説明

液体の脱気方法

式R−[O−CH2−CH(CH3)]x−[O−CH2−CH2y−O−R (I)[式中、Rは、同じ又は異なることができ、水素原子、C1〜C30−アルキル基、C1〜C30−アルケニル基又は式R1−C(O)− (II)を表し、R1は、C1〜C22−アルキル基を表し、xは、6〜300の値を表し、及びyは、0〜30の値を表し、比率y/xは0〜1である]のポリオキシアルキレン0.0001〜1.0質量%を、水を少なくとも50質量%、殊に少なくとも70質量%含有する液体に添加することによる、前記液体の脱泡方法が記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体の脱気方法、殊に、例えば繊維処理又はパルプ製造及び製紙の際に生じる水性懸濁液の脱気方法に関する。
【0002】
所望な成分として又は不所望な成分としても界面活性化合物を含有する、多くの液状の、殊に水性の系において、この系が程度に差はあるがガス状の物質と激しく接触される場合に、例えば廃水の通気、液体の激しい撹拌、蒸留プロセス、洗浄プロセス又は染色プロセスの場合に、包含される気泡の問題が生じることがある。殊に、例えば繊維のような微細に分散する粒子を含み、この粒子に気泡が堆積することができる液体は空気を包含する傾向がある。
【0003】
パルプ製造の際に、包含された空気は、例えば水の迅速な排水を妨げ、それにより品質及び生産性を低下させる。
【0004】
この表面泡沫への対策は、公知の消泡剤を用いて行うことができる。この消泡剤は、例えばUS 3,235,509 Aに記載されているようなポリオルガノシロキサンからなるか、US 3,984,347 Aに記載されたようなポリオキシアルキレンと組み合わせたポリオルガノシロキサンからなるか、又は"Antifoaming action of polyoxyethylene-polyoxypropylene-polyoxyethylene-type triblock copolymers on BSA foams", Nemeth, Zs.; Racz, Gy.; Koczo, K. Colloids Surf., A, 127(1-3), 151-162, 1997に記載されたようなポリオキシアルキレン単独からなる。
【0005】
DE 1444442 A1からは、グリコール及びポリグリコールを約50%含有する作動油中の破泡が、化学的に類縁のポリプロピレングリコールにより改善できることが公知である。
【0006】
慣用の消泡剤は、公知のように、大きな気泡が薄い液膜により隔てられている「乾燥」表面泡沫(例えばLangmuir 2004, 20, 9463-9505に記載されている)への対策のために適している。しかしながら、大部分が懸濁された固体を有することができる液体からなる液体気体混合物の脱気のためのその有効性は示されていない。
【0007】
このことは、マクロ泡沫とも言われる表面泡沫を破壊する消泡剤の表面特性及び溶解度は、脱気剤の特性とは必然的に異なることに起因する(Adams, J. W. et al . Verfkroniek, 68 (10) 1996 p. 43-45参照)。消泡剤は不相容性であり、かつ表面に迅速に移動しなければならない。それに対して、微細泡沫に対抗する脱気剤はより相容性でなければならない、それというのもこの脱気剤は、表面にではなく液相中で作用すべきであるためである。従って、良好な消泡作用から、脱気作用を推論することはできない(EP 257 356 B1、第2頁、28〜31行参照)。
【0008】
従って、この適用のために特別な調製物が提案される。GB 2 350 117 Aは、より良好な脱気のために、Si−C結合又はSi−O−C結合したポリエーテル基を有する線状又は環状のシロキサンを使用することを提案している。EP 257 356 B1は、ポリエーテルシロキサンよりもプラスチゾルのより良好な脱気を可能にする、(イソブチリルオキシ)イソプロピルジメチル−プロポキシ基を有するシロキサンを請求している。
【0009】
さらに、多様な適用のために、殊にパルプの製造のために、より良好でかつより環境に優しい脱気剤に対する需要がある。
【0010】
意外にも、特別なポリオキシアルキレンは、優れた脱気作用を有することが見出された。
【0011】
本発明の主題は、水を少なくとも50質量%、殊に少なくとも70質量%含有する液体の脱気方法において、前記液体に、式
R−[O−CH2−CH(CH3)]x−[O−CH2−CH2y−O−R (I)
