説明

消泡製剤

非水溶性液体消泡剤を含んで成る水性組成物であって、当該非水溶性液体消泡剤は組成物中に有機溶媒中の溶液として組み込まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は製剤に、そして詳細には非水溶性液体消泡剤を含む改良された製剤に関連する。
【背景技術】
【0002】
消泡剤は、界面活性剤を含有する水性組成物の発泡の問題を最小限にするために商業上入手可能である。典型的な用途は、濃縮物として供給されそして適用前に希釈される目的の水性農薬製剤に関連する。かかる濃縮物は、一般に界面活性剤を含み、界面活性剤は、様々な目的のために、たとえば生物性能増強剤(農薬活性を直接的又は間接的のいずれかにおいて増強する全ての特性の増強)のために組み込まれて良い。農薬濃縮物中に界面活性剤が存在することは、ボトル/容器のいずれかにおいて、又は当該濃縮物をスプレータンク中の水に加えるかあるいは、もし希釈製剤が入っているスプレータンクが、農薬が適用される場所に輸送される場合に、往々にして発泡を促す傾向がある。残留泡が存在することで、もしスプレータンクが、同じ製品で再度満たされる間に汚れを落とさずに再充填されるならば、問題が生じうる。一般に、バルク濃縮物の発泡に対して保護するため(「バルク脱発泡剤」)、そして希釈の際又は一度希釈された場合の濃縮物の発泡に対して保護するために様々な消泡剤が使用されている。希釈の際又は一度希釈された場合の発泡の問題に関連する市販の消泡組成物は、典型的に非水溶性油の(ポリ)アルキルシリコーンである。消泡油は非常に良く空気/水/界面活性剤境界において吸収しそして界面のエネルギーを減らすことにより発泡を制限すると考えられている。疎水性シリカも組み込まれて良くそして空気/水/界面活性剤境界に結合して破壊する効果を有する。かかる非水溶性油消泡剤の正確なメカニズムがどうあれ、それらは適切な濃度において存在する場合に有効である。
【0003】
しかしながら、非水溶性消泡油は、もし油/水相の間に密度差があれば、それら全ての水性系から急速に分離する欠点を有する。ストークスの法則は、この分離を、相間での全ての密度差の観点から数学的に記載する。
【0004】
【数1】

