説明

消火器及び消火システム

【課題】消火剤をほぼ無駄なく放射することができるとともに、省スペース化が実現される消火器及び消火システムを提供する。
【解決手段】
本発明の1つの消火システムは、円筒部6の肉厚が消火剤貯蔵容器10の肩部6aから底部6bに向けて薄くなるように形成された消火剤貯蔵容器10と、少なくとも一部が可撓性を有することによって先端部5が前述の消火剤貯蔵容器10の内壁面に近接又は接するサイフォン管3とを備える消火器90を備える消火システムである。消火剤貯蔵容器10の内壁面は、水平面11に対して、肩部6aから底部6bに向けて下るように一様に傾斜している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消火器及び消火システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
可燃物を取り扱う、あるいは処理する各種工作機械には、従来から人間の手を介することなく迅速な消火を可能にする自動消火システムが設置されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
他の代表的な従来の消火システムの一例を、図12を参照して説明する。この従来の自動消火システム600には消火器690が縦向きに備え付けられている。また、この自動消火システムは、筐体660とは別に消火器690を収めるための消火器収納空間657を備えている。この例では、センサー651がシステム内の出火を検知すると、消火剤が消火器690から自動的に配管655を通してノズル653に送られる。その後、消火剤がノズル653から加工/処理スペース659内で放射されることにより、火災が消火される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−336726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の自動消火システムが付設された各種工作機械等は、上述の代表的な例にもあるように、消火システムを含めることによって大型化せざるを得なかった。また、従来の消火システムでは、そのシステム内において消火器を取り付ける場所が一般的に決められていたため、上述の特許文献1のように消火器の取り付け方向が縦向きにほぼ限定さていた。しかし、近年、設置スペースの小さい工作機械や小型の半導体製造装置等の各種製造装置が開発され、その数も増えている。そのため、付設される自動消火システム及び消火器の設置場所の一段の工夫を図るとともに省スペース化を実現することが産業界で強く要望されている。
【0006】
ところで、消火器の消火剤の一例である二酸化炭素が使用される場合、消火剤貯蔵容器内に充填された状態では二酸化炭素が液化している。従って、バルブに接続するサイフォン管を通じて、二酸化炭素の液体が消火剤貯蔵容器の底面から吸い上げられることにより、二酸化炭素が外部に放出される。
【0007】
しかしながら、一般的に消火器を横倒しに配置すると、従来のサイフォン管では正常な放射が期待できない。すなわち、消火剤を外部へ放出するにしたがって容器内の消火剤の残量が徐々に減少すると、消火剤の約半分の量が消費されたた時点でサイフォン管の先端部の一部が消火剤に接しなくなる(図11参照)。そうすると、消火剤7(図を見易くするために、消火剤が斜線部で描かれている。)ではなく消火器690内の充填気体がサイフォン管2の先端部から流入するため、消火剤7をバルブ1から正常に放射することができなくなる。これは、多量の消火剤7の使い残しにつながる。特に、上述のように消火剤7が二酸化炭素の場合、消火器690内の充填気体がサイフォン管2の先端部5から流入し始めると、その液面から気化が始まるために、消火剤7から気化熱が奪われることになる。その結果、残留する消火剤7が冷却されることによってドライアイス化してしまうため、多量の消火剤が固体となって容器内に残り、無駄になる。そうすると、特に、付設される消火器が小型化されることによって消火剤の量が大幅に低減された場合に、消火に十分な量の消火剤が放出されなくなる可能性が生じてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の技術課題を解決することにより、消火剤の使い残しを大幅に低減するとともに、消火器が配置される限られた空間の有効活用が図られ得る消火器及び消火システムの実現に大きく貢献するものである。
【0009】
発明者は、大型のみならず小型の自動消火システムであっても、消火器を配置する方法が縦向きのみに限定されていることが、システム全体の省スペース化に対する大きな障害の1つであると判断した。他方、上述のとおり、横向きに消火器を配置すると消火剤の多量の使い残しが生じるため、消火器の小型化、換言すれば消火剤の少量化への妨げとなる。そこで、発明者は、縦向きの配置か横向きの配置かに関わらず、構造と配置の工夫によってほぼ無駄なく消火剤を利用できる消火器及び消火システムについて鋭意研究した。その結果、発明者は、特殊なサイフォン管の採用に加えて消火器の内壁面の構造に着眼することにより、消火器が配置される限られた空間の有効活用が図られつつ、消火剤の使い残しを大幅に低減できる消火器及び消火システムを創出した。
