説明

消去装置

【課題】角折れの矯正ができる消去装置を提供する。
【解決手段】シートを搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送されるシートのシート搬送方向と直交する幅方向の両側部に対応して配置されると共に、搬送されるシートを挟んで対向配置される一対の回転ブラシと、前記回転ブラシよりシート搬送方向下流に配置され、シートに形成された画像を消去する消去部と、を備え、前記回転ブラシは、前記シート搬送方向と同方向、且つ、ブラシ先端の周速がシートの搬送速度よりも高速となるように回転し、回転しながらブラシ先端部が搬送されるシートに発生する角折れ部を捲くりあげて矯正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書に記載の実施形態は、消色等の消去処理のために搬送するシートの角折れを矯正する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
シート上の画像の色を消す消去装置がある。消去装置で消去処理したシートは、消色性の色材による画像の形成と、シート上の画像を消去する工程を繰り返して再利用される。
【0003】
再利用されるシートにおいて、消去装置の給紙部に積載したシートの中に、シートの紙端の角が折れた角折れシートが混ざっていることがある。このようなシートの角折れは、例えば、消色処理の繰り返しにより紙端にカールが生じ、消去装置の給紙部にシートを積載した際に、カールした紙端の角が折れて発生することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
角折れは、シートの正常な搬送を妨げるおそれがあり、また、角折れ部分により覆われた紙面の画像は、十分な消色ができないおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、角折れの矯正ができる消去装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る消去装置は、シートを搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送されるシートのシート搬送方向と直交する幅方向の両側部に対応して配置されると共に、搬送されるシートを挟んで対向配置される一対の回転ブラシと、前記回転ブラシよりシート搬送方向下流に配置され、シートに形成された画像を消去する消去部と、を備える。
【0007】
この消去装置の前記回転ブラシは、前記シート搬送方向と同方向、且つ、ブラシ先端の周速がシートの搬送速度よりも高速となるように回転し、回転しながらブラシ先端部が搬送されるシートに発生する角折れ部を捲くりあげて矯正する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態に係る消去装置としての消色装置の全体構成図。
【図2】図1の消色装置の全体構成の制御ブロック図。
【図3】図2の制御部による処理の流れを示すフローチャート。
【図4】(a)、(b)はシートに発生する角折れ部を説明する図。
【図5】図1に示す角折れ矯正部の上面図。
【図6】図5のA−A線矢視図。
【図7】角折れ矯正部の制御ブロック図。
【図8】図7の角折れ矯正制御部による処理の流れを示すフローチャート。
【図9】(a)〜(f)は、角折れ矯正制御部による制御状態を示す図。
【図10】第2実施形態を示す角折れ矯正部の上面図。
【図11】第3実施形態を示す角折れ矯正部の第1回転ブラシと第2回転ブラシの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態に係る消色装置を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
(第1実施形態)
図1は消去装置としての消色装置の全体構成を示す概略側断面図、図2は図1に示す消色装置の動作全体を制御する制御装置の実施形態を示す制御ブロック図である。
【0011】
図1において、消色装置1は、装置本体2内に、消去処理としての熱消色処理の対象となる複数枚のシートSを給紙する給紙部3と、画像読取部4と、角折れ矯正部5と、消去処理としての熱消色処理を行う消色部6と、シート積載部をなす第1積載トレイ7と、シート積載部をなす第2積載トレイ8と、第1搬送路9と、第2搬送路10を備える。また、装置本体2の外には、表示画面11を備えた操作部12を配置している。
【0012】
給紙部3は、消色対象となる複数枚のシートSを積載するスタッカトレイ31、ピックアップローラ32、および給紙ローラ33を有する。また、給紙部2には、例えばA4、A5、Letterサイズ等の種々のサイズのシートを積載できる。消色可能な色材による画像は、例えば電子写真方式あるいはインクジェット方式の画像形成装置により、シート上に形成される。
【0013】
