説明

海での人および船の救助作業を支援するための位置決定システムを備えるダミー

本発明は、救助作業中の難破被害者および難破船を捜索するための装置に関する。この装置は、例えば体重、伸長、形、または、体積等の人の主要な身体的特徴を最低限の精度を伴って示す、一般的な用語ではダミー、または、より大まかに言うと任意の種類のモデルから構成される。本発明に係る装置は、人体を装ったダミーまたは任意の他の種類のモデルとして設計されている。このダミーまたはモデルは、例えば体積、形、体重、浮上性、または、服装等、水中における人体の動きを大きく決定する主要な生理的特徴を可能な限り高精度で模している。さらにダミーは、GPS等の位置決定システムおよび信号送信機を含む。信号送信機は、常に自身の正確な位置を受信機に示すことが可能である。また、ダミーは以下では「肺部」と呼ばれる小室を含む。この小室は、好ましくはダミーの胸部に位置し、開放弁を有すると共に、不透水性の膨張可能なバッグ、圧縮ガス容器、および、起動システムを有している。起動システムは、プログラマブルタイマー、および、任意により、遠隔起動が可能な信号受信機を含む。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の目的〕
本発明は、救助作業中に、難破犠牲者および難破船を捜索するように構成された装置に関する。この装置は、一般的に言えばダミーまたは任意のモデルから構成される。このダミーまたはモデルは、例えば体重、身長、形、または、体積等の人の主要な身体的特徴を最小限の精度を伴って表す。このダミーには、水による損傷、発生し得る爆発による損傷、および、悪天候による損傷の影響に対して耐性を有するGPS等の位置決定システムが組み込まれている。ダミーにはバッグも組み込まれており、該バッグがダミーを沈ませた後、自身が自動的に膨らむことによって、ダミーを再び浮上させることができる。また、ダミーの内部には小室が含まれており、この小室には小さな救命用具を格納することが可能である。これによって、捜索の対象である難破犠牲者が本装置を見つけ、救助隊が到着する前に救援を得ることを可能にすることが期待される。
【0002】
上述の構成の目的は、装置の動きと人体の動きとの類似性を増大させ、難破犠牲者の生存可能性を上昇させることを可能にする新規の機能を提供することである。
【0003】
本装置の最も緊急的な目的は、海で人を捜索する状態にある場合に、救助隊への案内として機能すると同時に、難破、飛行機事故、または、類似の状況の結果、海での捜索が必要なあらゆる種類の船の位置を突き止めるように機能することにある。
【0004】
上記の装置はボートの外部に位置しており、難破時に1つまたはいくつかの装置が水の中に入れられる。この場合、装置は人体と類似しているため、人体および装置の両方が同一の場所または近傍の場所に方向付けられる可能性が高い。このため、その位置を突き止めようとする場合に広範囲の捜索範囲を除外することが可能になる。同様に、気象状態が悪いために、救助隊が事故現場から去らなければならない場合に、これらの装置のいくつかを水の中に入れておくことによって、その後に捜索を実行するための重要な情報を得ることが可能である。
【0005】
飛行機の機内にこれらの装置を搭載しておけば、飛行機が海の中に落ちた場合に、事故現場の位置を突き止めることを容易にすると共に、搭乗していた人の捜索を容易にすることができる。
【0006】
提案する装置が簡素であると共に、該装置を用いて実現される救助が単純であるため、本発明は、海での捜索を解決するために極めて有用であり、かつ、容易に実行可能な要素となる。
【0007】
〔発明の分野〕
本発明の適用分野は、安全装置製造業の分野内、特に海上安全の分野内である。
【0008】
〔発明の背景〕
難破は、現在でも比較的高い頻度、特に漁業産業では毎年数件の頻度で一般的に起こっている。これらの事故は、様々な原因により起こる。最も一般的な原因には、水路の開口、船の不安定性、気象的悪影響(嵐およびハリケーン)、視界を遮る霧、および、人為的ミスが含まれる。
【0009】
通常、難破犠牲者の救助は、悪い気候条件(風、霧、雨等)、または、救助隊の作業を妨げる他のあらゆる特別な条件が原因で極めて困難である。そのため、多くの場合、難破犠牲者全員が十分に早く救助されることはなく、幾人かの行方が分からなくなり、環境条件が改善してから引き続き捜索作業が行われることになる。他にも、単に救助が事故現場に時間どおりに到着せず、捜索を直ちに開始しなければならない場合もある。
