説明

液体クロマトグラフィにおけるサンプル注入のための方法および装置

【課題】クロマトグラフィカラムの効率および耐用年数を劣化させる可能性がある圧力または流量の破壊的な過渡現象を実質上除去するための方法および装置を提供する。
【解決手段】複数のステータポートを有し、ステータポートのうちの少なくとも1つがポンプと流体的に連通しているステータ、およびステータと回転自在に当接するロータであって、ロータが、ステータポートのうちの少なくとも2つを流体的に接続する複数のチャネルを備え、少なくとも1つのチャネルが、バルブ移行中、ポンプからカラムへの連続的な流路を維持するために十分な長さを有するロータを備える、ロータリシェアシール注入バルブ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2005年1月31日に提出された米国特許仮出願第60/648,540号(代理人整理番号19921/80)に対する優先権を主張する。前述の出願のそれぞれの内容が、ここで特にその全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、高圧液体クロマトグラフィ、特に、高圧液体クロマトグラフィシステムによる分析のためのサンプルを導入するために使用されるサンプル注入サブシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
高圧液体クロマトグラフィ(「HPLC」)分析システム内へのサンプルの導入は、移動相移送ポンプの下流かつ分析カラムの上流の、HPLCシステム流体回路内に介在されるサンプルインジェクタと称される装置の動作を通じて通常行われている。この構成は、分析カラムのヘッドすなわち取入端部へのサンプルの実質上直接の導入を達成する。この単純な構成の変形形態は、当技術分野で知られており、例は、サンプルインジェクタが、補助ポンプと専用のサンプル捕捉カラムの間に存在でき、かつサンプル捕捉流体回路が、トラップ装填区間中、分析カラム流体回路から隔離される「サンプル捕捉」構成である。トラップ装填プロセスが完了すると、捕捉カラムが次に、1つまたは複数の切替バルブの動作によって分析カラム流体回路へ切り替えられる。切替ステップに続いて、サンプルが、分析移動相によって捕捉カラムから分析カラム上へ溶出され、それによって、実質上直接導入モードとして分析カラム上の検体分離が行われることを可能にする。サンプル捕捉移動相が、当技術分野で知られているように、分析移動相と成分および流量で区別するために選択されてもよい。同様に、サンプル捕捉カラムで使用される固定相が、これも当技術分野で知られているように、分析カラム内で使用されるものと区別するために選択されてもよい。
【0004】
いずれの場合でも、サンプルインジェクタの通常動作は、大気圧と実質上等しい圧力で最初に存在するある液体容積を、流れている、比較的高い圧力で、かつ通常数千ポンドフォース毎平方インチ(PSI)(数十メガパスカル(MPa))の範囲である移動相流内に導入させる。導入される液体容積は通常、1つまたは複数のサンプル検体がその中に溶解されるサンプル溶液の規定された容積である。いくつかの実施例では、サンプル容積は、サンプルが、サンプルバイアルから流体導管内を注入点の方へ、または注入点へ移送されるとき、サンプルゾーンの拡張を最小化するために使用される小さいエアギャップだけ張り出している。
【0005】
液体サンプル容積を高圧移動相移送流内へ導入する実際の注入動作は、移動相流を再方向付けすることを可能にする1つまたは複数のバルブの動作によって通常実施される。サンプルインジェクタ実施例への2つの一般的なアプローチは、過去数十年間にわたって広く利用されている。1つのアプローチは、Valco Instruments Company Inc.(VICI,ヒューストン、テキサス州)、Upchurch Scientific Division of Scivex Corporation(オークハーバー、ワシントン)およびRheodyne LLC(ローナートパーク、カリフォルニア)を含むいくつかの供給メーカーから市販されている、マルチポートロータリシェアシールバルブである。他の一般的なアプローチは、手動および自動形態の両方での抵抗バイパスインジェクタ構成である。
【0006】
外部サンプルループを備える6ポートロータリシェアシールバルブが、従来型のHPLC内でサンプル注入を行うために使用される一般的な構成である。このようなバルブの使用は、その比較的小さな全体サイズ、妥当なコスト、および比較的簡単な動作によって促進されている。他の多くのマルチポートシェアシールバルブと共通して、従来型の6ポートロータリシェアシールバルブは、複数の流れ切替要素を統合して単一のロータステータ組立体にし、それによって電動モータなどの単一の作動機構による複数のバルブ要素の協働した作動を可能にする。
【0007】
6ポート、外部ループシェアシールバルブに関連して、別の一般的な変形形態、4ポート、内部ループバルブがあり、これは、小さいサイズ、妥当なコストおよび操作の単純性という望ましい特性を6ポートバルブと共有している。6から4への外部ポートの数の減少は、サンプルループがバルブの内部に実装されることの結果であり、それによって、外部サンプルループの取付のために使用される2つの外部ポートの必要性がなくなる。
【0008】
4ポートおよび6ポートバルブタイプの両方は、サンプル注入バルブとして使用されるとき、本質的に二状態デバイスである。LOAD状態では、サンプルループがサンプル吸入経路と流体的に連通に維持されながら、移動相ポンプとカラムの間の流体的な連通が有効化される。INJECT状態では、ポンプとカラムの間の流体的な連通が、サンプルループを通じて確立され、カラムへ向かうループ内容物の移動を可能にする。従来型のロータリシェアシール注入バルブによって共有される望ましくない特性は、LOAD状態とINJECT状態の間、またはINJECT状態とLOAS状態の間の移行中、ポンプとカラムの間の流路が一時的に遮断されることである。この挙動はしばしば、「ブレイクビフォアメイク」タイプの切替として記述される。
【0009】
従来型のHPLC流量および圧力のときさえも、サンプル注入バルブの内部の流路のブレイクビフォアメイクの切替は、移動相流内の極めて顕著な流れおよび圧力の過渡現象を生じさせる。流れの遮断および復帰から生じるこれらの過渡現象は、INJECTからLOADへおよびLOADからINJECTへのバルブ状態移行の両方の間に生じる。ポンプからカラムへの流れが遮断される時間区間の間、ポンプが移動相を新しい行き止まりの流路へ供給し続け、障害物の上流の流体回路内の液体圧力を上昇させる。それと同時に、カラムが、カラムを横切って賦与される圧力差、およびカラムによって呈される流れへの抵抗に従って、遮蔽物の下流の流体回路から移動相を吸い込み続ける。流れに対するかなりの追加の抵抗がカラム排出口と最終的な液体排出点(通常検知器の下流の大気へ排出する)の間で存在する状況では、吸込み流量が、カラムと追加の直列抵抗、およびその集約抵抗にされる圧力差の合計によって決定されることになる。典型的な電動アクチュエータを備える従来型のロータリシェアシール注入バルブに対して、上流および下流流体回路が隔離されている間の時間枠は、約百から数百ミリ秒の範囲に容易にある。
【0010】
液体の相対的な剛性のため、約百から数百ミリ秒の範囲の時間区間の流れの遮断は、注入バルブを横切って賦与される顕著な圧力差に至る可能性がある。特に、流体回路の上流および下流が、数万PSI毎秒(数百MPa毎秒)に相当するレートで内部圧力が互いに遠ざかるかもしれない。バルブがその移行の完了に近いとき、前に隔離された上流および下流の流体回路が、流体的な連通状態へ復元される。バルブ内での流体的な連通の復帰のすぐ後で、高圧側回路から低圧側回路への液体の積極的な交換が行われる。圧力の最初の収束中にカラムヘッドの近くで観測される圧力の変化レートは、1から数ミリ秒の間隔に対して、百万PSI毎秒(7000MPa毎秒)を超えることがある。最初の圧力過渡現象が、流体イナータンス、流体容量、および流体流に対する抵抗の組み合わせされた影響に貢献する、過渡減衰(damped ringing)される1つまたは複数のサイクルによって追従されるかもしれない。
【0011】
これらの過渡現象は通常、システム動作圧力が増加する、またはプリカラムシステム容積が減少するにつれて(後者は、影響を和らげるために使用可能な寄生流体容量を減少させる傾向がある)、より厳しくなる。より高い分離効率およびより短い分析時間を達成することにおけるHPLC社会の現在の関心は、平均直径約1.5マイクロメートルの小ささのカラムパッキング粒子の開発および商業上の適用に至っている。このような小さい粒子でパックされた分析カラムの効果的な使用は通常、極高圧液体クロマトグラフィ(「VHPLC」)と一般に称される、従来型のHPLCを超える圧力体制でのシステム動作を必要とする。10000PSIG(70MPa)以上の移動相移送圧力、および極めて低いプリカラムシステム容積を含む、VHPLCシステム動作に関連する状態は実質上、過渡現象を増幅させる条件である。
【0012】
カラムヘッドの近傍での液体流量および液体圧力の急激な過渡現象は、HPLCカラムに対して極端に破壊的になる可能性がある。カラムへの破壊の影響は、繰り返し行われる所定の分離に対する達成可能な分離効率の損失として、または規定の移動相組成、流量、およびカラム温度に対応する所定の動作状態に対する、カラムによって呈される流れに対する抵抗の変化(通常増加)として、最も容易に観察される。
【0013】
知られているロータリシェアシール注入バルブに対する修正は、バルブ状態移行中の流れ遮断の持続時間を減少させるように意図された特徴を含む。これらのバルブでは、溝またはチャネルが、バルブステータ上のポンプポートからカラムポートへ向かって延びており、それによってポンプとカラムの間の接続時間が、未修正のバルブが経験する状態移行に関連する接続時間よりも延伸または延長される。ある商業的な実施形態では、約50ミリ秒の典型的な流れの遮断持続時間が、達成される。不運なことに、VHPLCシステム動作では、50ミリ秒の流れの遮断でさえも、劇的なカラム欠陥に至ることがある。断続的な流れの遮断から生じる過渡現象は、1から数ミリ秒の範囲で測定される特徴的な時間枠での通常急激な事象であり、また、同様に短い持続時間の流れの遮断によって作成されることがある。その点では、50ミリ秒のブレイクビフォアメイク切替挙動がかなり顕著であり、かつ完全な流れ遮断のその持続時間を呈するバルブは、カラム劣化問題に対処するには実質上不十分である。