スタッカトレイ31に積載するシートSは、ピックアップローラ32により一枚ずつ取り出され、給紙ローラ33により第1搬送路9に供給される。第1搬送路9の搬送終端は、第1積載トレイ7の搬送ローラ71まで達している。第1搬送路9には、シートSを搬送するための搬送ローラ111〜115と、シートSを検知するシート検知センサ121〜127を配置している。シート検知センサ121〜127のシート検知情報は制御部20に送信され、搬送ローラ111〜115を駆動する搬送モータが制御部20により駆動制御される。
【0014】
第1搬送路9の途中には、搬送上流側から下流側に向かって、合流部91と分岐部92を設け、合流部91に第2搬送路10の搬送終端を接続し、分岐部92に第2搬送路10の搬送始端を接続している。第1搬送路9の合流部91と分岐部92との間に画像読取部4を配置している。分岐部92には、第1フラッパ13を配置し、第1搬送路9を搬送されるシートSの搬送方向を第1積載トレイ7と第2搬送路10のいずれかに切り替える。
【0015】
第2搬送路10には、角折れ矯正部5と消色部6を配置している。また、第2搬送路10には、シートSを搬送するための搬送ローラ141〜146と、シートSを検知するシート検知センサ151〜155を配置している。シート検知センサ151〜155のシート検知情報は制御部20に送信される。また、搬送ローラ141〜146を駆動する搬送モータは制御部20により駆動制御される。なお、本実施形態では、角折れ矯正部5を第2搬送路10に配置しているが、第1搬送路9に配置してもよい。
【0016】
スタッカトレイ31から第1搬送路9に給紙されたシートSの搬送経路は、消色装置1が実行する処理モードに基づいて適宜変更される。消色装置1は、複数の処理モードを有する。消色装置1は、例えば、(1)画像読取を行わず、消色処理のみを行う第1消色モード、(2)画像の読み取り後、消色処理を行う第2消色モード、(3)消色前の読取処理を行わず、消色処理後、シートSの再利用可否の分別(分別処理)を実施する第3消色モード、(4)画像の読み取り後、消色処理を実施し、さらに分別処理を実施する第4消色モード、(5)画像消色を行わず、画像の読取処理を実施する読取モード、(6)上記(1)〜(5)の各モードに、更にシートの角折れを矯正する角折れ矯正部5による矯正処理を加えた角折れ矯正モードを有する。上述の各モードは、消色装置1の操作部12で選択できる。また、各処理モードの選択は、消色装置1の操作部12に限らず、外部の端末から設定しても良い。角折れ矯正モードでは、シートSは必ず消色部6へ搬送される。なお、角折れ矯正部5の説明は後述する。
【0017】
画像読取部4は、第1搬送路9を搬送されるシートを挟んで第1スキャナー部41と第2スキャナー部42を対向配置し、シートSの輪郭を含めてシートSに形成された画像を読み取る。画像読取部4は、シートSの第1面を第1スキャナー部41で読み取り、第2面を第2スキャナー部42で読み取る。読み取った画像情報は制御部20と記憶部21に送信される。消色前に画像読取部4で読み取った画像情報は、記憶部21に保存されているので、消色部6で消色されても消色前の画像データを呼び出し可能とする。
【0018】
本実施形態において、消色部6は、シートの両面に形成した消色画像を所定の消色温度以上の加熱により消色する場合を例にする。
【0019】
消色部6は、シート搬送面の両側に加熱体61と、加熱体61に加圧接触する加圧ローラ62とを対向配置した第1加熱部63と、第1加熱部63と同構成で、加熱体61と加圧ローラ62とを逆に配置した第2加熱部64とをシート搬送方向に沿って直列配置した構成としている。
【0020】
シートSが第1加熱部63のニップ部に通紙されると、シートSの第1面に形成された画像が消色され、第2加熱部64のニップ部に通紙されると、シートSの第2面に形成された画像が消色される。なお、シートの両面を一度に消色する場合を例にしたが片面のみの消色処理を行うこともできる。
【0021】
消色部6を通過した消色済みのシートSは、第2搬送路10を搬送され、合流部91で第1搬送路9に合流し、再び画像読取部4で両面が読み取られる。その際、シートの輪郭も含めて読み取る。
【0022】
消色部6を通過したシートSは、画像読取部4において、消色処理されたシートSの第1面と第2面が第1スキャナー41と第2スキャナー42により読み取られ、再読取情報が制御部20に送信される。制御部20では、再読取情報に基づいて消色可否と、角折れ矯正適否が判定される。なお、角折れ矯正適否の判定については後述する。
【0023】
消色適との判定は、消色部6での消色処理が十分に行われて画像の残りが全く存在しないか、存在していても再利用可能な程度に殆ど目立たない場合を例示でき、消色否との判定は、消色処理が不十分で、消色残り消色可能画像が目立つ程度に存在する場合が例示でき、また非消色性のインキ等での手書きによる画像が存在する場合、あるいは非消色性の色材により画像が形成されている場合を含む。
【0024】
消色適否の判定が済んだシートSは、第1搬送路9の分岐部92に向けて搬送される。この際、第1フラッパ13は第1搬送路9から退避しており、消色適否の判定が済んだシートSは、第1積載トレイ7に向けて搬送される。
【0025】
