説明

液体から細かい被濾過物を除去する装置

液体、特に廃水から細かい被濾過物、特にヘドロを除去する装置は、廃水が内側から外側に貫流する、回転駆動されるシリンダージャケット形状のフィルター格子(6)と、フィルター格子(6)の外に配置された、フィルター格子の内側に分離された被濾過物を剥がすために、外側から内側に散水を噴射するノズル(18)を備えた剥離機器(16)とを有する。フィルター格子(6)は、外側に有る、大きな形状の開口部を持つ金属板から成る支持体(13)と、内側に有る、小さな網目を持つ網目スクリーン(7)とを有し、その際この網目スクリーンは、点又は領域部分で、支持体(13)と連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液体、特に廃水から、細かい被濾過物、特にヘドロを除去するための装置に関し、この装置は、廃水が内側から外側に貫流する、回転駆動されるシリンダージャケット形状のフィルター格子と、フィルター格子の外に配置された、フィルター格子の内側に分離された被濾過物を剥がすために、外側から内側に散水を噴射するノズルを備えた剥離機器とを有する。
【0002】
浄化装置での廃水処理の場合、比較的多くの水を含むヘドロを処理する際に、一方でヘドロ分を増大させ、他方で水分を増大させてしまうことが問題となっている。即ち、ヘドロと液体を出来る限り効果的に互いに分離することが求められている。
【背景技術】
【0003】
最初に述べた種類の装置は、特許文献1により周知である。この装置は、その中心軸を排水溝に斜めに設置するシリンダージャケット形状のフィルター格子を有し、このフィルター格子は、上流側が水圧に関して開いており、下流側が水圧に関してほぼ閉じた形に構成されている。このフィルター格子は、一つのスリット穴を備えており、その穴の内側で分離面を形成する一方、このスリットを通して、液体を流出させて、排水溝に戻している。このシリンダージャケット形状のフィルター格子は、スクリューコンベヤ機器と一緒に、回転駆動される。このスクリューコンベヤ機器は、フィルター格子の領域内に同軸で、位置を固定された形で配置、収容された投入ホッパーから始まっている。このスクリューコンベヤ機器は、筐体とコンベヤスクリューとを有する。フィルター格子の内側に有る掬い取った屑と被濾過物の両方又は一方を外側から剥がすために、この投入ホッパーの上で、フィルター格子の外側には、位置を固定された形で配置された、ブラッシングロール又は散水レールの形状の剥離機器が配備されている。掬い取った屑は、スクリューコンベヤ機器が始まる投入ホッパーに落ちて、このスクリューコンベヤ機器によって、液体の外の投下位置にまで運び上げられる。このシリンダージャケット形状のフィルター格子は、その内側に、螺旋状に配置された誘導板を有し、これらの誘導板は、特に大きな掬い取った屑物を、フィルター格子の回転により上方に移送するとともに、フィルター格子の回転中に落ちて戻るのを防止する役割を持つ。フィルター格子のスリット穴の開口部は、数ミリメートルから約10mmまでの一定の範囲の大きさに構成することができる。より小さい開口部は、経済的に製作可能ではなく、そのため、ヘドロ状の被濾過物を処理するための周知の装置には採用することができない。
【0004】
特許文献2により、異物を含む液体に関する自動的で連続的な浚渫部を持つ回転フィルターが周知である。回転駆動されるシリンダージャケット形状のフィルター格子をフィルタードラム形式で使用している。このフィルタードラムは、二つの円板状の側面を有し、それらの間には、一つのフィルターが引っ張られた状態で保持されている。これら二つの側面は、フレームによって間隔を開けて保持されている。このフィルターは、有利には柔軟な止め輪を用いて、自由に動ける形で円板状の側面上に引っ張られた状態で保持され、そのようにして容易に交換することができる。しかし、このフィルターは、その周囲を、固定用クリップ又はその他の器具を用いて、これらの側面上に固定することもできる。この装置は、その中心軸を水平方向に向けて配置され、被濾過物を軸方向に移送して取り除くための投入ホッパーとスクリューコンベヤ機器とを有する。
【0005】
