説明

浮遊固形物濃度計及び浮遊固形物濃度計測システム

【課題】浮遊固形物濃度計の測定精度及び機械的強度を高める。
【解決手段】浮遊固形物濃度計1は検出部10と洗浄器11とを備える。検出部10は発光窓15及び受光窓16を備える。洗浄器11は検出部10の軸方向に往復動可能に検出部10の外周に設けられる。洗浄器11は発光窓15及び受光窓16を洗浄するための洗浄液27を充填した洗浄槽28を備える。検出部10は浮遊固形物濃度の測定時に発光窓15及び受光窓16を露出させる一方で測定待機時には発光窓15及び受光窓16が洗浄槽28内に収まるように動作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は下水道管渠、特に合流式下水道の雨水吐き口の汚濁濃度を自動測定する浮遊固形物濃度計において、雨水吐き口の水量変化、夾雑物によるトラブル、検出部のトラブルを解決するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
古くから下水道が普及した大都市では、雨水と汚水を同一の管渠で排除する合流式排除方式を採っている下水道が多い。合流式ではその処理区域に多量の降雨があると、市街の浸水等をふせぐため下水(雨水と汚水の混合水)の一部を処理せずにそのまま河川に放流する。これを「合流式下水道の雨水吐き」という。
【0003】
図9は合流式下水道の雨水吐きに基づく雨水吐き室9の概念図である。雨水吐き室9はマンホール蓋90を介して外界と隔絶されている。晴天時は下水管渠91の底部付近の水位であり、多量の降雨時には越流堰92を越える水位になる。越流堰92から越流した雨水を大量に含む下水は放流管渠93から河川に放流される。この越流される下水の水質を監視するために下水管渠91内の越流堰92近傍には浸漬型の浮遊固形物濃度計が設置されている。
【0004】
汚水を含んだ下水中には色々な夾雑物が含まれており、濁度計の検出部等を下水管渠91内に設置すると、繊維状の夾雑物が絡みつき、計測の妨げや検出部の設置そのものが管渠の流れの妨げとなる可能性が高い。また、汚濁濃度測定から見ると、河川の水質に係わる越流した下水の汚濁濃度を知ることが重要であり、晴天時の下水は下水処理場に送られ処理されるので汚濁濃度の計測の要求は低い。
【0005】
そこで、特許文献1に例示される浮遊固形物濃度計は検出部を洗浄するためのブラシを備え、定期的にブラシを作動させて検出部の被洗浄面を磨いて、汚濁濃度の計測の維持を図っている。
【特許文献1】実公平4−18718号公報(第2,3頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のような洗浄機構を備えた浮遊固形物濃度計は、繊維状の夾雑物が絡みつく構造で雨水吐き口での汚濁濃度の測定には適さない。
【0007】
また、前記浮遊固形物濃度計の検出部を下水管渠91に挿入すること自体が下水の流れの妨げになること、逆に浮遊固形物濃度計の検出部にかかる大きな水圧、特に越流時の大きな水圧による検出部または検出部の指示構造に作用する破壊力への考慮がされておらず、雨水吐き室9での汚濁濃度の測定には適さない。さらに、従来の検出器の洗浄構造は片持ち構造になっており、機械的な強度が弱く、雨水吐き室9での汚濁濃度の測定には適さない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための浮遊固形物濃度計は、発光窓及び受光窓を備えた検出部と、この検出部の軸方向に往復動可能に前記検出部の外周に設けられる洗浄器とを備え、前記洗浄器は前記発光窓及び受光窓を洗浄するための洗浄液を充填した洗浄槽を備え、前記検出部は浮遊固形物濃度の測定時に前記発光窓及び受光窓を露出させる一方で測定待機時には前記発光窓及び受光窓が前記洗浄槽内に収まるように動作する。
【0009】