【0010】
海で人を捜索する作業は救助活動団体によって行われており、難破が最後に確認された位置を中心にして、直径を徐々に増大させた同心円状に行われる。各人が水の中に落ちたその時の海流および気流の動作を知ること、および、該海流および気流の動作が流された人体に与える影響を知ることは困難であるため、難破から等距離にある全ての地点に、救助対象が発見される可能性が同じだけある。本主要特許に記載される装置は、難破犠牲者の位置を見つけ出す際の案内として、救助対象が発見される可能性が最も高い場所の重要な統計情報を提供する装置である。
【0011】
本装置と人体とを出来る限り類似させるために、改善が施される。具体的には、ダミーの内側に小室を配置している。この小室を水で満たしてダミーを沈めることによって、捜索される難破犠牲者が溺れて沈んだ可能性をカバーすることができる。また、この小室は所定の時間後に空になり、ダミーを再浮上させることも可能である。手動または自動で膨らまして、人体を浮上させた状態に維持することが可能な装置について記載する様々な文献が知られている。しかし、これら全ての発明は、本発明の上記の改善によって求められる目的とは異なる目的に従って、想到されたものであることは明らかである。従って、本明細書の所有者は、ダミーまたは人体を沈めると共に再浮上させることを可能にすることを意図した装置または類似の構成のいかなるものも知らない。
【0012】
本装置は、ダミーの内部に救命用具が格納される1つまたはいくつかの小室をさらに有している。これは、難破犠牲者とダミーとが同じ経路を進むに違いないため、救助隊が到着する前に難破犠牲者がダミーに接触できる可能性が高いという事実に基づいてなされたものである。上述の改善と同様に、本主要特許の目的の新規性を考えると、現在のところ難破犠牲者に救援を提供することを目的として、ダミーの内側に1つまたはいくつかの小室を含めることに関連するいかなる文献の存在も知られていない。
【0013】
既に開示されている捜索システムであって、現在の救助隊が用いている捜索システムは、明らかに救助隊の無駄な時間を含む。これは、捜索される人が死亡した状態で見つかるか、生存した状態で見つかるかの決定的な要因となり得る。なぜなら、彼らは低体温症にかかったり、疲労により失神したりする危険に絶えず曝された無防備な状態にいるからである。従って、現在の技術においては、捜索作業を容易にすると共に救助時間を低減する装置の出現が望まれている。
【0014】
難破のケースには、船が完全に行方不明となるケース、または、船の大きな部品または小さな部品だけが回収可能となるケースが存在する。同様に、飛行機が海の中に墜落した場合、墜落した飛行機を回収することは通常極めて困難である。これは、難破が起こったことを実証することができない限り、船の所有者は保険会社と同意した補償金を受け取ることが不可能になるため、船の所有者に著しい損害を与える。本明細書において提案するような装置は、船の考えられ得る行方に関して有用な情報を提供することによって、保険会社への手続きを著しく簡略化すると共に、船の回収が不可能な場合の難破の証拠としてもなり得る。
【0015】
本明細書の著者は、以上の段落において述べた問題を部分的でも解決するようないかなる装置の存在も知らない。それ故、本明細書の著者が提案する発明が、既に公知である発明に対して明らかに新規であると考える。
【0016】
本発明は、海で人を捜索するような状況を支援するための有用な要素になり、救助対象を発見する可能性が最も高い場所についての重要な統計情報を提供する。本発明は、その使用により、難破者の位置を見つけ出すために必要な時間の低減、これらの事故における犠牲者数の低減、ならびに、救助活動団体における物質的手段および経済的手段の双方の実質的な節約を含む。
【0017】
〔発明の概要〕
提案される装置は、例えば体積、形、体重、浮上性、または、服装等、水中の人体の動きを大きく決定する主要な生理的特徴を可能な限り高い精度で模した、人体を装ったダミーまたは任意の他のモデルとして構成されている。
【0018】
このダミーは、GPS等の位置決定システム、および、常に自身の正確な位置を受信機に示すことができる信号送信機を有している。以下では「肺部」と呼ばれる小室が、好ましくはダミーの胸部に格納されている。この小室には開放弁が設けられており、その中には不透水性の膨張可能なバッグ、圧縮ガスタンク、および、起動システムが備えられている。起動システムは、プログラマブルタイマー、および、任意により、遠隔起動を可能にする信号受信機を含む。
