説明

海洋漁礁

【課題】海藻等(植物プランクトン)海草等が自然体で密着自己繁栄し海水中のアンモニアより海藻が肥料を作り副産物として酸素を出す単体漁礁を提供し、これを過密養殖筏周辺に配置して海洋漁礁にして健全なる養殖を可能ならしめ、しかも漁礁単体を多数支持構造体に組込む等して深刻な磯焼も解消する海洋漁礁を提供するものである。
【解決手段】母材にバーキュライトを20重量%以下及び又は電光石(トルマリン石)を20%重量%以下を含有させた漁礁単体を複数個組み合わせて構成し、前記漁礁単体にフェライト磁石体と鉄亜鉛体を付設した海洋漁礁。多面セグメント、開穴スクリーン、長尺ロープのいずれか一つ以上の漁礁単体と、フェライト磁石体を付設した溶解鉄亜鉛ブロックとを組み合わせて構成した海洋漁礁。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海のエコロジーを考え、海を蘇らせ、海洋生物の復活場を提供すると共に、魚介類の産卵に効果のある「産卵礁」散逸を防ぐ「滞留礁」を兼用出来る海洋(沿岸を含む)漁礁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
太陽系惑星の中で地球だけが水の惑星と成り我々人類が生かされている。そのかなめが海であり地球の総面積の70%を占める海によって生かされている我々は、その海を汚し続けている。
海で生産される植物プラトン、海藻等の光合成による副産物の酸素放出によると言う事を忘れている。これらの光合成物体は海の浅い部分に分布し、大部分の魚介類もこの海域内であり浅い水深50m以内の浅海は海洋面積の0.6%である。
この大切な海の基礎生産を守り続ける事が我々陣不意の義務である。高度成長と言う名のもと、海を埋め、人口構造体を建設し生活排水を海に流し内湾は過密な養殖で環境は悪化の一途である。かっての好漁場も全国「磯焼」にて海藻類の枯死による磯付魚サザエ、アワビの収穫が消失している。
【0003】
深刻な磯焼を解消する一つの方法として、海のエコロジーを考えた組立方式の構造体漁礁がある。
従来の漁礁は海流に勝つ為重く5〜20トンと大形が主でコンクリートや鉄板構造体であった。これ等の漁礁特にコンクリートは強アルカリの為海流の弱い所に設置すると強アルカリの溶け出しにより海藻の成長の止まる磯焼の原因と成っていた。
その為瀬戸内海とか湾内の海底に設置する事は今は無駄である。大形の魚の漁礁としては働くが産卵後の幼魚の隠れ場所が少ない為効果が薄かった
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、海藻等(植物プランクトン)海草等が自然体で密着自己繁栄し海水中のアンモニアより海藻が肥料を作り副産物として酸素を出す。漁礁として単体漁礁を提供し、これを過密養殖筏周辺に配置して海洋漁礁にする事で健全なる養殖を可能ならしめ、しかも漁礁単体を多数支持構造体に組込む等して深刻な磯焼も解消する海洋漁礁を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するものでありその特徴とするところは次の(1)〜(4)に記載の通りである。
(1)、母材にバーキュライトを20重量%以下及び又は電光石(トルマリン石)を20%重量%以下を含有させた漁礁単体を複数個組み合わせて構成してなることを特徴とする海洋漁礁。
(2)母材にバーキュライトを20重量%以下及び又は電光石(トルマリン石)を20%重量%以下を含有させた漁礁単体を複数個組み合わせて構成し、前記漁礁単体にフエライト磁石体と鉄亜鉛体を付設したことを特徴とする海洋漁礁。
(3)、漁礁単体の母材を合成樹脂(ウレタンゴム)、プラスチック、天然ゴム等にしたことを特徴とする前記(1)〜(2)に記載の海洋漁礁。
(4)、漁礁単体を多面セグメントに形成したことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一つに記載の海洋漁礁。
(5)、漁礁単体を開穴スクリーンに形成したことを特徴とする前記(1)〜(3)の何れか一つに記載の海洋漁礁。
(6)、漁礁単体を長尺ロープ形成にしたことを特徴とする前記(1)〜(3)の何れか一つに記載の海洋漁礁。
(7)、漁礁単体として多面セグメント、開穴スクリーン、長尺ロープの何れか二つ以上を組み合わせて構成したことを特徴とする前記(1)〜(3)の何れか一つに記載の海洋漁礁。
(8)、前記多面セグメント、開穴スクリーン、長尺ロープのいずれか一つ以上の漁礁単体と、フェライト磁石体を付設した溶解鉄亜鉛ブロックとを組み合わせて構成したことを特徴とする海洋漁礁。
【発明の効果】
【0006】
人間の欲望は非常に深くこの世の価値観は生産性と金で決定する。このまま人類が地球を痛め続ける事は人類の滅亡を早める物であり未来に残す物がなく成る。中でも近年増々進む海の汚染、CO2ガスによる地球温暖化は70%を占める海にも限界がある事を物語っている。本発明はこの地球を救う為なされた技術である。
今海を守り育てる事は残された未来に永久に引き継ぐ事業として現在の我々が守る義務でもある。
【0007】
本発明の海洋漁礁は、次に詳述の優れた効果が得られる。
1.前記各種の漁礁単体を一種類又は複数種類を組み合わせて大形構造体にして、海底より30cm〜50cm浮かすことも可能で、海流抵抗体を防ぐ隙間、開穴部、海水流通室等を持ち海藻類の根付を良くし、構造物体の中に最大20%以内の無機物を入れることができ、これで磯焼の原因と成る事を防ぐことができる。
【0008】
2.又、植物プランクトンの栄養塩(硝酸塩・燐酸塩・亜硝酸塩)+ミネラル(Fe、Zn)の供給源として亜鉛鉄体とフエライト磁石体を漁礁単体に付設することにより、海水中に無限であるが、ミネラルを供給して、フタロシアニン鉄(C32H16N8Fe)フタロシアニン亜鉛(C32H16N8Zn)による植物プラントンの繁栄を計りそれを食べる動物プランクトン、又はそれを食べる小魚と言う食物連鎖を作ることができる。