【0014】
AbrahamおよびHutchinsの抵抗バイパスサンプル注入技術は、バルブ作動によって遮断されることのないポンプとカラムの間の平行なる流体通路を提供することによって、サンプル注入中の流れの直接の遮断を回避する。抵抗バイパスインジェクタのLOAD状態では、ポンプからカラムへの流れが、完全にバイパス経路を通って移送される。この状態では、サンプルループが、膜またはその他のタイプのバルブ要素によってシステム圧力から隔離され、サンプルループが実質上大気圧で存在するサンブルを装填されることを可能にする。INJECT状態への移行中、前にサンプルループを隔離していたバルブが開放され、サンプルループ内容物をシステム圧力へ露出させる。INJECT状態では、サンプルループを包含する流路が、常に有効化されているバイパス経路と平行して存在する。バルブ実施例の重要な態様は、これら2つの平行な流路の流れに対する相対抵抗の選択である。ある実施例では、配管の内径および長さが、バイパス経路が、サンプルループ経路の抵抗の約32倍の流れに対する抵抗を有するように選択される。この構成では、バルブがINJECT状態にあるとき、ポンプ流の約97パーセントがサンプルループを通って減衰され、残りの3パーセントがサンプルループを迂回する。ループからサンプルを移送するためにポンプ流の100パーセント未満を使用することが、注入されたサンプルを、より長い時間間隔にわたってループから出現させ、バイパス流によって希釈させる。上記の例では、サンプルバンドが、バイパス流がないときに得られる容積よりもおよそ1.03倍大きい容積でインジェクタから出現することになる。注入インパルスの特徴的なピーク幅がHPLCサンプルインジェクタの重要な性能係数であるため、他のデザインを考慮して、バイパス割合をできる限り低く保持しようとする試みが期待される。これらの考慮の中に、サンプルおよびバイパス経路が新鮮な移動相で清浄される相対レートがある。クロマトグラフィの勾配モードでは、移動相の組成勾配が、通常サンプルインジェクタを通過することになり、したがって、バルブがINJECT状態であるとき、サンプルおよびバイパス経路の両方を処理する。これら2つの平行な経路の清浄レートの不調和が、勾配プロファイルの変容に至る。
【0015】
抵抗バイパス注入技術での別の考慮は、バルブがLOAD状態である(すなわち、ポンプ流の100パーセントがバイパス経路を通って方向付けられている)とき、バイパス経路の抵抗が、カラムおよびその他のシステム抵抗と直列に追加されることである。バルブがINJECT状態に移行するとき、その経路が、通常30倍ほど小さい抵抗を有するサンプルループ経路と平行に配置されるため、バイパス経路の抵抗が大きく迂回される。したがって、流れに対する全体システム抵抗は、それぞれサンプルインジェクタのLOADおよびINJECT状態に対応する2つの値の間を移動するように観測されることができる。これらの移動は、システム全体の水力的な時定数によって支配される時間枠にわたって行われる。
【0016】
上記の考慮に加えて、AbrahamおよびHutchinsによって実施された抵抗バイパスインジェクタは一般に、従来型のマルチポートロータリシェアシールバルブよりも複雑であり、かつ製造するのにより費用がかかる。
【0017】
上記で議論された過渡現象は、インジェクタ作動の結果としてHPLCまたはVHPLCシステム内の流れの一時的な遮断から生じる過渡現象である。サンプル注入の追加の態様は、サンプルループ流体容量の充填に対応する、サンプルループ内容物の加圧に関連する過渡現象挙動である。過渡現象の大きさは、サンプルループ容積、エアギャップ容積(使用される場合)、システム動作圧力、およびサンプル希釈および移動相の組成の関数である。その時間的経過は、サンプルインジェクタの上流および下流の流体導管の構成によって影響される。流れの遮断に関連する移動相流または圧力の過渡現象は、サンプルインジェクタの両方の状態移行(LOADからINJECTおよびINJECTからLOAD)について実質上類似であり、ループ充填過渡現象が、LOADからINJECTへの移行で認められる。挙動は、通常1から数ミリ秒の時間枠で、大気圧からシステム動作圧力へサンプルループ内容物を加圧する流れの流入から生じる。
【0018】
上流および下流の流体導管の構成に応じて、流入流が、カラムヘッドおよびポンプ容量の両方から一瞬で供給される。サンプルループが、INJECTからLOAD移行の間オフラインでとられるとき、加圧されたループ内容物の急激な減圧が生じるが、この排出流は、他のシステム構成要素に向かって方向付けられ、カラムには実質上視認されない。抵抗バイパスインジェクタ構成は、流れ遮断過渡現象の問題を実質上回避するが、これは、未加圧のサンプルがシステム圧力に曝露されるとき、ループ充填過渡現象を生じさせる望ましくない特徴を、シェアシール注入バルブと共有する。VHPLCシステムでは、ループ充填過渡現象が、サンプル注入に関連する支配的な過渡現象であるかもしれず、エアギャップが存在する大きなサンプルループの最悪の場合の状態は、カラムへの破壊的な衝撃を伴う、カラムヘッドのほぼ瞬時かつ実質上完全な減圧の結果となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、サンプルインジェクタの動作から生じる破壊的な圧力過渡現象を実質上除去するための方法および装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の例示的な実施形態は、ポンプとカラムの間の流体回路の一部分の中の移動相液体の流れを方向付けるためにロータリシェアシールバルブを使用する。円弧形状のロータチャネルが、サンプルチャネル、ループチャネル、およびカラムチャネルを備えて、バルブロータ内に画定される。これらのロータチャネルは、バルブステータ内にある流体ポートおよびポートチャネル延長部と協働して相互作用する。これらのステータポートは、バルブステータ外部のシステム構成要素との各接続性に基づいて独自に識別される。これらのシステム構成要素は、移動相移送ポンプ、クロマトグラフィカラム、サンプルニードル、サンプル吸入シリンジ組立体、および、それぞれ上流および下流端部を有するサンプルループを備える。バルブのLOAD位置に対応するロータ位置では、ロータサンプルチャネルが、サンプルニードルポートを下流サンプルループポートと接続する。ロータループチャネルが、上流サンプルループポートをシリンジポートと接続する。ロータカラムチャネルが、ポンプポートとカラムポートを接続する。このロータ位置では、移動相がポンプからカラムへ移送されながら、サンプルがサンプルループ内へ吸入される。サンプルループの上流および下流端部が、バルブがINJECT状態にあるとき、ループからカラムへサンプルを移送する流れ方向に対して画定される。
【0021】
バルブのINJECT状態に対応するロータ位置では、ロータチャネルが、それらのLOAD状態位置から約60度転換され、異なるポート間の連絡を確立する。INJECT状態では、ロータループチャネルが、ポンプポートを上流ループポートと接続し、カラムチャネルが、下流ループポートをカラムポートと接続し、かつサンプルチャネルが、シリンジポートをサンプルニードルポートと接続する。このロータ位置では、サンプルループ内容物が、ポンプから移送される移動相流によってカラムに向かって洗い流される。この例示的な実施形態は、従来のロータリシェアシール注入バルブのバルブロータおよびステータ内のある流路の修正を含む。通常、ロータチャネルは、それに対して流体的な連通が意図されているステータ上の2つのポートの遠位の縁部を取り囲むのに十分な円弧のみにわたる。ロータカラムチャネルのループチャネルに向かう延長部は、ポンプからカラムへの流れがバルブの状態移行全体にわたって減衰され、それによって従来技術のシェアシールバルブで得られるポンプからカラムへの流れの断続的な遮蔽から生じる破壊的な過渡現象を実質的に除去することを確実にするために、ステータポンプポートの延長と協働して相互作用する。
【0022】
ステータ上のポンプポートは、この例示的な実施形態では、ポンプポートから、カラムポートに向かって反時計方向に延びる第1の追加のチャネル形状を有する。ポンプポート自体と常に流体的に連通しているこのチャネルは、ポンプからカラムへの流れがバルブの状態移行全体にわたって有効化されることを確実にするために、ロータカラムチャネルと協働して相互作用する。特に、LOADからINJECT状態へのバルブの移行の際、ポンプポートとカラムポートの間の直接の流体的な連通が、サンプルループによるポンプポートとカラムポートの間の流体的な連通が確立された後にのみ、終了される。それに対応して、INJECTからLOAD状態へのバルブの移行の際、サンプルループによる、ポンプポートとカラムポートの間流体的な連通が、ポンプポートとカラムポートの間の直接の流体的な連通が確立された後にのみ、終了される。このようにして、ポンプポートとカラムポートを相互接続する少なくとも1つの流路が、バルブ状態と独立して存在し、バルブロータが運動中であるか、2つの最終状態LOADとINJECTの間で移行を停止されるかのいずれかである中間状態を含む。流れの遮断の回避は、流れ遮断過渡現象の源を除去し、カラムの耐用年数の延長に顕著に貢献する。
【0023】
別の例示的な実施形態では、ステータ上のポンプポートは、ポンプポートから上流サンプルループポートへ時計方向に延びる第2の追加のチャネル形状を有する。ポンプポート自体と常に流体的に連通しているこのチャネルは、サンプルループが、上流ループポートの方向から決定的に加圧されるようにバルブタイミングをバイアスさせるために、LOADからINJECT状態へのバルブの移行の際ロータループチャネルと協働して相互作用する。サンプルループとの後入れ先出し(LIFO)のサンプル移送のために構成された注入バルブでは、比較的大きいサンプルループ内へ短い距離しか移動されず、エアギャップ容積がオプションで取り付けられている小さいサンプル容積は、サンプルループ加圧のこの方向が採用されるとき、より小さいゾーン拡大を受ける。
