消音用側溝ブロック
【課題】本発明は、蓋板を側溝本体の対向する内面上部に突設した蓋掛かり部に被嵌する場合に、所定位置への被嵌操作が、多くの時間および手間がかからず、迅速かつ確実に行え、また、水平度の確保が容易に行え、ガタツキ音を生ぜず、消音機能を良好に発揮できる。
【解決手段】側溝本体1が、蓋掛かり部2,2の前面に前下がりに対向して設けられた第1斜面部4と、該第1斜面部の上方部に略水平に設けられた左右の平坦部5,5と、該平坦部の外側における垂直な上縁部1a,1aの内側に設けられた鋭角の第2斜面部6,6と、により構成され、蓋板3が、長手方向Iにわたり直線状であり、且つ断面が曲面部7,7を左右両側下縁に形成されるか、または鈍角に屈曲されて第2斜面部に点接触される斜面部を左右両側下縁に形成され、平坦部の上面には長手方向に交差する凹部8,8が左右に設けられ、該凹部には前記蓋板3の左右下面の対応位置に係止突部9,9が係脱可能に設けられている。
【解決手段】側溝本体1が、蓋掛かり部2,2の前面に前下がりに対向して設けられた第1斜面部4と、該第1斜面部の上方部に略水平に設けられた左右の平坦部5,5と、該平坦部の外側における垂直な上縁部1a,1aの内側に設けられた鋭角の第2斜面部6,6と、により構成され、蓋板3が、長手方向Iにわたり直線状であり、且つ断面が曲面部7,7を左右両側下縁に形成されるか、または鈍角に屈曲されて第2斜面部に点接触される斜面部を左右両側下縁に形成され、平坦部の上面には長手方向に交差する凹部8,8が左右に設けられ、該凹部には前記蓋板3の左右下面の対応位置に係止突部9,9が係脱可能に設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は消音用側溝ブロックに関し、側溝本体の対向する内面上部に突設された蓋掛かり部に蓋板を被嵌した際に、蓋板は下面の角が蓋がかり部に点接触して接地されるようにして消音機能が発揮されるようにするものである。
【背景技術】
【0002】
従来、消音側溝ブロックとして、蓋板の両側下辺に凸曲面ないし凸形湾曲面を設けると共に側溝本体の蓋受部に凹曲面ないし凹形湾曲面を設け、蓋板の両側下辺を側溝本体の蓋受部に密着ないし食い込むように支持させて蓋板のがたつきを防止した消音側溝ブロックにおいて、側壁の上辺から下辺に至る外表面を凹凸のない一面の垂直平面に形成し、側溝本体の各側壁の内面の対向位置に水路と平行に延びる突条を対向させて設け、この突条の上面に蓋板を支持する蓋受部を設けると共に、突条の下面を下広がりの傾斜面としたものがあった(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−265535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の上記従来の消音側溝ブロックは、蓋板の両側下辺に凸曲面ないし凸形湾曲面を設けると共に側溝本体の蓋受部に凹曲面ないし凹形湾曲面を設け、蓋板の両側下辺を側溝本体の蓋受部に密着ないし食い込むように支持させる構造なので、蓋板を側溝本体の蓋受部に被嵌させる時に、蓋板と側溝本体の蓋受部との間の隙間に砂、小砂利のような異物が入り込むと、蓋板はこれらの異物と噛み合うことにより、蓋板は側溝本体の蓋受部に円滑に被嵌されず、浮き上がりを生じ、側溝本体に設ける蓋受部の所定位置に蓋受部を被嵌するための被嵌操作には、多くの時間および手間を必要としていた。
【0005】
しかも、特許文献1に記載の上記従来の消音側溝ブロックは、蓋板の両側下辺に凸曲面ないし凸形湾曲面を設けると共に側溝本体の蓋受部に凹曲面ないし凹形湾曲面を設け、蓋板の両側下辺を側溝本体の蓋受部に密着ないし食い込むように支持させる構造なので、蓋板の水平度をはかるのには、容易かつ迅速に行えず、前後または左右に傾いた状態で蓋板は取付けられることになるため、蓋板の上に乗る等して荷重がかかると、ガタツキ音を生ずる。
【0006】
本発明は上記従来の欠点を解決し、蓋板を側溝本体の対向する内面上部に突設した蓋掛かり部に被嵌する場合に、所定位置への被嵌操作が、多くの時間および手間がかからず、迅速かつ確実に行え、また、水平度の確保が容易に行え、しかも、ガタツキ音を生ぜず、消音機能を良好に発揮できる消音用側溝ブロックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題に鑑みなされ、請求項1に記載の発明は、対向する内面上部に突設した蓋掛かり部を有する側溝本体と、該側溝本体の前記蓋掛かり部に嵌脱可能に取付けられる蓋板と、を備えた消音用側溝ブロックにおいて、
前記側溝本体が、前記蓋掛かり部の前面に前下がりに対向して設けられた第1斜面部と、該第1斜面部の上方部に略水平に設けられた左右の平坦部と、該平坦部の外側における垂直な上縁部の内側に設けられた鋭角の第2斜面部と、により構成され、
前記蓋板が、長手方向にわたり直線状であり、且つ断面が曲面部を左右両側下縁に形成されるか、または鈍角に屈曲されて前記第2斜面部に点接触される斜面部を左右両側下縁に形成され、
前記平坦部の上面には長手方向に交差する凹部が左右に設けられ、
該凹部には前記蓋板の左右下面の対応位置に係止突部が係脱可能に設けられている
ことを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記凹部、および前記係止突部が、軸長方向において断面が逆台形に形成されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記凹部の内側面と前記係止突部の外側面との間の間隙が、前記蓋板の左右の側面部と前記側溝本体の上縁部の内側面との間の間隙よりも僅かに幅狭に設けられていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1−3の何れかにおいて、前記側溝本体が、底板を有する有底状に形成されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1−3の何れかにおいて、前記側溝本体が、底が解放された底解放型に形成されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1−5の何れかにおいて、前記側溝本体が、長手方向の中央に天板部を有する有天状に形成され、前記天板部には側溝本体内に設けられる流水溝内に連通する複数個のスリットが