浸透圧測定心臓監視デバイスおよび方法
本発明の実施形態は、とりわけ浸透圧測定センサを用いる監視するデバイスおよび方法に関する。一実施形態において、本発明は、浸透圧測定センサであって、体液の浸透強度に対応する信号を生成するように構成されている、浸透圧測定センサと、浸透圧測定センサと通信するコントローラであって、コントローラは、体液の浸透強度に対応する信号を受信し、処理するように構成されている、コントローラとを含む埋め込み型心不全監視システムを含む。他の局面および実施形態は、本明細書において提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国以外のすべての指定国に対する出願人である米国国内企業のCardiac Pacemakers,Inc.ならびに米国のみの指定に対する出願人である、米国国民のAllan Charles Shuros、米国国民のEric A.Mokelke、および米国国民のMichael John Kane、中国国民のJihong Quの名前で、2008年7月9日にPCT国際特許出願として出願されており、2007年7月18日に出願された、名称が「Osmometric Heart Monitoring Device and Methods」である米国特許出願第11/779,403号に対する優先権を主張し、該出願の内容は、本明細書に参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本開示は、概して患者の心臓を監視するデバイスおよび方法に関し、より詳細には、とりわけ浸透圧測定センサを用いて監視するデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
心臓の疾患は、先進国における主要な死因である。心臓の1つの例示的な疾患は、心不全であり、国立心肺血液研究所(NHLBI)によると、米国において500万人を超える人を悩ませている。心不全は、心臓の機能の異常が抹消組織の代謝要求を満たすのに適切なレベルより下に降下し得る、正常量より少ない心拍出量を引き起こす臨床的症候群をいう。
【0004】
虚血は、多くの種類の心臓疾患に関係し得る状況である。虚血は、血液を供給する血管の収縮または遮断によって引き起こされる、体の一部分への不適切な血流として説明され得る。虚血は、体のどの部分が不適切な血流を受けるかによって非常に深刻な状態となり得る。例えば、虚血は、心筋層の部分が冠状動脈における遮断または収縮のために適切な血流を受けられない場合、心筋梗塞という結果をもたらし得る。
【0005】
患者の生理的状態を監視することは、心不全および心筋虚血を含む心臓の疾患および状況の診断、管理および治療における重要な局面である。そのようなものとして、様々な監視システムが時と共に開発されてきた。これらの監視システムの多くは、心臓の電気的な活動を感知し、次いで、患者の生理的状態を決定するためにこの活動を評価することによる。しかしながら、患者の生理的状態についての正確な情報を提供し得るさらなるタイプの監視システムに対するニーズが引き続きある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の概要)
本発明の実施形態は、とりわけ浸透圧測定センサを用いる監視するデバイスおよび方法に関する。一実施形態において、本発明は、浸透圧測定センサであって、体液の浸透強度に対応する信号を生成するように構成されている、浸透圧測定センサと、浸透圧測定センサと通信するコントローラであって、コントローラは、体液の浸透強度に対応する信号を受信し、処理するように構成されている、コントローラとを含む埋め込み型心不全監視システムを含む。
【0007】
一実施形態において、本発明は、浸透pHセンサであって、浸透pHセンサは体液のpHに対応する信号を生成するように構成される、浸透pHセンサを含む。浸透pHセンサは、密閉容積を画定する壁部材であって、壁部材は半透膜を備えている、壁部材と、溶媒と溶質とを含む溶液であって、溶液は、密閉容積内に配置され、溶質は、約7.3と約7.5との間のpH範囲内で浸透強度を変化させるように構成されている、溶液とを含み得る。半透膜は、溶媒に対して浸透性であり、溶質に対して不浸透性であり得る。システムは、浸透pHセンサと通信するコントローラとをさらに含み得る。
【0008】
本概要は、本出願の教示の一部の概観であり、本主題の排他的または網羅的な治療法であることは意図されない。さらなる詳細は、詳細な説明および添付の特許請求の範囲に見出される。以下の詳細な説明を読みそして理解し、詳細な説明の一部を形成する図面であって、その各々が限定する意味で取られるべきではない、図面を見ると、他の局面は当業者にとって明らかである。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの法定の均等物によって定義される。
【0009】
本発明は、以下の図面に関連してより完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の実施形態に従う例示的浸透圧測定センサの概略斜視図である。
【図2】図2は、図1の線2−2’に沿ってとられた例示的浸透圧測定センサの概略断面図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態に従う変換構造の概略図である。
【図4】図4は、本発明の別の実施形態に従う浸透圧測定センサの概略断面図である。
【図5】図5は、本発明の別の実施形態に従う浸透圧測定センサの概略断面図である。
【図6】図6は、本発明の別の実施形態に従う浸透圧測定センサの概略断面図である。
【図7】図7は、本発明の別の実施形態に従う浸透圧測定センサの概略断面図である。
【図8】図8は、本発明の別の実施形態に従う浸透圧測定センサの概略断面図である。
【図9】図9は、本発明の別の実施形態に従う浸透圧測定センサの概略斜視図である。
【図10】図10は、本発明の実施形態に従う電気刺激リード線の概略図である。
【図11】図11は、本発明の実施形態に従う浸透圧測定センサに連結した監視デバイスの概略図である。
【図12】図12は、本発明の実施形態に従う浸透圧測定センサに連結した監視デバイスの概略図である。
【図13】図13は、本発明の実施形態に従う例示的埋め込み型システムの一部の構成要素の概略図である。
【図14】図14は、本発明の実施形態に従う例示的方法のフローチャートである。
【図15】図15は、本発明の実施形態に従う例示的方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、様々な修正および代替の形態が可能であるが、本発明の明細は、例および図面によって示され、詳細に説明される。しかしながら、本発明が説明される特定の実施形態に限定されないことは理解されるべきである。それどころか、意図は、本発明の精神および範囲内に入る修正物、均等物および代替物を含むことである。
【0012】
(発明の詳細な説明)
心不全などの一部の心臓の疾患および状態は、体内における細胞外液の浸透強度の変化によって表され得る。腎臓系は通常、望ましい正常範囲内に体液の浸透強度を維持するように機能を果たす。しかしながら、心不全の状況において、心拍出量の特有の減少は、腎潅流の減少による腎機能に対して抑制する影響を有し、このことが、圧力のナトリウム排泄増加機構による塩分および水分の排出の減少を引き起こす。レニン−アンギオテンシン−アルドステロン系はまた、水分および血漿の量の貯留を促進し、心拍出量の減少を補う。低い血圧および/または心拍出量に応答する交感神経活動の増加はまた、腎機能をなおもさらに抑制し得る。その結果、心不全の基本的な影響は流体の大幅な貯留を含み得、このことは、体内の細胞外液の浸透強度の減少という結果になり得る。この理由により、心不全患者の状態および進行を監視する1つのアプローチは、患者の細胞外液の浸透強度を監視することである。
【0013】
本明細書に含まれるデバイスおよびシステムの実施形態は、患者の細胞外液の浸透強度を測定するかまたは推定することによって、患者の生理的状態の検出および監視を可能にする浸透圧測定センサを含み得る。本明細書に説明されることの範囲を限定するのではないが、例示的実施形態の様々な局面が、ここでより詳細に説明される。
【0014】
ここで図1を参照すると、本発明の実施形態に従う例示的浸透圧測定センサ100の概略斜視図が示される。浸透圧測定センサ100は、壁部材102を含む。浸透圧測定センサ100はまた、半透膜104を含む。壁部材102は、ポリマー、金属、セラミックスなどを含む様々な種類の材料を含み得る。半透膜は、下記に説明されるような材料などの材料を含み得る。
【0015】
浸透圧測定センサ100はまた、信号送信要素106を含む。信号送信要素106は、信号送信要素106の湾曲に応答して信号を生成するように構成される構成要素を含み得る。壁部材102は、リード部材108に取り付けられる。リード部材108は、リード線本体と導体とを含み得、信号送信要素106から埋め込みデバイス(図示されていない)に信号を伝えるように働き得る。
【0016】
ここで図2を参照すると、図1の線2−2’に沿ってとられた例示的浸透圧測定センサ100の概略断面図が示される。壁部材102、半透膜104、および信号送信要素106は一緒に、内部容積114を画定する。溶質および溶媒を含む溶液は、内部容積114内に配置され得る。
【0017】
動作時、密閉容積114内の圧力は、浸透のプロセスの結果、変化し得る。浸透は、エネルギの追加の入力なしに異なる浸透強度を有する2つの溶液を分離する半透膜(溶媒に対して浸透性があり、溶質に対して浸透性がない)を横切って溶媒が移動する物理的プロセスである。浸透強度は、浸透圧モル濃度および/または浸透圧重量モル濃度で記述され、測定され得ることは理解される。オスモル(Osm)は、溶液内の浸透的に活性の分子のモル数を定義する、測定の非SI単位(non−SI unit)である。1オスモルは、1モルの浸透的に活性の分子に等しい。浸透圧モル濃度は、溶液1リットル当りのオスモルの単位(measure)である。浸透圧重量モル濃度は、溶媒の1キログラム当りのオスモルの単位である。
【0018】
浸透による溶媒の基本的な移動は、より濃度の低い(低張の、より低い浸透強度の)溶液から、より濃度の高い(高張の、より高い浸透強度の)溶液への移動である。そのようなものとして、密閉容積114内の溶液がデバイスの外部の体液より高い浸透強度を有する場合、流体は、半透膜104を横切り、密閉容積114の中に拡散し得、その中の圧力を増加させ得る。逆に、密閉容積114内の溶液がデバイスの外部の体液より低い浸透強度を有する場合、流体は、半透膜104を横切り、密閉容積114から拡散し得、その中の圧力を減少させ得る。
【0019】
一部の実施形態において、壁部材102および半透膜は両方とも、実質的に剛性であり、変形に耐える。一部の実施形態において、信号送信要素106はたわみ性がある。そのようなものとして、密閉容積114の内部の圧力の変化は、信号送信要素106の湾曲をもたらし得る。具体的にいうと、密閉容積114の内部の圧力がデバイスの外部の圧力を超えた場合、信号送信要素106は、外側に曲がり得、密閉容積114を効果的に拡張し得る。逆に、密閉容積114の内部の圧力がデバイスの外部の圧力より低い場合、信号送信要素106は、内側に曲がり得、密閉容積114を効果的に収縮させ得る。
【0020】
信号送信要素106は、湾曲に応答して信号を生成するように構成され得る。例として、信号送信要素106は、湾曲に応答して光信号および/または電気信号を生成するように構成され得る。湾曲に基づいて信号を生成する多くの方法があることは理解される。例として、信号送信要素106は、湾曲に応答して電流を生成するポリ(フッ化ビニリデン)(PVDF)などの圧電性材料を含み得る。別の例として、信号送信要素106は、湾曲に応答して抵抗を変化させる構造を含み得る。例示の抵抗ベース湾曲センサは米国特許第5,583,476号に説明され、該特許の内容は本明細書に参考として援用される。別の例として、信号送信要素106は、信号送信要素106の湾曲に応答して静電容量が変化する構造を含み得る。一部の実施形態において、信号送信要素106は、信号損失によって湾曲を検出するように構成される光ファイバを含み得る。
【0021】
第1の導体110および第2の導体112は、信号送信要素106との信号通信を提供し得る。例として一部の実施形態において、第1の導体110および第2の導体112は、電気導体であり得、信号送信要素106との電気的通信を提供し得る。
【0022】
信号送信要素106によって生成される信号は、浸透圧測定センサを囲む体液における浸透強度を引き出すために処理され得る。具体的にいうと、湾曲と浸透強度変化との関係は、決定され、次いで体液の浸透強度を引き出すために適用される。一部の実施形態において、湾曲と浸透強度との関係は、事前に決定され得、デバイスの中にプログラムされ得る。一部の実施形態において、デバイスは、湾曲と浸透強度との関係を調整するために、公知の浸透強度をもつ一連の溶液を用いて較正され得る。
【0023】
一部の実施形態において、信号送信要素または信号送信要素の構成要素の形状および構成は、最適な生理的値の上および下の、動作の大きいダイナミックレンジを維持しながら、デバイスの感度を向上させる非線形応答特性を提供するように構成され得る。ここで図3を参照すると、本発明の実施形態に従う変換構造150が示される。変換構造150は、本明細書に説明される様々な実施形態の信号送信要素の一部であり得る。変換構造150は、ドーム形状を有する複数のくぼみ(152、154、156、158)を含み得る。くぼみ(152、154、156、158)は、変換構造の第1の側160と第2の側162との間に閾値圧力差が存在するまで、変形に抵抗するように構成され得る。例えば、くぼみは半硬質の材料から作られ得る。一旦、閾値圧力差が達せられると、くぼみは、矢印164の方向に外側に曲がり(裏返しにし)得る。くぼみは、圧電性材料または湾曲に基づいて抵抗を変化させる材料などの材料を含み得、その結果、くぼみが裏返しになったとき、検出可能信号が生成され得る。一部の実施形態において、くぼみの各々は、異なる閾値圧力差において裏返しになるように構成され得る。このようにして、圧力の変化によって表されるような浸透強度の変化は、非線形的に信号送信要素によって検出され得る。非線形応答特性を生成する他の構造もまた本明細書において意図されることは理解される。