【0005】
もし消泡剤が製剤中に組み込まれ、そしてすぐに単位投与容器(その中身は一度に全てスプレータンクに加えられる)中に詰められるならば、これは主要な問題ではない。しかしながら、往々にして、農薬製剤は、農家又は配給業者によって、長期に渡りバルクで保存される。使用のために所望の量が汲み上げられる場合、消泡剤の任意の分離とは、生ずる製品が、消泡剤を含みすぎるかあるいは本質的に全く含まないことを意味する。我々は、常用の消泡系は、典型的なパラメーターを使用するストークスの法則によって確かめられるように、たったの2〜24時間において、完全に、バルク水性媒体から分離されうることを発見した。製品を汲み上げる前に消泡剤を分散及びホモジナイズするためにバルク保存設備(bulk storage facility)の中身を撹拌することは可能であるが、有効な撹拌機構を提供するためにそれが実用的であったとしても、これは更なる出費を非常に伴うだろう。
【0006】
消泡製品は、油が水中でエマルション化されているエマルションとしても供給されている。例えば、消泡剤の市販のエマルションは、典型的に、10〜50%のシリコーン油を含み、そして一般に、それ自身比較的粘性のある消泡油よりも容易に取り扱われる。しかしながら、かかる商業上入手可能なエマルションは、水性農薬濃縮物に有効に組み込まれてはおらず且つ消泡剤の迅速分離を受ける。
【0007】
我々は、消泡剤の分離の問題とは、もし当該消泡剤が、水性製剤中に組み込まれる前に適切な溶媒中に溶かされれば、解消又は緩和されることを発見した。
【発明の開示】
【0008】
本発明によれば、消泡剤が組成物中へ有機溶媒中の溶液として組み込まれている非水溶性液体消泡剤を含んで成る水性組成物が提供されている。
【0009】
水性組成物は、好適に水性農薬組成物の、例えば、水溶性農薬の水性溶液もしくは非水溶性固体農薬の水性分散体もしくは非水溶性液状農薬の水性エマルションである。水性組成物は、一般に、使用する前に希釈することを目的とされた水性農薬濃縮物である。水性農芸化学組成物は一般に、界面活性剤の例えば、発泡を誘導する傾向があり且つ消泡剤の存在が必要となる生物学性能増強剤を含むだろう。用語、生物性能増強界面活性剤とは、本明細書中で使用された場合、農薬の生物活性を、直接又は間接的に向上する任意の界面活性剤を含む。
【0010】
従って、本発明の更なる観点によれば、農薬、1又は複数の発泡誘導界面活性剤及び非水溶性剤を含んで成る水性組成物が提供されており、ここで、当該消泡剤は、有機溶媒中における溶液として組成物中に組み込まれている。
【0011】
1つの実施態様において、農薬は水溶性農薬である。
【0012】
本発明の更なる観点は、水性農薬組成物中の非水溶性消泡剤の分離を減少させる又は排除するための方法に向けられており、当該方法は、非水溶性消泡剤を、有機溶媒中の溶液の形態における水性農薬組成物へと導入することを含んで成る。
【0013】
この溶媒の作用は、複雑であり且つ理解に乏しいが、一見して農薬濃縮物の水性媒体中での消泡油の分散性を向上させる全体的な効果を有する。純水とそれとの反応に関して、消泡剤のための溶媒は、水混和性、非水混和性又は部分的に水混和性であって良い。しかしながら、我々は、見かけ上、水と大部分が非混和性であるような溶媒(従って、水道水又は脱イオン水との混合物は非常に迅速に分離する)であってさえも、農薬濃縮物の水性媒体中で驚くほどに有効に分散しうることを発見した。
【0014】
適切に、溶媒中での消泡剤の溶解度は典型的に室温(15〜20℃)で10重量%以上である。その一方で、消泡剤の溶媒中での溶解度の上限はなく、室温で30%超の溶解度を供する溶媒は殆ど無いことを発見した。本発明において有用な溶媒中での消泡剤の制限された溶解度について、溶媒中で消泡剤の溶液が溶解(混和性)限度に近づくことが好適である。溶媒は、溶媒中での消泡剤の溶解(混和性)限度が、10重量%以上、そして好適には12重量%以上、例えば15重量%以上であるように選択される。従って、典型的な溶解度の範囲は、約10重量%〜約30重量%、例えば約10重量%〜約20重量%であり、そして一層好適には12重量%〜約18重量%である。次いで、溶媒中の消泡油の濃度は、好適に、その溶解(混和性)限度にあるかあるはその付近である。
【0015】
消泡油は、典型的に約0.1〜10g/l及び一層好適には典型的に0.3〜3g/l、例えば、0.4〜1.4g/lのレベルで水性農薬濃縮物中に組み込まれている。従って、加えられる消泡剤:水性媒体の溶液の割合は、当該溶媒中の消泡剤の濃度と水性濃縮物中に提供される消泡剤の所望のレベルによって決定される。
【0016】
消泡剤は、農薬の様々な水性組成物の例えば、非水溶性農薬の懸濁又はエマルション濃縮物中で使用されて良く、そして本発明は、水溶性及び非水溶性農薬のどちらに対しても適用可能である。しかしながら、分離の問題が、水溶性農薬を含有する組成物において往々にして遭遇しうる。本発明の組成物中で有用である水溶性農薬の例としては、グリホセート、パラコート、ジクワット、 ジカンバ、ホメサフェン(fomesafen)、 イマゼチピル(imazethapyr)、イマザキン(imazaquin)、イマザピル(imazapyr)、2,4-D、及びグルホシネートが挙げられる。農薬の混合物も使用されて良く、例えば、グリホセートとジカンバの混合物及びグリホセートとジクワットの混合物が挙げられる。適切な農薬及び農薬の混合物の他の様々な例は、参考文献の標準的な仕事に列挙されており且つ当業者が気付くだろう。適切な場合、酸性農薬は、それらの水溶性塩の形態において使用される。
【0017】
消泡剤は、典型的に、単独で又は疎水性シリカなどの添加物との組み合わせにおいて、ポリアルキルシリコーン活性物質の、例えばポリジメチルシリコーン又はその誘導体をベースにされている。
【0018】
様々な商業上入手可能な消泡剤が入手可能であり、そして例としては:Silicone S203消泡剤(Wacker); 消泡A及び消泡MSA(Dow Coring);消泡DB100(Dow Coring);SAG-47、SAG-710及びSAG-100(Crompton);及び"ローダシル(Rhodasil)"454,422,FD(Rhodia)が挙げられる。
【0019】
典型的且つ適切な消泡剤の特定の例は、消泡MSA(MSAはDow Comingの登録商標である)(密度0.98g/ml)が挙げられ、それは、ポリジメチルシリコーン油と疎水性シリカの特許混合物からなる。
【0020】
本明細書中に与えられている、全ての密度は、室温(20℃)での測定値として引用されている。ストークスの法則を適用することで、十分に分散した系ついてさえも、消泡油の分離の速度における更なる因子は、農薬濃縮物の消泡剤と水性媒体の密度の差の程度であることが示されたことが理解されるだろう。典型的な消泡剤の密度は、約1g/mlである一方で、典型的な農薬濃縮物は、通常1g/ml超、例えば、最大で1.4g/mlである。この密度の違いは、十分に分散した消泡系であっても、長時間に渡り分離を促す(いわゆる「クリーミング」効果)ことにおける重要な因子である。
【0021】