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、対向する内面上部に突設した蓋掛かり部を有する側溝本体と、該側溝本体の前記蓋掛かり部に嵌脱可能に取付けられる蓋板と、を備えた消音用側溝ブロックにおいて、前記側溝本体が、前記蓋掛かり部の前面に前下がりに対向して設けられた第1斜面部と、該第1斜面部の上方部に略水平に設けられた左右の平坦部と、該平坦部の外側における垂直な上縁部の内側に設けられた鋭角の第2斜面部と、により構成され、前記蓋板が、長手方向にわたり直線状であり、且つ断面が曲面部を左右両側下縁に形成されるか、または鈍角に屈曲されて前記第2斜面部に点接触される斜面部を左右両側下縁に形成され、前記平坦部の上面には長手方向に交差する凹部が左右に設けられ、該凹部には前記蓋板の左右下面の対応位置に係止突部が係脱可能に設けられているので、蓋板を側溝本体の対向する内面上部に突設した蓋掛かり部に被嵌すると、蓋板は自重により、その左右両側下縁に形成した長手方向にわたり直線状であり、且つ断面が曲面部に形成されるか、または鈍角に屈曲された斜面部の頂点が側溝本体の対向する第2斜面部に長手方向に直線状に点接触して所定位置に案内移動され、蓋板は水平度を保って安定に支持され、しかも、ガタツキ音を生ぜず、消音機能を発揮する。
【0014】
そして、側溝本体の内面上部に対向して突設する蓋掛かり部の上面に有する略水平な平坦部の上面には長手方向に交差する凹部が左右に設けられ、該凹部には前記蓋板の左右下面の対応位置に設けられた係止突部が係脱可能になるので、蓋板が側溝本体の軸長方向および軸長方向に交差する方向に不用意に移動するのが防止される。
【0015】
従って、蓋板を側溝本体の対向する内面上部に突設した蓋掛かり部に被嵌するのに、所定位置への被嵌操作が、多くの時間および手間がかからず、迅速かつ確実に行え、また、水平度の確保が容易に行え、しかも、ガタツキ音を生ぜず、消音機能を良好に発揮できる。
【0016】
また、本発明の請求項2に記載の発明によれば、請求項1において、前記凹部、および前記係止突部が、軸長方向において断面が逆台形に形成されているので、蓋板を側溝本体の対向する内面上部に突設した蓋掛かり部に被嵌するのに、側溝本体の内面上部に対向して突設する蓋掛かり部の上面に有する略水平な平坦部の上面に、蓋板を長手方向へ摺動、案内するという簡単な取扱操作により、側溝本体の内面上部に対向して突設する蓋掛かり部の上面に有する略水平な平坦部の上面に設けた凹部に前記蓋板の左右下面の対応位置に設けられた係止突部を係入し、その左右両側下縁に形成した長手方向にわたり直線状であり、且つ断面が曲面部に形成されるか、または鈍角に屈曲されて鋭角の第2斜面部に直線状に点接触して所定位置に案内移動され、蓋板を側溝本体の対向する内面上部に突設した蓋掛かり部に被嵌するため、所定位置への被嵌操作が、多くの時間および手間がかからず、迅速かつ確実に行うことができる。
【0017】
また、本発明の請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2において、前記凹部の内側面と前記係止突部の外側面との間の間隙が、前記蓋板の左右の側面部と前記側溝本体の上縁部の内側面との間の間隙よりも僅かに幅狭に設けられているので、蓋板に不慮の外力が軸長方向に交差する方向に働いて外れようとすると、間隙が狭い凹部の内側面に係止突部の外側面が、それよりも間隙が僅かに広い蓋板の左右の側面部に側溝本体の上縁部の内側面が接触するよりも速く接触するため、蓋板の表面が蓋掛かり部の内側面に衝突することにより、欠けたり、破損するのが防止される。
【0018】
また、本発明の請求項4に記載の発明によれば、請求項1−3の何れかにおいて、前記側溝本体が、底板を有する有底状に形成されるので、側溝本体内の流水溝内に流れ落ちた雨水は流水溝内を流れる。
【0019】
また、本発明の請求項5に記載の発明によれば、請求項1−3の何れかにおいて、前記側溝本体が、底が解放された底解放型に形成されるので、側溝本体内の流水溝内に流れ落ちた雨水は解放された底を通じて地下に浸透される。
【0020】
また、本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1−5の何れかにおいて、前記側溝本体が、長手方向の中央に天板部を有する有天状に形成され、前記天板部には側溝本体内に設けられる流水溝内に連通する複数個のスリットが設けられているので、雨が降ると、雨水は、側溝本体の、長手方向の中央に形成された有天状の天板部に設けた複数個のスリットを通って側溝本体内に設けられた流水溝内に流れ落ち、流れ下る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は本発明の消音用側溝ブロックの実施形態1を示し、蓋板を開いた状態の分解斜視図である。
【図2】図2は同じく蓋板を閉じた状態の斜視図である。
【図3】図3は同じく蓋板を閉じた状態の断面図である。
【図4】図4は同じく蓋板が幅方向に外力を受けて移動した場合の断面図である。
【図5】図5は同じく蓋板を側溝本体に設けた蓋掛かりに被嵌した状態の長手方向の断面図である。
【図6】図6は同じく本実施形態の側溝本体を示す正面図である。
【図7】図7は同じく側溝本体の平面図である。
【図8】図8は同じく側面図である。
【図9】図9は同じく図7のA−A断面図である。
【図10】図10は本実施形態1の蓋板を示す平面図である。
【図11】図11は同じく側面図である。
【図12】図12は同じく底面図である。
【図13】図13は同じく正面図である。
【図14】図14は同じく蓋板の他の変形例を示す断面図である。
【図15】図15は同じく側溝本体相互を屈折状態に接続する場合の一例を示す平面図である。
【図16】図16は同じく接続を行う側溝本体の端部を切断した状態を示す斜視図である。
【図17】図17は同じく側溝本体相互を曲線状に接続する場合の他例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面に従って本発明の実施の最良の形態により、本発明の詳細を説明する。
【0023】
<本実施形態1>
図1乃至図17において、本実施形態1は、前方および後方の対向する内面上部に突設した蓋掛かり部2,2を有する側溝本体1と、該側溝本体1の前記蓋掛かり部2,2に嵌脱可能に取付けられる蓋板3と、を備えた消音用側溝ブロックにおける点は特許文献1に記載の上記従来の消音側溝ブロックと同様の構成である。