【0024】
上記のように、密閉容積は、1つの溶媒と1つ以上の溶質とを含み得る。一部の実施形態において、溶媒は水である。溶質は、多くの異なる種類の化合物を含み得る。例として、溶質は、タンパク質、炭水化物、無機塩または有機塩、無機酸もしくは有機酸または塩基、リピド、アミノ酸などを含み得る。一実施形態において、溶質は、体内で自然に生じる化合物を含む。一実施形態において、溶質は、高安定性および低毒性を有する低分子量化合物に媒体を含む。一実施形態において、溶質は、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、および塩化マンガンのうちの1つ以上を含む。一実施形態において、溶質は、1つ以上のリン酸塩(リン酸カルシウムなど)および/または炭酸塩(炭酸カルシウムなど)を含む。一実施形態において、溶質はグルコースである。一実施形態において、溶質はアルブミン(albumen)である。溶質のさらなる例は下記に説明される。
【0025】
体液における浸透強度の正常値は、1kg当り約280〜303 mOsmである。そのようなものとして一部の実施形態において、密閉容積114内の溶液は、デバイスが患者に植え込まれているとき、1kg当り約280〜303 mOsmの初期浸透強度を有する。
【0026】
一部の実施形態において、信号送信要素および半透膜は互いに隣接して配置され得る。ここで図4を参照すると、別の実施形態に従う浸透圧測定センサ200の概略断面図が示される。浸透圧測定センサ200は、壁部材202と、半透膜204と、半透膜204の上に配置される信号送信要素206とを含む。この実施形態において、壁部材202は実質的に剛性であるが、半透膜204および信号送信要素206は両方ともたわみ性がある。密閉容積214内の圧力は浸透により変化するので、半透膜204および信号送信要素206は曲がり得、信号送信要素206は信号を生成し得る。第1の導体210および第2の導体212などの1つ以上の導体は、信号送信要素206との通信を提供するために、リード線208の中を通り得る。
【0027】
一部の実施形態において、浸透圧測定センサは圧力を感知する1つ以上のセンサを含み得、次いで浸透圧測定センサの外部の体液の浸透強度が、感知された圧力に基づいて計算され得る。例として、ここで図5を参照すると、本発明の別の実施形態に従う浸透圧測定センサ300が示される。浸透圧測定センサ300は、壁部材302と、半透膜304と、信号送信要素306とを含む。壁部材302、半透膜304、および信号送信要素306は、密閉容積314を画定し得る。壁部材302、半透膜304、および信号送信要素306はすべて、剛性の材料から作られ得、その結果、密閉容積314は、大きさが実質的に変化しない。第1の導体310および第2の導体312などの1つ以上の導体は、信号送信要素306との通信を提供するために、リード線308の中を通り得る。
【0028】
信号送信要素306は、第1の圧力センサ316と第2のセンサ318とを含み得る。第1の圧力センサ316および第2のセンサ318は、例えば、電気式圧力センサ、機械式圧力センサ、または光学式圧力センサなどの任意のタイプの圧力センサを含み得る。例として、一部の例示的圧力センサは、米国特許第6,237,398号に説明され、該特許の内容は本明細書に参考として援用される。第1の圧力センサ316は、密閉容積314の内部の圧力に対応する信号を生成するように構成され得る。第2の圧力センサ318は、密閉容積314の外部の圧力に対応する信号を生成するように構成され得る。密閉容積314の内部の圧力と密閉容積の外部の圧力との差は、浸透のプロセスによる。この差は、第1の圧力センサ316によって測定されるような圧力から、第2の圧力センサ318によって測定されるような圧力を引くことによって直接に測定され得る。この測定された差は次いで、密閉容積の内部の溶液と細胞外液との浸透強度の差を決定するために用いられ得る。浸透強度の差を用いて、密閉容積の内部の溶液の浸透強度が既知である場合、細胞外液の浸透強度が次いで計算され得る。
【0029】
本明細書の実施形態において用いられるように、患者の内部の局部圧力(または大気圧)もまた、浸透圧測定センサから物理的に切り離されている圧力センサによって測定され得ることは理解される。例として、患者の内部の局部圧力は、本明細書に説明されるようにシステムまたはデバイスの他の構成要素と無線通信する遠隔(または衛星)センサによって測定され得る。ここで図6を参照すると、本発明の別の実施形態に従う浸透圧測定センサ400が示される。浸透圧測定センサ400は、壁部材402と、半透膜404と、信号送信要素406とを含む。壁部材402、半透膜404、および信号送信要素406は、密閉容積414を画定し得る。第1の導体410および第2の導体412などの1つ以上の導体は、信号送信要素406との通信を提供するために、リード線408の中を通り得る。
【0030】
信号送信要素406は、第1の圧力センサ416を含み得る。第1の圧力センサ416は、密閉容積414の内部の圧力に対応する信号を生成するように構成され得る。第2の圧力センサ418は、第1の圧力センサ416から遠く離れて配置され得る。第2の圧力センサ418は、密閉容積414の外部の圧力に対応する信号を生成するように構成され得る。第2の圧力センサ418は、浸透圧測定センサを含む、システムの他の構成要素に無線で送信され得る信号を生成するように構成され得る。例として、第2の圧力センサ418は、例えば、無線周波数(RF)によって、音響的に、誘導的に、光学的に信号を送信するように構成され得る。
【0031】
一部の実施形態において、浸透圧測定センサは、浸透強度を引き出すためにインピーダンス測定を用い得る。一部の実施形態において、インピーダンスベース浸透圧測定センサは、密閉容積の浸透強度の変化に応答して拡張および収縮するように構成される密閉容積を含み得る。ここで図7を参照すると、本発明の別の実施形態に従う浸透圧測定センサ500の概略断面図が示される。浸透圧測定センサ500は、壁部材502と半透膜504とを含む。壁部材502および半透膜504は一緒に、密閉容積514を画定し得る。1つ以上の溶質と1つの溶媒とを含む溶液は、密閉容積内に配置され得る。第1の電極516および第2の電極518は、壁部材502に対して配置され得る。一部の実施形態において、第1の電極516および第2の電極518は、密閉容積514内の壁部材502の向かい合う側に配置される。
【0032】
浸透により水が密閉容積514の中に入るかまたは密閉容積から出ると、密閉容積は大きさが変化し得るように、壁部材502および/または半透膜504は、伸縮自在であり得る。しかしながら、閉鎖容積内の溶質の全量は一定であり、水が密閉容積の中に入るかまたは密閉容積から出ると、密閉容積内の溶質の濃度が変化する。溶質は、その濃度に基づいて密閉容積を介するインピーダンスの一因となる種を含み得る。従って、浸透圧測定センサを囲む体液の浸透強度が変化した結果、密閉容積が増加または減少すると、インピーダンスは変化する。インピーダンスは第1の電極516と第2の電極518との間で測定され得る。インピーダンスが測定された後に、一実施形態において、浸透強度は、特定の浸透強度値に対する特定のインピーダンス値をマッピングするルックアップテーブルに従って、引き出され得る。そのようなルックアップテーブルは、デバイスの埋め込みの前または後に較正され得る(インビトロまたはインビボ較正)。第1の導体510および第2の導体512は、リード線508の中を通り、電気的通信を提供するために第2の電極518および第1の電極516にそれぞれ接続し得る。
【0033】
一部の実施形態において、浸透圧測定センサは、浸透強度を引き出すために光測定を用い得る。ここで図8を参照すると、別の実施形態に従う浸透圧測定センサ600の概略断面図が示される。浸透圧測定センサ600は、壁部材602と半透膜604とを含む。壁部材602および半透膜604は一緒に、密閉容積614を画定し得る。光励起アセンブリ616および光検出アセンブリ618は、壁部材602に対して配置され得る。一部の実施形態において、光励起アセンブリ616および光検出アセンブリ618は、密閉容積614内の壁部材602の向かい合う側に配置される。
【0034】
壁部材602および/または半透膜604は、密閉容積614の大きさが変化し得るように伸縮自在であり得る。具体的にいうと、壁部材602およびまたは半透膜604は、密閉容積が拡張すると、光励起アセンブリ616と光検出アセンブリ618との間の距離が増加し得るように構成され得る。電磁エネルギ(光など)の信号損失は、光励起アセンブリ616と光検出アセンブリ618との間で測定され得る。例えば、光は光励起アセンブリ616から発せられ得、次いで光検出アセンブリ618によって受信され得る。光が密閉要素614を通過する距離が遠ければ遠いほど、より多くの光が拡散して失われる。光励起アセンブリ616と光検出アセンブリ618との間の光信号強度の損失を改善するために、一部の実施形態において、密閉容積614は、拡散を改善しかつ/または光を吸収する構成要素を含む溶液で満たされ得る。
【0035】
光励起アセンブリ616は、発光ダイオード(LED)などの光源を含み得る。光検出アセンブリ618は、電荷結合素子(CCD)、フォトダイオード、接合電界効果トランジスタ(JFET)タイプの光センサ、または相補型金属酸化膜半導体(CMOS)タイプの光センサなどの光受信器を含み得る。
【0036】
光検出アセンブリ618によって検出されるような光信号の強度は次いで、浸透デバイスを囲む体液の浸透強度を評価するために用いられ得る。信号損失が大きければ大きいほど、光励起アセンブリ616と光検出アセンブリ618との間の距離は大きく、従って体液の浸透強度が低い。この関係は存在する。なぜなら体液における浸透強度が低ければ低いほど、より多くの流体が体液から密閉容積614の中に入り、それによって密閉容積614の大きさを拡張させるからである。
【0037】
別の実施形態において、浸透圧測定センサは、浸透強度を評価するために様々な生理的溶液の濃度を直接に測定し得る。例えば、血漿における浸透強度は、次の式に従って評価され得る。
【0038】
【数1】
ここで、[Na+]は溶媒1kg当りのナトリウムイオンのモル数であり、[K+]は溶媒1kg当りのカリウムイオンのモル数であり、[BUN]は、溶媒1デシリットル当りの血液尿素窒素(ミリグラム)であり、[Glucose]は溶媒の1デシリットル当りのグルコース(ミリグラム)である。そのようなものとして一実施形態において、浸透センサは、ナトリウムイオン、カリウムイオン、グルコースおよび血液尿素窒素などの1つ以上の生理的溶液の濃度を決定する化学センサを含み得る。電位差センサと、比色センサと、蛍光化学センサとを含む多くの異なるタイプの化学センサが用いられ得る。適切な化学センサの一例は、米国特許出願第11/383,933号に説明され、該特許出願の内容は、本明細書において参考として援用される。
【0039】
ここで図9を参照すると、本発明の別の実施形態に従う浸透圧測定センサの概略斜視図が示される。浸透圧測定センサ650は、リード線部材658と化学センサアレイ652とを含む。浸透圧測定センサ650は、複数の化学感知要素660、662、664、および666を含み得る。一部の実施形態において、化学感知要素660、662、664、および666の各々は、異なる生理的溶液の濃度を検出するように構成され得る。例えば、一部の実施形態において、化学感知要素660は、ナトリウムイオンの濃度を測定するように構成され得る。一部の実施形態において、化学感知要素662は、カリウムイオンの濃度を測定するように構成され得る。一部の実施形態において、化学感知要素664は、血液尿素窒素(BUN)の濃度を測定するように構成され得る。一部の実施形態において、化学感知要素666は、グルコースの濃度を測定するように構成され得る。
【0040】
多くの他のタイプの浸透圧測定センサもまた用いられ得る。浸透圧測定センサの一例は、米国特許出願第5,388,449号に説明され、該特許出願の内容は、本明細書において参考として援用される。
【0041】
本明細書において説明されるような浸透圧測定センサが多くの異なる場所において患者の中に植え込まれ得ることは理解される。一部の実施形態において、浸透圧測定センサは、血管内に植え込まれ得る。例として、浸透圧測定センサは、鎖骨下静脈、上大静脈または下大静脈、右心房または左心房、右心室または左心室、肺動脈、冠状静脈洞などの中に配置され得る。他の実施形態において、浸透圧測定センサは、血管外に植え込まれ得る。例として、浸透圧測定センサは、心膜、腹膜腔、胸膜間腔、肺などに植え込まれ得る。一部の実施形態において、浸透圧測定センサは、腎臓系内に植え込まれ得る。一部の実施形態において、浸透圧測定センサは、間質液、リンパ液、脳脊髄液などを含む領域内に植え込まれ得る。
【0042】
一部の実施形態において、本明細書において説明されるような浸透圧測定センサは、他の埋め込み型デバイスまたはシステムの一部であり得る。例えば、一部の実施形態において、浸透圧測定センサは、電気刺激リード線などのリード線に連結され得る。ここで図10を参照すると、本発明の実施形態に従う電気刺激リード線の概略図が示される。電気刺激リード線700は、近位端712と遠位端714とを有するリード線本体702を含む。電気刺激リード線700は、第1の刺激電極704と、遠位端714の近くに位置を決められる第2の刺激電極705とを含む。一部の実施形態において、第1の刺激電極704は先端電極と呼ばれ得、第2の刺激電極705は環状電極と呼ばれ得る。電気刺激リード線700は、リード線本体702内に配置される1つ以上の導体(図示されていない)を含み得る。刺激リード線700が、ペーシングリード線、除細動リード線、冠状静脈リード線などであり得ることは理解される。刺激リード線がペーシングの他に除細動のために用いられる場合などの一部の実施形態において、刺激リード線はまた、刺激リード線の遠位端714の近くに衝撃コイルを含み得る。
【0043】