第1積載トレイ7と、第2積載トレイ8は、消色装置1の装置本体2の下部に上下二段に配置されている。また、第1積載トレイ17第2積載トレイ8とは、スイッチバック用の第2フラッパ16を備えた第3搬送路17で接続されている。第3搬送路17には、搬送ローラ181、182が配置され、またシートSを検知するシート検知センサ191、192が配置されている。シート検知センサ191、192のシート検知情報は制御部20に送信され、搬送ローラ181、182を駆動する駆動モータが制御部20により駆動制御される。
【0026】
第1積載トレイ7に向けて搬送された消色処理済みのシートSは、第1搬送路9の搬送端で一旦待機し、消色適否の判定を待つ。制御部20で消色適と判定された再利用可能なシートSは、そのまま搬送されて第1積載トレイ7に積載される。一方、制御部20で消色否と判定されると、第2フラッパ16が第3搬送路17を開方向に切り換え、第1搬送路9の終端で待機していた消色否と判定された再利用不可能なシートSを第3搬送路17に向けて搬送し、第2積載トレイ8に積載する。
【0027】
したがって、第1積載トレイ7に積載されたシートに再び消色性色材により消色可能画像を形成することができ、同一のシートに消色性色材により繰り返して画像を形成することができる。
【0028】
上述の説明は、第1積載トレイ7に積載される再利用可能なシートSの条件として、消色適の判定を要件としているが、後述する角折れ矯正適との要件を加えている。したがって、消色適のシートSであっても、角折れの矯正が不十分であれば、再利用不可と判定し、第2積載トレイ8に積載する。
【0029】
図2に示すように、消色装置1の制御部(コントローラ)20は消色装置全体の制御を行い、後述する角折れ制御部301を含む。制御部20はCPU(Central Processing Unit)あるいはMPU(Micro Processing Unit)からなるプロセッサ、メモリを有する。図2において、給紙・積載駆動部22は上記したシートSの給紙・積載を行うピックアップローラ32、給紙ローラ33、搬送ローラ71、182、第1フラッパ―13、第2フラッパ16、複数の搬送ローラをそれぞれ駆動する駆動モータ、シートを検知する複数のシート検知センサなどを含み、制御部20に検知情報を送信し、所定のプログラムに従って駆動される。また、画像読取部4、角折れ矯正部5、消色部6、操作部12も制御部20に情報を送信し、駆動制御される。
【0030】
メモリは、例えば、半導体メモリであり、各種制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)と、プロセッサに一時的な作業領域を提供するRAM(Random Access Memory)と、を有する。例えば、ROMは、再利用可否の閾値とする用紙の印字率、画像が消色されたか否かを判断するための濃度閾値等を格納する。RAMは、画像読取部4で読み取った画像を一時的に保存しても良い。
【0031】
記憶部21は、アプリケーションプログラムおよびOSを記憶する。アプリケーションプログラムは、画像読取部4による読取機能、消色部の消色機能といった消色装置が有する機能を実行するプログラムを含む。アプリケーションプログラムは、更には、Webクライアント用のアプリケーション(Webブラウザ)やその他のアプリケーションを有する。記憶部21は、消色装置1で処理したシートの処理枚数、画像読取部4で読み取った画像を記憶する。記憶部21としては、例えば、ハードディスクドライブやその他の磁気記憶装置、光学式記憶装置、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置またはこれらの任意の組合せであってよい。
【0032】
図3は、図2に示す消色装置の制御部20による消色適否の処理動作を示すフローチャートである。
【0033】
ACT1において、シートSを給紙部3から給紙し、第1搬送路9にシートSを搬送させる(ACT2)。
【0034】
ACT3において、シートSの第1面と第2面の画像と、シートSの全体が読み取られ、読み取った画像情報に基づいてシートSの角折れ検知を行う(ACT3)。また、読み取った画像情報を記憶部21に記憶する。
【0035】
ACT4において、読取部4を通過したシートSを第2搬送路10に搬送し、角折れ矯正処理を行い(ACT5)、その後消色処理を行う(ACT6)。
【0036】
角折れ矯正済みで、消色処理済みのシートSを第1搬送路9に再搬送し(ACT7)、読取部4で再びシートSの第1面と第2面の画像、およびシートSの全面を読み取る読取処理を行う(ACT8)。
【0037】
ACT9において、ACT8で読取処理された画像情報に基づいて、再利用の可否が判定され(ACT9)、再利用可と判定されたシートSが第1積載トレイ7に搬送されて積載され、再利用否と判定されたシートSが第2積載トレイ8に搬送されて積載される。再利用の可否判定は、消色可否および角折れ矯正可否の判定を含む。
【0038】
次に、角折れ矯正部5の構成を図4から図9に基づいて以下に説明する。
【0039】
