説明

浴用健康補助器具および浴用健康補助システム

【課題】利用者の近傍において十分な量のマイナスイオン等を発生させ得る浴用健康補助器具を提供する。
【解決手段】球状セラミックスCと、球状セラミックスCを収容可能に構成された容器体5とを備えて、球状セラミックスCを浴湯内に浸漬可能に構成された浴用健康補助器具2であって、容器体5は、中空平板状の外ケース10と、外ケース10内に収容可能に構成された中空平板状の中ケース20とを備え、外ケース10は、複数の排気孔15が天板に形成されると共に、中ケース20上に敷設した球状セラミックスCを中ケース20と共に収容可能に構成され、中ケース20は、複数の通気孔25が天板に形成されると共に、球状セラミックスCを収容可能に構成され、かつ、エアーホース3aを接続する接続用ノズル27が側板に取り付けられて構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒状セラミックスを容器体内に収容して浴湯に浸漬可能に構成した浴用健康補助器具、およびその浴用健康補助器具を備えた浴用健康補助システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許第3773905号公報には、トルマリン鉱石を浴湯に浸漬してマイナスイオンを発生させる入浴用の健康増進具(以下、単に「健康増進具」ともいう)が開示されている。この健康増進具は、トルマリン加工シートで形成されてトルマリン鉱石を収納可能に構成された収納袋と、この収納袋を垂設可能に構成されたフロート部材とを備え、フロート部材を浴湯に浮かべるようにして浴槽内に設置することで、フロート部材に垂設されているトルマリン加工シート製の収納袋、および収納袋内に収納されているトルマリン鉱石が浴湯に浸漬された状態となる構成が採用されている。これにより、この健康増進具では、収納袋やトルマリン鉱石が浴湯によって加温されてマイナスイオンが発生する結果、血行の促進や細胞活性化等の健康増進効果が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3773905号公報(第2−4頁、第1−4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の健康増進具には、以下の解決すべき課題が存在する。すなわち、従来の健康増進具では、トルマリン加工シート製の収納袋にトルマリン鉱石を収納してフロート部材に垂設することで収納袋およびトルマリン鉱石を浴湯によって加温してマイナスイオンを発生させる構成が採用されている。このため、従来の健康増進具では、収納袋やトルマリン鉱石が浴湯によって加温されることで発生する極く少量のマイナスイオンだけしか得ることができず、十分な健康増進効果を得るのが困難であるという問題点が存在する。また、従来の健康増進具では、収納袋およびトルマリン鉱石がフロート部材の下方に位置した状態で浴湯に浸漬される。このため、利用者が浴湯に浸かっている状態においては、利用者から離間した位置においてマイナスイオンが発生する結果、極く少量のマイナスイオンしか得ることができないにも拘わらず、利用者がこの少量のマイナスイオンの恩恵を得られ難いという問題点もある。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、利用者の近傍において十分な量のマイナスイオン等を発生させ得る浴用健康補助器具および浴用健康補助システムを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく、請求項1記載の浴用健康補助器具は、粒状セラミックスと、当該粒状セラミックスを収容可能に構成された容器体とを備えて、前記粒状セラミックスを浴湯内に浸漬可能に構成された浴用健康補助器具であって、前記容器体は、中空平板状の外ケースと、当該外ケース内に収容可能に構成された中空平板状の中ケースとを備え、前記外ケースは、複数の排気孔が天板に形成されると共に、前記中ケース上に敷設した前記粒状セラミックスを当該中ケースと共に収容可能に構成され、前記中ケースは、複数の通気孔が天板に形成されると共に、前記粒状セラミックスを収容可能に構成され、かつ、エアーホースを接続する接続用ノズルが側板に取り付けられて構成されている。
【0007】
また、請求項2記載の浴用健康補助器具は、請求項1記載の浴用健康補助器具において、前記外ケースにおける前記天板の内面と前記中ケースにおける前記天板の外面との双方に接する厚みに形成されて当該中ケースと共に当該外ケース内に収容可能に構成された枠部材を備えている。
【0008】
