説明

消火剤

【課題】高い消火性能と人体に対する高い安全性の両方を満たす消火剤を提供する。
【解決手段】酢酸カリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、およびクエン酸ナトリウムから選択された1または2以上からなるカルボン酸アルカリ金属塩と、レシチン、サポニン、およびガゼインから選択された1または2以上からなる天然界面活性剤と、食品添加物に指定されている炭素数が4以下の低級アルコールと、水と、で構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消火器、消火装置および消火設備に用いる消火剤に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な水系消火剤として、強化液消火剤(濃度35〜40体積%の炭酸カリウム水溶液)がある。これはA火災(普通火災)、B火災(油火災)およびC火災(電気火災)に有効で、特に天ぷら油火災の消火に優れているが、pHが12〜13の強アルカリ性であるため取り扱いに注意を要する。
強化液消火剤を含む従来の消火剤は、含有成分の人体に対する安全性が確保されていないため、飲食料品やそのパッケージ等のように、直接または間接的に口に入れるものを扱う場所で火災発生または誤操作等により消火剤を放出した際に、消火剤が付着したものは洗浄または廃棄する必要がある。すなわち、消火剤成分の人体に対する安全性が確保されていないことで、火災で直接的な被害を受けたもの以外に消火剤が付着することで二次被害が生じるため、これを少なくすることが求められている。
【0003】
下記の特許文献1には、中性の消火剤として、カルボン酸のアルカリ金属塩と糖アルコールを主剤とし、水を溶媒とした、天ぷら油火災やタイヤ火災用の消火剤組成物が記載されている。
下記の特許文献2には、トリフルオロクロロカーボンを主成分とし、無毒化添加物としてテルペン類(サポニンを含む)を含有する消火剤が記載されている。また、サポニンは消火剤の泡安定剤として知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−130210号公報
【特許文献2】特許第2896413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1および2に記載された消火剤は、高い消火性能と人体に対する高い安全性の両方を満たすという点で改善の余地がある。
本発明の課題は、高い消火性能と人体に対する高い安全性の両方を満たす消火剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、酢酸カリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、およびクエン酸ナトリウムから選択された1または2以上からなるカルボン酸アルカリ金属塩と、レシチン、サポニン、およびカゼイン(以下、「ガゼイン」と称する)から選択された1または2以上からなる天然界面活性剤と、水と、で構成された消火剤を提供する。
【0007】
前記カルボン酸アルカリ金属塩は、A火災(普通火災)と天ぷら油火災の消火に有効な成分である。前記天然界面活性剤は、発泡して被消火物の表面を覆うことによりB火災(油火災)の可燃性ガスの蒸発拡散を抑える効果がある。よって、本発明の消火剤は、A火災(普通火災)、B火災(油火災)、天ぷら油火災のいずれの火災に対しても消火性能が高い。なお、C火災(電気火災)用消火器は、消火剤成分の飛ばし方が他の火災用消火器と異なるだけであるため、本発明の消火剤はC火災(電気火災)用としても高い消火性能を有する。
【0008】
前記カルボン酸アルカリ金属塩のうち、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、およびクエン酸ナトリウムは、日本で食品添加物として認められている成分である。酢酸カリウムはFAO(国連の食料農業機関)WHO(世界保健機構)JECFA(合同食品添加物専門家会議)による安全評価試験の結果、人体に対する安全性が確認されている成分であり、EU諸国では食品添加物として使用されている。
【0009】
レシチン、サポニン、およびガゼインは日本で食品添加物として認められている成分である。
したがって、本発明の消火剤は人体に対する高い安全性が確保されている。
前記カルボン酸アルカリ金属塩は、酢酸およびクエン酸のいずれかまたは両方と、炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウムのいずれかまたは両方と、を混合して反応させて得られたものを使用することが好ましい。
酢酸、クエン酸、炭酸カリウム、および炭酸ナトリウムは、日本で食品添加物として認められている成分である。
【0010】
本発明の消火剤は、全体量100ミリリットル中に、前記カルボン酸アルカリ金属塩を20〜55g、前記天然界面活性剤を0.10〜2.0gの割合で含有していることが好ましい。カルボン酸アルカリ金属塩の含有量が20g未満であると、A火災、B火災、天ぷら油火災の消火性能が不充分(総務省令「消火器の技術上の規格を定める省令」に規定された試験で不合格)となる。カルボン酸アルカリ金属塩の含有量が55gを超えると、経時変化が生じ易く、総務省令「消火器の技術上の規格を定める省令」に規定された変質試験で不合格となる。前記天然界面活性剤の含有量が0.10g未満であると、A火災、B火災の消火性能が不充分となる。前記天然界面活性剤の含有量が2.0gを超えると、経時変化が生じ易くなる。
【0011】
本発明の消火剤は、前記カルボン酸アルカリ金属塩と前記天然界面活性剤との含有量の比が、質量比で、カルボン酸アルカリ金属塩:天然界面活性剤=30:1〜100:1であることが好ましい。前記天然界面活性剤1gに対するカルボン酸アルカリ金属塩の比が30g未満であると、A火災の消火性能が不充分となる。前記天然界面活性剤1gに対するカルボン酸アルカリ金属塩の比が100gを超えると経時変化が生じ易くなる。
【0012】
本発明の消火剤は、食品添加物に指定されている炭素数が4以下の低級アルコールを、前記天然界面活性剤に対する質量比で、前記天然界面活性剤:前記低級アルコール=1:2.0〜1:8.0で含有していることが好ましい。前記天然界面活性剤1gに対する前記低級アルコールの比が2.0g未満であると、A火災、B火災の消火性能が不充分となる。前記天然界面活性剤1gに対する前記低級アルコールの比が8.0gを超えると、経時変化が生じ易くなる。
【0013】
食品添加物に指定されている炭素数が4以下の低級アルコールとしては、グリセリン、プロピレングリコール、ポエチレングリコール等が挙げられる。
本発明の消火剤は、pHが5.5〜8.5であることが好ましい。pHが5.5未満であると、鉄およびアルミニウムを腐食し易くなる。pHが8.5を超えると、アルミニウムを腐食し易くなる。
【0014】
本発明の消火剤は、必要に応じて添加剤を添加してよいが、その添加剤は食品添加物に指定されている成分とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の消火剤は、消火性能に優れ、食品添加物およびこれに準ずる安全性を有する成分と、水と、で構成されているため、高い消火性能と人体に対する高い安全性の両方を満たしている。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を具体的な実施例に基づいて説明する。