【0024】
しかしながら、本実施形態1の消音側溝ブロックでは、前記側溝本体1が、前記蓋掛かり部2,2の前面に傾斜角度θ1をもって前下がりに対向して設けられた第1斜面部4と、該第1斜面部4の上方部に略水平に設けられた左右の平坦部5,5と、該平坦部5,5の外側における垂直な上縁部1a,1aの内側に設けられた鋭角の第2斜面部6,6と、により構成され、前記蓋板3が、長手方向Iにわたり直線状であり、且つ図1乃至図4に示すように、断面が曲面部7,7を左右両側下縁に形成されるか、または図14に示す変形例のように、鈍角θ3に屈曲されて前記第2斜面部6,6に点接触される斜面部7′,7′が左右両側下縁に形成され、前記平坦部5,5の上面には長手方向Iに交差する凹部8,8が左右に設けられ、該凹部8,8には前記蓋板3の左右下面の対応位置に係止突部9,9が係脱可能に設けられている。なお、図示では、前記凹部8,8が、前記平坦部5,5の長手方向Iの中央に対向して設けられ、係止突部9,9が、蓋板3の対応位置に設けられているが、前記凹部8,8、および前記係止突部9,9の設置位置、および設置個数の変更は、図示するものに限らず自由に行える。
【0025】
前記側溝本体1が、図示する本実施形態1では、コンクリートを用いてプレキャスト法により成形され、底板1bを有する有底状に形成される。また、前記側溝本体1が、長手方向Iの中央に天板部1cを有する有天状に形成され、前記天板部1cには側溝本体1内に設けられる流水溝1d内に連通する複数個のスリット1eが設けられている。このスリット1eの設置個数、幅、長さの増減変更は図に示すものに限らず、自由である。
【0026】
前記凹部8および前記係止突部9が、図5に示すように側溝本体1の軸長方向Iにおいて断面が逆台形に形成されている。
【0027】
そして、図3に示すように前記凹部8,8の内側面8a,8aと前記係止突部9,9の外側面9a,9aとの間の間隙t1が、前記蓋板3の左右の側面部3a,3aと前記側溝本体1の上縁部1a,1aの内側面との間の間隙t2よりも僅かに幅狭に設けられている。このように、凹部8,8の内側面8a,8aと前記係止突部9,9の外側面9a,9aとの間の間隙t1が、前記蓋板3の左右の側面部3a,3aと前記側溝本体1の上縁部1a,1aの内側面との間の間隙t2よりも僅かに幅狭に設けられたのは、蓋板3に軸長方向Iに交差する方向に不慮の外力が働いて外れようとすると、凹部8,8の内側面8a,8aに係止突部9,9の外側面9a,9aとの間の間隙t1が、それより僅かに広い蓋板3の左右の側面部3a,3aと側溝本体1の上縁部1a,1aの内側面との間の間隙t2において、蓋板3の左右の側面部3a,3aが側溝本体1の上縁部1a,1aの内側面に接触するよりも速く接触するため、蓋板3の表面が蓋掛かり部2,2の内側面に衝突する時の衝撃により、欠けたり、破損するのが防止される。
【0028】
10は側溝本体1の側面に流水溝1dに向かって斜めに設けられた所望数個の開口穴であり、この開口穴10は例えば側溝本体1が透水路面に敷設された場合に、透水道路の透水舗装材に浸透される雨水を側溝本体1内の流水溝1d内に流入させるためのものである。
【0029】
本発明の消音用側溝ブロックの実施形態1は以上の構成からなり、側溝本体1が、前記蓋掛かり部2,2の前面に傾斜角度θ1をもって前下がりに対向して設けられた第1斜面部4と、該第1斜面部4の上方部に略水平に設けられた左右の平坦部5,5と、該平坦部5,5の外側における垂直な上縁部1a,1aの内側に設けられた鋭角θ2の第2斜面部6,6と、により構成され、前記蓋板3が、長手方向Iにわたり直線状であり、且つ図1乃至図4に示すように、断面が曲面部7,7を左右両側下縁に形成されるか、または図14に示すように、鈍角θ3に屈曲されて頂点が前記第2斜面部6,6に点接触される斜面部7′,7′を左右両側下縁に形成され、前記平坦部5,5の上面には長手方向Iに交差する凹部8,8が左右に設けられ、該凹部8,8には前記蓋板1の左右下面の対応位置に係止突部9,9が係脱可能に設けられているので、蓋板3を側溝本体1の対向する内面上部に突設した蓋掛かり部2,2に被嵌すると、蓋板3は自重により、その左右両側下縁に形成した長手方向Iにわたり直線状であり、且つ図1乃至図4に示されるように断面が曲面部7,7に形成されるか、または図14に示すように、鈍角θ3に屈曲された斜面部7′,7′の頂点が、側溝本体1の左右対向する第2斜面部6,6に直線状に点接触して所定位置に案内移動され、蓋板3は水平度を保って安定に支持されるから、ガタツキ音を生ぜず、消音機能を発揮する。
【0030】
この時、前記凹部8、および前記係止突部9が、図5に示すように軸長方向Iにおいて断面が逆台形に形成されているので、蓋板3を側溝本体1内に対向して内面上部に突設した蓋掛かり部2,2に被嵌したり、蓋板3を取り外すのに、蓋掛かり部2,2に設けられた略水平な平坦部5,5の上面に、蓋板3を長手方向Iへ摺動、案内するという簡単な取扱操作により、略水平な平坦部5,5の上面に設けた凹部8内に前記蓋板3の左右下面の対応位置に設けられた係止突部9,9を係入したり、脱係することにより、蓋板3を蓋掛かり部2,2に取付けたり、取外すことができる。
【0031】
そして、平坦部5,5の上面に設けた凹部8内に蓋板3の左右下面の対応位置に設けられた係止突部9,9を係入すると、蓋板3は自然に位置決めが行われ、その左右両側下縁に形成した長手方向Iにわたり直線状であり、且つ図1乃至図4に示されるように断面が曲面部7,7に形成されるか、または図14に示すように、鈍角θ3に屈曲された斜面部7′,7′の頂点が、側溝本体1の左右対向する第2斜面部6,6に直線状に点接触して所定位置に案内移動され、蓋板3は水平度を保って安定に支持される。
【0032】
こうして、略水平な平坦部5,5の上面に設けた凹部8内に蓋板3の左右下面の対応位置に設けられた係止突部9,9を係入させて蓋板3を蓋掛かり部2,2に嵌合した後は、蓋板3に不慮の外力が働いても、蓋板3は側溝本体1に設けられた蓋掛かり部2,2に対して水平度を保って安定に支持されるとともに軸長方向Iまたは軸長方向Iに交差する方向へのズレ動きが防止される。
【0033】