シートの角折れは、図4(a)、図4(b)に示すように、シートSの角部が折れ曲がる現象をいい、前述のように、例えば、消色処理の繰り返しにより紙端にカールが生じ、消色装置の給紙部にシートを積載した際に、カールした紙端の角が折れて発生することがある。図4(a)では、シートSの片面に角折れ部201、202が発生した状態を示し、図4(b)では、シートSの表面に角折れ部201が発生し、裏面に角折れ部203が発生した状態を示す。図4(a),図4(b)において、角折れ部は、シートSの搬送方向の前端部と後端部にそれぞれ発生した場合を示しているが、シートSの搬送方向前端部のみ、あるいは後端部のみに発生することもある。さらに、発生部位もシートSの幅方向の両角部、あるいはいずれか一方の角部に発生することもある。
【0040】
本実施形態では、シートSに発生する角折れ部を矯正する角折れ矯正部5を第2搬送路10において、消色部6よりも上流側に配置している。角折れ矯正部5は、シートSの第1面と対向する第1面用回転ブラシ(以下、第1回転ブラシと称す)51と、シートSの第2面と対向する第2面用回転ブラシ(以下、第2回転ブラシと称す)52を有する。なお、図5はシートSの第2面を上面として示し、第1面は裏面側となる。
【0041】
第1回転ブラシ51と第2回転ブラシ52は、図1に示す搬送ローラ141(以下、第1搬送ローラとする)と、搬送ローラ142(以下、第2搬送ローラとする)との間に配置している。
【0042】
図5および図6に示すように、第1回転ブラシ51は、シート搬送方向と直交する方向(以下、シート幅方向とする)に沿って配置された第1駆動軸53に固定されており、本実施形態ではシート幅方向の両側に2つの第1回転ブラシ51を固定し、第1駆動軸53の回転で2つの第1回転ブラシ51を回転させる。
【0043】
第2回転ブラシ52は、シート幅方向に沿って配置された第2駆動軸54に固定されており、本実施形態では、シート幅方向の両側に2つの第2回転ブラシ52を固定し、第2駆動軸54の回転で2つの第2回転ブラシ52を回転させる。
2つの第1回転ブラシ51と第2回転ブラシ52は、シートSの幅方向両側に対応して配置され、図5に示すシートSよりも幅方向の長さが長いシートに対応する場合には、第1回転ブラシ51および第2回転ブラシ52の軸方向長さを長くするか、あるいは更に第1回転ブラシ51、第2回転ブラシ52を加え、シートの幅方向両側部に対応して配置すればよい。
【0044】
第1回転ブラシ51と第2回転ブラシ52は、互いに反対方向に回転駆動される。したがって、シートSの第1面および第2面に対し、第1回転ブラシ51と第2回転ブラシ52は、ブラシの当たる方向が同方向となる。
【0045】
第1回転ブラシ51と第2回転ブラシ52の駆動機構としては、それぞれ専用の駆動モータで駆動する構成、1つの駆動モータで駆動する構成等が例示できる。図5、図6では、ブラシ駆動モータ171により第2駆動軸54を駆動する。第2駆動軸54に固定した伝達ギア172と第1駆動軸53に固定した伝達ギア173を噛み合わせることにより、第1駆動軸53を第2駆動軸54とは反対方向に回転させる。
【0046】
各第1回転ブラシ51と各第2回転ブラシ52のシート搬送方向下流側には、第2搬送ローラ142よりも上流側に、シートSの第1面のシート先端部に発生する角折れ部を捲くりあげて矯正する第1矯正体55と、シートSの第2面のシート先端部に発生する角折れ部を捲くりあげて矯正する第2矯正体56をそれぞれ配置している。また、各第1回転ブラシ51と各第2回転ブラシ52のシート搬送方向上流側には、第1搬送ローラ141よりも下流側に、シートSの第1面のシート後端部に発生する角折れ部を捲くりあげて矯正する第3矯正体57と、シートSの第2面のシート後端部に発生する角折れ部を捲くりあげて矯正する第4矯正体58をそれぞれ配置している。
【0047】
第1矯正体55と第2矯正体56は、シートSの先端部に発生した角折れ部が第1矯正体55と第2矯正体56を搬送方向に向けて通過後、シートSを搬送方向と逆方向に搬送する途中で、角折れ部の折れ曲がった折れ部が第1矯正体55と第2矯正体56に入り込んで当接し、シートSが逆搬送方向への移動するのに従って当該折れ部を捲くりあげ、角折れ部を矯正する。
【0048】
第1矯正体55と第2矯正体56は、例えば板材を湾曲あるいは折り曲げて形成され、第2搬送路10を搬送されるシートSの紙面に対して搬送方向上流部501を拡げ、搬送方向下流部502を狭くしている。シートSの先端部に角折れ部201が発生している場合、シートSが搬送方向に搬送される際、角折れ部201が第1矯正体55と第2矯正体56に突入すると、角折れ部201が折り畳まれてスムーズに通過する。角折れ部201が第1矯正体55と第2矯正体56を通過後、折り畳まれた角折れ部201が起き上がる(起き上がり高さをh1とする)。
【0049】
第1矯正体55と第2矯正体56の搬送方向下流端503の高さをh2とすると、高さh2よりも起き上がり高さh1が高い角折れ部201は、角折れ部201が第1矯正体55と第2矯正体56を通過後、シートSを搬送方向と逆方向に搬送すると、第1矯正体55と第2矯正体56の搬送方向下流端(以下、第1当接端と称す)503に当接する。この当接状態でシートSが逆方向に搬送されると、第1当接端503に当接しながら角折れ部201が捲くりあげられ元の方向に折り返される。