[実施例1−1]
純度100%の酢酸(分子量60)9.0gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)10.6gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム15gとサポニン1.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0017】
[実施例1−2]
純度100%の酢酸(分子量60)12.2gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)14.0gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム20gとサポニン1.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0018】
[実施例1−3]
純度100%の酢酸(分子量60)21.4gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)24.8gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム35gとサポニン1.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0019】
[実施例1−4]
純度100%の酢酸(分子量60)30.6gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)35.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム50gとサポニン1.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0020】
[実施例1−5]
純度100%の酢酸(分子量60)36.6gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)42.1gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウムを60gとサポニン1.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0021】
[実施例2−1]
純度100%のクエン酸(分子量192)8.8gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)9.5gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行ってクエン酸カリウムを取り出した。
このクエン酸カリウム15gとサポニン1.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0022】
[実施例2−2]
純度100%のクエン酸(分子量192)20.7gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)22.3gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行ってクエン酸カリウムを取り出した。
このクエン酸カリウム35gとサポニン1.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0023】
[実施例2−3]
純度100%のクエン酸(分子量192)32.6gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)35.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行ってクエン酸カリウムを取り出した。
このクエン酸カリウム55gとサポニン1.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0024】
[実施例2−4]
純度100%のクエン酸(分子量192)35.6gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)38.3gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行ってクエン酸カリウムを取り出した。
このクエン酸カリウム60gとサポニン1.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0025】
[実施例3−1]
純度100%のクエン酸(分子量192)9.8gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)8.1gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行ってクエン酸ナトリウムを取り出した。
このクエン酸ナトリウム15gとサポニン1.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0026】
[実施例3−2]
純度100%のクエン酸(分子量192)22.8gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)18.9gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行ってクエン酸ナトウムを取り出した。
このクエン酸ナトリウム35gとサポニン1.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0027】
[実施例3−3]
純度100%のクエン酸(分子量192)35.9gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)29.7g混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行ってクエン酸ナトリウムを取り出した。
このクエン酸ナトリウムを55gとサポニン1.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0028】
[実施例3−4]
純度100%のクエン酸(分子量192)39.2gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)32.4gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行ってクエン酸ナトリウムを取り出した。
このクエン酸ナトリウム60gとサポニン1.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0029】
[実施例4−1]
純度100%の酢酸(分子量60)11.0gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)9.7gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸ナトリウムを取り出した。