特許文献3或いは又特許文献4により、フィルター格子用の三つの部分から成る構造が周知である。このフィルター格子は、その内側に細かい形状の網目を持つ網目スクリーンを有し、この網目スクリーンは、大きい形状の開口部を持つ格子上に止められている。外側には、このフィルター格子の第三の部分として、一つのドラムが配備されており、このドラムは、安定性と強度を提供し、相応の数の横方向支柱と周縁部材から構成されている。この網目スクリーンは、焼結処理によって、この格子構造と連結されており、そのため、これら二つの部材間には多数の接続点が設けられている。
【0006】
特許文献5により、液体から固形物を分離する回転フィルターが周知である。この回転フィルターは、八角形の箱型の構造を有し、外側には、この構造によって、フィルターネットを引っ張っている。このフィルターネットは、被濾過物を含む液体が内側から外側に貫流し、そのため、被濾過物は、フィルターネットの内側に堆積する。被濾過物をコンベヤスクリューの投入ホッパーに投げ入れて、そのようにして、被濾過物をフィルタードラムの領域から軸方向に運んで取り除くために、このフィルターネットの外には、圧縮空気で動作する剥離機器が配備されている。
【特許文献1】ドイツ特許公開明細書第3420157C1号
【特許文献2】ドイツ特許公開明細書第2426024号
【特許文献3】米国特許発明明細書第3,747,770号
【特許文献4】米国特許発明明細書第5,399,265号
【特許文献5】ドイツ特許公開明細書第2402871号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明の課題は、最初に述べた種類の装置を、特に液体から取り除くべきヘドロ状の被濾過物を分離するのに適した形態に改良することである。この場合、繊維状の物やその他の小さな形状の被濾過物の分離も、並びに場合によっては断片的な物体、即ち、掬い取る屑を分離することも課題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の課題は、この発明にもとづき、独立した請求項1の特徴によって解決される。
【0009】
この装置の基本的な構成要素は、いずれにせよ、内側から外側に貫流され、回転駆動されるシリンダージャケット形状のフィルター格子である。このフィルター格子は、二つの基本的な部材から構成され、一つは、即ち、大きな形状の開口部を持つ金属板から成る支持体である。従って、この支持体は、多孔板の形状で構成される。この場合、大きな形状の開口部によって、出来る限り大きな自由に貫流可能な面を作るとともに、しかし、他方では、このフィルター格子に所要の強度と安定性を与えることが問題となる。この本来の分離面は、フィルター格子の第二の部分、即ち、フィルター格子又は多孔板の内側に配置された、小さな形状の網目を持つ網目スクリーンによって構成される。そのような網目スクリーンは、限定的な安定性だけを有する。これは、点又は領域で支持体と固く連結される、即ち、支持体上に支持・保持される。内側から外側への当該の貫流方向に対して、網目スクリーンは、多孔板から成る支持体に支持することができ、その際個々の大きな形状の開口部の大きさに対応した網目スクリーンの領域だけが、自由に動ける状態で引っ張られている。こうすることによって、網目スクリーンも、基本的に目標とするシリンダージャケット状の形状を保持することとなる。金属板から成る支持体は、穿孔された大きな形状の開口部を備えることが可能であり、板形状を曲げ加工することによって、シリンダー状に変形される。この金属板から成る支持体を複数の区画、即ち、シリンダーを分割した部分から構成することも可能である。特に、半張り殻構造又は三分割体を三つ繋ぎ合せることが考えられる。
【0010】
網目スクリーンの内側に分離された被濾過物は、動くフィルター格子によって上方に運び上げられて、それにより液体から取り除かれる。液体の外で、フィルター格子の外側には、噴射ノズルを持つ剥離機器が配備されており、この剥離機器によって、網目スクリーンの内側に付着した被濾過物が、金属板から成る支持体の大きな形状の開口部から剥がされる。この被濾過物は、コンベヤ機器によって、フィルター格子の領域から運び出される。
【0011】