刺激リード線700はさらに、心調律管理(CRC)デバイスなどの埋め込み型デバイスに刺激リード線700を接続する接続プラグ706を含む。接続プラグ706は、DF−1、VS−1、IS−1およびIS−4規格を含む、リード線−ヘッダインタフェース設計の様々な規格に準拠し得る。接続プラグ706は、刺激リード線内に配置される種々の導体に対応する複数の電気接触点を含み得る。一部の実施形態において、刺激リード線は、心臓組織などの刺激の目標組織に刺激リード線を係合することを助けるために、固定要素708を含み得る。
【0044】
浸透圧測定センサ710は、リード線本体702に配置され得る。浸透圧測定センサ710は、浸透圧測定センサ710の部位において体液の浸透強度に相互に関連する信号を生成するように構成され得る。一実施形態において、浸透圧測定センサ710は、刺激リード線700の近位端712より刺激リード線の遠位端714に近い地点においてリード線本体に連結され得る。他の実施形態において、浸透圧測定センサ710は、刺激リード線700の遠位端714より刺激リード線700の近位端712に近い地点においてリード線本体に連結され得る。
【0045】
一部の実施形態において、浸透圧測定センサからの信号は、リード線部材または刺激リード線を通って監視デバイスに進み得る。一部の実施形態において、監視デバイスは、心調律管理(CRM)デバイスであり得る。ここで図11を参照すると、本発明の実施形態に従う浸透圧測定センサ810に連結した監視デバイス842の概略図が示される。監視デバイス842は、ハウジング843とヘッダアセンブリ844とを含み得る。監視デバイス842はまた、コントローラモジュール830を含み得る。監視デバイス842は、1つ以上のリード線802、832に連結され得る。リード線802、832はそれぞれ、電極804および834を含み得る。具体的には、監視デバイス842は、浸透圧測定センサ810に連結されるリード線802に連結され得る。しかしながら、一部の実施形態において、監視デバイス842および浸透圧測定センサ810は無線通信され得ることは理解される。
【0046】
図11に示される図において、電極804および834はそれぞれ、心臓824の右心室822および右心房820内に位置を決められる。リード線802における浸透圧測定センサ810の相対的な位置決めに基づいて、浸透圧測定センサ810は、この図において心臓824の右心室822内に位置を決められる。しかしながら、浸透圧測定センサが体の他の部位内にも同様に配置され得ることは理解される。例えば、一部の実施形態において、浸透圧測定センサは、冠状静脈系の中に進むリード線に位置を決められ得、その結果、浸透圧センサ自体が冠状静脈系内に位置を決められる。理論よって制約されることは意図しないが、冠状静脈リード線上などの冠状静脈系内に浸透圧測定センサの位置を決めることは、冠状静脈系内の心血漿の浸透強度を測定することによって可能となる感度および/または特性のために望ましくあり得る。
【0047】
一部の実施形態において、浸透圧測定センサは、心臓824の外部に配置されるように位置を決められ得る。例えば、浸透圧測定センサは、鎖骨下静脈、または鎖骨下静脈と心臓との間の脈管系の別の部分内に配置されるような位置におけるリード線上に配置され得る。
【0048】
外部の監視デバイス852もまた、本明細書の実施形態と共に含まれ得、監視デバイス842と無線通信し得る。例えば、コントローラ830によって格納されるような、浸透圧測定センサに関するデータは、外部監視デバイス852に無線で送信され得る。外部監視デバイス852は、枕もとの監視システム、外部プログラマ、および/または患者管理システムであり得る。例示的患者管理システムは、マサチューセッツ州NatickのBoston Scientific Corporationから市販されているLATITUDE(登録商標)患者管理システムを含む。例示的患者管理システムの局面は、米国特許第6,978,182号において説明され、該特許の内容は本明細書に参考として援用される。
【0049】
一部の実施形態において、浸透圧測定センサは、監視デバイスおよび/またはCRMデバイスのハウジングに連結され得る。ここで図12を参照すると、本発明の実施形態に従う浸透圧測定センサ860に連結した監視デバイス892の概略図が示される。監視デバイス892は、ハウジング893とヘッダアセンブリ894とを含み得る。監視デバイス892は、1つ以上のリード線854、882に連結され得る。浸透圧測定センサ860は、監視デバイス892のハウジング893に配置され得る。一部の実施形態において、浸透圧測定センサは、ヘッダアセンブリに配置され得る。
【0050】
本発明の実施形態は、具体的にいえば、1つ以上の電気刺激リード線と共に、CRMデバイスなどの埋め込み型医療デバイスと、1つ以上の浸透圧測定センサとを含む埋め込み型システムとを含み得る。埋め込み可能医療デバイスは、具体的にいえば、ペースメーカー、埋め込み型電気除細動器(implantable cardioverter−defibrillator)(ICD)、心臓再同期療法(cardiac resynchronization therapy)(CRT)デバイスなどを含み得る。埋め込み型医療デバイスは、浸透圧測定センサからの信号を受信し、処理するために、様々な構成要素を含み得る。ここで図13を参照すると、例示的埋め込み型システム900の一部の構成要素が概略的に例示される。埋め込み型医療システム900は、1つ以上の刺激リード線930および928に連結されるコントローラモジュール972を含み得る。コントローラモジュール972はまた、浸透圧測定センサ970とコントローラモジュール972との間の通信を提供し得る導体968を介して浸透圧センサ970に連結され得る。
【0051】
コントローラモジュール972は、二方向データバスを介してメモリ946と通信するマイクロプロセッサ948(またはプロセッサ)を含み得る。メモリ946は、典型的には、プログラム格納のためのROMまたはRAMと、データ格納のためのRAMとを含む。コントローラモジュール972は、本明細書に説明されるような、信号の処理および方法の実行などの様々な演算を実行するように構成され得る。遠隔測定インタフェース964はまた、プログラマデバイスまたは患者管理システムなどの外部ユニットと通信するために提供される。
【0052】
コントローラモジュール972は、感知増幅器952と、出力回路954と、マイクロプロセッサ948のポートと二方向に通信する心室チャネルインタフェース950とを含む心室感知チャネルおよび心室ペーシングチャネルを含み得る。心室感知チャネルおよび心室ペーシングチャネルは、刺激リード線930および電極934と通信し得る。コントローラモジュール972は、感知増幅器958を含む心房感知チャネルおよび心房ペーシングチャネルと、出力回路960と、マイクロプロセッサ948のポートと二方向に通信する心房チャネルインタフェース956とを含み得る。心房感知およびペーシングチャネルは、刺激リード線928および電極932と通信し得る。各チャネルに対して、同じリード線および電極が、感知およびペーシングの両方のために用いられ得る。チャネルインタフェース950および956はアナログ−デジタル変換器を含み得、該アナログ−デジタル変換器は、ペーシングパルスを出力し、ペーシングパルス振幅を変化させ、感知増幅器のための利得値および閾値を調整するために、マイクロプロセッサによって書き込まれ得る、感知増幅器およびレジスタからの感知信号入力をデジタル化する。
【0053】
コントローラモジュール972はまた、感知増幅器966と、マイクロプロセッサ948のポートと通信する浸透圧測定センサチャネルインタフェース962とを含む浸透圧測定センサチャネルを含み得る。浸透圧センサチャネルは、導体968を介して浸透圧測定センサ970と通信し得る。一部の実施形態において、導体968は、刺激リード線928または930などの刺激リード線内に配置される。
【0054】
本明細書に説明されるような浸透圧測定センサを有する埋め込み型システムは、様々な動作および/または方法を実行するように構成され得る。例えば、コントローラモジュールは、体液の浸透強度に対応する信号を処理するように構成され得る。信号の処理は、信号を浸透強度に関する情報に変換すること、信号に関する情報を格納すること、様々な閾値に関係する浸透強度を評価することなどの様々な動作を含み得る。
【0055】
ここで図14を参照すると、本発明の実施形態に従う例示的方法が示される。第1の動作1002において、埋め込み型システムは、浸透圧測定センサを用いて体液の浸透強度に関する信号を生成する。第2の動作1004において、システムは、信号を処理し得、体液の浸透強度を決定し、該浸透強度に関する情報を格納し得る。第3の動作1006において、システムは、体液の浸透強度が閾値によって正常生理的範囲とは異なるかどうかを評価し得る。閾値は、ケアプロバイダによってシステムの中にプログラムされ得る。閾値を超えた場合、第4の動作1008において、外部デバイスを介して警告通知をケアプロバイダに送信し得る。しかしながら、閾値を超えない場合、システムは、方法を繰り返し得、第1の動作1002から開始し得る。
【0056】
一部の実施形態において、本発明は、浸透圧測定センサを用いて検出されるように体液の浸透強度の変化に応答して療法を開始または調節するように構成される埋め込み型システムを含み得る。概して、体液の正常浸透強度より低い浸透強度は、流体貯留のため血漿量の増加に関連している。この状況を治療する1つのアプローチは、伝統的に利尿活性剤の投与によって達成される、血漿量を減少させることである。患者のペーシングレートを増加させることは、糸球体濾過の増加、従って血漿量の減少をもたらし得ると考えられる。そのようなものとして、一部の実施形態において、システムは、浸透圧測定センサによって生成される信号に基づいて心臓ペーシングレートを調節するように構成され得る。一部の実施形態において、ペースメーカーなどの、患者に植え込まれる監視デバイスおよび/またはペーシングデバイスの最小ペーシングレートは、正常浸透強度よりも低い浸透強度が検出された場合、増加され得る。
【0057】
ここで図15を参照すると、本発明の別の実施形態に従う例示的方法が示される。第1の動作1102において、浸透強度は浸透圧測定センサを用いて検出され得る。第2の動作1104において、浸透強度は正常値(履歴値に基づくかまたはプログラムされた設定に基づく正常)と比較して評価され得る。測定された浸透強度が少なくとも閾値量だけ正常値より少ない場合、動作1106において、最小ペーシングレートなどの、ペーシングデバイスのペーシングレートは増加され得る。一部の実施形態において、最小ペーシングレートは特定の固定量だけ増加され得る。他の実施形態において、最小ペーシングレートは、測定された浸透強度と正常浸透強度値との差に比例した量だけ増加され得る。しかしながら、測定された浸透強度が少なくとも閾値量だけ正常値と異ならない場合、動作1108において、最小ペーシングレートは、正常最小ペーシングレートに設定され得る。本発明の実施形態は、これらの動作を実行するように構成される埋め込み型医療デバイスを含み得る。
【0058】
様々な実施形態において、体液の正常浸透強度より低い浸透強度にしばしば関連する血漿量の増加を減殺するために、他の療法ステップがデバイスによって開始され得ることは理解される。例として、一部の実施形態において、刺激は迷走神経に当てられ得る。一部の実施形態において、活性剤を用いる利尿療法は、薬剤ポンプの活動によるかまたは利尿薬を飲むように患者に指示を与えることなどによって開始され得る。
【0059】
(浸透pHセンサおよび関係システム)
心筋虚血は、心臓に影響を及ぼす重大な状況である。しかしながら概して、急性心筋虚血は、細胞外液の浸透強度の実質的な変化をもたらさない。しかしながら、虚血は、細胞外液のpHの変化を確実にもたらす。具体的にいうと、虚血は、潅流が不十分である組織においてpHの減少をもたらす。溶解したCO2の濃度の増加および乳酸の濃度の増加は、このpHの減少の一因となると考えられる。
【0060】
浸透圧測定センサが、pHの変化に応答して化学形を変化させる溶液を含む場合、そのようなpHの変化は、浸透圧測定センサの密閉容積内の浸透圧の変化によって表され得る。そのようなものとして、本明細書に含まれるデバイスおよびシステムの実施形態は、患者の細胞外液のpHを測定するかまたは推定することによって、患者の生理的状態の検出および監視を可能にする浸透pHセンサを含み得る。
【0061】
上記のように、本明細書に説明される浸透圧測定センサの実施形態は、浸透pHセンサを含み得る。そのような浸透pHセンサは、pHの変化をもたらすが必ずしも細胞外液浸透強度の変化をもたらさない虚血などの状況を検出するために用いられ得る。次の図は、酸の解離の場合などpHが変化するときに起こり得る一般化された化学反応を示す。
【0062】
【数2】
浸透強度は、束一性特性であるので、サブコンポーネント(または浸透的活性種)に解離する化合物によって影響を受ける。例として、解離されたH+およびA−から完全に構成される溶液は、溶質が完全にHAの形態である場合の溶液の2倍の浸透強度を有する。そのようなものとして、本明細書に説明されるような浸透圧測定センサは、浸透圧測定センサによって密閉される容積が生理的pH値の可能な範囲内におけるpHの変化に応答して解離/会合し得る溶液を含む場合、浸透pHセンサとして機能を果たし得る。例えば、浸透圧測定センサ(図1〜図2および図4〜図8に示されるものなど)の密閉容積は、約6.0〜約10.0のpKaを有する溶質を含み得る。概して、pHが化合物のpKa値に等しい場合、化合物は50%解離される。従ってそのような溶質は、pHが生理的pH値の可能な範囲内において変化するとき、密閉容積内の溶液の浸透強度に対して影響を及ぼす。
【0063】
