説明

消色装置及び消色方法

【課題】電源投入から消色動作開始迄の時間を短縮できる消色装置及び消色方法を提供する。
【解決手段】ヒータを常温から450℃まで加熱する場合約200秒の待ち時間が必要となる。時間約130秒でヒータ温度が300℃となったとき被転写媒体41の搬送速度をヒータ温度450℃のときよりも遅い約10mm/秒に落として消色動作を開始する。10mm/秒の搬送速度でA4判被転写媒体の先頭部が上流側被転写媒体搬送コロ対46に掛かり、被転写媒体後端部が下流側被転写媒体搬送コロ対47より抜ける時間は、コロ間距離Fを500mmとして約35秒である。40秒後に次の被転写媒体41を約13mm/秒で搬送する。このときヒータ温度は約380℃であり当該被転写媒体の通過時間は約27秒である。次の被転写媒体41の搬送以降はヒータ温度が450℃に達しており通常の15mm/秒の搬送が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源投入から消色動作開始迄の時間を短縮できる消色装置及び消色方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境保護の一環として紙資源の節減が叫ばれている。画像形成装置等の紙資源の節減と再利用では、片面印刷した用紙の裏面の有効活用などは既に社会一般になされている。
【0003】
また、使用済み用紙を回収し用紙の原料とし、再生紙として再度用いることも一般に行われている。しかし片面印刷の用紙の再利用では、再使用の回数が通常1回に限られてしまう。
【0004】
また、原料として再利用する際には回収自体にエネルギーとコストがかかり、原料として加工する際にもエネルギーが掛かってしまう。そこで、オフィス内において用紙を複数回使用できるようにする取組みが種々為されている。
【0005】
トナー像により一度画像が形成された用紙を紙資源として再利用するには、トナーにより形成された用紙上の画像を物理的に除去または光で消色して再利用可能な用紙とすることが考えられている。
【0006】
画像を物理的に除去して用紙を再利用するためには、用紙の画像形成面にトナーを除去する処理液を塗布し、加熱してトナーを溶解させて画像を除去する方法や、用紙の画像形成面を研摩してトナー画像を削り落とす方法などがあるが、これらの方法は、手数がかかると共に、再利用する用紙に損傷が発生し易いため問題がある。
【0007】
光を用いる消色方法としては、最初に用紙に画像形成するに際し、近赤外線吸収色素および消色剤を含む消色性トナーにより用紙に画像を記録し、この画像を近赤外線等の特殊な光源による光照射によって消色して用紙の再利用を図るという考えは既に論文で公開されている。(例えば、非特許文献1参照。)
【0008】
この非特許文献1の方法において、近赤外線吸収色素は照射された近赤外線を吸収して励起し、消色剤と反応して無色化する。但し、色材がトナー化されていることもあって、トナー結着剤樹脂中の色素は近赤外線を吸収しても常温においてはほとんど消色反応が見られない。
【0009】
そこで、消色性トナー画像の消色には事前に消色性トナー画像を加熱しておいてから消色光を照射すると消色作用が有効に働くという一般に行われている技術に基づいて、画像形成時に用いる定着装置の熱ローラ対を、消色時の加熱器として兼用し定着装置内において熱ローラ対の下流側に消色光照射用の光源を配置した構成が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平07−049634号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】細田喜一著、「機能性色素のトナーへの応用」電子写真学会誌、第31号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献1に示される従来技術では、加熱ローラにより加熱されたトナー像に消色光が照射されるまでにトナー像の温度が下がって消色効果が薄れるという問題があった。また、加熱ローラー表面とトナー像とが溶融状態,加圧下で接触するために、トナー像の一部が定着ローラー表面に付着して転移し、次の被定着シートにこれが再転移し、被定着シートを汚す、加熱ローラ面にトナー像がオフセットするという問題があった。
【0013】
これらの問題を解決する方法として、用紙に対し、非接触で加熱するようにヒータを配置し、トナー像を加熱し、消色に適した温度の位置に消色光を照射する消色構造が考えられており、一定の効果を得ている。
【0014】
ところで、用紙表面温度が200℃程度の時に消色光を照射するのがトナー画像の消色に効果的であるが、搬送されて移動している用紙の表面温度を、非接触のヒータで200℃程度にするためには、ヒータの温度は更に高い温度に設定されなければならない。
【0015】
例えば、ヒータと用紙間の空気抵抗、用紙内水分の気化熱等を考慮すると、ヒータの位置、用紙の搬送速度等の条件によっても異なるが、用紙を200℃程度まで加熱するにはヒータの温度は、おおよそ300℃から450℃程度に設定する必要がある。
【0016】
そうすると、電源投入からヒータの温度が設定温度に達するまでに時間が掛かり、消色動作開始が遅くなるという解決すべき課題があった。