この装置は、当該の排水溝に設置することができる。その場合、この装置は、その中心軸を斜めに延ばした形で配置され、排水溝から分離した被濾過物を運び出すために、コンベヤ機器が必要である。しかし、この装置を中心軸を水平にした形に置くことも可能である。その場合、液体用の排出管を備えたタンクを使用する。被濾過物は、フィルター格子上の追加措置によって、軸方向に移送され、そのため、この装置から中心軸方向に出て行く。
【0012】
この支持体の大きな形状の開口部の面積割合は、70%〜90%の範囲内とし、そのため、この多孔板は、そのフレームに関する面積割合が、30%〜10%の範囲内にある。この寸法割合においては、多孔板が、フィルター格子の安定性を提供する一方、網目スクリーンが、それぞれの用途に応じて、その網目幅を適合させた形に構成可能であることが問題である。それにも係らず、長い耐用期間を持つ安定した形状のユニットが、フィルター格子として形成される。この網目スクリーンも、多孔板も、特殊鋼から作ることができる。
【0013】
大きな形状の開口部は、長方形、正方形、丸くした形状を持つことができる。この造形と配置を調整して、この網目スクリーンから、互いに独立して作用する小さい領域を作って、それらの領域で、被濾過物の分離が行われるようにする。こうすることによって、この網目スクリーンが大きく撓むことが防止される。この網目スクリーンの液面下の分離位置と液面上の剥離位置間の領域で起こる屈曲する動きは、有利には小さく保持される。
【0014】
この網目スクリーンは、0.1〜1.0mmの範囲の網目幅を持つことが可能であり、そのようにして、多孔板を変えないでも、様々な用途に柔軟に適合させることが可能となる。
【0015】
この装置を、排水溝内を流れる液体に対して用いる場合、この排水溝内への設置に際し、中心軸を斜めにした形で、フィルター格子を配置する。この場合、この装置は、液体の外の投下位置に運搬するための、動くコンベヤスクリューを持つ移送装置を有する。フィルター格子の領域には、投入ホッパーが配備されており、それには、移送装置が繋がっており、そのため、この移送装置は、そのコンベヤスクリューにより、分離した被濾過物を拾い上げて、更に水分を取り除き、斜め上方に排水溝から運び出す。
【0016】
フィルター格子の内周面には、細かい被濾過物を運び上げるための掬い取り部材を配置することができる。これらの掬い取り部材は、桶又は入れ物状の形状を有する。運び上げている間に、液体が流出することができるようにしており、そのようにして掬い取り部材内でのヘドロの濃縮を実現するために、これらの部材には、部分的に穴を開けている。
【0017】
しかし、この装置を、排水溝の外、例えば、タンク内で動作させることも可能である。その場合、フィルター格子は、タンク内で水平に置かれた姿勢を取る。この場合も、コンベヤスクリューと投入ホッパーを持つ移送装置を使用することができる。別の可能性は、フィルター格子の網目スクリーンの内周面に誘導又は移送スクリューを配備して、その結果、分離された被濾過物を、フィルター格子によって、中心軸方向に移送して、その入口とは反対の終端に運び出すことである。
【0018】
移送装置及びコンベヤスクリューを後続した投入ホッパーを使用する場合、この投入ホッパーの底部を、スリットを持つ形に構成して、この領域においても液体の流出を可能とするとともに、投入ホッパー内で細かい被濾過物の濃縮を実現するようにする。
【0019】
網目スクリーンと支持体間の固い結合を点溶接により行うのが、この発明の目的に適ったことである。それによって、網目スクリーンは、支持体と移動不可能な形で結合され、フィルター格子の一つの固定されたユニットが出来上がる。多孔板の大きな形状の開口部も、網目スクリーンの小さな形状の開口部も、それぞれの用途に合わせて調整される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下において、この発明について、図面に描いた有利な実施例にもとづき、更に説明、記述する。
【0021】