さらに、請求項3記載の浴用健康補助器具は、請求項1または2記載の浴用健康補助器具において、前記外ケースは、弾性材料で形成された脚が底板に取り付けられて構成されている。
【0009】
また、請求項4記載の浴用健康補助器具は、請求項1から3のいずれかに記載の浴用健康補助器具において、前記中ケースは、前記粒状セラミックスを出し入れ可能な開口部が前記天板および底板のいずれかに形成されると共に、当該開口部を閉塞する蓋体を備えて構成されている。
【0010】
さらに、請求項5記載の浴用健康補助器具は、請求項1から4のいずれかに記載の浴用健康補助器具において、前記粒状セラミックスとして、マイナスイオンセラミックス、遠赤外線セラミックス、およびマイナスイオンセラミックスと遠赤外線セラミックスとの混合物の少なくとも1つが前記容器体内に収容されている。
【0011】
また、請求項6記載の浴用健康補助システムは、請求項1から5のいずれかに記載の浴用健康補助器具と、当該浴用健康補助器具に前記エアーを供給するエアーポンプとを備えている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の浴用健康補助器具では、複数の排気孔が天板に形成される共に中ケース上に敷設した粒状セラミックスを中ケースと共に収容可能に構成した中空平板状の外ケースと、複数の通気孔が天板に形成されると共に粒状セラミックスを収容可能に構成し、かつ、エアーホースを接続する接続用ノズルが側板に取り付けられている中空平板状の中ケースとを備えて容器体が構成されている。また、請求項6記載の浴用健康補助システムでは、請求項1から5のいずれかに記載の浴用健康補助器具と、浴用健康補助器具にエアーを供給するエアーポンプとを備えている。
【0013】
したがって、請求項1記載の浴用健康補助器具、および請求項6記載の浴用健康補助システムによれば、収容袋内に収容された状態で単に浴湯に浸漬させるだけの従来の健康増進具とは異なり、粒状セラミックスの周囲にエアーが供給されて容器体内の浴湯と共に各粒状セラミックスが攪拌される結果、容器体内の粒状セラミックスに十分な量の外的エネルギーが加わる結果、十分な量のマイナスイオンや遠赤外線を発生させることができる。また、中ケース内、および中ケース上の2段に分けて粒状セラミックスを敷設し(粒状セラミックスの収容部位を2段構造とし)、かつ、下方(中ケース内)から上方(中ケース上)に向かってエアーを吹き上げる構造としたことにより、中ケース内において粒状セラミックスに接して十分な量のマイナスイオンを含んだエアーが中ケース上に敷設された粒状セラミックスに接した後に容器体の外に排気されるため、十分な量のマイナスイオンを含んだエアーを排気することができる。さらに、粒状セラミックスを収容している容器体が中空平板状に形成されているため、利用者と共に浴用健康補助器具を浴槽内に入れたときに、浴用健康補助器具が邪魔にならないのは勿論のこと、利用者の下方に位置させて容器体から排気されるマイナスイオンを含んだエアーを利用者の体に直接接触させることができる。
【0014】
また、請求項2記載の浴用健康補助器具によれば、外ケースにおける天板の内面と中ケースにおける天板の外面との双方に接する厚みに形成されて中ケースと共に外ケース内に収容可能に構成された枠部材を備えたことにより、浴用健康補助器具の組立てに際して中ケース上に敷設した粒状セラミックスが転がり落ちる事態を回避して容易に組み立てることができるだけでなく、完成状態の浴用健康補助器具の上に利用者が腰掛けたり立ち上がったときに、外ケースに潰れが生じるのを中ケースと枠部材とが相まって回避するため、浴用健康補助器具に変形が生じて美観が損なわれる事態を回避することができる。
【0015】
さらに、請求項3記載の浴用健康補助器具によれば、弾性材料で形成された脚を外ケースの底板に取り付けたことにより、外ケースが浴槽の底板に接して浴槽に傷付きが生じる事態を回避することができる。
【0016】
また、請求項4記載の浴用健康補助器具によれば、粒状セラミックスを出し入れ可能な開口部を天板および底板のいずれかに形成すると共に、開口部を閉塞する蓋体を備えて中ケースを構成したことにより、中ケース内から粒状セラミックスを容易に取り出すことができるため、必要に応じて中ケース内の粒状セラミックスを洗浄することで、これらを清潔に保つことができる。
【0017】
さらに、請求項5記載の浴用健康補助器具によれば、粒状セラミックスとして、マイナスイオンセラミックス、遠赤外線セラミックス、およびマイナスイオンセラミックスと遠赤外線セラミックスとの混合物の少なくとも1つを容器体内に収容したことにより、十分な量のマイナスイオンおよび遠赤外線を発生させることができるため、この浴用健康補助器具(浴用健康補助システム)を利用して入浴することで、リラックス効果を得ながら、血行促進や細胞機能活性化等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】浴用健康補助システム1の構成図である。