【0010】
本発明の1つの消火器は、円筒部を有しその円筒部の肉厚が肩部から底部に向けて薄くなる消火剤貯蔵容器を備える。その上で、前述の消火剤貯蔵容器の内壁面が、水平面に対して、前述の肩部から前述の底部に向けて下るように一様に傾斜する。さらに、この消火器は、少なくとも一部が可撓性を有することによって先端部が前述の底部の内壁面に近接又は接するサイフォン管を備える。
【0011】
この消火器によれば、先端部が前述の消火剤貯蔵容器の内壁面に近接又は接するサイフォン管に加えて、前述の消火剤貯蔵容器の内壁面が、水平面に対して、肩部から底部に向けて下るように一様に傾斜することにより、消火剤をほぼ無駄なく放射することが可能となる。その結果、消火剤の使い残しを低減することができるため、消火剤貯蔵容器の小型化、ひいては消火システムの省スペース化が実現できる。さらに、その消火剤貯蔵容器の内壁面が、水平面に対して、肩部から底部に向けて下るように一様に傾斜しているため、前述の消火剤貯蔵容器を水平面に沿って配置しても消火剤を底部に集めることが可能となる。そのため、ほぼ無駄なく消火剤が利用され得る。従って、消火器又は消火剤貯蔵容器の配置場所及び配置方法の自由度が格段に高まるため、例えば、各種工作機械や各種製造装置における、いわゆるデッドスペースを有効活用することが可能となる。
【0012】
また、本発明のもう1つの消火器は、円筒部を有しその円筒部の肉厚が肩部から底部に向けて薄くなる消火剤貯蔵容器を備える。その上で、前述の消火剤貯蔵容器の内壁面が、水平面に対して、前述の肩部から前述の底部に向けて下るように階段状に傾斜する。さらに、この消火器は、少なくとも一部が可撓性を有することによって先端部が前述の底部の内壁面に近接又は接するサイフォン管を備える。
【0013】
この消火器によれば、先端部が前述の消火剤貯蔵容器の内壁面に近接又は接するサイフォン管に加えて、前述の消火剤貯蔵容器の内壁面が、水平面に対して、肩部から底部に向けて下るように階段状に傾斜する。すなわち、消火剤貯蔵容器の底部に近い側の階段状領域が液溜り部としての役割を果たすため、残存する消火剤がその液溜り部内に効率よく集まる。つまり、前述の消火剤貯蔵容器を水平面に沿って配置しても、一旦その液溜り部に集まった消火剤はその液溜り部に留まり続けることになる。そうすると、前述のサイフォン管がその液溜り部である底部の内壁に近接又は接することによって、消火剤をほぼ無駄なく放射することが可能となる。
【0014】
その結果、消火剤の使い残しを低減することができるため、消火剤貯蔵容器の小型化、ひいては消火システムの省スペース化が実現できる。従って、消火器又は消火剤貯蔵容器の配置場所及び配置方法の自由度が格段に高まるため、例えば、各種工作機械や各種製造装置における、いわゆるデッドスペースを有効活用することが可能となる。
【0015】
また、本発明の1つの消火システムは、円筒部を有しその円筒部の肉厚が肩部から底部に向けて薄くなる消火剤貯蔵容器と、少なくとも一部が可撓性を有することによって先端部が前述の底部の内壁面に近接又は接するサイフォン管とを備える消火器を備える。さらに、前述の消火剤貯蔵容器の内壁面が、水平面に対して、前述の肩部から底部に向けて下るように一様に傾斜するように配置される。
【0016】
この消火システムによれば、先端部が前述の消火剤貯蔵容器の内壁面に近接又は接するサイフォン管に加えて、前述の消火剤貯蔵容器の内壁面が、水平面に対して、肩部から底部に向けて下るように一様に傾斜することにより、消火剤をほぼ無駄なく放射することが可能となる。その結果、消火剤の使い残しを低減することができるため、消火剤貯蔵容器の小型化、ひいては消火システムの省スペース化が実現できる。さらに、その消火剤貯蔵容器の内壁面が、水平面に対して、肩部から底部に向けて下るように一様に傾斜しているため、前述の消火剤貯蔵容器を水平面に沿って配置しても消火剤を底部に集めることが可能となる。そのため、ほぼ無駄なく消火剤が利用され得る。従って、消火器又は消火剤貯蔵容器の配置場所及び配置方法の自由度が格段に高まるため、例えば、各種工作機械や各種製造装置における、いわゆるデッドスペースを有効活用することが可能となる。さらに、消火システム全体としてのデザイン性も格段に向上する。
【0017】
また、本発明のもう1つの消火システムは、円筒部を有しその円筒部の肉厚が肩部から底部に向けて薄くなる消火剤貯蔵容器と、少なくとも一部が可撓性を有することによって先端部が前述の底部の内壁面に近接又は接するサイフォン管とを備える消火器を備える。さらに、前述の消火剤貯蔵容器の内壁面が、水平面に対して、前述の肩部から底部に向けて下るように階段状に傾斜するように配置される。
