説明

液体供給装置

【課題】液体供給手段及び液体回収手段の大きさや形状を自由に設定することが可能な液体供給回収装置を提供する。
【解決手段】液体供給回収装置としてのインク供給回収装置12は、ユニット本体としてのケース27内に、インクを貯留し、該インクをインクジェット式プリンタの記録ヘッド19にインク供給チューブ21を介して供給するインクカートリッジ28と、記録ヘッド19から排出されるインクを、インク排出チューブ25を介して回収する回収容器29とを備えている。そして、そのようなインクカートリッジ28と回収容器29とを備えたケース27は、インクジェット式プリンタ11の外部に別体として設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばインクジェット式プリンタ等の液体噴射装置に液体を供給するとともに、液体噴射装置から排出される液体を回収する液体供給回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体噴射ヘッドから液体をターゲットに対して噴射する液体噴射装置として、例えば、インクジェット式記録装置(以下、単に「プリンタ」と言う)が知られている。このプリンタは、通常、液体噴射ヘッドにインクを供給するためのインク供給タンク(液体供給手段)と、液体噴射ヘッドから排出された廃インクを回収するためのインク回収タンク(液体回収手段)とを、プリンタの内部に備えている。このようなプリンタとしては、従来、インク供給タンク及びインク回収タンクの双方をキャリッジに搭載したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1のプリンタでは、液体噴射ヘッドの回復動作(クリーニング)を行う場合、キャップを液体噴射ヘッドに密着させてノズル内のインク(液体)をポンプで吸引し、吸引した廃インクをインク回収タンクに回収している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−60991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のプリンタでは、インク供給タンク及びインク回収タンクがキャリッジに搭載されているため、これらを大きくすることが困難であった。このため、特に大量の印刷を行う場合には、液体噴射ヘッドのクリーニングやフラッシングを行う回数も多くなり、インク供給タンク及びインク回収タンクを頻繁に交換する必要があった。また、特許文献1には、インク供給タンク及びインク回収タンクをプリンタ内におけるキャリッジ以外の場所に配置した形態のプリンタ(実施例5、図6参照)が記載されている。しかしながら、この場合であっても、インク供給タンク及びインク回収タンクをプリンタ内に配置する以上、これらをプリンタに必要な装置が配置されていないデッドスペースに配置しなければならず、これらの大きさや形状を自由に設定することは困難であった。特にインク回収タンクに吸収材を配置する場合、その形状によりインクの保持量に差がでてしまう。しかし、デッドスペースに配置する場合、理想的な立方体や直方体の形状にすることができなかった。
【0005】
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、液体供給手段及び液体回収手段の大きさや形状を自由に設定することが可能な液体供給回収装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の液体供給回収装置は、液体を貯留し、該液体を液体噴射装置の液体噴射ヘッドに液体供給管を介して供給する液体供給手段と、前記液体噴射ヘッドから排出される液体を、液体排出管を介して回収する液体回収手段とを備えたユニット本体が、前記液体噴射装置の外部に別体として設けられた。
【0007】
この発明によれば、液体供給手段及び液体回収手段がスペース的制約のある液体噴射装置とは別体のユニット本体に設けられる構成となるため、液体噴射装置の大きさに関係なく、液体供給手段及び液体回収手段の大きさや形状を自由に設定することが可能となる。
【0008】
本発明の液体供給回収装置は、前記ユニット本体において、前記液体回収手段の上側に前記液体供給手段が配置された。
この発明によれば、液体供給手段が該液体供給手段に貯留された液体を毛細管力によって液体噴射ヘッドに供給する場合に、該液体供給手段を該毛細管力が好適に保たれる位置に容易に配置することが可能となる。
【0009】
本発明の液体供給回収装置は、前記液体供給手段及び前記液体回収手段が、前記ユニット本体に対して着脱可能に構成された。
この発明によれば、前記液体供給手段及び前記液体回収手段を容易に交換することが可能となる。
【0010】
本発明の液体供給回収装置は、前記液体供給手段が、前記液体噴射ヘッドのノズルにおける毛細管力により、前記液体が前記液体噴射ヘッドに供給されるように構成された。
この発明によれば、液体供給手段に貯留された液体を加圧するための加圧モータ等の加圧手段を必要とすることなく、すなわち、電源等を必要とすることなく液体噴射ヘッドに液体を供給することが可能となる。このため、液体供給回収装置の小型化やランニングコスト(電気代等)の低減を図ることが可能となる。
【0011】
本発明の液体供給回収装置は、前記液体供給手段が、該液体供給手段に貯留された液体の静水頭が前記液体噴射ヘッドのノズル形成面よりも低くなるように配置された。
この発明によれば、液体噴射ヘッドのノズル形成面において液体が正圧にならないので、液体噴射ヘッドから適切な量の液体を噴射することが可能となる。
【0012】