図1は、排水溝1の一部を図示しており、その中では、被濾過物で汚染された液体2が、水位3までで、矢印4の方向に流れている。この装置は、その中心軸5を排水溝1内に傾斜させた形で設置されており、その際この設置角は、有利には約35°とすることができる。この装置は、シリンダージャケット形状のフィルター格子6を有し、このフィルター格子の基本的な構成要素は、網目スクリーン7であり、この網目スクリーンは、網目組織として構成することができる。このフィルター格子6は、上流側には、開いた正面部8を有し、この正面部を通して、被濾過物を含む、汚染された液体が、フィルター格子6の内部空間内に流入する。下流側には、相応に密閉され、そのため水圧に関して閉じた正面部9が配備されている。この正面部9の領域において、フィルター格子6が、回転可能な形で支承されており、その対向して静止している部分は、密閉されている。このフィルター格子6は、その中心軸5の周りを回転する形で駆動される。この駆動は、特に不連続的に行われ、そのため、停止時間と回転時間が交番する。駆動部10としては、場合によっては変速機12を備えたモーター11が用いられる。
【0022】
このフィルター格子6は、網目スクリーン7以外に、構造を形成する支持部材として、支持体13を有する。この支持体13は、簡単な方法で安価に製造可能な多孔板である。この支持体13は、その内側に網目スクリーン7を収容する。支持体13と網目スクリーン7は、両方とも特殊鋼から作ることができる。これらは、両方ともそれぞれの用途に最適に適合させることができる。支持体13は、小さいフレーム部分を持つ大きな形状の開口部を有する。網目スクリーン7は、特に正方形の網目スクリーンとして構成され、小さな形状の開口部を有する。支持体13は、フィルター格子6の構造を持続的にシリンダージャケット形状に固定するとともに、相応の力を受け止める役割を持つ。網目スクリーン7は、そのシリンダージャケットの内面上で分離面14を形成する。この分離面14は、誘導板15によって補完され、これらの誘導板は、この装置の中心軸5又はシリンダージャケット形状のフィルター格子6のジャケットラインに対して並行に配置することができる。これらの誘導板15は、閉じた形で分離面14と繋がっており、間仕切壁39によって区分されており、少なくとも一端は、終端壁40によって終止されている。このように構成した移送桶は、フィルター格子6とともに回転し、そのため回転によって、水位3の下から水位3から上方に動いて、被濾過物を運び上げる役割を果たす桶状の入れ物又はバケット部材を構成する。
【0023】
水位3の上で、かつフィルター格子6の上には、剥離機器16が配備されており、この剥離機器は、ノズル18を持つ噴射レール17を有する。この剥離機器16を用いて、外側から、支持体13の開口部を通して、及び網目スクリーン7の開口部を通して、散水が噴射され、その結果網目スクリーン7の内周上に分離された被濾過物が、剥がされて、重力の効果のために、或いは又噴射した水の力によって、この装置の中心軸5に対して平行で、有利には同心の形で、フィルター格子6の領域に位置を固定して支承された投入ホッパー19に入る。この剥離機器16は、散水と圧縮空気の両方又は一方を用いて動作する形態に構成することができる。投入ホッパー19は、フィルター格子6の開いた正面部8に沿って上方に延びるホッパー壁20と側壁21とを有する。投入ホッパー19の底部領域は、開口部22を備えており、これらの開口部は、直径が2mmまでの穴形状に構成することができる。
【0024】
この装置全体の、そのため又フィルター格子6の中心軸5に対して同軸の形で、スクリューコンベヤ機器23が配備されており、この機器は、基本的な構成要素として、筐体24とその中に収容されたコンベヤスクリュー25とを有する。このコンベヤスクリュー25を支える通しシャフト26は、モーター11又は変速機12から筐体24全体に渡って延びており、筐体24に対向して同軸の形でフィルター格子6の領域内にまで達している。この領域では、コンベヤスクリュー25は、投入ホッパー18と協力して動作する。この場合、コンベヤスクリュー25には、見易くするために図示されていないブラシ部材を配備することもでき、これらのブラシ部材は、投入ホッパー19の穴の開いた底部内壁上を撫で擦り、それにより開口部22を繰り返し掃除して、露出させるものである。
【0025】