この酢酸ナトリウム15gとサポニン1.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0030】
[実施例4−2]
純度100%の酢酸(分子量60)14.6gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)12.9gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸ナトリウムを取り出した。
この酢酸ナトリウム20gとサポニン1.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0031】
[実施例4−3]
純度100%の酢酸(分子量60)25.6gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)22.6gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸ナトリウムを取り出した。
この酢酸ナトリウム35gとサポニン1.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0032】
[実施例4−4]
純度100%の酢酸(分子量60)36.6gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)32.3gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸ナトリウムを取り出した。
この酢酸ナトリウム50gとサポニン1.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0033】
[実施例4−5]
純度100%の酢酸(分子量60)43.8gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)38.7gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸ナトリウムを取り出した。
この酢酸ナトリウム60gとサポニン1.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0034】
[実施例5−1]
純度100%の酢酸6.1gと純度99.5%の炭酸カリウム7.0gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って、酢酸カリウム10gを取り出した。また、純度100%のクエン酸8.9gと純度99.5%の炭酸カリウム9.5gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って、クエン酸カリウム15gを取り出した。
このようにして得られた酢酸カリウム10gおよびクエン酸カリウム15gと、サポニン1.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0035】
[実施例5−2]
純度100%の酢酸6.1gと純度99.5%の炭酸カリウム7.0gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って、酢酸カリウム10gを取り出した。また、純度100%の酢酸14.6gと純度99.5%の炭酸ナトリウム12.9gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って、酢酸ナトリウム20gを取り出した。
このようにして得られた酢酸カリウム10gおよび酢酸ナトリウム20gと、サポニン1.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0036】
[実施例5−3]
純度100%のクエン酸5.9gと純度99.5%の炭酸カリウム6.4gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って、クエン酸カリウム10gを取り出した。また、純度100%のクエン酸6.5gと純度99.5%の炭酸ナトリウム5.4gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って、クエン酸ナトリウム10gを取り出した。
このようにして得られたクエン酸カリウム10gおよびクエン酸ナトリウム10gと、サポニン1.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0037】
[実施例5−4]
純度100%の酢酸3.0gと純度99.5%の炭酸カリウム3.5gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って、酢酸カリウム5gを取り出した。また、純度純度100%のクエン酸2.9gと純度99.5%の炭酸カリウム3.1gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って、クエン酸カリウム5gを取り出した。
【0038】
また、純度100%の酢酸14.6gと純度99.5%の炭酸ナトリウム12.9gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って、酢酸ナトリウム20gを取り出した。さらに、純度100%のクエン酸16.3gと純度99.5%の炭酸ナトリウム13.5gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って、クエン酸ナトリウム25gを取り出した。
このようにして得られた酢酸カリウム5g、酢酸ナトリウム20g、クエン酸カリウム5g、およびクエン酸ナトリウム25gと、サポニン1.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0039】
[実施例1−1〜5−4のまとめ]
実施例1−1〜5−4の各消火剤についてpHを測定した。また、凝固点と、A火災、B火災、天ぷら油火災の消火性能については、総務省令「消火器の技術上の規格を定める省令」に準じた試験方法により、A−1模型およびB−1模型を消火する実験と凝固点の測定を行った。また、天ぷら油火災についても、総務省令「消火器の技術上の規格を定める省令」に準じた試験方法により実験を行った。消火の際には、各消火剤を3L 蓄圧式消火器に充填し、この消火器に取り付けた霧状ノズルから、消火模型に対して消火剤を噴霧させた。
【0040】
消火性能については、規定時間(A火災では2分、B火災と天ぷら油火災では1分)以内に再燃しなかったものを合格として「○」、一時的に消火するものの規定の時間内に再着火してしまったものを「△」、消火できなかったものを「×」とした。また、凝固点については、白濁して正確な測定ができなかったものを「×」とした。
また、総務省令「消火器の技術上の規格を定める省令」で規定された「変質試験」に準じて、変質試験を行った。その結果、外観、pH、比重、凝固点温度のいずれについても変化がなかったものを合格として「○」、外観、pH、比重、凝固点温度の一つ以上に変化があったものを「×」とした。
【0041】
これらの結果を、実施例1−1〜1−5について表1に、実施例2−1〜2−4について表2に、実施例3−1〜3−4について表3に、実施例4−1〜4−5について表4に、実施例5−1〜5−4について表5に示す。
【0042】
【表1】