【0017】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであって、電源投入から消色動作開始迄の時間を短縮できる消色装置及び消色方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するために、本発明の消色装置は、用紙を搬送して消色搬送経路を通過させる搬送手段と、上記消色搬送経路に配置され、上記用紙に印字された消色性トナー像を消色すべく上記消色搬送経路を搬送される上記用紙の上記消色性トナー像の印字面を非接触で加熱するヒータと、上記消色搬送経路に配置され、上記ヒータにより加熱された上記用紙の上記消色性トナー像の上記印字面に消色光を照射する消色光源と、を備え、上記ヒータが設定基準温度よりも低い所定温度に達すると、上記搬送手段は、設定基準速度よりも遅い所定の速度で上記搬送経路における上記用紙の搬送を開始し、上記消色光源は、設定基準輝度よりも低い所定の輝度で上記搬送経路における上記用紙の上記印字面に上記消色光を照射し、上記ヒータが上記設定基準温度に達すると、上記搬送手段は、上記設定基準速度で上記搬送経路における上記用紙の搬送を継続し、上記消色光源は、設定基準輝度で上記搬送経路における上記用紙の上記印字面に上記消色光の照射を継続する、ように構成される。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明の消色方法は、用紙を搬送して消色搬送経路を通過させる搬送手段と、上記消色搬送経路に配置され、上記用紙に印字された消色性トナー像を消色すべく上記消色搬送経路を搬送される上記用紙の上記消色性トナー像の印字面を非接触で加熱するヒータと、上記消色搬送経路に配置され、上記ヒータにより加熱された上記用紙の上記消色性トナー像の上記印字面に消色光を照射する消色光源と、制御部と、を備え、上記制御部は、上記ヒータが設定基準温度よりも低い所定温度に達すると、上記搬送手段に対し、設定基準速度よりも遅い所定の速度で上記搬送経路における上記用紙の搬送を開始させ、上記消色光源に対し、設定基準輝度よりも低い所定の輝度で上記搬送経路における上記用紙の上記印字面に上記消色光を照射させ、上記ヒータが上記設定基準温度に達すると、上記搬送手段に対し、上記設定基準速度で上記搬送経路における上記用紙の搬送を継続させ、上記消色光源に対し、設定基準輝度で上記搬送経路における上記用紙の上記印字面に上記消色光の照射を継続させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、ヒータが設定基準温度に達しなくても消色動作を開始できるので、電源投入から消色動作開始迄の時間を短縮できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例1に係る消色装置とその消色装置を連結したカラー画像形成装置(プリンタ)の内部構成を模式的に示す断面図である。
【図2】実施例1に係る消色装置を連結したプリンタの制御装置を含む回路ブロック図である。
【図3】実施例1に係る消色装置の消色ユニットの搬送機構の一部を構成する用紙両側端搬送装置を示す斜視図である。
【図4】実施例1に係る消色装置の消色ユニットの搬送機構の平面図である。
【図5】(a)は図1に示す消色ユニットの消色光源の構成を主体に示す上面図、(b)は駆動系のみの側面図、(c)は消色ユニット全体の側断面図である。
【図6】実施例1に係る消色装置の消色ユニットの各部の寸法関係を示す図である。
【図7】実施例1に係る消色装置において待ち時間を短縮して消色動作を開始するためのヒータ温度、用紙搬送速度、及び消色光輝度との変化の関係を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下で説明する消色性トナーは、特には詳述しないが、近赤外線吸収色素および消色剤を樹脂に混練し、平均粒径が9μmになるように作成したものである。また、以下の説明では「印字」と「印刷」は同意語として区別なく用いられる。
【実施例1】
【0023】
<消色装置が連結されるプリンタの構成>
図1は、実施例1に係る消色装置とその消色装置を連結したカラー画像形成装置1(以下、単にプリンタという)の内部構成を模式的に示す断面図である。
【0024】
図1に示すプリンタ1は、電子写真式で二次転写方式のタンデム型のカラー画像形成装置であり、画像形成部2、中間転写ベルトユニット3、給紙部4、及び両面印刷用搬送ユニット5で構成されている。
【0025】
上記画像形成部2は、同図の右から左へ4個の画像形成ユニット6(6M、6C、6Y、6K)を多段式に並設した構成を含む。
【0026】
上記4個の画像形成ユニット6(6M、6C、6Y、6K)のうち上流側(図の右側)の3個の画像形成ユニット6M、6C及び6Yは、それぞれ減法混色の三原色であるマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の色トナーによるモノカラー画像を形成し、画像形成ユニット6Kは、主として文字や画像の暗黒部分等に用いられるブラック(K)トナーによるモノクロ画像を形成する。
【0027】
上記の各画像形成ユニット6は、トナー容器(トナーカートリッジ)に収納されたトナーの色を除き全て同じ構成である。したがって、以下ブラック(K)用の画像形成ユニット6Kを例にしてその構成を説明する。
【0028】
画像形成ユニット6は、最下部に感光体ドラム7を備えている。この感光体ドラム7は、その周面が例えば有機光導電性材料で構成されている。この感光体ドラム7の周面を取り巻いて、その周面に接し又は近接して、クリーナ8、帯電ローラ9、光書込ヘッド11、及び現像器12の現像ローラ13が配置されている。
【0029】
現像器12は、上部のトナー容器に同図にはM、C、Y、Kで示すようにマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)のいずれかの現像剤(トナー)を収容し、中間部には下部へのトナー補給機構10を備えている。
