説明

消火方法及び消火器

消火のための装置及び方法が提供されている。本発明の一つの実施形態に従って、第一の穴(又は穴の組)、第二の穴(又は穴の組)及び第一の穴と第二の穴との間に規定されている流路を備えたハウジングが設けられている。消火ガスは、例えば、固体推進剤組成物によって形成され且つ耐利用の周囲空気がハウジング外部から前記第一の穴を介して前記流路内へ吸い込まれるような方法で前記流路内へ導入される。前記の大量の周囲空気は、酸素低減プロセスを受け且つ前記消火ガスと混ぜ合わせられてガス混合物を形成する。ガス混合物は、前記流路から前記第二の穴を介して消火のための関連する環境内へと排出される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】
【0002】
本発明は、概して消火に関し、より特別には人間の居住空間及びクリーンルームタイプの環境内の消火を含む消火方法及び消火器に関する。
【背景技術】
【0003】
消火装置は、火事の不所望な発生を素早く消火し、それによって、ビルディング及び種々タイプの設備の損傷ばかりでなく、人命の障害又は喪失を含む火事によって生じる損傷を阻止するか又は少なくとも最少化する努力において種々の状況及び場所において使用することができる。一般的な消火器又は消火装置は、一般的には、装置の作動時に消火物質を分散させる1以上のノズルのような分配装置を含んでいても良い。この装置の作動は、火災報知機の起動又は手動による分散によって、消火器に作動可能に結合されている火事又は煙感知装置の手段によって達成される。例えば、消火器又は消火装置が使用される場所、消火装置によって管理される面積がどれだけ広いか及び装置が出くわし且つ消火することが期待されている火事のタイプに依存して種々のタイプの消火剤又は消火剤組成物を採用することができる。
【0004】
例えば、幾つかの市販の居住設備の消火装置においてさえ、スプリンクラーの連絡網が関連するビルディング全体に採用され且つ装置の作動時に水又はその他の消火液をビルディング内の特別な場所へ分配する構造とされている。
【0005】
しかしながら、消火液を提供する装置は全ての状況に適しているわけではない。例えば、所定の場所において点火された火のための燃料としてグリースが作用する場所において、消火剤として水を使用する消火装置を採用することは望ましくないであろう。同様に、例えば高価で且つ敏感な電子又はコンピュータ設備を含む電気装置を含んでいる場所で液体消火剤を使用することは望ましくない。液体消火剤は、このような場所における火事を適切に消火することが出来るけれども、この消火剤は、その中に囲繞されている設備に実質的な損傷を与えるであろう。更に、液体消火剤は、クリーンルーム内への液体物質の導入が何らかの製品(例えば、集積回路)の汚染を生じさせる。
【0006】
他の利用可能な消火剤としては、例えば、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、燐酸アンモニウム及び塩化カリウムのような化学消火剤の粉末がある。このような消火剤は特別な設備においては有効であり得るけれども、広い面積内で粉末消火剤を効率良く使用する装置を提供することは難しい場合が多い。更に、粉末消火剤の使用は、それが配置されている付近において個人の健康を危険状態にさらし得るばかりでなく、電子及びコンピュータ装置又は例えばクリーンルーム内で製造されている製品に対してさえ汚染源として作用する。従って、このような消火装置は、一般的には、クリーンルーム、コンピュータルーム又は人間の居住のために設計された空間において使用できない。
【0007】
これまで使用されて来たもう一つ別のタイプの消火剤としてはガス消火剤がある。例えば、一般的にHalonとして表されているガスは、過去に消火剤として効率良く使用されて来た。Halonは、飽和炭化水素によってもたらされる臭化弗化炭化水素類を含んでいる。飽和炭化水素原子が本質的に臭素、塩素及び/又は弗素のようなハロゲン元素の原子によって置換されている。Halon1211、1301及び2402と称される広く使用されている変種を含んでいるHalonは、人間の居住環境及びクリーンルームタイプの環境を含む種々の環境及び状況における有効な消火のために使用されて来た。しかしながら、近年においては、オゾン層破壊特性を有するので、Halonを排除する努力がもくろまれて来た。実際には、1994年にある種のHalonが廃止され、一方、その他のものは2010年までに廃止されるように計画されている。
【0008】
効率の良くHalonガスと置き換える試みにおいて使用されたガスのうちの幾つかには、窒素及び二酸化炭素が含まれる。このようなガスは、本質的に、火事が起こっている場所の空気内に含まれている酸素と置換して、得られる酸素の量が更に燃焼するには不十分であるようになされている。しかしながら、このようなガスは、一般的には、消火剤として有効であるためには、比較的大量の選択されたガスの分配を必要とする。このような大量のガスを収容するためには、使用を見越してガスを圧縮状態で貯蔵するために高価で且つ嵩の高い容器が一般的に必要とされる。更に、このようなガスは時々、ガス消火剤が分配される領域内にある設備又は人に有害であるかも知れない副産物を含むか又は生成するかも知れない。
【0009】
更に、上記したように、一般的に、高圧で大きな容積内にガスを貯蔵するための要件により、これらの装置を設置し且つ作動させるために利用可能な著しく大きな空間を必要とする高価で且つ煩わしい大きさとなる。比較的小さな貯蔵機能を必要としつつ適切な消火剤の量を提供する能力を含む上記した問題点の幾つかを解決するための代替的な消火装置を開発するために種々の試みを行った。
【0010】
