説明

消毒反応器を備えた歯科用ハンドツール

【課題】小型で液体状の供給物の際に存在し得る病原体を効果的に殺菌できる消毒反応器付ハンドツールを提供する。
【解決手段】歯科用ハンドツール104は、本体を含み、本体は、本体近接端部と、本体遠位端部と、本体近接端部に接続された少なくとも一つの歯科用ユーティリティ導管108,110と、本体に接続された歯科用消毒システムを有する。歯科用消毒システムは、使用ポイントで歯科用液体を消毒する。また、歯科用消毒システムは、本体に接続された消毒反応器106と、平行殺菌紫外線光源と、消毒反応器遠位エンドと、消毒反応壁と、歯科用液体(供給)源から歯科用液体を受け取る消毒反応器液体インレットと、使用ポイントへ歯科用液体を送出する消毒反応器液体アウトレットと、消毒反応器内部チャンバを含む。平行殺菌紫外線光源エンドは、平行紫外線光の経路に沿って紫外線反応器遠位エンドに平行殺菌紫外線光を導く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2009年5月18日出願の米国仮出願第61/179,229号、及び2009年8月17日出願の米国出願第12/542,001号に対する優先権を主張するものである。これらの出願は全て、参照により全体として本開示に盛り込まれる。
【0002】
本発明は、歯科治療中の液体を消毒するための紫外線の使用に関し、特に、歯科用ハンドツールにおいて液体を消毒する消毒反応器に関する。
【背景技術】
【0003】
歯科用ハンドツールは、作業のため液体を必要とすることが多い。特に、水は患者の口を洗浄するためだけでなく、歯科用ツールを冷却するために使用される。水は、両端に歯科用ハンドツールとインスツルメント・コンソールとを接続したチューブのような柔軟性のある導管を通って歯科用ツールに供給される。患者の口内で作業が行われる性質上、患者の口に入る水の中に感染を引き起こし得る病原菌があってはならない。したがって、米疾病管理センター(CDC)は、外科的処置を行わない歯科治療用冷却液/洗浄液として使用される水中の細菌数を、500コロニー形成単位(CFU)/ml以下のヘテロトロピックな好気性生菌数(HPC)にすべきであると推奨している。この数値は、飲用水中のHPC基準の勧告に基づいて決定した。この問題に取り組むに当たり、米国歯科医師会(ADA)は、歯科治療中に使用する水中の細菌数を200CFU/ml以下の細菌レベルに抑えることを提案した(E.W.Rice, W.K.Rich,C.H.Johnson,and D.J.Lye,“The Role of Flushing Dental Water Lines for the Removal of Microbial Contaminants”,Public Health Rep.2006 May−Jun;121(3):270−274)。歯科供給システムについてのHPC数は消毒措置のない場合は30,000CFU/mlにも上り、供給管のフラッシングといった他の措置をとった場合であってもHPC数は上記推奨値よりも尚も高くなる。歯科用供給管を通過した水の中には、シュードモナス菌、クレブジラ菌、レジオネラ菌、及び非結核性抗酸菌種が検出される(H.S.Bednarsh,K.J.Eklund,and S.Mills,“Dental Unit Waterlines:Check Your Dental Water Unit IQ”,Access Vol.10,No.9,
copyright 1997 by the American Dental Hygienists’Association)。シュードモナス菌は、日和見病原体{ひよりみ びょうげんたい}として良く知られており、歯科用ユニット水中ではありふれた汚染物質である。
【0004】
このように、歯科用液体中に病原体が見つかるため、歯科用液体を処理する技術が開発されている。そのうちの一つでは、インスツルメント・コンソール内に紫外線消毒ユニットを設置して、操作卓の中で歯科用液体を処理しているものも含まれる。供給管を化学処理する際は、例えば、塩素やオゾンを使用する。また、歯科用ハンドツールには微生物用フィルタが設けられ、歯科用液体が歯科用ハンドツールに入る際への対処がなされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】E.W.Rice, W.K.Rich,C.H.Johnson,and D.J.Lye,“The Role of Flushing Dental Water Lines for the Removal of Microbial Contaminants”,Public Health Rep.2006 May−Jun;121(3):270−274
【非特許文献2】H.S.Bednarsh,K.J.Eklund,and S.Mills,“Dental Unit Waterlines:Check Your Dental Water Unit IQ”,Access Vol.10,No.9,copyright 1997 by the American Dental Hygienists’Association
【発明の概要】
【0006】