【0024】
別の例示的な実施形態は、前の実施形態の同じ延長されたロータカラムチャネルおよび第1の追加のステータポンプポートチャネルを使用し、かつ延長されたロータループチャネルを追加で有する。ロータループチャネルの延長部は、バルブがINJECTからLOAD状態へ移行されたとき、サンプルループ下流ポートとサンプルニードルポートの間の流体的な連通の確立の前にサンプルループ上流ポートとシリンジポートの間で流体的な連通が確立されるように、バルブタイミングをバイアスさせるために使用される。このバイアスは、サンプルループ減圧に付随する流体流が、サンプルニードルに向かって方向付けられるのとは逆に、またはシリンジ組立体およびサンプルニードルの流体回路との間で共有されるのとは逆に、シリンジ組立体に向かって方向付けられることを可能にする。サンプルニードル流体回路内での液体の制御されない変位は、サンプルインジェクタのあるモードでは有害である。ロータループチャネルの延長によって達成されるタイミングのバイアスは、サンプルループ流体容量が、シリンジ組立体に向かって最初に排出され、その流体回路の部分的な充填または加圧を結果として生じさせることを可能にする。本発明によると、バルブ幾何形状は、ポンプからカラムへの流れを遮蔽せず、バルブロータの運動が、サンプルループとシリンジ組立体の間の流体連続性が有効化されるこの位置で停止される。このロータ方向では、シリンジ組立体が、シリンジおよびサンプルループを、実質上大気圧(0PSIG)である圧力に戻すように作動されることができる。バルブルータが次に、バルブのLOAD状態に対応する位置へのその移行を完了するように作動されることができる。この一連の事象は、流体的な連通が、サンプルループ下流ポートとサンプルニードルの間で、二者の間で実質上圧力差が存在しない条件下で再確立されることを可能にし、サンプルニードル内の液体の意図されない変位が実質上除去される結果となる。
【0025】
サンプル注入に付随する流量および圧力過渡現象の減少は、カラムの耐用年数を強化することができ、カラム交換が必要とされるまでカラム性能が劣化する前に分離されることができるサンプル数を増加させる。
【0026】
本発明によると、サンプルループ内容物をライン上に導入する前に、サンプルループの内容物をシステム動作圧力まで加圧することが望ましいであろう。ポンプからカラムへの流れを遮断することのないバルブと相俟って、本質的に過渡現象のないサンプル注入が達成されることになる。実用的な立場から、分離加圧サブシステムを回避することがさらに望ましいであろう。本明細書に記載されている本発明のサンプル加圧アプローチは、システム動作の規定された区間中、カラムへの移動相移送と平行してサンプルループ容量を加圧または充填するために移動相ポンプを使用することによって、上記のことを達成する。このサンプル予備圧縮の時間枠は、ポンプコントローラバンド内に容易に収容されるように選択され、かつ、流体流制限抵抗によって、通常は隔離されるサンプルループの上流端部をポンプと結合することによって達成される。このことは、LOADからINJECTへの移行の中間点の近くでバルブロータを停止することによって、および上流サンプルループポートとポンプポートに隣接する中間挿入された(第7の)ステータポートの間の流体的に連通を確立するためにロータループチャネルを使用することによって、公称6ポート注入バルブ構成内で達成される。
【0027】
下流サンプルループポートは、他のいかなるステータポートからも流体的に隔離されたままである。追加の、中間挿入されたポートは、ポンプとのその接続が、移動相流に対して選択された抵抗を有する流体導管によって達成されるという点で、ポンプポートと異なる。したがって、ループ加圧流量の大きさは、カラム流量と比較して小さくされることができ、カラム流量を実質上一定に維持するためにポンプからの小幅の移送増分しか必要としない。別法として、ループ充填流量は、カラム劣化を防止するためにポンプによる補償作用が必要とされないように十分小さくされることができる。一実施形態では、予備圧縮区間の継続時間が固定され、かつ、現実的に予想される最大のループ容量の満足な加圧を達成し、それより小さい容量のすべてに自動的に対処するように選択される。
【0028】
この固定された予備圧縮間隔が完了すると、バルブロータが、INJECT状態へ移行され、サンプル注入が行われる。バルブのPRECOMPRESS状態に対応するループ圧縮区間全体を通じて、カラムへの移動相流が、バルブのロータおよびステータ内のフローチャネルの適切な形状によって維持される。カラムへの流れが遮断されることがないため、バルブが、サンプルループ内容物の予備圧縮が行われるためにいかなる時間枠が適しているまたは必要であると判断されても、PRECOMPRESS状態に維持されることができる。本発明によるさらに別の例示的な実施形態は、ロータリシェアシール注入バルブと相俟っての、ポンプとカラムの間のバイパスチャネルの使用に関する。
【0029】
バイパスチャネルは、ロータリシェアシールバルブの状態とは独立して、ポンプとカラムの間の流体的な連通を維持する。上記の第1の実施形態に記載されたバイパスチャネルの存在は、ロータカラムチャネル延長部に対する必要性、および協働するポンプステータポートの第1の追加チャネルに対する必要性を実質上除去する。本実施形態は、ロータリシェアシールバルブの、相対的な単純性および小さいサイズを利用し、かつサンプルループがそこから加圧される方向を決定的に制御することに対する可能性、好ましい経路を通るサンプルループ内容物の制御された減圧を達成することに対する可能性、およびサンプル注入シークエンス中のサンプルループ内容物のレートを制限された予備圧縮を達成することに対する可能性を含む、上記の実施形態に記載された追加の本発明の特徴を利用することができる。
【0030】
バイパスチャネル実施形態は、少量のサンプル希釈がバルブのバイパスの結果として生じる点で、他の本発明のシェアシールサンプルインジェクタ実施形態とは異なる。しかし、この希釈の大きさは、バイパス経路およびサンプルループ経路の相対抵抗の適切な選択によって、約3パーセントの希釈率など管理可能な値に保持される。ロータリシェアシールバルブは、内部流路が、全体容積が小さいように、および比較的きれいに掃査される幾何形状であるように構成されるため、効率的なサンプルインジェクタの実装に貢献する。バルブ内の全体的な液体容積の減少は、勾配プロファイルがサンプルインジェクタを通って伝搬されるとき、勾配組成プロファイルの摂動が生じる程度を最小化する傾向がある。
【0031】
本発明の例示的な実施形態は、サンプルループ圧縮過渡現象と同様に、HPLCまたはVHPLCシステム内へのサンプル注入に付随する移動相流量または圧力の破壊的な過渡現象を、減少させるまたは実質上除去する。これらの2つの分類の過渡現象の実質上の除去は、HPLCおよびVHPLCクロマトグラフィカラムの耐用年数をかなり改善する。
【0032】
本発明の別の利点は、ロータチャネルおよびステータポートおよびポートチャネルの構成の十分性である。ロータ内の延長されたチャネルおよびステータ内の拡張または延長されたポートの様々な構成が、流量および圧力の破壊的な過渡現象を同様にして実質上除去する。
【0033】
本発明のさらなる利点は、ループが高圧移動相流から取り外され、かつその内容物が次のサンプルの吸入の前に減圧されるとき、サンプルループ内容物の減圧の方向を制御することに加えて、高圧移動相流内へのサンプル注入に至る一連の事象中、サンプルループ内容物の圧縮方向を制御することに対する可能性である。
【0034】
本発明の以下のおよびその他の特徴および利点は、添付の図面と相俟って得られる例示的な実施形態についての以下の詳細な説明からより完全に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】従来技術による高圧液体クロマトグラフィシステムのブロック図である。
【図2】インジェクタ作動中、従来技術によるインジェクタの上流および下流で測定された移動相圧力の例である。
【図3A】LOAD状態での本発明の実施形態によるバルブのロータステータ位置合わせの軸方向図である。
【図3B】本発明の実施形態による15度の反時計方向回転で示された、バルブのロータステータ位置合わせの軸方向図である。
【図3C】本発明の実施形態による30度の反時計方向回転で示された、バルブのロータステータ位置合わせの軸方向図である。
【図3D】本発明の実施形態による45度の反時計方向回転で示された、バルブのロータステータ位置合わせの軸方向図である。
【図3E】本発明の実施形態による50度の反時計方向回転で示された、バルブのロータステータ位置合わせの軸方向図である。
【図3F】本発明の実施形態による55度の反時計方向回転で示された、バルブのロータステータ位置合わせの軸方向図である。
【図3G】バルブのINJECT状態に対応する本発明の実施形態による60度の反時計方向回転で示された、バルブのロータステータ位置合わせの軸方向図である。
【図4A】バルブのLOAD状態に対応する0度の反時計方向回転で示された、本発明によるバルブの別の例示的な実施形態のロータステータ位置合わせの軸方向図である。
【図4B】15度の反時計方向回転で示された、本発明によるバルブの実施形態のロータステータ位置合わせの軸方向図である。
【図4C】バルブのINJECT状態に対応する60度の反時計方向回転で示された、本発明によるバルブの実施形態のロータステータ位置合わせの軸方向図である。
【図5A】バルブのLOAD状態に対応する0度の反時計方向回転で示された、本発明による、第7のポートを有するループ予備圧縮バルブの例示的な実施形態のロータステータ位置合わせの軸方向図である。
【図5B】30度の反時計方向回転で示された、本発明による、第7のポートを有するループ予備圧縮バルブの例示的な実施形態のロータステータ位置合わせの軸方向図である。