溶媒の存在は、消泡油系の密度に影響するだろうしそして溶媒中での消泡剤の溶液が1g/mlよりも十分下であるならば、有効な分散の利点は、確かに幾分相殺されるだろう。逆に、1g/ml超の消泡密度の溶液を与える溶媒は、もしその密度が水性濃縮媒体の密度により近くなれば利点が証明されうる。溶媒により、水性農薬媒体の密度と密度が適合する消泡剤の溶液を提供することは必須ではないが、溶媒中の消泡剤の溶液の密度が、消泡剤単独の場合よりも有意に低くはないこと、例えば、消泡剤単独の場合よりも0.2g/ml以下にはならないことが好適である。従って、溶媒は、溶媒中の消泡剤の溶液の密度が0.8〜1.5mg/ml(溶液密度)になるように選択されることが好適である。
【0022】
溶媒中の消泡剤の溶液の密度が水性濃縮媒体の密度よりも低い場合、例えば、0.8〜1.1g/mlの密度を有する溶液を提供する溶媒が、一般に全体的に満足のいく結果を提供する。かかる溶媒が、有意な他の利点を有する場合、実際の農薬濃縮組成物に関連して(下に一層詳細に論じられているように)、もし密度が水性濃縮媒体の密度よりも低くとも、0.8〜1.1g/mlの溶液密度を生じる溶媒が全体的に許容される。
【0023】
(上記のように本質的ではないが)溶媒中の消泡剤の溶液の密度が、農薬濃縮物の水性媒体の密度と非常に適合するように選択することは可能である。
【0024】
従って、本発明の1つの実施態様において、前記溶媒は更に、消泡剤と農薬濃縮物の水性媒体との間での密度差を下げることによって、水性媒体から消泡剤が分離する傾向を減らす。
【0025】
水性農薬溶液の密度は、農薬及び製剤の他の成分の性質に依存して変化するだろうが、先に記載したように、それは1g/ml超である。従って、典型的にグリホセート酸に依存して180〜540g/lの活性成分を含有するグリホセート濃縮物は典型的に、約1.1〜1.4g/mlの密度を有し、そして一層共通に1.2〜1.4g/mlの密度を有する。パラコートイオンに基づいて100〜360g/lの活性成分を含有するパラコート濃縮物は、典型的に約1.1g/mlの密度を有する。100〜360g/lの活性成分を含むジクワット濃縮物は、典型的に約1.1g/mlの密度を有する。
【0026】
本発明の1つの観点において、溶媒中の消泡剤の溶液の密度が、農芸化学製剤の密度よりも0.1g/l密度単位以下、例えば0.05g/l密度単位以下の差であるような本発明の溶媒を提供することが可能でありうる。
【0027】
従って、本発明の更なる観点によれば、水溶性農薬、1又は複数の発泡誘導界面活性剤及び消泡剤を含んで成る水性濃縮組成物が提供されており、ここで当該消泡剤は、組成物中に有機溶媒中の溶液として組み込まれており、そして当該溶媒は、当該溶媒中の消泡剤の溶液の密度が、溶媒と消泡剤の不在下で測定した水性濃縮組成物の密度と、0.1g/l密度単位以下の差なるように選択されており、全ての密度測定は室温で行われている。
【0028】
もし、溶媒が、当該溶媒中の消泡剤の溶液の密度が溶媒及び消泡剤の不在下で測定した水性濃縮組成物の密度と0.05g/l密度単位以下の差となるように選択されれば、クリーミングによって、消泡剤が分離する傾向は少なくなるだろう。
【0029】
上で引用された水性農薬濃縮物の典型的な密度を考えると、溶媒中の消泡剤の溶液の密度が、消泡剤は存在するが溶媒が不在下で測定した水性濃縮組成物の密度とは0.1g/l密度単位以下又は一層特に0.05g/l密度単位以下の差となるように溶媒が選択することでも、0.8〜1.5g/mlの密度を有する溶液を提供するだろう。
【0030】
明らかに、水性農薬濃縮物の密度を適合させる目的あがれば、好適な溶媒は、関係する特定の組成物の密度に依存して変わるだろう。1.2〜1.4g/mlの範囲に密度を有する農薬組成物、例えば、典型的なグリホセート組成物について、典型的に、溶液を組成物の密度と「適合」させる適切な溶媒の例としては、1-ブロモベンゼン(密度1.49g/ml);1-ブロモプロパン(密度1.22g/ml);2-ブロモプロパン(密度1.35g/ml);1-ブロモペンタン(密度1.31g/ml);シクロヘキシルブロミド(密度1.32 g/ml);グリセロールホルマル(密度1.20g/ml);及び2,2,3,3-テトラフルオロ-1-プロパノール(密度1.26g/ml)である。必要濃度における消泡剤の溶液の密度は、容易に特定されて良いが、一般に、溶媒自身の密度とは0.1密度単位超異なる。我々は、典型的なシリコーン消泡剤は、消泡剤を16重量%含む溶液を提供するために上記溶媒中で十分可溶性であったことを発見した。明らかに又は僅かに曇った混合物は、グリセロールホルマル及び2,2,3,3-テトラフルオロ-1-プロパノール(それらは分離する傾向を示し、そして好適さが少ない)を除く全ての溶媒について獲得された。
【0031】
低い揮発性及び可燃性を有する消泡剤のための溶媒の使用は、バルク調製物もしくは組成物において又は保存タンク中での爆発の危険性を全て排除する。従って、適切に、溶媒の引火点は40℃超である。しかしながら、より低い引火点を伴う溶媒が提供されて良いが、但し、適切な安全システムがバルク調製物段階又は保存タンク中に組み込まれていることが条件である。従って、例えば、2-ブロモプロパンが非常に適切な溶媒である一方で、約1.35g/mlの密度を有する水性農薬濃縮物の密度と適合することが所望されていれば、それは比較的低い引火点の22℃を有し且つ特別な取り扱いが必要となる。
【0032】
本発明において使用される特別な取り扱いを必要とせずに本発明において使用するために適した溶媒は、従って、(a) 典型的なシリコーン消泡剤の例えば消泡MSAへと12重量%超、例えば15重量%超で溶ける能力;(b)0.8g/ml超、例えば、0.8〜1.1g/mlの溶液密度;及び(c)40℃超、例えば80℃超及び一層詳細には100℃超の引火点を有することを特徴とする。かかる溶媒は、有機酸のアルキル、アラルキル又はアリールエステルのクラスにおいて発見されて良い。
【0033】
従って、本発明の更なる観点によれば、水性組成物であって、農薬、1又は複数の発泡誘導界面活性剤及び非水溶性消泡剤が提供されており、ここで当該消泡剤は、有機溶媒中の溶液としての組成物中に溶液として組み込まれており、ここで当該有機溶媒は(a)典型的なシリコーン消泡剤の例えば、消泡MSAを12重量%超、例えば15重量%超の程度で溶かし;(b)0.8g/ml超の密度、例えば、0.8〜1.1g/mlの密度を有する消泡剤の溶液を提供し;そして(c)40℃超、例えば、80℃超の、そして一層特に100℃超の引火点を有する。
【0034】
上記基準に適合する適切な溶媒の例は、有機酸のアルキル、アラルキル、又はアリールエステルである。有機酸の適切なエステルエステルとしては、飽和及び不飽和脂肪酸のC1~10アルキルエステル が挙げられ、ここで当該脂肪酸は、10〜25個の炭素原子、例えば、天然の脂肪中に存在するかかるエステルの混合物が挙げられる。特異的な例としては、ラウリン酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ココナッツ油、タロー油及びナタネ油のC1~10アルキルエステルが挙げられる。更なる例としては、アルキル鎖中に2〜6個の炭素原子を含むジカルボン酸、例えばアジピン酸のC1~10アルキルエステル又はジエステルが挙げられる。更なる例としては、安息香酸などのアリール酸のC1~10のアルキルエステルが挙げられる。更なる例としては、酢酸のC8~12アルキルエステルもしくは酢酸のC1~4アルコキシ置換C1~10アルキルエステルもしく酢酸の複素環C4~10エステルもしくはアラルキルエステルが挙げられる。更なる例としては、プロピレグリコールのC5~20脂肪酸ジエステル又はプロピレングリコールのアリールジエステルが挙げられる。更なる例としては、ラクトンなどの環式酸誘導体エステルが挙げられる。