代替的な消火器を提供するための方法の幾つかとしては、Bennettに付与された米国特許第6,257,341号、Galbraithらに付与された米国特許第6,401,487号及びKotliarに付与された米国特許第6,401,487号がある。Bennett特許は、概して、圧縮された不活性ガス及び固体推進剤発生器の組み合わせを使用している装置を開示している。点火されると、前記固体推進剤ガス発生器は、窒素、二酸化炭素又はこれらの混合物を発生する。固体推進剤から発生されたガスは、次いで、貯蔵されている圧縮不活性ガスと混合され且つブレンドされる。圧縮不活性ガスは、消火剤として使用するためのブレンドされたガス混合物を提供するために、アルゴン、二酸化炭素又はこれらの混合物を含んでいても良い。Bennettの装置は、従来技術による装置よりも小さく、従って、種々の環境に設置することがより自由である装置を提供することをクレームしている。しかしながら、Benettの装置は圧縮不活性ガスを使用しているという事実により、上記したように、一般的には高価であり且つ特に大きな部屋又は面積が装置によって提供されており、従って、大きな体積の消火剤を必要とする場合には、設置のためのかなり大きな空間を必要とする適切な圧力容器が必要とされている。
【0011】
上で参考にしたGalbraithは、概して、一つの実施形態には、推進剤が点火したときに大量のガスを発生する燃焼推進剤を充填されたガス発生器を含んでいる装置を開示している。発生されたガスは、炭酸マグネシウムのような大量の圧縮された粉末を含んでいるチャンバへと導かれる。このガスは、チャンバからの粉末を炎へと分配するように駆動する。もう一つ別の実施形態においては、Galbraithは、発生されたガスが液体を蒸発させるために使用され、それによって第二のガスを発生し、当該第二のガスは消火剤として使用される装置を開示している。しかしながら、上記したような粉末の使用は、例えば、普通の人間の居住用として意図されている領域、電子感知装置を収容するように意図された領域又はその他のクリーンルームタイプの環境においては望ましくない。蒸発せしめられた液体の使用は、関連する貯蔵容器の起こり得る腐食の防止を含む液体の長期間に亘る貯蔵に関する付加的な問題を導入するかも知れない。
【0012】
上記したKotliar特許は、概して、部屋又はその他の包囲空間内に含まれている空気の酸素成分を約12%乃至17%のレベルまで下げる構造とされている低酸素発生器を含んでいる装置を開示している。Kotilarによって開示された実施形態のうちの一つは、部屋又は包囲体から大量の周囲空気を受け取る構造とされた入口を含んでいる圧縮機を含んでいる。圧縮空気は、冷却機又はクーラー内を通過せしめられ、次いで、1以上のモレキュラーシーブ床内を通過せしめられる。モレキュラーシーブは、他のガスを吸収しつつ酸素を通過させるゼオライトを含んでいる材料を含んでいても良い。モレキュラーシーブ床を通過した酸素は、保護されている部屋又は包囲体から外部場所へと排出される。次いで、モレキュラーシーブ床は、捕獲されたガスが不完全燃焼ガスとして部屋内へと戻されて解放されるように減圧される。
【0013】
Kotliarは、装置が消火器として使用しても良いことを開示しているけれども、この装置が如何に効率良く所定の部屋に対して酸素レベルを素早く低減させて火事を消火することができるかを明らかにしていない。更に、Kotliarの装置は、第一の位置内の燃料源の点火及び燃焼を阻止するために、部屋又はその他の包囲体内の空気が不完全燃焼レベルに連続的に維持されるように低酸素発生器が連続的に作動している防火装置としてより効果的であるように考えられていることが明らかである。しかしながら、そのような作動は、明らかに、低酸素発生器の一定の作動を必要とし、従って、装置の付加的な保守及びメンテナンスを必要としそうである。更に、Kotliarは、低酸素環境(すなわち、酸素が低減された又は枯渇した環境)内で長い時間を費やす者にとって関連する健康障害が存在しないことを断言しているけれども、このような装置は、例えば、喘息又は気管支炎又は心血管疾患状態のような呼吸困難な疾患を含む現存の健康状態を有する者又は年寄り又は概して非活動性の生活様式を行っている人にとっては理想的ではないかも知れない。
【0014】
当該技術における欠点に鑑みると、オゾン層破壊ではないが人間の居住のために意図された部屋内での使用に適しており又は感知要素又は装置を収容する消火剤を使用しつつ、所定の場所内での効果的且つ効率の良い消火を提供する消火方法、消火器及び消火装置を提供することは有利である。更に、圧縮ガス又はその他の液体消火剤の貯蔵に関連付けられたより嵩が高く且つ高価な貯蔵装置を使用する必要無く、多くの場所及び種々の用途において使用するのに適合することができるような消火方法、消火器及び消火装置を提供することは有利である。
【発明の開示】
【0015】
本発明の一つの特徴に従って、消火器が提供されている。この消火器は、その中に第一の穴と、第二の穴と、当該第一の穴と第二の穴との間に流体連通を規定している流路とを含んでいる。この消火器は更に、ガスの流れがハウジングの外部から前記第一の穴を介して前記流路内へ大量の周囲空気を吸い込むように前記流路内にガスの流れを提供する配置及び構造とされたガス発生装置を含んでいる。
【0016】
本発明のもう一つ別の特徴に従って、別の消火器が提供されている。この消火器は、第一の穴と、第二の穴と、前記第一の穴と第二の穴との間に流体連通を規定している流路とを含んでいる。内部に固体推進剤組成物を有しているガス発生器が、前記固体推進剤が燃焼すると前記流路内へ導入される第一のガスが生成されるような構造とされている。点火器が、ガスの生成のために前記固体推進剤組成物を点火する構造とされている。ノズルが、前記ガス発生器と結合されており且つ前記第一のガスが前記ノズルを介して前記流路内へ流れ且つ前記ハウジングの外部位置から前記第一の穴を介して前記流路内へ大量の周囲空気をも引き込むような配置及び構造とされている。前記固体推進剤組成物と前記ノズルとの間にはフィルタが設けられている。前記流路内には、前記第一のガスの速度を変え且つ前記第一のガスと前記流路内へ引き込まれた大量の周囲空気ガス混合物との混合をもたらしてガス混合物を形成する配置及び構造とされた分散器が設けられている。前記第一のガス、前記大量の周囲空気又は結果的に得られるそれらの混合物を調整するための少なくとも1つの調整装置が、前記流路内に設けられている。
【0017】
本発明の更に別の特徴に従って、一つの消火装置が提供されている。この消火装置は、例えば、本発明一つの特徴に従って提供された消火器を含む少なくとも1つの消火器を含んでいる。この消火装置は更に、信号を発生し且つ少なくとも1つの消火器が信号を受け取ったときに作動せしめられる特別な事象の発生時に少なくとも1つの消火器に前記信号を送る構造とされたコントローラをも含んでいる。