インスツルメント・コンソールで歯科用液体を消毒すれば、歯科用ユーティリティ供給管に向かって消毒された液体が供給される。しかし、消毒された液体が患者の口に入るまでには、長い歯科用ユーティリティ供給管、さらに、歯科用ハンドツールを通過せねばならない。歯科用ユーティリティ供給管には、通常はチューブが用いられているが、その表面積は非常に大きく、歯科用液体の流速が遅いことが多い。その結果、歯科用ユーティリティ供給管内部表面で微生物群が増加するのに最適な環境が作られ、歯科用ハンドツールへ流れる液体中に高濃度の微生物が存在することとなる。このため、インスツルメント・コンソールで歯科用液体が消毒されているにもかかわらず、患者の口に到達する途中で病原菌に汚染されてしまい、感染症を引き起こし得る。そこで、本発明者らは、彼らが知る限りこれまで認識されなかった及び/又は取り組まれなかった問題を特定して、歯科用ハンドツール、及び/又は、微生物の汚染や感染症を歯科用液体の供給下流端部において確実に最小限にするようなツールに接続する部品を開発した。また、本発明者らは、使用ポイントに隣接して消毒する消毒システムを備える歯科用ハンドツールを実現するのに伴い、独自の小型消毒反応器を開発した。この消毒反応器は、歯科用ツールに隣接して又は歯科用ツール自体の内部に設置できるほど小型とはいえ、通過する液体を消毒する能力を有する。このため、歯科用ツール自体の操作やその操縦を妨げることなく液体状の供給物を消毒できる。
【0007】
一実施形態によれば、消毒反応器は、歯科用ユーティリティ供給導管の下流端部、つまり、下流端部のコネクタ内や、歯科用ハンドツール自体の中に位置している。このため、歯科用ハンドツールの上流端部に歯科用液体が流入した時に消毒できる。ここで、上述の上流端部は、使用ポイントに非常に近接しており、歯科用ユーティリティ供給導管の下流端部と定義される。その結果、本発明の独自のシステムでは、歯科用ユーティリティ供給導管を通過している間に歯科用液体に混入した病原体は全て、使用ポイントに到達するまでに消毒処理される。本発明の消毒反応器と使用ポイントとの間の距離は、およそ歯科用ハンドツール自体の長さである。この距離は、インスツルメント・コンソール内に存する先行技術の消毒反応器とこれに対向する使用ポイントとの間の距離と比べた場合、最小となる。結果として、本発明においては、消毒反応器と使用ポイントとの間に存在する病原体が歯科用液体に混入する可能性が大幅に低減する。本発明を用いれば、歯科用ハンドツールに微生物用フィルタを備えるシステムのようにフィルタを交換する必要もなくなり画期的である。
【0008】
上述のように、発明者らは、小型にもかかわらず液体状の供給物の際に存在し得る病原体を効果的に殺菌できるという意味で、独自の消毒反応器を開発した。さらに、本発明の消毒反応器であれば、液体の流れや供給を妨害することなく、効果的に消毒を行うことができる。本発明の消毒チャンバは消毒能力が潜在的に高く、小型であるため、消毒チャンバを使用ポイントに隣接して設置することで、病原体に感染し得るという問題に対処することができる。この問題は、従来技術の歯科用消毒チャンバでは対処できなかったものである。具体的な実施形態では、消毒反応器は反応チャンバを有し、反応チャンバ内には、効果的に殺菌紫外線(消毒光)を届けるための光源が組み込まれている。上述の反応器では、紫外線を平行にして、反応チャンバの中へ導くことができるため、紫外線の殺菌効率を上げることができる。このため、歯科用ハンドツールとして実用的なくらい十分小型な反応器であっても、消毒を促進でき、歯科用ハンドツールを通って使用ポイントへ向かう液体の流れ著しく妨げることもない。
【0009】
従来技術では、歯科用液体消毒用に殺菌紫外線を生成するため、水銀灯を使用していた。水銀灯は、非常に大きく、点灯するのに一般的に100ボルト以上の高電圧を必要する。水銀灯は動作の際に高電圧を必要とするため、歯医者や患者に対し安全上の問題が生じる可能性がある。一方、供給管を化学的に消毒した場合には、患者が飲み込めば害を及ぼすような消毒(による)副産物を生成し得るため、作業(化学消毒)を行う者個々が注意する必要がある。さらに、このような作業(化学消毒)を行う場合、消毒剤と供給管の材料との化学反応により歯科用ユーティリティ供給管が劣化することでその寿命が縮まり、運転費用が増えるおそれがある。歯科用ハンドツールに微生物用フィルタを使用することも可能だが、新しいフィルタに毎日交換する必要があるため、貴重な時間を費やす上に、運転費用も増える。しかし、本発明の実施形態によれば、これらの問題、及び他の存在し得る歯科消毒システムに関連する懸念を克服することができる。
【0010】
さらに、従来の消毒システムには、歯科医院の中に一箇所に設置された中央消毒及び/又はフィルタユニットが含まれるのが典型的である。このシステムは、歯科医院内の送出ユニットの上流に位置しているため、歯科医院内の全送出ユニットにとって、唯一の水消毒源となる。この中央ユニットが故障した場合、歯科医院中の歯科治療を全て中断する結果となるか、又は、故障に気づかない場合は、歯科医院中の各送出ユニットへ汚染された水が送出される可能性があるため、患者が微生物に晒される危険性を生む。しかし、使用ポイントに消毒反応器を隣接すれば、これらの潜在的な問題を防ぐことができる。さらに、具体的な実施形態においては、消毒反応器が機能しているかどうかが視覚的及び/又は聴覚的に歯科器具に表示される。このため、消毒反応器に問題がある場合、治療を行う者はすぐに気づいて治療を中断することができる。また、従来の消毒システムの場合と違い本システムでは、治療を行う者は、消毒反応器を備えた歯科器具を有する別の歯科治療室へ移動するだけでよい。この結果、歯科治療を最小限中断するだけで済み、故障した歯科器具の修理又は交換もできる。
【0011】