【0050】
第3矯正体57と第4矯正体58は、例えば板材を湾曲あるいは折り曲げて形成され、第2搬送路10を搬送されるシートSの紙面に対して搬送方向上流部504を狭く、搬送方向下流部505を拡げている。第3矯正体57と第4矯正体58の搬送方向上流端(以下、第2当接端と称す)506のシートSからの高さをh3とすると、シートSの後端部に発生する角折れ部203の高さh4が高さh3よりも高い場合、搬送方向に搬送されるシートSの後端部に発生する角折れ部203が第3矯正体57と第4矯正体58に突入する際、角折れ部203が第2係合端506に当接する。この当接状態でシートSが搬送方向に搬送されると、第2当接端506に当接しながら角折れ部203が捲くりあげられ元の方向に折り返される。
【0051】
また、第1回転ブラシ51と第2回転ブラシ52のブラシ先端は、第2搬送路10を搬送されるシートSの紙面に対して高さh5を有して配置される。第1回転ブラシ51および第2回転ブラシ52は、回転するブラシによりシートSの角折れ部201、202、203を連続的に叩き付けて捲くりあげ、できるだけ元の向きにたたき戻す作用を行う。その際、シート先端部側の角折れ部201の高さh1が第1矯正体55と第2矯正体56の高さよりも低い場合、角折れ部201が第1当接端503をすり抜ける。また、シート後端側の角折れ部203の高さh3が第3矯正体57と第4矯正体58の高さh4よりも低い場合、角折れ部203が第3矯正体57と第4矯正体58をすり抜ける。
【0052】
このようなすり抜け状態が生じた場合でも、第1回転ブラシ51と第2回転ブラシ52のブラシ部が角折れ部201、203に当たることができるように、高さh5を高さh2、h3よりも低くしている。
【0053】
図7は角折れ矯正を行う制御ブロック図を示す。図7において、角折れ矯正制御部301は、図2に示す消色装置1の全体を制御する制御部20において、角折れ矯正制御を司るもので、角折れ検知部302からの角折れ検知情報に基づいて、シートSに角折れが発生しているか否かを判定する。本実施形態において、画像読取部4が角折れ検知部302を兼用している。角折れ矯正制御部301は角折れ検知部302が読み取ったシートSの輪郭により角折れ部の有無、角折れ部の発生箇所がシートSの前端部か後端部かを判定する。また、角折れ矯正制御部301は、図4(a),図4(b)に示すように、角折れ部201、202、203の搬送方向における角折れ長さLを求めることもできる。
【0054】
角折れ矯正制御部301は、シートSが角折れ矯正部6に達したことを第1シート先端検知センサ151が検知すると、第1搬送ローラ141、第2搬送ローラ142を駆動する、例えばパルスモータの第1搬送モータ303、第2搬送モータ304、回転ブラシ用モータ171を駆動制御して、シートSに発生した角折れ部を矯正し、消色部6に向けてシートSを搬送する。
【0055】
図7に示す角折れ矯正制御部301の動作を図8に示すフローチャートと、図9(a)〜図9(f)に示す動作説明図に基づいて説明する。以下の角折れ矯正制御動作は、図4(b)に示すように、シートSの先端部の第2面に角折れ部201が発生し、後端部の第1面に角折れ部203が発生した場合を例にする。なお、シートの通常の搬送速度をV1とする。
【0056】
先ず、ACT21において、角折れ検知部302で読み込んだシートの輪郭情報に基づいて、角折れ検知を行う。角折れ検知は、シートの角部が欠けているか否か等により判定し、角折れの発生している箇所が前端部か後端部かを判定する。その際、本実施形態では角折れ部の長さLを求める。
【0057】
ACT22では、第1シート検知センサ151がシートSの先端を検知したか否かを待ち、シートSの先端を検知するとACT23に進む。シートSの先端が第1シート検知センサ151を通過するのを待っている状態において、第1搬送モータ303は通常の搬送速度で第1搬送ローラ141を搬送方向に第1搬送速度V1で回転駆動している。そして、シートSの先端が第1シート検知センサ151を通過すると、図9(a)に示すように、シートSは、第1搬送ローラ141によりブラシ位置に向かって通常の第1搬送速度V1で搬送される。
【0058】
ACT23では、第1、第2回転ブラシ51、52のブラシ先端の周速ωを通常の第1搬送速度V1よりも高速(ω>V1)で正回転させ、ACT24に進む。ここで、ブラシの正回転はシートの搬送方向と同方向とし、逆方向をシートの搬送方向と逆方向とする。
【0059】
ACT24では、シートSの先端部に発生した角折れ部201が第1回転ブラシ51と第2回転ブラシ52を配置したブラシ位置に到達したか否かを待ち、到達するとACT25に進む。
【0060】
