説明

消音側溝

【課題】蓋のガタツキ等から発生する騒音の発生を防止する消音側溝を実現する。
【解決手段】 側溝本体の両側壁の内側壁上端部に設けた蓋受け部に蓋を配置する側溝において、前記蓋受け部の内壁面には、上下部が円径の凹部で円弧及び弦の大きさが下部に行くほど大きくなるように形成した縦凹部を左右対称に複数箇所設け、前記蓋の側面は上面幅より下面幅を幅狹にしてテーパー面に形成し、該蓋の側面には縦凹部の円弧径よりやや大きい径とし、円弧及び弦の大きさが下部に行くほど大きくなるように形成し、上部をコンクリートで形成すると共に、下部は可撓性を有する消音部材で形成した縦凸部を複数個垂下設し、前記縦凹部と消音部材とは線接触して拘束力を発生させて蓋のガタツキを防止し、騒音の発生を規制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消音側溝に関し、詳細には両側壁の内側壁上端部に蓋受け部を有する側溝本体と、該蓋受け部に配置される蓋間に拘束力を発生させて蓋のガタツキから発生する騒音の発生を防止する消音側溝、消音側溝における蓋の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の側溝本体の蓋受け部に蓋を落とし込んだ時、側溝本体と蓋のいずれか、あるいは両方に歪があれば蓋にガタつきが生じ、この蓋に荷重例えば歩行者、車両等が載った時にはガタ、ガタと音が生じて騒音を発生している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−152786号公報
【特許文献2】特開平11−152788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の特開平11−152786号公報は、コンクリート蓋の側面に縦溝を設け、その下をテーパー状にした溝下部を設けて、蓋掛け後に砂を入れてサンドクッションによりガタつきを無くした構成とされている。
この構成は、蓋掛け後に砂を入れてサンドクッションによりガタつきを無くしたもので、構造は簡単であるが、消音効果が薄いというという問題点がある。
【0005】
また、従来の特開平11−152788号広報は、本体に嵌め込んだ蓋が下部面接合面の保持を目標とする消音側溝構造であるため、蓋が幅方向の平行移動を抑止するために、蓋中央部に突起を1ヶ所設けて、平面的な左右移動を防止する構成としたものであり、ガタツキの防止にはならない。
【0006】
出願人が実験の結果、側溝本体に蓋を配置した場合の蓋のガタツキの発生原因は、
(1)鉄筋コンクリート製で製造されたU形側溝本体(以下側溝本体という)、及び蓋のねじれ及び誤差、
(2)載荷重時における偏荷重と、許容誤差による蓋の移動(流水方向(縦方向))
(3)載荷重時における偏荷重と、側溝本体と蓋のクリアランスによる蓋の移動(横断方向(横方向))
(4)経年による蓋、表面温度の寒暖による急激な繰返し温度変化により、比較的大きな面積の蓋、あるいは比較的薄い蓋等に発生するコンクリートのクリープ現象による変形
(5)砂、ゴミが側溝本体と蓋の間に堆積する
等が考えられることが解明できた。
【0007】
本発明は、蓋受け部を有する側溝本体と、該蓋受け部に配置される蓋間に拘束力を発生させて蓋のガタツキ等から発生する騒音の発生を防止する消音側溝、消音側溝における蓋の製造方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための手段のうち、本発明の請求項1の消音側溝の構成は、蓋に車や人の載荷重があると、側溝本体と蓋のガタつきにより騒音が発生するので、このガタつきを拘束する手段を用いれば消音効果が期待出来る点に着目している。そして、
側溝本体の左右側壁の内側壁上端部に設けた蓋受け部に蓋を配置する側溝において、
前記蓋受け部の内壁面には、上下部が円径の凹部で円弧及び弦の大きさが下部に行くほど大きくなるように形成した縦凹部を左右対称に複数箇所設け、前記蓋の側面は上面幅より下面幅を幅狹にしてテーパー面に形成し、該蓋の側面には前記縦凹部の円弧径よりやや大きい円弧及び弦とし、円弧及び弦の大きさが下部に行くほど大きくなるように形成し、上部をコンクリートで形成すると共に、下部は可撓性を有する消音部材で形成した縦凸部を複数個垂下設し、前記縦凹部と消音部材とは線接触して拘束力を発生させて蓋のガタツキを防止し、騒音の発生を規制することを特徴としている。
