説明

消毒するオスルアーコネクタキャップ

メスルアーコネクタの露出部分を消毒するためのシステム及び方法が、開示されている。オスルアーコネクタキャップ(200)に連結されるオスルアーコネクタ(140)が、設けられている。オスルアーコネクタキャップ(200)は、消毒剤を収容するチャンバ(222)と当該チャンバ内の消毒剤を封止するための封止部材とを有している。前記封止部材の動きにより、前記チャンバが少なくとも部分的に開放されて前記消毒剤が露出される。メスルアーコネクタが前記オスルアーコネクタと係合する前に、前記メスルアーコネクタの露出部分が、前記チャンバ内の消毒液に接触させられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本主題の開示は、ルアーコネクタを採用する医療機器に関し、とりわけ、消毒液のコネクタのための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野で利用されるようなルアーコネクタは、一般に、患者の点滴線、点滴薬または点滴溶液源、もしくはその他の医療機器に接続されるように設計されている。例えば、点滴投与システムでは、オスルアーコネクタが流体源に接続されてもよく、ニードルレスバルブを有するメスニードルレスルアーコネクタが、注入線を介してカテーテルに接続されてもよい。
【0003】
メスルアーコネクタがオスルアーコネクタに適合(係合)される前に、メスルアーコネクタの露出面を消毒することが重要である。そのような消毒動作が前記露出面で行われない場合、当該露出面に存在するいずれかの微生物(例えばバクテリア)が、カテーテルを介して患者の血流内に入る途中で見つかり得る。従って、微生物により引き起こされる血流感染に関連する深刻な健康上のリスクに患者をさらすことになる。
【0004】
典型的には、オスとメスとのルアー接続に先立って、看護士またはその他の治療奉仕者が露出面に消毒綿を適用することを要求され、消毒動作が行われる。しかしながら、看護士は継続的にはニードルレスルアーコネクタを消毒しない、ということを示す膨大な研究があり、教育によりコンプライアンスを向上させているが、時間の経過と共にコンプライアンスは低下する。看護士が消毒綿を手に所持しない上に更に消毒綿を所持する義務を怠ること、看護士が最初に消毒綿を適用する必要性を忘れることが、コンプライアンスに従わないことの原因として含まれる。前述されたように、適切に洗浄及び消毒しないコネクタは、血流感染に関連するカテーテル及び合併症に関連するその他のカテーテルの一因となり得る。
【0005】
従って、オスとメスとのルアー接続がなされる前に、メスルアーコネクタの露出面が消毒綿を受け入れる可能性を向上させることができる装置、システム及び方法に対する要求がある。
【発明の概要】
【0006】
ここに記載された実施の形態が、一端においてオスルアーコネクタに螺合またはその他のやり方で連結され得る消毒するオスルアーコネクタキャップを提供することによって、上述された課題に取り組まれる。前記オスルアーコネクタキャップは、チャンバを他端に含み、当該チャンバは、自身内のスポンジまたは他の吸収性基材に染込ませた消毒剤(例えば、イソプロピルアルコールまたはクロロヘキシジン)を収容する。また、前記オスルアーコネクタキャップは、前記チャンバ内の消毒剤及び消毒剤を染込まされた基材を封止(密閉)するための封止部材(例えば可剥性の蓋)を含む。前記チャンバは、前記封止部材の動き(例えば可剥性の蓋の剥がし)により少なくとも部分的に開放されて、消毒される必要があるメスルアーコネクタの露出部分が、消毒剤に接触することを可能にする。
【0007】
ある実施の形態が、オスルアーコネクタキャップを提供する。当該オスルアーコネクタキャップは、オスルアーコネクタに連結されるように構成された接続部を備える。更に、前記オスルアーコネクタキャップは、前記接続部に連結される近位端と、当該近位端の反対側にある遠位端と、前記近位端と前記遠位端との間に形成され消毒剤を収容するチャンバと、を有する本体部を備える。更に、前記オスルアーコネクタキャップは、前記遠位端で前記本体部に連結され、前記消毒剤の漏れを防ぐように構成された封止部材を備える。前記チャンバは、前記封止部材の動きにより少なくとも部分的に開放されて、メスルアーコネクタの露出部分に、前記消毒剤を収容する当該チャンバへのアクセスを提供するように構成されている。
【0008】