【0018】
この消火システムによれば、先端部が前述の消火剤貯蔵容器の内壁面に近接又は接するサイフォン管に加えて、前述の消火剤貯蔵容器の内壁面が、水平面に対して、肩部から底部に向けて下るように階段状に傾斜するように配置される。すなわち、消火剤貯蔵容器の底部に近い側の階段状領域が液溜り部としての役割を果たすため、残存する消火剤がその液溜り部内に効率よく集まる。つまり、前述の消火剤貯蔵容器を水平面に沿って配置しても、一旦その液溜り部に集まった消火剤はその液溜り部に留まり続けることになる。そうすると、前述のサイフォン管がその液溜り部である底部の内壁に近接又は接することによって、消火剤をほぼ無駄なく放射することが可能となる。
【0019】
その結果、消火剤の使い残しを低減することができるため、消火剤貯蔵容器の小型化、ひいては消火システムの省スペース化が実現できる。従って、消火器又は消火剤貯蔵容器の配置場所及び配置方法の自由度が格段に高まるため、例えば、各種工作機械や各種製造装置における、いわゆるデッドスペースを有効活用することが可能となる。さらに、消火システム全体としてのデザイン性も格段に向上する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の1つの消火器によれば、消火剤をほぼ無駄なく放射することが可能となるため、消火剤の使い残しを低減することができる。その結果、消火剤貯蔵容器の小型化、ひいては消火システムの省スペース化が実現できる。さらに、前述の消火剤貯蔵容器の内壁面が、水平面に対して、肩部から底部に向けて下るように傾斜するため、前述の消火剤貯蔵容器を水平面に沿って配置してもほぼ無駄なく消火剤を利用することができる。従って、消火器又は消火剤貯蔵容器の配置場所及び配置方法の自由度が格段に高まることにより、例えば、各種工作機械や各種製造装置における、いわゆるデッドスペースを有効活用することが可能となる。
【0021】
また、本発明の1つの消火システムによれば、消火剤をほぼ無駄なく放射することが可能となるため、消火剤の使い残しを低減することができる。その結果、消火剤貯蔵容器の小型化、ひいては消火システムの省スペース化が実現できる。また、前述の消火剤貯蔵容器の内壁面が、水平面に対して、肩部から底部に向けて下るように傾斜するため、前述の消火剤貯蔵容器を水平面沿って配置してもほぼ無駄なく消火剤を利用することができる。すなわち、消火器又は消火剤貯蔵容器の配置場所及び配置方法の自由度が格段に高まる。その結果、例えば、各種工作機械や各種製造装置における、いわゆるデッドスペースを有効活用することが可能となる。さらに、消火システム全体としてのデザイン性も格段に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施形態の消火システムを示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の消火器の内部を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の消火器の内部(消火剤の残量が少ない)を示す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の消火システムを示す斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の消火器の内部を示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態の消火器の内部(消火剤の残量が少ない)を示す断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態の消火システムを示す斜視図である。
【図8】本発明の他の実施形態の消火器の内部を示す断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態の消火器の内部を示す断面図である。
【図10】本発明の他の実施形態の消火器の内部を示す断面図である。
【図11】従来の消火器の内部を示す断面図である。
【図12】従来の消火システムを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態を、添付する図面に基づいて詳細に述べる。尚、この説明に際し、全図にわたり、特に言及がない限り、共通する部分には共通する参照符号が付されている。また、図中、本実施形態の要素は必ずしもスケール通りに示されていない。また、各図面を見やすくするために、一部の符号が省略されうる。
【0024】
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態の消火システム100を示す斜視図である。また、図2は、本実施形態の消火器90の内部を示す断面図である。また、図3は、消火剤の残量が少ない本実施形態の消火器90の内部を示す断面図である。