【0009】
上記構成により、側溝本体の縦凹部に蓋の縦凸部を嵌めこむ時、その深さの2/3位入った時、側溝本体の縦凹部と蓋の縦凸部が線接触を発生し、拘束力が発生し始める。側溝本体と蓋に比較的大きな縦凹部と縦凸部を設けて線接触を発生させて縦凸部には拘束力を発生させるため優れた騒音防止が発揮出来る。
【0010】
本発明の請求項2の消音側溝の構成は、
側溝本体の左右側壁の内側壁上端部に設けた蓋受け部に蓋を配置する側溝において、
前記蓋受け部の内壁面には、上下部が円径の凹部で円弧及び弦の大きさが下部に行くほど大きくなるように形成した縦凹部を左右対称に複数箇所設け、前記蓋の側面は上面幅より下面幅を幅狹にしてテーパー面に形成し、該蓋の側面には前記縦凹部の円弧径よりやや大きい円弧及び弦とし、円弧及び弦の大きさが下部に行くほど大きくなるように形成した可撓性を有する、蓋の側面のほぼ1/3から1/4高さの消音部材を、側面の下部に縦方向に複数個取り付け、前記縦凹部と消音部材とは線接触して拘束力を発生させて蓋のガタツキを防止し、騒音の発生を規制することを特徴としている。
【0011】
上記構成により、側溝本体の縦凹部に蓋の消音部材を嵌めこむ時、側溝本体の縦凹部と蓋の消音部材が線接触を発生し、拘束力が発生し始める。側溝本体と蓋に比較的大きな縦凹部と消音部材を設けて線接触を発生させて消音部材には拘束力を発生させるため優れた騒音防止が発揮出来る。
【0012】
本発明の消音側溝の請求3の構成は、請求項2記載の消音側溝において、
消音部材は、蓋の側面の任意高さ位置に配設したことを特徴としている。
【0013】
本発明の請求項4の構成は、請求項1又は2記載の消音側溝において、
消音部材は、表面を縦凹部の円弧径より大きい円弧径に形成した本体と、該本体の背面中央の横部材の上下に、コンクリートを充填する空間部を形成し、該本体の両端部に、成形後切断する切断部を備えた水平な棒体を有する耳部を設けたことを特徴としている。
【0014】
本発明の請求項5の消音側溝の構成は、請求項1又は2記載の消音側溝において、
消音部材は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ゴム、可撓性合成樹脂で制作することを特徴としている。
【0015】
本発明の請求項6の消音側溝用蓋の製造方法は、
蓋型枠の仕切鉄板には、棒体が挿通する孔を設け、該孔から棒体を挿通させて消音部材を蓋型枠の内側に固定した後、該蓋型枠にコンクリートを流し込んで、縦凸部の下部に消音部材の表面を露出させる態様で該消音部材を埋設させ、コンクリート硬化後であって型枠脱型作業時に棒体の切断部を切断して蓋を製造することを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、上記構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
(1)側溝本体に蓋をはめ込む時、縦凸部がその深さの2/3位入った時、側溝本体の縦凹部と蓋の縦凸部が線接触を発生し、拘束力が発生し始める。続いて側溝本体の縦凹部と蓋の縦凸部が線接触を発生させて縦凸部には拘束力を発生し、騒音防止が出来る。
【0017】
(2) 側溝本体の縦凹部に蓋の縦凸部をはめ込み時の力は、縦凹部のコンクリート弾性係数と消音部材の弾性係数にもよるが、計算値で蓋重量の1.5倍程度、実施値でも1.5倍位である。そして、蓋を完全に嵌め込んだ時には、側溝本体の縦凹部と蓋の縦凸部の縦方向(垂直方向)の線接触の影響で拘束力が発生するため、人や車の載荷重があっても全くガタガタ音は発生しない。
【0018】
(3)蓋の引き上げ作業の場合は、蓋自重の1.5倍程度の力が必要である。この時蓋突起部の消音部材には縦方向(垂直方向)の軽い縦線の接触跡が出来るが、消音部材の全く耐久性には問題ない。
【0019】
(4)平面視の蓋と側溝本体の長さ方向、横方向いづれの移動の制御は載荷重が偏った場合は、片側に2箇所以上設けることにより消音効果が大きくなる。
【0020】
(5)側溝本体の蓋受け部及び蓋の側面に縦凹部と縦凸部を形成するものであるため、コンクリート製品のJIS規格等、形状寸法及び性能を大きく変更することはない
【0021】
(6)側溝本体の蓋受け部及び蓋の側面に縦凸部、縦凹部を形成するだけであるので、型枠の改良設備投資が小さくて済、また製造工程も従来の側溝製造とほぼ同じであり、コストアップにならない。
【0022】