ある実施の形態が、オスルアーコネクタとキャップとのアセンブリを提供する。当該オスルアーコネクタとキャップとのアセンブリは、ハウジング部を有するオスルアーコネクタを備え、前記ハウジング部は、当該ハウジング部内に形成されたルアーねじ部を有する。更に、オスルアーコネクタとキャップとのアセンブリは、前記オスルアーコネクタに連結されるオスルアーコネクタキャップを備える。前記オスルアーコネクタキャップは、前記オスルアーコネクタに連結されるように構成された接続部を備える。更に、前記オスルアーコネクタキャップは、前記接続部に連結される近位端と、当該近位端の反対側にある遠位端と、前記近位端と前記遠位端との間に形成され消毒剤を収容するチャンバと、を有する本体部を備える。更に、前記オスルアーコネクタキャップは、前記遠位端で前記本体部に連結され、前記消毒剤の漏れを防ぐように構成された封止部材を備える。前記チャンバは、前記封止部材の動きにより少なくとも部分的に開放されて、メスルアーコネクタの露出部分に、前記消毒剤を収容する当該チャンバへのアクセスを提供するように構成されている。
【0009】
ある実施の形態が、メスルアーコネクタの露出部分を消毒する方法を提供する。当該方法は、消毒剤を収容するチャンバと当該チャンバ内にある前記消毒剤を封止するための封止部材とを有するオスルアーコネクタキャップに連結されたオスルアーコネクタを準備する工程を備える。更に、前記方法は、前記消毒剤を露出するために前記封止部材の動きにより前記チャンバを少なくとも部分的に開放する工程を備える。更に、前記方法は、メスルアーコネクタが前記オスルアーコネクタと係合(適合)する前に、メスルアーコネクタの露出部分を前記チャンバ内の消毒液に接触させる工程を備える。
【0010】
前述した概要及び以下の詳細な説明の両方が、代表的で説明に役立つものであり、クレームされたような実施の形態の更なる説明を提供することを意図されていることが理解される。
【0011】
本発明の更なる理解を提供するべく包含され、本明細書の一部に組込まれ本明細書を構成する添付の図面が、開示された実施の形態を説明し、詳細な説明と共に開示された実施の形態の真理を説明するために機能する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】ニードルレスルアー接続をなす前における、メスルアーコネクタ及びオスルアーコネクタを示す断面図である。
【図1B】ニードルレスルアー接続をなす後における、メスルアーコネクタ及びオスルアーコネクタを示す断面図である。
【図2A】主題の開示の異なる特徴による種々の代表的な消毒するオスルアーコネクタキャップの一例を示している。
【図2B】主題の開示の異なる特徴による種々の代表的な消毒するオスルアーコネクタキャップの一例を示している。
【図2C】主題の開示の異なる特徴による種々の代表的な消毒するオスルアーコネクタキャップの一例を示している。
【図2D】主題の開示の異なる特徴による種々の代表的な消毒するオスルアーコネクタキャップの一例を示している。
【図3】図3は、主題の開示の所定の特徴による消毒するオスルアーコネクタキャップを利用することによって、オスとメスとのルアー接続の前に、メスルアーコネクタの露出部分を消毒するための代表的な工程300を図示するフローチャートである。
【図4A】主題の開示の所定の特徴による図3の消毒工程の種々の段階における、オス及びメスルアーコネクタ及び/または消毒するオスルアーコネクタキャップの形態を示す断面図である。
【図4B】主題の開示の所定の特徴による図3の消毒工程の種々の段階における、オス及びメスルアーコネクタ及び/または消毒するオスルアーコネクタキャップの形態を示す断面図である。
【図4C】主題の開示の所定の特徴による図3の消毒工程の種々の段階における、オス及びメスルアーコネクタ及び/または消毒するオスルアーコネクタキャップの形態を示す断面図である。
【図4D】主題の開示の所定の特徴による図3の消毒工程の種々の段階における、オス及びメスルアーコネクタ及び/または消毒するオスルアーコネクタキャップの形態を示す断面図である。
【図4E】主題の開示の所定の特徴による図3の消毒工程の種々の段階における、オス及びメスルアーコネクタ及び/または消毒するオスルアーコネクタキャップの形態を示す断面図である。
【図4F】主題の開示の所定の特徴による図3の消毒工程の種々の段階における、オス及びメスルアーコネクタ及び/または消毒するオスルアーコネクタキャップの形態を示す断面図である。
【0013】
(発明の詳細な説明)
以下の詳細な説明において、開示されクレーム化された実施の形態の完全な理解を提供するべく、多くの特有の細部について説明される。しかしながら、当業者にとって、これらの特有の細部の一部がなくとも実施の形態が実施され得ることが明らかである。他の例では、よく知られた構造及び技術は、不必要に分り難くする開示を避けるべく、詳細には示されない。
【0014】