【図2】浴用健康補助システム1における浴用健康補助器具2の外観斜視図である。
【図3】浴用健康補助システム1における浴用健康補助器具2の分解斜視図である。
【図4】浴用健康補助システム1における浴用健康補助器具2の断面図である。
【図5】浴用健康補助器具2の組立て方法についての説明図であって、下ケース20a内に球状セラミックスCを敷設している状態を示す斜視図である。
【図6】浴用健康補助器具2の組立て方法についての説明図であって、中ケース20に下ケース10aを取り付けた状態の斜視図である。
【図7】図6に示す状態の中ケース20上に枠部材30を載置して球状セラミックスCを敷設している状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る浴用健康補助器具および浴用健康補助システムの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0020】
図1に示す浴用健康補助システム1は、浴湯W内にマイナスイオンを含む数多くの気泡を発生させると共に遠赤外線を発生するシステム(マイナスイオン・遠赤外線発生システム)であって、浴用健康補助器具2およびエアーポンプ3を備えて構成されている。浴用健康補助器具(マイナスイオン・遠赤外線発生装置)2は、球状セラミックスC(図3〜5,7参照)と、球状セラミックスCを収容可能に構成された容器体5(図2参照)とを備えて構成されている。この場合、エアーポンプ3は、圧縮エアーを浴用健康補助器具2に供給するための装置であって、図1に示すように、浴用健康補助器具2に対してエアーホース3aを介して接続されると共に、オン/オフ操作用の操作スイッチが配設された操作部3bが接続されている。
【0021】
また、球状セラミックスCは、「粒状セラミックス」に相当し、一例として、マイナスイオンセラミックスと遠赤外線セラミックスとの混合物を球状に加工して焼結したセラミックボールであって、後述するように、浴槽B内の浴湯Wによって加温されたり、他の球状セラミックスCや容器体5などに当接したりすることにより、マイナスイオンおよび遠赤外線を発生させる。なお、上記の球状セラミックスCに代えて、マイナスイオンセラミックスを球状に加工して焼結したセラミックボール、および遠赤外線セラミックスを球状に加工して焼結したセラミックボールのいずれか、または双方を容器体5内に収容して浴用健康補助器具2を構成することもできる。
【0022】
一方、図3に示すように、容器体5は、中空平板状の外ケース10と、外ケース10内に収容可能に構成された中空平板状の中ケース20と、中ケース20と共に外ケース10内に収容可能に構成された枠部材30とを備え、全体として中空平板状に形成されている。外ケース10は、一例として、ステンレススチールの板材を折曲げ加工して浅皿状に形成された下ケース10aおよび上ケース10bを備えて構成され、下ケース10aおよび上ケース10bを嵌め合わせることで形成される空間内に、中ケース20、および後述するように中ケース20上に敷設した球状セラミックスCを収容することができるように構成されている。
【0023】
この場合、下ケース10aには、容器体5を浴湯Wに浸漬した後に浴槽Bから引き上げた際に外ケース10内の浴湯Wを排水するための複数のスリット11が形成されると共に、図4に示すように、ゴム脚12(「弾性材料で形成された脚」の一例)が取り付けられている。また、図2,3に示すように、上ケース10bには、複数の排気孔15が形成されると共に、後述するように中ケース20に取り付けられた接続用ノズル27を外ケース10の外に突出させるための切欠き16が形成されている。さらに、上ケース10bには、浴用健康補助システム1(浴用健康補助器具2)を使用しないときに、図示しないフック等に容器体5を釣り下げておくための金具17が取り付けられている。
【0024】
中ケース20は、一例として、ステンレススチールの板材を折曲げ加工して浅皿状に形成された下ケース20aおよび上ケース20bを備え、下ケース20aおよび上ケース20bを嵌め合わせることで形成される空間内に球状セラミックスCを収容することができるように構成されている。この場合、下ケース20aには、上ケース20bに取り付けられた接続用ノズル27に当接するのを回避するための切欠き21が形成されている。また、上ケース20bには、複数の通気孔25が形成されると共に、エアーポンプ3に接続されたエアーホース3a(図1,4参照)を接続する接続用ノズル27が取り付けられている。また、中ケース20は、球状セラミックスCを出し入れ可能な開口部26が上ケース20bに形成されると共に(「天板および底板のいずれか」が「天板」の構成の例)、この開口部26を閉塞する蓋体26aを備えて構成されている。