また、前記課題を解決するための浮遊固形物濃度計測システムは、下水管渠内を流通する被測定液の濃度を計測する浮遊固形物濃度計と、前記下水管渠内の水位を監視する水位計とを備え、前記浮遊固形物濃度計は、発光窓及び受光窓を備えた検出部と、この検出部の軸方向に往復動可能に前記検出部の外周に設けられる洗浄器とを備え、前記洗浄器は前記発光窓及び受光窓を洗浄するための洗浄液を充填した洗浄槽を備え、前記水位計の測定水位が基準値以上になると前記検出部は前記発光窓及び受光窓を露出させて浮遊固形物濃度の測定工程に移行し、一方、前記測定水位が基準値未満になると前記検出部は前記発光窓及び受光窓を前記洗浄槽内に収めて測定待機工程に移行する。
【0010】
以上の浮遊固形物濃度計及び浮遊固形物濃度計測システムによれば、測定待機時には検出器の発光窓及び受光窓が洗浄器内に収納されるようになっているので、被測定液に含まれる夾雑物の絡みつきがなくなり、安定した浮遊固形物濃度の測定が行える。また、検出器の洗浄機構は前記検出器の軸心を中心点とした対称の構造となっているので強度が維持される。
【0011】
前記浮遊固形物濃度計の洗浄器の外周には浮き子を設けるとよい。検出部に浮力が与えられるので、被測定液に接する部分を最小限に抑えられ、前記被測定液の流速による水圧や夾雑物の衝突による前記検出部への衝撃を低減できる。
【0012】
前記浮き子を備えた場合、浮き子の浮力を調整するための錘を備えるとよい。浮き子の外形を小型化でき、狭い管渠内での設置が可能となる。
【0013】
また、前記洗浄槽には前記検出器の側面を磨くためのブラシを備えるとよい。発光窓及び受光窓の洗浄効果が増し、精度の良い浮遊固形物濃度の測定が行える。
【0014】
さらに、前記浮遊固形物濃度計には前記洗浄槽に洗浄液を注入するための洗浄液補充筒を備えるとよい。洗浄液が確保され、検出部と洗浄器との間からの洗浄液の漏れに対応できる。
【0015】
そして、前記浮遊固形物濃度計測システムにおいては、前記浮遊固形物濃度計による浮遊固形物濃度の計測に供される被測定液を前記下水管渠の底部付近から導入した後に放流管渠に越流排出させる計測槽を備えるとよい。下水管渠に浮遊固形物濃度計を設置しにくい狭い施設に有効である。また、下水管渠を流通する下水の流速による圧力及び大型の夾雑物の衝突を回避できる。
【発明の効果】
【0016】
したがって、以上の発明によれば浮遊固形物濃度計の測定精度及び機械的強度が高まる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1(a)は発明の第一の実施形態に係る浮遊固形物濃度計1の検出部の洗浄機構を示した概略断面図であり、図1(b)は支持板の平面図である。
【0018】
浮遊固形物濃度計1は下水管渠内を流通する下水の浮遊固形物濃度を計測するための装置である。浮遊固形物濃度計1は検出部10と洗浄器11とを備える。検出部10は略円柱状に形成されている。洗浄器11は略円筒状に形成され、検出部10と同心に検出部10の外周に設けられている。
【0019】
検出部10は検出主部12と駆動部13とからなる。検出主部12は円柱状に形成され、その下端寄りの側面には光学測定系14の構成要素である発光窓15及び受光窓16が設けられている。検出主部12には少なくとも発光素子151及び検出素子161が内蔵されている。発光素子151から発せられた光は発光窓15を介して外部の液相に照射される。検出素子161は前記液相に散乱した光を受光窓16から検出する。駆動部13は検出主部12の上端に設置されている。駆動部13はモータ17と回転軸18と支持板19と筒部20からなる。モータ17は検出主部12の上端部に固定されている。回転軸18は検出主部12と同心となるようにモータ17に接続されている。回転軸18の側面には雄ねじ部が形成されている。