説明

液体の遠心分離に利用されるポリマー

考慮される組成物及び方法は、採血管内で細胞欠乏相と細胞濃縮相との間に硬質封止層を原位置で形成することを可能にする。好ましくは、封止層は、短時間のUV照射で形成され、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、ウレタン、及び/又はチオール−エンポリマーを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2005年8月10日に出願された整理番号第60/707299号の米国暫定出願の優先権を主張する、2006年8月4日に出願された整理番号第11/499436号の一部継続の同時係属の米国出願である。本出願は、2008年2月13日の出願された整理番号第61/028426号の同時係属の暫定出願の便宜を更に主張する。
【0002】
本発明の分野は、光ポリマーに関し、特に、細胞欠乏生体液から細胞含有成分を分離するための光ポリマーに関する。
【背景技術】
【0003】
血液試料の分析は、多くの場合、全血を血清成分及び細胞含有成分に分離することを必要とする。当該技術分野では、全血の分離は、全血を採血管内に配置し、その管を遠心分離器内に置き、血液を遠心沈殿させることにより、遠心分離を通じて実行され得ることがよく知られている。
【0004】
残念ながら、血液が分離された後、全血の成分が再び混合され、拡散、攪拌、試料抽出、又は他の望ましくない相互作用により成分の汚染が生じる。理想的には、2つの成分は、所望の成分にアクセスする際に汚染が起こらないように隔離されたままであるべきである。更に、分析物は、保存、輸送、又は後の分析に備えるために、分離後の延長時間期間にわたる安定性を維持するべきである。
【0005】
全血成分を単離するいずれかのシステムは、管内で適切な濃度を有する分離物質を含まなければならない。適切な濃度は、約1.04g/cmであり、重い細胞含有層の濃度と軽い血清含有相の濃度との間にある。全血が管に加えられる場合、管が遠心分離器にかけられる場合、分離物質は、成分間へ移動し、2つの成分を互いに分離する。全血と併せて流動性である分離物質としてゲルを利用した例示の採集管は、フィーラーの米国特許第4,946,601号に見出され得る。これらの及び全ての他の外来の参照文献は、本明細書にそのまま参照として組み込まれている。組み込まれた参照文献内の用語の定義又は利用が、本明細書に与えられる用語の定義と矛盾するか又は反対である場合、本明細書に与えられる用語の定義が適用され、参照文献の用語は、適用されない。全血と併せて流動性である例示の分離物質は、ゲートらの米国特許第6,248,844号及び米国第6,361,700号に見出され得る。これらの特許では、物質は、所望の粘性に硬化可能なポリエステルである。
【0006】
流動性物質を提供することにより、全血の成分を分離することが可能になるが、流動性物質は、幾つかの不利な点がある。流動性物質は、遠心分離後でも流動性のままであり、試料を尚も適切に保ち、攪拌から防護するのに適切な注意が払われない場合、試料を汚染する危険がある。例えば、遠心分離後にゲルが流動し得る揺変性ゲルを採血管内に利用することが知られている。加えて、周知の物質は、延長時間期間にわたって(例えば、少なくとも3日間)許容可能なレベルで分析物(例えば、カリウム及びグルコース)を保持する能力に欠ける。
【0007】
サウンダーズの米国特許第4,818,418号は、採血管内での揺変性ゲルの利用を開示する。しかしながら、揺変性ゲルを用いてのこの問題は、前記ゲルが、全血成分の間に十分に永続的な分離障壁を形成しないことである。ピペットを用いて試料を管から抽出する場合、物質は、ピペットが物質に接触する際に、その物質の流動性のためにピペットを汚染又は塞ぐことがあり得る。物質が、先の不利な点を克服するのに十分に固い又は永続性の障壁を与える高粘性を有するように調製又は構成される場合、物質は、もはや適切には、全血と併せて流動性ではなくなり、遠心分離時間が、極めて長くなる。短い遠心分離時間は、血液分析結果が即座に必要とされる死活にかかわる事態に、重要な意味を持つ。
【0008】
採血管製造者により取られる代わりの取り組みは、移動可能な固体障壁を与えることである。適切な固体物質の実施例として、ポリマー球が障壁層を形成する、米国特許第3,647,070号に見られる中間密度ポリマーが挙げられる。米国特許第5,266,199号では、細胞含有層からの血清の分離を制御する管及びボールバルブが記載されている。しかしながら、そのような物理的障壁は、成分間の十分な封止を与えず、不完全で漏れやすいか、又は、他の様々な理由で実行不可能であることが多い。
【発明の概要】
【0009】
全血分離に対するこれらの及び他の解決策は、短い遠心分離時間に対応している間に、全血の分離された成分が望まれない試料相互作用による汚染から有効に保護されるのを確保するのに必要な特性に欠ける。更に、全ての又はほとんど全ての周知の分離技術は、細胞欠乏相から細胞含有相を分離する安定で永続的な障壁を維持するのに失敗している。従って、簡潔で効果的に形成され得る液体分離技術が、尚も必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の内容は、採血管内で、細胞欠乏相と細胞濃縮相との間に固い障壁層の速やかに形成するのを可能にし、障壁層が、好ましくは、紫外線(UV)照射で重合可能な組成物から形成される、様々な組成物及び方法について記述される。