多くの異なる溶質が、本発明の浸透pHセンサに用いられ得る。例として、例示的溶質は、とりわけ、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(pKa=6.1);ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(pKa=6.5);N−(2−アセトアミド)−2−イミノ二酢酸(pKa=6.6);2−[(2−アミノ−2−オキソニチル)アミノ]エタンスルホン酸(pKa=6.8);ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸(pKa=6.8);3−(N−モルホリノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(pKa=6.9);1,3−ビス[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]プロパン(pKa=6.8);N,N−ビス(2−ヒドロキエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(pKa=7.1);3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(pKa=7.2);N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(2−エタンスルホン酸)(pKa=7.5);N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸(pKa=7.5);3−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(pKa=7.6);3−[N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]―2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(pKa=7.6);トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(pKa=8.1);N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(pKa=7.8);ピペラジン−N,N’−ビス(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(pKa=7.8);N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(3−プロパンスルホン酸(pKa=8.0);トリエタノールアミン(triethanolamined)(pKa=7.8);N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン(pKa=8.1);N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(pKa=8.3);N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(pKa=8.4);3−[(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(pKa=9.0);2−(N−シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(pKa=9.3);3−(シクロヘキシルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(pKa=9.6);2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(pKa=9.7);および2−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(pKa=10.4)を含み得る。一部の実施形態において、溶質は、硫酸ナトリウム水素、炭酸ナトリウム水素、硫化ナトリウム水素、および様々なフォスファターゼなどの様々な酸性塩を含み得る。一部の実施形態において、溶質は、1つ以上の低温酸性塩(酒石酸カリウム、リン酸カルシウム、クエン酸カルシウム)または高温酸性塩(リン酸カルシウムアルミニウムなど)を含み得る。
【0064】
本明細書に説明される浸透pHセンサは、冠状静脈系内を含む体の様々な場所に配置され得る。例として、一実施形態において、浸透pHセンサは、冠状静脈電気刺激リード線などのリード線上に配置され、浸透pHセンサが冠状静脈系内にあるように位置を決められ得る。
【0065】
(半透膜)
本発明の実施形態は、半透膜を含み得る。本明細書で用いられるような用語「半透膜」は、溶媒に対して浸透性であるが、1つ以上の溶質に対して不浸透性である膜をいい、その結果、半透膜は、浸透のプロセスにおいて用いられ得る。膜などの物に適用されるような用語「不浸透性」は、1つ以上の化合物が物質を通過することを実質的にふさぐ物をいう。
【0066】
半透膜が多くの異なる種類の材料から構成され得ることは理解される。例えば、半透膜は、セルロース、セルロース誘導体、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびポリシロキサンなどのポリマーを含み得る。材料の特定の選択は、所望の引裂き強度、所望のたわみ性などの要因に依存し得る。一部の実施形態において、半透膜は生物適合材料を含む。
【0067】
一部の実施形態において、半透膜は多孔性であり得る。細孔は、水分子の通過が可能であるほど十分に大きいが体液に見出される様々な溶質の通過を妨げるほど十分に小さい直径を有し得る。
【0068】
半透膜は、使用の条件下で引裂きを防ぐ強度を提供するほど十分である厚さを有し得る。一部の実施形態において、半透膜は、たわみ性を維持するほど十分に薄くあり得る。他の実施形態において、半透膜は、実質的に剛性である。一部の実施形態において、半透膜は、厚さが約1ナノメートル〜約2ミリメートルである。
【0069】
この明細書および添付の特許請求の範囲において用いられるように、単数形「a」、「an」、および「the」が、内容が明らかに別のことを指示しない限り、複数の指示対象を含むことは注意されるべきである。用語「or」は、内容が明らかに別のことを指示しない限り、「および/または」を含むその用語の意味で一般的に用いられることは注意されるべきである。
【0070】
この明細書および添付の特許請求の範囲において用いられるように、フレーズ「構成される」が、特定のタスクを実行するかまたは特定の構成を採用するように組み立てられるかまたは構成されるシステム、装置、または他の構造を説明することは注意されるべきである。フレーズ「構成される」は、「配置される」、「配置され、構成される」、「組み立てられ、配置される」、「組み立てられる」、「製造され、配置される」などの他の類似のフレーズと交換可能に用いられ得る。
【0071】
この明細書におけるすべての刊行物および特許出願は、本発明が関係する当業者のレベルを示す。すべての刊行物および特許出願は、各個々の刊行物または出願が特定的かつ個々に参考として示される場合と同じ程度に、本明細書において参考として援用される。
【0072】
本出願は、本主題の改造または変形を含むように意図される。上記の説明は、例示的であり、限定的ではないことが意図される。本主題の範囲は、添付の特許請求の範囲と、それと共にそのような特許請求の範囲が権利のある均等物の全範囲とを参照して決定されるべきである。
【技術分野】
【0001】
本願は、米国以外のすべての指定国に対する出願人である米国国内企業のCardiac Pacemakers,Inc.ならびに米国のみの指定に対する出願人である、米国国民のAllan Charles Shuros、米国国民のEric A.Mokelke、および米国国民のMichael John Kane、中国国民のJihong Quの名前で、2008年7月9日にPCT国際特許出願として出願されており、2007年7月18日に出願された、名称が「Osmometric Heart Monitoring Device and Methods」である米国特許出願第11/779,403号に対する優先権を主張し、該出願の内容は、本明細書に参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本開示は、概して患者の心臓を監視するデバイスおよび方法に関し、より詳細には、とりわけ浸透圧測定センサを用いて監視するデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
心臓の疾患は、先進国における主要な死因である。心臓の1つの例示的な疾患は、心不全であり、国立心肺血液研究所(NHLBI)によると、米国において500万人を超える人を悩ませている。心不全は、心臓の機能の異常が抹消組織の代謝要求を満たすのに適切なレベルより下に降下し得る、正常量より少ない心拍出量を引き起こす臨床的症候群をいう。
【0004】
虚血は、多くの種類の心臓疾患に関係し得る状況である。虚血は、血液を供給する血管の収縮または遮断によって引き起こされる、体の一部分への不適切な血流として説明され得る。虚血は、体のどの部分が不適切な血流を受けるかによって非常に深刻な状態となり得る。例えば、虚血は、心筋層の部分が冠状動脈における遮断または収縮のために適切な血流を受けられない場合、心筋梗塞という結果をもたらし得る。
【0005】
患者の生理的状態を監視することは、心不全および心筋虚血を含む心臓の疾患および状況の診断、管理および治療における重要な局面である。そのようなものとして、様々な監視システムが時と共に開発されてきた。これらの監視システムの多くは、心臓の電気的な活動を感知し、次いで、患者の生理的状態を決定するためにこの活動を評価することによる。しかしながら、患者の生理的状態についての正確な情報を提供し得るさらなるタイプの監視システムに対するニーズが引き続きある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の概要)
本発明の実施形態は、とりわけ浸透圧測定センサを用いる監視するデバイスおよび方法に関する。一実施形態において、本発明は、浸透圧測定センサであって、体液の浸透強度に対応する信号を生成するように構成されている、浸透圧測定センサと、浸透圧測定センサと通信するコントローラであって、コントローラは、体液の浸透強度に対応する信号を受信し、処理するように構成されている、コントローラとを含む埋め込み型心不全監視システムを含む。
【0007】
一実施形態において、本発明は、浸透pHセンサであって、浸透pHセンサは体液のpHに対応する信号を生成するように構成される、浸透pHセンサを含む。浸透pHセンサは、密閉容積を画定する壁部材であって、壁部材は半透膜を備えている、壁部材と、溶媒と溶質とを含む溶液であって、溶液は、密閉容積内に配置され、溶質は、約7.3と約7.5との間のpH範囲内で浸透強度を変化させるように構成されている、溶液とを含み得る。半透膜は、溶媒に対して浸透性であり、溶質に対して不浸透性であり得る。システムは、浸透pHセンサと通信するコントローラとをさらに含み得る。
【0008】
本概要は、本出願の教示の一部の概観であり、本主題の排他的または網羅的な治療法であることは意図されない。さらなる詳細は、詳細な説明および添付の特許請求の範囲に見出される。以下の詳細な説明を読みそして理解し、詳細な説明の一部を形成する図面であって、その各々が限定する意味で取られるべきではない、図面を見ると、他の局面は当業者にとって明らかである。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの法定の均等物によって定義される。
【0009】
本発明は、以下の図面に関連してより完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の実施形態に従う例示的浸透圧測定センサの概略斜視図である。
【図2】図2は、図1の線2−2’に沿ってとられた例示的浸透圧測定センサの概略断面図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態に従う変換構造の概略図である。
【図4】図4は、本発明の別の実施形態に従う浸透圧測定センサの概略断面図である。
【図5】図5は、本発明の別の実施形態に従う浸透圧測定センサの概略断面図である。
【図6】図6は、本発明の別の実施形態に従う浸透圧測定センサの概略断面図である。
【図7】図7は、本発明の別の実施形態に従う浸透圧測定センサの概略断面図である。
【図8】図8は、本発明の別の実施形態に従う浸透圧測定センサの概略断面図である。
【図9】図9は、本発明の別の実施形態に従う浸透圧測定センサの概略斜視図である。
【図10】図10は、本発明の実施形態に従う電気刺激リード線の概略図である。
【図11】図11は、本発明の実施形態に従う浸透圧測定センサに連結した監視デバイスの概略図である。
【図12】図12は、本発明の実施形態に従う浸透圧測定センサに連結した監視デバイスの概略図である。
【図13】図13は、本発明の実施形態に従う例示的埋め込み型システムの一部の構成要素の概略図である。
【図14】図14は、本発明の実施形態に従う例示的方法のフローチャートである。
【図15】図15は、本発明の実施形態に従う例示的方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、様々な修正および代替の形態が可能であるが、本発明の明細は、例および図面によって示され、詳細に説明される。しかしながら、本発明が説明される特定の実施形態に限定されないことは理解されるべきである。それどころか、意図は、本発明の精神および範囲内に入る修正物、均等物および代替物を含むことである。
【0012】
(発明の詳細な説明)
心不全などの一部の心臓の疾患および状態は、体内における細胞外液の浸透強度の変化によって表され得る。腎臓系は通常、望ましい正常範囲内に体液の浸透強度を維持するように機能を果たす。しかしながら、心不全の状況において、心拍出量の特有の減少は、腎潅流の減少による腎機能に対して抑制する影響を有し、このことが、圧力のナトリウム排泄増加機構による塩分および水分の排出の減少を引き起こす。レニン−アンギオテンシン−アルドステロン系はまた、水分および血漿の量の貯留を促進し、心拍出量の減少を補う。低い血圧および/または心拍出量に応答する交感神経活動の増加はまた、腎機能をなおもさらに抑制し得る。その結果、心不全の基本的な影響は流体の大幅な貯留を含み得、このことは、体内の細胞外液の浸透強度の減少という結果になり得る。この理由により、心不全患者の状態および進行を監視する1つのアプローチは、患者の細胞外液の浸透強度を監視することである。