【図5C】バルブのINJECT状態に対応する60度の反時計方向回転で示された、本発明による、第7のポートを有するループ予備圧縮バルブの例示的な実施形態のロータステータ位置合わせの軸方向図である。
【図5D】バルブがLOAD状態へ戻るときのループ予備圧縮で示された、本発明による、第7のポートを有するループ予備圧縮バルブの例示的な実施形態のロータステータ位置合わせの軸方向図である。
【図6A】バルブのLOAD状態に対応する流路を示す、従来技術によるバルブの例示的な実施形態の概略図である。
【図6B】バルブのINJECT状態に対応する流路を示す、従来技術によるバルブの例示的な実施形態の概略図である。
【図7A】バルブのLOAD状態に対応する流路を示す、本発明によるバイパスチャネルを組み込んだバルブの例示的な実施形態の概略図である。
【図7B】バルブのINJECT状態に対応する流路を示す、本発明によるバイパスチャネルを組み込んだバルブの例示的な実施形態の概略図である。
【図8】初期上昇圧力まで充填された特定のポンプ流体容量が、定義された長さの流体導管を通じて排出されたときに達成される圧力減衰のそれぞれのプロファイルを示すグラフである、ここで、導管は、選択された各内径の10分の1としてさらに特定される。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の詳細な実施形態がここに開示されるが、開示された実施形態は、様々な形態で具現化されることができる本発明の例示に過ぎないことを理解されたい。したがって、本明細書で開示された特定の機能的詳細は、限定としてではなく、単に特許請求の範囲に対する基礎として、およびいずれかの適切に詳細に説明された実施形態に本発明を様々な形で採用することを当業者に教示するための代表的な基礎として企図されている。
【0037】
図1を参照すると、ロータリシェアシール注入バルブ102を使用したHPLCシステム100の標準的な構成の簡略化されたブロック図が示されている。ロータリシェアシール注入バルブ102が、移動相ポンプ104と接続されている。ポンプ104は、ロータリシェアシール注入バルブ102の選択された内部流体通路を通って移動相液体を移送する。分離カラム106もまた、ロータリシェアシール注入バルブと接続されている。分離カラム106は、HPLCシステム100の移動相流内に導入された様々なサンプル構成成分の分離を行うために、移動相と協調して作用する。サンプルニードル108が、ロータリシェアシール注入バルブ102と接続されている。サンプルニードル108は、バイアル内に含まれるサンプル溶液の部分標本を取り入れるためにサンプルバイアル(図示せず)内に挿入されてもよい。サンプルニードル108は、注入バルブ102の外部サンプルループ112に至るサンプル取入または吸入経路内へのサンプル溶液の入力点である。
【0038】
シリンジ組立体110が、ロータリシェアシール注入バルブ102と接続されている。シリンジ組立体110は、通常サンプルニードル108内の液体の規定の容積変位を生じさせることによって、サンプルニードル108を通じた取入または吸入を制御するために、注入バルブ102と協働して相互作用する。ロータリシェアシール注入バルブ102と流体的に連通している外部サンプルループ112は、上流ループ端部114および下流ループ端部116を有する。注入バルブ102のLOAD状態では、シリンジ組立体110が、外部サンプルループ112の上流ループ端部114と流体的に連通しているが、一方サンプルニードル108は、下流ループ端部116と流体的に連通している。この例示的な構成では、サンプルは、シリンジ組立体110の動作を通じて、サンプルバイアルからサンプルループ112内へ吸入されてもよい。LOAD状態での注入バルブでは、移動相流体がカラム内に供給されることができるように、ポンプ104とカラム106の間の流体的な連通が存在する。
【0039】
ロータリシェアシール注入バルブ102がINJECT状態へ移行したとき、バルブ内部の流体的な連通のパターンが変化し、流体の流れを再方向付けする。INJECT状態での注入バルブ102では、ポンプ104が、外部サンプルループ112の上流ループ端部114と流体的に連通しているが、一方カラム106は、サンプルループ112の下流ループ端部116と流体的に連通している。この構成では、ポンプ104から供給される移動相流が、外部サンプルループ112内に含まれるいずれのサンプル溶液も分離カラム106に向かって進行させる。注入バルブ102のINJECT状態では、シリンジ組立体110が、サンプルニードル108と流体的に連通している。
【0040】
当技術分野で知られているような自動サンプルインジェクタは、次の注入のための準備でのサンプルニードルの洗浄およびシリンジピストンの再配置を実施するために、シリンジ組立体110をさらに使用する。シリンジ組立体110内で必要とされる内部源(図示せず)は通常、電動アクチュエータに応答する対応するピストンとそれぞれ協働する1つまたは複数のシリンジシリンダと、シリンジが作動流体で補充されることまたは作動流体の選択を可能にするシリンジマニホルドおよびセレクタバルビングと、シリンジマニホルドまたは特定のシリンジシリンダの内部の圧力を監視することが可能である圧力トランスデューサと、シリンジ組立体流体回路から大気中へまたは指定された流体流シンクへ圧力を逃がすように構成された、オプションでの1つまたは複数の安全弁または通気弁とを備える。
【0041】
図2は、バルブ状態移行中に従来技術のロータリシェアシール注入バルブの作動によって生じる測定された圧力過渡現象を示している。上流圧力軌跡200が、ポンプと注入バルブの間のクロマトグラフィ流体回路内に配置された低容積圧力トランスデューサから得られる。下流圧力軌跡202が、注入バルブとカラムの間の流体回路内に配置された第2の低容積圧力トランスデューサから得られる。上流圧力軌跡200は、明瞭化のために約250PSI(1.72MPa)だけ上向きにオフセットされている。約−0.195秒から約−0.145秒までの時間間隔が、使用中の注入バルブの流れ遮断区間に対応している。この流れ遮断区間中、2つの圧力軌跡が互いに遠ざかることが観測され、上流圧力軌跡200は上昇するが、一方下流圧力軌跡202は下降する。
【0042】
この約50ミリ秒の区間にわたる離脱の平均レートは、約60,000PSI(414MPa)毎秒である。流体的な連通が上流および下流流体回路の間で復帰されるとき、この圧力離脱の区間が終了する。次の数ミリ秒にわたって、2つの圧力軌跡が、急速に収束することが観察される。この収束は、ポンプをインジェクタおよびカラムと接続している流体回路内での流体流に対する、流体イナータンス、流体容量、および抵抗の組合せの影響の結果である過渡減衰の区間によって追従される。圧力収束区間中に下流圧力トランスデューサで測定される圧力の変化の最大レートは、約120万PSI(8270MPa)毎秒である。
【0043】
図3A〜Gでは、本発明によるサンプルインジェクタの例示的な実施形態が、サンプルインジェクタがLOAD状態からINJECT状態へ移行するとき、順を追って示されている。図3A〜Gのすべてに共通して、図面は、ロータステータ密封面の法線方向すなわち軸方向の図であり、このことは、ステータポートおよびステータポートチャネルが、そのそれぞれの位置関係が観察されることができるようにロータチャネルの輪郭と同時に視認されることを許す。ステータ上でのロータの密封範囲が、このような連通がロータチャネルのステータポートまたはステータポートチャネルとの協働作用によって特に可能にされている場所以外のすべての位置でのステータ面すなわち密封平面領域の間の流体的な連通を実質的に不可能にすることを理解されよう。
【0044】
図3Aは、本発明の実施形態での平面状のロータリシェアシール注入バルブ302を示している。バルブロータ301が、LOAD状態で流路を作成するためにバルブステータ303と位置合わせされている。ステータは、ロータステータ密封平面でロータの形状と接合する6個のポートを含む。これら6個のステータポートは、バルブステータ外部の構成要素との各接続性に基づいて独自に識別される。ロータサンプルチャネル318が、サンプルニードルポート308と外部サンプルループの下流ループポート316の間の接続性を確立する。外部サンプルループの上流ループポート314は、ロータループチャネル320を通じて、シリンジポート310と接続されている。ロータループチャネル320は、シリンジポート310を越えてサンプルチャネル318へ向かって延びている。
【0045】
ポンプポート326は、LOAD状態で、ロータカラムチャネル324を通じて分離カラムポート306と直接連通している。ロータカラムチャネル324はポンプポート326と重なり、また、ロータループチャネル320に向かって時計方向に延びるロータカラムチャネル延長部332を有する。ステータ上に、ポンプポート326は、カラムポート306に向かう円弧に沿って反時計方向に延びるポンプポートチャネル330を有する。
【0046】
LOAD状態からINJECT状態へのバルブの作動中、ロータが、図3B〜Fに示されているように約15度回転される。図3Bは、反時計方向に約15度回転されたバルブロータ301を示している。ポンプポート326は、ロータカラムチャネル324を通じた分離カラムポート306との流体的な連通状態のままである。サンプルループは、他のいかなるステータポートからも下流ループポート316で完全に隔離されているが、サンプルループは、シリンジポート310から上流ループポート314で隔離を今達成した。バルブが、LOAD状態へ最終的に戻されるとき、そのプロセスの間、バルブロータ301が、図3Aに示されている方向へ時計方向に戻るように作動され、このロータチャネル構成は、サンプルループ内の加圧された移動相が、サンプルニードルポート308に向かってではなく、シリンジポート310に向かって方向付けられた排出流とともに減圧されることを許す。ポンプからカラムへの流体的な連通がカラムチャネル324を通じて維持されるため、バルブロータがこの位置に停止されることができ、シリンジ組立体が過度の圧力を能動的に減圧するすなわち排気するための時間を許す。
【0047】
