説明

海藻の施肥装置とその装置を使用した施肥方法

【課題】昆布等の比較的大型の海藻類を大量に生産して燃料として活用するために、人工的に栄養分を供給して海藻の生長の促進と植生可能地域を拡大することが考えられているが、従来の施肥方法では海水に溶出した栄養分が海流と共に海藻の植生域外に早期に流出してしまうため肥料の利用効率が低い。
【解決手段】海面上を移動可能な移動手段1から吊下げられた放出部材3から粒状又は粉状の肥料を海水と混合した混合液状態で海藻の近傍で放出する。粒状又は粉状の肥料を海藻の表面の粘液(ぬめり)に付着させ肥料を海藻表面に留めることで、肥料が海藻の植生域外に流出することを防止し、効率よく栄養分を海藻に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は昆布、ホンダワラ等の海藻の養殖に使用する施肥装置およびその装置を使用した施肥方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年炭酸ガスによる地球温暖化問題の対策の1つとして植物資源を燃料として活用する動きがあり、その中で植物資源の1つとして昆布やホンダワラ等の海底または海水中に係留された植生部材に生育する比較的大型の海藻類を大量に生産して燃料として活用することも検討されている。
【0003】
海藻類は周知のように海水中の養分を主として葉から吸収して生長する。海水中の養分は天然の条件下では地形や海流等の影響を強く受け、目的とする海藻の生育に適した場所が制約されている。そのため養分を人工的に効率よく供給することで地理的な条件の制約を排除して海藻類を大量に生産する技術の確立が期待されている。
【0004】
養分を人工的に供給する方法の1つとして図7に示すように海水に徐々に溶ける固体肥料を肥料の溶出孔110を持つ中空容器100に肥料を収容するとともに、海藻の植生部材である種糸200を前記容器に巻きつけ海中に係留する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平5−316891
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている技術は、海水に徐々に溶ける固体肥料を海藻の近傍に設置した収容器に収容しておくことで海藻に所定の期間持続的に養分を供給することが可能である。しかし、溶出孔110から海中に溶出した養分は海流や波により拡散し、多くの養分は海藻に吸収されずに短時間の間に海藻の生育外の海水中に流出し、肥料の利用効率が低い懸念がある。又、広い植生範囲に均等に養分を供給するためには収容器等の数を多くする必要があり設備コスト的にも懸念がある。植物資源として海藻を大量に生産する場合コストが低いことが重要であり、肥料の利用効率、設備コストのさらなる改良が望まれる。
【0006】
本願の目的は、これらの従来技術の懸念点である養分の拡散に起因する肥料の利用効率の低さと設備コストを低減し、海中に生育する海藻の生長の促進と植生可能地域の拡大を低コストで可能ならしめる技術を提供することである。

【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、施肥装置は海水中に生育する海藻に養分を供給する施肥装置であって、海面上を移動可能な移動手段と、肥料を放出する放出管を含む放出部材を有し、前記放出部材は前記移動手段から吊下げ部材により海水中に吊下げられ、又は前記移動手段に設置された支持手段により海藻近傍に位置することを可能に取り付けられ、海藻の近傍の海水中に前記肥料を放出することを特徴としている。放出部材が移動手段とともに移動することで広い海藻の植生領域に肥料を数の少ない放出部材で供給することが可能であり設備コストを低減できる。又、放出部材を吊下げ部材により海藻の近傍に位置させることで放出部材から放出された肥料が海水とともに海藻の生育外の海水中に拡散してしまう損失割合を少なくしている。
【0008】
請求項2の発明は、施肥装置は請求項1の発明に加え、施肥装置に用いる肥料は固体の粒状又は粉状の肥料であり、海水と混合され固体の粒状又は粉状を維持した混合液状態で放出部材より放出されることを特徴としている。肥料は固体のままで海藻の近傍で放出されるので、固体のままで海藻の表面の粘液(ぬめり)に付着し、徐々に海藻表面の粘液又は海藻表面直近の海水に肥料(養分)を溶出させることができる。このため海水に溶出した養分が海水とともに海藻の生育外の海水中に流出してしまう損失割合を少なくすることができる。
【0009】