この際、前記凹部8,8の内側面8a,8aと前記係止突部9,9の外側面9a,9aとの間の間隙t1が、前記蓋板3の左右の側面部3a,3aと前記側溝本体1の上縁部1a,1aの内側面との間の間隙t2よりも僅かに幅狭に設けられているので、蓋板3に軸長方向Iに交差する方向に不慮の外力が働いて蓋掛かり部2,2から外れようとすると、凹部8,8の内側面8a,8aと、係止突部9,9の外側面9a,9aとの間の間隙t1より僅かに広い蓋板3の左右の側面部3a,3aと側溝本体1の上縁部1a,1aの内側面との間の間隙t2において、蓋板3の左右の側面部3a,3aが側溝本体1の上縁部1a,1aの内側面に接触するよりも速く、凹部8,8の内側面8a,8aに、係止突部9,9の外側面9a,9aが接触するため、蓋板3の表面が蓋掛かり部2,2の内側面に衝突する時の衝撃により、欠けたり、破損するのが防止され、蓋板3の表面を運搬中はもとより、敷設時、および使用時においても綺麗に維持できる。
【0034】
そして、蓋板3はその左右両側下縁に形成した長手方向Iにわたり直線状であり、且つ断面が図1乃至図4に示されるように曲面部7,7に形成されるか、または図14に示されるように鈍角θ3に屈曲されて鋭角θ2の第2斜面部6,6に、頂点が直線状に点接触して所定位置に案内移動され、側溝本体1の対向する内面上部に突設された蓋掛かり部2,2に被嵌し、支持されるので、所定位置への被嵌操作が、多くの時間および手間がかからず、迅速かつ確実に行える。
【0035】
また、側溝本体1の、前記蓋掛かり部2,2に、蓋板3を側溝本体1に敷設する代わりに、図には示さないグレーチングを敷設する場合に、そのグレーチング枠を蓋掛かり部2,2に載置したり、また、図には示さないが埋設型枠の設置に便利である。
【0036】
そして、側溝本体1が、長手方向Iの中央に天板部1cを有する有天状に形成され、前記天板部1cには側溝本体1内に設けられる流水溝1d内に連通する複数個のスリット1eが設けられているので、雨が降ると、雨水は、側溝本体1の、長手方向Iの中央に形成された有天状の天板部1cに設けられた複数個のスリット1eを通って側溝本体1内に設けられた流水溝1d内に流れ落ち、流れ下る。
【0037】
また、例えば側溝本体1が透水路面に敷設された場合に、側溝本体1の側面に流水溝1dに向かって斜めに設けられた所望数個の開口穴10を通じて透水道路の透水舗装材に浸透される雨水は側溝本体1内の流水溝1d内に流入されるが、この開口穴10は必ずしも、側溝本体1の側面に設けられるという訳ではない。
【0038】
それから、前記側溝本体1が、底板1bを有する有底状に形成されるので、側溝本体1内の流水溝1d内に流れ落ちた雨水は流水溝1d内を流れる。
【0039】
また、前記側溝本体1が、底が解放された底解放型に形成されるので、側溝本体1内の流水溝1d内に流れ落ちた雨水は解放された底を通じて地下に浸透される。
【0040】
図15および図16は、本実施形態1の消音用側溝ブロックを直線状に接続するのではなく、コーナー部において側溝本体1,1相互を屈折状態に接続する場合の一例であり、接続すべき側溝本体1,1相互の衝合端の蓋掛かり部2,2、左右の両側壁部、底板1bを平面V字状に切断することにより接続したものを示している。この場合、切断には回転カッタを用いて切断するが、また、接合端相互を接続するのには、セメントモルタル、アスファルト、合成樹脂よりなる接合材を用いて接合する。
【0041】
また、図17は、本実施形態1の消音用側溝ブロックを曲線状に接続する場合に好適であり、接続すべき側溝本体1,1相互の衝合端を切断することなく、型枠K、K、K・・・を接合端に組付けることにより施工現場においてコンクリートを型枠K、Kの内域に打設し、養生、固化することにより、側溝本体1,1相互を接続するものである。
【0042】
なお上記説明では、側溝本体1が、底板1bを有する有底状に形成されたものにつき説明しているが、側溝本体1は上記説明に限ることなく、例えば側溝本体1が、底が解放された底解放型に形成されたものを使用すれば、側溝本体1内の流水溝内に流れ落ちた雨水は解放された底を通じて地下に浸透させることもできる場合も本発明の適用範囲である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、蓋板を側溝本体の対向する内面上部に突設した蓋掛かり部に被嵌する場合に、所定位置への被嵌操作が、多くの時間および手間がかからず、迅速かつ確実に行え、また、水平度の確保が容易に行え、しかも、ガタツキ音を生ぜず、消音機能を良好に発揮できるという用途・機能に適する。
【符号の説明】
【0044】
1 側溝本体
1a 上縁部
1b 底板
1c 天板部
1d 流水溝
1e スリット
2 蓋掛かり部
3 蓋板
4 第1斜面部
5 平坦部
6 第2斜面部
7 曲面部
7′ 斜面部
8 凹部
9 係止突部
t1 間隙
t2 間隙
θ1 傾斜角度
θ2 鋭角
θ3 鈍角
【技術分野】
【0001】
本発明は消音用側溝ブロックに関し、側溝本体の対向する内面上部に突設された蓋掛かり部に蓋板を被嵌した際に、蓋板は下面の角が蓋がかり部に点接触して接地されるようにして消音機能が発揮されるようにするものである。
【背景技術】
【0002】
従来、消音側溝ブロックとして、蓋板の両側下辺に凸曲面ないし凸形湾曲面を設けると共に側溝本体の蓋受部に凹曲面ないし凹形湾曲面を設け、蓋板の両側下辺を側溝本体の蓋受部に密着ないし食い込むように支持させて蓋板のがたつきを防止した消音側溝ブロックにおいて、側壁の上辺から下辺に至る外表面を凹凸のない一面の垂直平面に形成し、側溝本体の各側壁の内面の対向位置に水路と平行に延びる突条を対向させて設け、この突条の上面に蓋板を支持する蓋受部を設けると共に、突条の下面を下広がりの傾斜面としたものがあった(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−265535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の上記従来の消音側溝ブロックは、蓋板の両側下辺に凸曲面ないし凸形湾曲面を設けると共に側溝本体の蓋受部に凹曲面ないし凹形湾曲面を設け、蓋板の両側下辺を側溝本体の蓋受部に密着ないし食い込むように支持させる構造なので、蓋板を側溝本体の蓋受部に被嵌させる時に、蓋板と側溝本体の蓋受部との間の隙間に砂、小砂利のような異物が入り込むと、蓋板はこれらの異物と噛み合うことにより、蓋板は側溝本体の蓋受部に円滑に被嵌されず、浮き上がりを生じ、側溝本体に設ける蓋受部の所定位置に蓋受部を被嵌するための被嵌操作には、多くの時間および手間を必要としていた。