【0011】
本発明の内容の好ましい形態では、重合可能な組成物は、使用前の減菌を可能にし、遠心力下で、細胞枯渇層と細胞濃縮層との間の位置へ組成物が沈降するのを可能にするのに有効な密度及び/又は流動性を有する。特に、適切なポリマーは、1.02〜1.06g/cmの密度を有し、アクリレートポリマー、メタクリレートポリマー、エポキシポリマー、ポリウレタン、及び/又は、チオール−エンポリマーを形成するのに硬化され得る。更に、一般に好ましいのは、組成物は、光開始剤及び、任意選択で光抑制剤を含むことである。必要な場合、様々な成分を利用して組成物の密度を更に調節することができ、適切な成分として、シリカ、アルミナ、及び他の有機又は無機充填材料が挙げられる。
【0012】
更に別の好ましい態様では、重合可能な成分は、(a)細胞の実質的な捕捉、(b)実質的な収縮、(c)過剰な熱生成、(d)分析される1つ以上の血液成分との反応、及び/又は、(e)細胞欠乏相及び/又は細胞濃縮相で行なわれる分析試験との干渉のない硬化を可能にする。その上、一般に好ましいのは、硬化ポリマーは、硬さが、ショア00で、より一般的には、ショアAで、最も一般的には、ショアD尺で少なくとも10であり、ポリマーが、60秒未満で、より一般的には、20秒未満でその硬さに硬化することである。好ましい硬化性ポリマーは、本発明の内容に限定されないが、硬化ポリマーと採集管の内壁との間に耐流体性障壁を形成することになる。
【0013】
従って、異なる観点から見れば、採血管内の全血を細胞欠乏相と細胞濃縮相へ分離するのを補助する方法が考慮され、重合可能な組成物が、前記管に加えられる。前記組成物は、遠心力下で、細胞欠乏相と細胞濃縮相との間の位置へ前記組成物が沈降するのを可能にするのに有効な既定の密度及び流動性を有する。次に、管は、(例えば、γ照射及び/又は加熱を利用して)減菌され、所望の場所へ移される。考慮される方法の別の工程では、次に、遠心分離後に、30秒未満の期間にわたるUV照射を利用し、ショアA硬度尺で少なくとも10の硬さに重合可能な組成物を硬化させる指示が与えられる。考慮される方法で適切な組成物に関して、上に与えられるものと同じ考慮が用いられる。
【0014】
本発明の内容の様々な目的、特性、態様及び利点は、好ましい実施形態の以下の詳細な記載から明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、重合化反応の初期化又は促進後に、重合可能な組成物から採血管内に硬い障壁層を形成するのを可能にする様々な組成物及び方法を発見している。好ましい態様では、重合可能な組成物は、遠心力下で、細胞欠乏相と細胞濃縮相との間の位置へ沈降を可能にする、哺乳類血液内での密度及び流動性を有する。
【0016】
1つのそのような模範的組成物は、以前に、整理番号第11/933839号(米国第2008/0132874A1号として公開)、第11/933871号(米国第2008/0108493A1号として公開)、及び第12/271610号(2008年11月14日に出願)の我々の同時係属の米国特許出願に記載され、それらの全ては、本明細書に参照として組み込まれている。ここで、組成物は、多官能アクリルモノマー(トリメチロールプロパンプロピレートトリアクリレート)、脂肪族ウレタンアクリレート、及び、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニル−エタン−1−オン(光開始剤として利用される)の組み合わせであった。揺変剤として、煙霧シリカを、約1.04g/cmの密度を得るように組成物に加えた。本明細書に用いられる場合、数字と組み合わせた用語「約」は、包括的に、10%の絶対偏差により定義された数字の範囲を指す。例えば、用語「約10g」は、包括的に、9〜11の範囲を指す。一般に好ましいのは、重合可能な組成物が、約1.01〜1.09g/cm、最も好ましくは、1.03〜1.05g/cmの密度を有することである。反対の意図が文脈から明らかではない場合、本明細書で唱えられる全範囲は、それらの終点を含み、開放端の範囲は、商業上の実用値のみを含むと解釈されるべきである。そのようなポリマー組成物は、余分な散熱を生成することなく(例えば、管内の流体の温度を5℃以上に上昇させることなく)、10秒未満のUV照射後にショアA尺で10を超える硬さに硬化することを含む、数多くの望ましい特性を示した。更に、そのような組成物は、揺変性、流動性であり、細胞欠乏相から細胞含有相を分離するように、管の内壁に耐流体封止を形成した。従って、好ましい組成物は、一般に、細胞欠乏相と細胞濃縮相との間に重合可能な組成物を適切に配置することを可能にする流れ特性及び濃度を有し、それは、細胞捕捉及び収縮が低いことと、散熱が低いか又は全くないこととを示す。更に、好ましい組成物により、組成物を著しい程度に硬化させる(例えば、30%を超えて、又は、40%を超えて硬化させる)ことなく、減菌(例えば、ガンマ線又は束)が可能になる。
【0017】