【0025】
本実施形態の消火システム100は、例えば各種工作機械等を収める筐体160を有している。筐体160内には、図には示していないが、例えば各種工作機械や各種製造装置が設置される。さらに筐体160内には、センサー151が配置されている。火災発生時には、センサー151の感知信号が制御ユニットへ送信され、この制御ユニットからの指令によって消火器90のバルブ1が開放される。バルブ1が開放されると、消火剤貯蔵容器10内に貯留された消火剤7が、配管155を介してノズル153に送られる。その後、消火剤7がノズル153から加工/処理スペース159内で放射される。なお、消火器90は、消火器収納空間157内に配置されている。
【0026】
本実施形態の消火器90は、図2に示すように、開口部4及び円筒部6を有する消火剤貯蔵容器10を備えている。また、円筒部6は、開口部4近くに曲面を持つ肩部6aと、底部6bを有している。加えて、本実施形態の消火剤貯蔵容器10は、その円筒部6の肉厚が消火剤貯蔵容器10の肩部6aから底部6bに向けて薄くなるように形成された密閉された圧力容器である。また、消火剤貯蔵容器10の内壁面は、水平面11に対して、肩部6aから底部6bに向けて下るように一様に傾斜している。さらに、この消火器90は、少なくとも一部が可撓性を有することにより、先端部5が重力を利用して消火剤貯蔵容器10の内壁面に近接又は接しうるサイフォン管3(以下、単にサイフォン管ともいう。)を備えている。
【0027】
消火剤貯蔵容器10は、例えば、公知の鍛造技術によって製造される。ここで、本実施形態の消火剤貯蔵容器10の肉厚は、肩部6a付近で18mm+0.9mm、底部6b付近で3.1mm+0.9mmである。また、本実施形態では、水平面11に対して、肩部6aから底部6bに向けて下るように一様に傾斜する消火剤貯蔵容器10の内壁面が形成されている。なお、消火器の製造過程にもよるが、通常の寸法誤差は基準となる肉厚に対して+30%以内である。また、消火剤貯蔵容器10の内部には、消火剤7(例えば液化した二酸化炭素)が充填されている。加えて、消火剤貯蔵容器10内は、二酸化炭素ガス又は窒素ガスなどの充填気体により加圧されている。
【0028】
他方、消火剤貯蔵容器10は、その上部に、消火剤貯蔵容器10内に配置されるサイフォン管3と連結するバルブ1を有している。消火の際、バルブ1が開くと、消火剤7が前述の充填気体の圧力によりサイフォン管3を通して押し出され、消火剤貯蔵容器10の外へ放射される。
【0029】
本実施形態のサイフォン管3は金属製のパイプである。この金属性のパイプは、例えばその構造の一部が蛇腹構造であるため可撓性を有する。可撓性を発揮するための他の構造例は、ゴム管とバネ構造からなる連結部材である。また、サイフォン管全体又はその一部が、可撓性を有する樹脂製パイプから形成されていてもよい。但し、良好な加工性、強度の確保、及び高い耐食性の観点から、真鍮製のパイプが採用されることが好ましい。
【0030】
本実施形態のサイフォン管3は、上述のとおり、少なくとも一部が可撓性を有することにより、その先端部5が消火剤貯蔵容器10の内壁面に近接又は接する。また、水平面11に対して、肩部6aから底部6bに向けて下るように一様に傾斜する消火剤貯蔵容器10の内壁面が形成されているため、消火剤貯蔵容器10が水平面11に沿って配置されても消火剤を底部に集めることができる。従って、消火器90が前述のサイフォン管3を有することに加えて、消火剤貯蔵容器10の内壁面を上述のように形成することにより、消火剤7をほぼ無駄なく放射することが可能となる。
【0031】
また、本実施形態では、消火システムの筐体160、換言すれば各種工作機械等の筐体が小型化されている。本実施形態の消火システムの筐体160は、幅約60cm、奥行き約70cm、高さ約150cmである。従って、省スペース化を実現するためには、消火器90が配置されるべき空間157が非常に限定されてしまう。このように、本実施形態の消火器90は、設置スペースの制限によって横向きに配置せざるを得ないような場所しかない既存の各種工作機械等に対しても、消火剤を無駄にせず、且つ小型化できる消火器及び消火システムを実現できる点は特筆に値する。
【0032】
本実施形態の消火器90によれば、消火剤7の使い残しを大幅に低減することができるため、消火剤貯蔵容器10の小型化、ひいては消火システム100の省スペース化が実現できる。特に、本実施形態の消火器90は、水平面11に沿って配置しても前述の効果が奏されるため、既存の各種工作機械や各種製造装置等における、いわゆるデッドスペースを有効活用することが可能となる。すなわち、消火器又は消火剤貯蔵容器の配置場所及び配置方法の自由度が格段に高まることになる。
【0033】
また、本実施形態では、消火剤7として二酸化炭素が採用されているが、充填気体がサイフォン管3の先端部5から流入し始める時期が、消火剤が殆ど消費された後となるため、多量の消火剤7がドライアイス化することはない。これは、消火システム100内に配置されるべき消火器90の更なる小型化を可能にすることになる。