【0005】
しかも、特許文献1に記載の上記従来の消音側溝ブロックは、蓋板の両側下辺に凸曲面ないし凸形湾曲面を設けると共に側溝本体の蓋受部に凹曲面ないし凹形湾曲面を設け、蓋板の両側下辺を側溝本体の蓋受部に密着ないし食い込むように支持させる構造なので、蓋板の水平度をはかるのには、容易かつ迅速に行えず、前後または左右に傾いた状態で蓋板は取付けられることになるため、蓋板の上に乗る等して荷重がかかると、ガタツキ音を生ずる。
【0006】
本発明は上記従来の欠点を解決し、蓋板を側溝本体の対向する内面上部に突設した蓋掛かり部に被嵌する場合に、所定位置への被嵌操作が、多くの時間および手間がかからず、迅速かつ確実に行え、また、水平度の確保が容易に行え、しかも、ガタツキ音を生ぜず、消音機能を良好に発揮できる消音用側溝ブロックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題に鑑みなされ、請求項1に記載の発明は、対向する内面上部に突設した蓋掛かり部を有する側溝本体と、該側溝本体の前記蓋掛かり部に嵌脱可能に取付けられる蓋板と、を備えた消音用側溝ブロックにおいて、
前記側溝本体が、前記蓋掛かり部の前面に前下がりに対向して設けられた第1斜面部と、該第1斜面部の上方部に略水平に設けられた左右の平坦部と、該平坦部の外側における垂直な上縁部の内側に設けられた鋭角の第2斜面部と、により構成され、
前記蓋板が、長手方向にわたり直線状であり、且つ断面が曲面部を左右両側下縁に形成されるか、または鈍角に屈曲されて前記第2斜面部に点接触される斜面部を左右両側下縁に形成され、
前記平坦部の上面には長手方向に交差する凹部が左右に設けられ、
該凹部には前記蓋板の左右下面の対応位置に係止突部が係脱可能に設けられている
ことを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記凹部、および前記係止突部が、軸長方向において断面が逆台形に形成されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記凹部の内側面と前記係止突部の外側面との間の間隙が、前記蓋板の左右の側面部と前記側溝本体の上縁部の内側面との間の間隙よりも僅かに幅狭に設けられていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1−3の何れかにおいて、前記側溝本体が、底板を有する有底状に形成されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1−3の何れかにおいて、前記側溝本体が、底が解放された底解放型に形成されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1−5の何れかにおいて、前記側溝本体が、長手方向の中央に天板部を有する有天状に形成され、前記天板部には側溝本体内に設けられる流水溝内に連通する複数個のスリットが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、対向する内面上部に突設した蓋掛かり部を有する側溝本体と、該側溝本体の前記蓋掛かり部に嵌脱可能に取付けられる蓋板と、を備えた消音用側溝ブロックにおいて、前記側溝本体が、前記蓋掛かり部の前面に前下がりに対向して設けられた第1斜面部と、該第1斜面部の上方部に略水平に設けられた左右の平坦部と、該平坦部の外側における垂直な上縁部の内側に設けられた鋭角の第2斜面部と、により構成され、前記蓋板が、長手方向にわたり直線状であり、且つ断面が曲面部を左右両側下縁に形成されるか、または鈍角に屈曲されて前記第2斜面部に点接触される斜面部を左右両側下縁に形成され、前記平坦部の上面には長手方向に交差する凹部が左右に設けられ、該凹部には前記蓋板の左右下面の対応位置に係止突部が係脱可能に設けられているので、蓋板を側溝本体の対向する内面上部に突設した蓋掛かり部に被嵌すると、蓋板は自重により、その左右両側下縁に形成した長手方向にわたり直線状であり、且つ断面が曲面部に形成されるか、または鈍角に屈曲された斜面部の頂点が側溝本体の対向する第2斜面部に長手方向に直線状に点接触して所定位置に案内移動され、蓋板は水平度を保って安定に支持され、しかも、ガタツキ音を生ぜず、消音機能を発揮する。
【0014】
そして、側溝本体の内面上部に対向して突設する蓋掛かり部の上面に有する略水平な平坦部の上面には長手方向に交差する凹部が左右に設けられ、該凹部には前記蓋板の左右下面の対応位置に設けられた係止突部が係脱可能になるので、蓋板が側溝本体の軸長方向および軸長方向に交差する方向に不用意に移動するのが防止される。
【0015】
従って、蓋板を側溝本体の対向する内面上部に突設した蓋掛かり部に被嵌するのに、所定位置への被嵌操作が、多くの時間および手間がかからず、迅速かつ確実に行え、また、水平度の確保が容易に行え、しかも、ガタツキ音を生ぜず、消音機能を良好に発揮できる。
【0016】
また、本発明の請求項2に記載の発明によれば、請求項1において、前記凹部、および前記係止突部が、軸長方向において断面が逆台形に形成されているので、蓋板を側溝本体の対向する内面上部に突設した蓋掛かり部に被嵌するのに、側溝本体の内面上部に対向して突設する蓋掛かり部の上面に有する略水平な平坦部の上面に、蓋板を長手方向へ摺動、案内するという簡単な取扱操作により、側溝本体の内面上部に対向して突設する蓋掛かり部の上面に有する略水平な平坦部の上面に設けた凹部に前記蓋板の左右下面の対応位置に設けられた係止突部を係入し、その左右両側下縁に形成した長手方向にわたり直線状であり、且つ断面が曲面部に形成されるか、または鈍角に屈曲されて鋭角の第2斜面部に直線状に点接触して所定位置に案内移動され、蓋板を側溝本体の対向する内面上部に突設した蓋掛かり部に被嵌するため、所定位置への被嵌操作が、多くの時間および手間がかからず、迅速かつ確実に行うことができる。
【0017】