【0018】
本発明の更に別の特徴に従って、消火方法が提供されている。この方法は、第一の穴と第二の穴とを備えたハウジングを提供することを含んでいる。前記第一の穴と前記第二の穴との間には流路が規定される。消火ガスが生成され且つ前記流路内へ導入される。大量の周囲空気が、前記ハウジングの外部場所から前記第一の穴を介して前記流路内へと吸い込まれる。このような周囲空気の吸い込みは、例えば、ガスが前記流路内へ導入されるときの前記流路内への導入位置、ガスが前記流路内へ導入されるときのガスの速度を含む前記消火ガスの前記流路内への導入を制御することによって達成される。前記大量の空気は前記消火ガスと混合され、このガス混合物は前記第二の穴を介して排出される。
【最良の実施形態の説明】
【0019】
上記の及びその他の利点は、以下の詳細な説明を読み且つ図面を参考にすることによって明らかとなるであろう。
図1を参照すると、消火器100は、例えば鋼のような高温耐熱材料によって作られているハウジング102を含んでいても良い。ハウジング102内には、第一の組の穴104と第二の組の穴106とが形成されている。第一の組の穴104と第二の組の穴106との間には、それらの間に実質的な流体連通を提供している流路108が規定されている。選択された環境内の構造物に消火器100が固定できるように、例えばフランジのような取り付け構造109が、ハウジング102に結合されているか又は形成されている。
【0020】
ガス発生器110がハウジング102の一端に設けられても良く、ガス発生器110は、以下において更に詳細に説明するように、点火し且つ燃焼すると所望のガスを発生する構造とされている固体推進剤のような推進剤114を含んでいても良い。ガス発生器110は、当該ガス発生器110から流出するガスを分散させるためのノズル116に結合されていても良い。ノズル116の適切な構造によって当業者が理解するように、ノズル116を介してガス発生器110から出て行くガスの圧力及び/又は速度は、かなりの正確さで制御することができる。
【0021】
ノズル116は、流路108内に配置された分散器118又はその他の流量制御装置内へ発生されたガスを排出し且つ排出されたガスの膨張を促進してガスの速度及び温度を低くする構造とすることができる。更に、以下において更に説明するように、分散器118は、前記第一の組の穴104を介して流路108内へ流れ込む大量の周囲空気とのノズル116から排出されたガスの混合を促進する構造とすることができる。
【0022】
流路108内の第一の組の穴104の下流には、第一の組の穴104及びそれに関連する流路108内を流れる空気から酸素を捕獲する構造とされている酸素捕獲装置120が設けられている。酸素捕獲装置120は、例えば、鋼、銅、亜鉛、鉄、ニッケル又はチタンのような酸素と反応性の材料によって作ることができる。材料は、流路108内をガスが通るのを可能にしつつ流路108内に充填されるか、さもなければ例えば羊毛、布、メッシュ又は穴として形成することができる。図1に示されているように、酸素捕獲装置120がノズル116に隣接して配置され且つノズル116と熱結合されるようにするのが望ましいかも知れない。例えば、ガス発生器110から生成された熱を酸素捕獲装置120へ伝導するために、複数の熱伝導フィン122又はその他の熱伝導手段を使用しても良い。
【0023】
他の処理又は調整装置を流路108内の第一の酸素捕獲装置120の下流に配置しても良い。例えば、第一の酸素捕獲装置120の効率及び第二の組の穴106を介して前記流路108を出て行くガスの所望の酸素成分に応じて流路108内を流れる空気からの酸素のレベルを更に低下させるために、第二の酸素捕獲装置123を使用しても良い。更に、例えば、固体推進剤114及びそれによって生成されるガスの組成に応じて、存在するかも知れない流路108内を流れるガスから酸化窒素を取り出すために、NO掃気装置124を使用しても良い。代替的に又は付加的に、流路108内を流れるガスからアンモニアを取り出すために、NH掃気装置124を使用しても良い。
【0024】
更に、熱伝達装置126を流路108内に配置しても良く且つガスが第二の組の穴106を出て行く前にその中を流れるガスの温度を下げる構造とすることができる。熱伝達装置126は、例えば、ガスがその中(又はその上)を流れるのを許容し且つガスから熱を奪い取る構造とされた熱伝導フィン、チューブ又は小球を含む比較的簡単な形状を呈しても良い。別の実施形態においては、熱伝達装置126は、例えば、流路108内を流れるガスから熱を奪い取るために循環液体媒体を採用している相変化材料又は機械的熱交換器を含んでいる比較的複雑な構造を呈しても良い。
【0025】
図2を簡単に参照すると、本発明の一実施形態によるガス発生器110の断面図が示されている。ガス発生器110は、内部に大量の推進剤114を含んでいるハウジング構造130を含んでいる。点火器132は、特別な事象の発生時に、改心剤114を点火する配置及び構造とされている。点火器132は、加熱されて煌めくような構造とされた起爆管、半導体ブリッジ(SCB)又はワイヤを含んでいても良い。一つの実施形態においては、点火器132は、点火組成物の助け無しで推進剤114を直接点火する構造とされていても良い。別の実施形態においては、点火器132は、推進剤の点火のために十分な熱を提供する点火組成物134と接触状態であっても良い。
【0026】
使用されている特別な組成物に応じて、点火組成物134は、点火されると熱いガスを生成する構造とされており、この熱いガスは、これに続く推進剤114の点火及び燃焼のための十分な熱を提供する。別の実施形態においては、点火組成物134は、推進剤114を点火し且つ燃焼を開始させるのに十分な熱さの金属スラグのような溶融材料を生成する構造とされていても良い。
【0027】
例示的な点火組成物134には、米国特許第6,086,693号に開示されているものが含まれても良い。米国特許第6,086,693号は、概して、約50乃至70重量パーセントの硝酸ストロンチウムのような酸化剤組成物、35重量パーセント以下のアルミニウムとマグネシウムとの合金組成物及び20重量パーセント以下のガス生成燃料要素を含んでいる組成物を開示している。しかしながら、本発明においては、例えば、推進剤114の組成、使用されている点火器132のタイプ及びガス発生器110の作動中に生成(又は除去)されることが望ましい結果的に得られるガスに応じて種々の点火組成物を使用しても良い。