【0043】
【表2】

【0044】
【表3】

【0045】
【表4】

【0046】
【表5】

【0047】
この結果から分かるように、本発明の消火剤は、全体量100ミリリットル中に、サポニン1.00gと、酢酸カリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、およびクエン酸ナトリウムから選択された1または2以上からなるカルボン酸アルカリ金属塩を20〜55g含有していることが、消火性能と品質保持性の観点から好ましい。
【0048】
[実施例6−1]
純度100%の酢酸(分子量60)18.4gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)16.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム30gとサポニン0.05gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0049】
[実施例6−2]
純度100%の酢酸(分子量60)18.4gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)16.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム30gとサポニン0.10gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0050】
[実施例6−3]
純度100%の酢酸(分子量60)18.4gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)16.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム30gとサポニン1.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0051】
[実施例6−4]
純度100%の酢酸(分子量60)18.4gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)16.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム30gとサポニン2.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0052】
[実施例6−5]
純度100%の酢酸(分子量60)18.4gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)16.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
純度100%の酢酸(分子量60)18.4gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)16.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム30gとサポニン2.20gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0053】
[実施例7−1]
純度100%の酢酸(分子量60)18.4gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)16.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム30gとレシチン0.05gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0054】
[実施例7−2]
純度100%の酢酸(分子量60)18.4gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)16.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム30gとレシチン0.10gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0055】
[実施例7−3]
純度100%の酢酸(分子量60)18.4gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)16.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム30gとレシチン1.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0056】
[実施例7−4]
純度100%の酢酸(分子量60)18.4gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)16.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム30gとレシチン2.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0057】
[実施例7−5]
純度100%の酢酸(分子量60)18.4gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)16.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム30gとレシチン2.20gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0058】
[実施例8−1]
純度100%の酢酸(分子量60)18.4gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)16.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム30gとガゼイン0.05gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0059】
[実施例8−2]
純度100%の酢酸(分子量60)18.4gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)16.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム30gとガゼイン0.10gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0060】
[実施例8−3]
純度100%の酢酸(分子量60)18.4gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)16.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム30gとガゼイン1.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0061】
[実施例8−4]
純度100%の酢酸(分子量60)18.4gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)16.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム30gとガゼイン2.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0062】
[実施例8−5]
純度100%の酢酸(分子量60)18.4gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)16.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム30gとガゼイン2.20gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0063】
[実施例9−1]
純度100%の酢酸(分子量60)18.4gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)16.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム30gとサポニン1.50gとレシチン0.30gとガゼイン0.20gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0064】
[実施例9−2]
純度100%の酢酸(分子量60)18.4gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)16.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム30gとサポニン1.00gとレシチン0.60gとガゼイン0.40gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0065】
[実施例9−3]
純度100%の酢酸(分子量60)18.4gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)16.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム30gとサポニン0.75gとレシチン0.25gとガゼイン1.00gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0066】
[実施例9−4]
純度100%の酢酸(分子量60)18.4gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)16.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム30gとサポニン0.50gとレシチン1.00gとガゼイン0.50gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0067】
[実施例9−5]
純度100%の酢酸(分子量60)18.4gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)16.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム30gとサポニン0.25gとレシチン0.25gとガゼイン1.50gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0068】
[実施例6−1〜9−5のまとめ]
実施例6−1〜9−5の各消火剤についてpHを測定した。また、凝固点と、A火災、B火災、天ぷら油火災の消火性能については、総務省令「消火器の技術上の規格を定める省令」に準じた試験方法により、A−1模型およびB−1模型を消火する実験と凝固点の測定を行った。また、天ぷら油火災についても、総務省令「消火器の技術上の規格を定める省令」に準じた試験方法により実験を行った。消火の際には、各消火剤を3L 蓄圧式消火器に充填し、この消火器に取り付けた霧状ノズルから、消火模型に対して消火剤を噴霧させた。
【0069】
消火性能については、規定時間(A火災では2分、B火災と天ぷら油火災では1分)以内に再燃しなかったものを合格として「○」、一時的に消火するものの規定の時間内に再着火してしまったものを「△」、消火できなかったものを「×」とした。また、凝固点については、白濁して正確な測定ができなかったものを「×」とした。
また、総務省令「消火器の技術上の規格を定める省令」で規定された「変質試験」に準じて、変質試験を行った。その結果、外観、pH、比重、凝固点温度のいずれについても変化がなかったものを合格として「○」、外観、pH、比重、凝固点温度の一つ以上に変化があったものを「×」とした。
【0070】
これらの結果を、実施例6−1〜6−5について表6に、実施例7−1〜7−5について表7に、実施例8−1〜8−5について表8に、実施例9−1〜9−5について表9に示す。
【0071】
【表6】