【0019】
この「肺部」は、基本的に弁を指定時刻に開放することによって、海水を侵入させることが可能な小室(小室とは、ダミーの内部にある任意の種類の空洞として理解される)として構成されている。この小室には、6〜8リットルの水が入ることが可能である。この小室が一旦水で満たされると、ダミーは沈み、溺れた人の動作を模倣することになる。位置を突き止める対象である難破犠牲者が沈んだ可能性がある場合には、起動システムが弁を開放して小室を水で充填できるように、タイマーは環境に応じてプログラミングされている必要がある。
【0020】
一旦ダミーを回収すべき場合、または、捜索される犠牲者の体が水面まで上昇した可能性があると判断した場合、ダミー内に配置されたガスタンクによって、バッグを膨張させる必要がある。ガスタンク以外にも、バッグを膨張させるための他の任意の膨張システムが有効である。バッグの容積が増大すると、小室の中に取り込まれた水を弁から排出することによって、ダミーを再び浮上させることが可能である。この際、弁は最初に開放された後は、常に開放した状態を維持している。
【0021】
弁の開放と同時に、バッグを膨張させてもよい。あるいは、遠隔起動システムを有している場合には、遠隔制御により、起動指示を与えてもよい。
【0022】
本装置は、難破犠牲者を救助するための救命用具および支援物質を格納する1つまたはいくつかの小室をさらに有している。上述したように、この改善は、救助の対象である難破犠牲者が、救助隊が到着する前にうまくダミーに接触する可能性を期待するものである。
【0023】
従って、本装置は、難破犠牲者にとって重要な救助を提供する。従って、難破犠牲者は、食料の供給、低体温症を防ぐための化学的発熱体、浮上要素、無線送信機、または、この種の状況において有用となり得る任意の種類の要素を得ることが可能となる。
【0024】
本装置を発見する人が小室を容易に見つけ出すことができるように、該小室にははっきりとマーキングされている。この小室は、その中に格納された物質が低温および水の影響に耐えられる程度の防水性を有している必要がある。
【0025】
この救命用具は、ダミー内部の不透水性カバー内に配置されている。不透水性カバーは、救命用具を海水または悪天候から保護すると共に、発生し得る爆発であって、該救命用具を破壊するような爆発から保護することができる。
【0026】
従って、本装置は、以下に記載する様々な状況において、救助案内要素としての機能を実現することが可能である。
【0027】
ダミーは、難破したボートの内側の1つまたはいくつかの箇所に配置されており、ボートの外側から接近可能、かつ、人が水の中に落ちた時に水の中に入るように用意されている。この場合、人体およびダミーは類似した特徴を有しており、全く同一の状況にあるので、両者は水中で同様に動き、近傍の場所に辿り着く。この場所は、探知機により記録され、救助隊に示される。
【0028】
探知機を備えるダミーは、銘が記載される可視部位に、例えば、名前、標識、または、登録番号等、該ダミーが属する船の主要データが表示されるように構成されていることを指摘する必要がある。これは、船の位置を突き止めることを容易にすると共に、船を回収することが不可能である場合には、保険会社に起こった事故のことを弁明し、その後に相当する補償を得ることに役立つ。
【0029】
救助隊のボートまたはヘリコプターにおいて、最初の試みで難破犠牲者全員の救助に成功しなかった場合には、残りの人体があると想定される位置の統計的推定が得られるため、いくつかのダミーを水の中に入れることは極めて有効である。
【0030】
飛行機において、自動起動システムを組み込むことによって、飛行機が海の中に落ちた場合に、飛行機自体および乗客の両方の位置を突き止めることができる。
【0031】
この装置は、使用が単純である点、および、提供する利益と比べてコストが比較的安い点を考えると、海上安全の面において明らかな前進となる。
【0032】
本装置の主体を形成するダミーは、決定的な改善点をさらに含んでいてもよいことを示す必要がある。この改善点の例には、ダミーの使用後の再利用のために、遠隔から膨張可能なライフジャケットを有していること等が挙げられる。これによって、該ダミーの回収を容易にすることができる。
【0033】
ダミーが耐火性保護を含んでいることが極めて推奨される。この耐火性保護は、火事により難破が起こった場合に、炎に耐え、そのタスクを好適に実現する。しかし、この耐火性保護は、装置の動作にとって必須の条件ではない。