【0030】
また現像器12の下部には側面開口部に上述した現像ローラ13を備え、内部には特には図示しないがトナー撹拌部材、現像ローラ13にトナーを供給するトナー供給ローラ、現像ローラ13上のトナー層を一定の層厚に規制するドクターブレード等を備えている。
【0031】
中間転写ベルトユニット3は、本体装置のほぼ中央で図の左右のほぼ端から端まで扁平なループ状になって延在する無端状の中間転写ベルト14と、この中間転写ベルト14を掛け渡されて中間転写ベルト14を図の反時計回り方向に循環移動させるベルト駆動ローラ15と従動ローラ16を備えている。
【0032】
この中間転写ベルトユニット3は、上記扁平なループ状の中間転写ベルト14のループ内に特には図示しないが、ベルト位置制御機構を備えている。ベルト位置制御機構は、中間転写ベルト14を介して感光体ドラム7の下部周面に押圧する導電性発泡スポンジを含む一次転写ローラ18を備えている。
【0033】
ベルト位置制御機構は、マゼンタ(M)、シアン(C)及びイエロー(Y)の3個の画像形成ユニット6M、6C及び6Yに対応する3個の一次転写ローラ18を支持軸を中心に同一周期で回転移動させる。
【0034】
そして、ベルト位置制御機構は、ブラック(K)の画像形成ユニット6Kに対応する1個の一次転写ローラ18を上記3個の一次転写ローラ18の周期と異なる回転移動周期で回転移動させて中間転写ベルト14を感光体ドラム7から離接させる。
【0035】
すなわち、ベルト位置制御機構は、中間転写ベルトユニット3の中間転写ベルト14の位置を、フルカラーモード(4個全部の一次転写ローラ18が中間転写ベルト14に当接)、モノクロモード(画像形成ユニット6Kに対応する一次転写ローラ18のみが中間転写ベルト14に当接)、及び全非転写モード(4個全部の一次転写ローラ18が中間転写ベルト14から離れる)に切換えることができる。
【0036】
上記の中間転写ベルト14はトナー像を直接ベルト面に転写(一次転写)されて、そのトナー像を更に被転写媒体41に転写(二次転写)すべく被転写媒体41への転写位置まで搬送するので、ここではユニット全体を中間転写ベルトユニット3と言っている。被転写媒体41は、紙等の用紙、OHP用紙を含む。
【0037】
給紙部4は、上下2段に配置された2個の給紙カセット21を備え、2個の給紙カセット21の給紙口(図の右方)近傍には、それぞれ被転写媒体取出ローラ22、給送ローラ23、捌きローラ24、待機搬送ローラ対25が配置されている。
【0038】
待機搬送ローラ対25の被転写媒体搬送方向(図の鉛直上方向)には、中間転写ベルト14を介して従動ローラ16に圧接する二次転写ローラ26が配設されて、被転写媒体への二次転写部を形成している。
【0039】
この二次転写部の下流(図では上方)側にはベルト式定着装置27が配置されている。ベルト式定着装置27の更に下流側には、定着後の被転写媒体をベルト式定着装置27から搬出する搬出ローラ対28、及びその搬出される被転写媒体41を装置上面に形成されている排紙トレー29に排紙する排紙ローラ対31が配設されている。
【0040】
両面印刷用搬送ユニット5は、上記搬出ローラ対28と排紙ローラ対31との中間部の搬送路から図の右横方向に分岐した開始返送路32a、それから下方に曲がる中間返送路32b、更に上記とは反対の左横方向に曲がって最終的に返送被転写媒体を反転させる終端返送路32cを備えている。
【0041】
更に、両面印刷用搬送ユニット5は、それらの返送路の途中に配置された4組の返送ローラ対33a、33b、33cを備えている。上記終端返送路32cの出口は、給紙部4の下方の給紙カセット21に対応する待機搬送ローラ対25への搬送路に連絡している。
【0042】
このプリンタ1の下部に連結されている本発明の熱源解除機構付きの消色装置35は、給紙部36、消色ユニット37、及び消色済み被転写媒体給紙部38を備えている。給紙部36は給紙カセット39を備えている。
【0043】
給紙カセット39には、既に紙面に消色性トナー像を形成されている被転写媒体41が複数枚載置されている。給紙カセット39の右下端部の給紙口には、被転写媒体取出ローラ42、給送ローラ43、捌きローラ44を含む給紙部が配置されている。
【0044】
この給紙部により、給紙カセット39から一枚ごとに取り出された被転写媒体41は消色ユニット37に給送される。消色ユニット37には、被転写媒体搬送経路45を中心とする搬送機構が配置されている。
【0045】
被転写媒体搬送経路45の被転写媒体搬送方向の上流側には、被転写媒体41を消色ユニット37に搬入する上流側被転写媒体搬送コロ対46(46a、46b)が配置されている。そして、被転写媒体搬送方向の下流側には消色済みの被転写媒体を搬出する下流側被転写媒体搬送コロ対47(47a、47b)が配置されている。
【0046】
そして、被転写媒体搬送経路45の上下には、ヒータユニット48と光源ユニット49が配設されている。光源ユニット49は、詳しくは後述するが、消色光源50とレンズ51を備えている。
【0047】
この消色ユニット37の被転写媒体排出口には、排出ローラ対52が配設され、その下流に消色済み被転写媒体収容カセット53が着脱自在に配置されている。消色済み被転写媒体収容カセット53には、多枚数の消色済み被転写媒体54が収用される。
【0048】
消色済み被転写媒体収容カセット53の上右端部の給紙口には、被転写媒体取出ローラ55、給送ローラ56、捌きローラ57を含む給紙部が配置され、その下流側には2組の搬送ローラ対58及び59が配設されている。これらのローラ群で消色済み被転写媒体給紙部38が構成されている。