【0034】
上述のとおり、本実施形態の消火器90及び消火システム100によれば、消火剤7を無駄にすることなく、従来の縦向きに設置される方法のみならず横向きにでも消火器90を設置することができる。このように限られた空間が消火器の配置場所として利用できることは、省スペース化の実現に大きく貢献する。加えて、省スペース化に伴い、消火システム100全体としてのデザイン性も格段に向上するため、消火器を設置しない加工装置及び/又は処理装置であっても、本実施形態の消火システム100を導入する可能性が大いに高まる。
【0035】
さらに、本実施形態の消火器90は、図2又は図3に示すように、消火剤貯蔵容器10の内部に向かって突出する曲面9aを備える底面9を有している。図3に示すように、消火器90の底面9が前述の構造を有することにより、傾斜した消火剤貯蔵容器10の底部6bに消火剤7が効率よく溜まる。消火剤貯蔵容器10内のサイフォン管3は、上述のとおり、少なくとも一部が可撓性を有するため、その先端部5が消火剤貯蔵容器10の内壁面に近接又は接する。従って、消火剤7が少量であっても、サイフォン管3が消火剤7に浸るため、消火剤をほぼ無駄なく放射することができる。
【0036】
<第2の実施形態>
図4は、本実施形態の消火システム200を示す斜視図である。また、図5は、本実施形態の消火器92の内部を示す断面図である。また、図6は、消火剤の残量が少ない本実施形態の消火器92の内部を示す断面図である。
【0037】
本実施形態の消火システム200は、例えば各種工作機械等を収める筐体260を有している。筐体260内には、図には示していないが、例えば各種工作機械や各種製造装置が設置される。さらに筐体260内には、センサー251が配置されている。火災発生時には、センサー251の感知信号が制御ユニットへ送信され、この制御ユニットからの指令によって消火器92のバルブ21が開放される。バルブ21が開放されると、消火剤貯蔵容器20内に貯留された消火剤7が、配管255を介してノズル253に送られる。その後、消火剤7がノズル253から加工/処理スペース259内で放射される。消火器92は、消火器収納空間257内に配置されている。
【0038】
本実施形態の消火器92は、図5に示すように、開口部24、円筒部26を有する消火剤貯蔵容器20を備えている。また、円筒部26は、開口部24近くに曲面を持つ肩部26aと、底部26bを有している。加えて、消火剤貯蔵容器20の円筒部26の肉厚は、消火剤貯蔵容器20の肩部26aから底部26b近傍に至るまでは略同じであるが、底部26bの一部に肉厚が周状に薄くなる領域を有している。換言すれば、消火剤貯蔵容器20の底部26bの内壁面の一部が水平面11に対して階段状に傾斜する。本実施形態では、底部26bにおける、肉厚が周状に薄くなる領域が液溜り部22となる。また、本実施形態の消火器92は、少なくとも一部が可撓性を有することにより、先端部25が重力を利用して消火剤貯蔵容器20の内壁面に近接又は接しうるサイフォン管23をさらに備えている。
【0039】
本実施形態の消火剤貯蔵容器20は、円筒部26の肉厚が消火剤貯蔵容器の肩部26aから底部26bに向けて薄くなる密閉された圧力容器である。本実施形態の消火剤貯蔵容器20の肉厚は、肩部26a付近で10mm+0.9mm、底部付近で4mm+0.9mmである。なお、消火器の製造過程にもよるが、通常の寸法誤差は基準となる肉厚に対して+30%以内である。消火器92の消火剤貯蔵容器20は、図5に示すように、底部26bの内壁に液溜り部22を備える。ところで、消火剤貯蔵容器20は、例えば、まず、公知の鍛造技術によって製造される。次に、液溜り部22は、例えば、前述の方法で製造された消火剤貯蔵容器20の内部を溝状に切削することによって形成されるまた、消火剤貯蔵容器20の内部には、消火剤7(例えば液化した二酸化炭素)が充填されている。加えて、消火剤貯蔵容器20内は、二酸化炭素ガス又は窒素ガスなどの充填気体により加圧されている。
【0040】
他方、消火剤貯蔵容器20は、その上部に、消火剤貯蔵容器20内に配置されるサイフォン管23と連結するバルブ21を有している。消火の際、バルブ21が開くと、消火剤7が前述の充填気体の圧力によりサイフォン管23を通して押し出され、消火剤貯蔵容器20の外へ放射される。
【0041】
本実施形態のサイフォン管23は金属製のパイプである。この金属性のパイプは、例えばその構造の一部が蛇腹構造であるため可撓性を有する。可撓性を発揮するための他の構造例は、ゴム管とバネ構造からなる連結部材である。また、サイフォン管全体又はその一部が、可撓性を有する樹脂製パイプから形成されていてもよい。但し、良好な加工性、強度の確保、及び高い耐食性の観点から、真鍮製のパイプが採用されることが好ましい。
【0042】