(7)本発明によれば、新規側溝工事の時から蓋は適度の線接触を持って嵌着し、蓋をきちっとはめ込みをすることで拘束力が発生する構造である。
本発明の消音側溝上を車両を走行させて計測の結果零に近い数値を記録できた。図11の「騒音測定結果」ように、A(No1),B(No2),C(No3)の各地点に設置した騒音計で測定をした。前記A(No1),B(No2),C(No3)の各地点の騒音計A,B,Cにおける騒音は、かっこ書きの人間や車両が発生する騒音を基準とした場合、この基準値以上の騒音を記録できなかった。これにより、側溝の新規設置の時から騒音が規制できることが実証できた。
【0023】
(8)本発明の請求項2によれば、側溝本体の縦凹部に蓋の消音部材を嵌めこむ時、側溝本体の縦凹部と蓋の消音部材が線接触を発生させて拘束力が発生し始める。従って、側溝本体と蓋に比較的大きな縦凹部と消音部材を設けて線接触を発生させて消音部材には拘束力を発生させるため優れた騒音防止が発揮出来る。
【0024】
(9)本発明の請求項4によれば、消音部材の裏面には横断面U字状に抉った形状の空間部が形成されているため、蓋製造の際に、消音部材とコンクリートの付着が良好になり、棒体により安定状態に配置できる。さらに、消音部材が安価に提供できコストダウンを図ることができる。
【0025】
(10)本発明の請求項5によれば、蓋を完全に嵌め込んだ時には、側溝本体の縦凹部と蓋の縦凸部の縦方向(垂直方向)の線接触の影響で拘束力が発生するため、人や車の載荷重があっても全くガタガタ音は発生しない。さらに、消音部材が安価に提供できコストダウンを図ることができる。
【0026】
(11)本発明の請求項6によれば、型枠に消音部材の棒体を挿通する孔を穿設し、この孔に棒体を挿通させ、本体の円弧面の一部を露出させて該消音部材を埋設して製造されるので、従来蓋の型枠を少し加工すれば容易に蓋が製造できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は本発明の第一実施例における側溝本体と蓋の斜視図である。
【図2】図2の(a)は本発明の第一実施例における蓋の縦凸部の要部拡大斜視図、(b)は蓋と側溝本体の接触状態図である。
【図3】図3は本発明の第一実施例における蓋の縦凸部の側面図である。
【図4】図4の(a)は本発明における第2実施例の蓋の縦凸部の要部拡大斜視図、(b)は蓋と側溝本体の接触状態図、(c)は平面図、(d)は側面図である。
【図5】図5は本発明における第2実施例の蓋の縦凸部の一部拡大側面図である。
【図6】図6は蓋に第1実施例の消音部材取り付け時の斜視図である。
【図7】図7は蓋に第1実施例の消音部材取り付け時の斜視図である。
【図8】図8は本発明の第1実施例の消音部材の斜視図である。
【図9】図9は本発明の第1実施例の消音部材の斜視図である。
【図10】図10は本発明の蓋製造時の平面図である。
【図11】図11は消音側溝の騒音実験の型枠説明図である。
【図12】図12は騒音計の設置説明図である。
【図13】図13は騒音測定結果説明図である。
【図14】図14は、蓋の側面に第2実施例の消音部材を取り付け固定した側面図である。
【図15】図15は、第2実施例の消音部材の表面側からの斜視図である。
【図16】図16は、第2実施例の消音部材の背面側からの斜視図である。
【図17】図17は第2実施例の消音部材を使用した場合の型枠説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、図1〜図17を参照して説明する。
先ず、本発明の消音側溝1は、図1〜2のように、側溝本体1の左右側壁7、7の内側壁上端部に設けた蓋受け部8に蓋2を配置する側溝に関するものである。
【0029】
前記蓋受け部8の内壁面9aには、上下部が円径の凹部で円弧及び弦の大きさが下部に行くほど大きくなるように形成した縦凹部9が左右対称に複数箇所設けられている。
【0030】
また、図1から図3に図示した第1実施例の蓋2の側面3は上面幅より下面幅を幅狹にしてテーパー面に形成し、該蓋2の側面3には前記縦凹部9の円弧径よりやや大きい円弧及び弦とし、円弧及び弦の大きさが下部に行くほど大きくなるように形成し、上部をコンクリート5で形成すると共に、下部は可撓性を有する消音部材6で形成した縦凸部4が複数個垂下設されている。
【0031】
前記縦凹部9と消音部材6は、図2(b)に図示したように、線接触Vして拘束力を発生させて、蓋2のガタツキを防止し、騒音の発生を規制する。