【0072】
【表7】

【0073】
【表8】

【0074】
【表9】

【0075】
この結果から分かるように、本発明の消火剤は、酢酸カリウム30gと、全体量100ミリリットル中に、レシチン、サポニン、およびガゼインから選択された1または2以上からなる天然界面活性剤0.100〜2.00gを含有していることが、消火性能と品質保持性の観点から好ましい。
【0076】
[実施例10−1]
純度100%の酢酸(分子量60)12.2gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)14.0gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム20gとサポニン0.17gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「酢酸カリウム:サポニン」は質量比で「117:1」である。
【0077】
[実施例10−2]
純度100%の酢酸(分子量60)12.0gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)13.8gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム20gとサポニン0.20gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「酢酸カリウム:サポニン」は質量比で「100:1」である。
【0078】
[実施例10−3]
純度100%の酢酸(分子量60)30.6gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)35.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム50gとサポニン1.60gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「酢酸カリウム:サポニン」は質量比で「31:1」である。
【0079】
[実施例10−4]
純度100%の酢酸(分子量60)30.6gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)35.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム50gとサポニン1.80gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「酢酸カリウム:サポニン」は質量比で「27:1」である。
【0080】
[実施例11−1]
純度100%のクエン酸(分子量192)11.9gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)12.8gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行ってクエン酸カリウムを取り出した。
このクエン酸カリウム20gとサポニン0.17gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「クエン酸カリウム:サポニン」は質量比で「117:1」である。
【0081】
[実施例11−2]
純度100%のクエン酸(分子量192)11.9gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)12.8gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行ってクエン酸カリウムを取り出した。
このクエン酸カリウム20gとサポニン0.200gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「クエン酸カリウム:サポニン」は質量比で「100:1」である。
【0082】
[実施例11−3]
純度100%のクエン酸(分子量192)29.6gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)31.9gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行ってクエン酸カリウムを取り出した。
このクエン酸カリウム50gとサポニン1.60gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「クエン酸カリウム:サポニン」は質量比で「31:1」である。
【0083】
[実施例11−4]
純度100%のクエン酸(分子量192)29.6gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)31.9gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行ってクエン酸カリウムを取り出した。
このクエン酸カリウム50gとサポニン1.80gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「クエン酸カリウム:サポニン」は質量比で「27:1」である。
【0084】
[実施例12−1]
純度100%の酢酸(分子量60)14.6gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)12.9gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行ってクエン酸ナトリウムを取り出した。
この酢酸ナトリウム20gとサポニン0.170gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「酢酸ナトリウム:サポニン」は質量比で「117:1」である。
【0085】
[実施例12−2]
純度100%の酢酸(分子量60)14.6gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)12.9gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸酸ナトリウムを取り出した。
この酢酸ナトリウム20gとサポニン0.200gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「酢酸ナトリウム:サポニン」は質量比で「100:1」である。
【0086】
[実施例12−3]
純度100%の酢酸(分子量60)36.6gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)32.3gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸ナトリウムを取り出した。
この酢酸ナトリウム50gとサポニン1.60gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「酢酸ナトリウム:サポニン」は質量比で「31:1」である。
【0087】
[実施例12−4]
純度100%の酢酸(分子量60)36.6gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)32.3gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸ナトリウムを取り出した。
この酢酸ナトリウム50gとサポニン1.80gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「酢酸ナトリウム:サポニン」は質量比で「27:1」である。
【0088】
[実施例13−1]
純度100%のクエン酸(分子量192)13.1gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)10.8gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行ってクエン酸ナトリウムを取り出した。
このクエン酸ナトリウム20gとサポニン0.170gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「クエン酸ナトリウム:サポニン」は質量比で「117:1」である。
【0089】
[実施例13−2]
純度100%のクエン酸(分子量192)13.1gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)10.8gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行ってクエン酸ナトリウムを取り出した。
このクエン酸ナトリウム20gとサポニン0.200gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「クエン酸ナトリウム:サポニン」は質量比で「100:1」である。
【0090】
[実施例13−3]
純度100%のクエン酸(分子量192)32.7gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)27.0gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行ってクエン酸ナトリウムを取り出した。
このクエン酸ナトリウム50gとサポニン1.60gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「クエン酸ナトリウム:サポニン」は質量比で「31:1」である。
【0091】
[実施例13−4]
純度100%のクエン酸(分子量192)32.7gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)27.0gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行ってクエン酸ナトリウムを取り出した。
このクエン酸ナトリウム50gとサポニン1.80gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「クエン酸ナトリウム:サポニン」は質量比で「27:1」である。
【0092】
[実施例10−1〜13−4のまとめ]
実施例10−1〜13−4の各消火剤についてpHを測定した。また、凝固点と、A火災、B火災、天ぷら油火災の消火性能については、総務省令「消火器の技術上の規格を定める省令」に準じた試験方法により、A−1模型およびB−1模型を消火する実験と凝固点の測定を行った。また、天ぷら油火災についても、総務省令「消火器の技術上の規格を定める省令」に準じた試験方法により実験を行った。消火の際には、各消火剤を3L 蓄圧式消火器に充填し、この消火器に取り付けた霧状ノズルから、消火模型に対して消火剤を噴霧させた。
【0093】
消火性能については、規定時間(A火災では2分、B火災と天ぷら油火災では1分)以内に再燃しなかったものを合格として「○」、一時的に消火するものの規定の時間内に再着火してしまったものを「△」、消火できなかったものを「×」とした。
また、総務省令「消火器の技術上の規格を定める省令」で規定された「変質試験」に準じて、変質試験を行った。その結果、外観、pH、比重、凝固点温度のいずれについても変化がなかったものを合格として「○」、外観、pH、比重、凝固点温度の一つ以上に変化があったものを「×」とした。
【0094】
これらの結果を、実施例10−1〜10−4について表10に、実施例11−1〜11−4について表11に、実施例12−1〜12−4について表12に、実施例13−1〜13−4について表13に示す。
【0095】
【表10】