関連した実施形態では、消毒反応器を取り付けた歯科用ハンドツールに表示灯を含むため、作業者は消毒反応器が作動しているかどうかが分かる。あるいは、消毒反応器は紫外線を使用しているため、紫外線を照射すると可視光を発する蛍光体を消毒反応器内につけることができる。可視光が消毒反応器から漏れるように窓又はその他の空間が設けられているため、紫外線が存在することで生じた可視光が治療を行う者に見える。光が見えない場合は、反応器が機能していないと治療を行う者に分かる。
【0012】
歯科治療に使用する水の適切な取扱いに関しては、一定の産業ガイドライン及び規制ガイドラインが存在する。規制ガイドラインは各地域によって異なるが、一般的には、紫外線アーク灯を有する中央消毒ユニットの使用、もしくは、化学消毒用に記載された手順の使用が要求される。化学処理によって水供給管中の汚染物や生物膜(バイオフィルム)の問題を取扱おうと試みた場合、さまざまな難点が存在する。化学処理は、供給管及びその他の装置にとっては過酷な処理であるため、結果として、装置の交換及び/又は修理に費用と時間がかかる。さらに、様々な消毒剤及び水への添加剤が、配管システム中の有機物質や無機物質と反応して副生成物を生成するため、もはや飲料に適さない水になってしまう。このような化学処理を行った場合、時間のかかるシステム洗浄が必要となり、有害な化学成分が水供給管やシステムの他の部品から除去されていることを確認するための水の検査が必要となる。
【0013】
特定地域の管理規則にもよるが、本発明の歯科用ハンドツールの実施形態であれば、ほとんどの場合、歯科医院が設置している全消毒システムに取って代わることができる。例えば、本発明の実施形態の歯科用ハンドツールを導入すれば、歯科医院が現在用いている消毒システムを原則停止できるため、このようなシステムを維持するのに必要な費用や時間を大幅に削減できる。当然ながら、これは、歯科器具類を本発明の実施形態の歯科用ハンドツールに取り替える、又は、歯科器具類の上に消毒反応器を設置することで達成できる。
【0014】
一実施形態において、本発明は、本体を含む歯科用ハンドツールに関する。本体は、本体近接端部と、本体遠位端部と、本体近接端部に接続された少なくとも一つの歯科用ユーティリティ導管と、本体に接続された歯科消毒システムとを有し、歯科消毒システムは使用ポイントで歯科用液体を消毒する。歯科消毒システムは、本体に接続された消毒反応器と、殺菌光源エンドと、消毒反応器遠位エンドと、消毒反応壁と、歯科用液体(供給)源から歯科用液体を受け取る消毒反応器液体インレットと、歯科用液体を使用ポイントへ送出する消毒反応器液体アウトレットと、消毒反応器内部チャンバを含む。その殺菌光源エンドは、紫外線光源として好ましくは紫外線発光ダイオード(LED)を用い、また、効率を高めるため、平行であってもよい。LED光源の背景技術に関しては、米国公開公報20090026385を参照されたい。殺菌光源エンドは、殺菌光の経路に沿って紫外線反応器遠位エンド方向に殺菌光を導く。この殺菌光の経路が、消毒反応器遠位エンドに対して実質的に垂直で、消毒反応壁に対して実質的に平行であるため、殺菌光が、消毒反応器内部チャンバを十分に満たす。
【0015】
上述のように、殺菌光は、平行LED紫外線光源の形式を取ってもよい。殺菌光は平行な光が好ましいが、必須ではない。例えば2以上の平行されてないLED(又はその他のタイプの)光源を、反応器の異なった位置に設置して反応器に含んでもよい。このように複数の光源にすることで、平行にする際に薄れてしまう殺菌効果を補うことができる。このように複数の光源の配置した場合、平行光源を配置した場合に比べて効果が劣るが、それでも効果的に消毒できる。
【0016】
別の実施形態において、本発明は、本体を含む歯科用ハンドツールに関するもので、本体は、本体近接端部と、本体遠位端部と、本体近接端部に接続された少なくとも一つの歯科用ユーティリティ導管と、本体に接続された歯科用消毒システムとを有し、歯科用消毒システムは使用ポイントで歯科用液体を消毒する。ここまでは上述の実施形態と同じであるが、本実施形態では、歯科用消毒システムは少なくとも実質的に本体内部に設置された消毒反応器を含み、消毒反応器は、本体に接続された消毒反応器と、平行殺菌紫外線光源エンドと、消毒反応器遠位エンドと、消毒反応壁と、歯科用液体(供給)源から歯科用液体を受け取る消毒反応器液体インレットと、歯科用液体を使用ポイントへ送出する消毒反応器液体アウトレットと、消毒反応器内部チャンバを含む。さらに、平行殺菌紫外線光源エンドは、平行殺菌紫外線光の経路に沿って紫外線反応器遠位エンド方向に平行殺菌紫外線光を導く。この殺菌光の経路が、消毒反応器遠位エンドに対して実質的に垂直で、消毒反応壁に対して実質的に平行であるため、殺菌紫外線光が、消毒反応器内部チャンバを十分に満たす。
【0017】
さらに別の実施形態では、本発明は歯科用送出システムに関するもので、歯科用送出システムは、歯科用ユーティリティ導管と、歯科用ユーティリティ導管コネクタと、歯科用ハンドツール近接端部と、本体遠位端部と、歯科用消毒システムを含む。歯科用消毒システムは、使用ポイントで歯科用液体を消毒し、使用ポイントは、歯科用ハンドツール遠位端部に隣接する。この消毒システムは、歯科用ツールの内部、上部、もしくは単に上流に設置できるほど十分小型なため、歯科用ツールの操作やその手動による操縦を妨げない。具体的な実施形態では、歯科用消毒システムは、少なくとも実質的に歯科用ユーティリティ導管コネクタ内部に設置された消毒反応器を含み、消毒反応器は、殺菌紫外線光源エンドと、消毒反応器遠位エンドと、消毒反応壁と、歯科用ユーティリティ導管から歯科用液体を受け取る消毒反応器液体インレットと、歯科用液体を歯科用ハンドツール近接端部へ送出する消毒反応器液体アウトレットと、消毒反応器内部チャンバを含む。さらに、殺菌紫外線光源エンドは、殺菌紫外線光の経路に沿って紫外線反応器遠位エンド方向に殺菌紫外線光を導く。この殺菌紫外線光の経路は、消毒反応器遠位エンドと実質的に垂直で、消毒反応壁と実質的に平行であるため、殺菌紫外線光が、消毒反応器内部チャンバを十分に満たす。