オホーツク海の流氷中でも好魚場が保持されるのはソ連アムール川より流れ出る長年に渡ってふり積った落葉中を通った雨水がフタロシアニンとなり(C32H16N8)が地中や川底等にあるFeと化合してフタロシアニン鉄と成って植物プランクトンのミネラルとなっているからである。
【0009】
3.溶解亜鉛鍍金釜の中には鉄と反応した亜鉛鉄が釜底に溜まる。この亜鉛鉄は鉄の表面に出来上がった亜鉛鍍金面に残るとイオン化の為に亜鉛鍍金が破れる原因と成るので毎日除去する。
亜鉛鍍金メーカーに取っては厄介な物であるこれを海洋漁礁に再利用する事で海のエコロジーを計るものである。
【0010】
4.海洋漁礁を開穴スクリーンで構築すると材質にウレタンゴム床を使用すれば、自己伸び縮みによる海流の強さにも耐える。
【0011】
5.海中構造物を多面セグメントの組立体にすると、大形構造物として作る事も可能でありかつ1〜10面の小面体として養殖筏の回りに中間保持すれば養殖により出る窒素、リン等を海藻で浄化しかつ養殖近辺は酸素リッチとする事が可能で過密生産による死亡を少なくして、健康で太った養殖品を生産しかつ海も浄化される。
【0012】
6.ウレタンゴム等に重量比で20%のバーキュライトを混入して製造した多面セグメント又は開穴スクリーンは表面に出ているバーキュライトのポーラス結晶体が海藻胞子やカキの産卵体が隠れる場所と成る。又根つきのアラメ、ワカメ、コンブ、テングサ、ミル属、ムカデノリ属、ハイウスバノリ属等の根床と成る為これ等の海藻は人工漁礁でありながら魚介類の卵及幼魚を保護する自然体に近い海洋漁礁となるのである。
【0013】
7.自然体の山が海を造る。カキの養殖者が山に落葉樹を植える事は木が落葉と成り山に腐養土を作りその中を流れる雨水がフタロシアニン[C32H16N8]と成り山を下り川に入り海に入る途中で土壌中の鉄分と反応しフタロシアニン鉄[C32H16N8Fe]と成って海に注ぐ事で食物プランクトンのミネラルと成る事で冬場の流氷のオホーツク海がリッチな海と成る。この事は水産学では常識である。
同じく人工的にダムで関き止められた日本の河川では非常に自然体でフタロシアニン鉄[C32H16N8Fe]やフタロシアニン亜鉛(C32H16N8Zn)として海に注ぐ事も困難である。
その為官、公、水産関係の役所の許可を受けて防蝕関等の水門には従来式亜鉛を取り付けてたが鉄亜鉛をつける事で又河川のいたる所の水門に装着する事で河川が海に入る迄の除中に設置する事で植林効果を助けるべきである。
【0014】
8.亜鉛釜中に発生する鉄亜鉛を利用すると、比較的安価にて漁礁単体に付設する事が可能である。溶解亜鉛釜は釜の底を守る為鉛が底面に100mm高さ程度混入されている。亜鉛比重7.13に対して鉛11.34と重く又亜鉛と合金を作りにくい為鍋底は100%鉛で鉄と反応して鉄亜鉛と成る事を防で釜の底板を守っている。
亜鉛と鉄は合金と成る為比重の問題で鉄亜鉛は例えば7.24〜7.3の為鉛の上に浮いている。その為回収する事は簡単であるが鉄亜鉛中に1〜2%の鉛が入っている。
その為1回鉄亜鉛だけを集めて専用の釜にて再溶解する事で100%鉛を除去して鋳型に流し込んで鉄亜鉛合金のインゴットを作る。このインゴトを従来の純亜鉛インゴットと同じ設置場所の水門や関に取り付ける。
【0015】
山より流れ込むフタロシアニン+鉄イオン、フタロシアニン+Znイオンと成り海水中でフタロシアニン鉄(C32H16N8Fe),フタロシアニン亜鉛(C32H16N8Zn)と成り植物プランクトンの成長ミネラルとなる。これ等のプランクトンを食べたカキは特に食の原点とも言える。味覚の元素の必須亜鉛が多く含有して成長する為ブランド商品として力説が可能である。
カキは海のミルクと言われてその上、亜鉛リッチであれば別名亜鉛は精力の元と成る元素と言われている。
自然体で海水中は塩(NaCl)の為、亜鉛が溶解すると塩化亜鉛(ZnCl)とも成る為、鉄亜鉛インゴットを下面に1000ガウス程度のフエライト磁石を角に4ヵ所張りつける事で N→S と磁力線が交差する事で起微弱な電流が +→−に流れる事で電子が(−)→(+)に流れる事はイオン化した鉄と亜鉛が海水中に流れる事でフタロシアニン鉄やフタロシアニン亜鉛と成り強制的にフタロシアニンを塩基体とする事で植物プランクトンのミネラルと成る。植物プランクトンにはその他に海水中のアンモニア等と反応する事で尿素硝酸塩を作りこれ等を肥料とする海藻は成長を促すことで海は自然浄化される。
自然体漁礁に近い為地域海水面0.6%で生活する人類の自然破壊を止める最大の漁礁である。
日本沿岸に育つ海藻の種類は太平洋側の方が日本海側よりも12倍も多いと言われている。日本列島の東岸は約2億年前より存在していたのに大して日本海は約2500万年前に誕生した為時間差の為であり、満潮と干潮が差が太平洋側が平均2mに対して日本海側は0.45mである。
この差が海藻の差と成り日本海側は非常に海藻が少ない。
逆に人工漁礁にて海洋牧場を作る場合はmax0.45mの為海底1mもあれば「産卵礁」稚仔魚専用の「保護礁」成長するにしたがって外洋に出る魚の「滞留礁」回遊魚を集める人工的に作る「浮き漁礁」等が設置しやすい事を意味する。
人工漁礁として表面に海藻類の付着しやすい材質を持った漁礁である為日本海岸には特に適する。
砂浜海岸の波打ち際は多種多様な仔稚魚の成長する場所であるが仔稚魚に取って安息の地ではない。そこには数多くの捕食者も生活している。生死の環境の中の仔稚魚に安息の場として稚魚専用の漁礁の必要性が生じる。稚魚から成魚に成る為の生存率は0.1%〜1%と言われている。