請求項3の発明は、施肥装置は請求項1から2の発明に加え、肥料は移動手段に設置された供給ポンプで加圧され供給管を経由して放出部材に供給されることを特徴としている。混合液を加圧した状態で放出孔より放出することで混合液の噴流が作られ噴流とともに肥料を所定の範囲の海藻に供給できる。又、噴流により固体の肥料に慣性力が与えられるため噴流と海藻の接触点で固体の肥料が海藻の表面に付着する率が高まる。
【0010】
請求項4の発明は、施肥装置は以上の発明に加え、吊下げ部材は肥料の供給管であることを特徴としている。供給管が放出部材を吊下げる機能も併せ持つことで設備コストを低減できる。
【0011】
請求項5の発明は、施肥装置は以上の発明に加え、放出部材は肥料の放出管を有し、移動手段は複数の放出管を有することを特徴としている。移動手段が複数の放出管をもつことで一度に広い範囲の海藻にその近傍で肥料を供給することが可能となり、施肥作業に伴う移動距離と時間を短縮でき作業コストを低減できる。
【0012】
請求項6の発明は、以上の発明に加え、放出管は上端を吊下げ部材に接続し、放出孔の方向を決めるための放出管から一方向に突出した方向制御板を有することを特徴としている。放出管の上端を吊下げ部材に接続する簡単な構造で放出管を所定の位置に設定でき、放出管から一方向に突出した方向制御板で海流に対して放出孔の方向を決めるため噴射方向の安定した肥料混合液の噴流を得ることができる。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1から5の発明に加え、放出管は両端又は両端近傍を吊下げ部材に接続し、水平方向に長い状態で移動手段から吊下げられ、水平方向に複数の放出孔を有することを特徴としている。水平方向に複数の放出孔を設置することで、請求項5の発明と同様に一度に広い範囲の海藻にその近傍で肥料を供給することが可能となり、施肥作業に伴う移動距離と時間を短縮でき作業コストを低減できる。又、放出管を水平方向に設置することでその移動にともない海藻を放出管の移動方向前面に寄せ集めることができるため肥料混合液の噴流と海藻の接触機会を多くすることができ、固体肥料が海藻の表面に付着する率を高めることができる。
【0014】
請求項8の発明は、施肥装置は請求項7の発明に加えて、放出管は移動手段の進行方向に突出したガイド部材を有していることを特徴としている。ガイド部材により放出孔と海藻の距離を所定の距離に設定できるため適度な噴流の幅と速度で噴流と海藻を接触させ固体肥料の海藻への付着率を高めることができる。又、ガイド部材の突出量を放出孔の前面は小さくすることで放出孔の前面により多くの海藻を寄せ集めることも可能である。
【0015】
請求項9の発明は、施肥装置は請求項7の発明に加えて、放出管は放出孔から肥料が噴射される方向前方に塗布部材を有していることを特徴としている。放出孔から放出された肥料は一旦塗布部材内に留まり、移動手段の移動にともない塗布部材と接触した海藻に塗布されることで肥料が海藻の表面に付着する。肥料が塗布部材により直接海藻表面に塗布されるため固体肥料の海藻への付着率を高めることができる。
【0016】
請求項10の発明は、施肥装置は請求項1の発明に加え、施肥装置に用いる肥料はゲル状の肥料であり、ゲル状を維持した状態で前記放出部材より放出されることを特徴としている。肥料はゲル状の糸として海水中に放出される。肥料は比重が大きいため沈みながら海水とともに流れ、この過程で海藻に絡まり海藻の表面に付着する。糸状で海水中に放出されるため海藻への付着率が高い。又、ゲル状のままで海藻の表面の粘液(ぬめり)に付着し徐々に海藻表面の粘液又は海藻表面直近の海水に養分を溶出させることができるため、海水に溶出した養分が海水とともに海藻の生育外の海水中に流出してしまう損失割合を少なくすることができる。
【0017】
請求項11の発明は、以上の発明に加えて、移動手段に設けられた位置決め部材から放出管までの吊下げ部材の長さを変えることで放出部材の深さ方向の位置を制御することを特徴としている。放出部材の位置を海藻の植生深さ位置に合わせ設定できるため的確に肥料を海藻に供給できる。
【0018】
請求項12の発明は、以上の発明に加えて、移動手段又は放出部材は海水中の施肥作業を監視する監視手段を有していることを特徴としている。監視手段により作業状況を把握しながら作業ができるため的確に作業を行うことができる。
【0019】