【0013】
本明細書に含まれるデバイスおよびシステムの実施形態は、患者の細胞外液の浸透強度を測定するかまたは推定することによって、患者の生理的状態の検出および監視を可能にする浸透圧測定センサを含み得る。本明細書に説明されることの範囲を限定するのではないが、例示的実施形態の様々な局面が、ここでより詳細に説明される。
【0014】
ここで図1を参照すると、本発明の実施形態に従う例示的浸透圧測定センサ100の概略斜視図が示される。浸透圧測定センサ100は、壁部材102を含む。浸透圧測定センサ100はまた、半透膜104を含む。壁部材102は、ポリマー、金属、セラミックスなどを含む様々な種類の材料を含み得る。半透膜は、下記に説明されるような材料などの材料を含み得る。
【0015】
浸透圧測定センサ100はまた、信号送信要素106を含む。信号送信要素106は、信号送信要素106の湾曲に応答して信号を生成するように構成される構成要素を含み得る。壁部材102は、リード部材108に取り付けられる。リード部材108は、リード線本体と導体とを含み得、信号送信要素106から埋め込みデバイス(図示されていない)に信号を伝えるように働き得る。
【0016】
ここで図2を参照すると、図1の線2−2’に沿ってとられた例示的浸透圧測定センサ100の概略断面図が示される。壁部材102、半透膜104、および信号送信要素106は一緒に、内部容積114を画定する。溶質および溶媒を含む溶液は、内部容積114内に配置され得る。
【0017】
動作時、密閉容積114内の圧力は、浸透のプロセスの結果、変化し得る。浸透は、エネルギの追加の入力なしに異なる浸透強度を有する2つの溶液を分離する半透膜(溶媒に対して浸透性があり、溶質に対して浸透性がない)を横切って溶媒が移動する物理的プロセスである。浸透強度は、浸透圧モル濃度および/または浸透圧重量モル濃度で記述され、測定され得ることは理解される。オスモル(Osm)は、溶液内の浸透的に活性の分子のモル数を定義する、測定の非SI単位(non−SI unit)である。1オスモルは、1モルの浸透的に活性の分子に等しい。浸透圧モル濃度は、溶液1リットル当りのオスモルの単位(measure)である。浸透圧重量モル濃度は、溶媒の1キログラム当りのオスモルの単位である。
【0018】
浸透による溶媒の基本的な移動は、より濃度の低い(低張の、より低い浸透強度の)溶液から、より濃度の高い(高張の、より高い浸透強度の)溶液への移動である。そのようなものとして、密閉容積114内の溶液がデバイスの外部の体液より高い浸透強度を有する場合、流体は、半透膜104を横切り、密閉容積114の中に拡散し得、その中の圧力を増加させ得る。逆に、密閉容積114内の溶液がデバイスの外部の体液より低い浸透強度を有する場合、流体は、半透膜104を横切り、密閉容積114から拡散し得、その中の圧力を減少させ得る。
【0019】
一部の実施形態において、壁部材102および半透膜は両方とも、実質的に剛性であり、変形に耐える。一部の実施形態において、信号送信要素106はたわみ性がある。そのようなものとして、密閉容積114の内部の圧力の変化は、信号送信要素106の湾曲をもたらし得る。具体的にいうと、密閉容積114の内部の圧力がデバイスの外部の圧力を超えた場合、信号送信要素106は、外側に曲がり得、密閉容積114を効果的に拡張し得る。逆に、密閉容積114の内部の圧力がデバイスの外部の圧力より低い場合、信号送信要素106は、内側に曲がり得、密閉容積114を効果的に収縮させ得る。
【0020】
信号送信要素106は、湾曲に応答して信号を生成するように構成され得る。例として、信号送信要素106は、湾曲に応答して光信号および/または電気信号を生成するように構成され得る。湾曲に基づいて信号を生成する多くの方法があることは理解される。例として、信号送信要素106は、湾曲に応答して電流を生成するポリ(フッ化ビニリデン)(PVDF)などの圧電性材料を含み得る。別の例として、信号送信要素106は、湾曲に応答して抵抗を変化させる構造を含み得る。例示の抵抗ベース湾曲センサは米国特許第5,583,476号に説明され、該特許の内容は本明細書に参考として援用される。別の例として、信号送信要素106は、信号送信要素106の湾曲に応答して静電容量が変化する構造を含み得る。一部の実施形態において、信号送信要素106は、信号損失によって湾曲を検出するように構成される光ファイバを含み得る。
【0021】
第1の導体110および第2の導体112は、信号送信要素106との信号通信を提供し得る。例として一部の実施形態において、第1の導体110および第2の導体112は、電気導体であり得、信号送信要素106との電気的通信を提供し得る。
【0022】
信号送信要素106によって生成される信号は、浸透圧測定センサを囲む体液における浸透強度を引き出すために処理され得る。具体的にいうと、湾曲と浸透強度変化との関係は、決定され、次いで体液の浸透強度を引き出すために適用される。一部の実施形態において、湾曲と浸透強度との関係は、事前に決定され得、デバイスの中にプログラムされ得る。一部の実施形態において、デバイスは、湾曲と浸透強度との関係を調整するために、公知の浸透強度をもつ一連の溶液を用いて較正され得る。
【0023】
一部の実施形態において、信号送信要素または信号送信要素の構成要素の形状および構成は、最適な生理的値の上および下の、動作の大きいダイナミックレンジを維持しながら、デバイスの感度を向上させる非線形応答特性を提供するように構成され得る。ここで図3を参照すると、本発明の実施形態に従う変換構造150が示される。変換構造150は、本明細書に説明される様々な実施形態の信号送信要素の一部であり得る。変換構造150は、ドーム形状を有する複数のくぼみ(152、154、156、158)を含み得る。くぼみ(152、154、156、158)は、変換構造の第1の側160と第2の側162との間に閾値圧力差が存在するまで、変形に抵抗するように構成され得る。例えば、くぼみは半硬質の材料から作られ得る。一旦、閾値圧力差が達せられると、くぼみは、矢印164の方向に外側に曲がり(裏返しにし)得る。くぼみは、圧電性材料または湾曲に基づいて抵抗を変化させる材料などの材料を含み得、その結果、くぼみが裏返しになったとき、検出可能信号が生成され得る。一部の実施形態において、くぼみの各々は、異なる閾値圧力差において裏返しになるように構成され得る。このようにして、圧力の変化によって表されるような浸透強度の変化は、非線形的に信号送信要素によって検出され得る。非線形応答特性を生成する他の構造もまた本明細書において意図されることは理解される。
【0024】
上記のように、密閉容積は、1つの溶媒と1つ以上の溶質とを含み得る。一部の実施形態において、溶媒は水である。溶質は、多くの異なる種類の化合物を含み得る。例として、溶質は、タンパク質、炭水化物、無機塩または有機塩、無機酸もしくは有機酸または塩基、リピド、アミノ酸などを含み得る。一実施形態において、溶質は、体内で自然に生じる化合物を含む。一実施形態において、溶質は、高安定性および低毒性を有する低分子量化合物に媒体を含む。一実施形態において、溶質は、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、および塩化マンガンのうちの1つ以上を含む。一実施形態において、溶質は、1つ以上のリン酸塩(リン酸カルシウムなど)および/または炭酸塩(炭酸カルシウムなど)を含む。一実施形態において、溶質はグルコースである。一実施形態において、溶質はアルブミン(albumen)である。溶質のさらなる例は下記に説明される。
【0025】
体液における浸透強度の正常値は、1kg当り約280〜303 mOsmである。そのようなものとして一部の実施形態において、密閉容積114内の溶液は、デバイスが患者に植え込まれているとき、1kg当り約280〜303 mOsmの初期浸透強度を有する。
【0026】
一部の実施形態において、信号送信要素および半透膜は互いに隣接して配置され得る。ここで図4を参照すると、別の実施形態に従う浸透圧測定センサ200の概略断面図が示される。浸透圧測定センサ200は、壁部材202と、半透膜204と、半透膜204の上に配置される信号送信要素206とを含む。この実施形態において、壁部材202は実質的に剛性であるが、半透膜204および信号送信要素206は両方ともたわみ性がある。密閉容積214内の圧力は浸透により変化するので、半透膜204および信号送信要素206は曲がり得、信号送信要素206は信号を生成し得る。第1の導体210および第2の導体212などの1つ以上の導体は、信号送信要素206との通信を提供するために、リード線208の中を通り得る。
【0027】
一部の実施形態において、浸透圧測定センサは圧力を感知する1つ以上のセンサを含み得、次いで浸透圧測定センサの外部の体液の浸透強度が、感知された圧力に基づいて計算され得る。例として、ここで図5を参照すると、本発明の別の実施形態に従う浸透圧測定センサ300が示される。浸透圧測定センサ300は、壁部材302と、半透膜304と、信号送信要素306とを含む。壁部材302、半透膜304、および信号送信要素306は、密閉容積314を画定し得る。壁部材302、半透膜304、および信号送信要素306はすべて、剛性の材料から作られ得、その結果、密閉容積314は、大きさが実質的に変化しない。第1の導体310および第2の導体312などの1つ以上の導体は、信号送信要素306との通信を提供するために、リード線308の中を通り得る。
【0028】
信号送信要素306は、第1の圧力センサ316と第2のセンサ318とを含み得る。第1の圧力センサ316および第2のセンサ318は、例えば、電気式圧力センサ、機械式圧力センサ、または光学式圧力センサなどの任意のタイプの圧力センサを含み得る。例として、一部の例示的圧力センサは、米国特許第6,237,398号に説明され、該特許の内容は本明細書に参考として援用される。第1の圧力センサ316は、密閉容積314の内部の圧力に対応する信号を生成するように構成され得る。第2の圧力センサ318は、密閉容積314の外部の圧力に対応する信号を生成するように構成され得る。密閉容積314の内部の圧力と密閉容積の外部の圧力との差は、浸透のプロセスによる。この差は、第1の圧力センサ316によって測定されるような圧力から、第2の圧力センサ318によって測定されるような圧力を引くことによって直接に測定され得る。この測定された差は次いで、密閉容積の内部の溶液と細胞外液との浸透強度の差を決定するために用いられ得る。浸透強度の差を用いて、密閉容積の内部の溶液の浸透強度が既知である場合、細胞外液の浸透強度が次いで計算され得る。
【0029】
本明細書の実施形態において用いられるように、患者の内部の局部圧力(または大気圧)もまた、浸透圧測定センサから物理的に切り離されている圧力センサによって測定され得ることは理解される。例として、患者の内部の局部圧力は、本明細書に説明されるようにシステムまたはデバイスの他の構成要素と無線通信する遠隔(または衛星)センサによって測定され得る。ここで図6を参照すると、本発明の別の実施形態に従う浸透圧測定センサ400が示される。浸透圧測定センサ400は、壁部材402と、半透膜404と、信号送信要素406とを含む。壁部材402、半透膜404、および信号送信要素406は、密閉容積414を画定し得る。第1の導体410および第2の導体412などの1つ以上の導体は、信号送信要素406との通信を提供するために、リード線408の中を通り得る。
【0030】
信号送信要素406は、第1の圧力センサ416を含み得る。第1の圧力センサ416は、密閉容積414の内部の圧力に対応する信号を生成するように構成され得る。第2の圧力センサ418は、第1の圧力センサ416から遠く離れて配置され得る。第2の圧力センサ418は、密閉容積414の外部の圧力に対応する信号を生成するように構成され得る。第2の圧力センサ418は、浸透圧測定センサを含む、システムの他の構成要素に無線で送信され得る信号を生成するように構成され得る。例として、第2の圧力センサ418は、例えば、無線周波数(RF)によって、音響的に、誘導的に、光学的に信号を送信するように構成され得る。
【0031】
一部の実施形態において、浸透圧測定センサは、浸透強度を引き出すためにインピーダンス測定を用い得る。一部の実施形態において、インピーダンスベース浸透圧測定センサは、密閉容積の浸透強度の変化に応答して拡張および収縮するように構成される密閉容積を含み得る。ここで図7を参照すると、本発明の別の実施形態に従う浸透圧測定センサ500の概略断面図が示される。浸透圧測定センサ500は、壁部材502と半透膜504とを含む。壁部材502および半透膜504は一緒に、密閉容積514を画定し得る。1つ以上の溶質と1つの溶媒とを含む溶液は、密閉容積内に配置され得る。第1の電極516および第2の電極518は、壁部材502に対して配置され得る。一部の実施形態において、第1の電極516および第2の電極518は、密閉容積514内の壁部材502の向かい合う側に配置される。
【0032】
浸透により水が密閉容積514の中に入るかまたは密閉容積から出ると、密閉容積は大きさが変化し得るように、壁部材502および/または半透膜504は、伸縮自在であり得る。しかしながら、閉鎖容積内の溶質の全量は一定であり、水が密閉容積の中に入るかまたは密閉容積から出ると、密閉容積内の溶質の濃度が変化する。溶質は、その濃度に基づいて密閉容積を介するインピーダンスの一因となる種を含み得る。従って、浸透圧測定センサを囲む体液の浸透強度が変化した結果、密閉容積が増加または減少すると、インピーダンスは変化する。インピーダンスは第1の電極516と第2の電極518との間で測定され得る。インピーダンスが測定された後に、一実施形態において、浸透強度は、特定の浸透強度値に対する特定のインピーダンス値をマッピングするルックアップテーブルに従って、引き出され得る。そのようなルックアップテーブルは、デバイスの埋め込みの前または後に較正され得る(インビトロまたはインビボ較正)。第1の導体510および第2の導体512は、リード線508の中を通り、電気的通信を提供するために第2の電極518および第1の電極516にそれぞれ接続し得る。