【0025】
枠部材30は、浴用健康補助器具2の組立てに際して中ケース20上に敷設した球状セラミックスCが転がり落ちるのを阻止すると共に、後述するようにして容器体5の上に利用者が腰掛けたときに、中ケース20と相まって、外ケース10における上ケース10bが変形する事態を回避するための部材であって、一例として、ステンレススチールの板材を折り曲げ加工して形成されている。この枠部材30は、図4に示すように、中ケース20と共に外ケース10内に収容したときに、外ケース10における上ケース10bの内面と中ケース20における上ケース20bの外面との双方に接する厚みに形成されている。なお、同図では、浴用健康補助システム1(浴用健康補助器具2)の構成についての理解を容易とするために、下ケース10a、上ケース10b、下ケース20a、上ケース20bおよび枠部材30等を互いに離間させて図示しているが、実際には、これらが互いに接して一体化されている。
【0026】
この浴用健康補助器具2の組立てに際しては、まず、図5に示すように、中ケース20における下ケース20a上に複数の球状セラミックスCを敷設する。なお、同図では、6つの球状セラミックスCだけを図示しているが、実際にはさらに多数の球状セラミックスCを敷設する(下ケース20a内に球状セラミックスCを敷き詰める)。次いで、開口部26を閉塞するようにして蓋体26aを上ケース20bにねじ止めすると共に、球状セラミックスCを敷設した下ケース20aに対して上ケース20bを嵌め合わせて一体化させる。これにより、中空平板状の中ケース20が完成する。
【0027】
続いて、図6に示すように、下ケース10a内に中ケース20を嵌め込んだ後に、図7に示すように、その状態の中ケース20上に枠部材30を載置する。次いで、枠部材30の各枠内に球状セラミックスCを載置することにより、中ケース20上に球状セラミックスCを敷設する。なお、同図では、1つの枠内に5つの球状セラミックスCだけ載置した状態を図示しているが、実際には、各枠内にさらに多数の球状セラミックスCを敷設する(下ケース20a上に球状セラミックスCを敷き詰める)。この後、枠部材30内(中ケース20上)への球状セラミックスCの敷設が完了した中ケース20の上方から下ケース10aに対して上ケース10bを嵌め込むことにより、図2に示すように、浴用健康補助器具2が完成する。
【0028】
この浴用健康補助器具2の使用に際しては、エアーポンプ3に接続されているエアーホース3aを浴用健康補助器具2の接続用ノズル27に接続すると共に、図1に示すように、下ケース10aの下面が浴槽Bの底板に向かい合うようにして(平板状に形成されている容器体5を浴槽Bの底板に沿わせるようにして)浴用健康補助器具2を浴槽B内に設置する。この際には、容器体5における外ケース10(下ケース10a)に取り付けられた各ゴム脚12が浴槽Bの底板に接する結果、容器体5(外ケース10)によって浴槽Bの底板が傷付けられる事態が回避される。また、浴用健康補助器具2が浴槽B内に設置された状態では、容器体5内の各球状セラミックスCが浴湯Wに浸漬されて、浴湯Wによって加温される。これにより、各球状セラミックスCからマイナスイオンおよび遠赤外線が発生する。
【0029】
次いで、エアーポンプ3を図示しない商用交流に接続した状態において、操作部3bを操作してエアーポンプ3を作動させる。この際には、浴用健康補助器具2の中ケース20内にエアーホース3aを介してエアーが供給される結果、このエアーが中ケース20内に収容されている各球状セラミックスCに接するようにして中ケース20内に拡がる。この際に、供給されるエアーによって中ケース20内の各球状セラミックスCが中ケース20内において浴湯Wと共に攪拌されるため、各球状セラミックスCが中ケース20の内面や、他の球状セラミックスCに当接する。この結果、中ケース20内の各球状セラミックスCから十分な量の遠赤外線およびマイナスイオンが発生する。
【0030】
次いで、中ケース20内において各球状セラミックスCに接したエアー(十分な量のマイナスイオンを含んだエアー)は、上ケース20bに形成された各通気孔25から外ケース10内に(中ケース20の外に)通気される。この際に、中ケース20上に敷設されている各球状セラミックスCが中ケース20からのエアーによって外ケース10内において浴湯Wと共に攪拌されるため、各球状セラミックスCが中ケース20の外面、外ケース10の内面、枠部材30および他の球状セラミックスCに当接する結果、中ケース20上の各球状セラミックスCからさらに十分な量の遠赤外線およびマイナスイオンが発生する。