用語「代表的」は、ここでは「具体例、事実または図解として機能する」ことを意味するように使用される。「代表的」としてここに記載されたいかなる実施の形態またはデザインは、好ましい実施の形態またはデザインとして解釈される必然性はなく、他の実施の形態またはデザインよりも有利である必然性もない。
【0015】
図1A及び1Bは、それぞれニードルレスルアー接続をなす前後における、メスルアーコネクタ10及びオスルアーコネクタ140を示す断面図である。類似のニードルレスメス及びオスルアーコネクタの種々の例が、例えば米国特許第7184825号明細書に開示されている。図示された例では、オスルアーコネクタ140が、自身に形成された第一ルアーねじ部144を有するハウジング142を含んでいる。オスルアーコネクタ140は、オスカニューレ(例えばオスルアーテーパ)146を更に含んでいる。図示された例では、オスルアーコネクタ140は、注入器160に接続されているが、他の実施の形態では、オスルアーコネクタは、点滴チューブまたは他の接続部を介して流体源(例えば点滴袋)に接続されてもよい。
【0016】
メスルアーコネクタ120は、注入口122と排出口128とを含んでいる。注入口122は、オスルアーコネクタ140のオスカニューレ146を受容するような大きさに形成されている。オスルアーコネクタ140がメスルアーコネクタ120に係合される際に排出口128に連通する流路150を提供するように構成されたニードルレスバルブ126が、注入口122内に配置されている。メスルアーコネクタ120の排出口128は、典型的には患者の静脈系に連通する点滴カテーテルに接続されている。
【0017】
図1A及び1Bに示されるように、ニードルレスバルブ126は、メスルアーコネクタ120とオスルアーコネクタ140とが互いに係合される際にオスカニューレ146の先端と係合される露出面128を有している。図1Bから視認できるように、露出面128の少なくとも一部は、流路150内で点滴液にさらされている。従って、露出面128に存在するいずれかの微生物(例えばバクテリア)が、カテーテルを介して患者の血流内に
入る途中に見つけることができて、それゆえに患者を深刻な健康上のリスクにさらすことになる。しかしながら、上述したように、看護士が消毒綿を携帯していない、あるいは、看護士が必要性について単に忘れてしまっていることが原因で、オスとメスとのルアー接続の前に、看護士が露出面128に消毒綿を適用しない、ということが起こり得る。
【0018】
ある実施の形態による図2Aに図示されたような消毒するオスルアーコネクタキャップ200Aをオスルアーコネクタ140に提供することによって、前記のように認定されたため消毒綿を適用しないことの問題が緩和され得る。1つの特徴において、オスルアーコネクタ140が汚染(例えばほこり)及び微生物(例えばバクテリア)にさらされることを防止するために、オスルアーコネクタキャップ200Aが保護キャップとして作用する。オスルアーコネクタキャップ200Aは、オスルアーコネクタ140に連結されるように構成された接続部210を含んでいる。図2Aの示された例では、接続部210Aは、当該ねじ部212に形成され、オスルアーコネクタ140に形成された対応する内部メスルアーねじ部144に螺合して係合されるように構成された外部オスルアーねじ部を有するねじ部212を含んでいる。
【0019】
一方、図2Aに示されるねじ式連結機構以外の連結機構が、主題の開示の範囲から逸脱することなく採用され得るということが、主題の開示を考慮して当業者によって認められるはずである。例として、図2Bは、代替的な代表的な消毒するオスルアーコネクタキャップ200Bを示している。オスルアーコネクタキャップ200Bは、当該オスルアーコネクタキャップ200Bとオスルアーコネクタ140との間で連結を提供するために、摺動嵌合機構を採用している。オスルアーコネクタキャップ200Bは、接続部210Bと本体部220Bとを含んでいる。接続部210Bは、オスルアーコネクタ140の外面142に滑らかに嵌合されるように構成されたスリーブ212Bを含んでいる。スリーブ212Bは、外面142に把持するように係合するように、シリコンのような弾性のある材料からなり得る。いくつかの実施の形態において、オスルアーコネクタキャップ200Bの全体が、そのような弾性のある材料から形成(例えば、成型、押出)されてもよい。
【0020】