【0032】
すなわち、蓋2の縦凸部4の円弧径の大きさは、側溝本体の縦凹部9の円弧径より大きく、蓋2の縦凸部4と側溝本体の縦凹部9の接触部は線接触となる。
すなわち、イ.蓋2の上面d1<蓋2の下面d2、
ロ.側溝本体の円弧径R=7.5<蓋円弧径R=8.5とした場合は、側溝本体1の縦凹部9と蓋2の縦凸部4のはめ込み後の間隔(隙間)は、上面部で2.8m/m、下面部では0.25m/mと小さいが、嵌め込み前の側溝本体1縦凹部9は2〜5.5 m/m、嵌め込み前の蓋縦凸部4は3〜9 m/mと大きい。
【0033】
側溝本体1に蓋2をはめ込む時、その深さの2/3位入った時、側溝本体1の縦凹部9と蓋2の縦凸部4が線接触を発生し、拘束力が発生し始める。側溝本体1と蓋2に比較的大きな縦凹部9と縦凸部4を設けて線接触Vを発生させ、縦凸部4には拘束力を発生するため騒音防止が出来る。
【0034】
次に、図4、図5に図示したように、第2実施例の蓋2を使用した請求項2に記載の発明は、
側溝本体1の左右側壁7.7の内側壁上端部に設けた蓋受け部9に蓋2を配置する側溝において、
前記蓋受け部8の内壁面9aには、上下部が円径の凹部で円弧及び弦の大きさが下部に行くほど大きくなるように形成した縦凹部9を左右対称に複数箇所設け、前記蓋2の側面3は上面幅より下面幅を幅狹にしてテーパー面に形成し、該蓋2の側面3には前記縦凹部9の円弧径よりやや大きい円弧及び弦とし、円弧及び弦の大きさが下部に行くほど大きくなるように形成した可撓性を有する、蓋2の側面3のほぼ1/3から1/4高さの消音部材6を、側面3の下部に縦方向に複数個取り付け、前記縦凹部9と消音部材6とは線接触して拘束力を発生させて蓋のガタツキを防止し、騒音の発生を規制することを特徴としている。
【0035】
前記消音部材6は、蓋2の側面3の任意高さ位置に配設しても良いものである。
【0036】
消音部材6の第1実施例は、図6〜10のように、表面を縦凹部9の円弧径より大きい円弧径に形成した本体61と、該本体61背面中央の横部材62の上下に、コンクリートを充填する空間部63が形成されている。また、該本体61の両端部には、切断部66を有し、中心軸線に沿って割り溝を設けた棒体64を水平に一体設した耳部65が一体に設けられている。
【0037】
図14は、蓋2の側面3に第2実施例の消音部材6aを取り付け固定した側面図であり、図15は、第2実施例の消音部材6aの表面側からの斜視図、図16は、第2実施例の消音部材6aの背面側からの斜視図である。
前記消音部材6aの裏面には横断面U字状に抉った形状の空間部63が形成され、製造の際に、消音部材6aとコンクリート14の付着が良好になる。さらに、消音部材6aが安価に提供できコストダウンを図ることができる。また、消音部材6aの前面所定位置に中心軸線に沿って割り溝を設けた棒体64を水平に一体設されている。さらに、下部両側には耳部65を設け、本体61上部には円弧状の鍔67が立設されている。
【0038】
前記鍔67は、鋼製型枠との収まりが良くなること、脱型後の蓋2の美観がよくなること等から設けられている。
【0039】
前記消音部材6、6aは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ゴム、その他の可撓性合成樹脂で制作するのがよい。
【0040】
消音側溝用蓋の製造方法は、図10のように、蓋型枠(鋼製型枠)12の仕切鉄板(鋼製型枠)12aには、棒体64が挿通する孔13を設け、該孔13から棒体64を挿通させて消音部材6を蓋型枠12の内側に固定する。
【0041】
その後、該蓋型枠12にコンクリート14を流し込んで、縦凸部4の下部に消音部材6の表面を露出させる態様で該消音部材6を埋設させ、コンクリート硬化後であって型枠脱型作業時に棒体64の切断部66を切断して蓋を製造するものである。
【0042】
また、図17は、第2実施例の消音部材6aを使用した場合であり、本体61の表面の一部及び棒体64は、蓋2の側面3から図14のように露出するように仕切鉄板12に配置されている。
この第2実施例の消音部材6aを使用した場合に、棒体64を本体61の表面に1個設けたのは、型枠の凹部が円弧のため、コンクリート打設時における振動による左右、上下への移動を防止するためである。また、第1実施例の棒体64が2個の場合より型枠への装着が容易にできること、さらに、消音部材6aが安価に提供できコストダウンを図ることができるためである。