また、本発明の請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2において、前記凹部の内側面と前記係止突部の外側面との間の間隙が、前記蓋板の左右の側面部と前記側溝本体の上縁部の内側面との間の間隙よりも僅かに幅狭に設けられているので、蓋板に不慮の外力が軸長方向に交差する方向に働いて外れようとすると、間隙が狭い凹部の内側面に係止突部の外側面が、それよりも間隙が僅かに広い蓋板の左右の側面部に側溝本体の上縁部の内側面が接触するよりも速く接触するため、蓋板の表面が蓋掛かり部の内側面に衝突することにより、欠けたり、破損するのが防止される。
【0018】
また、本発明の請求項4に記載の発明によれば、請求項1−3の何れかにおいて、前記側溝本体が、底板を有する有底状に形成されるので、側溝本体内の流水溝内に流れ落ちた雨水は流水溝内を流れる。
【0019】
また、本発明の請求項5に記載の発明によれば、請求項1−3の何れかにおいて、前記側溝本体が、底が解放された底解放型に形成されるので、側溝本体内の流水溝内に流れ落ちた雨水は解放された底を通じて地下に浸透される。
【0020】
また、本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1−5の何れかにおいて、前記側溝本体が、長手方向の中央に天板部を有する有天状に形成され、前記天板部には側溝本体内に設けられる流水溝内に連通する複数個のスリットが設けられているので、雨が降ると、雨水は、側溝本体の、長手方向の中央に形成された有天状の天板部に設けた複数個のスリットを通って側溝本体内に設けられた流水溝内に流れ落ち、流れ下る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は本発明の消音用側溝ブロックの実施形態1を示し、蓋板を開いた状態の分解斜視図である。
【図2】図2は同じく蓋板を閉じた状態の斜視図である。
【図3】図3は同じく蓋板を閉じた状態の断面図である。
【図4】図4は同じく蓋板が幅方向に外力を受けて移動した場合の断面図である。
【図5】図5は同じく蓋板を側溝本体に設けた蓋掛かりに被嵌した状態の長手方向の断面図である。
【図6】図6は同じく本実施形態の側溝本体を示す正面図である。
【図7】図7は同じく側溝本体の平面図である。
【図8】図8は同じく側面図である。
【図9】図9は同じく図7のA−A断面図である。
【図10】図10は本実施形態1の蓋板を示す平面図である。
【図11】図11は同じく側面図である。
【図12】図12は同じく底面図である。
【図13】図13は同じく正面図である。
【図14】図14は同じく蓋板の他の変形例を示す断面図である。
【図15】図15は同じく側溝本体相互を屈折状態に接続する場合の一例を示す平面図である。
【図16】図16は同じく接続を行う側溝本体の端部を切断した状態を示す斜視図である。
【図17】図17は同じく側溝本体相互を曲線状に接続する場合の他例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面に従って本発明の実施の最良の形態により、本発明の詳細を説明する。
【0023】
<本実施形態1>
図1乃至図17において、本実施形態1は、前方および後方の対向する内面上部に突設した蓋掛かり部2,2を有する側溝本体1と、該側溝本体1の前記蓋掛かり部2,2に嵌脱可能に取付けられる蓋板3と、を備えた消音用側溝ブロックにおける点は特許文献1に記載の上記従来の消音側溝ブロックと同様の構成である。
【0024】
しかしながら、本実施形態1の消音側溝ブロックでは、前記側溝本体1が、前記蓋掛かり部2,2の前面に傾斜角度θ1をもって前下がりに対向して設けられた第1斜面部4と、該第1斜面部4の上方部に略水平に設けられた左右の平坦部5,5と、該平坦部5,5の外側における垂直な上縁部1a,1aの内側に設けられた鋭角の第2斜面部6,6と、により構成され、前記蓋板3が、長手方向Iにわたり直線状であり、且つ図1乃至図4に示すように、断面が曲面部7,7を左右両側下縁に形成されるか、または図14に示す変形例のように、鈍角θ3に屈曲されて前記第2斜面部6,6に点接触される斜面部7′,7′が左右両側下縁に形成され、前記平坦部5,5の上面には長手方向Iに交差する凹部8,8が左右に設けられ、該凹部8,8には前記蓋板3の左右下面の対応位置に係止突部9,9が係脱可能に設けられている。なお、図示では、前記凹部8,8が、前記平坦部5,5の長手方向Iの中央に対向して設けられ、係止突部9,9が、蓋板3の対応位置に設けられているが、前記凹部8,8、および前記係止突部9,9の設置位置、および設置個数の変更は、図示するものに限らず自由に行える。
【0025】
前記側溝本体1が、図示する本実施形態1では、コンクリートを用いてプレキャスト法により成形され、底板1bを有する有底状に形成される。また、前記側溝本体1が、長手方向Iの中央に天板部1cを有する有天状に形成され、前記天板部1cには側溝本体1内に設けられる流水溝1d内に連通する複数個のスリット1eが設けられている。このスリット1eの設置個数、幅、長さの増減変更は図に示すものに限らず、自由である。
【0026】
前記凹部8および前記係止突部9が、図5に示すように側溝本体1の軸長方向Iにおいて断面が逆台形に形成されている。
【0027】
そして、図3に示すように前記凹部8,8の内側面8a,8aと前記係止突部9,9の外側面9a,9aとの間の間隙t1が、前記蓋板3の左右の側面部3a,3aと前記側溝本体1の上縁部1a,1aの内側面との間の間隙t2よりも僅かに幅狭に設けられている。このように、凹部8,8の内側面8a,8aと前記係止突部9,9の外側面9a,9aとの間の間隙t1が、前記蓋板3の左右の側面部3a,3aと前記側溝本体1の上縁部1a,1aの内側面との間の間隙t2よりも僅かに幅狭に設けられたのは、蓋板3に軸長方向Iに交差する方向に不慮の外力が働いて外れようとすると、凹部8,8の内側面8a,8aに係止突部9,9の外側面9a,9aとの間の間隙t1が、それより僅かに広い蓋板3の左右の側面部3a,3aと側溝本体1の上縁部1a,1aの内側面との間の間隙t2において、蓋板3の左右の側面部3a,3aが側溝本体1の上縁部1a,1aの内側面に接触するよりも速く接触するため、蓋板3の表面が蓋掛かり部2,2の内側面に衝突する時の衝撃により、欠けたり、破損するのが防止される。
【0028】
10は側溝本体1の側面に流水溝1dに向かって斜めに設けられた所望数個の開口穴であり、この開口穴10は例えば側溝本体1が透水路面に敷設された場合に、透水道路の透水舗装材に浸透される雨水を側溝本体1内の流水溝1d内に流入させるためのものである。
【0029】