【0034】
位置決定および送信システムがその定位置からボートの外側に移動した時に、該位置決定および送信システムを起動する自動起動装置が設けられていることが、極めて重要である。この位置決定および送信システムを起動することは、機械的手段、電気的手段、磁石的手段、または、装置およびシステムの自動始動に一般的に用いられるあらゆる手段によって実現される。この自動起動要素は、例えばボートの衝突または飛行機事故等、手動によって起動している時間がない場合に、本装置を動作させることを可能にする。
【0035】
ダミーに反射面または燐光面を付着して、視界が悪い状況においてダミーの位置を突き止める支援を可能にすることを期待できる。さらに、ダミーにいくつかの小型の救命用具を組み入れて、救助が到着する前に難破犠牲者がダミーを見つけ出す場合に、難破犠牲者を救助させることも期待できる。同様に、一端がダミー自体に縫い付けられ、他端にはスナップフックが設けられた1つまたはいくつかのベルトを設けることもできる。これによって、難破犠牲者がダミーを見つけ出した時に、ダミーの上に載ってくっ付き、さらには本装置に近接した状態を維持することによって位置を突き止めてもらうことが可能となる。
【0036】
本発明に含まれる他の改善点についても言及する必要がある。この改善点は、ダミーの外表面にわたって均等に分布され、小型電池によって電力を供給されるような光ファイバチューブによってダミーを照射する永久照明を設ける点である。このチューブは、一連の発光端部を形成しており、裸眼により本発明の位置を突き止めることを容易にする。
【0037】
従って、上述した探知機を備えるダミーは、現在のところこのような目的のためには知られていない構造および構成的特徴を有する画期的な構造を示すものである。このため、その実際の用途に加えて、求められる独占権を得るための十分な基礎を提供するものである。
【0038】
〔図面の説明〕
上述した説明を完結させるため、および、本発明の特徴をよりよく理解するために、該説明の不可欠な部分として、一組の具体的な図面を添付する。なお、この図面は、本発明を限定するものではない。
【0039】
図1は、「肺部」と小型の救命用具が格納された2つの小室とが設けられたダミーを示す断面図であり、位置決定および送信システムを格納する容器を認識可能である。
【0040】
図2は、自己膨張式ライフジャケットを格納するための容器が認識される、ダミーの断面図を示す図である。
【0041】
図3は、「肺部」の動作のスキームを示す図である。
【0042】
〔発明の好ましい実施形態〕
上述の図面を参照し、用いられた参照番号に基づけば、以下に詳細に図示および説明する部材および要素を含む本発明の好ましい実施形態を認識可能である。これらの実施形態は、いかなる場合であっても、本発明の範囲を限定するものではない。
【0043】
合成樹脂、ゴム、および、他のプラスチック等、人体の密度と同様の密度を有する材料または材料の混合物から構成され、人体を模して関節をなしたダミー(1)に、不透水性のカバーを有する容器(16)が設けられている。この不透水性のカバーは、その内部に対して一定のレベルの機械的保護を提供するものである。不透水性のカバーを有する容器(16)は、GPS(17)による位置決定システム、および、送信機(18)を有している。送信機(18)は信号を送信し、該信号は信号を受信するために用意された受信機によって受信される。
【0044】
ダミーは、自己膨張可能なライフジャケット(19)を中に有している。このライフジャケット(19)は、受信機が所定の信号を受信すると、送信機によって起動される。このジャケット(19)に近接して、該ジャケットをその一般的な位置に配置するためのフックが設けられている。フックは、同じ場所に自己起動機構(20)を有している。自己起動機構(20)は、本実施例では、特定の力で引っ張られると本装置を始動させるセンサから構成されている。この装置は、使用されていない間は電源を遮断されており、いかなる時でも使用できるように、電池が完全に充電されていることが確保されている。ダミーはさらに、手動起動手段を有していてもよい。
【0045】
ダミーをボート作業員または乗組員に可能な限り似せるために、ダミー(1)は典型的なボート作業員または乗組員の服装をしている。本発明の原理および本発明を実施する方法を十分に説明してきたので、当業者が本発明の範囲およびそこに由来する利点を理解可能なように、本発明についてさらに説明する必要があるとは考えられない。本発明は、その本質的な原理内において、一例として示した実施形態とは詳細な部分で異なる他の実施形態でも実施可能であり、その基本的原理が、変更、変形、または、改変されないのであれば、本発明は得られる保護を実現するものであるということも理解されたい。