当然、数多くの代わりの重合化組成物も、本明細書での利用に適していると見なされると理解されるべきである。更に好ましくは、重合可能な組成物は、通常、5分未満の硬化時間を必要とし、ショアA尺で少なくとも10の硬度への速やかな光重合化を可能にする組成物を含み得る。そのような重合可能な組成物は、同種であってもよく(即ち、単部類の物質[例えば、アクリレート、メタクリレート等]を含んでもよく)、異種であってもよい(即ち、複数の部類の物質[例えば、アクリレートとエポキシ]を含んでもよい)。例えば、特に好ましい重合可能な組成物は、(最も好ましくは、UV照射/硬化により)アクリレートポリマー、メタクリレートポリマー、エポキシポリマー、ポリウレタン、チオール−エンポリマー、及びそれらの合理的な全ての組み合わせに重合可能である組成物を含み得る。
【0018】
例えば、アクリレートポリマー及び/又はメタクリレートポリマーを形成するために、重合可能な組成物が利用される場合、適切な組成物として、好ましくは、1つ以上、通常、少なくとも2つの官能アクリル基を含み得る脂肪族及び芳香族アクリレート類及びメタクリレート類が挙げられる(最も好ましくは、全ての物質は、少なくともある程度可溶性である)。適切な物質の以下の列挙では、各々のアクリレート内に追加のメチル基を表示するために、用語アクリレートは、用語メタクリレートにも入れ替えられ得ることに留意するべきである。他の適切な選択の中では、適切なアクリレート類として、単官能アクリレート類、二官能アクリレート類、三官能アクリレート類、四官能アクリレート類及び高次のアクリレートが挙げられ得る。
【0019】
適切な単官能アクリレート類として、オキシエチル化フェノールアクリレート、単官能エポキシアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ウレタンモノアクリレート、イソブチルアクリレート(三環式アクリレート)、トリメチロールプロパンアクリレート、オクチル/デシルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート(又は、他のアリールオキシアルキルアクリレート類)、置換シクロアルキル(メタ)アクリレート(例えば、3,3,5トリメチルシクロヘキシルメタクリレート)、アルコキシル化フェノールアクリレート、及びアルキルメタクリレートが挙げられる。
【0020】
本明細書で考慮される二官能アクリレート類として、アルファ−オメガ−アルカンジオールジアクリレート類、アルコキシル化脂肪族ジアクリレート類、アルコキシル化ヘキサンジオールジアクリレート、ジ/トリ/ポリアルキレングリコールジアクリレート類、ジ/トリ/ポリアルキレングリコールジアクリレート類、アルコキシル化ビスフェノールAジアクリレート類、トリシクロデカンジオールジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、ビスフェノールA誘導体化ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、及びトリプロピレングリコールジアクリレートが挙げられる。他方では、適切な三官能アクリレート類として、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、アクリル化グリセロール、トリメチロールプロパントリアクリレート、アルコキシル化(及び、特にエトキシ化又はプロポキシル化)トリメチロールプロパントリアクリレート、及びトリメチロールプロパントリアクリレートが挙げられる。
【0021】
四官能及び高次のアクリレート類として、一般に、ポリエーテルテトラアクリレート類、ポリエステルアクリレート類、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート、ペンタアクリレートエステル類、及びエトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート類が挙げられる。特に、適切なオリゴマー性及びポリマー性アクリレート類として、エポキシアクリレート類、アクリルアクリレート類、脂肪族ウレタンアクリレート類、ポリエーテルアクリレート類、ポリエステルアクリレート類、アクリル酸エステル類、及び脂肪族ウレタンアクリレート類が挙げられる。
【0022】
重合可能な組成物を利用してエポキシポリマーを形成する別の実施例では、適切な組成物として、通常、エピクロロヒドリンと多価化合物(例えば、ビスフェノール)の組み合わせ、及び/又は、1つのエポキシ基、より一般的には、少なくとも2つのエポキシ基を含む1つ以上の化合物が挙げられる。従って、適切な化合物として、1つ以上のエポキシ基含む単量体型、二量体型、オリゴマー性又はポリマー性エポキシ材料が挙げられる。これらの化合物に加えて、所望のポリマー材料の特性を更に変更するために、1つ以上の反応性希釈剤が含まれ得る。例えば、ビスフェノール−A(4,4’−イソプロピリデンジフェノール)とエピクロロヒドリンの反応から、エピクロロヒドリンと低分子量フェノール−ホルムアルデヒド樹脂類の反応により生じるそれらの樹脂類は、単独で、又は、反応性希釈剤としてのエポキシ含有化合物と組み合わせて利用され得る。適切な希釈剤として、フェノールグリシジルエーテル、4−ビニルクロロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、1,2−シクロヘキセンオキシド、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、酸化スチレン、アリールグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0023】