【0018】
さらに具体的な実施形態では、歯科用ハンドツールもしくは歯科用ユーティリティ導管コネクタは、消毒反応器を含み、消毒反応器は、殺菌紫外線光源エンドと、消毒反応器遠位エンドと、消毒反応壁と、歯科用液体(供給)源から歯科用液体を受け取る消毒反応器液体インレットと、歯科用液体を使用ポイントへ送出する消毒反応器液体アウトレットと、消毒反応器内部チャンバを含む。殺菌紫外線光源エンドは、広角殺菌紫外線発光ダイオード(LED)と、石英平行レンズを含んでもよい。殺菌紫外線光源エンドは、広角殺菌紫外線発光ダイオード(LED)と、殺菌紫外線発光ダイオード(LED)電源と、放物面(パラボラ)反射鏡と、殺菌紫外線透過板を含んでもよい。
【0019】
あるいは、殺菌紫外線光源エンドは、平行紫外線光を放射する狭角紫外線発光ダイオード(LED)を備える。さらに、殺菌紫外線光源エンドは、狭角殺菌紫外線発光ダイオード(LED)と消毒反応器との間に殺菌紫外線透過板を含んでもよい。また、殺菌紫外線光源エンドは、狭角紫外線発光ダイオード(LED)と消毒反応器との間に殺菌紫外線透明石英レンズを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の消毒システムの一実施形態における消毒反応器をハンドツール内部に設置した歯科用ハンドツールの側面図である。
【図2】図2は、図1の消毒システムを有する歯科用ハンドツールの歯科用ユーティリティ供給導管コネクタをハンドツールから切り離した状態の側面図である。
【図3】図3は、反応器を有する消毒システムであって、消毒反応器を歯科用ユーティリティ供給導管コネクタ内部に設置した消毒システムを備えた歯科用ハンドツールの一実施形態の側面図である。
【図4】図4は、図3で示した消毒システムを有する歯科用ハンドツールの歯科用ユーティリティ供給導管コネクタをハンドツールから切り離した状態の側面図である。
【図5】図5は、反応器を有する消毒システムであって、消毒反応器を歯科用ハンドツールに装着した消毒システムを備えた歯科用ハンドツールの一実施形態の側面図である。
【図6】図6は、消毒反応器に配置したLEDを紫外線光の発生源とした消毒システムの一実施形態を示す側面図である。
【図7】図7は、消毒反応器に配置したLEDアレイ紫外線光の発生源とした本発明の紫外線LED消毒システムの一実施形態の側面図である。
【図8】図8は、遠隔紫外線光源から紫外線光を消毒反応器に伝送する光ファイバーケーブルを紫外線光の発生源とした本発明の紫外線消毒システムの一実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、紫外線LED消毒システム102、歯科用ハンドツール104及びインスツルメント・コンソール114を示している。紫外線LED消毒システム102は、歯科用ユーティリティ供給導管108をプションの歯科用ユーティリティ戻り導管110と、LED電源・制御導管112と、歯科用ユーティリティ導管コネクタ116と、紫外線LED消毒反応器106を含む。歯科用供給導管108は、インスツルメント・コンソール114から歯科用ハンドツール104へ歯科用液体(通常は水、図示せず)を供給するようになっている。歯科用ユーティリティ導管コネクタ116は、歯科用ユーティリティ供給導管の下流端部120で歯科用ユーティリティ供給導管108と接続し、さらに、歯科用ユーティリティ供給導管108を歯科用ハンドツール近接端部124へ接続する。歯科用液体は、歯科用ユーティリティ供給導管108を通過して、消毒反応器106に届き、そこで消毒される。その後、歯科用液体は歯科用ハンドツール104を冷却するためにその中を通り続けた後、歯科用ユーティリティ戻り導管110を経由してインスツルメント・コンソール114へ戻ってもよい。歯科用液体が歯科用ハンドツールの下流端部122に届くまで、つまり、歯科用液体が患者の口内や使用ポイントに向かって歯科用ハンドツール104を出るまで、歯科用液体は、歯科用ハンドツール104を通り続けてもよい。このように、歯科用ハンドツール104で消毒が行われることになっているため、歯科用液体が歯科用ハンドツール104に届く際、病原体が歯科用液体に混入し得るという懸念を和らげることができる。
【0022】
図2は、紫外線LED消毒システム102と、歯科用ハンドツール104と、図1の消毒反応器106を示す。ここでは、歯科用ユーティリティ導管コネクタ116を歯科用ハンドツール近接端部124から切り離しているため、歯科用ハンドツールコネクタ凹部118が露出している。
【0023】
図3は、消毒反応器106を歯科用ユーティリティ導管コネクタ116に設置する紫外線LED消毒システム102の一実施形態を示す。消毒反応器106を歯科用ハンドツール104に設置する場合とは対照的である。この実施形態では、上述と同様、歯科用ユーティリティ導管コネクタ116が、歯科用ユーティリティ供給導管108を歯科用ハンドツール近接端部124へつなぐ。ただし、上述との違いは、消毒反応器106を歯科用ユーティリティ導管コネクタ116に設置することにより、多数の歯科用ハンドツールに歯科用ユーティリティ導管コネクタ116と互換性を持たせることができるため、消毒反応器106が1つだけで済むという利点がある。