本実施形態のサイフォン管23は、上述のとおり、少なくとも一部が可撓性を有することにより、その先端部25が消火剤貯蔵容器20の内壁面に近接又は接する。さらに、本実施形態では、円筒部26の肉厚は、消火剤貯蔵容器20の肩部26aから底部26b近傍に至るまでは略同じであるが、底部26bの一部に肉厚が周状に薄くなる領域を有している。すなわち、図5に示すように、消火剤貯蔵容器20の底部26bには、周状の凹部となる内壁(液溜り部22)が形成されている。従って、消火剤貯蔵容器20内の消火剤7の残量が少なくなった場合、前述の液溜り部22に消火剤7が溜り、液溜り部22の内壁面に近接又は接するサイフォン管23から消火剤7をほぼ無駄なく放射することが可能となる。
【0043】
また、本実施形態では、消火システムの筐体260、換言すれば各種工作機械等の筐体が小型化されている。本実施形態の消火システムの筐体260は、幅約60cm、奥行き約70cm、高さ約150cmである。従って、省スペース化を実現するためには、消火器92が配置されるべき空間257が非常に限定されてしまう。このように、本実施形態の消火器92は、設置スペースの制限によって横向きに配置せざるを得ないような場所しかない既存の各種工作機械等に対しても、消火剤を無駄にせず、且つ小型化できる消火器及び消火システムを実現できる点は特筆に値する。
【0044】
本実施形態の消火器92によれば、消火剤7の使い残しを大幅に低減することができるため、消火剤貯蔵容器20の小型化、ひいては消火システム200の省スペース化が実現できる。特に、本実施形態の消火器92は、水平面11に沿って配置しても前述の効果が奏されるため、既存の各種工作機械や各種製造装置等における、いわゆるデッドスペースを有効活用することが可能となる。すなわち、消火器又は消火剤貯蔵容器の配置場所及び配置方法の自由度が格段に高まることになる。
【0045】
また、本実施形態では、消火剤7として二酸化炭素が採用されているが、充填気体がサイフォン管23の先端部25から流入し始める時期が、消火剤が殆ど消費された後となるため、多量の消火剤7がドライアイス化することはない。これは、消火システム200内に配置されるべき消火器92の更なる小型化を可能にすることになる。
【0046】
上述のとおり、本実施形態の消火器92及び消火システム200によれば、消火剤7を無駄にすることなく、従来の縦向きに設置される方法のみならず横向きにでも消火器92を設置することができる。このように限られた空間が消火器の配置場所として利用できることは、省スペース化の実現に大きく貢献する。加えて、省スペース化に伴い、消火システム200全体としてのデザイン性も格段に向上するため、消火器を設置しない加工装置及び/又は処理装置であっても、本実施形態の消火システム200を導入する可能性が大いに高まる。
【0047】
<第3の実施形態>
図7は、本実施形態の消火システム300を示す斜視図である。また、図8は、本実施形態の消火器94の内部を示す断面図である。
【0048】
本実施形態の消火システム300は、第1の実施形態の消火器収納空間157が消火器収納空間357に変更され、かつ、消火器収納空間357内に消火器94が設置されている点を除き、第1の実施形態の消火システム100と同じ構成を備えている。従って、第1の実施形態と重複する説明は省略されうる。
【0049】
本実施形態の消火器94は、図8に示すように、開口部34及び円筒部36を有する消火剤貯蔵容器30を備えている。また、円筒部36は、開口部34近くに曲面を持つ肩部36aと、底部36bを有している。加えて、消火剤貯蔵容器30は、円筒部36の肉厚が消火剤貯蔵容器の肩部36aから液溜り部32に至るまで一様に薄くなっていく。すなわち、消火剤貯蔵容器30の内壁面は、水平面11に対して、肩部36aから液溜り部32に至るまで下るように一様に傾斜する。また、消火器94の消火剤貯蔵容器30は、底部36bの内壁に液溜り部32を備える。加えて、少なくとも一部が可撓性を有することにより、先端部35が重力を利用して消火剤貯蔵容器30の内壁面に近接又は接しうるサイフォン管33を備えている。
【0050】
ここで、本実施形態の消火剤貯蔵容器30は、円筒部36の肉厚が消火剤貯蔵容器の開口部34から液溜り部32に至るまで一様に薄くなっていく密閉された圧力容器である。本実施形態の消火剤貯蔵容器30の肉厚は、開口部付近で18mm+0.9mm、底部付近で4mm+0.9mmである。なお、消火器の製造過程にもよるが、通常の寸法誤差は基準となる肉厚に対して+30%以内である。消火器94の消火剤貯蔵容器30は、図8に示すように、底部の内壁に液溜り部32を備える。ところで、消火剤貯蔵容器30は、例えば、まず、公知の鍛造技術によって製造される。次に、液溜り部32は、例えば、前述の方法で製造された消火剤貯蔵容器30の内部を溝状に切削することによって形成される。また、消火剤貯蔵容器30の内部には、消火剤7(例えば液化した二酸化炭素)が充填されている。加えて、消火剤貯蔵容器30内は、二酸化炭素ガス又は窒素ガスなどの充填気体により加圧されている。