ACT25では、第1搬送モータ303の速度を通常の搬送速度V1よりも低速の第2搬送速度V2(V2<V1)に減速し、第1搬送ローラ141によりシートを搬送方向に搬送してACT26に進む。ACT25において、シートSの先端部に発生した角折れ部201を低速の第2搬送速度V2で搬送しながら周速ωで正方向に回転する第2回転ブラシ52により捲くりあげて矯正する。その際、シートを第1搬送速度V1よりも低速の第2搬送速度V2でゆっくり搬送しているので、角折れ部201に対する第2回転ブラシ52による捲くりあげ処理を丁寧に実行し、確実に角折れ部201の矯正が行える。また、角折れ部201の破損を防止できる。
【0061】
ACT26では、シートSの先端が所定位置に達したか否かを待ち、達するとACT27に進んでシート搬送を停止する。
【0062】
ACT26では、第1、第2回転ブラシ51、52によるシートSの先端部に発生する角折れ部201に対する1回目の矯正動作が終了後、シートSの先端が所定位置に達したかを待つ。本実施形態では、第1矯正体55と第2矯正体56による角折れ部の矯正動作を行ってもよく、また省略することもできる。このため、第1矯正体55と第2矯正体56による角折れ部の矯正動作を行う場合と省略する場合とで、シートSの先端が達する所定位置を適宜決定すればよい。
【0063】
本実施形態において、第1搬送モータ303はパルスモータであるため、駆動パルスをカウントすることにより、第1シート検知センサ151を通過したシートの先端位置を検知することができる。したがって、図9(b)に示すように、シートSの角折れ部201が第1矯正体55と第2矯正体56の第1当接端503を通過する位置まで駆動パルスのカウント数が達すると、シートSの先端が所定位置に達した判定され、第1搬送モータ303の駆動を停止してシート搬送を一旦停止し、ACT28に進む。
【0064】
ACT28において、図9(c)に示すように、第1搬送モータ303を逆回転させ、シートSを逆方向に第2搬送速度V2で搬送させ、ACT29に進む。すなわち、シートSが逆方向に低速の第2搬送速度V2で搬送する際に、正方向に回転する第1、第2回転ブラシ51、52に向かってシートSの先端部に発生している角折れ部201が移動するため、効率よく角折れ部を元の方向に向けて捲くりあげし、角折れ部201の2回目の矯正動作が行える。
【0065】
また、第1矯正体51、第2矯正体52による矯正を行う場合には、図9(b)から図9(c)に示すように、シートSの第2面の先端部に発生した角折れ部201は、第2矯正体56の第1当接端503に当接し、角折れ部201の折曲がった部分が捲くりあげられて強制的に折り戻される。そして、折り戻された角折れ部201は、図9(d)に示すように、第2回転ブラシ52のブラシにより折り戻される方向に連続的捲くりあげられながら押し付けられ、さらなる角折れ矯正が行われる。
【0066】
ACT29において、シートSの逆方向搬送により、シートSの先端がブラシ位置を通過したか否かを判定する。ACT27におけるシート停止位置からブラシ位置までの距離は求められるので、例えば上述した駆動パルスをカウントすることにより、シートSの先端がブラシ位置を通過したか否かが判定され、通過するとACT30に進み、シート搬送を停止してACT31に進む。
【0067】
ACT31では、シートSの第1面の後端部に発生した角折れ部203を矯正するために、図9(e)に示すように、シートを搬送方向に第2搬送速度で搬送させる。この場合、第1搬送モータ303を減速した速度で正回転させ、第2搬送モータ304も同じ減速した速度で正回転させ、第2搬送ローラ142によるシートSの受け渡しを可能とし、ACT32に進む。
【0068】
ACT31において、第3矯正体57と第4矯正体58を配置している場合には、シートSの第1面の後端部に発生した角折れ部203が第3矯正体57の第2当接端506に当接し、角折れ部の折り曲げ部分が捲くりあげられて元の方向に折り戻される。
【0069】
ACT32では、シートSの先端がブラシ位置を搬送方向に通過したか否かを判定する。この判定も、上記した駆動パルスをカウントすることにより判定することができ、シートSの先端がブラシ位置を通過すると、ACT33に進む。
【0070】
ACT33では、第1回転ブラシ51と第2回転ブラシ52を逆方向に回転させる。その際、ブラシ先端の周速は正回転での周速ωであってもよいが、シートを破損しない程度の周速で、角折れ部の折り曲げ部分を十分に捲くりあげることができる周速であればよい。ACT32では、図9(e)に示すように、シート先端部の角折れ部201が再びブラシ位置をシート搬送方向に通過するまでの間、第1回転ブラシ51と第2回転ブラシ52は正方向に回転し、角折れ矯正済みの角折れ部201がブラシ位置を通過する際に角折れしないようにしている。そして、角折れ矯正済みの角折れ部201がブラシ位置をシート搬送方向に通過すると、図9(f)に示すように、第1回転ブラシ51と第2回転ブラシ52が逆方向に回転し、シート後端部の角折れ部203を連続的な捲くりあげ作用により、角折れ矯正を行い、ACT34に進む。
【0071】
ACT34では、シートSの後端がブラシ位置を通過したか否かを判定し、通過すると、ACT35に進み、回転ブラシ用モータ171の回転を停止し、第1回転ブラシ51と第2回転ブラシ52の回転を停止し、ACT36に進む。
【0072】