図2Aに戻って、消毒するオスルアーコネクタキャップ200Aは、近位端201と遠位端203とを有する本体部220Aを更に含んでいる。本体部220の近位端201は、接続部210Aに連結され、本体部220は、近位端201と遠位端203との間に形成されたチャンバ222を含んでいる。チャンバ222は、仕切部材226により本体部220Aの内部空間の残部から隔離されている。ある実施の形態において、洗浄/消毒される必要があるメスルアーコネクタの一部がチャンバ222に進入できるような大きさに、本体部220Aが形成されている(例えば直径において接続部210Aから拡張される)。図示された例では、本体部220Aの遷移領域221内にテーパを導入することにより、拡張がなされる。
【0021】
チャンバ222は、殺菌特性を有する消毒液を含んでいる。例えばそのような消毒液は、これらに制限されないが、イソプロピルアルコール、クロロヘキシジングルコネート、クロロヘキシジンジアセテート、クロロキシレノール、ポビドンヨード、トリクロサン、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、オクテニジン、抗生物質を含む。ある実施の形態において、チャンバ222は、自身に染込ませられる消毒液の少なくとも一部を吸収するように構成された基材223を更に含んでいる。基材223は、それに制限されない例として、ポリウレタン、ポリエステル、綿及びこれらの類似物からなるフォームスポンジを含む、任意の液体を吸収する物質であり得る。ある実施の形態において、図4Cに関連して以下に記載された消毒/洗浄工程中に、基材223は、当該基材の移動を妨げるべく、チャンバ222の内面及び/または仕切部材226に少なくとも部分的に取付けられている(例えば、接合されている)。
【0022】
消毒するオスルアーコネクタキャップ200Aは、本体部220Aの遠位端203に連結され、チャンバ222内の消毒液の封止(例えば、漏れ防止)を提供するべく構成された封止部材230を更に含んでいる。図2Aに図示された例では、封止部材230が可剥性の蓋である。ある実施の形態において、可剥性の蓋230と本体部220Bの遠位端203との間に配置された封止材232によって、封止が達成される。図示された例では、可剥性の蓋230は、剥離の容易のためにつまみ部234を含んでいる。チャンバ222は、封止部材230の動き(例えば、可剥性の蓋の剥離)により少なくとも部分的に開放されて、メスルアーコネクタの露出部分に、消毒剤を収容する当該チャンバ222へのアクセスを提供するように構成されている。
【0023】
一方、可剥性の蓋以外の封止機構が主題の開示の範囲から逸脱することなく採用され得るということが、主題の開示を考慮して当業者によって認められるはずである。例として、図2Cは、代替的な代表的な消毒するオスルアーコネクタキャップ200Cを示している。消毒するオスルアーコネクタキャップ200Cは、チャンバ222内の消毒剤の封止を提供するべくヒンジ式の蓋230Cを採用している。オスルアーコネクタキャップ200Cは、接続部210Cと本体部220Cとヒンジ式の蓋230Cとを含んでいる。ヒンジ式の蓋230Cは、本体部220Cの遠位端203Cを覆うカバー部231を含んでいる。本体部220Cは、ヒンジ部233Cを含んでおり、ヒンジ式の蓋230Cが、矢印205により図示されるように、ヒンジ部233Cに対して回転自在に旋回するように構成されている。図示された例では、ヒンジ式の蓋230Cは、チャンバ222の内壁に密封的に係合するように構成された突起部233Cも含んでいる。代替的には、突起部233Cにより提供される封止の代わりにまたはこの封止に加えて、カバー部231と本体部220Cの遠位端203Cとの間に配置された封止材によって、封止が達成される。
【0024】
図2Dは、別の代替的な代表的な消毒するオスルアーコネクタキャップ200Dを示している。消毒するオスルアーコネクタキャップ200Dは、図3に関連して以下に記載された消毒動作中に、メスルアーコネクタにねじ接続するように構成されている。オスルアーコネクタキャップ200Dは、接続部210Dと本体部220Dと封止部材230Dとを含んでいる。図示された実施の形態では、オスルアーコネクタキャップ200Dの本体部220Dは、当該本体部220Dに形成され、封止部材230Dの取外し後にメスルアーコネクタ120の外部オスねじ部124(図1A)にねじ接続するように構成された内部メスルアーねじ部227Dを含んでいる。図示された実施の形態では、封止部材230Dが可剥性の蓋である。しかしながら、前述されたヒンジ式の蓋、あるいは、本体部220Dの内部メスルアーねじ部227Dに係合されるオスルアーねじ部を有するねじ式のキャップのような可剥性の蓋以外の封止機構が、主題の開示の範囲から逸脱することなく利用され得るということが、認められるはずである。本実施の形態については、看護士またはその他の治療奉仕者が、メスルアーコネクタ120をオスルアーコネクタ140に接続するために利用される動きと同様な動きを利用して、メスルアーコネクタ120を消毒するべく、メスルアーコネクタ120をオスルアーコネクタキャップ200Dに互いに連結するであろう。流体接続(流体連通)を確立するためにいつかは用いられるようになるのと同様な動きが、消毒のための接続の形成に要求されることから、看護士または治療奉仕者がルアーコネクタに関して習慣的な通常の動きを遂行することが可能となる。