【0035】
上記有機エステルの特異的エステルとしては、メチル化ナタネ油、アジピン酸ジイソオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、C8/C10脂肪酸メチルエステル、n-ブチルベンゾエート、メトキシプロパノールアセテート、オレイン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、酢酸ヘプチル、酢酸ノニル、パルミチン酸ジエチル、パルミチン酸ジブチル、アジピン酸ジイソプロピル、プロピレングリコールのC8/C10脂肪酸ジエステル、アジピン酸ジブチル、γブチルラクトン、酢酸ヘキシル、酢酸テトラヒドロフリル、酢酸イソボルニル、ジプロピレングリコールジベンゾエート、ベンジルアセテート、ブチルジクリコールアセテート、安息香酸ヘキシル、アセト酢酸イソブチル、酢酸ベンジル、及び酪酸エチルが挙げられる。
【0036】
我々は、それらが全て密度0.85g/ml及び110℃超の引火点を有する、ミリスチン酸イソプロピル、ブチルココエート及びラウリン酸ブチルは、本発明において溶媒として使用するために特に適していることを発見した。意外にも、これらの脱イオン水中での溶解度はわずか0.12g/lのオーダーであるが、当該溶媒は、グリフォセート水性濃縮物などの農薬濃縮組成物中で実際上混和性(又は少なくとも非常に細かく分散する)である。生物性能増強剤としてアルキルポリグリコシドを含む農薬水性濃縮物は、水性媒体中で消泡剤の溶液の分散を補助させることにおいて特に有効である。
【0037】
溶媒中の消泡剤の溶液がもし、当該消泡剤単独の場合よりも低い粘度を有するならば、このことは分散を助けうるので有利でありうる。消泡剤の粘度は、典型的に500〜2000mPasであり、そして溶媒中の消泡剤の溶液の粘度は好適に、10mPa〜1000mPa、最も好適に10〜200mPaである。
【0038】
我々は更に、意外にも、有効な溶媒のミリスチン酸イソプロピルなどを伴う溶液における場合、消泡MSAなどのシリコーン消泡剤の粘度は、プラスチック及び金属表層に対して減っていることを発見した。シリコーン消泡剤は、プラスチック及び金属表層に対して接着する傾向を有し、それは表層洗浄手順に悪影響を及ぼし、その一方で、溶媒を加えることの粘度減少効果及び界面変化は、消泡剤の除去を有意に促す。
【0039】
溶媒中の消泡剤の溶液は、水性農薬製剤に直接加えられて良いかあるいはもし所望されれば、水性農薬製剤中へと導入される前に水中へ予めエマルション化されて良い。我々は、溶媒中の消泡剤の溶液は、撹拌又は振とうなどの常用の技術によって、容易に予めエマルション化した製剤に組み込まれて良い又は農薬水性組成物中へと直接組み込まれられて良いことを発見した。しかしながら、溶媒中の消泡剤の溶液を完成した農薬水性製剤に加えることは必須ではないが、代わりに処方方法の間に加えられても良い。従って、本明細書中で使用された場合、記載、水性農薬組成物中へと「組み込む」とは、溶媒中の消泡剤の溶液が、完成した水性農薬組成物に対してではなく農薬組成物を処方する過程の間に加えられる組成物を含む。
【0040】
従って、本発明の更なる観点によれば、消泡剤を有機溶媒中の溶液の形態における組成物中へと導入することを含んで成る、農薬組成物の発泡を減らす方法が供されている。
【0041】
もし所望されれば、溶媒中の消泡剤の溶液は、最初に、農薬組成物中で使用される界面活性剤もしくはアジュバントのいくつかもしくは全部と混合されて良くそして混合物はこのあと水中農薬の溶液中でエマルション化される又は水中に入れられ水溶性農薬がその後加えられて良い。溶媒中の消泡剤の溶液の水性エマルションの形成は、常用のエマルション化剤によって補助されて良い。かかる剤は、生物性能増強剤として農薬製剤中に既に存在していて良いかあるいは、更なるエマルション化剤として、例えば溶媒中の消泡剤の溶液中に直接導入することによって加えられて良い。
【0042】
適切なエマルション化剤の多くの例は、当業者が思いつくだろう。典型的な例は、HLBを8〜18の範囲で有し、ここで当該HLBは、Atlas Chemical Industries, Inc. 1940年によって導入されて記載されたように「親水性−親油性バランス」として定義されている。典型的な多くの例は、(ポリオキシエチレン)ソルビタンアルキルエステル;アルキルフェノールエトキシレートの例えば、トリスチリルフェノールエトキシレート及びトリブチルフェノールエトキシレート;合成及び天然アルコールソースに由来するアルコールアルコキシレート例えば、SYNPERONIC13/6.5、RENEX 30、RENEX 36及びBRIJ 92;ブロックコポリマーの例えば、PEO/PPOブロックコポリマー;脂肪酸アルコキシレート;アルキルポリグリコシド;アルカリ性金属アルキルベンゼンスルホネート;及び上記の混合物が挙げられる。
【0043】
我々は、完成した農薬製品内でエマルション化した消泡剤は、一度形成されれば、シリコーン消泡剤単独で使用する従来の方法に比べて意外にも長期に渡り、懸濁において安定を維持することを発見した。長期安定性は、更なる界面活性剤の存在によって増強されて良く、そして我々は、当該組成物の所定のpHにおいて陽イオン特性を有する陽イオン界面活性剤又は非陽イオン界面活性剤が特に有効であることを発見した。かかる陽イオン界面活性剤の例としては、アルキルアミンエトキシレートの例えば、GENAMIN CO50、ETHOMEEN C15、ETHOMEEN T25、GENAMIN T150;エーテルアミンエトキシレート;及びJEFFAMINE範囲の陽イオン界面活性剤の例えば、JEFFAMINE D400、ED600が挙げられる。
【0044】
いくつかの場合において、陽イオン界面活性剤は、農薬活性成分のための生物性能増強アジュバントとして、そして消泡剤を水性相からの分離に対して安定化するための両方の役割を有して良い。
【0045】
本発明の組成物は、長時間に渡りそして/又は極端な温度条件下で消泡剤の分離から免れる必要は必ずしもないことを理解されたい。しかし、消泡剤の分離の問題は、全ての悪条件下で完全に解消されないとしても、本発明の方法によって非常に減らされている。
【0046】
もし所望されれば適切なゲル化剤の、例えばポリサッカライド添加剤が、消泡剤が分離する傾向を下げる更なる目的を伴い、本発明の組成物中に組み込まれて良い。例としては、KELZAN、KELZAN ASX及びRHODOPOL 23が挙げられる。
【0047】
本発明は、以下の例によって説明されて良く、この例において全ての部及び%は、特に断りがない限り重量による。
【0048】
以下は、実施例におけるそれらの商用名によって示された製品の記載である。
【0049】
【表1】