【0049】
上記消色済み被転写媒体給紙部38の終端の搬送ローラ対59の搬送先は、プリンタ1本体装置側の被転写媒体取り込み口61に連絡している。被転写媒体取り込み口61は、両面印刷用搬送ユニット5の終端返送路32cと共に下方の給紙カセット21に対応する待機搬送ローラ対25への搬送路に合流している。
【0050】
消色済み被転写媒体収容カセット53に収容された消色済み被転写媒体54は、プリンタ1本体装置側の被転写媒体取り込み口61に送り込まれ、プリンタ1により、新しい画像の転写工程と定着工程を経て、最上面の排紙トレー29に排出される全体構成となっている。
【0051】
<制御装置の回路構成>
図2は、上記のプリンタ1の制御装置を含む回路ブロック図である。図2に示すように回路ブロックは、CPU(central processing unit)62を中心にして、このCPU62に、それぞれデータバスを介してインターフェイスコントローラ(I/F_CONT)63及びプリンタコントローラ(PR_CONT)64が接続されている。PR_CONT64にはプリンタ印字部65が接続されている。
【0052】
また、CPU62には、ROM(read only memory)66、EEPROM(electrically erasable programmable ROM)67、本体操作部の操作パネル68、及び各部に配置されたセンサからの出力が入力されるセンサ部69が接続されている。
【0053】
ROM66には、システムプログラムが記憶され、CPU62は、このシステムプログラムに従って各部を制御して処理を行う。
【0054】
すなわち、各部において、先ず、I/F_CONT63は、例えばパーソナルコンピュータ等のホスト機器から供給される印字データをビットマップデータに変換し、フレームメモリ71に展開する。
【0055】
フレームメモリ71は、ブラック(K)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)ごとに記憶エリアが設定されており、各色のデータが対応するエリアに展開される。フレームメモリ71に展開されたデータはPR_CONT64に出力され、PR_CONT64からプリンタ印字部65に出力される。
【0056】
プリンタ印字部65は、エンジン部であり、PR_CONT64からの制御の下で、図1に示した感光体ドラム7、一次転写ローラ18等を含む不図示の回転駆動系、帯電ローラ9、光書込ヘッド11等の被駆動部を有する画像形成部、中間転写ユニット3の上下移動や転写ベルト14の回転を駆動する不図示の駆動部を備えている。
【0057】
更に、プリンタ印字部65は、ベルト式定着装置27のベルト駆動を行うベルト駆動部72や、消色ユニット37のヒータユニット48の発熱駆動、光源ユニット49の点灯駆動、被転写媒体搬送コロ対46、被転写媒体両側端搬送装置78の回転駆動等を制御する消色ユニット駆動部73を備えている。
【0058】
更に、プリンタ印字部65は、被転写媒体取出ローラ22〜排紙ローラ対31、消色装置35の消色済み被転写媒体給紙部38の各ローラ等の回転駆動される搬送機構、発熱駆動及び回転駆動されるベルト式定着装置27などのプロセス負荷への駆動出力を制御する。
【0059】
そして、PR_CONT64から出力されたブラック(K)、マゼンダ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の各色のデータは、プリンタ印字部65からそれぞれ対応する図1に示した光書込ヘッド11に供給される。
【0060】
<消色ユニットの被転写媒体搬送機構>
ところで、被転写媒体41に消色性トナー画像が両面印字されている場合、被転写媒体41を通常行われているようにベルト搬送機構によって消色ユニット37内を搬送すると、消色用の熱で溶融した裏側のトナーがベルトに付着する。
【0061】
また、被転写媒体への加熱が高温であるため、被転写媒体に丸まりが発生し、熱輻射ヒータへの接触も懸念される。また、被転写媒体の丸まりにより被転写媒体が下流の搬送コロ対46bに侵入せずに外れてしまう懸念もある。従って、これらのことを考慮した搬送機構が必要とされる。
【0062】
図3は、本例の消色ユニット37の搬送機構の一部を構成する被転写媒体両側端搬送装置を示す斜視図である。尚、同図には上流側被転写媒体搬送コロ対46と下流側被転写媒体搬送コロ対47の図示を省略している。
【0063】
図3に示すように、被転写媒体搬送経路45の両側には、駆動ローラ74と従動ローラ75に掛け渡され、内部中央に押さえローラ76を有する細ベルト77が上下二段に配置された被転写媒体両側端搬送装置78が配置されている。この被転写媒体両側端搬送装置78は、同図に示すように被転写媒体41に対し、被転写媒体41の両側端部を挟持して図の矢印d方向に搬送する。
【0064】
図4は、上記の消色ユニット37の搬送機構の平面図である。図4に示すように、上流側被転写媒体搬送コロ対46及び下流側被転写媒体搬送コロ対47並びに被転写媒体両側端搬送装置78によって搬送される図3に示した被転写媒体41の上下には、それぞれ6本のヒータ接触防止ワイヤ79(79a、79b)が張設されている(図では上方のワイヤを実線、下方のワイヤを破線で示している)。
【0065】
これらのヒータ接触防止ワイヤ79a及び79bは、それぞれワイヤ保持部81(81a、81b)に保持されて、ヒータ接触防止機構82を構成し消色ユニット37内に固定して配置されている。
【0066】