【0031】
この後、外ケース10内に通気されたエアーは、上ケース10bに形成された各通気孔25から外ケース10の外に排気される。これにより、マイナスイオンを大量に含んだエアーによる気泡が浴湯W内に発生する。したがって、図1に示すように、利用者が浴槽B内に設置した浴用健康補助器具2の上に腰掛けているだけで、浴用健康補助器具2から発生した遠赤外線や、マイナスイオンを大量に含んだ気泡が、利用者の体に直接的に接することとなる。
【0032】
一方、この浴用健康補助システム1(浴用健康補助器具2」)では、長期間に亘る使用に伴って容器体5内の球状セラミックスCに汚れが生じたときに、この球状セラミックスCを容器体5内から取り出して洗浄することができるように構成されている。この場合、中ケース20上に敷設された状態で外ケース10内に収容されている球状セラミックスCについては、下ケース10aから上ケース10bを取り外すことによって取り出すことができる。一方、中ケース20内に収容されている球状セラミックスCについては、上ケース20bから蓋体26aを取り外すことにより、開口部26から取り出すことができる。この後、取り出した球状セラミックスCを流水等に晒しながら洗浄し、再び容器体5内に収容することで、浴用健康補助システム1(浴用健康補助器具2)を清潔に保つことができる。
【0033】
このように、この浴用健康補助器具2では、複数の排気孔15が天板に形成される共に中ケース20上に敷設した球状セラミックスCを中ケース20と共に収容可能に構成した中空平板状の外ケース10と、複数の通気孔25が天板に形成されると共に球状セラミックスCを収容可能に構成し、かつ、エアーホース3aを接続する接続用ノズル27が側板に取り付けられて構成された中空平板状の中ケース20とを備えて容器体5が構成されている。また、この浴用健康補助システム1では、上記の浴用健康補助器具2と、浴用健康補助器具2にエアーを供給するエアーポンプ3とを備えている。
【0034】
したがって、この浴用健康補助器具2、および浴用健康補助器具2を備えた浴用健康補助システム1によれば、収容袋内に収容された状態で単に浴湯に浸漬させるだけの従来の健康増進具とは異なり、球状セラミックスCの周囲にエアーが供給されて容器体5内の浴湯Wと共に各球状セラミックスCが攪拌される結果、容器体5内の球状セラミックスCに十分な量の外的エネルギーが加わる結果、十分な量のマイナスイオンや遠赤外線を発生させることができる。また、中ケース20内、および中ケース20上の2段に分けて球状セラミックスCを敷設し(球状セラミックスCの収容部位を2段構造とし)、かつ、下方(中ケース20内)から上方(中ケース20上)に向かってエアーを吹き上げる構造としたことにより、中ケース20内において球状セラミックスCに接して十分な量のマイナスイオンを含んだエアーが中ケース20上に敷設された球状セラミックスCに接した後に容器体5の外に排気されるため、十分な量のマイナスイオンを含んだエアーを排気することができる。さらに、球状セラミックスCを収容している容器体5が中空平板状に形成されているため、利用者と共に浴用健康補助器具2を浴槽B内に入れたときに、浴用健康補助器具2が邪魔にならないのは勿論のこと、利用者の下方に位置させて容器体5から排気されるマイナスイオンを含んだエアーを利用者の体に直接接触させることができる。
【0035】
また、この浴用健康補助器具2によれば、外ケース10における天板の内面と中ケース20における天板の外面との双方に接する厚みに形成されて中ケース20と共に外ケース10内に収容可能に構成された枠部材30を備えたことにより、浴用健康補助器具2の組立てに際して中ケース20上に敷設した球状セラミックスCが転がり落ちる事態を回避して容易に組み立てることができるだけでなく、完成状態の浴用健康補助器具2の上に利用者が腰掛けたり立ち上がったときに、外ケース10に潰れが生じるのを中ケース20と枠部材30とが相まって回避するため、浴用健康補助器具2に変形が生じて美観が損なわれる事態を回避することができる。
【0036】
さらに、この浴用健康補助器具2によれば、ゴム脚12を外ケース10の底板に取り付けたことにより、外ケース10(下ケース10a)が浴槽Bの底板に接して浴槽Bに傷付きが生じる事態を回避することができる。
【0037】
また、この浴用健康補助器具2によれば、球状セラミックスCを出し入れ可能な開口部26を天板に形成すると共に、開口部26を閉塞する蓋体26aを備えて中ケース20を構成したことにより、中ケース20内から球状セラミックスCを容易に取り出すことができるため、必要に応じて中ケース20内の球状セラミックスCを洗浄することで、これらを清潔に保つことができる。