更に、考慮される組成物は、末端及び/又は吊下エポキシ基を含むポリマー材料を更に含み得ると認識されるべきである。これらの材料の実施例は、共重合体の1つとしてグリシジルアクリレート又はメタクリレートを含むビニル共重合体である。(好ましくは、UVを利用しての)硬化に適したポリマーを含む他の部類のエポキシは、通常、末端にエポキシ官能基を含む、エポキシシロキサン樹脂類、エポキシポリウレタン類及びエポキシポリエステル類である。エポキシシロキサン樹脂類及び作製方法は、より具体的には、E.P.プルーデマン及びG.フランガー、アメリカ化学会誌、第8巻、632−5頁(1959年)により示される。文献に記載されるように、エポキシ樹脂類は、その上、米国特許第2,935,488号、第3,235,620号、第3,369,055号、第3,379,653号、第3,398,211号、第3,403,199号、第3,563,850号、第3,567,797号、第3,677,995号等に示されるような、アミン類、カルボン酸類、チオール類、アルコール類等との反応等の複数の標準的方法で改質され得る。利用され得るエポキシ樹脂類の他の実施例は、高分子化学及び技術辞典、第6巻、1967年、インターサイエンス出版、ニューヨーク、209〜271頁に示される。
【0024】
重合可能な組成物を利用してウレタンポリマー(ポリウレタン)を形成する別の実施例では、適切な組成物として、通常、例えば、触媒存在下で、少なくとも2つのイソシアネート基を含む化合物を、少なくとも2つのアルコール基を含む別の化合物と反応させることにより(例えば、ポリイソシアネート類とヒドロキシル基含有ポリエステルの反応により)ウレタン結合の形成を可能にする組成物が含まれ得る。
【0025】
適切なイソシアン酸塩類に関して、一般に好ましいのは、イソシアン酸塩が、少なくとも2つのイソシアネート基を含み、そのような化合物を利用して、3つ以上のイソシアネート官能基を有するポリマー性イソシアン酸塩類を形成し得ることである。最も好ましくは、イソシアン酸類は、芳香族イソシアン酸塩類(例えば、ジイソシアン酸ジフェニルメタン、ジイソシアン酸トルエン等)であるが、脂肪族イソシアン酸塩類(例えば、ジイソシアン酸ヘキサメチレン、ジイソシアン酸イソホロン等)も本明細書で明確に考慮される。脂肪族及びシクロ脂肪族イソシアン酸塩類は、芳香族結合イソシアネート基と比べて脂肪族イソシアネート基が還元反応性を有するために、あまり好まれないことに留意するべきである。更に別の考慮されるイソシアネート類として、ポリマー性イソシアネート類(例えば、ジイソシアン酸ジフェニルメタン)が挙げられる。イソシアン酸塩類は、プレポリマー(即ち、ヒドロキシル基とイソシアネート基の化学量論比が、2:1に等しい)又は準プレポリマー(即ち、ヒドロキシル基とイソシアネート基の化学量論比が、2:1によりも大きい)を形成するように、ポリオールとの部分反応によっても調製され得ることに留意するべきである。
【0026】
適切なポリオールに関して、ポリオールは、少なくともジオールであり、より一般的には、トリオールであり、最も一般的にはポリオールであると考えられる。短鎖又は低分子量の多価化合物として、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、グリセロール、及びトリメチロールプロパンが挙げられる。長鎖又は高分子量の多価化合物として、ポリエチレンポリオール類及びポリエステルポリオール類が挙げられる。例えば、軟質ポリオール類は、分子量が2,000〜10,000であるに対し、硬質ポリマー類は、分子量が250〜700である。分子量が700〜2,000のポリオール類は、多くの場合、ポリマー系に剛性又は柔軟性を加えるのに適している。他の適切なポリオール類の中で、特に好ましいポリオール類として、ポリエーテルポリオール類及びポリエステルポリオール類が挙げられる。
【0027】
適切なポリエーテルポリオール類として、好ましくは、あまり硬くない障壁層に対しては、ジプロピレングリコール又はグリセロールが、より硬い障壁層に対しては、マンニッヒ塩基が挙げられ得る。次に、所望の分子量を得るために、プロピレンオキシドが加えられ得る。プロピレンオキシドで延長されるポリオール類は、第二級ヒドロキシ基で終える。ポリオールの相溶性、流動学的特性、及び反応性を変えるために、共反応物としてエチレンオキシドを利用して、無作為の又は混合のブロック異種ポリマーを生成する。適切なポリエステルポリオールは、二酸類とグリコール(例えば、アジピン酸と1,4−ブタンジオール)の直接ポリエステル化により、又は、再生未処理材料を利用することにより、通常、様々なグリコール類(例えば、ジエチレングリコール)と、再生ポリ(エチレンテレフタレート)又はジメチルテレフタレートのエステル交換反応を通じて作製され得る。更に他の考慮されるポリオール類として、ポリカーボネートポリオール類、ポリカプロラクトンポリオール類、ポリブタジエンポリオール類及びポリスルフィドポリオール類が挙げられる。