[式中、Rは、同じ又は異なることができ、水素原子、C1〜C30−アルキル基、C1〜C30−アルケニル基又は式R1−C(O)− (II)を表し、
1は、C1〜C22−アルキル基を表し、
xは、6〜300の値を表し、及び
yは、0〜30の値を表し、
及び比率y/xは0〜1である]のポリオキシアルキレン0.0001〜1.0質量%、好ましくは0.0005〜0.1質量%を添加することによる、前記液体の脱気方法である。
【0012】
基Rの例は、水素及びメチル基、アリル基及びブチル基である。好ましくは、この基Rは水素原子である。
【0013】
式R1の基の例は、メチル基及びブチル基である。
【0014】
式(I)中で、添え字xは、好ましくは15〜150、特に25〜100である。この比率y/xは、好ましくは0〜0.75、特に0〜0.25、殊に0〜0.1である。特に有利な態様では、y=0である。
【0015】
好ましくは、式(I)のポリオキシアルキレンは、600〜20 000、特に800〜12 000の平均分子量(数平均Mn)を有する。
【0016】
特に、ポリオキシアルキレンとして、1000〜8000g/molの平均分子量(数平均Mn)を有するポリプロピレングリコールが使用される。
【0017】
1種類のポリオキシアルキレン又は複数の種類のポリオキシアルキレンを使用することができる。
【0018】
このオキシアルキレン基は、式(I)のポリオキシアルキレン中に統計的に分布されているか又はブロックコポリマーとして存在することができる。
【0019】
式(I)のポリオキシアルキレンは、公知の市販の製品である。x及びyについての値に応じてこのポリオキシアルキレンは、液状又はワックス状の製品であり、この場合に、400〜1500mm2/sの粘度(25℃及び1013hPaで)を有する液状の製品が好ましい。
【0020】
水中でのポリオキシアルキレンの溶解度は、比率y/xにより決定される。好ましくは、25℃及び1013hPaで、水中で2%未満が溶解する、もしくは35℃未満、殊に25℃未満の曇り点(EN 1890バリエーションAにより測定)を有するポリオキシアルキレンが使用される。
【0021】
本発明の範囲内で脱気とは、気体を分散した形態で含有する、つまり微細泡沫(この場合、微細泡沫中の液体の体積割合は気体の体積割合よりも高い)を含有する液体の気体含有量を低減させるプロセスである。
【0022】
液体の脱気方法とは、本発明の範囲内で、殊に、分散した形態で気体を、好ましくは最高で50体積%、特に好ましくは最高で20体積%、殊に最高で10体積%含む液相の気体含有量を有意に減少さることで、好ましくは5体積%未満、殊に2体積%未満の気体含有量を達成する方法であると解釈される。
【0023】
本発明の特に好ましい主題は、パルプ製造の際に生じる液体、好ましくは少なくとも70質量%の水割合を有する繊維含有の水性懸濁液の脱気方法である。
【0024】
脱気されるべき液体は、式(I)のポリオキシアルキレンの本発明による添加の他に、好ましくは他のグリコール又はポリグリコール1質量%未満、特に0.1質量%未満を含有し、特に好ましくは他のグリコール又はポリグリコールを含有しない。
【0025】
木材のようなセルロース含有材料から、程度に差はあるが著しく汚染されたセルロースであるパルプを獲得する際に、残りの成分、例えばリグニンを溶解させるために、多様な蒸解液が使用される。引き続く洗浄プロセス及び篩別プロセスにおいて、この生じたパルプから上記燻蒸液を分離し、上記パルプは清浄化される。
【0026】
この恐らく最も重要な蒸解法は、アルカリ性の硫酸塩法又はクラフト法であり、この場合にNaOH/NaSを有する蒸解液を用いていわゆる硫酸塩パルプ又はクラフトパルプが得られる。他の生成物として黒液が生じ、この黒液は上記蒸解液の他に、木材のようなセルロース含有材料の残りの成分を含有する。
【0027】
本発明によるポリオキシアルキレンの適用は、直接行うか又はより良好な分配及び取り扱いのために、適切な有機材料中の溶液として行うか又はエマルションとして行うことができる。
【0028】
式(I)の本発明によるポリオキシアルキレンへの適切な有機添加物は、鉱油、天然油、イソパラフィン、ポリイソブチレン、オキソアルコール合成からの残留物、低分子の合成カルボン酸のエステル、例えば2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール−ジイソブチレート、脂肪酸エステル、例えばドデシルパルミテート又はイソプロピルミリステート、脂肪アルコール、アルコールのエーテル、フタレート及びリン酸のエステルである。