【実施例】
【0050】
実施例
一般方法
水性農薬サンプルの例えば、界面活性剤及び消泡剤を典型的に、200〜300gの量において調製した。示した界面活性剤を含む水性農薬サンプルに、振とう又は混合を伴いながら予め調製した消泡剤/溶媒/エマルション化溶液を加えた。次いで、消泡剤を含む農薬製品を250mlのプラスチック容器中で保存した。次いで、サンプルを最初にホモジナイズしたサンプルから採取し、次いで容器を静置させた。その後、サンプルは、例に示したように、様々な時間において容器の底から(採取した)。次いで、当該サブサンプルを泡試験に委ねた。この方法におけるサンプリング及び試験により、スロークスの法則によって支配されるように、消泡剤がサンプルの上方に上る程度を特定した。
【0051】
泡試験
発泡の程度を測定するために、標準試験CIPAC MT 47.2を使用した。予め調製した農薬濃縮物を、5%(v/v)の水性農薬濃縮物及び95%(v/v)の地元の水道水を使用することで希釈した。メスシリンダー(英国標準604型)を190mlの水道水で満たし、それに10mlの水性農薬濃縮物を加えた。このシリンダーに栓をして30回反転させ、そして直立させて作業台上に置いた。最大で100mlの泡を収容できるシリンダーのヘッドスペースにおいて生じた泡の体積を測定した。泡体積データは、30回の反転が完了した後、10秒、60秒、180秒及び12分後に測定した。
【0052】
実施例1〜4
ブチルココエート(示したエマルション化剤を伴う)中の消泡MSA溶液を、グリホセートカリウム塩、アジュバントAL2575及びアジュバントゲナミンCO50を含む水性グリホセート濃縮物に加え、次いで水を、最終濃度500g/lグリホセート酸同等物として表したグリフォセート、172.2g/lのアジュバントAL2572及び46.4g/lのアジュバントゲナミンCO50とするのに必要な量加えた。消泡剤及び溶媒を伴わない水性農薬組成物の密度=1.37g/mlであった。各々の場合、十分な消泡溶液を加えて、0.5g/lの、最終組成物における消泡MSAの濃度を与えた。グリホセート濃縮物に加えた消泡MSA溶液の組成を以下の表(I)に与えている。この特定の実験において、各溶液は、消泡エマルション液滴の視覚化を補助するために色素として0.02〜0.05g/lのワクソリングリーンを含んだ。
【0053】
【表2】