モーター11は、シャフト26によって、スクリューコンベヤ機器23のコンベヤスクリュー25を駆動する。このモーター11は、同時にフィルター格子6を駆動して回転させる役割を持つ。この目的のために、シャフト26とも、フィルター格子6とも、特にその支持部材13とも一緒に回転しない形で連結された駆動アーム27を配備することができる。羽目板28によって、フィルター格子6と排水溝1の壁面間の隙間を塞いでおり、その結果汚染された液体は、開いた正面部8を通って、シリンダジャケット形状のフィルター格子6の内部空間に流入せざるを得なくなっている。この場合、液体は、網目スクリーン7の開口部を通って流れ、そのため排水溝に戻る一方、被濾過物は、網目スクリーン7の内面上に分離されて、フィルター格子6の回転駆動により、上方に移送される。剥離機器16によって、被濾過物を投げ落とした後、被濾過物は、投入ホッパー19の領域、そのためスクリューコンベヤ26の動作範囲にも到達する。被濾過物は、上方に移送されて、例えばコンテナ30への、投下位置29に到る。スクリューコンベヤ機器23の上側の領域には、被濾過物が投下位置29に到達する前に、運び上げた被濾過物から更に水分を取り除くプレスゾーン31を配備することができる。パイプ32は、プレスゾーン31で分離された液体を排水溝1に戻す役割を持つ。
【0026】
図2は、フィルター格子6の領域の構造を、再度拡大した図面で示している。フィルター格子6の内周を断面図で示しており、その内周上には、分離面14を形成する網目スクリーン7と共に支持体13が敷き詰められている。誘導板15が、中心軸に平行に延びて、このような形で網目組織7の分離面14に対向して並んでいるのを見ることもできる。この誘導板15は、その分離面14とは反対の自由となっている側に刻み目33を有し、これらの刻み目は、ここでは櫛状に構成されている。これらの刻み目33は、誘導板15のこの領域に、穴の形状で実現することもできる。こうすることで、入れ物内の液面が変化して、そのため液体が、櫛状の刻み目33又は穴を通って流出して、排水溝に戻ることによって、桶状の入れ物で被濾過物を運び上げている間に、被濾過物の持続的な脱水を行っている。
【0027】
図3は、図2の線III-III に沿った断面図を再度示している。投入ホッパー19を、特に良く見ることができる。この投入ホッパーは、ホッパー壁20を有し、このホッパー壁の下方領域に、穴41を設けることができ、これらの穴は、投入ホッパー19の底部に有る開口部22に追加して配備される。これらの穴41は、賢明には、この底部領域に配置された開口部22よりも大きな直径を持つことができる。しかし、これらの穴41を設けないことも可能である。更に、三つの誘導板15が配置されているのを見ることができ、これらの誘導板は、直立した断片として形成され、この装置の中心軸5に対して平行に配置されている。
【0028】
図4は、網目スクリーン7と支持部材としての役割を持つ支持体13の一方の面の拡大図を示している。ここでは、網目スクリーン7は、正方形の網目組織35として構成されている。この支持体13は、多孔板34であり、この多孔板は、形状を与える形態に、そのため比較的頑丈に構成されており、その結果この多孔板は、シリンダージャケット形状に折り曲げられた形で、その形状を保持しており、フィルター格子6の強度を提供している。この多孔板34は、大きい形状の開口部37とフレーム38とを有する。正方形の網目組織35は、用途に応じて、0.1〜1.0mmの範囲に選定することができる網目幅36を有する。正方形の網目組織35の内側は、分離面14を構成している。溶接点50は、網目スクリーン7と支持体13間の固い結合を示している。
【0029】
図5と6は、支持体13又は多孔板34の二つの異なる実施形態を図示している。図5では、大きな形状の開口部37が、円形の穴の形状で配備されている。図6は、フレーム38によって、二種類の大きな形状の開口部37が形成された別の実施構成を示している。難なく、その他の構造形態を考えて、使用することができる。これらの大きな形状の開口部37は、特に打ち抜きによって作られる。その面積割合は、出来る限り大きく、場合によっては80〜90%の規模とすべきである。フレーム38の寸法は、その面積割合が、それに応じて小さくなるように決められる、即ち、液体を通過させるために、それに対応してほんの小さい面積に設定される。その他に、支持体13は、フィルター格子6の強度を保証しなければならない。
【0030】