本発明の消音用側溝ブロックの実施形態1は以上の構成からなり、側溝本体1が、前記蓋掛かり部2,2の前面に傾斜角度θ1をもって前下がりに対向して設けられた第1斜面部4と、該第1斜面部4の上方部に略水平に設けられた左右の平坦部5,5と、該平坦部5,5の外側における垂直な上縁部1a,1aの内側に設けられた鋭角θ2の第2斜面部6,6と、により構成され、前記蓋板3が、長手方向Iにわたり直線状であり、且つ図1乃至図4に示すように、断面が曲面部7,7を左右両側下縁に形成されるか、または図14に示すように、鈍角θ3に屈曲されて頂点が前記第2斜面部6,6に点接触される斜面部7′,7′を左右両側下縁に形成され、前記平坦部5,5の上面には長手方向Iに交差する凹部8,8が左右に設けられ、該凹部8,8には前記蓋板1の左右下面の対応位置に係止突部9,9が係脱可能に設けられているので、蓋板3を側溝本体1の対向する内面上部に突設した蓋掛かり部2,2に被嵌すると、蓋板3は自重により、その左右両側下縁に形成した長手方向Iにわたり直線状であり、且つ図1乃至図4に示されるように断面が曲面部7,7に形成されるか、または図14に示すように、鈍角θ3に屈曲された斜面部7′,7′の頂点が、側溝本体1の左右対向する第2斜面部6,6に直線状に点接触して所定位置に案内移動され、蓋板3は水平度を保って安定に支持されるから、ガタツキ音を生ぜず、消音機能を発揮する。
【0030】
この時、前記凹部8、および前記係止突部9が、図5に示すように軸長方向Iにおいて断面が逆台形に形成されているので、蓋板3を側溝本体1内に対向して内面上部に突設した蓋掛かり部2,2に被嵌したり、蓋板3を取り外すのに、蓋掛かり部2,2に設けられた略水平な平坦部5,5の上面に、蓋板3を長手方向Iへ摺動、案内するという簡単な取扱操作により、略水平な平坦部5,5の上面に設けた凹部8内に前記蓋板3の左右下面の対応位置に設けられた係止突部9,9を係入したり、脱係することにより、蓋板3を蓋掛かり部2,2に取付けたり、取外すことができる。
【0031】
そして、平坦部5,5の上面に設けた凹部8内に蓋板3の左右下面の対応位置に設けられた係止突部9,9を係入すると、蓋板3は自然に位置決めが行われ、その左右両側下縁に形成した長手方向Iにわたり直線状であり、且つ図1乃至図4に示されるように断面が曲面部7,7に形成されるか、または図14に示すように、鈍角θ3に屈曲された斜面部7′,7′の頂点が、側溝本体1の左右対向する第2斜面部6,6に直線状に点接触して所定位置に案内移動され、蓋板3は水平度を保って安定に支持される。
【0032】
こうして、略水平な平坦部5,5の上面に設けた凹部8内に蓋板3の左右下面の対応位置に設けられた係止突部9,9を係入させて蓋板3を蓋掛かり部2,2に嵌合した後は、蓋板3に不慮の外力が働いても、蓋板3は側溝本体1に設けられた蓋掛かり部2,2に対して水平度を保って安定に支持されるとともに軸長方向Iまたは軸長方向Iに交差する方向へのズレ動きが防止される。
【0033】
この際、前記凹部8,8の内側面8a,8aと前記係止突部9,9の外側面9a,9aとの間の間隙t1が、前記蓋板3の左右の側面部3a,3aと前記側溝本体1の上縁部1a,1aの内側面との間の間隙t2よりも僅かに幅狭に設けられているので、蓋板3に軸長方向Iに交差する方向に不慮の外力が働いて蓋掛かり部2,2から外れようとすると、凹部8,8の内側面8a,8aと、係止突部9,9の外側面9a,9aとの間の間隙t1より僅かに広い蓋板3の左右の側面部3a,3aと側溝本体1の上縁部1a,1aの内側面との間の間隙t2において、蓋板3の左右の側面部3a,3aが側溝本体1の上縁部1a,1aの内側面に接触するよりも速く、凹部8,8の内側面8a,8aに、係止突部9,9の外側面9a,9aが接触するため、蓋板3の表面が蓋掛かり部2,2の内側面に衝突する時の衝撃により、欠けたり、破損するのが防止され、蓋板3の表面を運搬中はもとより、敷設時、および使用時においても綺麗に維持できる。
【0034】
そして、蓋板3はその左右両側下縁に形成した長手方向Iにわたり直線状であり、且つ断面が図1乃至図4に示されるように曲面部7,7に形成されるか、または図14に示されるように鈍角θ3に屈曲されて鋭角θ2の第2斜面部6,6に、頂点が直線状に点接触して所定位置に案内移動され、側溝本体1の対向する内面上部に突設された蓋掛かり部2,2に被嵌し、支持されるので、所定位置への被嵌操作が、多くの時間および手間がかからず、迅速かつ確実に行える。
【0035】
また、側溝本体1の、前記蓋掛かり部2,2に、蓋板3を側溝本体1に敷設する代わりに、図には示さないグレーチングを敷設する場合に、そのグレーチング枠を蓋掛かり部2,2に載置したり、また、図には示さないが埋設型枠の設置に便利である。
【0036】
そして、側溝本体1が、長手方向Iの中央に天板部1cを有する有天状に形成され、前記天板部1cには側溝本体1内に設けられる流水溝1d内に連通する複数個のスリット1eが設けられているので、雨が降ると、雨水は、側溝本体1の、長手方向Iの中央に形成された有天状の天板部1cに設けられた複数個のスリット1eを通って側溝本体1内に設けられた流水溝1d内に流れ落ち、流れ下る。
【0037】
また、例えば側溝本体1が透水路面に敷設された場合に、側溝本体1の側面に流水溝1dに向かって斜めに設けられた所望数個の開口穴10を通じて透水道路の透水舗装材に浸透される雨水は側溝本体1内の流水溝1d内に流入されるが、この開口穴10は必ずしも、側溝本体1の側面に設けられるという訳ではない。
【0038】
それから、前記側溝本体1が、底板1bを有する有底状に形成されるので、側溝本体1内の流水溝1d内に流れ落ちた雨水は流水溝1d内を流れる。
【0039】
また、前記側溝本体1が、底が解放された底解放型に形成されるので、側溝本体1内の流水溝1d内に流れ落ちた雨水は解放された底を通じて地下に浸透される。
【0040】
図15および図16は、本実施形態1の消音用側溝ブロックを直線状に接続するのではなく、コーナー部において側溝本体1,1相互を屈折状態に接続する場合の一例であり、接続すべき側溝本体1,1相互の衝合端の蓋掛かり部2,2、左右の両側壁部、底板1bを平面V字状に切断することにより接続したものを示している。この場合、切断には回転カッタを用いて切断するが、また、接合端相互を接続するのには、セメントモルタル、アスファルト、合成樹脂よりなる接合材を用いて接合する。