【0025】
図2Aに戻って、消毒するオスルアーコネクタキャップ200Aがオスルアーコネクタ140に連結される際に、オスルアーコネクタ140と仕切部材226との間に空洞224が形成される。空洞224は、オスルアーコネクタ140に連通する(例えば、流体的に接続する)。ある実施の形態において、孔226が本体部220Aの壁に設けられる。孔226は、空洞224から外側に通気路をもたらす。オスルアーコネクタ140に接続された点滴液配送システム(注入器160)内の空気が当該通気路を通って除去され、当該システムが点滴液のために流入を受け入れる。そのような孔226を介して流入を受け入れる動作が、図3に関連して以下に記述される。
【0026】
図3は、主題の開示の所定の特徴による消毒するオスルアーコネクタキャップの利用によって、オスとメスとのルアー接続の前に、メスルアーコネクタの露出部分を消毒するための代表的な工程300を図示するフローチャートである。図解のみの目的のために、工程300が図4A−Dを参照して記載される。図4A−Dは、工程300の種々の段階における、オス及びメスルアーコネクタ120、140及び/または消毒するオスルアーコネクタキャップ200の構成を示している。工程300は、スタート状態で始まり、動作310に進行する。動作310において、消毒するオスルアーコネクタキャップ200に連結されたオスルアーコネクタ140が、図4Aにより図示されるように提供される。オスルアーコネクタキャップ200は、消毒剤を含むチャンバ222と、当該消毒剤を染込まされた基材223と、チャンバ222内の消毒剤を封止するための封止部材230と、を含んでいる。図示された実施の形態では、オスルアーコネクタ140に形成された内部メスルアーねじ部144と、オスルアーコネクタキャップ200の接続部210に形成された対応する外部オスルアーねじ部212と、を有するねじ機構を介して、オスルアーコネクタ140がオスルアーコネクタキャップ200に連結されている。他の実施の形態では、図2Bに関連して上述されたように、摺動嵌合機構を介してオスルアーコネクタ140がオスルアーコネクタキャップ200に連結されてもよい。
【0027】
工程300が動作320に進行する。図4Bに示されるように、動作320において、チャンバ222が、当該チャンバ内に収容された消毒剤を露出する(さらす)ように、封止部材230の動きにより開放される。封止部材230が可剥性の蓋である図示された実施の形態では、看護士またはその他の治療奉仕者が可剥性の蓋230のつまみ部234を掴んで可剥性の蓋230を剥離することが前記動きに含まれる。封止部材230が図2Cに示されたヒンジ式の蓋230Cのようなヒンジ式の蓋である他の実施の形態では、ヒンジ233Cに対してヒンジ式の蓋230Cを旋回させることが、前記動きに含まれる。
【0028】
工程300が動作330に進行する。図4Cに示されるように、動作330において、洗浄/消毒されるメスルアーコネクタ120の露出部分が、チャンバ222の開放により露出された消毒剤に接触されるようになることにより、消毒綿を受け止める。消毒綿を受け止める露出部分は、メスルアーコネクタ120内に配置されたニードルレスバルブ126の露出面128を含んでいる。例えば、看護士またはその他の治療奉仕者が、オスルアーコネクタ140と消毒するオスルアーコネクタキャップ200とを備えるコネクタキャップアセンブリを指で掴んで、当該アセンブリを回転させる。それによって、図4C内に曲線の矢印により示されるように、消毒剤を染込まされた基材が露出面128に対してこすり合わさせられる。そのような回転運動によって、露出面128が、消毒剤を染込まされた基材223により洗浄され消毒される。消毒するオスルアーコネクタキャップが図2Dに示されるオスルアーコネクタキャップ200Dのような内部メスルアーねじ部を有するそれらの実施の形態において、洗浄/消毒動作330中に、看護士またはその他の治療奉仕者が、メスルアーコネクタ120の外部オスルアーねじ部124をオスルアーコネクタキャップ200Dの内部メスルアーねじ部227Dに係合することにより、メスルアーコネクタ140をオスルアーコネクタに螺合するように連結し得る。係合工程中に、メスルアーコネクタ120の露出面128が、チャンバ222D内の消毒剤を染込ませた基材223に対する螺旋経路内を移動する。