【0028】
ポリウレタンを変更する追加の成分として、延長剤として利用され得る鎖状の2次及び高次のポリオール類が挙げられ、一般に、アルキレングリコール類(例えば、ジエチレン、メチレン等)、アルファ−オメガ−アルカンジオール類(例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール等)、ジメタノールアミン、フェニルジエタノールアミン等が挙げられる。ポリウレタン類に対して更に他の考慮される化合物は、米国特許第6,747,088号に見出される。
【0029】
更に、ポリウレタン形成に適した全ての触媒が利用され得、全ての周知の触媒が、本明細書で利用するのに適切であると見なされると考えられる。他の部類の中で、好ましい触媒として、アミン化合物及び有機金属錯体が挙げられる。例えば、アミン触媒として、第三級アミン類(例えば、トリエチレンジアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、及びジメチルエタノールアミン)が挙げられ得る。有機金属触媒は、水銀、鉛、錫(ジラウリン酸ジブチル錫)、ビスマス(オクタン酸ビスマス)、及び亜鉛に基づき得る。
【0030】
重合可能な組成物を利用してチオール−エンポリマーを形成する更に別のジアクリレートでは、適切な組成物として、一般に、硬化可能な混合物を形成するためのポリチオール化合物及びポリビニル(「−エン」)化合物が挙げられ得る。チオール類及びビニル官能基に加えて、追加の所望の特性を整える及び/又は与えるための他の官能基が与えられ得る。従って、適切なチオール化合物として、脂肪族(ポリ)チオール類、芳香族(ポリ)チオール類、及びポリマー性(チオール類)が挙げられる。
【0031】
例えば、脂肪族及びシクロ脂肪族ジチオール類の適切な実施例として、1,2−エタンジチオール、ブタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、ジチオエリトリトール、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール、1,8−オクタンジチオールヘキサンジチオール、ジチオジグリコール、ペンタンジチオール、デカンジチオール、2−メチル−1,4−ブタンジチオール、ビス−メルカプトエチルフェニルメタン、1,9−ノナンジチオール(1,9−ジメルカプトノナン)、グリコールジメルカプトアセテート、3−メルカプト−β,4−ジメチル−シクロヘキサンエタンチオール、シクロヘキサンジメタンジチオール、及び3,7−ジチア−1,9−ノナンジチオールが挙げられる。
【0032】
芳香族ジチオール類の適切な実施例として、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、2,4,6−トリメチル−1,3−ベンゼンジメタンチオール、デュレン−α1,α2−ジチオール、3,4−ジメルカプトトルエン、4−メチル−1,2−ベンゼンジチオール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾ−ル、4,4’−チオビスベンゼンジチオール、ビス(4−メルカプトフェニル)−2,2’−プロパン(ビスフェノールジチオール)(メング.Y.Z.、ハイ.A.S.、応用高分子科学会誌、第74巻、3069−307頁、1999年の方法に従って作製される)、[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジチオール、及びp−キシレン−α、α−ジチオールが挙げられる。他方では、オリゴマー性ジチオール類の適切な実施例として、ヒドロキシエチルメルカプタン、ヒドロキシプロピルメルカプタン、ジメルカプトプロパン、及びジメルカプトエタンの封端部分から誘導される二官能メルカプト機能性ウレタンオリゴマーが挙げられる。
【0033】
適切なトリチオール機能性化合物の実施例として、トリメチロールエタントリス−メルカプトプロピネート、トリメチロールプロパン、トリス−メルカプトプロピネート、トリメチロールエタントリスメルカプトアセテート、及びトリメチロールプロパントリスメルカプトアセテートグリセロールトリ(11−メルカプトウンデケート)、トリメチロールプロパントリ(11−メルカプトウンデケート)が挙げられる。好ましいトリチオールは、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトウンデケート)であり、適切な四官能チオール類の実施例として、ペンタエリトリトールテトラメルカプトプロピネート、ペンタエリトリトールテトラメルカプトアセテート、及びペンタエリトリトールテトラ(11−メルカプトウンデケート)が挙げられる。
【0034】