図3Cは、LOAD状態方向に対して反時計方向に約30度の移行でのロータを備える本発明の実施形態を示している。ポンプポート326は、ポンプステータチャネル330およびロータカラムチャネル324を通じた分離カラムポート306との直接の連通状態のままである。サンプルループは、上流ループポート314および下流ループポート316の両方で、完全に隔離される。シリンジポート310およびサンプルニードルポート308もまた隔離される。
【0048】
図3Dは、LOAD状態方向に対して約45度の反時計方向回転の移行でのロータを備える本発明の実施形態を示している。ポンプポート326は、ポンプステータチャネル330およびロータカラムチャネル324を通じた分離カラムポート306との直接の連通状態のままである。サンプルループは、上流ループポート314および下流ループポート316の両方で、完全に隔離されたままである。シリンジポート310およびサンプルニードルポート308もまた隔離されたままである。
【0049】
図3E〜Fは、LOADからINJECTへの状態移行の完了に近いときの本発明の例示的な実施形態を示している。約50度の反時計方向のロータ回転では、図3Eに示されているように、ポンプポート326は、ポンプステータチャネル330およびロータカラムチャネル324を通じた分離カラムポート306との直接の連通状態のままである。また、ポンプポート326が、上流ループポート314および下流ループポート316との流体的な連通を確立する。ポンプポート326が、ロータループチャネル320を通じて上流ループポート314と接続し、ロータカラムチャネル324を通じて下流ループポート316と実質上同時に接続する。図3Eのロータ方向では、流体的な連通が、シリンジポート310とサンプルニードルポート308の間で確立されることにも注意されたい。
【0050】
サンプルループが、上流ループポート314の方向から決定的に加圧されることを確実にすることが、さらなるオプションである。このことを達成するために、ポンプポート326に向かって反時計方向に方向付けられたロータループチャネル320の小さな延長部の組込みを通じて、タイミングのバイアスが導入される。別法として、ステータポンプポート326が、上流ループポート314に向かって時計方向に方向付けられた小さなステータチャネル延長部を備えてもよい。上記の延長部のいずれかの目的は、ポンプポート326と下流ループポート316の間の流体的な連通の確立に対して少なくとも数ミリ秒のタイミング先行で、ポンプポート326と上流ループポート314の間で流体的な連通が確立されることを可能にすることである。数ミリ秒のタイミング先行が、ロータループチャネル320またはステータポンプポート326の極めて微妙な(延長部による)修正によって、または二者の修正の組合せによって得られることができることを理解されよう。
【0051】
バルブロータ301がINJECT状態に到達すると、約55度の反時計方向回転での図3Fで示されているように、バルブロータ301が、カラムチャネル324を通じたポンプポート326と分離カラムポート306の間の直接の接続を終了する。ポンプポート326と分離カラムポート306の間の流体的な連通は、ポンプポート326の上流ループポート314との各接続、および下流ループポートのカラムポート306との接続によって、サンプルループを通じて得られる。バルブロータ301は、サンプルループを通じた流路の確立の後にのみ、カラムチャネル324を通じた、ポンプポート326と分離カラムポート306の間の直接の流体的な連通を終了する。ポンプポート326は、ロータループチャネル320を通じて上流ループポート314と流体的に連通している。分離カラムポート306は、ロータカラムチャネル324を通じてサンプルループの下流ループポート316と流体的に連通している。シリンジポート310は、ロータサンプルチャネル318を通じてサンプルニードルポート308と流体的に連通したままである。
【0052】
図3Gは、バルブロータがLOAD状態に対応する方向から反時計方向に約60度回転された、INJECT状態での本発明の例示的な実施形態を示している。ポンプポート326と分離カラムポート306の間の流体的な連通は、排他的にサンプルループを通る。ポンプポート326は、ロータループチャネル320を通じてサンプルループの上流ループポート314と流体的に連通している。分離カラムポート306は、ロータカラムチャネル324を通じて下流ループポート316と流体的に連通している。シリンジポート310は、ロータサンプルチャネル318を通じてサンプルニードルポート308と流体的に連通したままである。
【0053】
ロータカラムチャネル延長部322およびステータポンプチャネル330は、実質上バルブ動作全体を通じて移動相によって掃査され、サンプル溶液がバルブの幾何学的な延長部に保持される可能性を最小化する。ポンプステータチャネル330とカラムポート306の間の小さい隔離距離が、ポンプポート326およびカラムポート306が、事実上同じ圧力で存在する、すなわちサンプルループを横切る圧力降下が無視できるものであるという事実に照らして許容可能である。
【0054】
ポンプポート326と分離カラムポート306の間で維持される接続性が、ポンプからカラムへのHPLCシステムを通る移動相液体の実質上一定の流れを許し、バルブロータ301の作動中の流れ遮断区間をなくし、それによって、クロマトグラフィカラムへの破壊的な衝撃を有する可能性がある流れ遮断過渡現象の源をなくす。
【0055】
図4A〜Cは、バルブがINJECT状態からLOAD状態へ移行されたとき、所望のバルブタイミングのバイアスを達成するために、ロータループチャネル420に対する修正と協働して相互作用するシリンジポートに対する修正によって、サンプルループ減圧が、シリンジポート410に向かってバイアスされる、すなわち優勢に方向付けられる、本発明による別の例示的な実施形態を示している。図4A〜Cは、LOAD状態からINJECT状態への移行を受けるときの例示的な実施形態を順を追って示している。図4A〜cのすべてに共通して、図面は、ロータステータ密封面の法線方向すなわち軸方向図であり、このことは、ステータポートおよびステータポートチャネルが、そのそれぞれの位置関係が観察されることができるように、ロータチャネルの輪郭と同時に視認されることを許す。
【0056】
ステータ上でのロータの密封範囲が、このような連通がロータチャネルのステータポートまたはステータポートチャネルとの協働作用によって特に可能にされている場所以外のすべての位置でのステータ面すなわち密封平面領域の間の流体的な連通を実質的に不可能にすることを理解されよう。
【0057】
図4Aは、LOAD状態で流路を作成するためにバルブステータ403と位置合わせされたバルブロータ401を示している。ステータは、ロータステータ密封平面でロータの形状と接合する6個のポートを含む。これら6個のステータポートは、バルブステータ外部のシステム構成要素との各接続性に基づいて独自に識別される。ロータサンプルチャネル418が、サンプルニードルポート408と下流ループポート416の間の接続性を確立する。上流ループポート414は、ロータループチャネル420を通じて、シリンジポート410と接続されている。ロータループチャネル420は、シリンジポート410を越えてサンプルチャネル418へ向かって延びている。シリンジポート410は、上流ループポート414に向かって反時計方向に延びるステータ内にシリンジポートチャネル438を有する。ステータポンプポート426は、LOAD状態のバルブによって、ロータカラムチャネル424を通じて分離カラムポート406と流体的に連通している。ロータカラムチャネル424はポンプポート426と重なり、また、ロータループチャネル420に向かって時計方向に延びる延長部432を有する。ポンプポート426は、カラムポート406に向かって反時計方向に延びるポンプステータチャネル430を有する。図4Aのロータ方向では、ポンプがカラムへの移動相液体の移送を維持しながら、サンプル溶液がサンプルループ内に吸入される。
【0058】
図4Bは、約15度のLOAD状態から反時計方向への回転でのバルブロータ403を有する例示的な実施形態を示している。ポンプポート426は、ロータカラムチャネル424を通じた分離カラムポート406との直接の連通状態のままである。サンプルループは、下流ループポート416で隔離されているが、上流ループポート414によるシリンジポート410との流体的な連通状態のままである。バルブが、INJECT状態からLOAD状態へ最終的に戻されるとき、上流ループポート414とシリンジポート410の間の流体的な連通が、下流ループポート416とサンプルニードルポート408の間の流体的に連通の確立の前に確立される。このタイミングのバイアスは、ロータループチャネル420の、ステータ内のシリンジポートチャネル438との相互作用を通じて達成され、かつサンプルループ内容物の減圧に付随する流体流をシリンジポート410に向かって方向付ける。
【0059】
この構成では、サンプルループの減圧が、シリンジ組立体に付随する流体容量の加圧または部分的な充填を通常生じさせる。ポンプからカラムへの流れが、この中間位置のバルブロータによって有効化されたままであるため、ロータ運動が、この位置で一時的に停止されることができ、シリンジポート410と接続されたシリンジ組立体が、実質上大気圧(0PSIG)の内部圧力を達成するためにサンプルループを能動的に減圧すなわち排気することを可能にする。バルブロータ403が、LOAD状態へのバルブの移行を完了するために次に作動されたとき、下流ループポート416とサンプルニードルポート408の間の流体的な連通が復帰される。下流ループポート416とサンプルニードルポート408の間に流体的な連通が達成されているとき、二者の間に実質上圧力差が存在しないため、サンプルニードル内の液体の望ましくない変位が回避される。
【0060】