【0046】
好ましい一実施形態では、海での人命救助作業を支援するための位置決定システムを備えるダミーは、「肺部」(2)と呼ばれる小室を備えている。この小室は、ダミー(1)の内側に20リットルの容量を有する円筒型の空洞(3)から構成されていると共に、開放弁(9)によって調節される水流入口(8)を有している。この弁(9)は、直径1cmの穴(10)のような形状をしており、穴(10)は、プラスチック材料から成る同一の直径を有する導管(12)によって、外部に接続されている。この導管(12)は、薄い銅板(11)に覆われており、銅板(11)は、導線を用いて起動システム(4)に取り付けられている。この起動システムが電流を流し、該銅板(1)を変形させ、水の流入を可能にすると、開放が起こる。
【0047】
ダミーは、「肺部」(2)の内側に、小型の圧縮ガスタンク(6)に取り付けられた不透水性の材料から構成されるバッグ(5)を有している。起動システム(4)がタンク(6)を開放する(蓋を壊し、ガスの放出を引き起こす電気信号を送信する)と、ガスは直ちにバッグ(5)を膨張させ、中に含まれる水を移動させて、ダミー(1)を浮上させることが可能になる。
【0048】
本起動システム(4)は、プログラマブルタイマー(13)を有している。プログラマブルタイマー(13)は、沈下するために開放する時間と、再浮上するまでに経過しなければならない時間とを予め決定することが可能である。本起動システム(4)は、上述した遠隔要素を起動することを可能にする信号受信機(13)をさらに有している。
【0049】
ダミーは、小型の救命用具(15)を格納することを意図した別の小室(7)を有している。小型の救命用具(15)は、事前にこの小室(7)の中に導入可能であるように梱包されている。この小室は、ダミー(1)の脚部に存在するカバーを除去することによって接近可能な円筒型の防水性の空洞(14)によって形成されている。
【0050】
小室(7)自体、および、カバーを除去するためのハンドルは、明るい色および/または蛍光指標により、はっきりとマーキングされている。
【0051】
本発明の原理を十分に説明してきたが、本発明はその本質的な原理内において、一例として示した実施形態とは詳細な部分で異なる他の実施形態でも実施可能であり、その基本的原理が変更、変形、または、改変されないのであれば、本発明は得られる保護を実現するものであるということも理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】「肺部」と小型の救命用具が格納されたさらなる2つの小室とが設けられたダミーを示す断面図であり、位置決定および送信システムを格納する容器を認識可能である。
【図2】自己膨張式ライフジャケットを格納するための容器が認識される、ダミーの断面図を示す図である。
【図3】「肺部」の動作のスキームを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海での人および船の救助作業を支援するための位置決定システムを備えるダミーであって、上記ダミー(1)の内部に空洞(3)を有する小室(2)を備え、上記小室(2)は、開放弁(9)によって調節される水流入口(8)を有すると共に、小型の圧縮ガスタンク(6)に取り付けられた、不透水性材料から構成されたバッグ(5)と、上記開放弁(9)および上記ガスタンクに接続された起動システム(4)とを備えていることを特徴とするダミー。
【請求項2】
上記起動システム(6)は、遠隔信号受信機を有していることを特徴とする請求項1に記載の、海での人および船の救助作業を支援するための位置決定システムを備えるダミー。
【請求項3】
上記ダミーの内部に、救命用具を格納するための容量を有する1つまたはいくつかの小室を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の、海での人および船の救助作業を支援するための位置決定システムを備えるダミー。
【請求項4】
位置決定装置(17)と、上記位置決定装置の位置を有する信号を送信することが可能な送信機(18)とを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の、海での人および船の救助作業を支援するための位置決定システムを備えるダミー。