多官能チオール類は、高官能アルコールとチオアルキルカルボン酸類(例えば、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸等)を反応させることにより得ることができる。更に、多官能チオール類は、ポリマー性又はシリカ系シラノール類であり得るシラノール類とメルカプトアルキルトリアルコキシシラン類を反応させることにより得ることができる。更に他の考慮される多官能チオール類は、多官能である反応性エン類、アルコール類、チオール類又はアミン類とカルボン酸基が反応する、チオールカルボン酸類を利用することにより得ることができる。多官能チオール類の考慮される実施例は、PCT出願第88/02902号に記載される。従って、他の適切な選択の中では、ポリチオール類の実施例として、エチレングリコールビス(チオグリコレート)、エチレングリコールビス(β−メルカプトプロピネート)、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリス(β−メルカプトプロピネート)、ペンタエリトリトールテトラキス(β−メルカプトプロピネート)が挙げられ、それらの全ては、市販されている。更に、考慮されるポリチオール類として、ポリプロピレン−エーテルグリコールとβ−メルカプトプロピオン酸から、エステル化により調製されるポリプロピレンエーテルグリコールビス(β−メルカプトプロピオネート)が挙げられる。
【0035】
ポリビニル又はビニル化合物に関して、1つ以上のビニル官能基を有する全ての化合物が、本明細書に表される教示内容との組み合わせに適していると理解されるべきである。従って、一般に好ましいのは、ポリビニル又はビニル化合物が、少なくとも2つの、より好ましくは、少なくとも3つのビニル基を有することである。適切な化合物の実施例として、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリトリトールトリアリールエーテル、及び1,3,5−トリアリール−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン、同様に、単環、多環、又は融合多環構造を有する(任意選択で、1つ以上の異種原子を含む)シクロアルケニル類が挙げられる。多環エン類の実施例は、PCT出願第88/02902号に記載される。
【0036】
硬化反応中に形成されるポリマーの種類に関わらず、架橋する及び/又は所望の機能性を与えるための追加の反応基が含まれてよく、特に考慮される反応基として、酸性基(及び、最も好ましくは、モノカルボキシル基及びジカルボキシル基)、塩基性基(例えば、第四アンモニア基、アンモニウム基等)、共役ジエン基、芳香族ビニル基等が挙げられると理解されるべきである。更に、そのような追加の塩基は、ポリマーの末端に、及び/又は、吊下基として結合され得ると理解されるべきである。更に、所望の生体反応目的を達成するために、重合可能な組成物が、様々な材料及び/又は薬剤を含み得ると考えられる。例えば、本明細書に表される重合可能な組成物として、EDTA、ヘパリン、クエン酸、ブドウ糖、任意選択でレクチン又は抗体で覆われた固相等が挙げられ得る。
【0037】
更に、一般に好ましいのは、考慮される組成物は、前記組成物が遠心分離に曝されている間に組成物に流動性を与えるために、任意選択で、1つ以上の揺変剤を含むことであり、他方では、全ての周知の揺変性添加物は、本明細書での利用に適していると見なされる。しかしながら、特に好ましい揺変性添加物として、米国特許第5,120,775号に記載されるような、煙霧シリカ、微細化珪酸カルシウム水和物結晶及び関連する化合物、米国特許第4,190,535号に記載されるような、ジエチルポリシロキサンから調製される組成物及び沈殿メチル化シリカ、及び、米国特許第4,957,638号に記載されるような、シリコン油、ブタジエン樹脂、ポリエステル樹脂、又はブタノール樹脂から形成されるゲル類が挙げられる。望まれる場合、表面特性を調節して、重合可能な組成物の特定の要求に適応させることができる。例えば、1つ以上の薬剤を利用して(例えば、親油性又は親水性有機シラン類又は有機シロキサン類を利用して)、添加物の疎水性を増加又は減少させてもよく、及び/又は、添加物ポリマー成分の共有結合を可能にするように、1つ以上の種類の反応基を導入してもよい。更に、揺変性添加物により、有利には、重合可能な組成物は、流体試料(通常、血液)と組み合わせる及び/又は遠心分離する前に、ゲル状態に留まることができることに留意するべきである。従って、考慮される重合可能な組成物は、採集管の底に留まることができ、管が反転位置又は傾斜位置にある場合でさえ、管から又は管上部近くの位置に流れ出ない。次に、重合可能な組成物は、遠心分離した後、適切な位置に流れる。
【0038】
結果として、特定の重合可能な組成物に応じて、最終分離ポリマーへの重合化機構は、かなり変化し得ると認識されるべきである。従って、重合化の全ての周知の機構は、本明細書での利用に適していると見なされる。例えば、考慮される重合化機構として、(例えば、感光性化合物、ラジカル開始剤等を利用した)ラジカル性及び陽イオン性重合化、縮合重合化、エステル化、アミド形成等が挙げられる。
【0039】