【0051】
他方、消火剤貯蔵容器30は、その上部に、消火剤貯蔵容器30内に配置されるサイフォン管23と連結するバルブ31を有している。消火の際、バルブ31が開くと、消火剤7が前述の充填気体の圧力によりサイフォン管33を通して押し出され、消火剤貯蔵容器30の外へ放射される。
【0052】
本実施形態のサイフォン管33は金属製のパイプである。この金属性のパイプは、例えばその構造の一部が蛇腹構造であるため可撓性を有する。可撓性を発揮するための他の構造例は、ゴム管とバネ構造からなる連結部材である。また、サイフォン管全体又はその一部が、可撓性を有する樹脂製パイプから形成されていてもよい。但し、良好な加工性、強度の確保、及び高い耐食性の観点から、真鍮製のパイプが採用されることが好ましい。
【0053】
本実施形態のサイフォン管33は、上述のとおり、少なくとも一部が可撓性を有することにより、その先端部35が消火剤貯蔵容器30の内壁面に近接又は接する。さらに、円筒部36の肉厚が消火剤貯蔵容器の肩部36aから液溜り部32に至るまで一様に薄くなっていく。すなわち、消火剤貯蔵容器30の内壁面は、水平面11に対して、肩部36aから液溜り部32に至るまで下るように一様に傾斜する。また、図8に示すように、消火剤貯蔵容器30の底部36bには、周状の凹部となる内壁(液溜り部32)が形成されている。加えて、少なくとも一部が可撓性を有することにより、先端部35が重力を利用して消火剤貯蔵容器30の内壁面に近接又は接しうるサイフォン管33を備えている。
【0054】
従って、消火剤貯蔵容器30内の消火剤7の残量が少なくなったとき、例えば、消火剤貯蔵容器30が水平面11に対して水平に設置されている場合でも、消火剤貯蔵容器30の下るように傾斜する内壁面に沿って前述の液溜り部32に消火剤7が効率よく溜る。そうすると、液溜り部32の内壁面に近接又は接するサイフォン管33から消火剤7をほぼ無駄なく放射することが可能となる。
【0055】
また、本実施形態では、消火システムの筐体360、換言すれば各種工作機械等の筐体が小型化されている。本実施形態の消火システムの筐体360は、幅約60cm、奥行き約70cm、高さ約150cmである。従って、省スペース化を実現するためには、消火器94が配置されるべき空間357が非常に限定されてしまう。このように、本実施形態の消火器94は、設置スペースの制限によって横向きに配置せざるを得ないような場所しかない既存の各種工作機械等に対しても、消火剤を無駄にせず、且つ小型化できる消火器及び消火システムを実現できる点は特筆に値する。
【0056】
本実施形態の消火器94によれば、消火剤7の使い残しを大幅に低減することができるため、消火剤貯蔵容器30の小型化、ひいては消火システム300の省スペース化が実現できる。特に、本実施形態の消火器94は、水平面11に沿って配置しても前述の効果が奏されるため、既存の各種工作機械や各種製造装置等における、いわゆるデッドスペースを有効活用することが可能となる。すなわち、消火器又は消火剤貯蔵容器の配置場所及び配置方法の自由度が格段に高まることになる。
【0057】
また、本実施形態では、消火剤7として二酸化炭素が採用されているが、充填気体がサイフォン管33の先端部35から流入し始める時期が、消火剤が殆ど消費された後となるため、多量の消火剤7がドライアイス化することはない。これは、消火システム300内に配置されるべき消火器94の更なる小型化を可能にすることになる。
【0058】
上述のとおり、本実施形態の消火器94及び消火システム300によれば、消火剤7を無駄にすることなく、従来の縦向きに設置される方法のみならず横向きにでも消火器94を設置することができる。このように限られた空間が消火器の配置場所として利用できることは、省スペース化の実現に大きく貢献する。加えて、省スペース化に伴い、消火システム300全体としてのデザイン性も格段に向上するため、消火器を設置しない加工装置及び/又は処理装置であっても、本実施形態の消火システム300を導入する可能性が大いに高まる。
【0059】
<その他の実施形態>
ところで、上述した実施形態では、消火器90が、消火剤貯蔵容器10の内部に向かって突出する曲面9aを備える底面9を有するが、この形状に限定されない。例えば、図9に示すように、消火剤貯蔵容器15の外側に向かって突出する曲面9bを備える底面9を有する消火器96も、1つの実施形態として採用され得る。但し、そのような外側へ向かって突出する曲面9bを備える底面9を有する消火器96に比べて、内部に向かって突出する曲面9aを備える底面9を有する消火器90の方が、傾斜した消火剤貯蔵容器10の下部に消火剤7が効率よく溜まる。上述のとおり、消火剤貯蔵容器10内のサイフォン管3はその先端部5が消火剤貯蔵容器10の内壁面に近接又は接する。従って、消火剤7が少量であってもサイフォン管3が消火剤7に浸るため、消火剤7をほぼ無駄なく放射することができる。以上の理由から、消火器が、消火剤貯蔵容器10の内部に向かって突出する曲面9aを備える底面9を有する構造を採用することは好ましい一態様であるといえる。
