説明

消臭・マスキング装置及び同装置を備えた生ごみ処理装置

【課題】生ごみ処理装置用の消臭・マスキング装置において、生ごみの発酵・感想処理で発生する不快臭気を含む空気を脱臭触媒構造体による脱臭処理の後に、なおも除去不十分な不快臭気を、効果的に消臭・マスキングして装置外に排出し、ユーザが消臭剤又は芳香剤の交換を容易に行えるようにする。
【解決手段】消臭・マスキング装置1は、消臭液3を保持した貯蔵容器4を備え、生ごみ処理装置2に組み込まれることなく、その設置面上に配置され、臭気を含む温風空気が、貯蔵容器4内の消臭液3の液面上空間を通過することで、温風空気の熱を利用して消臭液3が揮発し、温風空気が消臭・マスキングされ、また、消臭・マスキング後の空気が、貯蔵容器4に接続された排気ダクト5を介して、ユーザの任意の場所に排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生ごみを発酵乾燥処理する際に発生する臭気を消臭・マスキングする消臭・マスキング装置及び同装置を備えた生ごみ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食品リサイクル方の施行により、一定規模以上の食品工場やレストラン等には、生ごみのリサイクルが義務付けられ、これに伴い、廃棄物処理業者や資源回収業者が自ら生ごみ処理機や生ごみ処理プラントを設置する等、食品リサイクルに対する取り組みが活発化している。
【0003】
生ごみのリサイクルには、排出される生ごみを発酵乾燥させて、飼料や堆肥へと変換する生ごみ処理装置が多く用いられる。しかし、生ごみの発酵乾燥の過程においては、アンモニア、トリメチルアミン等の塩基性臭気のほか、二硫化メチル等の硫黄化合物、アセトアルデヒド等のアルデヒド類、酢酸、酪酸等の低級脂肪酸、エタノール等のアルコール類等、多くの臭気が発生する。特に、硫黄化合物、アルデヒド類、低級脂肪酸は、嗅覚閾値が低く、低濃度であっても、人に強い不快感を与えるため、生ごみ処理現場周辺において地域住民等のクレーム発生要因となる。そのため、従来から、これらの臭気を除去するために、例えば、吸着方法、中和方法、酸化触媒燃焼法といった消臭・マスキング方法が提起されている。
【0004】
吸着方法は、一般に、常温において臭気を活性炭やゼオライト等に吸着させるものであるが、生ごみ処理時に発生する臭気は、水分を多く含む場合が多いため、臭気の吸着力が弱い。また、中和方法は、生ごみ処理時に発生する酢酸や酪酸等の酸性物質の臭気に対して、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の塩基性水溶液をスプレー噴射して、中和させることにより消臭するものであるが、反応槽容量が吸着法に比べて大容量となり、また、水溶液を廃棄する際には、排水基準を満たす必要があり、メンテナンスが煩雑で、新たな設備も必要となる。
【0005】
酸化触媒燃焼法は、白金等の貴金属を担体として、消臭剤等を高濃度に保持させたペレット状、タブレット状、ハニカム状等の脱臭構造体を用いて、生ごみ処理時に発生する臭気を高温条件で除去するものである。この酸化触媒燃焼法を用いた生ごみ処理装置には、特許文献1に示されるように、白金ハニカム触媒を脱臭器に用いられた例が知られている。また、特許文献2に示されるように、高温乾燥型の生ごみ処理装置の排気経路に芳香剤を配置した例もある。
【特許文献1】特許公開2000−233169
【特許文献2】特許公開2003−170138
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示される、酸化触媒燃焼法では、生ごみ処理時に発生する臭気を十分に除去することはできない。また、特許文献2に示される例において、生ごみ処理装置内に着脱可能な芳香剤を設けるには、装置のレイアウト上、設置場所が限定され、また、用いられる芳香剤は固形状のものに限られ、交換頻度が多く、ユーザの手間が多くなる。