それによって、露出面128が基材223により洗浄/消毒される。更に他の実施の形態において、看護士またはその他の治療奉仕者は、消毒するオスルアーコネクタキャップ200をオスルアーコネクタ140から分離して、指で当該キャップ200を掴んで、例えば当該キャップ200またはメスルアーコネクタ120のどちらか一方、あるいは両方とも回転させることにより、露出面128に消毒綿を適用してもよい。更に他の実施の形態において、露出面128は、コネクタキャップアセンブリの回転運動により引き起こされたそのようなこすり合わせる動作なしで、チャンバ222内に浸され、当該チャンバ222内の消毒剤に接触させられるようになる。更に他の実施の形態において、消毒剤は、チャンバ222内で加圧され、封止部材230を剥がした途端、あるいは他の動作機構の利用により(例えばボタンを押すことにより)、加圧された消毒剤が、露出面128に対してかけられる。接触機構に関わらず、露出面128に存在する微生物の全てまたは一部が、当該微生物が接触させられるようになる消毒剤の作用により少なくとも部分的に駆除され、さもなければ取除かれる。
【0029】
図2Aに関連して上述されたように、ある実施の形態において、点滴配送システム(例えば、流体源及び/または当該流体源をオスルアーコネクタに接続する点滴チューブ)が、消毒するオスルアーコネクタ内に設けられた孔(例えば孔226)を介して前記システム内に存在する空気を除去することにより、流入が受け入れられる。
【0030】
工程300は、動作340に進行する。動作340において、洗浄/消毒動作330の後、図4Dに示されるように、オスルアーコネクタキャップ200が、オスルアーコネクタ140から分離されて(例えば、ねじが緩められる、摺動されて外される)処分される。一方、上記に暗に言及されたように、ある実施の形態において、分離動作340は、洗浄/消毒動作330に先行する。それから、工程300は、動作350に進行する。
【0031】
動作350において、図4E及び4Fに示されるように、オスルアーコネクタ140が、オスルアーコネクタキャップ200なしで、消毒されたメスルアーコネクタ120に係合される。
【0032】
ここに記載された消毒装置、システム及び方法が、所定の特徴を提供するということは、当業者にとって高く評価されるはずである。例えば、主題の開示に従ってオスルアーコネクタに連結される消毒するオスルアーコネクタキャップが、オスルアーコネクタのための保護カバーを提供すると共に、対応するメスルアーコネクタの露出面を洗浄/消毒するために消毒綿を看護士に提供するように機能する。その上、オスとメスとのルアー接続がなされる前に分離されることを必要とする消毒するオスルアーコネクタキャップの存在により、看護士に対して、メスルアーコネクタに消毒綿を適用しなければならないことを強く思い出させることがもたらされる。加えて、ある実施の形態において、メスルアーコネクタの消毒中に、消毒するオスルアーコネクタキャップがオスルアーコネクタに連結され続けている間に、洗浄/消毒動作が行われる。そのため、メス動作中にオスルアーコネクタを別に把持すること、あるいは、メスルアーコネクタの消毒中にオスルアーコネクタのための清潔な面を見つけることの必要性が取除かれるので、前記動作が促進される。しかしながら、他の実施の形態において、消毒するオスルアーコネクタキャップは、分離されることも可能であり、メスルアーコネクタを消毒するために利用されることも可能である。ここに開示された装置は、両方の方法が行われることを許容する。従って、ここに記載された消毒装置、システム及び方法は、オスとメスとのルアー接続がなされる前に、メスルアーコネクタの露出面が潜在的に救命する消毒綿を受け入れることを確実にすることに役に立つ。
【0033】
いかなる当業者もここに記載された種々の実施の形態を実施することができるということが、前述された詳細な説明によりもたらされる。前述された実施の形態が種々の図及び実施の形態を参照して特に記載されているが、これらは説明の目的のためのみであり制限して捉えられるべきではない、ということが理解されるはずである。
【0034】
本発明を実施するための他のやり方があり得る。ここに記載された種々の機能及び要素が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、示されたこれらから別々に区別され得る。前記実施の形態に対する種々の変形例が、当業者にとって直ちに明らかであり、ここに規定された包括的な真理が、他の実施の形態に適用され得る。このように、当業者によって、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多くの変形及び修正が本発明に対してなされ得る。