【0060】
また、上述の第2実施形態では、周状の凹部となる内壁が一段のみ形成されているが、これに限定されない。例えば、図10に示す消火器98のように、断面視において複数の階段状になるように周状の凹部となる内壁41,42が形成されていても、サイフォン管23の先端25が最も肉厚の薄い領域(液溜り部42)に到達する限り、上述の実施形態の効果と実質的に同等の効果が奏される。但し、成形の困難性及び製造コストを考慮すれば、第2の実施形態のごとく一段の周状の凹部となる内壁が形成されることが好ましい。
【0061】
以上、述べたとおり、各実施形態の他の組合せを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた、特許請求の範囲に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、消火器及び消火システムとして広く利用され得る。
【符号の説明】
【0063】
1,21,31 バルブ
2 従来のサイフォン管
3,23,33 可撓性を有するサイフォン管
4,24,34 開口部
5,25,35 先端部
6,26,36 円筒部
6a,26a,36a 肩部
6b,26b,36b 底部
7 消火剤
9,29,39 底面
9a,29a ,39a 消火剤貯蔵容器の内部に向かって突出する曲面
9b 消火剤貯蔵容器の外側に向かって突出する曲面
10,15,20,30 消火剤貯蔵容器
11 水平面
22,32,42 液溜り部
41 周状の凹部となる内壁
151,251,351 センサー
153,253,353 ノズル
155,255,355 配管
157,257,357 消火器収納空間
159,259,359 加工/処理スペース
160,260,360 筐体
90,92,94,96,98 消火器
100,200,300 消火システム
651 センサー
653 ノズル
655 配管
657 消火器収納空間
659 加工/処理スペース
660 筐体
690 従来の消火器
600 従来の消火システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒部を有し前記円筒部の肉厚が肩部から底部に向けて薄くなる消火剤貯蔵容器を備え、且つ
前記消火剤貯蔵容器の内壁面が、水平面に対して、前記肩部から前記底部に向けて下るように一様に傾斜するとともに、少なくとも一部が可撓性を有することによって先端部が前記底部の前記内壁面に近接又は接するサイフォン管を備える
消火器。
【請求項2】
円筒部を有し前記円筒部の肉厚が肩部から底部に向けて薄くなる消火剤貯蔵容器を備え、且つ
前記消火剤貯蔵容器の内壁面が、水平面に対して、前記肩部から前記底部に向けて下るように階段状に傾斜するとともに、少なくとも一部が可撓性を有することによって先端部が前記底部の前記内壁面に近接又は接するサイフォン管を備える
消火器。
【請求項3】
前記消火剤貯蔵容器の内部に向かって突出する曲面を備える底面を有する
請求項1又は請求項2に記載の消火器。
【請求項4】
前記底部の内壁に液溜り部が形成される
請求項1に記載の消火器。
【請求項5】
円筒部を有し前記円筒部の肉厚が肩部から底部に向けて薄くなる消火剤貯蔵容器と、少なくとも一部が可撓性を有することによって先端部が前記底部の前記内壁面に近接又は接するサイフォン管とを備える消火器を備え、且つ
前記消火剤貯蔵容器の前記内壁面が、水平面に対して、前記肩部から前記底部に向けて下るように一様に傾斜するように配置される
消火システム。
【請求項6】
円筒部を有し前記円筒部の肉厚が肩部から底部に向けて薄くなる消火剤貯蔵容器と、少なくとも一部が可撓性を有することによって先端部が前記底部の前記内壁面に近接又は接するサイフォン管とを備える消火器を備え、且つ
前記消火剤貯蔵容器の前記内壁面が、水平面に対して、前記肩部から前記底部に向けて下るように階段状に傾斜するように配置される
消火システム。
【請求項7】
前記消火器が、前記消火剤貯蔵容器の内部に向かって突出する底面を有する
請求項5又は請求項6に記載の消火システム。
【請求項8】
前記底部の内壁に液溜り部が形成される
請求項5に記載の消火システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−268856(P2010−268856A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−121346(P2009−121346)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【出願人】(391008320)株式会社初田製作所 (78)
【Fターム(参考)】