一匹の魚が生む卵は数千から数十万個と魚種によって違うが非常に効率の悪い生残戦略である。この人工漁礁に1〜2%さらに生き残れたとすると10倍以上の人工手助にて可能である。稚魚に対する適応性と環境変化と成る海藻類の繁った人工漁礁を与えることで捕食者から逃れる為の強靭な遊泳力がつくまでの未然回避場所を与えかつ海藻の繁栄による酸素放出による植物連鎖にて最終的には我々人類も繁栄する。日本海岸の少ない干潮位は特にこの漁礁に向いている。
太平洋側は平均2mの潮位をクリアーする為には平均4〜5mの所に設置する必要有り、又砂等には移動も大きい為、又年数回の台風等を考えると大形と成り外海には向かない。内海専用の漁礁と成る。
開穴セグメントの為漁業者の長年の経験による海流を読んだ設置であれば大形化は容易である。
100%自然を相手の為海洋動物1式環境を含めて判明しない所も多く生物の多種多様な周期的環境変化を起こさない適応した漁礁であると思う為、浅海域に設置する事で人類との同時成長が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
1.漁礁単体の母材
漁礁単体の母材は合成樹脂(ウレタンゴム)、プラスチック、天然樹脂等にする。
2、漁礁単体の母材に混合する含有物とその構成
1)、バーキュライトについて
本発明の海洋漁礁において、上記漁礁単体の母材に含有させるバーキュライトは、海藻等の根付を良くするものであり、[3八面体型バーキュライト(MgFe+2Al)3(AlSi)4O10(OH)2,4H2O]、[2八面型バーキュライト(MgFe+2Al)2(AlSi4O10,4H2O)]などであり、これを重量比で20%以下含有させる。
このバーキュライトは軽く多孔質の穴の中に海水を吸い込む際、海藻胞子を吸着する。中性でありイオン化系統も(-)側に近く海水主成分の中では非常に近い化学成分の為胞子の冬眠の宿として最適である。
一般にバーミキュライトとはマグネシア(MgO)の多い輝岩が地圧と地球内部の高温高圧の熱水にてアルカリ分を逸脱した所に水分が加わって雲母の性質と似た一種の雲母である。
主成分のシリカ(SiO2)やアルミナ(Al2O3)マグネシア(MgO)の物を800℃〜1000℃で焼いた物である。雲母層がはく離膨張する為容積が増える為蛭が伸び縮みするようだと言う事で別名蛭石とも言う。層関の隙間が大きい為乾燥すると空気が入り軽く、水が入ると保水機能が高い為海藻の胞子を取るピースとなる。PHは約7と中性で比重が0.1と軽く南アフリカ、オーストラリア、中国が主採産生国である。
またバーキュライトを含有させる他の目的として、生活排水の出る都市近辺の海岸の場合の(特許第3175694号のように)硫化水素対策である。上記漁礁単体を開穴スクリーンにしその開穴の目に何ヶ所かに紅色硫黄細菌や緑色硫黄細菌をバーキュライト中で培養し(バーキュライトはPH7.0と中性で高温処理してある為無菌である)
嵩比重も0.1と小さく非常にポーラス体である為、培養菌床としての菌保持能力が高い。
光エネルギー→6CO2+12H2S→C6H12O6+6H2O+12S
これにより海草又は海藻等の葉緑素が光エネルギーにてブドウ糖を体内に保持し海は浄化される事で増々活性化する。
2)、電光石(トルマリン石)について
更に、漁礁単体は、海藻等の根つき及び植物プラトン等の繁栄の為、母材に電光石(トルマリン石)を重量比で20%以下含有させて、海中に超微弱な自己電流を発生させる。これにより山中の落葉の中を流れ海洋に流出した、フタロシアニン(C32H16N8)と海中の鉄亜鉛のイオン化した電子と結びつきフタロシアニン鉄(C32H16N8Fe)やフクロシアニン亜鉛(C32H16N8Zu)と成り植物プランクトンのミネラル分として常に保持する為、植物プランクトン→動物プランクトンの食物連鎖にて漁礁を構生する事に成る。
海中に人口造林技術を作る事で藻類の繁殖を助長し稚仔魚の餌料と成る付着生物プランクトンを含め人口海洋牧場とすることができる。
3)、鉄亜鉛体について
更に、漁礁単体には、植物プランクトンのミネラルと成る鉄亜鉛体をボルトやマット等の取り付け具等にして付設させる。この鉄亜鉛体は、例えば、溶解亜鉛釜の底に溜る針状亜鉛鉄を回収して作ることができる。溶解釜底には約100mmの高さで鉛が入っている為、取り出した鉄亜鉛の中にも1〜2%の鉛が残る為、1回溶解する事で底に溜った鉛を比重の差を利用して取り出し、100%の鉄亜鉛として型に流し回収することができる。
一方、海藻の生長を助ける栄養塩と海水温度の関係は別途図参考の事。
通常の海であれば夏の海は海藻の生育に必要とする栄養塩は皆無に等しい。夏場の内海の赤潮の最大の原因は我々が出す生活排水であり窒素、リンの富養化である。官、公、水産庁等と組み河川途中の井関等の防錆の為、純亜鉛セグメントを組み込んでいるがこのセグメントを鉄亜鉛体に変えることで
リン酸鉄Fe(PO4)2,8H2O(リン酸鉄8水和物)、リン酸亜鉛Zn3(PO4)2,4H2O(リン酸亜鉛四水和物)
河川中内に沈める事でリンの化合物とする事で富養化を少しでも減す事が可能である。
4)、フェライト磁石体について
更に、漁礁単体には、前記鉄亜鉛体とフェライト磁石体とを付設することにより、多面セグメントの中でイオン化電位だけの溶解に対してフレミングの法則で起微弱な電流を発生させて鉄イオン、亜鉛イオンを海中に放出させてフタロシアニン鉄、フタロシアニン亜鉛を合成し植物プランクトンのミネラル源にし、好ましい植物連鎖を長期に続行維持するものである。
5)、その他の応用例
0.5mm〜1mmに粉砕したバーキュライトにバインダーのプラスチック系レジンを重量比5%入れて100℃〜150℃の熱の中で攪拌し中子砂装置で鋳物砂にしたものを多面セグメントの室内や開穴スクリーンの開穴部に嵌めることができる。
3、漁礁単体による海洋漁礁の実施形態