【0033】
一部の実施形態において、浸透圧測定センサは、浸透強度を引き出すために光測定を用い得る。ここで図8を参照すると、別の実施形態に従う浸透圧測定センサ600の概略断面図が示される。浸透圧測定センサ600は、壁部材602と半透膜604とを含む。壁部材602および半透膜604は一緒に、密閉容積614を画定し得る。光励起アセンブリ616および光検出アセンブリ618は、壁部材602に対して配置され得る。一部の実施形態において、光励起アセンブリ616および光検出アセンブリ618は、密閉容積614内の壁部材602の向かい合う側に配置される。
【0034】
壁部材602および/または半透膜604は、密閉容積614の大きさが変化し得るように伸縮自在であり得る。具体的にいうと、壁部材602およびまたは半透膜604は、密閉容積が拡張すると、光励起アセンブリ616と光検出アセンブリ618との間の距離が増加し得るように構成され得る。電磁エネルギ(光など)の信号損失は、光励起アセンブリ616と光検出アセンブリ618との間で測定され得る。例えば、光は光励起アセンブリ616から発せられ得、次いで光検出アセンブリ618によって受信され得る。光が密閉要素614を通過する距離が遠ければ遠いほど、より多くの光が拡散して失われる。光励起アセンブリ616と光検出アセンブリ618との間の光信号強度の損失を改善するために、一部の実施形態において、密閉容積614は、拡散を改善しかつ/または光を吸収する構成要素を含む溶液で満たされ得る。
【0035】
光励起アセンブリ616は、発光ダイオード(LED)などの光源を含み得る。光検出アセンブリ618は、電荷結合素子(CCD)、フォトダイオード、接合電界効果トランジスタ(JFET)タイプの光センサ、または相補型金属酸化膜半導体(CMOS)タイプの光センサなどの光受信器を含み得る。
【0036】
光検出アセンブリ618によって検出されるような光信号の強度は次いで、浸透デバイスを囲む体液の浸透強度を評価するために用いられ得る。信号損失が大きければ大きいほど、光励起アセンブリ616と光検出アセンブリ618との間の距離は大きく、従って体液の浸透強度が低い。この関係は存在する。なぜなら体液における浸透強度が低ければ低いほど、より多くの流体が体液から密閉容積614の中に入り、それによって密閉容積614の大きさを拡張させるからである。
【0037】
別の実施形態において、浸透圧測定センサは、浸透強度を評価するために様々な生理的溶液の濃度を直接に測定し得る。例えば、血漿における浸透強度は、次の式に従って評価され得る。
【0038】
【数1】
ここで、[Na+]は溶媒1kg当りのナトリウムイオンのモル数であり、[K+]は溶媒1kg当りのカリウムイオンのモル数であり、[BUN]は、溶媒1デシリットル当りの血液尿素窒素(ミリグラム)であり、[Glucose]は溶媒の1デシリットル当りのグルコース(ミリグラム)である。そのようなものとして一実施形態において、浸透センサは、ナトリウムイオン、カリウムイオン、グルコースおよび血液尿素窒素などの1つ以上の生理的溶液の濃度を決定する化学センサを含み得る。電位差センサと、比色センサと、蛍光化学センサとを含む多くの異なるタイプの化学センサが用いられ得る。適切な化学センサの一例は、米国特許出願第11/383,933号に説明され、該特許出願の内容は、本明細書において参考として援用される。
【0039】
ここで図9を参照すると、本発明の別の実施形態に従う浸透圧測定センサの概略斜視図が示される。浸透圧測定センサ650は、リード線部材658と化学センサアレイ652とを含む。浸透圧測定センサ650は、複数の化学感知要素660、662、664、および666を含み得る。一部の実施形態において、化学感知要素660、662、664、および666の各々は、異なる生理的溶液の濃度を検出するように構成され得る。例えば、一部の実施形態において、化学感知要素660は、ナトリウムイオンの濃度を測定するように構成され得る。一部の実施形態において、化学感知要素662は、カリウムイオンの濃度を測定するように構成され得る。一部の実施形態において、化学感知要素664は、血液尿素窒素(BUN)の濃度を測定するように構成され得る。一部の実施形態において、化学感知要素666は、グルコースの濃度を測定するように構成され得る。
【0040】
多くの他のタイプの浸透圧測定センサもまた用いられ得る。浸透圧測定センサの一例は、米国特許出願第5,388,449号に説明され、該特許出願の内容は、本明細書において参考として援用される。
【0041】
本明細書において説明されるような浸透圧測定センサが多くの異なる場所において患者の中に植え込まれ得ることは理解される。一部の実施形態において、浸透圧測定センサは、血管内に植え込まれ得る。例として、浸透圧測定センサは、鎖骨下静脈、上大静脈または下大静脈、右心房または左心房、右心室または左心室、肺動脈、冠状静脈洞などの中に配置され得る。他の実施形態において、浸透圧測定センサは、血管外に植え込まれ得る。例として、浸透圧測定センサは、心膜、腹膜腔、胸膜間腔、肺などに植え込まれ得る。一部の実施形態において、浸透圧測定センサは、腎臓系内に植え込まれ得る。一部の実施形態において、浸透圧測定センサは、間質液、リンパ液、脳脊髄液などを含む領域内に植え込まれ得る。
【0042】
一部の実施形態において、本明細書において説明されるような浸透圧測定センサは、他の埋め込み型デバイスまたはシステムの一部であり得る。例えば、一部の実施形態において、浸透圧測定センサは、電気刺激リード線などのリード線に連結され得る。ここで図10を参照すると、本発明の実施形態に従う電気刺激リード線の概略図が示される。電気刺激リード線700は、近位端712と遠位端714とを有するリード線本体702を含む。電気刺激リード線700は、第1の刺激電極704と、遠位端714の近くに位置を決められる第2の刺激電極705とを含む。一部の実施形態において、第1の刺激電極704は先端電極と呼ばれ得、第2の刺激電極705は環状電極と呼ばれ得る。電気刺激リード線700は、リード線本体702内に配置される1つ以上の導体(図示されていない)を含み得る。刺激リード線700が、ペーシングリード線、除細動リード線、冠状静脈リード線などであり得ることは理解される。刺激リード線がペーシングの他に除細動のために用いられる場合などの一部の実施形態において、刺激リード線はまた、刺激リード線の遠位端714の近くに衝撃コイルを含み得る。
【0043】
刺激リード線700はさらに、心調律管理(CRC)デバイスなどの埋め込み型デバイスに刺激リード線700を接続する接続プラグ706を含む。接続プラグ706は、DF−1、VS−1、IS−1およびIS−4規格を含む、リード線−ヘッダインタフェース設計の様々な規格に準拠し得る。接続プラグ706は、刺激リード線内に配置される種々の導体に対応する複数の電気接触点を含み得る。一部の実施形態において、刺激リード線は、心臓組織などの刺激の目標組織に刺激リード線を係合することを助けるために、固定要素708を含み得る。
【0044】
浸透圧測定センサ710は、リード線本体702に配置され得る。浸透圧測定センサ710は、浸透圧測定センサ710の部位において体液の浸透強度に相互に関連する信号を生成するように構成され得る。一実施形態において、浸透圧測定センサ710は、刺激リード線700の近位端712より刺激リード線の遠位端714に近い地点においてリード線本体に連結され得る。他の実施形態において、浸透圧測定センサ710は、刺激リード線700の遠位端714より刺激リード線700の近位端712に近い地点においてリード線本体に連結され得る。
【0045】
一部の実施形態において、浸透圧測定センサからの信号は、リード線部材または刺激リード線を通って監視デバイスに進み得る。一部の実施形態において、監視デバイスは、心調律管理(CRM)デバイスであり得る。ここで図11を参照すると、本発明の実施形態に従う浸透圧測定センサ810に連結した監視デバイス842の概略図が示される。監視デバイス842は、ハウジング843とヘッダアセンブリ844とを含み得る。監視デバイス842はまた、コントローラモジュール830を含み得る。監視デバイス842は、1つ以上のリード線802、832に連結され得る。リード線802、832はそれぞれ、電極804および834を含み得る。具体的には、監視デバイス842は、浸透圧測定センサ810に連結されるリード線802に連結され得る。しかしながら、一部の実施形態において、監視デバイス842および浸透圧測定センサ810は無線通信され得ることは理解される。
【0046】
図11に示される図において、電極804および834はそれぞれ、心臓824の右心室822および右心房820内に位置を決められる。リード線802における浸透圧測定センサ810の相対的な位置決めに基づいて、浸透圧測定センサ810は、この図において心臓824の右心室822内に位置を決められる。しかしながら、浸透圧測定センサが体の他の部位内にも同様に配置され得ることは理解される。例えば、一部の実施形態において、浸透圧測定センサは、冠状静脈系の中に進むリード線に位置を決められ得、その結果、浸透圧センサ自体が冠状静脈系内に位置を決められる。理論よって制約されることは意図しないが、冠状静脈リード線上などの冠状静脈系内に浸透圧測定センサの位置を決めることは、冠状静脈系内の心血漿の浸透強度を測定することによって可能となる感度および/または特性のために望ましくあり得る。
【0047】
一部の実施形態において、浸透圧測定センサは、心臓824の外部に配置されるように位置を決められ得る。例えば、浸透圧測定センサは、鎖骨下静脈、または鎖骨下静脈と心臓との間の脈管系の別の部分内に配置されるような位置におけるリード線上に配置され得る。
【0048】
外部の監視デバイス852もまた、本明細書の実施形態と共に含まれ得、監視デバイス842と無線通信し得る。例えば、コントローラ830によって格納されるような、浸透圧測定センサに関するデータは、外部監視デバイス852に無線で送信され得る。外部監視デバイス852は、枕もとの監視システム、外部プログラマ、および/または患者管理システムであり得る。例示的患者管理システムは、マサチューセッツ州NatickのBoston Scientific Corporationから市販されているLATITUDE(登録商標)患者管理システムを含む。例示的患者管理システムの局面は、米国特許第6,978,182号において説明され、該特許の内容は本明細書に参考として援用される。
【0049】
一部の実施形態において、浸透圧測定センサは、監視デバイスおよび/またはCRMデバイスのハウジングに連結され得る。ここで図12を参照すると、本発明の実施形態に従う浸透圧測定センサ860に連結した監視デバイス892の概略図が示される。監視デバイス892は、ハウジング893とヘッダアセンブリ894とを含み得る。監視デバイス892は、1つ以上のリード線854、882に連結され得る。浸透圧測定センサ860は、監視デバイス892のハウジング893に配置され得る。一部の実施形態において、浸透圧測定センサは、ヘッダアセンブリに配置され得る。
【0050】
本発明の実施形態は、具体的にいえば、1つ以上の電気刺激リード線と共に、CRMデバイスなどの埋め込み型医療デバイスと、1つ以上の浸透圧測定センサとを含む埋め込み型システムとを含み得る。埋め込み可能医療デバイスは、具体的にいえば、ペースメーカー、埋め込み型電気除細動器(implantable cardioverter−defibrillator)(ICD)、心臓再同期療法(cardiac resynchronization therapy)(CRT)デバイスなどを含み得る。埋め込み型医療デバイスは、浸透圧測定センサからの信号を受信し、処理するために、様々な構成要素を含み得る。ここで図13を参照すると、例示的埋め込み型システム900の一部の構成要素が概略的に例示される。埋め込み型医療システム900は、1つ以上の刺激リード線930および928に連結されるコントローラモジュール972を含み得る。コントローラモジュール972はまた、浸透圧測定センサ970とコントローラモジュール972との間の通信を提供し得る導体968を介して浸透圧センサ970に連結され得る。
【0051】
コントローラモジュール972は、二方向データバスを介してメモリ946と通信するマイクロプロセッサ948(またはプロセッサ)を含み得る。メモリ946は、典型的には、プログラム格納のためのROMまたはRAMと、データ格納のためのRAMとを含む。コントローラモジュール972は、本明細書に説明されるような、信号の処理および方法の実行などの様々な演算を実行するように構成され得る。遠隔測定インタフェース964はまた、プログラマデバイスまたは患者管理システムなどの外部ユニットと通信するために提供される。
【0052】
コントローラモジュール972は、感知増幅器952と、出力回路954と、マイクロプロセッサ948のポートと二方向に通信する心室チャネルインタフェース950とを含む心室感知チャネルおよび心室ペーシングチャネルを含み得る。心室感知チャネルおよび心室ペーシングチャネルは、刺激リード線930および電極934と通信し得る。コントローラモジュール972は、感知増幅器958を含む心房感知チャネルおよび心房ペーシングチャネルと、出力回路960と、マイクロプロセッサ948のポートと二方向に通信する心房チャネルインタフェース956とを含み得る。心房感知およびペーシングチャネルは、刺激リード線928および電極932と通信し得る。各チャネルに対して、同じリード線および電極が、感知およびペーシングの両方のために用いられ得る。チャネルインタフェース950および956はアナログ−デジタル変換器を含み得、該アナログ−デジタル変換器は、ペーシングパルスを出力し、ペーシングパルス振幅を変化させ、感知増幅器のための利得値および閾値を調整するために、マイクロプロセッサによって書き込まれ得る、感知増幅器およびレジスタからの感知信号入力をデジタル化する。
【0053】