請求項13の発明は、海藻の施肥方法は請求項1から12に記載された発明の施肥装置を使用していることを特徴としている。請求項13の発明の主要な効果としては、供給された養分の利用効率の低さや施肥に関わる作業性を改善し、海中に生育する海藻の生長の促進と植生可能地域の拡大を低コストで可能ならしめる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1と図2は施肥装置(事例1)の全体概要説明図で、図1は横(水平方向)から見た図で、図2は上から見た図である。海藻は海底又は養殖装置のロープ等の植生部材に根を張っている。1は移動手段である船である。施肥装置は供給部材2、放出部材3、位置決め部材4から構成され、移動手段1に設置されている。肥料は供給部材2で海水と混合され放出部材3に供給される。放出部材3は移動手段1に設置された位置決め部材4により決められた位置に吊下げ部材でもある供給管27により吊下げられ海藻の近傍で肥料を放出する。放出部材3が移動手段1とともに移動することで広い海藻の植生領域に肥料を数の少ない放出部材3で供給することが可能である。又、放出部材3を海藻の近傍に位置させることで放出部材3から放出された肥料が海水とともに海藻の生育外の海水中に拡散してしまう損失割合を少なくしている。
【0021】
肥料は好ましくは粒状又は粉状の海水に溶ける速度が遅い遅効性の固体肥料であり、供給部材2で海水と混合され粒状又は粉状を維持した混合液状態で放出部材3より放出される。肥料は粒状又は粉状を維持した混合液状態で海藻の近傍で放出されるので固体の状態で海藻の表面の粘液(ぬめり)に付着し徐々に海藻表面の粘液又は海藻表面直近の海水に養分を溶出させることができる。このため海水に溶出した養分が海水とともに海藻の生育外の海水中に流出してしまう損失割合を少なくすることができる。また肥料が溶ける速度が遅いため一度の施肥作業でその後所定期間持続的に養分を海藻に供給することができる。尚、海藻の表面の粘液(ぬめり)に付着し徐々に海藻表面の粘液又は海藻表面直近の海水に養分を溶出させることはゲル状の肥料によっても可能であり、ゲル状の肥料を用いた事例についても後述される。
【0022】
肥料の混合液は供給部材2で作られ放出部材3に供給される。供給部材2は混合液容器21、海水ポンプ22、海水供給管23、攪拌機24、供給ポンプ25、連絡管26、供給管27により構成されている。肥料の混合液は混合液容器21で肥料と海水ポンプ22で海から汲み上げられた海水とを混合することによって作られる。海水が供給される時に海水供給管23により旋回流が与えられ肥料と海水が攪拌され、必要により攪拌機24によっても肥料と海水が攪拌され均一な混合液が得られる。混合液を供給ポンプ25により加圧し、連絡管26と後述するシャフト42の中空部と供給管27を経由して放出部材3より放出することにより混合液の噴流が作られ噴流とともに肥料を所定の範囲の海藻に供給できる。又、噴流により固体である粒状又は粉状の肥料に慣性力が与えられるため噴流と海藻の接触点で固体肥料が海藻の表面に付着する率が高まる。
【0023】
供給管27は中空のゴム又は樹脂のパイプであり、放出部材3に肥料を送るとともに放出部材3を吊下げている。供給管27が放出部材3の吊下げ機能も併せ持つことで設備コストを低減できる。吊下げ部材は本実施例では供給管27で兼用されているが、他の方法としては、吊下げ部材専用のロープ又はスライド式に長さを変えることができる棒状の支持手段に放出部材3を固定して用い、それとは別に供給管27を設けても良い。
【0024】
放出部材3は、移動手段1から海藻の近傍に吊下げられ肥料を海藻に向けて放出する部材であり、放出管31と放出孔32と方向制御板33で構成されている。放出管31は中空の容器であり、上端が吊下げ部材を兼ねた供給管27と接続している。放出管31は一艘の移動手段1に複数設置され、移動手段1の移動にともない一度に広い範囲の海藻にその近傍で肥料を供給することが可能であり施肥作業にともなう移動手段1の移動距離と時間を短縮でき作業コストを低減できる。
【0025】
放出管31は1つ又は複数の放出孔32を有し、放出孔32から肥料と海水の混合液が海中に放出される。放出孔32から放出される混合液の噴流の方向を決めるため放出管31から一方向に突出した方向制御板33を有している。放出管31の上端を吊下げ部材でもある供給管27に接続する簡単な構造で放出管31を所定の位置に設定でき、放出管31から一方向に突出した方向制御板33で海流に対して放出孔32の方向を決めるため方向の安定した肥料混合液の噴流を得ることができる。
【0026】