【0028】
推進剤114の点火時に、一実施形態においては、収容する人間の居住空間内への導入又は感知電子装置を収容する環境に適した不活性ガスを含んでいても良い。例えば、一実施形態においては、推進剤は、燃焼時にNのような窒素ガスを生成する構造とされている組成物を含んでいても良い。別の実施形態においては、推進剤114は、HO(水蒸気)、CO(二酸化炭素)ガス又はこのような例示的なガスの種々の混合物を燃焼時に生成する構造とされている組成物を含んでいても良い。種々の推進剤組成物が本発明と共に使用されるものとして考えられる。しかしながら、消火器100によって保護されている環境の意図された通常の使用のような種々のファクタに応じて、概して包囲された空間内に含まれる酸素成分を低減することに対して依然として有効でありつつ、オゾン層破壊ガス(例えば、ハロゲン化フッ化炭化水素)及び/又は地球温暖化ガス(例えば、二酸化炭素)を含まないガス(又はガス混合物)を生成する組成物を使用することが望ましいかも知れない。
【0029】
一実施形態においては、例示的な推進剤組成物は、Hinshawらに付与された米国特許第5,439,537号及び第6,039,820号に開示されているようなHACN組成物を含むことができる。もちろん、他の組成物を使用しても良い。一つの実施形態においては、推進剤組成物は、窒素及び水蒸気を含む不活性ガスを生成する構造とされても良い。
【0030】
一つの例においては、ガス発生器110内に含まれている推進剤114から約1.5キログラム(kg)乃至約300kgの窒素を生成することが望ましいかも知れない。このような大量の窒素を生成する際には、無視できる量の一酸化炭素を有する1重量%の二酸化炭素を生成することが望ましいかも知れない。更に、当該装置によって保護されている環境内に配置されているかも知れない設備、家具等に残液の膜又はコーティングを残さないように、実質的に残液を含まないガスを生成することが望ましいかも知れない。
【0031】
ガス発生装置110は、例えば、ハウジング130内に配置されているスクリーンメッシュ又は大量の鋼製のショットのようなフィルタ136を更に含んでいても良い。このフィルタは、推進剤114の燃焼中に生成されるスラグ又は溶融材料がハウジング130から出て行くのを阻止するために使用しても良い。スラグ又はその他の固体がガス発生器110から出て行くのを防止することは、ノズル116の遮断又は詰まりを防止し、流路108(図1)内に配置されている他の構成要素に対する損傷を防止し、及びこの防止がなされない場合に高温材料が消火器100によって保護されている環境内へ排出されて戻されるのを許容されている場合に生じるかも知れない設備に対する損傷又は人に対する損傷を単に防止するために望ましいかも知れない。
【0032】
図1及び2の両方を参照して消火器100の作動を説明する。火事を検知すると、点火器132は、例えば、1以上の導線138を介して電気信号を供給することによって作動させることができる。信号は、適切なセンサーによる火事の検知によって自動的に提供されるか又はスイッチ若しくはこれと同様の器具の手動による作動の結果であっても良い。点火器132は、直接に又は上記した点火組成物134によって、ガス発生器110内で推進剤114を点火する構造とされている。
【0033】
推進剤114の点火及びそれに続く燃焼によって、方向を示す矢印140によって示されているガス発生器110のノズル116内を流れるガスの発生を生じる。ノズル116は、ガスが流路108内に入るときにノズル116から出て行くガスの速度を含む発生されるガスの流れを実質的に制御する構造とされている。ノズルから流出する高速ガスの流れは、第一の組の穴104に対する流路108内のノズル116の幾何学的面積比及び位置と組み合わされて、周囲空気(すなわち、消火器100の外部の空気)が第一の組の穴104を介して吸い込まれるようにさせる。言い換えると、高速でのガスの生成は、108Aで示されている消火器100の外部にある周囲空気の第一の組の穴104を介する流路108内への吸い込み又は引き出しをもたらす。
【0034】
流路108内へと吸引された周囲空気は、化学反応によってその中を流れる周囲空気内の酸素のレベルを低減させる酸素捕獲装置120内を通過する。例えば、酸素捕獲装置120は、キログラム材料当たり約0.814キログラムの酸素(kg酸素/kg材料)(材料ポンド当たり約0.4ポンドの酸素(lbs.酸素/lb.材料)を吸着することができる鉄を含んでいる材料によって少なくとも部分的に作ることができる。この鉄材料は、酸素捕獲装置120内を流れる周囲空気と反応してその酸素成分を低減し且つ酸素捕獲装置120内にFeを生成する。別の例示的な実施形態においては、酸素捕獲装置120は、約0.1134kg酸素/kg材料(約0.25lbs.酸素/lb.材料)を吸着することができる銅を含んでいる材料によって少なくとも部分的に形成されても良い。周囲空気のこの銅との反応によって、酸素捕獲装置120内にCuOの生成が生じるであろう。
【0035】
更に別の例示的な実施形態においては、酸素捕獲装置120は、約0.1225kg酸素/kg材料(約0.27lbs.酸素/lb.材料)を吸着することができるニッケルを含んでいる材料によって少なくとも部分的に形成されても良い。周囲空気のこのニッケルとの反応によって、酸素捕獲装置120内にNiOの生成がもたらされるであろう。更に別の例示的な実施形態においては、酸素捕獲装置120は、約0.3039kg酸素/kg材料(約0.67lbs.酸素/lb.材料)を吸着することができるチタンを含んでいる材料によって少なくとも部分的に形成されても良い。周囲空気のこのチタンとの反応によって、酸素捕獲装置120内にTiOの生成がもたらされるであろう。酸素捕獲装置内で使用することができる別の例示的な材料としては、約0.0794kg酸素/kg材料(約0.175lbs.酸素/lb.材料)を吸着することができるジルコニウムがある。しかしながら、上記の材料は例示であり、他の材料のみならず当業者が理解する他の手段及び方法も使用することができることは注目されるべきである。