適切なエネルギー源に関して、一般に好ましいのは、エネルギー源が、微粒子ではないエネルギー、より好ましくは、電磁放射、最も好ましくは、UV照射(例えば、250nm〜400nmの範囲)を与えることである。しかしながら、マイクロ波照射、可視光での照射、赤外線照射、無線周波数照射、及びイオン(例えば、ベータ線又はガンマ線)照射を含む他の照射も適切であると見なされることに留意する。照射は、通常、管の壁を通じて送達されるが、重合可能な組成物への直接的光ファイバ送達も適している。例えば、採血管は、回転子内で、又は、専用ラック内で遠心分離した後に照射され得る。
【0040】
重合可能な組成物及び反応の種類に応じて、全ての周知の光開始剤が適切であると見なされることに留意する。しかしながら、特に好ましい光開始剤として、有機オニウム塩類として、特に芳香族スルホニウム塩類(例えば、フェナシルスルホニウム塩類、ヒドロキシフェニルスルホニウム塩類、スルホニウム塩類、及び/又は増感剤により活性化される塩類)として分類され得る薬剤が挙げられる。更に他の好ましい光開始剤として、有機アルミニウム含有化合物の存在下、UV照射でシラノールを作り出す有機シリコン含有化合物が挙げられる。加えて、考慮される光開始剤として、(a)ホスフィンオキシド光開始剤(例えば、2,4,6−トリメチルベンジル−ジフェニル−フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンティルホスフィンオキシド)、(b)ケトン系光開始剤(例えば、ヒドロキシ及びアルコキシアルキルフェニルケトン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−4’−モルホリノブチロフェノン、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、ベンゾフェノン、トリメチルベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、1−ヒドロシキシクロヘキシルフェニルケトン、イソプロピルチオキサントン、2,2−ジメチル−2−ヒドロキシ−アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、及びチオアルキルフェニルモルホリノアルキルケトン類)、及びベンゾインエーテル光開始剤(例えば、ベンゾインイソプロピルエーテル等)が挙げられる。
【0041】
硬化時間に関して、硬化時間は、重合可能な組成物の特定の組成物、反応条件、及び光開始剤及び/又は光阻害剤の量に依存すると理解されるべきである。しかしながら、一般に好ましいのは、硬化時間が、10分未満に、より好ましくは5分未満に、最も好ましくは1分未満に(例えば、30秒未満、20秒未満等に)調節されることである。本明細書で用いられる用語「硬化時間」は、照射後60分で計測して(或いはその逆で、重合化の開始又は促進時に)、少なくとも85%の硬さを得るのに必要な時間を指す。当然、ポリマーを所望の硬さで得るために、所望の硬化時間は、適切な光開始剤、照射条件、及び任意選択で光り阻害剤を含むことにより調節され得ると理解されるべきである。
【0042】
硬さは、ショア硬度尺のうちの1つを含むいずれかの適切な硬度尺を利用して計測された。ショア00硬度尺を利用して、ゲル又は発泡体を含む軟質物質の硬さを計測した。ショアA硬度尺を利用して、ゴム類を含む、中間の硬さを有する物質の硬さを計測する。ショアD硬度尺を利用して、プラスチック類を含む硬質物質の硬さを計測する。先のショア硬度尺が異なる様々な物質に利用されるが、尺は、全て、それらの範囲の低端で重なる。従って、ショアDでの10の値は、ショアAでの10の値よりも硬く、前記ショアAでの10の値は、ショア00尺での10の値よりも硬い。重合可能な組成物の重合化により形成される分離物質は、好ましくは、ショア00硬度尺で少なくとも1に、より好ましくは、ショアA尺での少なくとも10に、最も好ましくは、ショアD尺での少なくとも10に硬くなるように調合される。硬化ポリマーの硬さに関して、一般に好ましいのは、硬化ポリマーが、ショア00で、より一般的には、ショアAで、最も一般的には、ショアD尺で、少なくとも10の硬さを有することである。
【0043】
既に記載されたもの以外に多くの更なる変更が、本明細書での本発明の概念から逸脱することなく可能であると当業者に明らかになるべきである。従って、本発目の内容は、付属の請求項の趣旨中を除いて制限されない。更に、本明細書及び本請求項の両方を解釈する際に、全ての用語は、文脈と矛盾することなく、可能な限り最も広く解釈されるべきである。特に、用語「含む」及び「含んでいる」は、他を排することなく、要素、成分、又は工程を指すように解釈されるべきであり、参照された要素、成分、又は工程が、表出して述べられていない他の要素、成分、又は工程と存在し、若しくは、利用され、若しくは、結合され得ることを示す。明細書の請求項は、A、B、C...及びNから成る群から選択されるあるものの少なくとも1つを指す場合、本文は、A足すN、又はB足すN等ではなく、群からの1つの要素のみを必要とするものとして解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全血を細胞欠乏相と細胞濃縮相に分離するための採血管であって、前記採血管は、重合可能な組成物を含み、前記重合可能な組成物は、遠心力下で、前記細胞欠乏相と前記細胞濃縮相との間の位置へ前記組成物が沈降を可能にするのに有効な既定の濃度及び流動性を有し、前記重合可能な組成物は、前記流動性を失うことなく減菌を可能にし、UV硬化を可能にするのに有効な組成物を有する、採血管。