位置決め部材4は放出部材3の位置を決めるための部材であり、巻き取り機41、シャフト42、ハンドル43、位置決め部材44により構成されている。吊下げ部材でもある供給管27は巻き取り機41のシャフト42に巻かれている。シャフト42の入口部で図示を省いたシール機構を介して連絡管26とシャフト42の中空部が接続され、さらにシャフト42の中空部と供給管27が接続されている。ハンドル43による手巻き又はモータ等によりシャフト42を回転することで供給管27の巻き取り量を変え放出部材3の深さ方向の位置を変えることができる。放出部材3の水平方向の位置は位置決め部材44により決められる。位置決め部材44は供給管27と放出部材3を通す孔部を先端に設けた棒部材であり、棒部材の移動手段側端部を回転することで施肥作業を行わないときは移動手段1上に収容されている。又、棒部材の長さを長くして複数の孔部45を設置することでさらに多くの放出部材3の位置決めも可能である。供給管27の巻き取り量と位置決め部材44の棒部材長さにより、放出部材3の位置を海藻の植生深さ位置に合わせ設定できるため的確に肥料を海藻に供給できる。
【0027】
監視手段5は水中TVカメラ、超音波モニタ等であり、施肥作業全体が監視できる場所に設置される。監視手段5により作業状況を把握しながら作業ができるため的確に作業を行うことができる。
【0028】
図3は別の施肥装置(事例2)を横から見た全体概要説明図であり、図4は事例2の施肥装置の要部俯瞰図である。図3と図4において海藻は一点鎖線で簡略して表示してある。事例1とは放出部材3が異なっている。放出部材3は放出管31、放出孔32、ガイド部材34により構成されている。放出管31は長い中空容器であり、両端又は両端近傍を吊下げ部材でもある供給管27に接続し、水平方向に長い状態で移動手段1から吊下げられている。放出管31の長手方向(水平方向)に複数の放出孔32が設置されている。ガイド部材34は放出管31から移動手段1の進行方向に突出しており、ガイド部材34の先端位置と放出孔32との間に適当な距離がとられている。
【0029】
図4に施肥作業時の海藻と放出管31のイメージを示している。放出管31の移動にともない海藻がガイド部材34の先端と接触し海藻の上部がガイド部材34を通り過ぎるまで移動手段1の移動方向にひきずられる。この結果、放出孔32の前面に多くの海藻が重なった海藻の膜ができる。この海藻の膜に放出孔32から混合液を放出することで肥料を海藻の表面に付着させることができる。放出管31の長手方向(水平方向)に複数の放出孔32を設置することで、事例1の施肥装置と同様に一度に広い範囲の海藻にその近傍で肥料を供給することが可能となり、施肥作業に伴う移動手段1の移動距離と時間を短縮でき作業コストを低減できる。又、放出管31を水平方向に設置することで、その移動にともない海藻を放出管の移動方向前面に寄せ集めることができるため肥料混合液の噴流と海藻の接触機会を多くすることができ、固体肥料が海藻の表面に付着する率を高めることができる。
さらに、ガイド部材34により放出孔と海藻の距離を所定の距離に設定できるため適度な噴流の幅と速度で噴流と海藻を接触させ固体肥料の海藻への付着率を高めることができる。又、ガイド部材34の突出量を放出孔の前面は小さくすることで放出孔32の前面により多くの海藻を寄せ集めることも可能である。
【0030】
図5は事例2の変型事例の要部縦断面図である。事例2との違いはガイド部材34が塗布部材35で構成されている点である。塗布部材35は柔らかい樹脂などの糸又は平板を束ねて作られたブラシであり、ブラシ押え36で放出管31に設置されている。放出管21には複数の放出孔32が長手方向に設置され、放出孔32よりブラシ35に向けて肥料が放出される。放出された肥料は一旦ブラシ35内に留まり、移動手段1の移動によりブラシ35と接触した海藻に塗布されることで肥料が海藻の表面に付着する。肥料がブラシ35により直接海藻表面に塗布されるため固体肥料の海藻への付着率を高めることができる。塗布部材35はスポンジ等の多孔質弾性部材であってもよい。
【0031】