これらのヒータ接触防止ワイヤ79(79a、79b)は、被転写媒体41が後述する熱輻射ヒータに接触するのを防止するとともに、被転写媒体41の丸まりを上下から押さえて、被転写媒体41が被転写媒体両側端搬送装置78から脱落するのを防止している。
【0067】
これらのヒータ接触防止ワイヤ79は、被転写媒体41の搬送方向に対して斜めに張設されていると共に広い間隔で配置されているので、後述する熱輻射ヒータからの消色用輻射加熱とこれも後述するLED(light emitting diode)光源からの消色用照射光を遮ることは全く無いといって良い。
【0068】
<消色ユニットの全体構成>
図5(a)は図1に示す消色ユニット37の消色光源50の構成を主体に示す上面図、図5(b)は駆動系のみの側面図、図5(c)は消色ユニット37全体の側断面図である。なお、図5(a),(b),(c)には図1に示した構成と同一の構成部分には図1と同一の番号を付与して示している。
【0069】
図5(a),(b),(c)に示す消色ユニット37は、上流側被転写媒体搬送コロ対46、下流側被転写媒体搬送コロ対47、複数のLEDを含む消色光源50、リニアフレネルレンズを含むレンズ51、ヒータユニット48の構成となっている。
【0070】
消色ユニット37の駆動系は、図5(a),(b)に示すモータ83を駆動源として備えている。モータ83の軸84にはギヤ85が取付けられている。ギヤ85にはギヤ86が噛合している。ギヤ86は、上流側被転写媒体搬送コロ対46の駆動コロ46aの軸87の一方の端部にプーリ88と共に取り付けられている。
【0071】
モータ83の回転より、ギヤ85及びギヤ86を介して上流側被転写媒体搬送コロ対46の駆動コロ46aが回転する。これと同時に、駆動コロ46aの回転に従動して、従動コロ46bも回転する。
【0072】
プーリ88には、タイミングベルト89の一方の端部が掛け渡されている。タイミングベルト89の他方の端部は、下流側被転写媒体搬送コロ対47の駆動コロ47aの軸91の一方の端部に取り付けられたプーリ92に掛け渡されている。
【0073】
モータ83が回転すると、上述したように上流側被転写媒体搬送コロ対46の駆動コロ46aが回転すると共に、プーリ88、タイミングベルト89、プーリ92を介して下流側被転写媒体搬送コロ対47の駆動コロ47aが回転し、従動コロ47bも従動して回転する。
【0074】
これにより、消色トナー画像を印刷されている再利用のための被転写媒体41は、図5(a),(c)に示す被転写媒体搬送経路45に沿って、図5(a),(b),(c)の左から右方向へ搬送される。
【0075】
また、図5(a),(c)に示す消色ユニット37のヒータユニット48及び光源ユニット49は、被転写媒体両面の画像を同時に消色するため、被転写媒体搬送経路45に対し、上下に面対称に配置されているので、ここでは被転写媒体搬送経路45に対し上方に配設されているヒータユニット48と光源ユニット49について説明する。
【0076】
図5(a),(c)に示す光源ユニット49の消色光源50は高輝度反射型LEDランプ(以下、単にLED50という)を含む。LED50には印加電力900mAのものが用いられる。LED50は、被転写媒体搬送経路45に沿って搬送される被転写媒体41の搬送方向に直角な方向に、被転写媒体41の幅方向全体に消色光93を照射できるよう、複数個(図に示す例では10個)並べて配置されている。
【0077】
レンズ51を構成するリニアフレネルレンズは、LED50の消色光93を被転写媒体41の進行方向に対し平行に集光させ、消色光93の照射効率を高めている。
【0078】
ヒータユニット48は、ヒータカバー94の内側にセラミックヒータを含むヒータ95を固定して備えている。ヒータカバー94の両側には筒状の軸96が設けられている。ヒータユニット48は軸96を中心にして回動可能である。
【0079】
また、ヒータカバー94の一方の側面(図では上方の側面)の軸96には、その内側を、ヒータ95へ電源を供給する給電配線97および熱電対等の配線(不図示)が挿通される構造となっている。
【0080】
更に、ヒータユニット48は、断熱カバー98と、この断熱カバー98の被転写媒体搬送方向に直角な方向に形成された開口部に保持された耐熱ガラス板99を含む断熱ユニット100を備えている。
【0081】
ヒータ95は、被転写媒体搬送経路45に近接し、その搬送経路45に対し一端(図の左方)をより近く他端(図の右方)をより遠く被転写媒体搬送方向に対し斜めの状態で配置される。この配置で、ヒータ95は、被転写媒体搬送経路45を上流から下流に搬送される被転写媒体41の消色性トナー像の印字面を加熱する。
【0082】
ヒータカバー94は、ヒータ95から四方に放射される熱輻射のうち、被転写媒体搬送経路45方向を向く熱輻射面101以外の方向に放射される熱輻射を遮断し且つ反射して、ヒータ95からの熱輻射を無駄なく熱輻射面101方向に集約する。
【0083】
断熱カバー98は、図5(c)では断面図のため定かに示されていないが、ヒータ95の側面から被転写媒体搬送経路45までの側面間隙にかけて、消色部である熱輻射空間102の全周を覆って空気の対流による外気の影響を遮断し、消色部の熱を外部に逃がさないようにしている。
【0084】
更に、断熱カバー98は、光源ユニット49からの消色光93の照射光路に耐熱ガラス板99を保持する保持部材の働きを兼ねている。耐熱ガラス板99の素材としては例えば石英ガラスが好ましい。
【0085】
石英ガラスは、LED50の本例の発光波長である850nmの波長を含む近赤外線の透過率は95%である。また、石英ガラスの耐熱温度は1200℃である。消色装置では如何なる部分でもこのような高温は発生しないので、熱的には十分な耐性がある。