図4Cは、INJECT状態での本発明のバルブを示している。ポンプポート426が、ロータループチャネル420を通じて上流ループポート414と流体的に連通している。分離カラムポート406が、ロータカラムチャネル424を通じて下流ループポート416と流体的に連通している。図4Aおよび4Bでのロータカラムチャネル424およびステータポンプポートチャネル430によって存在していたポンプポート426とカラムポート406の間の直接の流体的な連通は今、遮断されている。このようにして、ポンプとカラムの間の流体的な連通が、サンプルループを排他的に通り、サンプルループ内のいかなるサンプル溶液もカラムに向かって洗い流される、または掃査されるようにする。シリンジポート410が、ロータサンプルチャネル418を通じてサンプルニードルポート408と流体的に連通している。
【0061】
ロータカラムチャネル延長部432およびステータポンプポートチャネル430が、バルブの作動中ポンプ流によって掃査され、サンプル溶液がバルブの幾何学的な延長部内に保持される可能性を最小化する。ポンプポートチャネル430とロータカラムチャネル延長部432の間の小さい隔離距離が、ポンプポート426およびカラムポート406が、事実上同じ圧力で存在する、すなわちサンプルループを横切る圧力降下が無視できるものであるという事実に照らして許容可能である。
【0062】
バルブ作動中にポンプポート426と分離カラムポート406の間で維持される接続性が、移動相液体の実質上一定の流れが、ポンプからカラムへのHPLCシステムを通して維持されることを許し、バルブロータ401の作動中の流れ遮断区間をなくし、それによってクロマトグラフィカラムへの破壊的な衝撃を有することがある流れ遮断過渡現象の源をなくす。
【0063】
図5A〜Dは、追加のステータポート(すなわち、第7のポート)が、バルブがINJECT状態へ完全に移行する前にサンプルループの内容物をシステム動作圧力に予備圧縮するために使用される本発明による実施形態を示している。図5A〜Dに共通して、図面は、ロータステータ密封面の法線方向すなわち軸方向図であり、このことは、ステータポートおよびステータポートチャネルが、そのそれぞれの位置関係が観察されることができるように、ロータチャネルの輪郭と同時に視認されることを許す。ステータ上でのロータの密封範囲が、このような連通がロータチャネルのステータポートまたはステータポートチャネルとの協働作用によって特に可能にされている場所以外のすべての位置でのステータ面すなわち密封平面領域の間の流体的に連通を実質的に不可能にすることを理解されよう。
【0064】
図5Aは、LOAD状態で流路を作成するためにバルブステータ503と位置合わせされたバルブロータ501を示している。ステータは、ロータステータ密封平面でロータの形状と接合する7個のポートを含む。これら7個のステータポートは、バルブステータ外部の構成要素との各接続性に基づいて識別される。ロータサンプルチャネル518が、サンプルニードルポート508と下流ループポート516の間の流体的な連通を確立する。上流ループポート514は、ロータループチャネル520を通じて、シリンジポート510と流体的に連通している。シリンジポート510は、上流ループポート514に向かって反時計方向に延びるステータ内にシリンジポートチャネル538を有する。ロータループチャネル520は、シリンジポート510を越えてロータサンプルチャネル518へ向かって時計方向に延びている。
【0065】
バルブのLOAD状態で、ステータポンプポート526が、ロータカラムチャネル524を通って分離カラムポート506と流体的に連通している。ロータカラムチャネル524はポンプポート526と重なり、また、ループチャネル520に向かって時計方向に延びるロータカラムチャネル延長部532を有する。ポンプポート526は、カラムポート506に向かって延びるステータポンプポートチャネル530を有する。
【0066】
追加のステータポート534が、上流ループポート514とポンプポート526の間のステータ内に介在されている。追加のステータポート534は、流体流に対する選択された抵抗を有する流体導管を通じてポンプと連通している。このような流れ抵抗は、追加のステータポート534をポンプと接続するために使用される導管の内径および長さの選択によって操作されることができる。ステータポンプポート526をポンプと接続する流体導管は通常、流れに対する抵抗を最小化するような寸法にされているが、一方、追加のステータポート534をポンプと接続する流体導管は、以下でさらに議論されるような量での流れに対する抵抗を供給するような寸法に意図的にされている。
【0067】
バルブのLOAD状態では、ポンプポート526および追加のステータポート534が実質上同じ圧力で存在し、小さい隔離距離が、バルブの全体的な密封特性を損なうことなく、ロータカラムチャネル延長部532と追加のステータポート534の間に存在することを許す。バルブのLOAD状態では、ポンプからの移動相液体流が、排他的にポンプポート526を通ってカラムへ移送される。
【0068】
図5Bは、バルブロータ501の30度の反時計方向の回転での例示的な実施形態を示している。ポンプポート526は、ステータポンプポートチャネル530のロータカラムチャネル524およびロータカラムチャネル延長部532との協働した相互作用を通じて、分離カラムポート506と直接流体的に連通している。シリンジポート510およびサンプルニードルポート508は流体的に隔離されている、下流ループポート516も同様である。ポンプからカラムへの流れが、バルブロータ510のこの方向で有効化されたままであるため、ロータが、すぐ下で議論されるサンプルループ予備圧縮の文脈で必要であると判断されるいずれかの時間区間でこの方向で停止されることができる。
【0069】
図5Bのバルブロータ方向では、ロータループチャネル520が、上流ループポート514を追加のステータポート534と流体的に連通させる。この構成は、ポンプを追加のステータポート534と接続する流路内に介在された流体流に対する選択された抵抗により、サンプルループ内容物がレートを制御された方式で加圧されることを可能にする。特に、上流ループポート514と追加のステータポート534の間の流体的な連通の確立が、サンプルループ加圧流体回路を、ポンプからカラムへの移動相流を維持している流体回路と一時的に平行に配置させる。
【0070】
図5A〜Dの本発明のサンプルインジェクタでは、ループ流体容量のループ加圧すなわち充填が、進行中のカラムへの移動相の移送と平行して、レートを制御された方式で行われる。ループ充填流の大きさは、ポンプと追加のステータポート534の間に介在される抵抗の選択によって制御されることができ、それによってループ充填流が、進行中のカラムへの移動相の移送に対して小さくされることができる。それに対応して、ループ充填が行われる時間枠が延長され、かつ有用な補償動作がポンプによって行われることができるのに十分長く(たとえば、約1から数秒)されることができる。
【0071】
このような補償動作の例は、カラムに移送される流量が実質上撹乱されないような、サンプルループ充填区間中のポンプ移送流量のわずかな上昇であろう。小幅なループ充填流の時間変動する大きさの補償は、用途に適するような閉ループまたは開ループの方式のいずれかで達成されることができる。ポンプからカラムへの流れを遮断しないバルブ実装とレートを制限されたサンプルループ予備圧縮との組合せが、比較的大きなループ容量でのシステム動作に対する注入過渡現象の最小化を結果として生じさせる。
【0072】
図5Cは、バルブロータ501の反時計方向の回転の約60度でのINJECT状態での例示的なバルブ実施形態を示している。ポンプポート526は、ロータループチャネル520を通じて上流ループポート514と流体的に連通している。上流ループポート514もまた、ロータループチャネル520を通じて追加のステータポート534と流体的に連通している。分離カラムポート506は、ロータカラムチャネル524を通じて下流ループポート516と流体的に連通している。シリンジポートは、ロータサンプルチャネル518を通じてサンプルニードルポート508と流体的に連通している。ロータカラムチャネル延長部532およびステータポンプポートチャネル530が、バルブの作動中ポンプ流によって洗い流されまたは掃査され、サンプル溶液がバルブの幾何学的な延長部内に保持される可能性を最小化する。
【0073】
ポンプステータチャネル530とロータカラムチャネル延長部532の間の小さい隔離距離が、ポンプポート526および隔離カラムポート506が、事実上同じ圧力で存在する、すなわちサンプルループを横切る圧力降下が無視できるものであるという事実に照らして許容可能である。追加のステータポート534が、ポンプポート526および追加のステータポート534をポンプと接続している各流路の抵抗の比に一致する低いレートでシステム流によって洗い流される。これら2つの平行な経路の抵抗および容積が、二者の洗浄または浄化時間が実質上適合し、それによって、合成勾配プロファイルの崩壊に対する可能性を減少させるように選択されてもよい。
【0074】
図5Dは、INJECTからLOAD状態へのバルブの復帰中のある点での例示的な実施形態を示している。ポンプポート526が、ロータカラムチャネル524を通じて分離カラムポート506と流体的に連通している。下流ループポート516は、サンプルニードルポート508とまだ流体的に連通していないが、一方上流ループポート514は、ロータループチャネル520のステータ内のシリンジポートチャネル538との相互作用により、シリンジポート510と今、流体的に連通している。ロータループチャネル520のシリンジポートチャネル538との相互作用によって導入されるタイミングのバイアスが、サンプルループの内圧が、サンプルニードルポート508に向かってではなく、シリンジポート510に向かって排出されることを可能にする。
【0075】
追加のステータポート534の存在は、INJECTからLOAD状態へのバルブの復帰中、シリンジポート510に向かうサンプルループの減圧を達成するための可能性に干渉しない。
【0076】
図6Aおよび6Bは、従来技術のロータリシェアシール注入バルブの概略図を示しており、かつロータリシェアシール注入バルブが本発明の実施形態によるポンプからカラムへのバイパスを有して議論される図7Aおよび7Bと比較するために意図されている。図6A〜Bおよび7A〜Bのすべてに共通して、ステータポートが、バルブステータ外部の構成要素との各接続性に基づいて独自に識別される。