この雄ねじ部は支持板19の中心に形成されたネジ孔21の雌ねじ部と螺合関係にある。支持板19は洗浄器11内に複数設置された支柱22に固定されている。支持板19にはガイドレール23が遊嵌する孔24が形成されている。図1(b)に例示された支持板19には4つの孔24がネジ孔21を中心に等間隔に配置されている。孔24の数はこの実施形態に限定されないことは言うまでもない。ガイドレール23はその下端部が検出主部12の上端に螺着される一方で上端部は筒部20の下端に螺着される。筒部20の上端には図4に示された管部25が接続されるフランジ26が具備されている。
【0020】
洗浄器11は円筒状に形成されている。洗浄器11は検出部10の発光窓15及び受光窓16を洗浄するための洗浄液27を充填した洗浄槽28を有している。洗浄槽28は少なくとも発光窓15及び受光窓16を収納できるように洗浄器11の下端付近の内面に沿って設けられている。検出部10と接触する洗浄槽28の天井部及び底部の面にはそれぞれシール部材29が付帯される。また、洗浄器11の内面にも被測定液の浸入をふせぐためのシール部材30が適宜複数付帯される。
【0021】
図1を参照しながら浮遊固形物濃度計1の動作例について説明する。浮遊固形物濃度の測定時にモータ17は回動軸18を逆転させる。支持板19は洗浄器11内で固定されているので、回転軸18が下降し、これにより検出主部12も下降して発光窓15及び受光窓16が露出する。一方、測定待機時にはモータ17は回転軸18を正転させる。これにより回転軸18が上昇するので発光窓15及び受光窓16は洗浄槽28内に収まる。
【0022】
図2は発明の第二の実施形態に係る浮遊固形物濃度計2の検出部の洗浄機構を示した外観図である。
【0023】
下水管渠内を流通する下水の浮遊固形物濃度を計測するための浮遊固形物濃度計2は検出部31と洗浄器32とを備える。検出部31及び洗浄器32は略円筒状に形成されている。検出部31は洗浄器32と同心に洗浄器32内に収容できるように配置されている。
【0024】
検出部31は検出主部33と駆動部34とからなる。検出主部33は円筒状に形成され、その下端寄りの側面には光学測定系35の構成要素である発光窓36及び受光窓37が設けられている。検出主部33には少なくとも発光素子361及び検出素子371が内蔵されている。発光素子361から発せられた光は発光窓36を介して外部の液相に照射される。検出素子371は前記液相に散乱した光を受光窓37から検出する。駆動部34は検出主部33の上端に配置されている。駆動部34はモータ38と回転軸39とからなる。モータ38は洗浄器32の天井部40に固定されている。回転軸39は検出主部33と同心にモータ38に接続されている。回転軸39の側面には雄ねじ部が形成されている。この雄ねじ部は検出主部33の上蓋41の中心に形成されたネジ孔の雌ねじ部と螺合関係にある。また、検出主部33の側面には洗浄器32内に複数設置されたガイドレール42によって洗浄器32と同軸方向に誘導されるガイド43が複数接続されている。
【0025】
洗浄器32は円筒状に形成されている。洗浄器32は検出主部33の発光窓36及び受光窓37を洗浄するための洗浄液44を充填した洗浄槽45を有している。洗浄槽45は少なくとも発光窓36及び受光窓37を収納できるように洗浄器32の下端付近の内面に沿って設けられている。検出部31と接触する洗浄槽45の天井部及び底部の面にはそれぞれシール部材46が付帯される。また、洗浄器32の内面には被測定液の浸入をふせぐためのシール部材47が適宜複数付帯される。
【0026】
図2を参照しながら浮遊固形物濃度計2の動作例について説明する。浮遊固形物濃度の測定時にモータ38は回動軸39を逆転させる。モータ38は洗浄器32内で固定されているので、検出器31のガイド43がガイドレール42を下降し、これにより検出部31の発光窓36及び受光窓37が洗浄器32の下端側から露出する。一方、測定待機時にはモータ38が回転軸39を正転させると、検出器31が上昇して発光窓36及び受光窓37は洗浄槽45内に収まる。