【0043】
本発明の消音側溝を使用した場合の騒音発生の実験結果は、図11〜13のように、新規の側溝本体1に蓋2を配置して車両10の一方側タイヤを側溝に載せ、他方側タイヤを側溝1の片側に敷設した鉄板12に載せて20メートルの距離を走行した。
【0044】
その結果、A,B,Cの各地点に設置した騒音計(リオン株式会社 普通騒音計NL−20 レベルレコーダーLR−07)で測定をした結果、A(No1),B(No2),C(No3)の各地点の騒音計A,B,Cにおける騒音はかっこ書きの人間や車両が発生する騒音を基準とした場合、この基準値以上の騒音を記録できなかった。これにより、側溝の新規設置の時から騒音が規制できることが実証できた。なお、測定結果表における「消音蓋」は本発明の蓋2で、「普通蓋」は従来の市販の側溝用蓋である。
【符号の説明】
【0045】
1 側溝本体
2 蓋
3 側面
4 縦凸部
5 コンクリート部
6、6a 消音部材
61 本体
62 横部材
63 空間部
64 棒体
65 耳部
66 切断部
67 鍔
7 側壁
8 蓋受け部
9 縦凹部
10 車両
11 鉄板
12 蓋型枠
13 孔
14 コンクリート
A,B,C 騒音計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
側溝本体の左右側壁の内側壁上端部に設けた蓋受け部に蓋を配置する側溝において、
前記蓋受け部の内壁面には、上下部が円径の凹部で円弧及び弦の大きさが下部に行くほど大きくなるように形成した縦凹部を左右対称に複数箇所設け、前記蓋の側面は上面幅より下面幅を幅狹にしてテーパー面に形成し、該蓋の側面には前記縦凹部の円弧径よりやや大きい円弧及び弦とし、円弧及び弦の大きさが下部に行くほど大きくなるように形成し、上部をコンクリートで形成すると共に、下部は可撓性を有する消音部材で形成した縦凸部を複数個垂下設し、前記縦凹部と消音部材とは線接触して拘束力を発生させて蓋のガタツキを防止し、騒音の発生を規制することを特徴とする消音側溝。
【請求項2】
側溝本体の左右側壁の内側壁上端部に設けた蓋受け部に蓋を配置する側溝において、
前記蓋受け部の内壁面には、上下部が円径の凹部で円弧及び弦の大きさが下部に行くほど大きくなるように形成した縦凹部を左右対称に複数箇所設け、前記蓋の側面は上面幅より下面幅を幅狹にしてテーパー面に形成し、該蓋の側面には前記縦凹部の円弧径よりやや大きい円弧及び弦とし、円弧及び弦の大きさが下部に行くほど大きくなるように形成した可撓性を有する、蓋の側面のほぼ1/3から1/4高さの消音部材を、側面の下部に縦方向に複数個取り付け、前記縦凹部と消音部材とは線接触して拘束力を発生させて蓋のガタツキを防止し、騒音の発生を規制することを特徴とする消音側溝。
【請求項3】
消音部材は、蓋の側面の任意高さ位置に配設したことを特徴とする請求項2記載の消音側溝。
【請求項4】
消音部材は、表面を縦凹部の円弧径より大きい円弧径に形成した本体と、該本体の背面中央の横部材の上下に、コンクリートを充填する空間部を形成し、該本体の両端部に、成形後切断する切断部を備えた水平な棒体を有する耳部を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の消音側溝。
【請求項5】
消音部材は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ゴム、可撓性合成樹脂で制作することを特徴とする請求項1又は2記載の消音側溝。
【請求項6】
蓋型枠の仕切鉄板には、棒体が挿通する孔を設け、該孔から棒体を挿通させて消音部材を蓋型枠の内側に固定した後、該蓋型枠にコンクリートを流し込んで、縦凸部の下部に消音部材の表面を露出させる態様で該消音部材を埋設させ、コンクリート硬化後であって型枠脱型作業時に棒体の切断部を切断して蓋を製造することを特徴とする消音側溝用蓋の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−12920(P2012−12920A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266051(P2010−266051)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(595136483)永井コンクリート工業株式会社 (6)
【Fターム(参考)】