【0086】
このように、ヒータカバー94と断熱カバー98と耐熱ガラス板99とで取り囲まれたヒータ95の熱輻射空間102は外部との対流を遮断され、熱損失の少ない熱効率の良い消色部を形成している。
【0087】
消色性能は、画像の温度と消色光の照度、照射時間が最適な状態の時に確保できるが消色装置の商品化という観点からは、a.消色性能の確保、b.消色処理の高速化、c.省スペース、d.省電力、e.低価格、f.熱による被転写媒体の変色の抑制、g.安全性、などが要求される。
【0088】
また、これらを総合的に満足させる必要がある。このようなことから、本例においては上述の消色装置35の構造における消色ユニット37の各部の寸法関係を厳密に設定している。
【0089】
図6は、消色ユニット37の各部の寸法関係を示す図である。同図に示すヒータ95の寸法Aは65mm、ヒータ95と搬送される被転写媒体41までの距離は最短部Bが約15mm、最長部Cが約40mmである。
【0090】
また、LED50と被転写媒体41との角度Dは約30度である。更に、被転写媒体41のヒータ95に対する最短部位置103からLED50の消色光93の中心部と被転写媒体41とが接する消色光中心部位置104までの距離Eは約35mmである。
【0091】
被転写媒体41の搬送速度を15mm/秒としたとき、被転写媒体41の表面温度が消色光93の照射部位置で200℃にするには、ヒータ温度を約450℃に設定する必要がある。このとき、被転写媒体41の画像には、約3秒程度、消色光93が照射されている。
【0092】
ヒータ(セラミックヒータ)95を常温から450℃まで加熱する場合、約200秒の時間が必要となる。従って消色装置35の電源を入れて、最初の消色動作開始まで、200秒待たなければならない。
【0093】
しかし、ヒータを常温から300℃まで加熱する時間は約130秒であり、ここで、消色動作を開始させることができれば、約70秒の待ち時間の短縮となる。しかし、上記の被転写媒体41の搬送速度15mm/秒では、被転写媒体41の表面温度が200℃に達せず、消色性能を得ることができない。
【0094】
そこで、被転写媒体41の搬送速度を遅くすれば、200秒待たなくても、待ち時間を約70秒短縮しても消色性能を確保することができるはずであり、電源投入から消色動作開始迄の時間を短縮できる消色装置が実現することになる。
【0095】
図7は、待ち時間を約70秒短縮して消色動作を開始するためのヒータ温度、被転写媒体搬送速度、及び消色光輝度との変化の関係を示すタイミングチャートである。同図は横軸に時間を秒で示し、縦軸には上段にヒータ温度(℃)、中段に被転写媒体搬送速度(mm/sec)、下段に消色光輝度(%)を示している。
【0096】
ここで、ヒータを300℃のとき被転写媒体41の搬送速度を約10mm/秒まで落とせば、消色性能を確保することができる。即ち、消色装置35の電源を入れてから、130秒後に被転写媒体搬送速度10mm/秒で消色動作を行う。
【0097】
10mm/秒の搬送速度でA4判被転写媒体の先頭部が上流側被転写媒体搬送コロ対46に掛かり、被転写媒体後端部が下流側被転写媒体搬送コロ対47より抜ける時間は、コロ間距離F(図6参照)を500mmとしたとき、約35秒となる。
【0098】
従って、図7に示すように、40秒後に次の被転写媒体41の消色動作を開始させる。このときのヒータ温度は約380℃となるので、約13mm/秒で被転写媒体搬送を行うようにする。この場合、被転写媒体通過時間は約27秒となり、次の被転写媒体41の搬送以降はヒータ温度が450℃に達しており、通常の15mm/秒の搬送が可能となる。
【0099】
このように、ヒータ温度に合わせたきめ細かな被転写媒体搬送速度の制御により、本例の消色装置25においては、電源投入から消色動作を開始するまでの時間を短縮することが可能となる。
【0100】
また、被転写媒体搬送速度を遅くする制御を行うことができるので、継続的に被転写媒体搬送速度を遅くして、ヒータ温度を下げた運用を行うこともできる。これにより、省電力モードの設定が可能となる。
【0101】
省電力化については、ヒータ温度450℃の場合、約600Wの消費電力が必要となるが、ヒータ温度300℃の場合は、約300Wの消費電力となる。更に、LED50の照射時間は、被転写媒体搬送速度15mm/秒の場合、約3秒であるが、被転写媒体搬送速度10mm/秒では、約5秒程度となる。
【0102】
したがって、この場合、被転写媒体搬送速度15mm/秒でのLED50の光照射の時間を、連続的に行うのではなく、間歇的な照射に切替えて、2秒間に相当する照射を間引く事も可能となる。
【0103】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明は特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
【0104】
被転写媒体の搬送経路に配置されたヒータと、
前記被転写媒体の前記搬送経路に配置され、前記ヒータにより加熱された前記被転写媒体に消色光を照射する消色光源と、
前記ヒータが設定基準温度よりも低い所定温度に達すると、設定基準速度よりも遅い所定の速度で前記被転写媒体を前記搬送経路に搬送を開始する搬送部と、
を備えることを特徴とする消色装置。
[付記2]
【0105】
更に、制御部を備え、
前記制御部は、前記ヒータが設定基準温度よりも低い所定温度に達すると、前記消色光源に対し、設定基準輝度よりも低い所定の輝度で前記搬送経路における前記被転写媒体の前記印字面に前記消色光を照射させ、