【0096】
【表11】

【0097】
【表12】

【0098】
【表13】

【0099】
この結果から分かるように、本発明の消火剤は、全体量100ミリリットル中に、酢酸カリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、またはクエン酸ナトリウムを20〜55g含有し、これらのカルボン酸アルカリ金属塩とサポニン含有量の比が、質量比で、カルボン酸アルカリ金属塩:サポニン=30:1〜100:1であることが、消火性能と品質保持性の観点から好ましい。
【0100】
[実施例14−1]
純度100%の酢酸(分子量60)15.3gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)17.6gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム25gとサポニン1.00gとグリセリン1.5gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「酢酸カリウム:サポニン」は質量比で「25:1」である。この消火剤の「サポニン:グリセリン」は質量比で「1:1.5」である。
【0101】
[実施例14−2]
純度100%の酢酸(分子量60)15.3gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)17.6gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム25gとサポニン1.00gとグリセリン2.0gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「酢酸カリウム:サポニン」は質量比で「25:1」である。この消火剤の「サポニン:グリセリン」は質量比で「1:2.0」である。
【0102】
[実施例14−3]
純度100%の酢酸(分子量60)15.3gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)17.6gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム25gとサポニン1.00gとグリセリン6.5gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「酢酸カリウム:サポニン」は質量比で「25:1」である。この消火剤の「サポニン:グリセリン」は質量比で「1:6.5」である。
【0103】
[実施例14−4]
純度100%の酢酸(分子量60)15.3gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)17.6gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム25gとサポニン1.00gとグリセリン8.0gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「酢酸カリウム:サポニン」は質量比で「25:1」である。この消火剤の「サポニン:グリセリン」は質量比で「1:8.0」である。
【0104】
[実施例14−5]
純度100%の酢酸(分子量60)15.3gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)17.6gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム25gとサポニン1.00gとグリセリン9.0gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「酢酸カリウム:サポニン」は質量比で「25:1」である。この消火剤の「サポニン:グリセリン」は質量比で「1:9.0」である。
【0105】
[実施例15−1]
純度100%のクエン酸(分子量192)14.8gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)15.9gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行ってクエン酸カリウムを取り出した。
このクエン酸カリウム25gとサポニン1.00gとグリセリン1.5gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「クエン酸カリウム:サポニン」は質量比で「25:1」である。この消火剤の「サポニン:グリセリン」は質量比で「1:1.5」である。
【0106】
[実施例15−2]
純度100%のクエン酸(分子量192)14.8gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)15.9gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行ってクエン酸カリウムを取り出した。
このクエン酸カリウム25gとサポニン1.00gとグリセリン2.0gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「クエン酸カリウム:サポニン」は質量比で「25:1」である。この消火剤の「サポニン:グリセリン」は質量比で「1:2.0」である。
【0107】
[実施例15−3]
純度100%のクエン酸(分子量192)14.8gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)15.9gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行ってクエン酸カリウムを取り出した。
このクエン酸カリウム25gとサポニン1.00gとグリセリン8.0gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「クエン酸カリウム:サポニン」は質量比で「25:1」である。この消火剤の「サポニン:グリセリン」は質量比で「1:8.0」である。
【0108】
[実施例15−4]
純度100%のクエン酸(分子量192)14.8gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)15.9gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行ってクエン酸カリウムを取り出した。
このクエン酸カリウム25gとサポニン1.00gとグリセリン8.5gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「クエン酸カリウム:サポニン」は質量比で「25:1」である。この消火剤の「サポニン:グリセリン」は質量比で「1:8.5」である。
【0109】
[実施例16−1]
純度100%の酢酸(分子量60)18.3gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)16.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸ナトリウムを取り出した。
この酢酸ナトリウム20gとサポニン1.00gとグリセリン1.5gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「酢酸ナトリウム:サポニン」は質量比で「25:1」である。この消火剤の「サポニン:グリセリン」は質量比で「1:1.5」である。
