説明

液体の電気的特性を検出するためのセンサ装置

【課題】燃焼室内に噴射される燃料混合物の電気的特性をより正確に検出することができるような、液体の電気的特性を検出するためのセンサ装置を提供する。
【解決手段】液体、特に高圧下にある液体の電気的特性を検出するためのセンサ装置であって、圧力密なケーシング(2,3)が設けられており、該ケーシングの中空室(6)は、開口(10)を介して高圧導管(19)に接続可能であり、中空室(6)内に配置された電気的な特性のためのセンサ(8,9)と、ケーシング(2,3)の外面(15)に設けられたコンタクトをセンサ(8,9)に電気的に接続するガラス貫通案内部(12)とが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体、特に高圧下にある液体の電気的特性を検出するためのセンサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関のための燃料は混合することができ、例えばディーゼルとエタノールから成っている。最良の燃焼及び出力のために、燃料の組成が検出される。
【0003】
電気的な特性、例えば誘電率、導電率は、個々の燃料特有のものである。電気的な特性の検出に基づき、結果として、燃料の混合比を推測することができる。
【0004】
電気的な特性を検出するためのセンサは貯蔵容器、例えばタンクに配置される。燃料は、部分的に分離することがあるので、燃焼室内に噴射される燃料混合物は、センサに接する燃料混合物とは異なることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
燃焼室内に噴射される燃料混合物の電気的特性をより正確に検出することができるような、液体の電気的特性を検出するためのセンサ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するために本発明の構成では、液体、特に高圧下にある液体の電気的特性を検出するためのセンサ装置であって、圧力密なケーシングが設けられており、該ケーシングの中空室は、開口を介して高圧導管に接続可能であり、中空室内に配置された電気的な特性のためのセンサと、ケーシングの外面に設けられたコンタクトをセンサに電気的に接続するガラス貫通案内部とが設けられているようにした。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の特徴を備えた本発明によるセンサ装置は、噴射ノズルの噴射導管に配置することができる。噴射ノズルのすぐ近傍にセンサを配置することにより、噴射される燃料の組成と検査する燃料の組成とが一致することが保証される。
【0008】
本発明による、液体の電気的特性を検出ためのセンサ装置は、圧力密なケーシングを有しており、該ケーシングの中空室は開口を介して高圧導管に接続可能であって、また、本発明によるセンサ装置は、前記中空室内に配置された電気的な特性のためのセンサと、ケーシングの外面に設けられたコンタクトをセンサに電気的に接続するガラス貫通案内部とを有している。
【0009】
ガラス貫通案内部により、高圧下の液体が存在する領域にセンサを組み込むことができる。ガラス貫通案内部は、センサの内側に位置する領域に電気的にコンタクトすることができ、同時にシールされているので、燃料は流出できない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】センサを横断面で示した図である。
【図2】図1のI−I線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に図面につき本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0012】
図1にはセンサ1の例が横断面図で示されている。図2には、図1のI−I線に沿った断面図が示されている。
【0013】
センサ1のケーシングは2つの半シェル2,3から成っている。
【0014】
第1の半シェル2は、凹部4を有しており、この凹部には高圧センサ5が配置されている。高圧センサ5は例えばピエゾ作動式のエレメントを有していて良い。
【0015】
第2の半シェル3は、図示したように、第1の半シェル2を取り囲んでいる。両半シェル2,3は形状接続的に形成することができ、これにより、圧力密な中空室6が両半シェル2,3によって規定される。両半シェル2,3の材料接続的な結合は溶接によって行うことができる。
【0016】
第2の半シェル3には開口10が設けられており、該開口10を介して液体が中空室6と凹部4内に流入することができる。液体は高圧下にあって良く、例えば100bar以上、又は1000bar以上でさえあっても良い。センサ1は特に、燃料噴射装置の流入導管19のために適している。センサ1は、噴射システムにおいて、圧力を高めるエレメント、例えばポンプの後方に配置される。