【0038】
さらに、この浴用健康補助器具2によれば、「粒状セラミックス」として、マイナスイオンセラミックスと遠赤外線セラミックスとの混合物で構成した球状セラミックスCを容器体5内に収容したことにより、十分な量のマイナスイオンおよび遠赤外線を発生させることができるため、この浴用健康補助システム1(浴用健康補助器具2)を利用して入浴することで、リラックス効果を得ながら、血行促進や細胞機能活性化等を図ることができる。
【0039】
なお、浴用健康補助器具および浴用健康補助システムの構成は、上記の浴用健康補助器具2および浴用健康補助システム1の構成に限定されない。例えば、中ケース20と共に外ケース10内に枠部材30を収容した構成を例に挙げて説明したが、「枠部材」は必須の構成要素ではなく、一例として、上記の浴用健康補助器具2の外ケース10における下ケース10aの側板を上ケース10bの側板と同程度の高さに形成する(下ケース10aの側板を、中ケース20の厚みと枠部材30の厚みとの和と同程度の高さに形成する)ことにより、枠部材30を不要としつつ、中ケース20上に敷設した球状セラミックスCが転がり落ちる事態や、外ケース10に潰れが生じる事態を十分に回避することができる。また、中ケース20の上ケース20bに開口部26を設けて蓋体26aによって閉塞する構成を例に挙げて説明したが、中ケース20の下ケース20aに開口部を設けて蓋体によって閉塞する構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0040】
1 浴用健康補助システム
2 浴用健康補助器具
3 エアーポンプ
3a エアーホース
5 容器体
10 外ケース
10a,20a 下ケース
10b,20b 上ケース
11 スリット
12 ゴム脚
15 排気孔
16 切欠き
17 金具
20 中ケース
21 切欠き
25 通気孔
26 開口部
26a 蓋体
27 接続用ノズル
30 枠部材0
B 浴槽
C 球状セラミックス
W 浴湯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状セラミックスと、当該粒状セラミックスを収容可能に構成された容器体とを備えて、前記粒状セラミックスを浴湯内に浸漬可能に構成された浴用健康補助器具であって、
前記容器体は、中空平板状の外ケースと、当該外ケース内に収容可能に構成された中空平板状の中ケースとを備え、
前記外ケースは、複数の排気孔が天板に形成されると共に、前記中ケース上に敷設した前記粒状セラミックスを当該中ケースと共に収容可能に構成され、
前記中ケースは、複数の通気孔が天板に形成されると共に、前記粒状セラミックスを収容可能に構成され、かつ、エアーホースを接続する接続用ノズルが側板に取り付けられて構成されている浴用健康補助器具。
【請求項2】
前記外ケースにおける前記天板の内面と前記中ケースにおける前記天板の外面との双方に接する厚みに形成されて当該中ケースと共に当該外ケース内に収容可能に構成された枠部材を備えている請求項1記載の浴用健康補助器具。
【請求項3】
前記外ケースは、弾性材料で形成された脚が底板に取り付けられて構成されている請求項1または2記載の浴用健康補助器具。
【請求項4】
前記中ケースは、前記粒状セラミックスを出し入れ可能な開口部が前記天板および底板のいずれかに形成されると共に、当該開口部を閉塞する蓋体を備えて構成されている請求項1から3のいずれかに記載の浴用健康補助器具。
【請求項5】
前記粒状セラミックスとして、マイナスイオンセラミックス、遠赤外線セラミックス、およびマイナスイオンセラミックスと遠赤外線セラミックスとの混合物の少なくとも1つが前記容器体内に収容されている請求項1から4のいずれかに記載の浴用健康補助器具。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の浴用健康補助器具と、当該浴用健康補助器具に前記エアーを供給するエアーポンプとを備えている浴用健康補助システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−65859(P2012−65859A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213302(P2010−213302)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(505027144)
【出願人】(510255196)
【Fターム(参考)】