【0110】
[実施例16−2]
純度100%の酢酸(分子量60)18.3gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)16.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸ナトリウムを取り出した。
この酢酸ナトリウム20gとサポニン1.00gとグリセリン2.0gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「酢酸ナトリウム:サポニン」は質量比で「25:1」である。この消火剤の「サポニン:グリセリン」は質量比で「1:2.0」である。
【0111】
[実施例16−3]
純度100%の酢酸(分子量60)18.3gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)16.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸ナトリウムを取り出した。
この酢酸ナトリウム20gとサポニン1.00gとグリセリン4.5gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「酢酸ナトリウム:サポニン」は質量比で「25:1」である。この消火剤の「サポニン:グリセリン」は質量比で「1:4.5」である。
【0112】
[実施例16−4]
純度100%の酢酸(分子量60)18.3gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)16.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸ナトリウムを取り出した。
この酢酸ナトリウム20gとサポニン1.00gとグリセリン8.0gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「酢酸ナトリウム:サポニン」は質量比で「25:1」である。この消火剤の「サポニン:グリセリン」は質量比で「1:8.0」である。
【0113】
[実施例16−5]
純度100%の酢酸(分子量60)18.3gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)16.2gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸ナトリウムを取り出した。
この酢酸ナトリウム20gとサポニン1.00gとグリセリン8.5gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「酢酸ナトリウム:サポニン」は質量比で「25:1」である。この消火剤の「サポニン:グリセリン」は質量比で「1:8.5」である。
【0114】
[実施例17−1]
純度100%のクエン酸(分子量192)16.3gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)13.4gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行ってクエン酸ナトリウムを取り出した。
このクエン酸ナトリウム25gとサポニン1.00gとグリセリン1.5gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「クエン酸ナトリウム:サポニン」は質量比で「25:1」である。この消火剤の「サポニン:グリセリン」は質量比で「1:1.5」である。
【0115】
[実施例17−2]
純度100%のクエン酸(分子量192)16.3gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)13.4gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行ってクエン酸ナトリウムを取り出した。
このクエン酸ナトリウム25gとサポニン1.00gとグリセリン2.0gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「クエン酸ナトリウム:サポニン」は質量比で「25:1」である。この消火剤の「サポニン:グリセリン」は質量比で「1:2.0」である。
【0116】
[実施例17−3]
純度100%のクエン酸(分子量192)16.3gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)13.4gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行ってクエン酸ナトリウムを取り出した。
このクエン酸ナトリウム25gとサポニン1.00gとグリセリン8.0gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「クエン酸ナトリウム:サポニン」は質量比で「25:1」である。この消火剤の「サポニン:グリセリン」は質量比で「1:8.0」である。
【0117】
[実施例17−4]
純度100%のクエン酸(分子量192)16.3gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)13.4gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行ってクエン酸ナトリウムを取り出した。
このクエン酸ナトリウム25gとサポニン1.00gとグリセリン9.0gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。この消火剤の「クエン酸ナトリウム:サポニン」は質量比で「25:1」である。この消火剤の「サポニン:グリセリン」は質量比で「1:9.0」である。
【0118】
[実施例14−1〜17−4のまとめ]
実施例14−1〜17−4の各消火剤についてpHを測定した。また、凝固点と、A火災、B火災、天ぷら油火災の消火性能については、総務省令「消火器の技術上の規格を定める省令」に準じた試験方法により、A−1模型およびB−1模型を消火する実験と凝固点の測定を行った。また、天ぷら油火災についても、総務省令「消火器の技術上の規格を定める省令」に準じた試験方法により実験を行った。消火の際には、各消火剤を3L 蓄圧式消火器に充填し、この消火器に取り付けた霧状ノズルから、消火模型に対して消火剤を噴霧させた。
【0119】
消火性能については、規定時間(A火災では2分、B火災と天ぷら油火災では1分)以内に再燃しなかったものを合格として「○」、一時的に消火するものの規定の時間内に再着火してしまったものを「△」、消火できなかったものを「×」とした。
また、総務省令「消火器の技術上の規格を定める省令」で規定された「変質試験」に準じて、変質試験を行った。その結果、外観、pH、比重、凝固点温度のいずれについても変化がなかったものを合格として「○」、外観、pH、比重、凝固点温度の一つ以上に変化があったものを「×」とした。
【0120】
これらの結果を、実施例14−1〜14−5について表14に、実施例15−1〜15−4について表15に、実施例16−1〜16−5について表16に、実施例17−1〜17−4について表17に示す。
【0121】
【表14】