【0024】
図4は、紫外線LED消毒システム102と、歯科用ハンドツール104と、図3の消毒反応器106を示す。ここでは、歯科用ユーティリティ導管コネクタ116を歯科用ハンドツール104の近接端部124から切り離しているため、歯科用ハンドツールコネクタ凹部118が露出している。
【0025】
図5は、消毒反応器106を歯科用ハンドツール104に装着した紫外線LED消毒システム102の一実施形態を示す。このような実施形態では、消毒反応器106をさまざまな場所に設置可能であるため、設計上の自由度が上がる。
【0026】
図6は、消毒反応器106の構成要素を示す。消毒反応器106は平行紫外線殺菌光源エンド202に接続したLED電源・制御導管112を備えており、平行紫外線殺菌光源エンド202は消毒反応器106のエンドの片方を形成している。平行紫外線殺菌光源エンド202は消毒反応壁208に接続しており、消毒反応壁208は消毒反応器遠位エンド204に接続している。平行紫外線殺菌光源エンド202及び消毒反応器遠位エンド204を消毒反応壁208に固定する際、例えばネジ式の接続などの適当な取り外し可能な方法で固定してもよい。消毒反応器106は使用して行くうちに汚れることがあるが、エンドを取り外し可能とすることで消毒反応器106の機械的洗浄が促進される。あるいは、エンド202及び204を取りはずせないように装着してもよい。消毒反応器液体インレット210は、歯科用液体を消毒反応器106に流入できるようにし、消毒チャンバ液体アウトレット212は、歯科用液体を消毒反応器106へ流出できるようにする。また、歯科用液体は使用ポイントへ進んで、歯科用ハンドツール104を冷却する、及び(又は)患者の口等を洗浄できる。消毒反応器遠位エンド204は、その内側に消毒反応器遠位エンド反射面206を有していてもよい。消毒反応器遠位エンド反射面206は、平行殺菌紫外線光源エンド202が消毒反応器内部チャンバ226の他方のエンドで放射した平行殺菌紫外線光228を反射する。例えば、消毒反応器遠位エンド反射面206は、反射鏡であってもよいし、若しくは反射性材料をコーティング(被膜形成)してもよい。また、単に消毒反応器遠位エンド204の表面が、アルミニウムのような反射する表面であってもよく、さらに、平行殺菌紫外線光228の反射を促進するために反射表面を研磨してもよい。平行殺菌紫外線光源エンド202、消毒反応壁208、消毒反応器遠位エンド204のいずれかもしくは全てが、消毒反応器106が発生した熱を消毒反応器106から逃がし、場合によっては歯科用液体中に伝導するような材料から作られてもよい。材料の例として、アルミニウムが挙げられる。アルミニウムは、熱を光源から逃がし、歯科用液体中に伝導する。また、消毒反応壁208は、その内側に反射表面を有していてもよい。反射表面にするには、反射性材料を塗布する、又は、平行殺菌紫外線光228を更に反射させて歯科用液体に戻すために、消毒反応壁208の反射性材料を研磨してもよい。
【0027】
一実施形態では、平行殺菌紫外線光源エンド202は、平行な光を放射して消毒反応器内部チャンバ226へ導く。この平行な光は、消毒反応壁208と実質的に平行で、消毒反応器遠位エンド204と実質的に垂直であるため、平行殺菌紫外線光228は消毒反応器内部チャンバ226を十分に満たす。また、消毒反応器内部チャンバ226が平行殺菌紫外線光228の経路に沿って細長くなるように消毒反応器106を構成してもよい。平行殺菌紫外線光228は、消毒反応器内部チャンバ226の内に存在する歯科用液体中を通過して、その間に歯科用液体を消毒する。平行殺菌紫外線光228が消毒反応器遠位エンド204に到達した際に、消毒反応器遠位端部反射面206によって反射して戻ってもよい。これにより、消毒反応器内部チャンバ226内の平行殺菌紫外線光228の強度を増すことができる。平行殺菌紫外線光源エンド202から平行殺菌紫外線光228を放射する際、紫外線光源自体が平行殺菌光を放射してよい。あるいは、紫外線光源は平行でない紫外線光を放射するが、その後の平行殺菌紫外線光源エンド202の内部に別の構造を設けることで、紫外線光を平行にしてもよい。この結果、殺菌紫外線光源214自体が放射する殺菌紫外線光が平行か平行でないかにかかわらず、平行殺菌紫外線光源端部202は、平行殺菌紫外線光228を消毒反応器内部チャンバ226の内へ放射できる。従って、本発明では、複数の方法で平行殺菌紫外線光源エンド202を構成することが可能である。
【0028】
一実施形態においては、平行殺菌紫外線光源エンド202は、光源が広角殺菌紫外線発光ダイオード(LED)である殺菌紫外線光源214を含む。広角殺菌紫外線LEDは、平行でない殺菌紫外線LED光を放射する。一実施形態において、殺菌紫外線透過板216が石英平行レンズである場合には、殺菌紫外線透過板216を使用することにより、広角殺菌紫外線LEDから放射された平行でない殺菌紫外線光を実質的に平行な光にすることができる。一般的に、実質的に平行な紫外線光とは、従来からある平行技術を用いて可能な限り並行にした光を意味する。従来からある平行技術の例としては、放物面(パラボラ)反射鏡またはレンズの使用により可能である。本実施形態では、石英平行レンズが広角殺菌紫外線LEDから放射された平行でない殺菌紫外線光を実質的に平行にして、平行になった殺菌紫外線光は、平行殺菌紫外線光源エンド202から消毒反応器内部チャンバ226の内へ放射される。別の実施形態では、放物面(パラボラ)反射鏡230を使用することにより、広角殺菌紫外線LEDから放射された平行でない殺菌紫外線LED光を実質的に平行にできる。つまり、放物面(パラボラ)反射鏡230が、広角殺菌紫外線LEDから放射された平行でない殺菌紫外線LED光を実質的に平行にする。従って、殺菌紫外線透過板216は、既に平行になった殺菌紫外線光を単に通して消毒反応器内部チャンバ226内に導くだけの水晶板にすることができる。また別の実施形態では、殺菌紫外線光源214を狭角殺菌紫外線LED、つまり、実質的に平行な紫外線殺菌光にすることもできる。この場合も先ほどと同様、殺菌紫外線透過板216は、既に平行になった殺菌紫外線光を単に通して消毒反応器内部チャンバ226内部に導くだけの水晶板にすることができる。