【0054】
表Iに示した消泡プレミクスを、グリホセート濃縮物に直接加え(典型的に、200〜300gバッチサイズ)、そして手により30秒に渡り激しく振とうすることによって組み込んだ。一度、消泡剤の溶液がグリホセート濃縮物中で完全に分散すれば、当該サンプルを上記一般法を使用することで発泡について試験し、そして結果を表II及びIII与えた。比較1は、消泡剤の添加を何ら伴わない農薬濃縮物であり、そして比較2は、溶媒又は更なるエマルション化剤を伴わず0.5g/lの消泡MSAの添加を伴う農薬濃縮物である。
【0055】
【表3】

【0056】
【表4】

【0057】
消泡MSA油の裸眼による分離は、本発明の例においてなんら確認されなかった。比較2は有意な目に見える分離が示された。
【0058】
実施例5〜17
ミリスチン酸イソプロピル中の消泡MSA溶液(ここで示したエマルション化剤を伴う)を、カリウムグリホセート塩、アジュバントAL2575及びアジュバントゲナミンCO50を含む水性グリホセート濃縮物、加え、次いで水を、500g/lグリホセート酸当量として表したグリホセート、172.2g/lのアジュバントAL2572及び46.4g/lのアジュバントゲナミンCO50にするために必要に応じて加えた。各場合、十分な溶液を加えて、0.5g/lの最終組成物中消泡MSAの濃度となるように加えた。グリホセート濃縮物に加えた消泡MSA溶液の組成を下の表(IV)に与えている。
【0059】
【表5】

【0060】
表IVに示した消泡剤プレ混合物を直接グリホセート濃縮物に加え(典型的に、200〜300gバッチサイズ)、そして手によって30秒に渡り激しく振とうすることによって組み込んだ。消泡剤の溶液が一度完全に水性グリホセート溶液中で分散すると、サンプルを、上記一般方法を使用することで発泡について試験しそして結果を表V及びVIに与えた。比較3は、消泡剤の添加を何ら伴わない農薬濃縮物でありそして比較4は、溶媒又は更なるエマルション化剤を伴わずに0.5g/lの消泡MSAの添加を伴う農薬濃縮物である。
【0061】
【表6】

【0062】
【表7】

【0063】
消泡MSAの裸眼による分離は、本発明の例においてなんら確認されなかった。比較4については有意な分離が示された。
【0064】
【表8】

【0065】
実施例18
実施例15の組成物を、5l規模で調製した。但し、この例では、0.6g/L消泡MSAをこの例において消泡MSA溶液を介して導入したことを除く。最後に、実施例15の15.7gの消泡溶液(表IV)を空の5lプラスチック容器中に加えた。更に、6.8Kgのカリウムグリホセート農薬濃縮物(実施例5〜17)を加え、そして手により激しく300秒に渡り振るとうすることによって消泡剤を組み込んだ。コントロールのサンプルをも調製し、ここで、同じ方法を使用することで6.8kgのカリウムグリホセート農薬濃縮物へ消泡MSAを単独(3g)で加えた。
【0066】
発泡特性の評価を、専用12lスプレー装置を使用することで行った。水性農薬濃縮物(50ml)をガラスシリンダー内の5lの水に加えた。この溶液を、泡が容易に形成された混合状態を与えるためにポンプにより再循環させた。泡の高さを、混合手順の間に、混合中の指示時間においてモニタリングした。次いで、この組成物をスプレーし、そして泡の高さを、組成物の全てがガラスシリンダーからスプレーされて出た後に測定した。最後に、洗浄を模擬的に(simulate clean down)最終的な泡の高さを測定するために3lの水をガラス容器中へと注いだ。結果を表VIIIに与えている。
【0067】
【表9】

【0068】
実施例19〜29
ミリスチン酸イソプロピル中の消泡MSA溶液を加え、グリホセートアンモニウム塩(グリホセート酸当量として表された360g/l)、172.2g/lのアジュバントAL2575、140g/lの硫酸アンモニウム及び0.7g/lの(Fluowet)PL80を含有する水性グリホセート濃縮物を提供した。その濃度で、当該フルオウェットPL80は水混和性である。それはバルク消泡剤とし有効であるのみならず且つ分離する傾向がある恐れもない。
【0069】
消泡剤及び溶媒を伴わない組成物の密度は1.27g/mlであった。各場合、十分な消泡MSA溶液を、1.0 g/lの最終組成物中消泡MSA濃度が得られるように加えた。グリホセート濃縮物に対して加える消泡MSA溶液の組成を下の表(IX)に与えている。
【0070】
【表10】

【0071】
表IXに示した消泡剤プレ混合物を直接グリホセート濃縮物に加え(典型的に、200〜300gバッチサイズ)、そして手によって30秒に渡り激しく振とうすることによって組み込んだ。消泡剤の組み込み後、サンプルを、上記一般方法を使用することで発泡について試験しそして結果を表X及びXIに与えた。比較5は、消泡剤の添加を何らともなわない農薬濃縮物でありそして比較6は、溶媒又は更なるエマルション化剤を伴わずに1.0g/lの消泡MSAの添加を伴う農薬濃縮物である。
【0072】
【表11】