【0036】
上記したように、推進剤114の燃焼に伴う熱は、酸素捕獲装置120に伝達されても良い。例えば、ガス発生器110内の温度は、幾つかの実施形態においては、約1371℃(約2500°F)乃至約1927℃(約3500°F)まで上昇するかも知れないことが予測できる。ガス発生器110から逃げる熱の伝達は、本質的に危険なレベルの熱を下げ且つこのような熱をガス発生器110の効率の良い冷却のための比較的大きな面積に亘って分散させるという利点を提供する。更に、酸素捕獲装置120への熱の伝達はまた、周囲空気と酸素捕獲装置120内に設けられた材料との間で起こる化学反応を促進することによって、その中を通過する吸い込まれた空気から酸素を奪い取る過程を促進させもするであろう。
【0037】
図3A、3B及び4を簡単に参照すると、酸素捕獲装置120の作動温度が消火器100の性能にどの程度影響を及ぼすかが示されている。図3Aは、酸素捕獲装置120内の空気と反応するために鉄(Fe)が使用されている消火器100の例示的な実施形態における平衡反応と吸気装置との関係を示している第一のグラフ200である。より特別には、第一のプロット線202は、平衡反応(すなわち、空気が鉄材料との完全に反応と仮定している)における酸素捕獲装置120内に存在する鉄材料に対する吸い込まれた空気のキログラム(kg)比として規定されている“空気対捕獲の比率”(水平軸206)に対する温度(左手垂直軸204)の関係を示している。第二のプロット線208は、所定の分散器118の断面積(右手垂直軸210における単位センチメートルにおける分散器チューブの直径として表されている)に対する空気対捕獲の比率の関係を示している。第三のプロット線212は、ガス発生器110によって発生される燃焼ガスに対する吸い込まれた空気の質量流量の比である質量流量(同じく、右手垂直軸210)に対する空気対捕獲の比率の関係を示している。
【0038】
図3Bを参照すると、第二のグラフ214は、酸素捕獲装置120内で空気と反応するために銅が使用されている例示的な実施形態に対して示されている。同様に、第一のプロット線202’は空気対捕獲の比率と温度との関係を示しており、第二のプロット線208’は空気対捕獲の比率に対する分散器チューブの直径の関係を示しており、第三のプロット線212’は空気対捕獲の比率に対する質量流量の関係を示している。
【0039】
図4を参照すると、グラフ220は、酸素捕獲装置120内に存在する材料の規定された温度(水平軸230)に対する吸い込まれた空気から奪い取られた酸素のパーセント(左手垂直軸228)の動力学的な計算に基づく3つのプロット線222,224及び226を含んでいる。例えば、第一のプロット線は4.54kg(10lbm)の銅に対するこのような関係を示しており、第二のプロット線224は6.80kg(15lbm)の銅に対する同様の関係を示しており、第三のプロット線は9.07kg(20lbm)の銅に対するこのような関係を示している。
【0040】
図3A,3B及び4に示されているグラフ200,214及び220と併せて考えると、このような関係は酸素捕獲装置120内で使用するための酸素捕獲材料を選択する際に助けとするために使用しても良いことがわかる。グラフ200,214及び220はまた、例えば吸引性能に関する分散器118の大きさのような流路の幾何学的構造の重要性をも示している。
【0041】
例えば、図4に示されたような情報に基づいて酸素捕獲装置120において使用するための材料が選択された後に、対応するグラフ(すなわち、図3Bにおけるグラフ214)に提供されている更に別の情報を消火器100の他の構造を設計するために使用することができる。1つの例として図3B及び4を依然として使用すると、吸い込まれた空気からの酸素の除去率は銅の温度が上昇するにつれて増大する。しかしながら、消火器100の意図された用途及び環境に依存して、排出ガス混合物を特定の温度以下に維持することは望ましいかも知れない。排出ガス混合物の温度は、既に説明したように、燃焼ガスの温度を特定のレベル又はそれ以上に維持すること、ガス混合物が消火器100から出て行く前にガス混合物の温度を低下させるために熱伝達装置126を提供することによって制御することができる。いずれの場合にも、ひとたび酸素捕獲装置120の作動温度に達すると、空気対捕獲量の比率か決定でき、続いて、質量流量と分散器チューブ直径とを図3Bに示されたグラフ214を使用して決定することができる。
【0042】
図1及び2を再度参照すると、周囲空気が酸素捕獲装置120内を通過すると、酸素が除去された(又は酸素が低減された)空気が、流路108内へ更に引き込まれ且つ108Bによって示されているようにガス発生器110のノズル116から出て行くガスと混合され且つ一緒に引っ張られる。混合ガス(すなわち、酸素が除去された空気と結合されたノズル116から出て行く発生ガス)は、ガス混合物の速度を低下させる構造とされている分散器118内を流れる。この混合ガスは、分散器118内を通り且つ108Cによって示された流路108内に配置された後続の処理装置、例えば、第二の酸素捕獲装置123、NO掃気装置124、熱伝達装置126、フィルタ又は例えばNH掃気装置のようなその他の処理若しくは調整装置内を通過して、混合ガスを所望通りに更に調整し若しくはその流動特性が変更される。
【0043】
この混合ガスは、次いで、108Dによって示された第二の組の穴106を遅い速度で出て行く。幾つかの実施形態においては、混合ガスが音速より遅い速度で第二の組の穴106を出て行くように混合ガスの速度を低下させることが望ましいかも知れない。混合ガスの速度を制御するために流路内に付加的な構成部品を使用しても良い。例えば、図1に示されているように、流路108は、混合ガスの流れの方向を向け直すため及びその速度を低下させるために1以上の曲がり部又は溝を含んでいても良い。更に、混合ガスの流れ特性を制御するために、流路108内に回り止め板又は同様の他の装置を配置しても良い。ハウジング102を出て行く混合ガスの速度を更に低下させるために、付加的な分散器もまた例えば第二の組の穴106に若しくは隣接して使用しても良い。