【0122】
【表15】

【0123】
【表16】

【0124】
【表17】

【0125】
この結果から分かるように、本発明の消火剤は、全体量100ミリリットル中に、酢酸カリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、またはクエン酸ナトリウムを25g、サポニンを1.00g含有した場合に、サポニンとグリセリンの含有量の比が、質量比で、カルボン酸アルカリ金属塩:サポニン=1:2.0〜1:8.0であることが、消火性能と品質保持性の観点から好ましい。
【0126】
[実施例18−1]
純度100%の酢酸(分子量60)11.9gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)12.8gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム20gとサポニン1.00gとグリセリン4.0gとpH調整のために炭酸カリウム0.5gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0127】
[実施例18−2]
純度100%のクエン酸(分子量192)17.9gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)19.3gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行ってクエン酸カリウムを取り出した。
このクエン酸カリウム30gとサポニン1.00gとグリセリン4.0gとpH調整のために酢酸0.6gを容器に入れて、を容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0128】
[実施例18−3]
純度100%の酢酸(分子量60)21.4gと純度99.5%の炭酸カリウム(分子量138)24.6gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸カリウムを取り出した。
この酢酸カリウム35gとサポニン1.00gとグリセリン4.0gとpH調整のために酢酸0.45gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0129】
[実施例18−4]
純度100%のクエン酸(分子量192)26.1gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)21.6gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行ってクエン酸ナトウムを取り出した。
このクエン酸ナトリウム40gとサポニン1.00gとグリセリン4.0gとpH調整のためにクエン酸0.2gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0130】
[実施例18−5]
純度100%の酢酸(分子量60)36.5gと純度99.5%の炭酸ナトリウム(分子量106)32.9gを混合して、50℃以下で反応させた後、精製工程を行って酢酸ナトリウムを取り出した。
この酢酸ナトリウム50gとサポニン1.00gとグリセリン4.0gを容器に入れて、水を加えて100ミリリットルとし、攪拌することで消火剤を得た。
【0131】
[実施例18−1〜18−5のまとめ]
実施例18−1〜18−5の各消火剤についてpHを測定した。また、凝固点と、A火災、B火災、天ぷら油火災の消火性能については、総務省令「消火器の技術上の規格を定める省令」に準じた試験方法により、A−1模型およびB−1模型を消火する実験と凝固点の測定を行った。また、天ぷら油火災についても、総務省令「消火器の技術上の規格を定める省令」に準じた試験方法により実験を行った。消火の際には、各消火剤を3L 蓄圧式消火器に充填し、この消火器に取り付けた霧状ノズルから、消火模型に対して消火剤を噴霧させた。
【0132】
消火性能については、規定時間(A火災では2分、B火災と天ぷら油火災では1分)以内に再燃しなかったものを合格として「○」、一時的に消火するものの規定の時間内に再着火してしまったものを「△」、消火できなかったものを「×」とした。
また、総務省令「消火器の技術上の規格を定める省令」で規定された「変質試験」に準じて、変質試験を行った。その結果、外観、pH、比重、凝固点温度のいずれについても変化がなかったものを合格として「○」、外観、pH、比重、凝固点温度の一つ以上に変化があったものを「×」とした。
【0133】
また、鉄腐食試験とアルミニウム腐食試験は、総務省令「消火器の技術上の規格を定める省令」で規定された「腐食試験」に準じて行った。そして、1日当たりの鉄、アルミニウムの質量損失量が3mg未満であったものを合格として「○」、3mg以上であったものを「×」とした。
これらの結果を表18に示す。
【0134】
【表18】

【0135】
この結果から分かるように、本発明の消火剤は、全体量100ミリリットル中に、酢酸カリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、またはクエン酸ナトリウムを20〜50g、サポニンを1.00g、グリセリンを40g含有した場合に、pHは5.50〜8.50であることが、消火性能と耐食性と品質保持性の観点から好ましい。
【0136】
以上の結果から、本発明の消火剤は、消火性能に優れ、高い消火性能と人体に対する高い安全性の両方を満たしていることが分かる。
また、全体量100ミリリットル中に、酢酸カリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、およびクエン酸ナトリウムから選択された1または2以上からなるカルボン酸アルカリ金属塩を20〜55g、サポニン、レシチン、ガゼインから選択された1または2以上からなる天然界面活性剤を0.10〜2.0gの割合で含有していることが好ましいことが分かる。
【0137】
また、前記カルボン酸アルカリ金属塩と前記天然界面活性剤との含有量の比が、質量比で、カルボン酸アルカリ金属塩:天然界面活性剤=30:1〜100:1であることが好ましいことが分かる。
また、本発明の消火剤のpHは5.5〜8.5であることが好ましいことが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酢酸カリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、およびクエン酸ナトリウムから選択された1または2以上からなるカルボン酸アルカリ金属塩と、
レシチン、サポニン、およびカゼインから選択された1または2以上からなる天然界面活性剤と、
水と、
で構成された消火剤。
【請求項2】
前記カルボン酸アルカリ金属塩は、酢酸およびクエン酸のいずれかまたは両方と、炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウムのいずれかまたは両方と、を混合して反応させて得られたものである請求項1記載の消火剤。
【請求項3】
全体量100ミリリットル中に、前記カルボン酸アルカリ金属塩を20〜55g、前記天然界面活性剤を0.10〜2.0gの割合で含有している請求項1または2記載の消火剤。
【請求項4】
前記カルボン酸アルカリ金属塩と前記天然界面活性剤との含有量の比が、質量比で、カルボン酸アルカリ金属塩:天然界面活性剤=30:1〜100:1である請求項3記載の消火剤。
【請求項5】
食品添加物に指定されている炭素数が4以下の低級アルコールを、前記天然界面活性剤に対する質量比で、前記天然界面活性剤:前記低級アルコール=1:2.0〜1:8.0で含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の消火剤。
【請求項6】
pHが5.5〜8.5である請求項1〜5のいずれか1項に記載の消火剤。
【請求項7】
必要に応じて添加する添加剤は食品添加物に指定されている成分である請求項1〜6のいずれか1項に記載の消火剤。

【公開番号】特開2009−291636(P2009−291636A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198400(P2009−198400)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【分割の表示】特願2008−145197(P2008−145197)の分割
【原出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【出願人】(000161437)宮田工業株式会社 (36)
【Fターム(参考)】