前記ヒータが前記設定基準温度に達すると、
前記搬送部に対し、前記設定基準速度で前記搬送経路における前記被転写媒体の搬送を継続させ、
前記消色光源に対し、設定基準輝度で前記搬送経路における前記被転写媒体の前記印字面に前記消色光の照射を継続させることを特徴とする付記1記載の消色装置。
[付記3]
【0106】
前記設定基準速度よりも遅い所定の速度は、第1の低速度と該第1の低速度よりも速い速度の第2の低速度を有し、
前記設定基準温度よりも低い所定の温度は、第1の低温度と該第1の低温度よりも高い温度の第2の低温度を有し、
前記設定基準輝度よりも低い所定の輝度は、第1の低輝度と該第1の低輝度よりも高い輝度の第2の低輝度を有することを特徴とする付記2記載の消色装置。
[付記4]
【0107】
前記第1の低速度は前記設定基準速度の60〜70%であり、前記第1の低温度は前記設定基準温度の60〜70%であり、前記第1の輝度は前記設定基準輝度の60〜70%であることを特徴とする付記2又は3記載の消色装置。
[付記5]
【0108】
前記制御部は、前記消色光源に対し、前記設定基準輝度よりも低い所定の輝度で前記消色光を照射することに代えて、前記設定基準輝度のまま間歇的に前記消色光を照射させることを特徴とする付記2乃至4の何れか一項記載の消色装置。
[付記6]
【0109】
被転写媒体の搬送経路に配置されたヒータと、前記被転写媒体の前記搬送経路に配置され、前記ヒータにより加熱された前記被転写媒体に消色光を照射する消色光源と、を備えた消色ユニットの前記ヒータが、設定基準温度よりも低い所定温度に達すると、設定基準速度よりも遅い所定の速度で前記被転写媒体を前記搬送経路に搬送を開始することを特徴とする消色方法。
[付記7]
【0110】
更に、制御部を備え、前記制御部により、前記ヒータが設定基準温度よりも低い所定温度に達すると、前記消色光源に対し、設定基準輝度よりも低い所定の輝度で前記搬送経路における前記被転写媒体の前記印字面に前記消色光を照射させ、
前記ヒータが前記設定基準温度に達すると、前記搬送部に対し、前記設定基準速度で前記搬送経路における前記被転写媒体の搬送を継続させ、前記消色光源に対し、設定基準輝度で前記搬送経路における前記被転写媒体の前記印字面に前記消色光の照射を継続させることを特徴とする付記6記載の消色方法。
[付記8]
【0111】
前記設定基準速度よりも遅い所定の速度は、第1の低速度と該第1の低速度よりも速い速度の第2の低速度を有し、
前記設定基準温度よりも低い所定の温度は、第1の低温度と該第1の低温度よりも高い温度の第2の低温度を有し、
前記設定基準輝度よりも低い所定の輝度は、第1の低輝度と該第1の低輝度よりも高い輝度の第2の低輝度を有することを特徴とする付記7記載の消色方法。
[付記9]
【0112】
前記第1の低速度は前記設定基準速度の60〜70%であり、前記第1の低温度は前記設定基準温度の60〜70%であり、前記第1の輝度は前記設定基準輝度の60〜70%であることを特徴とする付記7又は8記載の消色方法。
[付記10]
【0113】
前記制御部は、前記消色光源に対し、前記設定基準輝度よりも低い所定の輝度で前記消色光を照射することに代えて、前記設定基準輝度のまま間歇的に前記消色光を照射させることを特徴とする付記7乃至9の何れか一項記載の消色方法。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明は、電源投入から消色動作開始迄の時間を短縮できる消色装置及び消色方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0115】
1 画像形成装置(プリンタ)
2 画像形成部2、
3 中間転写ベルトユニット
4 給紙部
5 両面印刷用搬送ユニット
6(6M、6C、6Y、6K) 画像形成ユニット
7(7m、7c、7y、7k) 感光体ドラム
8 クリーナ
9 帯電ローラ
10 トナー補給機構
11 光書込ヘッド
12 現像器
13 現像ローラ
14 中間転写ベルト
15 駆動ローラ
16 従動ローラ
18 一次転写ローラ
21 給紙カセット
22 被転写媒体取出ローラ
23 給送ローラ
24 捌きローラ
25 待機搬送ローラ対
26 二次転写ローラ
27 ベルト式定着装置
28 搬出ローラ対
29 排紙トレー
31 排紙ローラ対
32a 開始返送路
32b 中間返送路
32c 終端返送路
33a、33b、33c、33d 返送ローラ対
35 消色装置
36 給紙部
37 消色ユニット
38 消色済み被転写媒体給紙部
39 給紙カセット
41 被転写媒体
42 被転写媒体取出ローラ
43 給送ローラ
44 捌きローラ
45 被転写媒体搬送経路
46 上流側被転写媒体搬送コロ対
46a 駆動コロ
46b 従動コロ
47 下流側被転写媒体搬送コロ対
47a 駆動コロ
47b 従動コロ
48 ヒータユニット
49 光源ユニット
50 消色光源(高輝度反射型LEDランプ、LED)
51 レンズ(リニアフレネルレンズ)
52 排出ローラ対
53 消色済み被転写媒体収容カセット
54 消色済み被転写媒体
55 被転写媒体取出ローラ
56 給送ローラ
57 捌きローラ
58、59 搬送ローラ対
61 被転写媒体取り込み口
62 CPU(central processing unit)
63 インターフェイスコントローラ(I/F_CONT)
64 プリンタコントローラ(PR_CONT)
65 プリンタ印字部
66 ROM(read only memory)