ACT36では、第1搬送モータ301と第2搬送モータ302の速度を通常の搬送速度に切り換え、シートSを搬送方向に第1搬送速度で消色部6に向け搬送し、本動作を終了する。
【0073】
本実施形態において、第1搬送ローラ141と第2搬送ローラ142の間に設定する矯正区間において、第1矯正体から第4矯正体を配置し、搬送方向に向けて搬送されているシートSを一旦停止させ、搬送方向と逆方向にシートSを逆搬送した後、再びシートSを搬送方向に搬送しているが、これら第1矯正体から第4矯正体を配置せずに、第1回転ブラシ51と第2回転ブラシ52だけでシートSに発生した角折れ部を矯正するようにしてもよい。
【0074】
また、角折れ矯正済みのシートSは、消色部6に搬送され、第1面と第2面が加熱されて消色される。角折れ部の矯正はシートSの紙面と同レベルとなるまで平らに矯正できれば良いが、図9(e)、図9(f)に示すように、シートSの紙面に対して僅かに折曲がった程度であってもよい。このように角折れ部が僅かに存在していても、消色部6のニップ部を通過すると、角折れ部が消失する。すなわち、角折れ矯正済みのシートSが、消色部6の第1加熱部63と第2加熱部64のニップ部を通過する際、角折れ矯正済みの僅かに折れ曲がった角折れ部201、203が加熱、加圧されて折れ目がなくなり、角折れ部201、203が元の角部に戻り、シートSの角折れ部が完全に消失する。
【0075】
また、角折れ部の高さh1、h4が低すぎて、第1〜第4矯正体55〜58、第1回転ブラシ51と第2回転ブラシ52による矯正ができない場合には、角折れが矯正されることなく再び第1搬送路9の合流部91を経て読取部4に搬送される。
【0076】
図2に示す消色装置の制御部20は、読取部4で読み取ったシートSの輪郭等の読取情報に基づいて、角折れ矯正適否(再利用可否)の判定を行う。
【0077】
角折れ矯正適との判定は、シートSの4つの角部が全て存在する場合を例示でき、角折れ矯正否との判定は、シートSの4つの角部のいずれか一つが欠けていた場合を例示できる。ここで、角折れ矯正適否の判定は、記憶部21に記憶している画像を用いることができ、角折れ部が存在していた箇所について判定することもできる。また記憶部21に記憶されているシートSの4つの角部が全て存在している場合には、角折れ矯正適否の判定を不要とする。
【0078】
図3のACT8で再利用可と判定されたシートであっても角折れ矯正否と判定されたシートSは、最終結果として再利用不可と判定され、第2積載トレイに積載される。そして、図3のACT8で再利用可と判定されたシートであって、かつ角折れ矯正適と判定されたシートSが最終結果として再利用可と判定され、第1積載トレイに積載される。
【0079】
本実施形態において、第1矯正体55と第2矯正体56により、シートSの先端部に発生した角折れ部201を矯正後、ブラシ位置に逆搬送しながら第1回転ブラシ51と第2回転ブラシ52により二次的に矯正させているが、第1矯正体55と第2矯正体56を用いることなく、第1回転ブラシ51と第2回転ブラシ52により矯正するようにしてもよい。
【0080】
また、角折れ検知において、シートSの後端部のみに角折れ部が発生していた場合には、図8に示すACT24、26、27、28、29、30、31を省略した処理を行うことができる。
【0081】
一方、角折れ検知において、シートSの先端部のみに角折れ部が発生し、後端部に角折れ部が存在していない場合には、シート後端部がブラシ位置を通過する際に、第1回転ブラシ51と第2回転ブラシ52は、シート搬送方向と逆方向に回転させない。
【0082】
さらに、シートSに角折れ部が発生していない場合には、角折れ矯正処理を行うことなく、第1搬送モータ303と第2搬送モータ304を搬送方向に向けて第1搬送速度V1で駆動し、シートSを消色部6に向けて搬送する。
【0083】
また、角折れ検知において、角折れ長さLに応じて駆動制御しているが、角折れ長さを所定値に設定してもよい。
【0084】
(第2実施形態)
図10は第2実施形態を示す角折れ矯正部の上面図である。
【0085】
本実施形態では、図4A,図4Bに示すように、角折れ部201、202,203の折り返された辺204がシートの幅方向に対して傾斜しているので、第1回転ブラシ51と第2回転ブラシ52の回転軸53、54をこの辺204に合わせて傾斜させている。すなわち、第1回転ブラシ51と第2回転ブラシ52の側面が角折れ部の傾斜した辺204に同時に当たるため、回転するブラシによる捲くりあげ作用で角折れ矯正を効果的に行うことができる。
【0086】
(第3実施形態)
図11は第3実施形態を示す角折れ矯正部の正面図である。
【0087】
本実施形態では、シートSの搬送面Cに対し、第1回転ブラシ51と第2回転ブラシ52との高さhを変更できるようにしたもので、図8に示すACT26までは高い位置h6に待機させ、シートSを逆方向に搬送し始めると、高さh6から角折れ部に当たる高さh7に向けて移動させる。したがって、角折れ矯正前にシートSがブラシ位置を通過する際に、ブラシ部分が角折れ部に触れることがない。
【0088】