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、生ごみ処理装置において、生ごみ処理時に発生する臭気を、白金等の貴金属を担体とした脱臭触媒構造体による脱臭処理した後に、なおも除去不十分な臭気を、効果的に消臭・マスキングすることができ、かつ、ユーザが消臭剤又は芳香剤を容易に交換することができる消臭・マスキング装置及び同装置を備えた生ごみ処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、生ごみ処理装置に装備され、該装置による生ごみ処理時に発生する臭気を含んだ温風空気を消臭・マスキングする生ごみ処理装置用の消臭・マスキング装置であって、液体状の揮発性消臭剤又は芳香剤を保持した貯蔵容器を備え、この貯蔵容器は、生ごみ処理装置の装置外であって、該装置の底面に配置され、生ごみ処理装置から排出される前記温風空気を、前記貯蔵容器内の前記揮発性消臭剤又は芳香剤の上部空間に通過させ、該上部空間を通過した後の空気を、前記生ごみ処理装置の排気ダクトに導出するようにしたようにしたものである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の消臭・マスキング装置において、前記揮発性消臭剤又は芳香剤が保持された供給用容器と、この供給用容器と前記貯蔵容器とを接続する供給用パイプと、を備え、前記供給用容器に保持された前記揮発性消臭剤又は芳香剤を、ヘッド差又は液送ポンプによって、前記供給用パイプを介して前記貯蔵容器に供給するものである。
【0010】
請求項3の発明は、生ごみ処理装置に装備され、該装置による生ごみ処理時に発生する臭気を含んだ温風空気を消臭・マスキングする生ごみ処理装置用の消臭・マスキング装置であって、液体状の揮発性消臭剤又は芳香剤を保持する保留タンクと、この保留タンクに接続された噴霧用パイプの先端に設けられ、前記温風空気を上向きに排出する排気ダクト内に、前記揮発性消臭剤又は芳香剤液体を噴霧するノズルと、を備え、前記保留タンクに保持された前記揮発性消臭剤又は芳香剤を、液送ポンプ又はエアー圧によって、前記噴霧用パイプを介して前記ノズルへ液送し、該ノズルより、前記排気ダクト内を通過する温風空気に噴霧するものである。
【0011】
請求項4の発明は、生ごみ処理装置において、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の消臭・マスキング装置を備え、生ごみ処理装置による生ごみ処理時に発生する温風空気が下向きに排出される構造を有し、消臭・マスキング装置は、この下向き排出の温風空気を導入するものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、生ごみ処理装置から排出される温風空気が、別段のダクト等を介することなく、消臭・マスキング装置の貯蔵容器内に保持された液体状の揮発性消臭剤又は芳香剤の液面上に、直接的に流入されるので、温風空気の熱を利用して、揮発性消臭液又は芳香液が揮発され、効果的に温風空気に含まれる臭気が消臭・マスキングされる。また、貯蔵容器が、生ごみ処理装置の装置外であって、同装置の底面に配置されているので、消臭剤又は芳香剤は、その状態が、液体状であっても安定して保持される。更に、生ごみ処理装置の設置面上に配置された貯蔵容器には、排気ダクトが接続されているので、ユーザは、生ごみ処理装置の設置条件に応じた排気ダクトを用いることで、消臭・マスキング後の空気を任意の位置に排気することができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、供給用容器に保持された液体状の揮発性消臭剤又は芳香剤が、供給用パイプを介して貯蔵容器に供給されるので、ユーザは消臭剤又は芳香剤を頻繁に取替える手間が少なくなる。
【0014】
請求項3の発明によれば、排気ダクト内に液体状の揮発性消臭剤又は芳香剤が噴霧されるため、温風空気が低温となった場合でも、温風空気に含まれる臭気が十分に消臭・マスキングされ、また、ユーザは消臭剤又は芳香剤を頻繁に取替える手間が少なくなる。
【0015】
請求項4の発明によれば、温風空気の排気方向を下向きにすることにより、装置設置面における貯蔵容器及び排気ダクトの取り付けが容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の第1の実施形態に係る消臭・マスキング装置1及び同装置を備えた生ごみ処理装置2の基本的な構成について、図1(a)、(b)及び図2(a)乃至(c)を参照して説明する。本実施形態に係る消臭・マスキング装置1は、図1(a)に示されるように、生ごみを収容して発酵・乾燥させる生ごみ処理装置2の装置外であって、同装置の底面に配置され、液体状の揮発性消臭剤又は芳香剤を含む液体(以下、消臭液3(図2(c)参照)という)を貯蔵する貯蔵容器4及びこの貯蔵容器4に接続される排気ダクト5からなる。図1(a)の点線矢印で示されるように、生ごみ処理装置2から排出された臭気を含む温風空気は、生ごみ処理装置の底面から排出されて、貯蔵容器4に流入して消臭・マスキングされた後に排気ダクト5を介して排気される。