【0073】
【表12】

実施例30
消泡剤溶液を、WO 02/076212の実施例13(濃縮物A)及び例11(濃縮物B)に記載のパラコートジクロリド濃縮物へ加えた。消泡剤又は溶媒を伴わない組成物の密度は1.15g/mlであった。実施例13の組成物は既に小割合の消泡剤(0.25g/l)を含むことに留意されたい。これを主に、製造の間の発泡を減らすために加えており、そして比較において示すように、希釈産物の発泡を減らすことにおいて影響が殆どない。
【0074】
各場合、十分の溶液を加えて、0.5g/lの最終組成物中消泡剤濃度を得た。この例において、2種類の異なるシリコーン消泡剤を、エマルション化剤としてのスパン85と共に使用した。パラコート濃縮物へ加えた消泡溶液の組成を下の、消泡剤A及びBに関する表(XII)に与えた。
【0075】
【表13】

【0076】
表XIIに示した消泡剤予混合物を直接パラコート濃縮物に加え(典型的に、200〜300gバッチサイズ)、そして手によって30秒に渡り激しく振とうすることによって組み込んだ。予混合物の組み込み後、サンプルを、上記一般方法を使用することで発泡について試験した。この結果を表XIIIに与えた。
【0077】
【表14】

【0078】
実施例31〜33
この例は、本発明の組成物の製造を説明し、ここでミリスチン酸イソプロピル中の消泡剤の溶液を水中でエマルション化させ且つ次いで予め形成されたエマルションを水性グリホセート濃縮物に加えている。
【0079】
エマルションを下記の方法を使用することで調製した。表XIVに示したエマルション化剤を水に加えて完全に溶解させた。ミリスチン酸イソプロピル及び消泡MSA (使用される場合Span 85を伴う)を混合して溶液を形成させた。油相をこの水層に序々に加え、そして高せん断ミキサーを使用することで、MALVERN MASTERSIZER(登録商標)"S"レーザー粒子サイジング装置を使用して測定した場合、粒子サイズが1〜5ミクロンD(4,3)体積−加重平均(volume-weighted average)になるまで混合した。
【0080】
3種類のエマルション(表XIVに示した)を、グリホセート カリウム塩(グリホセート酸当量として表した500g/l)、165g/lのアジュバントAL2575、44.4g/lのアジュバントGenamin CO50及び2.63 g/lのアジュバントゲナポール(Genapol)X080を含むカリウムグリホセート農薬製品における発泡性能を試験するために選択した。各場合、十分なエマルションを、0.5g/lの最終組成物中消泡MSAの濃度を与えるように添加した。
【0081】
【表15】

【0082】
比較によって、ミリスチン酸イソプロピルが表XIVのエマルション組成物において水により置換されれば、生じるエマルションはどんなものであれ処理できないことが示されるべきだ。非常に巨大な液滴サイズの処置しにくい油状混合物をSILVERSON(登録商標)ミキサー容器中で生産した。
【0083】
実施例33において、界面活性剤AL2575をどちらもエマルションプレ混合物中でエマルション化剤として加えており且つグリホセート濃縮組成物中にアジュバントとして存在している。この割合は従って、消泡エマルションを含む最終組成物中のAL2575の濃度が165g/lであった。
【0084】
消泡エマルションをグリホセート濃縮物に加え(250gバッチサイズ)そして手によって30秒に渡り振とうすることによって組み込んだ。サンプルを標準的な試験を使用することで発泡について試験した。結果を表XVに与えている。
【0085】
【表16】

【0086】
実施例34
ミリスチン酸イソプロピル中の消泡MSAの溶液を、グリホセート酸に基づいて480 g/lにおけるカリウムグリホセート及びジカンバ酸に基づいて7.5g/lの濃度におけるジカンバのカリウム塩を含む水性濃縮物に加えた。各場合、十分な量の溶液を加え、0.6g/lの最終組成物中消泡剤濃度を得た。グリホセート/ジカンバ濃縮物に加えた消泡剤溶液の組成を表(XVI)に与えている。
【0087】
【表17】

【0088】
表XVIIには、生じた泡のデータを与える。消泡剤溶液を農薬濃縮物(250gバッチサイズ)に直接加え、そして手により30秒に渡り激しく振とうすることによって組み込んだ。この例において、農薬サンプルを、泡試験の間室温ではなく40℃で保存した。
【0089】
【表18】

【0090】
実施例35及び36
この例は、消泡剤の溶液の密度が溶媒の不在下で農薬濃縮物のそれと0.05g/ml密度単位以下の差となるように選択した溶媒の使用を示す。
【0091】
農薬濃縮物を調製して、消泡剤の添加後に、組成物がグリホセート酸に基づいて360g/lにおけるアンモニウムグリホセート、172.2g/lの濃度におけるアジュバントAL2575、140g/lの濃度における硫酸アンモニウム、0.7g/lの濃度におけるフルオウェットPL80及び3.0g/lの濃度における消泡MSAを3.0 g/lからなるように水を加えた。MSA及び溶媒の不在下における農薬濃縮物の濃度は1.28 g/mlであった。消泡溶液を最後にサンプル(典型的に、200〜300gバッチサイズ)に直接加え、そして手により30秒に渡り激しく振とうして組み込んだ。十分な溶液を使用して3.0 g/lの濃度における消泡MSAの濃度を供した。コントロールのサンプルにおいて、3.0g/lの消泡MSAを、溶媒を伴わずに加えた。サンプルを250mlプラスチック容器に保存した。消泡剤のために2種類の溶媒を使用した。溶液Aは84%(w/w)の2-ブロモプロパン及び16%(w/w)の消泡MSAを含んだ。溶液Aの密度は、室温で1.29 g/mlであった。溶液Bは84%(w/w)のシクロヘキシルブロミド及び16%(w/w)の消泡MSAを含んだ。溶液Bの密度は室温で1.27 g/mlであった。
【0092】
発泡特性の評価を専用のガラス12lスプレー装置及び例18に記載の方法を使用することで行った。結果を溶液Aについて表XVIII(実施例35)に、そして溶液Bについて表XIX(実施例36)に与えている。
【0093】
【表19】