【請求項5】
上記位置決定装置(17)および上記送信機(18)は、上記ダミーの内部容器(16)内に格納されており、上記内部容器は、不透水性のカバーを有し、一定のレベルの機械的保護を提供することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の、海での人および船の救助作業を支援するための位置決定システムを備えるダミー。
【請求項6】
自己膨張可能なライフジャケット(19)が取り付けられており、上記ライフジャケット(19)は、上記送信機(18)によって受信された信号によって起動される起動機構を有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の、海での人および船の救助作業を支援するための位置決定システムを備えるダミー。
【請求項7】
自動起動装置(20)が組み込まれており、上記自動起動装置(20)は、位置決定および送信システムがその定位置から上記船の外側に移動すると、装置およびシステムの自動始動手段によって上記位置決定および送信システムを起動させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の、海での人および船の救助作業を支援するための位置決定システムを備えるダミー。
【請求項8】
手動起動装置を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の、海での人および船の救助作業を支援するための位置決定システムを備えるダミー。
【請求項9】
反射面または燐光面を有していることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の、海での人および船の救助作業を支援するための位置決定システムを備えるダミー。
【請求項10】
上記ダミーの内部に、救命用具を有していることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の、海での人および船の救助作業を支援するための位置決定システムを備えるダミー。
【請求項11】
上記ダミーが属する船を識別する要素を、可視部位に有していることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の、海での人および船の救助作業を支援するための位置決定システムを備えるダミー。
【請求項12】
一端において上記ダミーに強固に取り付けられ、他端にはスナップフックを有する1つまたはいくつかのベルトまたはケーブルを備えていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の、海での人および船の救助作業を支援するための位置決定システムを備えるダミー。
【請求項13】
LEDおよび光ファイバチューブから選択される、強度の低い1つまたはいくつかの自動自己照明システムを備えていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の、海での人および船の救助作業を支援するための位置決定システムを備えるダミー。
【請求項14】
耐火材料から製造されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の、海での人および船の救助作業を支援するための位置決定システムを備えるダミー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−519100(P2012−519100A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549613(P2011−549613)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際出願番号】PCT/ES2010/000045
【国際公開番号】WO2010/092199
【国際公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(511198966)セーブ−ダミー,ソシエダッド リミターダ (3)
【氏名又は名称原語表記】SAVE−DUMMY,S.L.
【住所又は居所原語表記】Avda.General Franco,N 120,1 D,E−15960 Riveira(A Coruna),Spain