【0017】
生ごみ処理装置2は、生ごみを収容すると共に発酵乾燥させる処理槽(図示せず)と、生ごみの発酵乾燥の過程で発生する気体内に含まれる臭気を脱臭するため、脱臭触媒構造体(図示せず)と、を備えている。この脱臭触媒構造体は、例えば、白金、パナジウム、金等の貴金属を担体として形成され、その形態は、例えば、粉末状、ペレット状、タブレット状、ハニカム状、シート状等がある。脱臭時の触媒温度は、担体の貴金属の種類や脱臭される対象物によっても異なるが、一般的には、20℃〜850℃に設定される。特に、白金触媒を用いる際の触媒温度は、200℃〜350℃に設定されるのが望ましい。なお、脱臭触媒構造体を通過した空気は、触媒によって加熱されて高温となっているので、この空気が、生ごみ処理槽のジャケット(図示せず)を介して排出されるようにすることによって、生ごみの発酵乾燥処理おける熱源として利用することができる。ここで、処理槽のジャケット出口(図示せず)より排出される温風空気の温度は50℃〜100℃となる。生ごみの発酵・乾燥処理により発生する気体に含まれる臭気は、脱臭触媒構造体を通過する際にある程度は脱臭されるが、なおも臭気を残存した温風空気は、生ごみ処理装置2の底面にある排出口(図示せず)から、下向きに排気される。
【0018】
貯蔵容器4は、図2(a)乃至(c)に示されるように、生ごみ処理装置2から排出される温風空気の流入口41と、消臭液3を保持すると共に、消臭液3の液面上に温風空気を通過させる内部空間42と、排気ダクト5を接続するための排出口43と、を備える。そして、この貯蔵容器4は、生ごみ処理装置2の装置外であって、同装置2の底面に、流入口41が同装置2の設置面の内側に、排出口43が外側になるよう、別段のダクト等を介することなく、生ごみ処理装置2の温風空気排出口21に直接的に設置される(図1(b)参照)。このような配置により、本実施形態に係る消臭・マスキング装置1は、仮に消臭液3が貯蔵容器4から漏れ出しても、生ごみ処理装置2の内部が汚れる虞がなく、消臭液3は安定して保持される。なお、貯蔵容器4は、容器内にパイプを接続させるための接続部44を備えているが、本実施形態に係る消臭・マスキング装置1においては、この接続部44は使用されず、閉栓されている。
【0019】
生ごみ処理装置2から排出された温風空気は、図2(c)の白抜矢印に示されるように、流入口41から直接的に内部空間42へ流入して、消臭液3と接する。そして、温風空気の熱によって消臭液3が揮発して、温風空気に残留する臭気が消臭・マスキングされる。貯蔵容器4は、生ごみ処理装置2に内装させることもできるが、上記構成のごとく、生ごみ処理装置2から温風空気が、貯蔵容器4に、別段のダクト等を介することなく、直接的に流入されると、温風空気の熱が効果的に消臭液3の揮発に利用される。なお、貯蔵容器4自体の形状は、生ごみ処理装置2から排出される温風空気の熱を利用して、消臭液3を揮発させることができれば、図2(a)乃至(c)に例示する形状に限定されるものではない。
【0020】
また、本実施形態に係る消臭・マスキング装置1においては、液体状の揮発性消臭剤又は芳香剤を用いているが、多孔性の無機質又はゲル化可能な有機質の構造体中に含潰して、この固体状の構造体を貯蔵容器4内に充填してもよい。多孔性の無機質には、例えば、ゼオライト、セビオライト、活性炭、シリカゲル、珪藻土等、多様なものがある。一方、ゲル化可能な有機質としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン等がある。
【0021】
消臭・マスキング後の空気は排出口43から排気ダクト5へと送られる。ユーザは、生ごみ処理装置2の設置条件に応じた排気ダクト5を貯蔵容器4に接続することで、消臭・マスキング後の空気を任意の位置に排気することができる。
【0022】
次に、本発明の第2の実施形態に係る消臭・マスキング装置1及び同装置を備えた生ごみ処理装置2の概略構成を図3に示す。本実施形態に係る消臭・マスキング装置1は、前記実施形態に係る消臭・マスキング装置1に加えて、消臭液3を貯蔵容器4に供給する供給手段6を備えたものである。供給手段6は、供給用容器60と、貯蔵容器4と供給用容器60とを接続する供給用パイプ61と、を備える。貯蔵容器4には、供給用パイプ61を接続するための接続部44(図2(a)乃至(b)参照)が設けられており、この接続部44に供給用パイプ61が接続される。供給用容器60には、消臭液3が保持されていて、ヘッド差又は液送ポンプ62により、供給用パイプ61を介して貯蔵容器4に消臭液3が供給される。生ごみ処理装置2から排出される臭気を含む温風空気を消臭・マスキングする過程は、第1の実施形態に係る消臭・マスキング装置と同じである。ただし、本実施形態に係る消臭・マスキング装置1においては、供給用容器60に保持される揮発性消臭剤又は芳香剤は、液体状のものに限られる。