【図1(A)】

【図1(B)】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
オスルアーコネクタに連結されるように構成された接続部と、
前記接続部に連結される近位端と、当該近位端の反対側にある遠位端と、前記近位端と前記遠位端との間に形成され消毒剤を収容するチャンバと、を有する本体部と、
前記遠位端で前記本体部に連結され、前記消毒剤の漏れを防ぐように構成された封止部材と、
を備え、
前記チャンバは、前記封止部材の動きにより少なくとも部分的に開放されて、メスルアーコネクタの露出部分に、前記消毒剤を収容する当該チャンバへのアクセスを提供するように構成されている
ことを特徴とするオスルアーコネクタキャップ。
【請求項2】
前記接続部は、当該接続部に形成され、オスルアーコネクタに形成された対応するルアーねじ部に係合されるように構成されたたルアーねじ部を有するねじ部を有している
ことを特徴とする請求項1に記載のオスルアーコネクタキャップ。
【請求項3】
前記接続部は、オスルアーコネクタの一部分に滑らかに嵌合されるように構成されたスリーブ部を有している
ことを特徴とする請求項1に記載のオスルアーコネクタキャップ。
【請求項4】
前記スリーブ部は、オスルアーコネクタの外面に把持するように係合するように弾性のある材料からなる
ことを特徴とする請求項3に記載のオスルアーコネクタキャップ。
【請求項5】
メスルアーコネクタが、ニードルレスバルブを有している
ことを特徴とする請求項1に記載のオスルアーコネクタキャップ。
【請求項6】
前記チャンバは、メスルアーコネクタの露出部分が前記遠位端から当該チャンバ内に進入することを許容するような大きさに形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のオスルアーコネクタキャップ。
【請求項7】
消毒剤が消毒液を有している
ことを特徴とする請求項1に記載のオスルアーコネクタキャップ。
【請求項8】
前記チャンバは、前記消毒液の少なくとも一部を吸収するための基材を収容している
ことを特徴とする請求項7に記載のオスルアーコネクタキャップ。
【請求項9】
前記基材は、フォームスポンジを有している
ことを特徴とする請求項8に記載のオスルアーコネクタキャップ。
【請求項10】
前記基材は、前記チャンバ内の表面に少なくとも部分的に取付けられている
ことを特徴とする請求項8に記載のオスルアーコネクタキャップ。
【請求項11】
前記封止部材は、可剥性の蓋を有している
ことを特徴とする請求項1に記載のオスルアーコネクタキャップ。
【請求項12】
前記封止部材は、ヒンジ式の蓋を有している
ことを特徴とする請求項1に記載のオスルアーコネクタキャップ。
【請求項13】
前記本体部は、当該本体部内で前記遠位端に形成されたメスルアーねじ部を有しており、
前記メスルアーねじ部は、メスルアーコネクタの対応するオスねじ部に係合するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のオスルアーコネクタキャップ。
【請求項14】
ハウジング部を有するオスルアーコネクタと、
当該オスルアーコネクタに連結されるオスルアーコネクタキャップと、
を備え、
前記ハウジング部は、当該ハウジング部内に形成されたルアーねじ部を有しており、
前記オスルアーコネクタキャップは、
前記オスルアーコネクタに連結されるように構成された接続部と、
前記接続部に連結される近位端と、当該近位端の反対側にある遠位端と、前記近位端と前記遠位端との間に形成され消毒剤を収容するチャンバと、を有する本体部と、
前記遠位端で前記本体部に連結され、前記消毒剤の漏れを防ぐように構成された封止部材と、
を備え、
前記チャンバは、前記封止部材の動きにより少なくとも部分的に開放されて、メスルアーコネクタの露出部分に、前記消毒剤を収容する当該チャンバへのアクセスを提供するように構成されている
ことを特徴とするオスルアーコネクタとキャップとのアセンブリ。
【請求項15】
前記オスルアーコネクタは、注入器に連結されている
ことを特徴とする請求項14に記載のオスルアーコネクタとキャップとのアセンブリ。
【請求項16】
前記接続部は、当該接続部に形成され、前記オスルアーコネクタに形成された対応するルアーねじ部に係合されるように構成されたたルアーねじ部を有するねじ部を有している
ことを特徴とする請求項14に記載のオスルアーコネクタとキャップとのアセンブリ。
【請求項17】
前記接続部は、前記オスルアーコネクタの一部分に滑らかに嵌合されるように構成されたスリーブ部を有している