【0027】
以上のように浮遊固形物濃度計1,2によれば従来のような検出部への被測定液に含まれる夾雑物の絡みつきがなくなり、安定した浮遊固形物濃度の測定が行える。そして、浮遊固形物濃度計1,2の検出器10,31の洗浄機構は従来のように片持ち構造ではなく検出器10,31の軸心を中心点とした対称の構造となっているので強度が維持される。尚、検出部10,31の駆動機構は、モータ駆動に限定することなく、ラック・アンド・ピニオン、クランク、エアーシリンダー等のいずれかを適用したものを採用してもよい。
【0028】
また、図3に例示した第三の実施形態に係る浮遊固形物濃度計3の洗浄器11,32の洗浄槽28,45内には検出器10,31の側面を磨くためのブラシ48を設けるとよい。発光窓15,36及び受光窓16,37の洗浄効果が増し、精度の良い浮遊固形物濃度の測定が行える。
【0029】
さらに、図4に例示した第四の実施形態に係る浮遊固形物濃度計4のように洗浄器11,32の外周に浮き子49を設けるとよい。検出部10,31及び洗浄器11,32に質量に相当した浮き子49を設けることで、水位50の変動に応じて検出部10,31全体の位置が上下する。このように検出部10,31に浮力をもたせることで、被測定液(下水管渠内を流通する下水)に接する部分を最小限に抑えることができ、前記被測定液の流速による水圧や夾雑物の衝突による検出部10,31に対する衝撃を低減させることができる。これにより検出部10,31及びこの支持構造の破損を防ぐことができる。さらに、下水管渠内の下水の流れや下水管渠の越流堰からの下水の越流の妨げを抑制できるので、下水道本来の機能を損なわせない。
【0030】
洗浄器11,32に浮き子49を付帯させた場合、浮力の補助としてバランス用の錘を設けるとよい。図5に例示された第五の実施形態に係る浮遊固形物濃度計5は検出器10,31の上端側に円筒体51が接続されている。円筒体51には錘52に連結された索条53が繋がれている。索条53は複数の滑車54に架けられている。円筒体51は支持パイプ55に遊嵌されている。支持パイプ55は支持部材56によって雨水吐き室の壁面57に取り付けられる。以上のようにバランス用の錘52を備えることで、浮き子49の外形の小型化が実現し、狭い下水管渠内での設置が可能となる。
【0031】
また、図6に例示した第六の実施形態に係る浮遊固形物濃度計6のように洗浄液の補充筒58を設けると、検出器10,31の洗浄液を確保できるので、検出器10,31と洗浄器11,32との間に介在するシール部材からの洗浄液の漏れに対応できる。
【0032】
図7は発明の第七の実施形態に係る浮遊固形物濃度計測システム7の概略構成図である。
【0033】
浮遊固形物濃度計測システム7は雨水吐き室60内に浮遊固形物濃度計4と水位計61と制御部62とを備える。雨水吐き室60はマンホール蓋63によって外界と隔絶されている。浮遊固形物濃度計4は洗浄器11(32)が越流堰67近傍の下水管渠64側に配置されるように設置される。水位計61も下水管渠64側に設置されている。水位計61は測定した下水管渠64の水位の信号を制御部62に出力する。水位計61は下水道設備で採用されている既知の水位計を適用すればよい。制御部62は水位計61から供給された水位の信号に基づき浮遊固形物濃度計4を動作制御する。例えば、下水管渠64の水位が基準に達すると浮遊固形物濃度計4の検出部を下降させて浮遊固形物濃度の測定工程に移行する。そして、前記水位が基準未満に下降すると検出部を洗浄器11,32内に収納させて測定待機(検出器の洗浄工程)に移行する。尚、浮遊固形物濃度計測システム7は浮遊固形物濃度計4に代えて浮遊固形物濃度計5(または6)を適用できることは言うまでもない。