【0077】
図6Aを参照すると、標準的なロータリシェアシール注入バルブ602が、LOAD状態で示されている。ロータサンプルチャネル618が、サンプルニードルポート608とサンプルループ612の下流ループポート616の間の接続性を確立する。サンプルループ612の上流ループポート614は、ロータループチャネル620を通じて、シリンジポート610と接続されている。ステータポンプポート626は、バルブのLOAD状態で、ロータカラムチャネル624を通じて分離カラムポート606と流体的に連通している。このロータ方向では、カラムへの移動相流の移送が維持されながら、サンプルが、サンプルループ612内に吸入される。
【0078】
図6Bは、INJECT状態での同じ従来技術のロータリシェアシール注入バルブ602を示している。ポンプポート626は、ロータループチャネル620を通じてサンプルループ612の上流ループポート614と流体的に連通している。分離カラムポート606は、ロータカラムチャネル624を通じてサンプルループ612の下流ループポート616と流体的に連通している。このようにして、ポンプポート626と分離カラムポート606の間の流体的な連通が、サンプルループ612によって得られる。このロータ方向では、バルブがLOAD状態である間にサンプルループ612内に吸入されたサンプルが、ポンプの移動相移送によってカラムに向かって洗い流される、または掃査される。シリンジポート610が、ロータサンプルチャネル618を通じてサンプルニードルポート608と流体的に連通している。
【0079】
図7Aでは、本発明によるサンプルインジェクタの概略図が、ポンプポート726と分離カラムポート706の間の流体的な連通のための追加の経路を提供するバイパスチャネル736と相俟ってのロータリシェアシール注入バルブ702を示している。ロータリシェアシール注入バルブ実施形態は、図3A〜3G、4A〜4Cまたは5A〜Dに関して上記で説明されたようなロータチャネルの修正形態およびステータポートまたはステータポートチャネル修正形態をさらに組み込んでいる。図7Aに示されているようなバルブのLOAD状態では、ロータサンプルチャネル718が、サンプルニードルポート708とサンプルループ712の下流ループポート716の間の流体的な連通を確立する。
【0080】
サンプルループ712の上流ループポート714は、ロータループチャネル720を通じて、シリンジポート710と接続されている。ポンプポート726は、LOAD状態で、ロータカラムチャネル724を通じて分離カラムポート706と直接連通している。バイパスチャネル736が、ポンプ配管738を通じてポンプポート726と、およびカラム配管740を通じて分離カラムポート706と接続されている。このバルブロータ方向では、移動相流の移送がカラムへ維持されながら、サンプルが、サンプルループ712内に吸入されることができる。この例示的な実施形態では、バイパスチャネル736が、その内径および長さの関数として、移動送流に対する抵抗を生成する。バルブのLOAD状態で、バイパスチャネル736は、ロータカラムチャネル724、ポンプ配管738、およびカラム配管740を備える第2の流体回路と平行である。
【0081】
後者の流体回路は、バイパスチャネル736の抵抗に対して低い流れに対する抵抗を有するような寸法にされている。バルブがLOAD状態にあるときバイパスチャネル736と平行な、この第2の、低い抵抗の流体回路の存在が、AbrahamおよびHutchinsの抵抗バイパス実施例とは異なる挙動をもたらす。図7Aの本発明のサンプルインジェクタでは、バイパス経路は、バルブがLOAD状態である間は移動相流の100パーセントを搬送しない。逆に、移動相流の大部分がこのバルブ状態で前のバイパスチャネル736を分流する。結果として、流れに対する全体的なシステム抵抗が、注入バルブがLOAD状態にあるとき、顕著には増加されない。
【0082】
図7Bは、シェアシールバルブがINJECT状態にある図7Aの実施形態を示している。ポンプポート726は、ロータループチャネル720を通じてサンプルループ712の上流ループポート714と流体的に連通している。分離カラムポート706は、ロータカラムチャネル724を通じてサンプルループ712の下流ループポート716と流体的に連通している。シリンジポート710は、ロータサンプルチャネル718を通じてサンプルニードルポート708と流体的に連通している。このようにして、バルブのINJECT状態で、バイパスチャネル726が、ポンプ配管738、ロータループチャネル720、サンプルループ712、、ロータカラムチャネル724、およびカラム配管740を備える第2の流体回路と平行である。後者の流体回路は、バイパスチャネル736の抵抗に対して低い流れに対する抵抗を有するような寸法にされている。本発明のある例示的な実施形態では、バイパスチャネルの流れに対する抵抗は、サンプルループ流体回路によって呈される流れに対する抵抗の約32倍である。2つの流体回路の対する抵抗のこの比率は、移動相流の大部分が、INJECT状態のバルブによってサンプルループ経路を通って移送されることを確実にする。
【0083】
バイパスチャネル736の存在は、バルブ状態移行中に移動相流の遮断を生じさせることなくサンプル注入が行われることを可能にする。注入バルブによる移動相流遮断に付随する破壊的な圧力および流量の過渡現象がそれによって回避される。サンプルインジェクタのLOADおよびINJECT状態の両方でバイパス736と平行なかなり低い抵抗の経路の存在が、システムがLOAD状態であるかINJECT状態であるかに基づいて異なる抵抗を呈する挙動を実質的に除去する。また、図7A〜Bの6ポートバルブ構成は、高いシステム圧力でまたは大きなサンプルループ容量で動作しているときに、顕著になることがある、サンプルループ充填から生じる過渡現象を追加的に除外するために、図5A〜Dで詳細に説明されたような介在された第7のポートによって議論されることができる。図7A〜Bのバイパスチャネルが、ポンプ配管とカラム配管の間を再びバイパスすることによって、4つのポート構成の内部ループ注入バルブに付加されることができる。
【0084】
バルブ本体の外部の個別の構成要素(チューブおよび取付具)内にバイパスチャネルおよびそれに付随する接合部を実装すること、またはバルブの本体内に一体化された流体回路としてチャネルおよびその接合部を実装すること、または2つのアプローチの組合せを使用することがオプションであることを理解されたい。
【0085】
損傷を与える過渡現象へのクロマトグラフィカラムの露出の最小化が、サンプル注入バルブの上流および下流の流体回路の特性を管理することによってさらに確実にされることができる。特に、流体容量の一時的な充填に付随する流体流が、カラムによって供給されることとは逆に、ポンプによって供給されることをできる限り確実にすることが望ましい。このバイアスを達成するために、システム設計者は、サンプル注入バルブの上流および下流の流体導管の流体流に対する抵抗を使用し、カラムを保護するために抵抗の有用な比率が得られるように、これらの流体導管を構成することができる。例示的な実施形態では、インジェクタとカラムを相互接続する流体導管によって示される流れに対する抵抗が、ポンプとインジェクタを相互接続する流体導管によって示される流れに対する抵抗の少なくとも3倍であるように構成される。上流(ポンプからインジェクタ)および下流(インジェクタからカラム)の通路の両方にかかるいかなる移動相についても、抵抗比が、それぞれの配管長さ、配管内径または両方の操作によって達成されることができる。図8は、配管内径が10分の1の値として選択された、所定の長さの配管を通じたポンプ容量の排出を示している。図8の軌跡841は、公称0.001“(25.4マイクロメートル)の内径の使用に対応し、連続する軌跡842から850は、0.002”から0.010“(50.8から254.0マイクロメートル)までのそれぞれの配管内径値の選択に対応している。個々の軌跡は、特徴的な水力時定数が、主に抵抗項の操作によって操作されるところの支配的R−Cシステムのそれぞれのステップ応答を表している。
【0086】
直径範囲(たとえば、軌跡841から844)の下端部の配管直径での、時定数が満足な短期間の一次応答を提供するために長すぎることに注意されるであろう。すなわち、ポンプ容量は、インジェクタでの一時的な充填要求を満足するために有用ではない。本実施形態での配管内径は、0.009“(228.6マイクロメートル)(軌跡849)または0.010”(254.0マイクロメートル)(軌跡850)へ増加されるとき、ポンプは今、数ミリ秒の時間枠内で有用な応答を移送することができる。支配的な過渡応答への同様のアプローチがインジェクタからカラム流体回路に適用されることができるが、実用的な程度に長い水力的な時定数を作成するという意図に反し、それによって一時的な充填要求が、カラムの上流の流体回路内の至る所に存在するとき、カラム容量が排出される程度を制限する。
【0087】
本明細書で議論される実施形態は、ポンプからカラムへの接続性を延長するために分離カラムポートに向かうポンプポートからの単一のステータチャネル延長部を記載しているが、このようなポンプからカラムへの接続性が、ポートからの追加のチャネル延長部、たとえば、ポンプとカラムの間の延長された接続を確立する、ポンプポートから反対方向に延びる2つの延長部によって達成されてもよいことを当業者なら理解されよう。
【0088】
本明細書で議論された実施形態は、バルブを通じた流路を作成する2つの延長されたチャネル、または別法として、細長いステータポートと組み合わせた1つの延長されたロータチャネルを有するロータを記載しているが、このようなバイアスが、他のステータポートまたはロータチャネルに対する修正形態を使用する本発明によって達成されることができることを当業者なら理解されよう。
【0089】
例示的な実施形態が、特定されたバルブ状態移行を達成するための「反時計方向の」ロータ回転に関して本明細書で説明されているが、このような状態移行が、代替となる構成でのバルブの時計方向の回転によって行われることができることを理解されよう。
【0090】