【0044】
ガス混合物が第二の組の穴106を出て行くとき、このガス混合物は、実質的に包囲された環境の空気に含まれている酸素を押し出す構造とされた大量の窒素のような不活性ガスを含んでいる。このガス混合物はまた、実質的に包囲された環境から最初に抜き取られた大量の酸素が除去された空気をも含んでいて、燃焼を支えるために利用できる酸素全体のレベルが実質的に減じられ且つ望ましくは消火器100によって保護される環境内に起こっているかも知れない火事の更なる燃焼を防止することができる。
【0045】
図5及び6を参照すると、図5は本発明の消火器100が使用されている規定された環境150の斜視図であり、一方、図6は1以上の消火器100を組み込み且つ上記の環境150を保護するために使用することができる消火装置152の概略図である。
【0046】
1以上の消火器100は、環境150から空気を吸い込むために環境150内に計画的に配置しても良く且つ上記したようなガス混合物を環境150へと戻るように分布させることができる。使用される消火器100の数及び環境150内でのそれらの特別な配置は、例えば、環境150の大きさ(例えば、環境に含まれる空気の体積)、環境150の意図されている使用方法(例えば、人間の居住空間、クリーンルーム等)及び/又は環境150内で遭遇することが予想される火事のタイプに依存するかも知れない。
【0047】
消火器152は、例えば、煙センサー、熱センサー又は特別なタイプのガスの存在を検知する構造とされているセンサーのような1以上のセンサー154を含んでいても良い。当該装置はまた、火事が発生したときに環境150内の居住者によって手動で起動させることができる1以上のアクチュエータ156を含んでいても良い。センサー154及びアクチュエータ156は、制御ユニット158と作動可能に結合しても良い。制御ユニット158は、例えば、センサー154及びアクチュエータ156からの入力を受け取り、さもなければセンサー154及びアクチュエータ156の状態の監視に供され且つ所定の事象が発生したときにガス発生器110(図1及び2)を作動され且つ消火器100の作動を開始させる制御ユニット又はプログラムされたコンピュータを含んでいても良い。
【0048】
このようにして、例えば、センサー154によって煙が検知されるか又はアクチュエータ156のうちの1つが手動によって起動されると、適切な信号を制御ユニット158へ中継することができる。次いで、制御ユニット158は、消火器100へ中継される適切な信号を発生することができ、それによって、点火器132(図2)を点火することができる。上記したように、点火器は、推進剤114(図2)を点火及び燃焼させ、ガスを発生させ、最終的に環境150内に分布せしめられるガス混合物を生じさせる。消火装置152は、適当な伝達経路160を介してこのような信号を中継する構造とすることができる。当該適切な伝達経路160は、例えば、このような信号のアナログかデジタルの伝達をする構造とされた導体又は種々の装置間のワイヤレス伝達経路を含んでいても良い。消火装置152は更に、制御ユニット158によって作動せしめられ得るアラーム162を含んでいても良い。このようなアラーム162は、可視指示、可聴指示又はそれらの両方を環境150内の居住者に提供する構造とされた装置を含んでいても良い。
【0049】
図7及び7Bを参照すると、消火器のもう一つの実施形態100’が示されている。消火器100’は、当該装置が配備され又はそれによって保護される環境に関連付けられている構造体170と実質的に一体化された構造及び配置とされている以外は、図1及び2に関して示され且つ説明されたものと似た構造とされている。従って、当該構造体170は、消火器100’のハウジング102’と一体化することができる。消火器100’においては、第一の穴(又は穴の組)104’が構造体170の壁又はパネル172に形成されており、第二の穴(又は穴の組)106’が構造体170の壁172に形成され、流路108’が第一の穴104’と第二の穴106’との間に規定されている。
【0050】
流路108’には、例えば、酸素捕獲装置、NO掃気装置、フィルタ及び/又は上記したような熱伝達装置を含む種々の処理装置を配置することができる。更に、第二の穴106’を最終的に出て行くガス混合物の流れを制御するために、分散器、回り止め板又は方向を向け直す流路のような種々の流れ制御装置を消火器100’に組み込んでも良い。
【0051】
消火器100’が一体化されている構造体170は、ビルディングの一室又は例えば自動車、列車、航空機若しくは何らかの他の車両のような陸上車両、海上車両、又は航空車両の車室を含んでいても良い。例えば、構造体170は自動車を含んでいても良く、壁又はパネル172は、ダッシュボードの一部分又はドアと関連付けられたサイドパネルの一部分を含んでいても良い。従って、消火器100’は、多くのタイプの環境内の種々の計画位置に配置することができる。
【0052】
図8を参照すると、本発明の別の実施形態による消火器100”の部分断面図が示されている。消火器100”は、上記したものと似ているが、選択された環境内で起動され且つ素早く配置できるように持ち運び可能な構造とされている。従って、例えば手動によって作動せしめられるアクチュエータ180が、ガス発生器110”と関連付けられた点火器を作動させる構造とされていても良い。作動時に、ユーザーは、例えば安全ピン182を引っ張り且つボタン又は他の機械的な器具184を押し、それによってガス発生器110”内に含まれている点火器及び燃焼推進剤を作動させることによって、アクチュエータ180を作動させることができる。関連する点火器の作動及びガス発生器110”内に含まれる推進剤の燃焼が所定の時間に亘って起こらないようにするために、タイマーその他の遅延機構をアクチュエータに組み込んでも良い。このような遅延機構は、ユーザーが危険に極めて近接しているときに消火器100”の熱又はそれによって発生されるガスが危険を惹き起こす場合に消火器100”との接触を避けるために、ユーザーが消火器100”を作動させ、次いで自分自身が避難するのを可能にすることができる。
【0053】
このようにして、作動時に、ユーザーは、アクチュエータ180を作動させ、特定の環境(例えば、ビンディング内の一室、自動車その他の車両の車室等)内に消火器100”を捨て且つ必要ならば点火及び作動前に消火器100”の場所から遠隔位置へ避難することができても良い。