ことを特徴とする請求項14に記載のオスルアーコネクタとキャップとのアセンブリ。
【請求項18】
前記チャンバは、メスルアーコネクタの露出部分が前記遠位端から当該チャンバ内に進入することを許容するような大きさに形成されている
ことを特徴とする請求項14に記載のオスルアーコネクタとキャップとのアセンブリ。
【請求項19】
消毒剤が、基材に吸収される消毒液を有している
ことを特徴とする請求項14に記載のオスルアーコネクタとキャップとのアセンブリ。
【請求項20】
前記封止部材は、可剥性の蓋を有している
ことを特徴とする請求項14に記載のオスルアーコネクタとキャップとのアセンブリ。
【請求項21】
前記封止部材は、ヒンジ式の蓋を有している
ことを特徴とする請求項14に記載のオスルアーコネクタとキャップとのアセンブリ。
【請求項22】
オスルアーバルブが、ニードルレスバルブを有している
ことを特徴とする請求項14に記載のオスルアーコネクタとキャップとのアセンブリ。
【請求項23】
前記露出部分は、前記ニードルレスバルブの露出面を有している
ことを特徴とする請求項22に記載のオスルアーコネクタとキャップとのアセンブリ。
【請求項24】
前記オスコネクタキャップの本体部は、前記オスルアーコネクタに連通する空洞を有しており、
前記本体部は、前記空洞から外側に通気路をもたらす孔であって、前記オスルアーコネクタに接続された点滴液配送システムからの流入を可能にする孔を有している
ことを特徴とする請求項14に記載のオスルアーコネクタとキャップとのアセンブリ。
【請求項25】
メスルアーコネクタの露出部分を消毒する方法であって、
消毒剤を収容するチャンバと当該チャンバ内にある前記消毒剤を封止するための封止部材とを有するオスルアーコネクタキャップに、連結されたオスルアーコネクタを準備する工程と、
前記消毒剤を露出するために前記封止部材の動きにより前記チャンバを少なくとも部分的に開放する工程と、
メスルアーコネクタが前記オスルアーコネクタと係合する前に、前記メスルアーコネクタの露出部分を前記チャンバ内の消毒液に接触させる工程と、
を備える
ことを特徴とするメスルアーコネクタの露出部分を消毒する方法。
【請求項26】
前記メスルアーコネクタは、ニードルレスバルブを有している
ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記接触させる工程は、前記消毒液を含有する消毒綿を前記ニードルレスバルブの露出面に適用する工程を含む
ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記接触させる工程は、前記メスルアーコネクタを前記オスルアーコネクタキャップに螺合するように係合させる工程を含む
ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記メスルアーコネクタが前記オスルアーコネクタと係合する前に、前記オスルアーコネクタから前記オスルアーコネクタキャップを分離させる工程を更に備える
ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記分離させる工程の前に、前記オスルアーコネクタに取付けられた点滴液配送システムに流入を受け入れさせる工程を更に備える
ことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記流入を受け入れさせる工程は、前記オスルアーコネクタキャップ内に設けられた孔を介して点滴配送システム内に存在する空気を除去する工程を含む
ことを特徴とする請求項30に記載の方法。

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図2D】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図4D】
image rotate

【図4E】
image rotate

【図4F】
image rotate


【公表番号】特表2013−503702(P2013−503702A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527979(P2012−527979)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2010/047359
【国際公開番号】WO2011/028722
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(507271514)ケアフュージョン 303 インコーポレイテッド (9)
【Fターム(参考)】