【0034】
また、制御部62には光ファイバー接続器65を接続し、制御部62が水位の測定信号や浮遊固形物濃度さらには浮遊固形物濃度計4の動作状況を光信号に変換するようにすると、光ファイバーを介して前記光信号を外部の監視施設に伝送できる。若しくは、地上に設置された無線通信方式の遠隔監視装置66を制御部62に接続し、制御部62が下水管渠64の水位や浮遊固形物濃度さらには浮遊固形物濃度計4の動作状況を電気信号に変換するようにすると、携帯電話回線等によって前記電気信号を外部の監視施設に伝送できる。
【0035】
図7を参照しながら浮遊固形物濃度計測システム7の動作例について説明する。
【0036】
晴天時は下水管渠64の水位が基準値未満(例えば水位が越流堰67の上面の位置よりも下位)であり、浮遊固形物濃度を測定する必要がないので、制御部62は検出器の発光窓及び検出窓が洗浄器11,32内に納まるように浮遊固形物濃度計4を制御する。測定待機の間、前記発光窓及び検出窓は洗浄器11,32の洗浄液槽内に収納された状態となっているので洗浄液により清浄に保たれる。
【0037】
一方、雨天時に下水管渠64の水位が基準値以上(例えば水位が越流堰67の上面の位置以上)となった場合、制御部62は検出器を下降させて発光窓及び受光窓を露出させるように浮遊固形物濃度計4を制御する。これにより越流堰67から放流管渠68に越流される液相の浮遊固形物濃度が測定される。
【0038】
そして、雨があがり、下水管渠64の水位が前記基準値未満となった場合、制御部62の制御信号により、浮遊固形物濃度計4は検出器の発光窓及び受光窓を洗浄器11,32内に収めて測定待機の状態に戻す。
【0039】
以上の晴天時及び雨天時の下水管渠64の水位情報及び浮遊固形物濃度計4の動作状況は制御部62で光信号や電気信号に変換された後に光ファイバー、携帯電話回線等を介して外部の監視施設に伝送される。
【0040】
したがって、浮遊固形物濃度計測システム7によれば河川に排除された下水の水質が監視される。監視されたデータは雨水吐きによる河川の汚濁状況及び下水処理施設に供される越流下水の水量並びにその汚濁負荷量の把握、市民に対する雨水吐き水質の状況の開示、雨水排除管理のデータとして利用できる。ゆえに、公共水域の水質保全に貢献できる。
【0041】
図8は発明の第八の実施形態に係る浮遊固形物濃度計測システム8の概略構成図である。
【0042】
浮遊固形物濃度計測システム8は計測槽69内に浮遊固形物濃度計4を備えたこと以外は浮遊固形物濃度計測システム7と同じシステム構成となっている。計量槽69は浮遊固形物濃度計4による浮遊固形物濃度の計測に供される下水管渠64内を流通する被測定液を底部付近から配管70を介して導入した後に越流排出させている。計量槽69の上端の位置は越流堰67の上面の位置と略同等に設定される。下水管渠64の水位に基づく制御部62による浮遊固形物濃度計4の制御は浮遊固形物濃度計測システム7と同じである。
【0043】
浮遊固形物濃度計測システム8は下水管渠64の周辺や上部のスペースが狭く浮遊固形物濃度計4を設置できない場合に有効である。また、下水管渠64の流速による圧力及び大型の夾雑物の衝突を回避させることができる。そして、これにより浮遊固形物濃度計4の検出部の物理的破損を防ぐことができると共に浮遊固形物濃度計4の設置方法に幅をもたせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】(a)発明の第一の実施形態に係る浮遊固形物濃度計の検出部の洗浄機構を示した概略断面図、(b)支持板の平面図。
【図2】発明の第二の実施形態に係る浮遊固形物濃度計の検出部の洗浄機構を示した外観図。
【図3】発明の第三の実施形態に係る浮遊固形物濃度計の検出部の洗浄機構を示した概略断面図。