本発明の液体供給回収装置は、前記液体噴射ヘッドのノズルにおける毛細管力により、前記液体が前記液体噴射ヘッドに供給される状態を維持するように前記液体噴射装置と前記ユニット本体との位置関係を保つ保持部材を備えた。
【0013】
この発明によれば、毛細管力により液体を液体噴射ヘッドに確実に供給することが可能となる。
本発明の液体供給回収装置は、前記液体噴射装置と前記ユニット本体との間で前記液体供給管及び前記液体排出管を覆う被覆部材が設けられた。
【0014】
この発明によれば、液体供給管及び液体排出管が外力から保護されるとともに、これらがユーザによって誤って引き抜かれないようにすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態における液体噴射システムの断面図。
【図2】実施形態におけるインクジェット式プリンタの断面図。
【図3】実施形態におけるインク供給回収装置の斜視図。
【図4】実施形態におけるインク供給回収装置の要部拡大断面図。
【図5】実施形態におけるインク供給回収装置の断面簡略図。
【図6】実施形態におけるカバーの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を、液体噴射システムに用いられる液体供給回収装置に具体化した実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。なお、特に説明がない限り、以下の記載における前後方向、上下方向及び左右方向は、図1において紙面に対して手前側を前方としたときの前後方向、上下方向及び左右方向と一致するものとする。
【0017】
図1に示すように、液体噴射システム10は、液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ11と、該インクジェット式プリンタ11に対して液体としてのインクを供給及び回収する液体供給回収装置としてのインク供給回収装置12とを備えている。インクジェット式プリンタ11とインク供給回収装置12とは、水平に配置された保持部材としてのトレイ13上に左右方向に並設されている。このトレイ13により、インクジェット式プリンタ11とインク供給回収装置12とが、一定の位置関係に保たれるようになっている。
【0018】
図2に示すように、インクジェット式プリンタ11は、有底略長四角箱状の本体ケース14を備えている。本体ケース14の左右両側壁間には、棒状のガイド部材15が左右方向に延びるように架設されている。ガイド部材15には、キャリッジ16が、ガイド部材15に沿って左右方向に移動可能に挿通支持されている。キャリッジ16は、タイミングベルト17を介してキャリッジモータ18に接続されており、該キャリッジモータ18の駆動により、ガイド部材15に沿って左右方向に移動されるようになっている。
【0019】
キャリッジ16の下部には、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド19が搭載されている。記録ヘッド19の下面は、ノズル形成面19aとなっており、該ノズル形成面19aには、図示しない複数のノズルが設けられている。キャリッジ16における記録ヘッド19の上側には、複数(本実施形態では8つ)のインク貯留室20が設けられており、該各インク貯留室20には、インク供給回収装置12から延びる液体供給管としての複数(本実施形態では8つ)の可撓性を有するインク供給チューブ21がそれぞれ接続されている。そして、各インク貯留室20は、インク供給回収装置12から各インク供給チューブ21を介して供給される複数色(本実施形態では8色)のインクをそれぞれ一時貯留するようになっている。また、各インク貯留室20にそれぞれ一時貯留された各インクは、記録ヘッド19に供給されるようになっている。
【0020】
キャリッジ16の下方には、左右方向に延びるプラテン22が設けられている。プラテン22は、ターゲットとしての記録用紙Pを支持する支持台であり、その上面には、図示しない紙送り機構が設けられている。この紙送り機構は、本体ケース14に設けられた紙送りモータ(図示略)の駆動により、前方に向かって記録用紙Pを給送(移動)するようになっている。そして、キャリッジ16が、ガイド部材15に沿って往復移動されながら、印刷データに基づいて、記録ヘッド19に設けられた図示しない圧電素子が駆動されると、ノズル形成面19aの各ノズルから各インクが、前方に向かって給送される記録用紙Pに対してそれぞれ噴射されて、記録用紙Pに印刷が行われるようになっている。
【0021】
本体ケース14内の右端部には、印刷を行うことのない非印刷領域(ホームポジション)が設けられており、この非印刷領域には、クリーニング機構23が備えられている。クリーニング機構23は、キャップ24、可撓性を有する液体排出管としてのインク排出チューブ25及び吸引ポンプ26を備えている。
【0022】
キャップ24は、その上面が開口した略四角箱状をなしており、非印刷領域に設けられた昇降モータ(図示略)の駆動力によって、上下方向に往復移動するように構成されている。キャップ24の内底壁には、該内底壁を上下方向に貫通する吸引孔24aが形成されている。キャップ24の上端部には、可撓性材料よりなる略四角形状の枠状部24bが設けられている。そして、記録ヘッド19が非印刷領域に移動した状態でキャップ24が上方へ移動されると、枠状部24bが記録ヘッド19のノズル形成面19aを封止するように当接され、この当接によりキャップ24内には、各ノズル(図示略)を密閉する空間であるキャップ内空間が形成されるようになっている。
【0023】