図6は別の施肥装置(事例3)を横から見た全体概要説明図である。ゲル状の肥料を用いる点が事例1、事例2と異なり、肥料と海水を混合して供給する供給部材2は本実施例では使用されていない点と放出部材6の構成が事例1、事例2の放出部材3と異なっている。肥料とゲル化剤等を用いて作られた適度な流動性をもつゲル状肥料が移動手段1上で収容器61内のゴム袋62により区画された肥料室63に収容された後海水中に吊下げられる。肥料室63は放出管66側に開放している。収容器61の肥料室63ではない空間にポンプ64で海水を注入することで肥料を加圧し放出管66に送る。放出管66にはひとつ又は複数の放出孔67が設けられており、方向制御板65により放出孔67の向きが制御されている。放出孔67からゲル状の肥料が糸状で海水中に放出される。肥料は比重が大きいため沈みながら海水とともに流れ、この過程で海藻に絡まり海藻の表面に付着する。糸状で海水中に放出されるため海藻への付着率が高い。又、ゲル状のままで海藻の表面の粘液(ぬめり)に付着し徐々に海藻表面の粘液又は海藻表面直近の海水に養分を溶出させることができるため、海水に溶出した養分が海水とともに海藻の生育外の海水中に流出してしまう損失割合を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】施肥装置(事例1)を横から見た全体概要説明図である。
【図2】上から見た全体概要説明図である。
【図3】別の施肥装置(事例2)を横から見た全体概要説明図である。
【図4】事例2の施肥装置の要部俯瞰図である。
【図5】事例2の変型事例の要部縦断面図である。
【図6】別の施肥装置(事例3)を横から見た全体概要説明図である。
【図7】従来技術の実施例である。
【符号の説明】
【0033】
1・・・・船(移動手段)
2・・・・供給部材
27・・・供給管(吊下げ部材を兼用)
3・・・・放出部材
4・・・・位置決め部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
海水中に生育する海藻に養分を供給する施肥装置であって、海面上を移動可能な移動手段と、肥料を放出する放出管を含む放出部材を有し、前記放出部材は前記移動手段から吊下げ部材により海水中に吊下げられ、又は前記移動手段に設置された支持手段により海藻の近傍に位置することを可能に取り付けられ、海藻の近傍の海水中に前記肥料を放出することを特徴とする海藻の施肥装置。
【請求項2】
前記肥料は固体の粒状又は粉状の肥料であり、海水と混合され固体の粒状又は粉状を維持した混合液状態で放出部材より放出されることを特徴とする請求項1に記載の施肥装置。
【請求項3】
前記肥料は前記移動手段に設置された供給ポンプで加圧され供給管を経由して前記放出部材に供給されることを特徴とする請求項1又は2に記載の施肥装置。
【請求項4】
前記吊下げ部材は前記供給管であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の施肥装置。
【請求項5】
前記放出部材は前記肥料の放出管を有し、前記移動手段は複数の前記放出管を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の施肥装置。
【請求項6】
前記放出管は上端を前記吊下げ部材に接続し、放出孔の方向を決めるための前記放出管から一方向に突出した方向制御板を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の施肥装置。
【請求項7】
前記放出管は両端又は両端近傍を前記吊下げ部材に接続し、水平方向に長い状態で移動手段から吊下げられ、水平方向に複数の前記放出孔を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の施肥装置。
【請求項8】
前記放出管は前記移動手段の進行方向に突出したガイド部材を有していることを特徴とする請求項7項に記載の施肥装置。
【請求項9】
前記放出管は前記放出孔から肥料が噴射される方向前方に塗布部材を有していることを特徴とする請求項7項に記載の施肥装置。
【請求項10】
前記肥料はゲル状の肥料であり、ゲル状を維持した状態で前記放出部材より放出されることを特徴とする請求項1に記載の施肥装置。
【請求項11】
前記移動手段に設けられた位置決め部材から前記放出管までの前記吊下げ部材の長さを変えることで前記放出部材の深さ方向の位置を制御することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の施肥装置。
【請求項12】
前記移動手段又は放出部材は海水中の施肥作業を監視する監視手段を有していることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の施肥装置。
【請求項13】
請求項1から12に記載された海藻の前記施肥装置のいずれか1項の施肥装置を使用した海藻の施肥方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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