図7は、網目スクリーン7を内側に置き、支持体13を外側に配置した形のフィルター格子6の図を、特に中心軸5に対して図示している。また、この図は、周囲の一部分上における正方形の網目スクリーン35と多孔板34を示している。ここで図示したフィルター格子6は、比較的大きな開口部と大きな長さを有する。フィルター格子6の補強と安定性向上のための補強リング42が図示されており、このリングは、内側から網目スクリーン7に装着されている。縦軸方向に渡って、そのような補強リング42を複数配置することも可能であることが分かる。
【0031】
図8からは、フィルター格子6が、軸方向に対して、複数のシリンダーパーツ43から構成することも可能であることが分かる。明確化のために、内径44が表示されている。別の方向、即ち、フィルター格子6の円周方向に、分割を行うことも可能であることが、容易に考えられる。この場合、例えば、半張り殻を繋ぎ合せて、それぞれ半張り殻形状の多孔板34から構成することができる。同様に、網目スクリーン7の部分に対応させることもできる。半張り殻或いは又複数の部分から構成された支持体13に、全体的にシリンダージャケット形状に展開された網目スクリーン7を使用することも可能である。
【0032】
図9は、図1の実施構成と大部分同じである実施構成を図示している。しかし、それとは違って、誘導板15が、網目スクリーン7の内側上に螺旋形に構成、配置されている。間仕切壁39と、同様に櫛状の刻み目33をはっきりと見ることができ、その結果フィルター格子6の回転により被濾過物を上方に連れて行く個々の桶状のバケット部材を見ることができる。
【0033】
最後に、図10は、この装置の別の基本的な実施構成を図示しており、この構成は、排水溝の外で、その中心軸5を少なくともほぼ水平に向けて使用するものである。フィルター格子6は、タンク45内で支承されており、この場合も回転駆動される。この場合も、前述した実施例の通り、フィルター格子6は、内側に配置された網目スクリーン7と外側に配置された支持体13から構成される。被濾過物を含む液体の供給は、フィルター格子6の内部空間への供水機器46によって行われる。フィルター格子6は、その縦方向に渡って内側に延びるコンベヤスクリュー47を有し、そのため、フィルター格子6は、その回転によって、水平方向に投下部48の方に向けたコンベヤ部品の役割を果たしている。即ち、蓄積されたヘドロは、投下部48に移送される一方、液体は、排出口49を通して排出される。図10の実施例では、スクリューコンベヤ機器23は配備されていない。中心軸5を水平に配置した場合にも、スクリューコンベヤ機器23を配備することが可能であり、そのため、図1の装置を傾けるか、或いは水平に設置することができる。図10の装置も、(図示されていない)剥離機器を有する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】この発明による装置を排水溝に設置した場合の模式的な側面図
【図2】この発明による装置の動くフィルター格子の領域の細部を拡大した図
【図3】図2の線III-III に沿った断面図
【図4】フィルター格子を平面に展開した構造を内側から見た平面図
【図5】円形の開口部37を持つ支持体13の平面図
【図6】別の実施構成での支持体又は多孔板の平面図
【図7】補強リング42を配備したフィルター格子6の図
【図8】複数のシリンダーパーツ43から成るフィルター格子6の断面図
【図9】図2と同様であるが、部分的な変更を加えた実施構成の図
【図10】この発明による装置を中心軸を水平に配置した場合の模式的な側面図
【符号の説明】
【0035】
1 排水溝
2 液体
3 液面
4 矢印
5 中心軸
6 フィルター格子
7 網目スクリーン
8 正面部
9 正面部
10 駆動部
11 モーター
12 変速機
13 支持体
14 分離面
15 誘導板
16 剥離機器
17 噴射レール
18 ノズル
19 投入ホッパー
20 ホッパー壁
21 側壁
22 開口部
23 スクリューコンベヤ機器
24 筐体
25 コンベヤスクリュー
26 シャフト
27 駆動アーム
28 羽目板
29 投下位置
30 コンテナ
31 プレスゾーン
32 パイプ
33 刻み目
34 多孔板
35 正方形の網目組織
36 網目幅
37 開口部
38 フレーム
39 間仕切壁
40 終端壁
41 穴
42 補強リング
43 シリンダーパーツ
44 内径
45 タンク
46 給水機器