【0017】
第2の半シェル3の、内側に位置する、即ち、中空室6内に位置する面7には、電気的な導体路8,9が設けられている。図2には導体路8,9が円形のエレメントとして示されている。選択的には導体路は、互いに内外に入り込むコーム型の構造として形成されても良い。少なくとも2つの導体路8,9は、互いに電気的に絶縁されて配置されている。このような装置は、中空室6内の液体の電気的な特性を、又は導電率を検出するために使用することができる。
【0018】
導体路8,9の電気的な接続はコンタクト11を介して行われる。
【0019】
第1の半シェル2の、第2の半シェル3とは反対側の外面15には、外側コンタクト16が配置されている。外側コンタクト16は、例えば、外部のボンディングワイヤ17によるセンサ1のコンタクトのために働き、センサ信号の評価装置への電気的な接続部を形成している。
【0020】
第1の半シェル2には、電気的なコアを有したガラス貫通案内部12が壁13に配置されている。図示の例では、ガラス貫通案内部12は、第1の半シェル2の全寸法にわたって、第2の半シェル3とは反対側の外面15から、第2の半シェル3に面した面18にまで延びている。ガラス貫通案内部12は全長にわたって、第1の半シェル2の壁に埋め込まれている。ガラス貫通案内部12の長さは、直径の少なくとも5倍であって良い。ガラス貫通案内部12若しくはそのコアは、外側コンタクト16に電気的に接続されている。
【0021】
ガラス貫通案内部12若しくはそのコアと、導体路8,9のコンタクト11との間の電気的な接続はプレス結合によって行われる。導体路8,9のコンタクト11はこのために導電的な隆起部を有していて良い。導電的な隆起部は弾性的に形成することができる。
【0022】
電気的な特性のためのセンサの他に、温度センサを中空室内に配置することができる。温度センサは局所的な温度を検出する。温度センサのコンタクトは、別のガラス貫通案内部によって行うことができる。評価装置は、測定された実際の温度に基づき、電気的な特性を、その温度依存性を考慮しながら評価することができる。
【符号の説明】
【0023】
1 センサ、 2 第1の半シェル、 3 第2の半シェル、 4 凹部、 5 高圧センサ、 6 中空室、 7 面、 8,9 導体路、 10 開口、 11 コンタクト、 12 ガラス貫通案内部、 13 壁、 15 外面、 16 外側コンタクト、 17 ボンディングワイヤ、 18 面、 19 高圧導管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体、特に高圧下にある液体の電気的特性を検出するためのセンサ装置であって、
圧力密なケーシング(2,3)が設けられており、該ケーシングの中空室(6)は、開口(10)を介して高圧導管(19)に接続可能であり、
中空室(6)内に配置された電気的な特性のためのセンサ(8,9)と、ケーシング(2,3)の外面(15)に設けられたコンタクトをセンサ(8,9)に電気的に接続するガラス貫通案内部(12)とが設けられていることを特徴とする、液体の電気的な特性を検出するためのセンサ装置。
【請求項2】
高圧センサ(5)が中空室(6)内に配置されている、請求項1記載のセンサ装置。
【請求項3】
電気的な特性のためのセンサ(1)が、液体の電気的な特性及び/又は導電性を検出するための、中空室(6)の内壁(7)に取り付けられた露出した導体路(8,9)により形成されている、請求項1又は2記載のセンサ装置。
【請求項4】
ガラス貫通案内部(12)の長さが、ガラス貫通案内部(12)の直径よりも少なくとも5倍大きい、請求項1から3までのいずれか1項記載のセンサ装置。
【請求項5】
ケーシング(2,3)が、第1のシェル(2)と第2のシェル(3)とから成っており、電気的な特性のためのセンサ(1)が第2のシェル(3)の内面(7)に配置されていて、ガラス貫通案内部(12)は第1のシェル(2)を貫通してガイドされている、請求項1から4までのいずれか1項記載のセンサ装置。
【請求項6】
電気的な特性のためのセンサ(1)のコンタクト面(11)が、ガラス貫通案内部(12)に押し付けられている、請求項5記載のセンサ装置。
【請求項7】
両シェル(2,3)は形状接続的に形成されている、請求項5又は6記載のセンサ装置。
【請求項8】
両シェル(2,3)が互いに溶接されている、請求項5から7までのいずれか1項記載のセンサ装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−91566(P2010−91566A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−234183(P2009−234183)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】