【0029】
式(I)の本発明によるポリオキシアルキレンへの他の添加物として、線状又は分枝状であることができるポリエーテル−ポリシロキサン−コポリマーが適している。
【0030】
この場合、1種類のポリエーテル−ポリシロキサン−コポリマー又は複数の種類のポリエーテル−ポリシロキサン−コポリマーを使用することができる。
【0031】
本発明の有利な実施態様は、式
R−[O−CH2−CH(CH3)]x−[O−CH2−CH2y−O−R (I)
のポリオキシアルキレン、殊に1000〜8000g/molの平均分子量(数平均Mn)を有するポリプロピレングリコール100質量部と、ポリエーテル−ポリシロキサン−コポリマー1〜200質量部、好ましくは2〜100質量部とからなる混合物0.0001〜1.0質量%、好ましくは0.0005〜0.1質量%の添加による、水を少なくとも50質量%、殊に少なくとも70質量%含有する液体の脱気方法である。
【0032】
この種のポリエーテル−ポリシロキサン−コポリマーは、先行技術であり、かつ当業者に公知である。
【0033】
線状のポリエーテル−ポリシロキサン−コポリマーの例は、このポリエーテル基が線状のシロキサン鎖に側基として、炭化水素基、好ましくは二価の炭化水素基を介してSiC結合されているポリエーテル−ポリシロキサン−コポリマーである。このような線状のポリエーテル−ポリシロキサン−コポリマーは、例えばGB 2 350 117 Aに記載されている。
【0034】
分枝状のポリエーテル−ポリシロキサン−コポリマーの例は、ポリエーテル基が線状のシロキサン鎖に側基として、炭化水素基、好ましくは2価の炭化水素基を介してSiC結合されかつ、その際、この線状のシロキサン鎖が側方の有機架橋を介して相互に結合されているポリエーテル−ポリシロキサン−コポリマーである。この有機架橋の例は、SiC結合した線状の又は分枝状の有機基であり、好ましくは酸素原子又は窒素原子からなる群から選択された1つ以上のヘテロ原子を有することができる二価の炭化水素基、アルキレン基を介してシロキサン基と結合されているSiC結合したポリエーテル基、及びSiC結合した二価の炭化水素基、例えばポリエーテル基及びウレタン基を有するアルキレン基である。
【0035】
特に、例えばEP 1 076 073 A1、EP 1 424 117 A2又はWO 2006/128624 A1において消泡剤の成分として記載されている分枝状のポリエーテル−ポリシロキサン−コポリマーが良好に適している。
【0036】
好ましくは、分枝状のポリエーテル−ポリシロキサン−コポリマーとして、シロキサン鎖が、ポリエーテル基及びウレタン基を有する側方の二価のSiC結合した炭化水素基を介して相互に結合しているポリエーテル−ポリシロキサン−コポリマーが使用される。このポリエーテル−ポリシロキサン−コポリマー及びその製造は、WO 2006/128624 A1の、特に第3頁、8行〜第13頁、38行に記載されている(参照により組み込まれる)。
【0037】
この本発明によるポリエーテル−ポリシロキサン−コポリマーは、好ましくは25℃で50〜100 000 000mPa・s、特に25℃で100〜1 000 000mPa・s、特に好ましくは25℃で1 000〜100 000mPa・sの粘度を有する。
【0038】
脱気試験の記載:
パルププロセス(UPM Kymmene Oy Kuusankoskiの硬質木材及び軟質木材、フィンランド国、80質量%より多くの含水量を有する)からの黒液350mlを、ビーカーガラス中で撹拌しながら15分間一定の条件下で80℃に加熱し、その後、このうちの220mlを同様に80℃にサーモスタット制御したガラス−撹拌オートクレーブに移す。
【0039】
0の測定:
このオートクレーブを、脱気剤を添加せずに閉鎖し、3秒間の待機時間の後に、このオートクレーブの底部の排出弁を5秒間開放する。この黒液を、3barの圧力下で、メスシリンダー中へ放出し、その後すぐに密度の計算のために質量及び体積を測定する。
【0040】
2の測定:
このオートクレーブを、脱気剤を添加せずに閉鎖し、含まれる黒液を3barの圧縮空気圧力下で、10分間800rpmで撹拌する。3秒間の待機時間の後に、このオートクレーブの底部の排出弁を5秒間開放する。この黒液を、3barの圧力下で、メスシリンダー中へ放出し、その後すぐに密度の計算のために質量及び体積を測定する。
【0041】
1の測定:
このオートクレーブを下記の表中に記載する量の脱気剤の添加後に閉鎖し、含まれる黒液を3barの圧縮空気圧力下で、10分間800rpmで撹拌する。3秒間の待機時間の後に、このオートクレーブの底部の排出弁を5秒間開放する。
【0042】
この黒液を、3barの圧力下で、メスシリンダー中へ放出し、その後すぐに密度の計算のために質量及び体積を測定する。
【0043】
0=脱気剤なしで、撹拌せずに80℃での黒液の密度
2=脱気剤なしで、撹拌後の80℃での黒液の密度
1=脱気剤ありで、撹拌後の80℃での黒液の密度
脱気率(%) = 100×(D1−D2)/(D0−D2
0(硬質木材):1.01g/cm3 及び D2(硬質木材):0.83g/cm3
0(軟質木材):1.03g/cm3 及び D2(軟質木材):0.77g/cm3
実施例1及び2(ポリマー1及び2を有する)、
実施例3(ポリマー1 70%及びポリマーV1 30%からなる混合物)、
実施例4(ポリマー1 70%及びポリマーV3 30%からなる混合物)、
比較例1及び2(ポリマーV1及びV2を有する)、
比較例3(ポリマー1 70%及びポリマーV4 30%からなる混合物)。
【0044】
脱気剤として使用するために、実施例1及び2ではポリマー1及び2を、及び比較例1及び2ではポリマーV1及びV2を直接、他の添加物なしに、黒液に供給する。
【0045】
ポリマー1:
ポリマー1は、平均分子量(数平均Mn)2000を有するポリプロピレングリコールである。
【0046】
ポリマー2:
ポリマー2は、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの共重合体であり、ポリエチレンオキシドは一般構造式
H−[O−CH(CH3)−CH2m−[O−CH2−CH2n−[O−CH(CH3)−CH2)]o−OH
を有する中央の分子部分を形成する。
【0047】
この平均分子量(数平均Mn)は3500g/molであり、この場合にポリプロピレンオキシドの分子量部分は約3100g/molである。
【0048】
ポリマーV1:
比較例1の場合に、脱気剤として、GB 2 350 117 Aによる、先行技術の線状のポリエーテル−ポリシロキサン−コポリマーを使用する。これは次のように製造した:
活性水素含有率0.133%及び粘度72mm2/s(25℃)を有する、ジメチルシロキシ単位及びヒドロゲンメチルシロキシ単位からなりメチル基を末端に有するシロキサン67gを、激しく撹拌しながら、PO/EO比率4.0及びヨウ素価11.2を有するアリルポリエーテル(H2O含有量560ppm)408gと混合し、100℃に加熱する。イソプロパノール中のヘキサクロロ白金酸の2%溶液0.5mlの添加により、ヒドロシリル化を開始させ、このヒドロシリル化は弱い発熱反応を示す。この反応混合物を、透明なコポリマーが得られかつ活性水素がもはや検出できなくなるまで100〜110℃に保持する。側基のポリエーテル基を有するこのポリシロキサンは、870mm2/s(25℃)の粘度を有する。
【0049】
ポリマーV2:
比較例2の場合に、本発明によるものではない、平均分子量(数平均Mn)400g/molを有するポリプロピレンオキシドを使用する。
【0050】
ポリマーV3(WO 2006/128624 A1による):
ポリマーV1を130℃に加熱し、微量の水を1hPaで除去する。その後、ヘキサメチレンジイソシアネート7gを計量供給し、20分間均質化する。このイソシアネート反応は、1滴のジブチルスズラウレート(DBTL)で開始させる。2時間後に、NCO含有量は検出限界(IR:20ppm)を下回り、界面活性剤(BASF SE社の(D-Ludwigshafen)の商品名Emulan(登録商標) HE 50で購入可能)120gを計量供給する。この80%のコポリマー溶液は、25℃に冷却後に、粘度2100mm2/s及びウレタン含有量0.139mEqu./gを有する。
【0051】
ポリマーV4:
ポリマーV4は、DE 1444442の請求項1に記載のような、約200の鎖長を有するポリジメチルシロキサンである。
【0052】
黒液中へのポリマー又はその混合物の添加量を次の表に記載する。
【0053】
脱気の際の有効性の試験結果はこの表にまとめられている。
【0054】
表:
【表1】

【0055】
この表から推知できるように、比較例1及び2の場合の脱気は、実施例1〜4の場合の脱気よりも明らかに悪い。
【0056】
比較例1の場合に、GB 2 350 117 Aと同様の非分枝の線状のポリエーテル−ポリシロキサン−コポリマーを使用し、比較例2の場合に、本発明によるものではないポリプロピレングリコールを使用する。