【請求項2】
前記濃度が1.02〜1.06g/cmである、請求項1に記載の採集管。
【請求項3】
前記重合可能な組成物が、UV硬化により、アクリレートポリマー、メタクリレートポリマー、エポキシポリマー、ポリウレタン、及びチオール−エンポリマーから成る群から選択されるポリマーに重合可能である、請求項1に記載の採集管。
【請求項4】
前記重合化脳名組成物が、単官能アクリレート、二官能アクリレート、三官能アクリレート、四官能アクリレート、及びオリゴマーを含むアクリレートから成る群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項3に記載の採集管。
【請求項5】
前記重合可能な組成物が、単官能メタクリレート、二官能メタクリレート、三官能メタクリレート、四官能メタクリレート、及びオリゴマーを含むメタクリレートから成る群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項3に記載の採集管。
【請求項6】
前記重合可能な組成物が、末端エポキシ基を含むポリマー、吊下エポキシ基を含むポリマー、エポキシシロキサン樹脂、エポキシポリウレタン、エポキシポリエステル類、エピクロロヒドリン、多価ジオール、及び多価ポリオールを含む、請求項3に記載の採集管。
【請求項7】
前記重合可能な組成物が、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、末端又は吊下イソシアネート基を含むポリマー、少なくとも2つのヒドロキシ基を含むポリマー、多価ジオール、多価ポリオールを含む、請求項3に記載の採集管。
【請求項8】
前記重合可能な組成物が、脂肪族単量体のポリチオール、脂肪族ジチオール、シクロ脂肪族ジチオール、芳香族ジチオール、ポリマー性ポリチオール、アクリレート、メタクリレート、アルケニル、及びシクロアルケニルを含む、請求項3に記載の採集管。
【請求項9】
前記組成物が、光開始剤及び任意選択の光阻害剤を更に含む、請求項1に記載の採集管。
【請求項10】
前記光開始剤が、ホスフィンオキシド光開始剤、ケトン系光開始剤、及びベンゾインエーテル光開始剤から成る群から選択される、請求項9の採集管。
【請求項11】
前記減菌が、ガンマ線照射である、請求項1に記載の採集管。
【請求項12】
前記重合可能な組成物がシリカを更に含む、請求項1に記載の採集管。
【請求項13】
前記重合可能な組成物が、細胞を実質的に捕捉することなく硬化を可能にするのに有効な組成物を有する、請求項1に記載の採集管。
【請求項14】
前記重合可能な組成物が、ショアA硬度尺で少なくとも10の硬さへのUV硬化を可能にするのに有効な組成物を有する、請求項1に記載の採集管。
【請求項15】
前記硬さが、20秒未満の期間にわたる照射により得られる、請求項1に記載の採集管。
【請求項16】
前記重合可能な組成物が、前記組成物と前記採集管の内壁との間に耐流体障壁を形成するのに有効な組成物を有する、請求項1に記載の採集管。
【請求項17】
採血管内の全血を細胞欠乏相と細胞濃縮相に分離するのを補助する方法であって、前記採集管に重合可能な組成物を加える工程であって、前記重合可能な組成物は、前記細胞欠乏相と前記細胞濃縮相との間の位置へ前記組成物が沈降するのを可能にするのに有効な既定の密度及び流動性を有する、工程と、採集管を減菌し、任意選択で前記採集管を移動させる工程と、遠心分離後に30秒未満にわたりUV照射を利用し、前記重合可能な組成物を、ショアA硬度尺で少なくとも10の硬さに硬化させる指示を与える工程とを含む、方法。
【請求項18】
前記重合可能な組成物が、UV硬化により、アクリレートポリマー、メタクリレートポリマー、エポキシポリマー、ポリウレタン、及びチオール−エンポリマーから成る群から選択されるポリマーに重合可能である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記組成物が、光開始剤及び任意選択の光阻害剤を更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
UV照射が、遠心分離器の回転子内で実行される、請求項17に記載の方法。

【公表番号】特表2012−511727(P2012−511727A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540783(P2011−540783)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/066416
【国際公開番号】WO2010/077534
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(511140389)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (1)
【出願人】(511140390)ザ ユニバーシティ オブ メリーランド (2)
【Fターム(参考)】