第1回転ブラシ51と第2回転ブラシ52を高さh6とh7との間の移動は、例えば支軸511を中心に回転可能な第1アーム512に第1回転ブラシ51を回転可能に取り付け、同様に、支軸513を中心に回転可能な第2アーム514に第2回転ブラシ52を取り付ける。第1アーム512と第2アーム514には、第1リンク部材515と第2リンク部材516を連結し、第1リンク部材515と第2リンク部材516との先端部同士をピン517で連結する。したがって、ピン517を搬送方向の前後に移動することで、第1アーム512と第2アーム514を移動させることができ、第1回転ブラシ51と第2回転ブラシ52とを高さh7とh6との間で移動させることができる。このピン517の直進移動は例えばアクチュエータ518により行える。第1回転ブラシ51と第2回転ブラシ52と移動はこのようなリンク機構を用いる構成に限定されるものではなく、また第1回転ブラシ51と第2回転ブラシ52を上下方向に移動させるようにしてもよい。
【0089】
第1回転ブラシ51と第2回転ブラシ52には、例えば第1回転ブラシ51と第2回転ブラシ52に夫々に専用のモータを設け、各モータにより回転駆動力を伝達する構成であってもよい。また、一つの回転ブラシ用のモータと、モータの駆動力を2つの回転軸(回転方向が逆方向)に出力する動力伝達機構とを有する駆動機構を用い、各回転軸の駆動力を第1回転ブラシ51と第2回転ブラシ52に伝達するようにしてもよい。
【0090】
上記実施形態の説明では、「消色処理」は、画像の色を消すと記述したが、画像を消去するという意味を含んで良い。すなわち、本実施の形態に記載の消色(または消去)装置は、熱により画像の色を消す装置に限定されるものではない。例えば、光の照射によってシート上の画像の色を消す装置でも、特殊シートに形成された画像の消す装置でもよい。あるいは、消色(または消去)装置は、シート上の画像を除去(消去)する装置であっても良い。消色装置は、シートを再利用可能にするために、シート上の画像を見えなくする構成であれば良い。
なお、上記実施の形態の各動作を実行する主体は例えば、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの複合体、ソフトウェア、及び実行中のソフトウェアなどといった、コンピュータに係る主体である。動作を実行する主体は例えば、プロセッサ上で実行されるプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル、スレッド、プログラムおよびコンピュータであるがこれらに限るものではない。また、プロセスやスレッドに、動作を実行する主体を複数演じさせてもよい。
【0091】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
1 消色装置 3 給紙部 4 画像読取部 5 角折れ矯正部
6 消色部 9 第1搬送路 10 第2搬送路 20 制御部
51 第1回転ブラシ 52 第2回転ブラシ
55〜58 矯正体 201〜203 角折れ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送されるシートのシート搬送方向と直交する幅方向の両側部に対応して配置されると共に、搬送されるシートを挟んで対向配置される一対の回転ブラシと、
前記回転ブラシよりシート搬送方向下流に配置され、シートに形成された画像を消去する消去部と、
を備え、
前記回転ブラシは、前記シート搬送方向と同方向、且つ、ブラシ先端の周速がシートの搬送速度よりも高速となるように回転し、回転しながらブラシ先端部が搬送されるシートに発生する角折れ部を捲くりあげて矯正する消去装置。
【請求項2】
請求項1に記載の消去装置において、
前記搬送部は、前記回転ブラシよりシート搬送方向上流において、シートを通常の搬送速度である第1搬送速度で搬送し、シートの角折れ部に対して前記回転ブラシによって角折れ矯正を行う際、シートの搬送速度を前記第1搬送速度よりも遅くすることを特徴とする消去装置。
【請求項3】
請求項2に記載の消去装置において、
搬送されるシートの後端が前記回転ブラシの位置を通過する前に、前記回転ブラシの回転方向をシート搬送方向と逆方向に切り替える制御部をさらに有することを特徴とする消去装置。
【請求項4】
請求項3に記載の消去装置において、
前記消去部は、所定の消色温度で消色する色材で画像が形成されたシートを加熱し、加圧することを特徴とする消去装置。
【請求項5】
請求項1に記載の消去装置において、
搬送されるシートの後端が前記回転ブラシの位置を通過する前に、前記回転ブラシの回転方向をシート搬送方向と逆方向に切り替える制御部をさらに有することを特徴とする消去装置。














【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−61646(P2013−61646A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−196250(P2012−196250)
【出願日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】