次に本発明の上記漁礁単体による海洋漁礁の構築の実施形態は、前記漁礁単体を単独で又は任意に組み合わせて海洋漁礁を構築し、或いは別に構築した支持構造体に適宜配置することができ、その大きさも自由に変える事が可能であり、例えば、平面支持構造体に挿入ジョイントで漁礁単体同志を接合したり、大形支持構造体にボルト方式で固定取り付ける等である。こうした大形支持構造体の周囲に稚子魚保護専用の漁礁単体を配置して成魚育成をする事もできる。また開穴スクリーンは単独又は上記支持構造体と組み合わせて海草や貝類の繁殖用或いは消波や海流の変更にも適用するなど幅広い用途がある。以下にこれらの具体例を紹介する。
1)、漁礁単体を多面セグメントにしてこれを複数個組み合わせて構築する海洋漁礁の海中配置は、海藻類の成長する迄、ウニ、アワビ、サザエ等が海藻の芽の時の食害を防ぐ為、30cm〜50cm海底より高く保持することが好ましい。
2)、そして多面セグメントで構築した海洋漁礁の周囲を開穴スクリーンで構築した海洋漁礁で覆い、その係留は、係留体を溶解スプリング方式にして、海藻類が大きく繁ったとき自動的に増加した自重で海底に接地させるため、60日〜90日の海藻の成長に合わせて溶解スプリングの亜鉛厚みを決める。
3)、開穴スクリーンを多面体の大形支持構造体に多数配設した海洋漁礁の場合は、海中の潮流抵抗の為倒れる心配がある。その為大形支持構造体に配設する開穴スクリーンの目の大きさを上に行くほど大きくし、潮流抵抗を少なくし、かつ底面には例えばパイプ構造の杭を4〜5個出して船上より空気を入る事でカニが砂にもぐると同じように構造物の重量と空気振動堀削方式をコイルスプリングによる振動増幅力にて海底に密着させておけばよい。
4)、又、漁礁単体を多面セグメントにしこれを支持構造体に配置して海洋漁礁を大形化する場合は、漁礁の錘りとして内面空間には石材を積める事で2次的な漁礁とも成り中型魚の棲家としての安全が保持可能であり、上面に行くにしたがって支持構造体を次第に小さくすることにより、海底潮流は支持構造体の下から上に添って流れる湧昇流になり海洋漁礁への酸欠の恐れはない。
5)、多面セグメントを大形支持構造体に配置した海洋漁礁の回りに小型の2〜6個の開穴スクリーンを配置して海藻を育て、海流(潮流)を弱め、海藻海波効果を得ることにより、太陽光による光合成即ち、6CO2(二酸化炭素)+12H2O(水)→C6H12O6(ブドウ糖)+6H2O(水)+6O2(酸素)↑にて海中酸素濃度を高めに保持し、植物連鎖の元とする。これでコンクリート漁礁のようにアルカリを出さず磯焼の心配がない。
また広島県のようにカキ養殖筏の高密度養殖は夏場の酸欠による死亡及栄養不良による小形化に継っている。
このカキ養殖場の周囲の海中に10個〜20個の海藻付き開穴スクリーンを設置することにより、光エネルギー→6CO2+12H2O→C6H12O6+6H2O+6O2↑、2P+3Fe+16H2O→Fe3(PO4)2,8H2O+16H↑(リン酸鉄8水和物)、2P+3Zn+8H2O→Zn3(PO4)2,4H2O+8H↑(リン酸亜鉛4水和物)を生成し、これらがカキ(牡蠣)の生理現象として出る富養化物を固定化し海藻は肥料とし受け取り副産物として酸素を出しリンを固定化する為アンモニア(NH3)とカキの出す炭酸ガスは次ぎの化学方式にて3NH3+CO2+(OH)4→NH2CONH3,HNO3+2H2O+3H↑(海水は炭酸ガスを溶解する為)→(炭素ガス)(水酸基)(尿素硝酸性)と成り、海藻の肥料となる。海藻は体内にブドウ糖を貯蓄する為海藻を食べる魚の漁場ともなる。
【実施例1】
【0017】
<漁礁単体>
本実施例の漁礁単体は、稚仔魚及産卵及保護を兼用した多面セグメント例の一つ格子状セグメントを紹介するものである。本例の格子状セグメントは、図15や図16(海中浮遊)に示すように多数個連結し浮きと錘又は係留具等を用いて海中に平面浮遊配置したり、図3(海底配置)に示すように海底に多数個を平面固定配置したり、又は、図17に示すように多面支持構造体に配設して任意の大きさの漁礁を構成するものである。
図1に格子状セグメントの組み立て前の上部100aと下部100bを示し、図2に上部100aと下部100bを組み立てた格子状セグメント100を示し、図3にはその海中配設状態を示す。
格子状セグメント100は、多数の室101を有し、各室101は上下面に全面開口部101aを、全側面には円形穴101bを形成したものである。
この格子状セグメント100の海中配設は、図3に示すごとく、8個の格子状セグメント100を連結して海底に平面配設したものである。一部の室101には、人工海草102を取り付けたピース103を嵌めてある。
<格子状セグメントの材質構成>
格子状セグメント100の母材は、プラスチックとしこれにバーキュライトと電光石を混合する。
バーキュライト(MgFe2+Al)3(AlSi)4O10(OH)24H2Oは、粉砕して0.5mm〜1mmにしこれを重量比で10〜20%配合する。
バーキュライトの配合により、バーキュライトの軽く多孔質の穴の中に海水を吸い込む際海藻胞子を吸着する。中性であるしイオン化素統も(-)側に近く海水主成分の中では非常に近い化学成分の為胞子の冬眠の宿として最適である。
電光石は、大分県で採掘されている天然電気石でその化学分析値は次のとうりである。
SiO2:66.2%、Al2O3:13.00%、Fe2O3:2.95%、CaO:2.45%、MaO:4.99%、TiO2:0.44% 、Na2O:4.06%、K2O:4.81%、強熱減量:1.1% 合計 100%
この天然電気石を粉砕して0.5mm〜1mmにしこれを重量比で10〜20%配合する。
この天然電光石の配合により、天然電光石が電位体であるので電流力が海流と仮定すると石の表面に超微弱の磁場が発生し、電子は(−)→(+)と流れ、電光石からその化学成分で溶解しやすい鉄イオン、マグネシウムイオン等が出てC32H16N8Fe、C32H16N8Mg等が生成され、植物プラトンが成長する。