本明細書で議論された実施形態は、平面状のロータリシェアシールバルブの組込みに関して記述されたが、本発明のサンプルインジェクタが、円錐形または円筒形の形状を有するロータリシェアシールバルブ(ロータリスプールタイプのバルブとしばしば称される)によって、または直線状などの形状を有するシェアシールバルブによって実現化されることができることを当業者なら理解されよう。同様に、一般にシェアシールバルブアプローチは、有用な程度のバルブ要素の一体化を容易にし、比較的簡単な作動要求を有するコンパクトなサンプルインジェクタを可能にするが、本発明のサンプルインジェクタが、複数のダイヤフラム、ピン、またはその他のタイプのバルブ要素によって、または用途に適するようなバルブ要素のタイプの組合せによって実現化されることを当業者なら理解されよう。
【0091】
本明細書に記載された例示的な実施形態での流れの拘束の実施例は、配管内径および配管長さの選択によって達成されるが、代替となる内部幾何形状、内部被覆、個別のフローリストリクタなどの流れの拘束を実施する他の手段が使用可能であることを理解されたい。
【0092】
ポンプからカラムへの移動相流内へのサンプルの実際の注入の前のサンプルループ内容物の予備圧縮が、予備圧縮のために使用される流体流の発生源としてクロマトグラフィポンプを使用する本明細書に記載された例示的な実施形態に記載されているが、補助ポンプなどの代替となる圧力発生源が、この流体流を供給するために使用されてもよいことを当業者なら理解されよう。
【0093】
本明細書で議論された例示的な実施形態は、分析カラム上へのサンプルの実質上直接の注入を行うという状況で記載されているが、本発明のサプルインジェクタは、サンプル捕捉用途で、またはサンプル注入が、サンプルインジェクタの下流の捕捉カラム、カートリッジ、またはその他の受容デバイス上で行われるクロマトグラフィの他の態様で使用されることができることを当業者なら理解されよう。
【0094】
本発明は、例示的な実施形態を参照にして記載されているが、他の様々な変更、省略および/または追加が行われてもよく、かつ実質上の等価物が、本発明の精神および範囲から逸脱することなくその要素に代替してもよいことを当業者なら理解されよう。また、多くの修正が、本発明の範囲から逸脱することなく本発明の教示に対して、特定の状況または材料に適応するように行われてもよい。したがって、本発明は、本発明を実施するために開示された特定の実施形態に限定されず、本発明は特許請求の範囲内にあるすべての実施形態を含むことが意図されている。さらに、第1、第2などの用語の使用が特に述べられているが、順序または重要性を示すものではなく、第1、第2などの用語は、1つの要素を別の要素と区別するために使用されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のステータポートを有し、前記ステータポートのうちの少なくとも1つがポンプと流体的に連通しているステータ、および
前記ステータと回転自在に当接するロータであって、前記ロータが、ステータポートのうちの少なくとも2つを流体的に接続する複数のチャネルを備え、少なくとも1つのチャネルが、バルブ移行中、ポンプからカラムへの連続的な流路を維持するために十分な長さを有するロータ
を備えるロータリシェアシール注入バルブ。
【請求項2】
ポンプポートから延びる第1のステータ溝をさらに備える、請求項1に記載のロータリシェアシール注入バルブ。
【請求項3】
ポンプポートから延びる第2のステータ溝
をさらに備える請求項2に記載のロータリシェアシール注入バルブ。
【請求項4】
サンプルループ内の流体流が、バルブ反転中シリンジに向かって排出されることを確実にするために十分な長さを有する第2のチャネル
を備える請求項1に記載のロータリシェアシール注入バルブ。
【請求項5】
サンプルループ内の流体流が、バルブ反転最中にシリンジに向かって排出されることを確実にするのに十分な長さを有するシリンジポート延長部
をさらに備える請求項1に記載のロータリシェアシール注入バルブ。
【請求項6】
サンプルループ内の流体流が、バルブ反転最中にシリンジに向かって排出されることを確実にするのに十分な長さを有するシリンジポート延長部
をさらに備える請求項2に記載のロータリシェアシール注入バルブ。
【請求項7】
サンプルループ内の流体流が、バルブ反転最中にシリンジに向かって排出されることを確実にするのに十分な長さを有するシリンジポート延長部
をさらに備える請求項3に記載のロータリシェアシール注入バルブ。
【請求項8】
予備圧縮ポート、
ポンプを予備圧縮ポートと流体的に接続する第1の導管であって、導管が予備圧縮ポートを通る流体流を最小化するような寸法にされた導管、および
ポンプをポンプポートと流体的に接続する第2の導管であって、導管がポンプからポンプポートへの実質上すべての流体流を方向付けるような寸法にされた導管
をさらに備える請求項1に記載のロータリシェアシール注入バルブ。
【請求項9】
予備圧縮ポート、
ポンプを予備圧縮ポートと流体的に接続する第1の導管であって、導管が予備圧縮ポートを通る流体流を最小化するような寸法にされた導管、および
ポンプをポンプポートと流体的に接続する第2の導管であって、導管がポンプからポンプポートへの実質上すべての流体流を方向付けるような寸法にされた導管
をさらに備える請求項2に記載のロータリシェアシール注入バルブ。
【請求項10】
予備圧縮ポート、
ポンプを予備圧縮ポートと流体的に接続する第1の導管であって、導管が予備圧縮ポートを通る流体流を最小化するような寸法にされた導管、および
ポンプをポンプポートと流体的に接続する第2の導管であって、導管がポンプからポンプポートへの実質上すべての流体流を方向付けるような寸法にされた導管
をさらに備える請求項3に記載のロータリシェアシール注入バルブ。
【請求項11】
予備圧縮ポート、
ポンプを予備圧縮ポートと流体的に接続する第1の導管であって、導管が予備圧縮ポートを通る流体流を最小化するような寸法にされた導管、および
ポンプをポンプポートと流体的に接続する第2の導管であって、導管がポンプからポンプポートへの実質上すべての流体流を方向付けるような寸法にされた導管
をさらに備える請求項4に記載のロータリシェアシール注入バルブ。
【請求項12】
予備圧縮ポート、
ポンプを予備圧縮ポートと流体的に接続する第1の導管であって、導管が予備圧縮ポートを通る流体流を最小化するような寸法にされた導管、および
ポンプをポンプポートと流体的に接続する第2の導管であって、導管がポンプからポンプポートへの実質上すべての流体流を方向付けるような寸法にされた導管
をさらに備える請求項5に記載のロータリシェアシール注入バルブ。
【請求項13】
予備圧縮ポート、
ポンプを予備圧縮ポートと流体的に接続する第1の導管であって、導管が予備圧縮ポートを通る流体流を最小化するような寸法にされた導管、および
ポンプをポンプポートと流体的に接続する第2の導管であって、導管がポンプからポンプポートへの実質上すべての流体流を方向付けるような寸法にされた導管
をさらに備える請求項6に記載のロータリシェアシール注入バルブ。
【請求項14】
予備圧縮ポート、
ポンプを予備圧縮ポートと流体的に接続する第1の導管であって、導管が予備圧縮ポートを通る流体流を最小化するような寸法にされた導管、および
ポンプをポンプポートと流体的に接続する第2の導管であって、導管がポンプからポンプポートへの実質上すべての流体流を方向付けるような寸法にされた導管
をさらに備える請求項7に記載のロータリシェアシール注入バルブ。
【請求項15】
ステップが、バルブ移行中バルブを通じてのポンプからカラムへの流路を維持するステップ
を含むロータリシェアシール注入バルブの作動中、圧力過渡現象を除去するための方法。
【請求項16】
バルブの反転の際、シリンジループに向かってサンプル溶液を排出するステップを
さらに含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ロータリシェアシール注入バルブを通じてカラムへ移動相溶液を汲み出すステップと、
ロータリシェアシール注入バルブを通じてサンプルループ内へサンプル溶液を導入するステップと、
ポンプとカラムの間の一定の流体接続を維持しているバルブを作動するステップとを含む
サンプルループの安定した内部圧力を維持するための方法。
【請求項18】
バルブの反転の際、シリンジループに向かってサンプル溶液を排出するステップ
をさらに含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
バルブ移行中ポンプからサンプルループへの第1の流路を確立するステップと、
ポンプから、第1の流路に続くサンプルループへの第2の流路を確立するステップと
をさらに含むサンプルループを予備圧縮するための方法。
【請求項20】
第1の流路が、第2の流路の確立の際、第2の流路を通るすべての流体流を実質上方向付ける流れを制限する抵抗流路である
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
第2の流路が、サンプルループのカラムへの接続と実質上同時に確立される請求項19に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図3D】
image rotate

【図3E】
image rotate

【図3F】
image rotate

【図3G】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図5D】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−230116(P2012−230116A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−153234(P2012−153234)
【出願日】平成24年7月9日(2012.7.9)
【分割の表示】特願2007−553330(P2007−553330)の分割
【原出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(509131764)ウオーターズ・テクノロジーズ・コーポレイシヨン (46)