【0041】
また、図17は、本実施形態1の消音用側溝ブロックを曲線状に接続する場合に好適であり、接続すべき側溝本体1,1相互の衝合端を切断することなく、型枠K、K、K・・・を接合端に組付けることにより施工現場においてコンクリートを型枠K、Kの内域に打設し、養生、固化することにより、側溝本体1,1相互を接続するものである。
【0042】
なお上記説明では、側溝本体1が、底板1bを有する有底状に形成されたものにつき説明しているが、側溝本体1は上記説明に限ることなく、例えば側溝本体1が、底が解放された底解放型に形成されたものを使用すれば、側溝本体1内の流水溝内に流れ落ちた雨水は解放された底を通じて地下に浸透させることもできる場合も本発明の適用範囲である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、蓋板を側溝本体の対向する内面上部に突設した蓋掛かり部に被嵌する場合に、所定位置への被嵌操作が、多くの時間および手間がかからず、迅速かつ確実に行え、また、水平度の確保が容易に行え、しかも、ガタツキ音を生ぜず、消音機能を良好に発揮できるという用途・機能に適する。
【符号の説明】
【0044】
1 側溝本体
1a 上縁部
1b 底板
1c 天板部
1d 流水溝
1e スリット
2 蓋掛かり部
3 蓋板
4 第1斜面部
5 平坦部
6 第2斜面部
7 曲面部
7′ 斜面部
8 凹部
9 係止突部
t1 間隙
t2 間隙
θ1 傾斜角度
θ2 鋭角
θ3 鈍角
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する内面上部に突設した蓋掛かり部を有する側溝本体と、該側溝本体の前記蓋掛かり部に嵌脱可能に取付けられる蓋板と、を備えた消音用側溝ブロックにおいて、
前記側溝本体が、前記蓋掛かり部の前面に前下がりに対向して設けられた第1斜面部と、該第1斜面部の上方部に略水平に設けられた左右の平坦部と、該平坦部の外側における垂直な上縁部の内側に設けられた鋭角の第2斜面部と、により構成され、
前記蓋板が、長手方向にわたり直線状であり、且つ断面が曲面部を左右両側下縁に形成されるか、または鈍角に屈曲されて前記第2斜面部に点接触される斜面部を左右両側下縁に形成され、
前記平坦部の上面には長手方向に交差する凹部が左右に設けられ、
該凹部には前記蓋板の左右下面の対応位置に係止突部が係脱可能に設けられている
ことを特徴とする消音用側溝ブロック。
【請求項2】
前記凹部、および前記係止突部が、軸長方向において断面が逆台形に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の消音用側溝ブロック。
【請求項3】
前記凹部の内側面と前記係止突部の外側面との間の間隙が、前記蓋板の左右の側面部と前記側溝本体の上縁部の内側面との間の間隙よりも僅かに幅狭に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の消音用側溝ブロック。
【請求項4】
前記側溝本体が、底板を有する有底状に形成されていることを特徴とする請求項1−3の何れかに記載の消音用側溝ブロック。
【請求項5】
前記側溝本体が、底が解放された底解放型に形成されていることを特徴とする請求項1−3の何れかに記載の消音用側溝ブロック。
【請求項6】
前記側溝本体が、長手方向の中央に天板部を有する有天状に形成され、前記天板部には側溝本体内に設けられる流水溝内に連通する複数個のスリットが設けられていることを特徴とする請求項1−5の何れかに記載の消音用側溝ブロック。
【請求項1】
対向する内面上部に突設した蓋掛かり部を有する側溝本体と、該側溝本体の前記蓋掛かり部に嵌脱可能に取付けられる蓋板と、を備えた消音用側溝ブロックにおいて、
前記側溝本体が、前記蓋掛かり部の前面に前下がりに対向して設けられた第1斜面部と、該第1斜面部の上方部に略水平に設けられた左右の平坦部と、該平坦部の外側における垂直な上縁部の内側に設けられた鋭角の第2斜面部と、により構成され、
前記蓋板が、長手方向にわたり直線状であり、且つ断面が曲面部を左右両側下縁に形成されるか、または鈍角に屈曲されて前記第2斜面部に点接触される斜面部を左右両側下縁に形成され、
前記平坦部の上面には長手方向に交差する凹部が左右に設けられ、
該凹部には前記蓋板の左右下面の対応位置に係止突部が係脱可能に設けられている
ことを特徴とする消音用側溝ブロック。
【請求項2】
前記凹部、および前記係止突部が、軸長方向において断面が逆台形に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の消音用側溝ブロック。
【請求項3】
前記凹部の内側面と前記係止突部の外側面との間の間隙が、前記蓋板の左右の側面部と前記側溝本体の上縁部の内側面との間の間隙よりも僅かに幅狭に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の消音用側溝ブロック。
【請求項4】
前記側溝本体が、底板を有する有底状に形成されていることを特徴とする請求項1−3の何れかに記載の消音用側溝ブロック。
【請求項5】
前記側溝本体が、底が解放された底解放型に形成されていることを特徴とする請求項1−3の何れかに記載の消音用側溝ブロック。
【請求項6】
前記側溝本体が、長手方向の中央に天板部を有する有天状に形成され、前記天板部には側溝本体内に設けられる流水溝内に連通する複数個のスリットが設けられていることを特徴とする請求項1−5の何れかに記載の消音用側溝ブロック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−57211(P2013−57211A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196944(P2011−196944)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(591077678)インフラテック株式会社 (17)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(591077678)インフラテック株式会社 (17)
【Fターム(参考)】
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