【0029】
殺菌紫外線光源214が実質的に平行光を放射する場合には、殺菌紫外線透過板216として石英レンズを使用することが考えられる。なぜなら、石英レンズは、平行殺菌紫外線光源エンド202を出て、消毒反応器内部チャンバ226へ入る平行殺菌紫外線の量を増大させることができるからである。平行殺菌紫外線光源エンド202は、それが実質的に平行にされた殺菌紫外線光228を放射するものである限り、本発明で考えられる構成である。平行でない光を放射する実施形態も、経済的製造(これらに限られない。)を含む他の要因がそのような構成を必要とするならば、検討される。このような実施形態は、殺菌紫外線光源214としての広角殺菌紫外線LEDを含んでいてもよいが、これに限定されるものではない。この場合、殺菌紫外線透過板216は水晶板である。本明細書の開示から他の組合せを容易に解明可能であるが、平行光を利用するという選択が好ましい。なぜなら、殺菌紫外線光が消毒反応壁208に反射するため、殺菌紫外線光の反射損失による損失が少ないからである。平行でない光を使用する場合の消毒反応壁208の反射表面の特性、あるいは消毒反応壁208上に存在する付着物が、損失の原因となり得る。
【0030】
図7は、殺菌紫外線光源214’が紫外線LEDアレイである本発明の別の実施形態を示す。この場合、紫外線LEDアレイは、狭角殺菌紫外線光を放射する。紫外線LEDアレイから放射された殺菌紫外線光は、既に実質的に平行であるため、殺菌紫外線透過板216’は既に平行になった殺菌紫外線光を単に通して消毒反応器内部チャンバ226内に導くだけの水晶板にすることができる。あるいは、殺菌紫外線透過板216がなく、平行殺菌紫外線光を紫外線LEDアレイから直接消毒反応器内部チャンバ226へ放射するものでもよい。このような実施形態では、紫外線LEDアレイは、消毒反応器106に使用している熱伝導性材料により得られる冷却効果よって間接的に冷却されるだけでなく、歯科用液体によって直接冷却される。さらに図7では、オプションで取り付け可能な殺菌紫外線センサ218を示す。このセンサは、殺菌紫外線監視モニタ236に接続している殺菌紫外線センサ用導管220から制御及び電力供給が可能である。殺菌紫外線センサ218は、消毒反応器遠位エンド204の内部であって、消毒反応器エンド反射面206の中の消毒反応器エンド反射面検出窓232の裏側に設置してもよい。これにより、殺菌紫外線センサ218は、消毒反応器遠位エンド204に届く殺菌紫外線光の量を検出でき、殺菌紫外線監視モニタ236は、消毒反応器内部チャンバ226内における平行殺菌紫外線光228の強度を監視できる。その結果、ユーザ(使用者)は、歯科用液体を適切に消毒できるほど十分な平行殺菌紫外線光228が消毒反応器内部チャンバ226内に存在するか否かについての情報を得ることができる。十分な平行殺菌紫外線光228が存在しない場合、ユーザ(使用者)は、殺菌紫外線光源214の強度の調整、消毒反応器内部チャンバ226の掃除、紫外線LED消毒システム102のメンテナンス、の処置のいずれか又は全てを必要に応じて取ることができる。
【0031】
図8は、殺菌紫外線光源が、平行殺菌紫外線光源エンド202から遠隔に設置した遠隔殺菌紫外線光源234と、殺菌紫外線通信光ファイバーケーブル222(破線は個々の光ファイバーを表す)と、平行殺菌紫外線光源エンド202に設置した殺菌紫外線光源透過窓224を含むシステムである場合の別の実施形態を示す。殺菌紫外線通信光ファイバーケーブル222は、遠隔殺菌紫外線光源234から殺菌紫外線光源透過窓224へ殺菌紫外線光を伝送する。その構造や特性にもよるが、殺菌紫外線光源透過窓224が放射する光は、広角(平行にされてない)殺菌紫外線光でも、狭角(平行にされた)殺菌紫外線光でもよい。遠隔殺菌紫外線光源234中の殺菌紫外線光は、少なくとも一つの殺菌紫外線LEDによって生成されてもよく、殺菌紫外線光であればどんな光源によって生成されてもよい。この中には、従来からある水銀灯も含まれる。これは、遠隔殺菌紫外線光源234が歯科用ハンドツール104から遠隔にあるため、可能である。従って、光源を歯科用ハンドツール104の形状に合わせる必要も、光源を動作させる際に歯科用ハンドツール104が安全に使用できる電圧にする必要もない。
【0032】
殺菌紫外線光源透過窓224が広角(平行にされてない)殺菌紫外線光を放射する実施形態において、殺菌紫外線透過板216”が石英平行レンズである場合、殺菌紫外線透過板216”を用いることで広角殺菌紫外線光を実質的に平行にできる。あるいは、放物面(パラボラ)反射鏡230を用いることで広角殺菌紫外線光は実質的に平行にできる。この実施形態の場合、殺菌紫外線透過板216”は、既に平行になった殺菌紫外線光を単に通して消毒反応器内部チャンバ226内に導くだけの水晶板にすることができる。
【0033】