【実施例2】
【0018】
<漁礁単体>
本実施例の漁礁単体は、多面セグメント例の他の一つ嵌込連結セグメントを紹介するものである。本例の嵌込連結セグメントは図15や図16(海中浮遊)に示すように多数個連結し浮きと錘又は係留具等を用いて海中に平面浮遊配置したり、図3(海底配置)に示すように海底に多数個を平面固定配置したり、又は、図17に示すように多面支持構造体に配設して任意の大きさの漁礁を構成するものである。
図4に嵌込連結セグメント200の斜視図を示す。嵌込連結セグメント200はウレタンゴム製で長方形の貫通穴201を多数設け、両側端面と上下端面に嵌込連結楔202と楔受203を形成し、多数個を相互に上下・左右連結可能にしたものである。本例の嵌込連結セグメント200は支持構造体に取り付けるため四隅に取り付けボルト204を設けてある。
<嵌込連結セグメントの材質構成>
嵌込連結セグメント200の母材は、ウレタンゴムとしこれにバーキュライトと電光石を混合する。
バーキュライト(MgFe2+Al)3(AlSi)4O10(OH)24H2Oは、粉砕して0.5mm〜1mmにしこれを重量比で10〜20%配合する。
電光石は、大分県で採掘されている天然電気石でその化学分析値は次のとうりである。
SiO2:66.2%、Al2O3:13.00%、Fe2O3:2.95%、CaO:2.45%、MaO:4.99%、TiO2:0.44%、Na2O:4.06%、K2O:4.81%、強熱減量:1.1% 合計 100%
この天然電気石を粉砕して0.5mm〜1mmにしこれを重量比で10〜20%配合する。
【実施例3】
【0019】
<漁礁単体>
本実施例は漁礁単体として、開穴スクリーン例の一つウレタンゴムスクリーンを紹介するものである。本例のウレタンゴムスクリーンは、図15や図16(海中浮遊)に示すように多数個連結し浮きと錘又は係留具等を用いて海中に平面浮遊配置したり、図3(海底配置)に示すように海底に多数個を平面固定配置したり、又は、図17に示すように多面支持構造体に配設して任意の大きさの漁礁を構成するするものである。
ウレタンゴムスクリーンの開穴形状例を図5〜図10に示す。図5のウレタンゴムスクリーン301は開穴形状を正方形301aとし、図6のウレタンゴムスクリーン302は開穴形状を楕円形302aとし、図7のウレタンゴムスクリーン303は開穴形状を多角形303aとし、図8のウレタンゴムスクリーン304は開穴形状を円形304aとし、図9のウレタンゴムスクリーン305は開穴形状を長穴形305aとし、図10のウレタンゴムスクリーン306は開穴形状を長穴リンク形306aとしたものである。
また図11には開穴形状を正方形307aにした長尺ウレタンゴムスクリーン307を示す。
図12には、上記例のウレタンゴムスクリーンを多数平面連結した中型スクリーン300を支持構造体400の表裏面に配設する状態を示す。
図12(B)の支持構造体400は、鉄鋼製であり枠体401内に縦梁402と横梁403を設け、その枠体401の表裏面に図12(A)のウレタンスクリーン300を配設するのである。
<ウレタンゴムスクリーンの材質構成>
上記各例のウレタンゴムスクリーンの母材は、ウレタンゴムとしこれにバーキュライトと電光石を混合する。
バーキュライト (MgFe2+Al)3(AlSi)4O10(OH)24H2Oは、粉砕して0.5mm〜1mmにしこれを重量比で10〜20%配合する。
電光石は、大分県で採掘されている天然電気石でその化学分析値は次のとうりである。
SiO2:66.2%、Al2O3:13.00%、Fe2O3:2.95%、CaO:2.45%、MaO:4.99%、TiO2:0.44% 、Na2O:4.06%、K2O:4.81%、強熱減量:1.1%合計100%。
この天然電気石を粉砕して0.5mm〜1mmにしこれを重量比で10〜20%配合する。
【実施例4】
【0020】
<漁礁単体>
本実施例は、前記各種の漁礁単体と組み合わせるための嵌め込みスクリーンを紹介するものである。本例の嵌め込みスクリーンは、母材は合成樹脂(ウレタンゴム)、プラスチック、天然樹脂等でよく前記各種の漁礁単体の母材と同じように天然電気石やバーキュライトを混合してよく又は混合しないでもよい。
嵌め込みスクリーンは、図15や図16(海中浮遊)に示すように多数個連結し浮きと錘又は係留具等を用いて海中に平面浮遊配置した漁礁単体の一部に代替配置したり、図3(海底配置)に示すように海底に多数個を平面固定配置した漁礁単体の一部に代替配置したり、又は、図17に示すように多面支持構造体に配設して任意の大きさの漁礁を構成する漁礁単体の一部に代替配置するものである。
図13において、嵌め込みスクリーン500は、正方形の本体に嵌め込み穴501を多数設け、これの一部にバーキュライトブロック502を嵌め込み、四隅にイオン化用の鉄亜鉛合金ボルト503とM10ナット504でフェライト磁石505を磁極S,Nを交互にして装着したものである。これでフェライト磁石505からの磁力線が四隅を走るので鉄亜鉛合金ボルト503が海中でイオン化し前記の効果を呈する。
バーキュライトブロック502の製造は、バーキュライト(MgFe2+Al)3(AlSi)4O10(OH)24H2Oを0.5m/m〜1mmに粉砕し、この中に接着剤としてプラスチック系のレジン(尿素系フラン樹脂等)(NH2CONH2,C4H4O)を重量比5%入れて100℃〜150℃の熱の中で攪拌し、これを鋳物の中子砂装置で鋳物砂ブロックにする。
10月〜12月の秋から冬に掛けて海藻は胞子を出す事で次の世代に生命をバトンタッチする。バーキュライトブロック502は多孔質の穴の中に海水を吸い込みその海水中から該胞子を100%キャッチする。しかもバーキュライトは中性でありイオン化系統も(−)側に近く海水主成分の中では非常に近い化学成分の為胞子の冬眠の宿として最適である。
