安定して回転し、更には回転を長く維持できる。
【0044】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。用語「又は」に関して、例えば「A又はB」は、「Aのみ」、「Bのみ」ならず、「AとBの両方」を選択することも含む。特に記載のない限り、装置又は手段の数は、単数か複数かを問わない。
特許請求の範囲に記載された「手段」「ステップ」は、米国特許法第112条6号に記載された限定的な意味以上の広い意味を有する。
【符号の説明】
【0045】
100 浮遊ディスク
102 ハウジング
104 光源
105 光源
200 極細糸
202 接着剤
300 第1半分部分
302 第2半分部分
303 ネジ
304 回路基板
305 LEDストラップ
306 電源
308 中央部分
310 アーム
312 アーム端部
313 遠心力で動作するスイッチ
314 穴(図3D)、マイクロ・プロセッサ(図3A)
400 スプリング
402 ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮遊ディスク(100)において、
(A)ディスク形状のハウジング(102)と、
(B)前記ハウジング(102)に連結される一連の光源(104)と、
(C)前記ハウジング(102)に取り付けられ、前記光源(104)に電気的に接続される回路基板(304)と、
(D)前記光源(104)に電力を与える為に、前記回路基板(304)に電気的に接続される電源(306)と、
を有し、
ユーザは、極細糸(200)を前記ハウジング(102)に取付け、前記ハウジング(102)を、その軸方向中心軸(106)を中心に回転させて、前記光源(104)を光らせ、それにより前記浮遊ディスク(100)が浮遊しているかのように見せることができる
ことを特徴とする浮揚ディスク。
【請求項2】
(E)前記ハウジングに接続される極細糸(200)
を更に有する
ことを特徴とする請求項1記載の浮揚ディスク。
【請求項3】
(F)前記極細糸(200)を前記ハウジング(102)に接着する接着剤(202)
を更に有する
ことを特徴とする請求項2記載の浮揚ディスク。
【請求項4】
前記光源(104)は、LEDである
ことを特徴とする請求項3記載の浮揚ディスク。
【請求項5】
前記回路基板(304)は、前記ハウジング(102)内に配置され、
前記回路基板(304)は、中央部(308)と複数のアーム(310)とを有し、
前記各アーム(310)は、前記中央部(308)から伸び、アーム端部(312)に至る
ことを特徴とする請求項4記載の浮揚ディスク。
【請求項6】
前記回路基板(304)は、前記アーム(310)を3本有し、
前記3本のアーム(310)は、同一形状をしており、これにより、前記回路基板(304)が前記中心軸(106)の回りに均等に重み付けられる
ことを特徴とする請求項5記載の浮揚ディスク。
【請求項7】
前記電源(306)は、バッテリを3個有し、
前記バッテリは、前記アーム端部(312)に取り付けられ、これにより、前記浮遊ディスク(100)が前記中心軸(106)の回りに均等に重み付けられる
ことを特徴とする請求項6記載の浮揚ディスク。
【請求項8】
(G)マイクロ・プロセッサを更に有し、
前記マイクロ・プロセッサは、前記ハウジング(102)に取り付けられ、前記回路基板(304)に電気的に接続され、前記光源(104)を様々に変化するパターンで光らせる
ことを特徴とする請求項7記載の浮揚ディスク。
【請求項9】
(H)遠心力で動作するスイッチ(313)を更に有し、
前記遠心力で動作するスイッチ(313)は、前記回路基板(304)に電気的に接続され、前記浮揚ディスクが回転した時に、前記光源(306)を活性化する
ことを特徴とする請求項8記載の浮揚ディスク。
【請求項10】
前記マイクロ・プロセッサは、前記浮遊ディスクの回転が停止した時点から所定の時間後前記光源(104)をオフにする
ことを特徴とする請求項9記載の浮揚ディスク。
【請求項11】
前記遠心力で動作するスイッチ(313)は、前記回路基板(304)に前記アームの端部近傍で取り付けられる
ことを特徴とする請求項10記載の浮揚ディスク。
【請求項12】
前記回路基板(304)は、前記ハウジング(102)内に配置され、
前記回路基板(304)は、中央部(308)と複数のアーム(310)とを有し、
前記各アーム(310)は、前記中央部(308)から伸び、アーム端部(312)に至る
ことを特徴とする請求項1記載の浮揚ディスク。
【請求項13】
前記回路基板(304)は、前記アーム(310)を3本有し、
前記3本のアーム(310)は、同一形状をしており、これにより、前記回路基板(304)が前記中心軸(106)の回りに均等に重み付けられる
ことを特徴とする請求項12記載の浮揚ディスク。
【請求項14】
前記電源(306)は、バッテリを3個有し、
前記バッテリは、前記アーム端部(312)に取り付けられ、これにより、前記浮遊ディスク(100)が前記中心軸(106)の回りに均等に重み付けられる
ことを特徴とする請求項12記載の浮揚ディスク。
【請求項15】
(H)遠心力で動作するスイッチ(313)を更に有し、
前記遠心力で動作するスイッチ(313)は、前記回路基板(304)に前記アームの端部近傍で取り付けられる
ことを特徴とする請求項12記載の浮揚ディスク。
【請求項16】
(G)マイクロ・プロセッサを更に有し、
前記マイクロ・プロセッサは、前記ハウジング(102)に取り付けられ、前記回路基板(304)に電気的に接続され、前記光源(104)を様々に変化するパターンで光らせる
ことを特徴とする請求項1記載の浮揚ディスク。
【請求項17】
前記マイクロ・プロセッサは、前記浮遊ディスク(100)の回転が停止した時点から所定の時間後前記光源(104)をオフにする
ことを特徴とする請求項16記載の浮揚ディスク。
【請求項18】
(H)遠心力で動作するスイッチ(313)を更に有し、
前記遠心力で動作するスイッチ(313)は、前記回路基板(304)に電気的に接続され、前記浮揚ディスク(100)が回転した時に、前記光源(306)を活性化する
ことを特徴とする請求項1記載の浮揚ディスク。
【請求項19】
前記光源(104)は、LEDである
ことを特徴とする請求項1記載の浮揚ディスク。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−517069(P2013−517069A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549147(P2012−549147)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【国際出願番号】PCT/US2011/021481
【国際公開番号】WO2011/090917
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(512186449)
【Fターム(参考)】