【0094】
【表20】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
非水溶性液体消泡剤を含んで成る水性組成物であって、当該消泡剤が組成物中に有機溶媒中の溶液として組み込まれている水性組成物。
【請求項2】
前記非水溶性液体消泡剤が、15〜20℃の範囲の温度において、溶媒中、10重量%以上の溶解度を有する、請求項1に記載の水性組成物。
【請求項3】
前記消泡剤がシリコーン含有活性物質である、請求項1に記載の水性組成物。
【請求項4】
前記シリコーン含有活性物質がポリアルキルシリコーンを含んで成る、請求項3に記載の水性組成物。
【請求項5】
前記シリコーン含有活性物質が更に疎水性シリカを含んで成る、請求項4に記載の水性組成物。
【請求項6】
前記有機溶媒が、40℃超の引火点を有する、請求項1に記載の水性組成物。
【請求項7】
前記溶媒が、有機酸のアルキル、アラルキル又はアリールエステルの種類から選択される少なくとも1つの構成員を含んで成る、請求項6に記載の水性組成物。
【請求項8】
前記溶媒が、ミリスチン酸イソプロピル、ブチルココエート及びラウリン酸ブチルからなる群から選択される少なくとも1つの構成員を含んで成る、請求項7に記載の水性組成物。
【請求項9】
1種類以上の農薬、1又は複数の発泡誘導界面活性剤及び非水溶性消泡剤を含んで成る水性農薬組成物であって、当該消泡剤が、当該組成物中に有機溶媒中の溶液として組み込まれている水性農薬組成物。
【請求項10】
前記溶媒中の消泡剤の溶液が水性農薬組成物に直接加えられる、請求項9に記載の水性組成物。
【請求項11】
前記溶媒中の消泡剤の溶液が、水性農薬製剤中に組み込まれる前に水中へと予めエマルション化される、請求項9に記載の水性組成物。
【請求項12】
前記非水溶性液体消泡剤が、15〜20℃の範囲の温度において、溶媒中、10重量%以上の溶解度を有する、請求項9に記載の水性組成物。
【請求項13】
前記消泡剤がシリコーン含有活性物質である、請求項9に記載の水性組成物。
【請求項14】
前記シリコーン含有活性物質がポリアルキルシリコーンを含んで成る、請求項13に記載の水性組成物。
【請求項15】
前記シリコーン含有活性物質が更に疎水性シリカを含んで成る、請求項14に記載の水性組成物。
【請求項16】
前記有機溶媒が、40℃超の引火点を有する、請求項9に記載の水性組成物。
【請求項17】
前記溶媒が、有機酸のアルキル、アラルキル又はアリールエステルの種類から選択される少なくとも1つの構成員を含んで成る、請求項16に記載の水性組成物。
【請求項18】
前記溶媒が、ミリスチン酸イソプロピル、ブチルココエート及びラウリン酸ブチルからなる群から選択される少なくとも1つの構成員を含んで成る、請求項17に記載の水性組成物。
【請求項19】
生物性能増強剤を更に含んで成る、請求項9に記載の水性組成物。
【請求項20】
前記農薬が水溶性農薬を1種類以上含んで成る、請求項9に記載の水性組成物。
【請求項21】
農薬、1又は複数の発泡誘導界面活性剤及び消泡剤を含んで成る水性濃縮組成物であって、当該消泡剤は組成物中へと有機溶媒中の溶液として組み込まれており且つ当該溶媒は、当該溶媒中の消泡剤の溶液の密度が、溶媒及び消泡剤の不在下で測定した水性濃縮組成物の密度と0.1g/l密度単位以下の差となるように選択されており、ここで、全ての密度測定は、室温において行われている水性濃縮組成物。
【請求項22】
前記農薬が水溶性農薬を1種類以上含んで成る、請求項21に記載の水性濃縮組成物。
【請求項23】
農薬、1又は複数の発泡誘導界面活性剤及び非水溶性消泡剤を含んで成る水性組成物であって、当該消泡剤は有機溶媒中の溶液として組成物中に組み込まれており、当該有機溶媒は有機酸のアルキル、アラルキル又はアリールエステルであり、当該エステルは(a)12重量%超の程度でシリコーン消泡剤を溶かし;(b)0.8g/ml超の密度を有する消泡剤の溶液を提供し;そして(c)40℃超の引火点を有する、水性組成物。
【請求項24】
水性農薬組成物の発泡を減らす方法であって、消泡剤を、有機溶媒中の溶液の形態の組成物中に導入することを含んで成る方法。
【請求項25】
水性農薬組成物中の非水溶性消泡剤の分離を減らす又は排除するための方法であって、当該方法は、非水溶性消泡剤を有機溶媒中の溶液の形態における水性農薬組成物中へと導入することを含んで成る方法。
【請求項26】
前記溶媒中の消泡剤の溶液を、水性農薬組成物へと直接加える、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記溶媒中の消泡剤の溶液を、水性農薬製剤中へ組み込む前に、水中へと予めエマルション化する、請求項25に記載の方法。

【公表番号】特表2007−520448(P2007−520448A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533449(P2006−533449)
【出願日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/016714
【国際公開番号】WO2004/105914
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(501008820)シンジェンタ リミテッド (33)
【Fターム(参考)】