<イオン化系統(−)〜(+):(−)←K,Ca,Na,Mg,Al,Zn,Fe,Ni(Hg),Pb,Cu,Sn,Ag,Pt,Au→(+)>
そしてバーキュライトブロック502はプラスチック素レジンにて固めているから最長で6ヶ月程度にてバラバラと成る為海底の砂に帰るだけでその間は海藻が芽を出し成長する為海藻の根にて固定されている。
【実施例5】
【0021】
<漁礁単体>
本実施例は、前記各種の漁礁単体と組み合わせるための溶解鉄亜鉛ブロックを紹介するものである。
図14に本例溶解鉄亜鉛ブロック700を示す。溶解鉄亜鉛ブロック700は、図15や図16(海中浮遊)に示すように多数個連結し浮きと錘又は係留具等を用いて海中に平面浮遊配置した漁礁単体の一部に代替配置したり、図3(海底配置)に示すように海底に多数個を平面固定配置した漁礁単体の一部に代替配置したり、又は、図17に示すように多面支持構造体に配設して任意の大きさの漁礁を構成する漁礁単体の一部に代替配置するものである。
溶解鉄亜鉛ブロック700は、溶解亜鉛釜の底に溜る針状亜鉛鉄を回収して作った直方体インゴットである。溶解鉄亜鉛ブロック700には磁極方向相互に逆にした1000ガウスのフェライト磁石体701を一対嵌め込んである。これにより溶解鉄亜鉛ブロック700の周囲に磁場が形成されて、海中では前記した効果即ち、フレミングの法則で起微弱な電流を発生させて鉄イオン、亜鉛イオンを海中に放出させてフタロシアニン鉄、フタロシアニン亜鉛を合成し植物プランクトンのミネラル源にし、好ましい植物連鎖を長期に続行維持するものである。
【実施例6】
【0022】
<漁礁単体>
本実施例は漁礁単体として、ウレタンゴム製の長尺ロープを紹介するものである。本例の長尺ロープは、図15や図16(海中浮遊)に示すように多数個連結し浮きと錘又は係留具等を用いて海中に平面浮遊配置したり、図3(海底配置)に示すように海底に多数個を平面固定配置したり、又は、図17に示すように多面支持構造体に配設して任意の大きさの漁礁を構成するものである。
図15に長尺ロープ650aで網棚651を製作した網棚式海洋漁礁650の海中浮遊敷設状態を示す。
網棚式の海洋漁礁650は、網棚651を多数の浮き子652で浮遊支持し錘653で係留したものである。
この網棚式海洋漁礁650に繁茂した海藻655は、定期的に海上の採取船654から刈り取り機656により収穫される。
<ウレタンゴム製の長尺ロープの材質構成>
上記各例のウレタンゴム製の長尺ロープ650aの母材は、ウレタンゴムとしこれにバーキュライトと電光石を混合する。
バーキュライト (MgFe2+Al)3(AlSi)4O10(OH)2,4H2Oは、粉砕して0.5mm〜1mmにし、これを重量比で10〜20%配合する。
電光石は、大分県で採掘されている天然電気石でその化学分析値は次の通りである。
SiO2:66.2%、Al2O3:13.00%、Fe2O3:2.95%、CaO:2.45%、MaO:4.99%、TiO2:0.44%、Na2O:4.06%、K2O:4.81%、強熱減量:1.1%,合計100%
この天然電気石を粉砕して0.5mm〜1mmにしこれを重量比で10〜20%配合する。
これで製作した長尺ロープの漁礁単体とその海中敷設状態は次の通りである。
長尺ロープのサイズは、直径:15〜20mm、長さ:50〜100m、長尺ロープの体力:直径15mm→1766〜2650/g、直径20mm→3140〜4710/g、
長尺ロープの引っ張り強度等は10〜15kg/mm2
【0023】
次に、漁礁単体を連結して構成する海洋漁礁の海中配置についての例を紹介する。
図16には、海中浮遊例の他の実施例を示す。
図16において、海洋漁礁800は、バーキュライトと電光石粉末を配合したウレタンゴムスクリーン800aを多数組み込んで海中に平面浮遊配置したものであり、開穴部801には、海藻の胞子を含侵させた前記したバーキュライトブロック802を嵌め込んだものでる。これで海藻の繁る迄は時間が掛かる為秋場より海藻が成長する30〜60日間は、海底より30cm〜50cm浮かし、4本のSUS製の丸棒803で保持し、これを留める人工ストッパー804は亜鉛密着鍍金にすれば、この鍍金が海水中に溶解して、ストッパー804が離れてウレタンゴムスクリーンの海洋漁礁800は自重で海底に落降する。これで海洋漁礁800に着いた海草は海底生活者のウニ、サザエ、アワビ等のエサとして与えられる。
<人工 ストッパー(電位差溶解ストッパー)804の作り方手順>
1,SUS♯410直径6〜8mmの一対の丸棒803を弾性変形内で曲げさせてその上端部を半田メッキで仮接合する。
2,一対の丸棒803の仮接合部とその周囲に黄銅板805を軽く丸めてパイプ状に配置して亜鉛メッキ槽に入れ、黄銅板805の中に亜鉛Znを満たす。
3,丸棒803端部外周面と黄銅板805内週面間に付着した亜鉛膜は、海水中で30〜60日にて溶解する厚み100ミクロン〜200ミクロンにする。
4,この接合亜鉛膜が溶解することで丸棒803と黄銅板805との接合が開放され、丸棒803が弾性力で直線状に復元し、丸棒803で締めていた海洋漁礁800は開放され自然体で海底に着地する。
図16において、海洋漁礁800は、バーキュライトと電光石粉末を配合したウレタンゴムスクリーン800aを多数組み込んで、浮き601と錘り602により海中に平面浮遊配置したものである。

この図16に示す平面浮遊配置した海洋漁礁800は、図15も同様であるが、カキ筏の周りに適宜数配置して海草などを繁茂すれば浄化体となる。つまりウレタンゴムスクリーン800aは海中に浮いて繁茂海草からの酸素とカキの出す生活排水中のアンモニアを尿素硝酸塩として肥料として回収し海草を大きく成長させるのである。この自然リサイクルの為常に海は正常が保持される。