67 EEPROM(electrically erasable programmable ROM)
68 操作パネル
69 センサ部
71 フレームメモリ
72 ベルト駆動部
73 消色ユニット駆動部
74 駆動ローラ
75 従動ローラ
76 押さえローラ
77 細ベルト
78 被転写媒体両側端搬送装置
79(79a、79b) ヒータ接触防止ワイヤ
81(81a、81b) ワイヤ保持部
82 ヒータ接触防止機構
83 モータ
84 モータ軸
85、86 ギヤ
87 駆動コロ軸
88 プーリ
89 タイミングベルト
91 駆動コロ軸
92 プーリ
93 消色光
94 ヒータカバー
95 ヒータ(セラミックヒータ)
96 筒状の軸
97 給電配線
98 断熱カバー
99 耐熱ガラス板
100 断熱ユニット
101 熱輻射面
102 熱輻射空間
103 最短部位置
104 消色光中心部位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被転写媒体の搬送経路に配置されたヒータと、
前記被転写媒体の前記搬送経路に配置され、前記ヒータにより加熱された前記被転写媒体に消色光を照射する消色光源と、
前記ヒータが設定基準温度よりも低い所定温度に達すると、設定基準速度よりも遅い所定の速度で前記被転写媒体を前記搬送経路に搬送を開始する搬送部と、
を備えることを特徴とする消色装置。
【請求項2】
更に、制御部を備え、
前記制御部は、前記ヒータが設定基準温度よりも低い所定温度に達すると、前記消色光源に対し、設定基準輝度よりも低い所定の輝度で前記搬送経路における前記被転写媒体の前記印字面に前記消色光を照射させ、
前記ヒータが前記設定基準温度に達すると、
前記搬送部に対し、前記設定基準速度で前記搬送経路における前記被転写媒体の搬送を継続させ、
前記消色光源に対し、設定基準輝度で前記搬送経路における前記被転写媒体の前記印字面に前記消色光の照射を継続させることを特徴とする請求項1記載の消色装置。
【請求項3】
前記設定基準速度よりも遅い所定の速度は、第1の低速度と該第1の低速度よりも速い速度の第2の低速度を有し、
前記設定基準温度よりも低い所定の温度は、第1の低温度と該第1の低温度よりも高い温度の第2の低温度を有し、
前記設定基準輝度よりも低い所定の輝度は、第1の低輝度と該第1の低輝度よりも高い輝度の第2の低輝度を有することを特徴とする請求項2記載の消色装置。
【請求項4】
前記第1の低速度は前記設定基準速度の60〜70%であり、前記第1の低温度は前記設定基準温度の60〜70%であり、前記第1の輝度は前記設定基準輝度の60〜70%であることを特徴とする請求項2又は3記載の消色装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記消色光源に対し、前記設定基準輝度よりも低い所定の輝度で前記消色光を照射することに代えて、前記設定基準輝度のまま間歇的に前記消色光を照射させることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項記載の消色装置。
【請求項6】
被転写媒体の搬送経路に配置されたヒータと、前記被転写媒体の前記搬送経路に配置され、前記ヒータにより加熱された前記被転写媒体に消色光を照射する消色光源と、を備えた消色ユニットの前記ヒータが、設定基準温度よりも低い所定温度に達すると、設定基準速度よりも遅い所定の速度で前記被転写媒体を前記搬送経路に搬送を開始することを特徴とする消色方法。
【請求項7】
更に、制御部を備え、前記制御部により、前記ヒータが設定基準温度よりも低い所定温度に達すると、前記消色光源に対し、設定基準輝度よりも低い所定の輝度で前記搬送経路における前記被転写媒体の前記印字面に前記消色光を照射させ、
前記ヒータが前記設定基準温度に達すると、前記搬送部に対し、前記設定基準速度で前記搬送経路における前記被転写媒体の搬送を継続させ、前記消色光源に対し、設定基準輝度で前記搬送経路における前記被転写媒体の前記印字面に前記消色光の照射を継続させることを特徴とする請求項6記載の消色方法。
【請求項8】
前記設定基準速度よりも遅い所定の速度は、第1の低速度と該第1の低速度よりも速い速度の第2の低速度を有し、
前記設定基準温度よりも低い所定の温度は、第1の低温度と該第1の低温度よりも高い温度の第2の低温度を有し、
前記設定基準輝度よりも低い所定の輝度は、第1の低輝度と該第1の低輝度よりも高い輝度の第2の低輝度を有することを特徴とする請求項7記載の消色方法。
【請求項9】
前記第1の低速度は前記設定基準速度の60〜70%であり、前記第1の低温度は前記設定基準温度の60〜70%であり、前記第1の輝度は前記設定基準輝度の60〜70%であることを特徴とする請求項7又は8記載の消色方法。
【請求項10】
前記制御部は、前記消色光源に対し、前記設定基準輝度よりも低い所定の輝度で前記消色光を照射することに代えて、前記設定基準輝度のまま間歇的に前記消色光を照射させることを特徴とする請求項7乃至9の何れか一項記載の消色方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−76750(P2013−76750A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215234(P2011−215234)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000104124)カシオ電子工業株式会社 (601)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】