47 コンベヤスクリュー
48 投下部
49 排出口
50 溶接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体、特に廃水から細かい被濾過物、特にヘドロを除去する装置であって、廃水が内側から外側に貫流する、回転駆動されるシリンダージャケット形状のフィルター格子(6)と、フィルター格子(6)の外に配置された、フィルター格子(6)の内側に分離された被濾過物を剥がすために、外側から内側に散水を噴射するノズル(18)を備えた剥離機器(16)とを有する装置において、
フィルター格子(6)は、基本的に二つの部材、即ち、外側に有る、フィルター格子(6)に強度と安定性を与える、大きな形状の開口部(37)を持つ多孔板から成る支持体(13)と、内側に有る、分離面(14)を構成する、小さな網目を持つ網目スクリーン(7)とから構成されることと、
網目スクリーン(7)は、点又は領域部分で、支持体(13)の多孔板と連結されていることと、
を特徴とする装置。
【請求項2】
支持体(13)の大きな形状の開口部(37)の面積割合が70%〜90%の範囲にあり、フレームの面積割合が30%〜10%の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
大きな形状の開口部(37)の形状が、長方形、正方形、丸くなった形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
網目スクリーン(7)の網目幅(36)が、0.1〜1.0mmの範囲にあることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項5】
排水溝(1)に設置するために、フィルター格子(6)が、その中心軸(5)を斜めにして配置されることと、この装置が、液体(2)の外の投下位置(29)にまで移送する、動くコンベヤスクリュー(25)を備えたコンベヤ機器(23)を有することと、フィルター格子(6)の領域に、コンベヤ機器(23)と接続された投入ホッパー(19)が配備されていることとを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項6】
フィルター格子(6)の内周面上に、細かい被濾過物を運び上げるためのバケット部材が配置されていることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
フィルター格子(6)が、その中心軸(5)を水平に配置していることと、フィルター格子(6)の網目スクリーン(7)の内周面が、誘導・コンベヤスクリューを備えていることとを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項8】
当該のバケット部材が、スリット形状の刻み目(33)を有することを特徴とする請求項1から6までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項9】
投入ホッパー(19)の底部が、スリットを入れた形に構成されていることを特徴とする請求項1から8までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項10】
網目スクリーン(7)が、点溶接によって、支持体(13)と連結させていることを特徴とする請求項1から9までのいずれか一つに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−521919(P2006−521919A)
【公表日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504943(P2006−504943)
【出願日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【国際出願番号】PCT/EP2004/003446
【国際公開番号】WO2004/087289
【国際公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(594195384)ハンス・フーバー・アクチエンゲゼルシャフト・マシイネン−ウント・アンラーゲンバウ (2)
【Fターム(参考)】