コントローラモジュール972はまた、感知増幅器966と、マイクロプロセッサ948のポートと通信する浸透圧測定センサチャネルインタフェース962とを含む浸透圧測定センサチャネルを含み得る。浸透圧センサチャネルは、導体968を介して浸透圧測定センサ970と通信し得る。一部の実施形態において、導体968は、刺激リード線928または930などの刺激リード線内に配置される。
【0054】
本明細書に説明されるような浸透圧測定センサを有する埋め込み型システムは、様々な動作および/または方法を実行するように構成され得る。例えば、コントローラモジュールは、体液の浸透強度に対応する信号を処理するように構成され得る。信号の処理は、信号を浸透強度に関する情報に変換すること、信号に関する情報を格納すること、様々な閾値に関係する浸透強度を評価することなどの様々な動作を含み得る。
【0055】
ここで図14を参照すると、本発明の実施形態に従う例示的方法が示される。第1の動作1002において、埋め込み型システムは、浸透圧測定センサを用いて体液の浸透強度に関する信号を生成する。第2の動作1004において、システムは、信号を処理し得、体液の浸透強度を決定し、該浸透強度に関する情報を格納し得る。第3の動作1006において、システムは、体液の浸透強度が閾値によって正常生理的範囲とは異なるかどうかを評価し得る。閾値は、ケアプロバイダによってシステムの中にプログラムされ得る。閾値を超えた場合、第4の動作1008において、外部デバイスを介して警告通知をケアプロバイダに送信し得る。しかしながら、閾値を超えない場合、システムは、方法を繰り返し得、第1の動作1002から開始し得る。
【0056】
一部の実施形態において、本発明は、浸透圧測定センサを用いて検出されるように体液の浸透強度の変化に応答して療法を開始または調節するように構成される埋め込み型システムを含み得る。概して、体液の正常浸透強度より低い浸透強度は、流体貯留のため血漿量の増加に関連している。この状況を治療する1つのアプローチは、伝統的に利尿活性剤の投与によって達成される、血漿量を減少させることである。患者のペーシングレートを増加させることは、糸球体濾過の増加、従って血漿量の減少をもたらし得ると考えられる。そのようなものとして、一部の実施形態において、システムは、浸透圧測定センサによって生成される信号に基づいて心臓ペーシングレートを調節するように構成され得る。一部の実施形態において、ペースメーカーなどの、患者に植え込まれる監視デバイスおよび/またはペーシングデバイスの最小ペーシングレートは、正常浸透強度よりも低い浸透強度が検出された場合、増加され得る。
【0057】
ここで図15を参照すると、本発明の別の実施形態に従う例示的方法が示される。第1の動作1102において、浸透強度は浸透圧測定センサを用いて検出され得る。第2の動作1104において、浸透強度は正常値(履歴値に基づくかまたはプログラムされた設定に基づく正常)と比較して評価され得る。測定された浸透強度が少なくとも閾値量だけ正常値より少ない場合、動作1106において、最小ペーシングレートなどの、ペーシングデバイスのペーシングレートは増加され得る。一部の実施形態において、最小ペーシングレートは特定の固定量だけ増加され得る。他の実施形態において、最小ペーシングレートは、測定された浸透強度と正常浸透強度値との差に比例した量だけ増加され得る。しかしながら、測定された浸透強度が少なくとも閾値量だけ正常値と異ならない場合、動作1108において、最小ペーシングレートは、正常最小ペーシングレートに設定され得る。本発明の実施形態は、これらの動作を実行するように構成される埋め込み型医療デバイスを含み得る。
【0058】
様々な実施形態において、体液の正常浸透強度より低い浸透強度にしばしば関連する血漿量の増加を減殺するために、他の療法ステップがデバイスによって開始され得ることは理解される。例として、一部の実施形態において、刺激は迷走神経に当てられ得る。一部の実施形態において、活性剤を用いる利尿療法は、薬剤ポンプの活動によるかまたは利尿薬を飲むように患者に指示を与えることなどによって開始され得る。
【0059】
(浸透pHセンサおよび関係システム)
心筋虚血は、心臓に影響を及ぼす重大な状況である。しかしながら概して、急性心筋虚血は、細胞外液の浸透強度の実質的な変化をもたらさない。しかしながら、虚血は、細胞外液のpHの変化を確実にもたらす。具体的にいうと、虚血は、潅流が不十分である組織においてpHの減少をもたらす。溶解したCO2の濃度の増加および乳酸の濃度の増加は、このpHの減少の一因となると考えられる。
【0060】
浸透圧測定センサが、pHの変化に応答して化学形を変化させる溶液を含む場合、そのようなpHの変化は、浸透圧測定センサの密閉容積内の浸透圧の変化によって表され得る。そのようなものとして、本明細書に含まれるデバイスおよびシステムの実施形態は、患者の細胞外液のpHを測定するかまたは推定することによって、患者の生理的状態の検出および監視を可能にする浸透pHセンサを含み得る。
【0061】
上記のように、本明細書に説明される浸透圧測定センサの実施形態は、浸透pHセンサを含み得る。そのような浸透pHセンサは、pHの変化をもたらすが必ずしも細胞外液浸透強度の変化をもたらさない虚血などの状況を検出するために用いられ得る。次の図は、酸の解離の場合などpHが変化するときに起こり得る一般化された化学反応を示す。
【0062】
【数2】
浸透強度は、束一性特性であるので、サブコンポーネント(または浸透的活性種)に解離する化合物によって影響を受ける。例として、解離されたH+およびA−から完全に構成される溶液は、溶質が完全にHAの形態である場合の溶液の2倍の浸透強度を有する。そのようなものとして、本明細書に説明されるような浸透圧測定センサは、浸透圧測定センサによって密閉される容積が生理的pH値の可能な範囲内におけるpHの変化に応答して解離/会合し得る溶液を含む場合、浸透pHセンサとして機能を果たし得る。例えば、浸透圧測定センサ(図1〜図2および図4〜図8に示されるものなど)の密閉容積は、約6.0〜約10.0のpKaを有する溶質を含み得る。概して、pHが化合物のpKa値に等しい場合、化合物は50%解離される。従ってそのような溶質は、pHが生理的pH値の可能な範囲内において変化するとき、密閉容積内の溶液の浸透強度に対して影響を及ぼす。
【0063】
多くの異なる溶質が、本発明の浸透pHセンサに用いられ得る。例として、例示的溶質は、とりわけ、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(pKa=6.1);ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(pKa=6.5);N−(2−アセトアミド)−2−イミノ二酢酸(pKa=6.6);2−[(2−アミノ−2−オキソニチル)アミノ]エタンスルホン酸(pKa=6.8);ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸(pKa=6.8);3−(N−モルホリノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(pKa=6.9);1,3−ビス[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]プロパン(pKa=6.8);N,N−ビス(2−ヒドロキエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(pKa=7.1);3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(pKa=7.2);N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(2−エタンスルホン酸)(pKa=7.5);N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸(pKa=7.5);3−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(pKa=7.6);3−[N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]―2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(pKa=7.6);トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(pKa=8.1);N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(pKa=7.8);ピペラジン−N,N’−ビス(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(pKa=7.8);N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(3−プロパンスルホン酸(pKa=8.0);トリエタノールアミン(triethanolamined)(pKa=7.8);N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン(pKa=8.1);N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(pKa=8.3);N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(pKa=8.4);3−[(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(pKa=9.0);2−(N−シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(pKa=9.3);3−(シクロヘキシルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(pKa=9.6);2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(pKa=9.7);および2−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(pKa=10.4)を含み得る。一部の実施形態において、溶質は、硫酸ナトリウム水素、炭酸ナトリウム水素、硫化ナトリウム水素、および様々なフォスファターゼなどの様々な酸性塩を含み得る。一部の実施形態において、溶質は、1つ以上の低温酸性塩(酒石酸カリウム、リン酸カルシウム、クエン酸カルシウム)または高温酸性塩(リン酸カルシウムアルミニウムなど)を含み得る。
【0064】
本明細書に説明される浸透pHセンサは、冠状静脈系内を含む体の様々な場所に配置され得る。例として、一実施形態において、浸透pHセンサは、冠状静脈電気刺激リード線などのリード線上に配置され、浸透pHセンサが冠状静脈系内にあるように位置を決められ得る。
【0065】
(半透膜)
本発明の実施形態は、半透膜を含み得る。本明細書で用いられるような用語「半透膜」は、溶媒に対して浸透性であるが、1つ以上の溶質に対して不浸透性である膜をいい、その結果、半透膜は、浸透のプロセスにおいて用いられ得る。膜などの物に適用されるような用語「不浸透性」は、1つ以上の化合物が物質を通過することを実質的にふさぐ物をいう。
【0066】
半透膜が多くの異なる種類の材料から構成され得ることは理解される。例えば、半透膜は、セルロース、セルロース誘導体、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびポリシロキサンなどのポリマーを含み得る。材料の特定の選択は、所望の引裂き強度、所望のたわみ性などの要因に依存し得る。一部の実施形態において、半透膜は生物適合材料を含む。
【0067】
一部の実施形態において、半透膜は多孔性であり得る。細孔は、水分子の通過が可能であるほど十分に大きいが体液に見出される様々な溶質の通過を妨げるほど十分に小さい直径を有し得る。
【0068】
半透膜は、使用の条件下で引裂きを防ぐ強度を提供するほど十分である厚さを有し得る。一部の実施形態において、半透膜は、たわみ性を維持するほど十分に薄くあり得る。他の実施形態において、半透膜は、実質的に剛性である。一部の実施形態において、半透膜は、厚さが約1ナノメートル〜約2ミリメートルである。
【0069】
この明細書および添付の特許請求の範囲において用いられるように、単数形「a」、「an」、および「the」が、内容が明らかに別のことを指示しない限り、複数の指示対象を含むことは注意されるべきである。用語「or」は、内容が明らかに別のことを指示しない限り、「および/または」を含むその用語の意味で一般的に用いられることは注意されるべきである。
【0070】
この明細書および添付の特許請求の範囲において用いられるように、フレーズ「構成される」が、特定のタスクを実行するかまたは特定の構成を採用するように組み立てられるかまたは構成されるシステム、装置、または他の構造を説明することは注意されるべきである。フレーズ「構成される」は、「配置される」、「配置され、構成される」、「組み立てられ、配置される」、「組み立てられる」、「製造され、配置される」などの他の類似のフレーズと交換可能に用いられ得る。
【0071】
この明細書におけるすべての刊行物および特許出願は、本発明が関係する当業者のレベルを示す。すべての刊行物および特許出願は、各個々の刊行物または出願が特定的かつ個々に参考として示される場合と同じ程度に、本明細書において参考として援用される。
【0072】
本出願は、本主題の改造または変形を含むように意図される。上記の説明は、例示的であり、限定的ではないことが意図される。本主題の範囲は、添付の特許請求の範囲と、それと共にそのような特許請求の範囲が権利のある均等物の全範囲とを参照して決定されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浸透圧測定センサであって、該浸透圧測定センサは、体液の浸透強度に対応する信号を生成するように構成されている、浸透圧測定センサと、
該浸透圧測定センサと通信するコントローラであって、該コントローラは、体液の該浸透強度に対応する信号を受信し、処理するように構成されている、コントローラと