図17において、大形海洋漁礁は、前記バーキュライトと電光石粉末入りのウレタンゴム製の開穴スクリーン900を海底立脚式の大形の多面支持構造体1000にボルトで取り付け配設したもので係留具等を用いて海中転倒防止をする。
大形の多面支持構造体1000にした場合、造波抵抗も大きく成る。そのため波や潮流の抵抗を少なくするために上に行くほど開穴スクリーン900の開穴901を大きくする。
一方大形の多面支持構造体1000の係留具は、パイプ杭1100を海底に打設しパイプ杭1100と多面支持構造体1000下部を適宜な連結手段により連結固定すればよい。この打設は、パイプ杭の周囲に圧縮空気を噴射しながら海底に打ち込む方式で簡単にパイプ杭の海底打設ができる。
また大形の多面支持構造体1000の中に錘りとして発明者の原田が特許出願中の特願2005-239738、特願267979、302810に記載の前記天然電気石を積めるとよい。この電光石は電位体である為前記の如き効果が得られる。即ち電流力が海流と仮定すると石の表面に起微弱の磁場が発生する その為電子は(−)→(+)と流れる為電光石の化学成分で溶解しやすい鉄イオンマグネシウムイオン等が出る事で C32H16N8Fe、C32H16N8Mg 等が出来やすい為植物プラトンが成長する。
これ等の石を錘りとしたり鉄含有量の比較的高い鉱物を重石とすべきである。多量の鉄材は酸化鉄4Fe+2O2→2FeO+O2↑を作る為酸欠と成る恐れある為注意すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、漁業産業における以下の現状の背景とそれに応えた優れた効果があり、漁業産業上の利用可能性は多大なものがある。
現状の背景として、生活排水が多量に排出される都市近辺の海は、人間の99%を構成する必須元素としての、水素(H)炭素(C)酸素(O)リン(P)硫黄(S)窒素(N)の六元素と、残る1%の27の元素を含むため、常にリン、窒素、硫黄の化学体の生活排水にて異常に富養化される恐れがある。
夏場の赤潮は、リン、窒素にて富養化した植物プランクトンが多量発生するためである。
又、参考図としての図19〜図21のグラフには、日本の四季の海水温度と、栄養塩(燐酸塩及び燐)の含有度との関係を示すが、
1.冬場で2℃〜11℃に対して燐酸塩は0.4〜0.8μmol/1リットル中。
2.春場で8℃〜14℃に対して燐酸塩は0.1〜0.2μmol/1リットル中。
3.夏場で15℃〜24℃に対して燐酸塩は0.1μmol/1リットル中。
4.秋場で10℃〜16℃に対して燐酸塩は0.1〜0.2μmol/1リットル中。
と夏場は海藻の必要とする栄養塩が皆無に等しい事が赤潮の最大の原因である。
夏場に強い海藻としてヒバマタ目属(ヒバタ)コンブ目属(カジメ、アタメ、サガラメ、ツルアラメ) ミル属(ミル、クロミル、サキブトミル、マサゴシハリ) ムカデノリ属(ヒジリメン、カレクグサ、ムカデノリ、カラノリ) ハイウスバノリ属(カカリ、タオヤギソウ、ヒロハノトサカモドキ)等を冬場に胞子を取る為海中にバーキュライトを含有する漁礁単体もしくはバーキュライトブロックを嵌めた漁礁単体等で構築した海洋漁礁を沈めるとこれで夏場の海藻にとっては零に近い栄養塩はカキ養殖筏よりいくらでも出るし、又養殖(タイ、ブリ、ヒラマサ、平目等)近辺は窒素、リンの多量発生源の為夏場に不足する栄養塩の確保が可能である。その為夏場に発生しにくい海藻を本発明の海洋漁礁により多量に繁茂でき、これで人間の生活排水による比較的内海の赤潮対策が可能である。夏場に育つ海藻場を多量に保持する本発明の海洋漁礁を浮べることで赤潮を防ぐ。
一方、原子発電所、火力発電所の復水器冷却用温熱排水は冬場でありながら夏場に近い海水である。その為電力協会がこの温排水を利用してアワビの養殖を実験し、海藻の繁茂についてデーターを取ったが冬場は比較的海藻が少なくても他の所のコンブ、ワカメにて育てる事可能であったが夏場は海藻が育たない為中止に成っている。
土佐沖、富山湾等の深層海水利用とする15℃以下の富養塩にて海中でアワビの海藻を育てても採算出来なかった。
アワビの幼貝は3cmで放流しても0.3%〜0.6%の回収率である理由は、夏場に必要とするアワビが必要とする低温度の海水が少ない為である。近年20℃迄育つコンブもあるが生産量は極小量で実用化は困難である。
夏場に強くかつアワビ、サザエが食べる海藻を育てる事は可能であるがこれには官、民協力を取れば本発明の海洋漁礁にて年中一定温度であれば成長も早く安価なサザエ、アワビが出荷可能である。
例えば養殖イケス回りに本発明の海洋漁礁を配置する事は養殖イケスが比較的外海に多い為年中通して最高20℃前後にキープ出来る。又養殖イケス中の魚の回遊ウズ、又供給中の起乱流は海水の攪拌に継る為富養塩の分散は可能のでイケス回りに設置しても充分育つ。
養殖業者は本発明の海洋漁礁を周囲に配置することで養殖イケスに常に酸素が供給され、魚が健康体になり、かつ繁茂する海藻によりサザエ、アワビの養殖が網の中で可能である。一石二鳥で高収益を上げる事が可能であり、アワビの幼貝は水産庁が100%作る技術を持っている為海藻を育てることが定着すれば海水中の酸素リッチと浄化を助ける事で二重の安全が保障される。
冬場の多量に育つ海藻を年中アワビに供給する為には冷凍海藻にて夏場を乗り切ると言う方法もある。
しかし養殖イケス周りに又はイケスとイケスの間に浮柵タイプ又は浮漁礁タイプにした海藻繁茂専門の本発明の海洋漁礁を設置する事で夏場のアワビの海藻を確保し、アワビを多量に育てる。深夜電力にて半年間保持するか夏場は野菜にて育てる事も可能である。コンブ、ワカメと比較すると食いは悪いが知床半島はすでに実験中で可能である。
魚の養殖も冷凍したイワシ、サンマ、サバ、キビナゴ等を米ぬか等+成長剤+抗生物質 を混合したエサで育てている。