【0054】
本発明は、種々の変形形態及び代替形態が可能であるけれども、特定の実施形態を例として図面に示し且つ本明細書において詳細に説明した。しかしながら、本発明は、ここに開示された特定の形態に限定されないことが理解されるべきである。本発明は、むしろ、特許請求の範囲に規定された本発明の精神及び範囲に含まれる全ての変形例、等価物及び代替例を包含している。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図1は、本発明の一実施形態による消火器の部分断面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態による消火装置において使用されているガス発生器の部分断面図である。
【図3A】図3Aは、本発明の例示的な実施形態による酸素捕獲装置に関連付けられた多くの変数をプロットしたグラフである。
【図3B】図3Bは、本発明の例示的な実施形態による酸素捕獲装置に関連付けられた多くの変数をプロットしたグラフである。
【図4】図4は、酸素捕獲装置の特別な例示的な実施形態における、温度対除去された酸素のパーセントをプロットしたグラフである。
【図5】図5は、環境内に保護のために設置された消火装置の斜視図である。
【図6】図6は、本発明の一実施形態による消火装置の概略図である。
【図7A】図7Aは、本発明の一実施形態による消火器の概略図である。
【図7B】図7Bは、本発明の一実施形態による消火器の断面図である。
【図8】図8は、本発明の更に別の実施形態による消火器の部分断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の穴と、第二の穴と、前記第一の穴と第二の穴との間に流体連通を提供する流路とを規定しているハウジングと、
前記流路内への第一のガスの流れを提供する配置及び構造とされて、前記第一のガスの流れが前記ハウジングの外部の場所から前記第一の穴を介して前記流路内へ大量の周囲空気を吸い込ませるようになされているガス発生器とを含む消火器。
【請求項2】
請求項1に記載の消火器であって、
前記ガス発生器が、前記第一のガスが前記流路内へ流れるときに通るノズルを更に含んでいる消火器。
【請求項3】
請求項2に記載の消火器であって、
前記ノズルが、前記第一のガスの流れをほぼ音速以上に加速する構造とされている消火器。
【請求項4】
請求項2に記載の消火器であって、
前記ガス発生器が燃焼したときに前記第一のガスを発生する構造とされている固体推進剤組成物を更に含んでいる消火器。
【請求項5】
請求項4に記載の消火器であって、
前記固体推進剤組成物が前記第一のガスを不活性ガスとして発生する構造とされている消火器。
【請求項6】
請求項4に記載の消火器であって、
前記固体推進剤組成物が、前記第一のガスとして、N、HO、COのうちの少なくとも1つを大量に発生する構造とされている消火器。
【請求項7】
請求項4に記載の消火器であって、
前記固体推進剤組成物を点火する構造とされている点火器を更に含んでいる消火器。
【請求項8】
請求項7に記載の消火器であって、
前記点火器が、起爆管、半導体ブリッジ及び導線のうちの少なくとも1つを含んでいる消火器。
【請求項9】
請求項7に記載の消火器であって、
前記点火器と接触状態にある点火組成物を更に含んでいる消火器。
【請求項10】
請求項9に記載の消火器であって、
前記点火組成物が、点火時に大量の加熱された第二のガスと大量の加熱されたスラグとのうちの少なくとも1つを生成する構造とされている消火器。
【請求項11】
請求項9に記載の消火器であって、
前記ガス発生器が、前記固体推進剤組成物と前記ノズルとの間に配置されたフィルタを更に含んでいる消火器。
【請求項12】
請求項11に記載の消火器であって、
前記フィルタがスクリーンメッシュと粉砕炭材料とのうちの少なくとも1つを含んでいる消火器。
【請求項13】
請求項2に記載の消火器であって、
前記第一のガスの速度を変え且つ前記第一のガスと前記流路内に引き込まれた前記大量の周囲空気との混合をもたらし、それによってガス混合物を形成するような配置及び構造とされた分散器を更に含んでいる消火器。
【請求項14】
請求項13に記載の消火器であって、
前記流路内に配置された少なくとも1つの調整装置を更に含んでいる消火器。
【請求項15】
請求項14に記載の消火器であって、
前記少なくとも1つの調整装置が、前記第一の穴と前記分散器との間に配置された酸素捕獲装置を含んでおり、当該酸素捕獲装置は、前記大量の周囲空気がその中を流れるときに当該周囲空気内の酸素レベルを低下させる構造とされている消火器。
【請求項16】
請求項15に記載の消火器であって、
前記酸素捕獲装置が、鉄、ニッケル、銅、亜鉛及びチタンのうちの少なくとも1つを含んでいる酸素と反応する材料を含んでいる消火器。
【請求項17】
請求項15に記載の消火器であって、
前記酸素捕獲装置が前記ノズルに熱結合されている消火器。
【請求項18】
請求項15に記載の消火器であって、
前記ガス発生器と結合され且つ前記ノズルと前記酸素捕獲装置とのうちの少なくとも1つと更に結合されている複数の熱伝導フィンを更に含んでいる消火器。
【請求項19】
請求項14に記載の消火器であって、
前記少なくとも1つの調整装置が、酸素捕獲装置、NO捕集剤、NH捕集剤、フィルタ並びに前記分散器と前記第二の穴との間に配置されている熱伝達装置のうちの少なくとも1つを含んでいる消火器。
【請求項20】
請求項14に記載の消火器であって、
前記少なくとも1つの調整装置が、前記ハウジングから取り外すことができ且つ別の調整装置と交換できる構造とされている消火器。
【請求項21】
請求項1に記載の消火器であって、
前記第一の穴が第二の複数の穴を含んでいる消火器。
【請求項22】
請求項21に記載の消火器であって、
前記ハウジングが金属材料によって作られている消火器。
【請求項23】
請求項22に記載の消火器であって、
前記ハウジングが鋼を含んでいる材料によって形成されている消火器。
【請求項24】
請求項1に記載の消火器であって、
前記ガス発生器が、前記ハウジングから取り外すことができ且つ別のガス発生器と交換できる構造とされている消火器。