を備えている、埋め込み型心不全監視システム。
【請求項2】
リード線本体と該リード線本体内に配置される導体とを備えているリード線をさらに備え、該導体は前記浸透圧測定センサおよび前記コントローラと電気的に通信する、請求項1に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項3】
前記浸透圧測定センサは前記リード線本体に配置される、請求項2に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項4】
前記リード線は、目標組織とインタフェースするように構成されている電極をさらに備えている、請求項2に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記電極を介して前記目標組織に送達される電気刺激パルスを生成するようにさらに構成されている、請求項4に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項6】
前記コントローラは、前記体液の前記浸透強度が所定の閾値レベルより下に降下した場合、警告通知を生成するように構成されている、請求項1に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項7】
前記システムは、前記浸透圧測定センサによって生成される信号に基づいて心臓ペーシングレートを変えるように構成される、請求項1に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項8】
前記システムは、前記浸透圧測定センサによって生成される信号に基づいて最低の心臓ペーシングレートを変えるように構成される、請求項7に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項9】
前記浸透圧測定センサは、
密閉容積を画定する壁部材であって、該壁部材は半透膜を備えている、壁部材と、
溶媒と溶質とを含む溶液であって、該溶液は、該密閉容積内に配置される、溶液と
を含み、
該半透膜は、該溶媒に対して浸透性であり、該溶質に対して不浸透性である、請求項1に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項10】
前記溶質は、塩化ナトリウムと、塩化カルシウムと、塩化マグネシウムと、塩化カリウムと、塩化マンガンと、アルブミン(albumen)とから成る群から選択される、請求項9に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項11】
前記半透膜は、ポリマーを含む、請求項9に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項12】
前記密閉容積内の圧力を感知するように構成されている第1の圧力センサをさらに備えている、請求項9に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項13】
前記密閉容積の外部の圧力を感知するように構成されている第2の圧力センサをさらに備えている、請求項12に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項14】
前記浸透圧測定センサは第1の電極と第2の電極とを備え、該浸透圧測定センサは、該第1の電極と該第2の電極との間に電流を送るように構成されている、請求項1に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項15】
前記浸透圧測定センサは、ナトリウムイオンと、カリウムイオンと、グルコースと、血液尿素窒素(BUN)とから成る群から選択される1つ以上の化学種の濃度を測定するように構成されているセンサを備えている、請求項1に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項16】
浸透pHセンサであって、該浸透pHセンサは体液のpHに対応する信号を生成するように構成され、該浸透pHセンサは、
密閉容積を画定する壁部材であって、該壁部材は半透膜を備えている、壁部材と、
溶媒と溶質とを含む溶液であって、該溶液は、該密閉容積内に配置され、該溶質は、約7.3と約7.5との間のpH範囲内で浸透強度を変化させるように構成されている、溶液と
を含む浸透pHセンサであって、該半透膜は、該溶媒に対して浸透性であり、該溶質に対して不浸透性である、浸透pHセンサと、
該浸透pHセンサと通信するコントローラと
を備えている、埋め込み型浸透心臓監視システム。
【請求項17】
前記溶質は、約6.0と約10.0との間のpKaを有する、請求項16に記載の埋め込み型浸透心臓監視システム。
【請求項18】
前記コントローラは、前記pHが所定の閾値レベルより下に降下した場合、警告通知を生成するように構成されている、請求項16に記載の埋め込み型浸透心臓監視システム。
【請求項19】
リード線本体と該リード線本体内に配置される導体とを備えているリード線をさらに備え、該導体は前記浸透pHセンサおよび前記コントローラと電気的に通信する、請求項16に記載の埋め込み型浸透心不全監視システム。
【請求項20】
前記浸透pHセンサは前記リード線本体に配置される、請求項19に記載の埋め込み型浸透心不全監視システム。
【請求項21】
前記リード線は、目標組織とインタフェースするように構成されている電極をさらに備えている、請求項20に記載の埋め込み型浸透心不全監視システム。
【請求項22】
前記コントローラは、前記電極を介して前記目標組織に送達される電気刺激パルスを生成するようにさらに構成されている、請求項21に記載の埋め込み型浸透心不全監視システム。
【請求項23】
前記閾値レベルは、7.3のpHを含む、請求項16に記載の埋め込み型浸透心不全監視システム。
【請求項24】
前記密閉容積内の圧力を感知するように構成されている第1の圧力センサをさらに備えている、請求項16に記載の埋め込み型浸透心不全監視システム。
【請求項25】
前記密閉容積の外部の圧力を感知するように構成されている第2の圧力センサをさらに備えている、請求項24に記載の埋め込み型浸透心不全監視システム。
【請求項1】
浸透圧測定センサであって、該浸透圧測定センサは、体液の浸透強度に対応する信号を生成するように構成されている、浸透圧測定センサと、
該浸透圧測定センサと通信するコントローラであって、該コントローラは、体液の該浸透強度に対応する信号を受信し、処理するように構成されている、コントローラと
を備えている、埋め込み型心不全監視システム。
【請求項2】
リード線本体と該リード線本体内に配置される導体とを備えているリード線をさらに備え、該導体は前記浸透圧測定センサおよび前記コントローラと電気的に通信する、請求項1に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項3】
前記浸透圧測定センサは前記リード線本体に配置される、請求項2に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項4】
前記リード線は、目標組織とインタフェースするように構成されている電極をさらに備えている、請求項2に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記電極を介して前記目標組織に送達される電気刺激パルスを生成するようにさらに構成されている、請求項4に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項6】
前記コントローラは、前記体液の前記浸透強度が所定の閾値レベルより下に降下した場合、警告通知を生成するように構成されている、請求項1に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項7】
前記システムは、前記浸透圧測定センサによって生成される信号に基づいて心臓ペーシングレートを変えるように構成される、請求項1に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項8】
前記システムは、前記浸透圧測定センサによって生成される信号に基づいて最低の心臓ペーシングレートを変えるように構成される、請求項7に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項9】
前記浸透圧測定センサは、
密閉容積を画定する壁部材であって、該壁部材は半透膜を備えている、壁部材と、
溶媒と溶質とを含む溶液であって、該溶液は、該密閉容積内に配置される、溶液と
を含み、
該半透膜は、該溶媒に対して浸透性であり、該溶質に対して不浸透性である、請求項1に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項10】
前記溶質は、塩化ナトリウムと、塩化カルシウムと、塩化マグネシウムと、塩化カリウムと、塩化マンガンと、アルブミン(albumen)とから成る群から選択される、請求項9に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項11】
前記半透膜は、ポリマーを含む、請求項9に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項12】
前記密閉容積内の圧力を感知するように構成されている第1の圧力センサをさらに備えている、請求項9に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項13】
前記密閉容積の外部の圧力を感知するように構成されている第2の圧力センサをさらに備えている、請求項12に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項14】
前記浸透圧測定センサは第1の電極と第2の電極とを備え、該浸透圧測定センサは、該第1の電極と該第2の電極との間に電流を送るように構成されている、請求項1に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項15】
前記浸透圧測定センサは、ナトリウムイオンと、カリウムイオンと、グルコースと、血液尿素窒素(BUN)とから成る群から選択される1つ以上の化学種の濃度を測定するように構成されているセンサを備えている、請求項1に記載の埋め込み型心不全監視システム。
【請求項16】
浸透pHセンサであって、該浸透pHセンサは体液のpHに対応する信号を生成するように構成され、該浸透pHセンサは、
密閉容積を画定する壁部材であって、該壁部材は半透膜を備えている、壁部材と、
溶媒と溶質とを含む溶液であって、該溶液は、該密閉容積内に配置され、該溶質は、約7.3と約7.5との間のpH範囲内で浸透強度を変化させるように構成されている、溶液と
を含む浸透pHセンサであって、該半透膜は、該溶媒に対して浸透性であり、該溶質に対して不浸透性である、浸透pHセンサと、
該浸透pHセンサと通信するコントローラと
を備えている、埋め込み型浸透心臓監視システム。
【請求項17】
前記溶質は、約6.0と約10.0との間のpKaを有する、請求項16に記載の埋め込み型浸透心臓監視システム。
【請求項18】
前記コントローラは、前記pHが所定の閾値レベルより下に降下した場合、警告通知を生成するように構成されている、請求項16に記載の埋め込み型浸透心臓監視システム。
【請求項19】
リード線本体と該リード線本体内に配置される導体とを備えているリード線をさらに備え、該導体は前記浸透pHセンサおよび前記コントローラと電気的に通信する、請求項16に記載の埋め込み型浸透心不全監視システム。
【請求項20】
前記浸透pHセンサは前記リード線本体に配置される、請求項19に記載の埋め込み型浸透心不全監視システム。
【請求項21】
前記リード線は、目標組織とインタフェースするように構成されている電極をさらに備えている、請求項20に記載の埋め込み型浸透心不全監視システム。
【請求項22】
前記コントローラは、前記電極を介して前記目標組織に送達される電気刺激パルスを生成するようにさらに構成されている、請求項21に記載の埋め込み型浸透心不全監視システム。
【請求項23】
前記閾値レベルは、7.3のpHを含む、請求項16に記載の埋め込み型浸透心不全監視システム。
【請求項24】
前記密閉容積内の圧力を感知するように構成されている第1の圧力センサをさらに備えている、請求項16に記載の埋め込み型浸透心不全監視システム。
【請求項25】
前記密閉容積の外部の圧力を感知するように構成されている第2の圧力センサをさらに備えている、請求項24に記載の埋め込み型浸透心不全監視システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2010−533555(P2010−533555A)
【公表日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−517075(P2010−517075)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【国際出願番号】PCT/US2008/069499
【国際公開番号】WO2009/012094
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(505003528)カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド (466)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【国際出願番号】PCT/US2008/069499
【国際公開番号】WO2009/012094
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(505003528)カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド (466)
【Fターム(参考)】
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