【図4】発明の第四の実施形態に係る浮遊固形物濃度計の外観図。
【図5】発明の第五の実施形態に係る浮遊固形物濃度計の外観図。
【図6】発明の第六の実施形態に係る浮遊固形物濃度計の外観図。
【図7】発明の第七の実施形態に係る浮遊固形物濃度計測システムの概略構成図。
【図8】発明の第八の実施形態に係る浮遊固形物濃度計測システムの概略構成図。
【図9】雨水吐き室の概略構成図。
【符号の説明】
【0045】
1,2,3,4,5,6…浮遊固形物濃度計
7,8…浮遊固形物濃度計測システム
10,31…検出部
11,32…洗浄器
12,33…検出主部
13,34…駆動部
14,35…光学測定系、15,36…発光窓、16,37…受光窓
27,44…洗浄液
28,45…洗浄槽
48…ブラシ
49…浮き子
52…錘
58…補充筒
60…雨水吐き室、61…水位計、62…制御部、63…マンホール蓋、64…下水管渠、65…光ファイバー接続器、66…遠隔監視装置、67…越流堰、68…放流管渠
69…計測槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光窓及び受光窓を備えた検出部と、
この検出部の軸方向に往復動可能に前記検出部の外周に設けられる洗浄器と
を備え、
前記洗浄器は前記発光窓及び受光窓を洗浄するための洗浄液を充填した洗浄槽を備え、
前記検出部は浮遊固形物濃度の測定時に前記発光窓及び受光窓を露出させる一方で測定待機時には前記発光窓及び受光窓が前記洗浄槽内に収まるように動作すること
を特徴とする浮遊固形物濃度計。
【請求項2】
前記洗浄部の外周に浮き子を設けたことを特徴とする請求項1に記載の浮遊固形物濃度計。
【請求項3】
前記浮き子の浮力を調整するための錘を備えたことを特徴とする請求項2に記載の浮遊固形物濃度計。
【請求項4】
前記洗浄槽は前記検出器の側面を磨くためのブラシを備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の浮遊固形物濃度計。
【請求項5】
前記洗浄槽に洗浄液を注入するための洗浄液補充筒を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の浮遊固形物濃度計。
【請求項6】
下水管渠内を流通する被測定液の濃度を計測する浮遊固形物濃度計と、
前記下水管渠内の水位を監視する水位計と
を備え、
前記浮遊固形物濃度計は、
発光窓及び受光窓を備えた検出部と、
この検出部の軸方向に往復動可能に前記検出部の外周に設けられる洗浄器と
を備え、
前記洗浄器は前記発光窓及び受光窓を洗浄するための洗浄液を充填した洗浄槽を備え、
前記水位計の測定水位が基準値以上になると前記検出部は前記発光窓及び受光窓を露出させて浮遊固形物濃度の測定工程に移行し、
一方、前記測定水位が基準値未満になると前記検出部は前記発光窓及び受光窓を前記洗浄槽内に収めて測定待機工程に移行すること
を特徴とする浮遊固形物濃度計測システム。
【請求項7】
前記浮遊固形物濃度計による浮遊固形物濃度の計測に供される被測定液を前記下水管渠の底部付近から導入した後に放流管渠に越流排出させる計測槽を備えたことを特徴とする請求項6に記載の浮遊固形物濃度計測システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−168702(P2009−168702A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−8842(P2008−8842)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【出願人】(000220675)東京都下水道サービス株式会社 (98)
【出願人】(000006105)株式会社明電舎 (1,739)
【Fターム(参考)】