【請求項25】
請求項1に記載の消火器であって、
前記ハウジングが、前記第一の消火器によって保護されるように意図されている環境に関連付けられた構造と実質的に一体である消火器。
【請求項26】
請求項25に記載の消火器であって、
前記構造がビルディングの部屋及び車両車室のうちの少なくとも一方からなる消火器。
【請求項27】
請求項1に記載の消火器であって、
信号を発生し且つ特別な出来事が発生したときに前記信号を前記ガス発生器に伝達する構造とされたコントローラを更に含んでおり、前記ガス発生器は、前記コントローラから信号を受け取ったときに前記第一のガスの流れを提供する構造とされている消火器。
【請求項28】
請求項27に記載の消火器であって、
センサー信号を発生し且つ前記コントローラにセンサー信号を伝達する構造とされている少なくとも1つのセンサーを更に含んでいる消火器。
【請求項29】
請求項28に記載の消火器であって、
前記少なくとも1つのセンサーが、煙感知器、温度センサー及び特定のガスの存在を検知する構造とされたセンサーのうちの少なくとも1つを更に含んでいる消火器。
【請求項30】
請求項27に記載の消火器であって、
アクチュエータ信号を発生し且つ当該アクチュエータ信号を前記コントローラに伝達する構造とされている少なくとも1つのアクチュエータを更に含んでいる消火器。
【請求項31】
請求項27に記載の消火器であって、
前記特定の出来事が発生したときに、視認指示器及び可聴指示器のうちの少なくとも1つを含んでいる警告指示器を提供するような配置且つ構造とされている少なくとも1つのアラーム装置を更に含んでいる消火器。
【請求項32】
消火方法であって、
第一の穴と第二の穴とを備えたハウジングを提供することと、
前記第一の穴と第二の穴との間に流路を規定することと、
消火ガスを生成することと、
前記消火ガスを前記流路内へ導入することと、
前記第一の穴を介して前記ハウジングの外部から前記流路内へ大量の周囲空気を吸引することと、
前記大量の周囲空気を前記消火ガスと混ぜてガス混合物を生成することと、
前記ガス混合物を前記第二の穴を介して排出することと、からなる方法。
【請求項33】
請求項32の記載の消火方法であって、
前記消火ガスを発生するステップが不活性ガスを生成することを含んでいる消火方法。
【請求項34】
請求項32の記載の消火方法であって、
消火ガスを生成するステップが、N、HO、COのうちの少なくとも1つからなるガスを生成することを含んでいる消火方法。
【請求項35】
請求項32の記載の消火方法であって、
消火ガスを生成するステップが、固体推進剤組成物を燃焼させることを含んでいる消火方法。
【請求項36】
請求項35の記載の消火方法であって、
前記固体推進剤組成物を燃焼させるステップが、第二の固体組成物を点火することを更に含んでいる消火方法。
【請求項37】
請求項36の記載の消火方法であって、
前記第二の固体組成物を点火するステップが、当該第二の固体組成物からの加熱されたガス及び溶融スラグのうちの少なくとも一方を生成することを含んでいる消火方法。
【請求項38】
請求項32の記載の消火方法であって、
前記流路内へ消火ガスを導入するステップが、前記消火ガスを実質的に音速以上で前記流路内へ導入することを含んでいる消火方法。
【請求項39】
請求項32の記載の消火方法であって、
前記ガス混合物を前記第二の穴を介して排出するステップが、前記ガラス混合物を音速より遅い速度で排出することを含んでいる消火方法。
【請求項40】
請求項32の記載の消火方法であって、
前記大量の周囲空気内に含まれる酸素のレベルを低下させることを含んでいる消火方法。
【請求項41】
請求項40の記載の消火方法であって、
前記大量の周囲空気内に含まれる酸素のレベルを低下さるステップが、鉄、銅、ニッケル、亜鉛及びチタンのうちの少なくとも1つを含んでいる酸素と反応する材料の上に前記大量の周囲空気を流すことを更に含んでいる消火方法。
【請求項42】
請求項41の記載の消火方法であって、
前記酸素と反応する材料を加熱することを更に含んでいる消火方法。
【請求項43】
請求項42の記載の消火方法であって、
前記酸素と反応する材料を加熱するステップが、前記消火ガスを前記流路内へ導入することに関連するノズルに前記酸素と反応する材料を熱的に結合させることを更に含んでいる消火方法。
【請求項44】
請求項32の記載の消火方法であって、
前記消火ガスの速度を、前記流路内へ導入した後で前記ガス混合物を第二の穴を介して排出する前に低下させることを更に含んでいる消火方法。
【請求項45】
請求項44の記載の消火方法であって、
前記消火ガスの速度を低下させるステップが、前記消火ガスを分散器の中へ流すことを更に含んでいる消火方法。
【請求項46】
請求項32の記載の消火方法であって、
前記ガス混合物を調整装置内に流すことを更に含んでいる消火方法。
【請求項47】
請求項46の記載の消火方法であって、
前記ガス混合物を調整装置内に流すステップが、酸素捕獲装置、NO捕集剤、NH 捕集剤、フィルタ及び熱伝達装置のうちの少なくとも1つの中へ前記ガス混合物を流すことを更に含んでいる消火方法。
【請求項48】
請求項32の記載の消火方法であって、
第一の穴及び第二の穴を備えたハウジングを提供するステップが、第一の組の穴及び第二の組の穴を備えたハウジングを提供することを更に含んでいる消火方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−512913(P2007−512913A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−542724(P2006−542724)
【出願日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/040258
【国際公開番号】WO2005/056115
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(598174370)アライアント・テクシステムズ・インコーポレーテッド (19)
【氏名又は名称原語表記】Alliant Techsystems Inc.
【Fターム(参考)】