【0023】
貯蔵容器4の大きさは、生ごみ処理装置2の大きさや他の構成部材の配置にも影響するため、大型のものは望ましくない。そのため、貯蔵容器4内において、消臭液3の保持液量はある程度、制限される。そこで、本実施形態に係る消臭・マスキング装置1のように、貯蔵容器4に、供給用パイプ61を介して供給用容器60を装着すれば、前記実施形態に係る消臭・マスキング装置と同様に、生ごみ処理装置2から排出される温風空気の臭気を消臭・マスキングすることができ、かつ、供給用容器60から消臭液3が継続的に貯蔵容器4に供給されて、ユーザは貯蔵容器4内の消臭液3を頻繁に取替える手間が少なくなる。
【0024】
次に、本発明の第3の実施形態に係る消臭・マスキング装置1及び同装置を備えた生ごみ処理装置2の概略構成を図4に示す。本実施形態に係る消臭・マスキング装置1は、生ごみ処理装置2から排出された温風空気を排出するための排気ダクト5と、生ごみ処理装置2の底面から下向きに排出され、貯蔵容器4を介して、排気ダクト5内を上向きに通過する温風空気に対して、消臭液3を噴霧する噴霧手段7と、を備えたものである。噴霧手段7は、消臭液3が保持された保留タンク70と、排気ダクト5内に配置され、消臭液3を噴霧するノズル71と、保留タンク70とノズル71とを接続する噴霧用パイプ72と、を備える。保留タンク70に保持された消臭液3は、液送ポンプ73又はコンプレッサ74による空気圧によって、噴霧用パイプ72を介してノズル71へと液送される。その後、ノズル71から、排気ダクト5内を上向きに通過する温風空気に対して消臭液3が噴霧される。また、消臭液3を保持する保留タンク70から液送ポンプ73による液送と、コンプレッサ74による空気圧によるエアーによる液送と、の二流体をノズル71内で混合して噴霧することもできる。このように、消臭液3を排気ダクト5内を上向きに通過する温風空気に噴霧することにより、温風空気に含まれる臭気を効率的に消臭・マスキングすることができる。
【0025】
生ごみ処理環境や脱臭触媒構造体の触媒温度等により、生ごみ処理装置2から排出される温風空気が低温となって、貯蔵容器4内の消臭液3が十分に揮発せず、温風空気に含まれる臭気の消臭・マスキングが不十分となる場合がある。そのような場合においても、本実施形態に係る消臭・マスキング装置1及び同装置を備えた生ごみ処理装置2においては、臭気を十分に消臭・マスキングすることができる。また、第2の実施形態に係る消臭・マスキング装置1と同様に、ユーザは消臭液3を頻繁に取替える手間が少なくなる。
【0026】
また、生ごみ処理装置2からの臭気を含む温風空気が、下向きに排気される構成とすると、本発明の第1乃至第3の実施形態に係る消臭・マスキング装置1の、いずれの装置も容易に生ごみ処理装置2に配置することができる。
【0027】
上述の貯蔵容器4に保持される消臭液3に用いられる香料としては、例えば、シトラス(レモン、グレープフルーツ、ライム、オレンジ等の柑橘系フルーツの香り)、グリーン(青い木の葉や草、青リンゴ等が持つグリーンな香り)、フルーティー(果実の香り)、フローラル(ローズ、ジャスミン、スズラン、ライラック等の花の香り)、スウィート(甘さのある香り)、パウダリー(粉っぽい香り)、ウッディー(オークモス、ベチバー、白檀などを木の香り)、モッシー(苔の香り)、スパイシー(スパイスの香り)、パリサミック(芳香樹脂の香り)アニマリック(麝香など動物性の香り)等がある。このうち、植物精油を含むもの、例えば、レモン、グレープフルーツ等の柑橘系、白檀等の芳香樹脂は油性であるため、水に分散させるため、界面活性剤や有機溶媒を加え、又はpH安定のために、緩衝剤を配合させて芳香液原料を調製するとよい。配合比、pHは、植物精油の種類、濃度にって異なり、香料メーカのノウハウで調製されていることが多い。揮発性消臭液又は芳香液は、対象臭気の種類、不快度により適宜、香料を水で希釈して使用するとよい。
【0028】