冬場のアメラ、ナガコンブ、ホソメコンブ、ミツイシコンブ等は人間が食用に使わない為採取されてないがアワビとしては最適の海草である。これ等も本発明の海洋漁礁が育てる事ができるのでアワビの養殖は十分可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】稚仔魚及産卵及保護を兼用した海洋漁礁を構成する実施例1の漁礁単体の組み立て前の状態を示す斜視説明図である。
【図2】図1の組み立て後の漁礁単体を示す斜視説明図である。
【図3】図1の漁礁単体で構成した海洋漁礁を海底に配置した状態を示す斜視説明図である。
【図4】実施例2の嵌込連結セグメント200の斜視図を示す
【図5】実施例3において、開穴形状が正方形のウレタンゴムスクリーンの例を示す斜視図である。
【図6】実施例3において、開穴形状が楕円形のウレタンゴムスクリーンの例を示す斜視図である。
【図7】実施例3において、開穴形状が多角形のウレタンゴムスクリーンの例を示す斜視図である。
【図8】実施例3において、開穴形状が円形のウレタンゴムスクリーンの例を示す斜視図である。
【図9】実施例3において、開穴形状が長穴形のウレタンゴムスクリーンの例を示す斜視図である。
【図10】実施例3において、開穴形状が長穴リンク形のウレタンゴムスクリーンの例を示す斜視図である。
【図11】実施例3において、開穴形状が正方形の長尺ウレタンゴムスクリーンの例を示す斜視図である。
【図12】ウレタンゴムスクリーン300を多数平面連結し多面支持構造体400に配設した状態を示す斜視図である。
【図13】実施例4において、嵌め込みスクリーンを示す斜視図である。
【図14】実施例4において、溶解鉄亜鉛ブロック示す斜視図である。
【図15】実施例6において、長尺ロープの漁礁単体を連結して構成する海洋漁礁の海中浮遊配置例の一つを示す斜視図である。
【図16】漁礁単体を連結して構成する海洋漁礁の海中浮遊配置例を示す他の一つを示す斜視図である。
【図17】漁礁単体を連結して構成する海洋漁礁の海底立脚式の例を示す正面説明図である。
【図18】日本の冬と春における日本海PM線の海水温度と、栄養塩(燐酸塩及び燐)の含有度との関係を示す各グラフである。
【図19】日本の夏における日本海PM線の海水温度と、栄養塩(燐酸塩及び燐)の含有度との関係を示す各グラフである。
【図20】日本の夏と秋における日本海PM線の海水温度と、栄養塩(燐酸塩及び燐)の含有度との関係を示す各グラフである。
【符号の説明】
【0026】
100 格子状セグメント
200 嵌込連結セグメント
301 ウレタンゴムスクリーン
300 中型スクリーン
400 支持構造体
500 嵌め込みスクリーン
502 バーキュライトブロック
503 鉄亜鉛合金ボルト
505 フェライト磁石
650a 長尺ロープ
651 網棚
650 網棚式海洋漁礁
652 浮き子
656 刈り取り機
700 溶解鉄亜鉛ブロック
701 フェライト磁石体
800a ウレタンゴムスクリーン
802 バーキュライトブロック
803 海洋漁礁800丸棒
804 人工 ストッパー(電位差溶解ストッパー)
805 黄銅板
900 開穴スクリーン
1000 多面支持構造体
1100 パイプ杭


【特許請求の範囲】
【請求項1】
母材にバーキュライトを20重量%以下及び又は電光石(トルマリン石)を20%重量%以下を含有させた漁礁単体を複数個組み合わせて構成してなることを特徴とする海洋漁礁。
【請求項2】
母材にバーキュライトを20重量%以下及び又は電光石(トルマリン石)を20%重量%以下を含有させた漁礁単体を複数個組み合わせて構成し、前記漁礁単体にフェライト磁石体と鉄亜鉛体を付設したことを特徴とする海洋漁礁。
【請求項3】
漁礁単体の母材を合成樹脂(ウレタンゴム)、プラスチック、天然樹脂等にしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の海洋漁礁。
【請求項4】
漁礁単体を多面セグメントに形成したことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一つに記載の海洋漁礁。
【請求項5】
漁礁単体を開穴スクリーンに形成したことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一つに記載の海洋漁礁。
【請求項6】
漁礁単体を長尺ロープに形成したことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一つに記載の海洋漁礁。
【請求項7】
前記漁礁単体として多面セグメント、開穴スクリーン、長尺ロープの何れか二つ以上を組み合わせて構成したことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一つに記載の海洋漁礁。
【請求項8】
多面セグメント、開穴スクリーン、長尺ロープのいずれか一つ以上の漁礁単体と、フェライト磁石体を付設した溶解鉄亜鉛ブロックとを組み合わせて構成したことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一つに記載の海洋漁礁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−267697(P2007−267697A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−99204(P2006−99204)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(504132962)
【出願人】(000133294)株式会社ダイクレ (65)
【Fターム(参考)】