一方、殺菌紫外線透過板216”を石英レンズにすることもできる。なぜなら、石英レンズを用いることで、殺菌紫外線光源透過窓224から放射した殺菌紫外線光をより一層平行にできるためである。殺菌紫外線光源透過窓224から狭角(平行にされた)殺菌紫外線光を放射する実施形態において、殺菌紫外線透過板216”は、既に平行になった殺菌紫外線光を単に通すだけの水晶板にすることができる。一方、上述同様に、殺菌紫外線光源透過窓224から放射した殺菌紫外線光をより一層平行にするため、殺菌紫外線透過板216”を石英レンズにすることもできる。
【0034】
本発明により、歯科用ハンドツールに必要な歯科用液体を良好に消毒することができる。最もよく見られる細菌性病原体や原生動物病原体を99.99%不活性にする(すなわち「4log減少する」)のに必要とされる殺菌紫外線の紫外線積算光量は、一般的に40mJ/cmである。この紫外線積算光量は、mW/cmで測定した紫外線強度「I」と、歯科用液体の反応器内滞留時間「t」の積で表される。50mWの殺菌紫外線光を放射できる紫外線LEDの場合、紫外線強度は、LED出力「PLED」を反応器の断面積Aで割ったもので近似できる。従って、紫外線積算光量「D」は以下の式で表される。
【0035】
D=I*t=(PLED/A)*t
【0036】
さらに、滞留時間「t」は器具の体積「V」によって決まる。この場合、V=A*LをFで割ったもので表される。ここで、「L」は消毒反応器106の長さであり、「F」は反応器内の水速(単位時間当たりの水量)である。したがって、tは以下の式で表わされる。
【0037】
t=V/F=(A*L)/F
【0038】
最初の方程式のtを上記の式で置き換えると以下のようになる。
【0039】
D=PLED*L/F
又は
F=PLED*L/D
【0040】
殺菌紫外線LED出力が50mWを用いて、望ましいとされる40mJ/cmの紫外線積算光量を得る場合、長さ1cmの消毒反応器内部チャンバ226では、流速(単位時間当たりの流量)は最大で1.25cm/secすなわち75cm/minである。これは、歯科用ハンドツール104を供給するのに十分な歯科用液体の流速(単位時間当たりの流量)であり、また、LED出力を上げれば、流速(単位時間当たりの流量)は比例的に増加し、最大で病原菌を4logまで減少できるまでにできる。
【0041】
本発明の一特徴は、消毒反応器遠位エンド204にあるオプションの消毒反応器遠位エンド反射面206である。これにより、消毒反応器内部チャンバ226内の殺菌紫外線光の強度が増すため、歯科用液体を適切に消毒できる最大流速(単位時間当たりの流量)が増加する。従って、本発明では、優れた消毒特性もつ小型の紫外線消毒反応器106を組み立てることができる上に、歯科用ハンドツールの中へ組み込めるくらい十分に小さくできることが分かる。
【0042】
本件記載と矛盾しない程度であれば、いかなる引用文献であってもそっくり組み入れられる。本願明細書では、本発明の様々な実施形態を示し、記述したが、そのような実施形態はほんの一例であることは明白であろう。また、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲であれば、変更、変形、置換して実施できる。従って本発明では、追加請求項の精神と範囲によってのみ制限されることを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科患者に対して消毒された歯科用液体を圧力下で送出するための歯科用ハンドツールであり、
該歯科用ハンドツールは、本体部を備え、
該本体部は、本体近位端部と、本体遠位端部と、該本体近位端部に接続された少なくとも一本の歯科用ユーティリティ導管と、該歯科用液体を受け取って該患者に対する使用ポイントに隣接して歯科用液体を消毒する該本体部に接続された歯科用消毒システムを有する歯科用ハンドツールであって、
該歯科用消毒システムは、該本体部に接続された消毒反応器を備え、
該消毒反応器は、殺菌紫外線光源エンドと、消毒反応器遠位エンドと、該両エンド間に長さ軸を有する消毒反応器内部チャンバを該両エンドとともに画する少なくとも一つの消毒反応器壁と、歯科用液体(供給)源から該導管を介して該歯科用液体を受け取る該チャンバへの消毒反応器液体インレットと、該チャンバから該使用ポイントへ該歯科用液体を送出する消毒反応器歯科用液体アウトレットを備え、
該殺菌紫外線光源エンドは、殺菌紫外線光が該消毒反応器内部チャンバの大部分を十分に照射して該患者への該使用ポイントに送出される直前に該歯科用液体を消毒するように、該チャンバの長さ軸に全体的に沿って該消毒反応器遠位エンドに殺菌紫外線光を導くことを特徴とする歯科用ハンドツール。
【請求項2】
該殺菌紫外線光源エンドは、広角殺菌紫外線発光ダイオード(LED)と、石英平行レンズを備えることを特徴とする請求項1記載の歯科用ハンドツール。
【請求項3】
該殺菌紫外線光源エンドは、広角殺菌紫外線発光ダイオード(LED)と、殺菌紫外線発光ダイオード電源と、放物面(パラボラ)反射鏡と、殺菌紫外線光透過板と、を備えることを特徴とする請求項1記載の歯科用ハンドツール。
【請求項4】
該殺菌紫外線光源エンドは、平行殺菌紫外線光を放射する狭角殺菌紫外線発光ダイオード(LED)を備えることを特徴とする請求項1記載の歯科用ハンドツール。
【請求項5】
該殺菌紫外線光源エンドは、該狭角殺菌紫外線発光ダイオード(LED)と該消毒反応器との間に殺菌紫外線光透過板をさらに備えること特徴とする請求項4記載の歯科用ハンドツール。
【請求項6】