なお、図1乃至図4において、貯蔵容器4は、生ごみ処理装置2の底面であって、その後方に配置されるよう記載されているが、必ずしも生ごみ処理装置の底面後方に配置されるものではなく、消臭・マスキング装置1及び生ごみ処理装置2の設置場所に応じて、生ごみ処理装置2の底面の任意の位置に配置される。
【0029】
また、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、本発明の上記実施形態に係る消臭・マスキング装置は、既設の生ごみ処理装置であっても、その排気方向が下向きであれば、その生ごみ処理装置に設置することができる。また、上記実施形態に係る消臭・マスキング装置は、発酵・乾燥処理方式の生ごみ処理装置に配置されることを想定しているが、他の処理方式の生ごみ処理装置に配置することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】(a)は本発明の第1の実施形態に係る消臭・マスキング装置及び同装置を備えた生ごみ処理装置の外観構成の上方斜視図、(b)は同下方斜視図。
【図2】(a)は消臭・マスキング装置の貯蔵容器の斜視図、(b)は同上面図、(c)は側面断面図。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る消臭・マスキング装置及び同装置を備えた生ごみ処理装置の概略構成を示す図。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る消臭・マスキング装置及び同装置を備えた生ごみ処理装置の概略構成を示す図。
【符号の説明】
【0031】
1 消臭・マスキング装置
2 生ごみ処理装置
3 消臭液
4 貯蔵容器
41 温風空気の流入口
42 内部空間
43 排出口
44 パイプ接続部
5 排気ダクト
6 供給手段
60 供給用容器
61 供給用パイプ
62 ポンプ
7 噴霧手段
70 保留タンク
71 噴霧用パイプ
72 ノズル
73 ポンプ
74 コンプレッサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生ごみ処理装置に装備され、該装置による生ごみ処理時に発生する臭気を含んだ温風空気を消臭・マスキングする生ごみ処理装置用の消臭・マスキング装置であって、
液体状の揮発性消臭剤又は芳香剤を保持した貯蔵容器を備え、
この貯蔵容器は、生ごみ処理装置の装置外であって、該装置の底面に配置され、
生ごみ処理装置から排出される前記温風空気を、前記貯蔵容器内の前記揮発性消臭剤又は芳香剤の上部空間に通過させ、該上部空間を通過した後の空気を、前記生ごみ処理装置の排気ダクトに導出するようにしたことを特徴とする消臭・マスキング装置。
【請求項2】
前記揮発性消臭剤又は芳香剤が保持された供給用容器と、この供給用容器と前記貯蔵容器とを接続する供給用パイプと、を備え、
前記供給用容器に保持された前記揮発性消臭剤又は芳香剤を、ヘッド差又は液送ポンプによって、前記供給用パイプを介して前記貯蔵容器に供給することを特徴とする請求項1に記載の消臭・マスキング装置。
【請求項3】
生ごみ処理装置に装備され、該装置による生ごみ処理時に発生する臭気を含んだ温風空気を消臭・マスキングする生ごみ処理装置用の消臭・マスキング装置であって、
液体状の揮発性消臭剤又は芳香剤を保持する保留タンクと、この保留タンクに接続された噴霧用パイプの先端に設けられ、前記温風空気を上向きに排出する排気ダクト内に、前記揮発性消臭剤又は芳香剤液体を噴霧するノズルと、を備え、
前記保留タンクに保持された前記揮発性消臭剤又は芳香剤を、液送ポンプ又はエアー圧によって、前記噴霧用パイプを介して前記ノズルへ液送し、該ノズルより、前記排気ダクト内を通過する温風空気に噴霧することを特徴とする消臭・マスキング装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の消臭・マスキング装置を備え、生ごみ処理装置による生ごみ処理時に発生する温風空気が下向きに排出される構造を有し、前記消臭・マスキング装置は、この下向き排出の温風空気を導入することを特徴とする生ごみ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−202780(P2007−202780A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−25079(P2006−25079)
【出願日】平成18年2月1日(2006.2.1)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】