【0057】
実施例3では、ポリマー1 70%及びポリマーV1である線状のポリエーテル−ポリシロキサン−コポリマー 30%からなる均質な混合物を使用する。ポリマーV1の30%の添加により、ポリマー1は水分散可能になる。
【0058】
意外にも、硬質木材及び軟質木材からの黒液中のポリマー1 70%及びポリマーV1 30%からなる混合物は、両方の個々のポリマーよりもより良好な脱気を示す。
【0059】
実施例4では、ポリマー1 70%及びポリマーV3である分枝状のポリエーテル−ポリシロキサン−コポリマー 30%からなる均質な混合物を脱気剤として使用する。ポリマーV3 30%の添加により、ポリマー1の有効性は更に改善される。
【0060】
比較例3では、ポリマー1 70%及びポリマーV4であるDE 1444442 Aによるジメチルポリシロキサン30%からなる混合物を使用する。この混合物は安定性ではなく、数秒の間に2相に分離する。長期間にわたり安定な均質な混合物は、脱気剤としての後の実際の取り扱い及び適用のために決定的に重要であるため、脱気試験は実施しなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を少なくとも50質量%、殊に少なくとも70質量%含有する液体の脱泡方法において、前記液体に、式
R−[O−CH2−CH(CH3)]x−[O−CH2−CH2y−O−R (I)
[式中、Rは、同じ又は異なることができ、水素原子、C1〜C30−アルキル基、C1〜C30−アルケニル基又は式R1−C(O)− (II)を表し、
1は、C1〜C22−アルキル基を表し、
xは、6〜300の値を表し、及び
yは、0〜30の値を表し、
及び比率y/xは0〜1である]のポリオキシアルキレン0.0001〜1.0質量%を添加することによる、前記液体の脱泡方法。
【請求項2】
前記式(I)のyは0であることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ポリオキシアルキレンを、式
R−[O−CH2−CH(CH3)]x−[O−CH2−CH2y−O−R (I)
[式中、R、x及びyは、請求項1でこれらについて記載した意味を表す]のポリオキシアルキレン100質量部と、ポリエーテル−ポリシロキサン−コポリマー1〜200質量部とからなる混合物の形で使用することを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
ポリオキシアルキレンとして、平均分子量(数平均Mn)1000〜8000g/molを有するポリプロピレングリコールを使用することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
分枝状のポリエーテル−ポリシロキサン−コポリマーを使用することを特徴とする、請求項3又は4記載の方法。
【請求項6】
前記液体の脱気方法において、気体を分散した形態で含有する液体、つまり微細泡沫中の液体の体積割合が気体の体積割合よりも高い微細泡沫を含有する液体の気体含有量を低減させることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記方法を、パルプ製造の際に生じる液体、好ましくは少なくとも70質量%の含水量を有する繊維含有の水性懸濁液の脱気のために使用することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。

【公表番号】特表2013−520305(P2013−520305A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554308(P2012−554308)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【国際出願番号】PCT/EP2011/052493
【国際公開番号】WO2011/104196
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(390008969)ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト (417)
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Hanns−Seidel−Platz 4, D−81737 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】