該殺菌紫外線光源エンドは、該狭角殺菌紫外線発光ダイオードと該消毒反応器との間に殺菌紫外線光透明石英レンズをさらに備えることを特徴とする請求項4記載の歯科用ハンドツール。
【請求項7】
該殺菌紫外線光源エンドは、殺菌紫外線発光ダイオード(LED)アレイを備えることを特徴とする請求項1記載の歯科用ハンドツール。
【請求項8】
該殺菌紫外線光源エンドは、遠隔に配置された殺菌紫外線光源と、殺菌紫外線光通信光ファイバーケーブルと、石英平行レンズと、を備えることを特徴とする請求項1記載の歯科用ハンドツール。
【請求項9】
該殺菌紫外線光源エンドは、遠隔に配置された殺菌紫外線光源と、殺菌紫外線通信光ファイバーケーブルと、放物面(パラボラ)反射鏡と、石英平行レンズと、殺菌紫外線透過板と、を備えることを特徴とする請求項1記載の歯科用ハンドツール。
【請求項10】
該殺菌紫外線光源エンドは、遠隔に配置された殺菌紫外線光源と、殺菌紫外線通信光ファイバーケーブルと、を備え、
該ファイバーケーブルは、該遠隔に配置された殺菌紫外線光源から殺菌紫外線光源透過窓へ該殺菌紫外線光を送り、
該透過窓は、該消毒反応器へ平行殺菌紫外線光を放射することを特徴とする請求項1記載の歯科用ハンドツール。
【請求項11】
該殺菌紫外線光源エンドは、該殺菌紫外線光源透過窓と該消毒反応器の間に殺菌紫外線透過板をさらに含むことを特徴とする請求項10記載の歯科用ハンドツール。
【請求項12】
該殺菌紫外線光源エンドは、該殺菌紫外線光源透過窓と該消毒反応器の間に殺菌紫外線透明石英レンズをさらに含むことを特徴とする請求項10記載の歯科用ハンドツール
【請求項13】
該殺菌紫外線光源エンドは、遠隔に配置された殺菌紫外線光源と、複数の殺菌紫外線通信光ファイバーケーブルと、を備え、
該ファイバーケーブルの放射端部が、殺菌紫外線通信光ファイバーケーブルアレイを形成することを特徴とする請求項1記載の歯科用ハンドツール。
【請求項14】
該消毒反応器は、該殺菌紫外線光の経路に沿って細長いことを特徴とする請求項1記載の歯科用ハンドツール。
【請求項15】
該消毒反応器は、該歯科用ハンドツールに取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の歯科用ハンドツール。
【請求項16】
該消毒反応器は、該歯科用ハンドツールに不可欠であることを特徴とする請求項1記載の歯科用ハンドツール。
【請求項17】
該消毒反応器は、歯科用ユーティリティ導管コネクタに不可欠であり、
該歯科用ユーティリティ導管コネクタは、該歯科用ユーティリティ導管を該本体近位端部に接続することを特徴とする請求項1記載の歯科用ハンドツール。
【請求項18】
該消毒反応器遠位エンドは、殺菌紫外線センサと、該消毒反応器内部チャンバ内の該殺菌紫外線光の強度を監視する殺菌紫外線監視モニタと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の歯科用ハンドツール。
【請求項19】
該消毒反応器は、殺菌紫外線光源から該歯科用液体へ熱を伝導する材料で構成されることを特徴とする請求項1記載の歯科用ハンドツール。
【請求項20】
該消毒反応器遠位エンドは、該殺菌紫外線光を反射することを特徴とする請求項1記載の歯科用ハンドツール。
【請求項21】
該消毒反応壁は、該殺菌紫外線光を反射するために研磨又はコーティング(被膜形成)のいずれかが少なくとも行われていることを特徴とする請求項1記載の歯科用ハンドツール。
【請求項22】
該殺菌紫外線光源エンド及び該消毒反応器遠位エンドのうち少なくとも一つは、取り外し可能であることを特徴とする請求項1記載の歯科用ハンドツール。
【請求項23】
歯科患者に対して消毒された歯科用液体を圧力下で送出するための歯科用送出システムであり、
該送出システムは、少なくとも一つの歯科用ツールを保持するワークステーションと、本体部を備える歯科用ハンドツールを備え、
該本体部は、本体近位端部と、本体遠位端部と、該本体近位端部に接続された少なくとも一本の歯科用ユーティリティ導管と、該歯科用液体を受け取って該患者に対する使用ポイントに隣接して歯科用液体を消毒する該本体部に接続された歯科用消毒システムと、を有する歯科用送出システムであって、
該歯科用消毒システムは、該本体部に接続された消毒反応器を備え、
該消毒反応器は、殺菌紫外線光源エンドと、消毒反応器遠位エンドと、該両エンド間に長さ軸を有する消毒反応器内部チャンバを該両エンドとともに画する少なくとも一つの消毒反応器壁と、歯科用液体(供給)源から該導管を介して該歯科用液体を受け取る該チャンバへの消毒反応器液体インレットと、該チャンバから該使用ポイントへ該歯科用液体を送出する消毒反応器歯科用液体アウトレットと、を備え、
該殺菌紫外線光源エンドは、殺菌紫外線光が該消毒反応器内部チャンバの大部分を十分に照射して該患者への該使用ポイントに送出される直前に該歯科用液体を消毒するように、該チャンバの長さ軸に全体的に沿って該消毒反応器遠位エンドに殺菌紫外線光を導くことを特徴とする歯科用送出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−264238(P2010−264238A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−104930(P2010−104930)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(510121592)デンタル イクイップメント エルエルシー ディー/ビー/エー ペルトン アンド クレイン (1)
【Fターム(参考)】