インク排出チューブ25は、吸引孔24aに接続されており、該インク排出チューブ25の中間部には、吸引ポンプ26が設けられている。そして、キャップ24がノズル形成面19aを封止した状態で、吸引ポンプ26を駆動させることにより、記録ヘッド19内にある増粘した各インクが、各ノズル(図示略)からそれぞれキャップ内空間及びインク排出チューブ25を介してインク供給回収装置12へ排出されて、記録ヘッド19のクリーニングが行われるようになっている。
【0024】
図3に示すように、インク供給回収装置12は、直方体状をなすユニット本体としてのケース27を備えている。そして、ケース27内に挿入される直方体形状をなす液体供給手段としての複数(本実施形態では8個)のインクカートリッジ28と、ケース27内に挿入される四角箱状をなす液体回収手段としての回収容器29とを備えている。各インクカートリッジ28内には、互いに異なる色のインクがそれぞれ充填されている。
【0025】
ケース27の前面の上部には、各インクカートリッジ28をそれぞれ挿入するための8つの第1挿入口27aが左右方向にそれぞれ並設されている。また、ケース27の前面の下部には、回収容器29を挿入するための第2挿入口27bが設けられている。そして、各インクカートリッジ28及び回収容器29は、各第1挿入口27a及び第2挿入口27bによりそれぞれケース27に対して着脱可能に構成されている。
【0026】
図4に示すように、ケース27内には、各第1挿入口27aから各インクカートリッジ28を奥までそれぞれ挿入した際に、該各インクカートリッジ28の後面が当接する当接壁30が設けられている。当接壁30の下端部には、前後方向に延びる8本の筒状をなす供給針31が各インクカートリッジ28と対応するように貫設されている。
【0027】
各インクカートリッジ28の後壁の下端部には、各供給針31と対向するように供給孔28aがそれぞれ形成されており、各インクカートリッジ28の後面が当接壁30に当接した際に、各供給針31の前端部が供給孔28aから各インクカートリッジ28内に挿入されるようになっている。各供給孔28aには、弁機構(図示略)が設けられており、各供給針31が挿入されていない状態では、各インクカートリッジ28内の各インクが各供給孔28aからそれぞれ漏れ出さないようになっている。
【0028】
各供給針31の後端部には、一端が各インク貯留室20にそれぞれ接続された各インク供給チューブ21の他端がそれぞれ接続されている。各供給針31から記録ヘッド19までの間は、大気と遮断されている。そして、記録ヘッド19で各インクが消費されることによって発生するノズルでの毛細管力により、各インクは、各インク供給チューブ21及び各インク貯留室20を介して記録ヘッド19にそれぞれ供給されるようになっている。なお、図1に示すように、各インクカートリッジ28は、その内部の各インクの液面28bが、記録ヘッド19のノズル形成面19aよりも低くなるように配置されており、ノズル形成面19aにおいて各インクが正圧にならないようになっている。この場合、各インクカートリッジ28は、その内部の各インクが記録ヘッド19で発生する毛細管力によって、各インク供給チューブ21及び各インク貯留室20を介して記録ヘッド19にそれぞれ適正に供給される程度の高さに配置されている。特に、図1に示すように、トレイ13上にインクジェット式プリンタ11とインク供給回収装置12とを配置することで、それぞれの高さ方向の位置決めがなされるので、ユーザーによってこれらの高さ方向における位置関係が変更されない。
【0029】
図5に示すように、第2挿入口27b(図3参照)からケース27内に回収容器29を装着した状態では、一端が吸引孔24aに接続されたインク排出チューブ25の他端が該回収容器29内に配置されるようになっている。さらにこの状態では、ケース27内に支持されたインクセンサ32が回収容器29内に配置されるようになっている。
【0030】
インクセンサ32は、ケース27内に設けられた制御部33と電気的に接続され、該制御部33は、ケース27の表面に設けられた報知手段としてのランプ34と電気的に接続されている。そして、回収容器29内のインク量が所定量(回収容器29の容積の8〜9割程度の量)に達すると、インクセンサ32がインクに浸ることで、インクセンサ32から信号が制御部33に送られ、該信号に基づき制御部33がランプ34を点灯させるようになっている。
【0031】
図6に示すように、インクジェット式プリンタ11の本体ケース14とインク供給回収装置12のケース27との間には、露出したインク供給チューブ21、インク排出チューブ25及びケーブル(図示略)等を覆うように被覆部材としてのカバー35が設けられている。カバー35は、断面形状が下方に開口したコ字状をなしており、金属等の剛性を有する材料よりなっている。カバー35は、左右方向の長さがインクジェット式プリンタ11の本体ケース14とインク供給回収装置12のケース27との間の距離とほぼ同じになっており、その下端部はトレイ13(図1参照)に固定されている。そして、本実施形態のインク供給回収装置12は、ケース27内に各インクカートリッジ28及び回収容器29が収容された状態でユニット化されている。
【0032】
さて、インクジェット式プリンタ11により記録用紙Pに印刷が行われて各インク貯留室20内の各インクがそれぞれ消費されると、消費された分の各インクは、各インクカートリッジ28から、記録ヘッド19のノズルにおける毛細管力により、各インク供給チューブ21及び各インク貯留室20を経て記録ヘッド19内に補充される。また、記録ヘッド19のクリーニングの際に、吸引ポンプ26の駆動により記録ヘッド19内から排出された各インクは、キャップ内空間及びインク排出チューブ25を介して回収容器29内に回収される。そして、ランプ34が点灯すれば、回収容器29を第2挿入口27bから引き出して該回収容器29内のインクを処分し、再び第2挿入口27bからケース27内に回収容器29を戻せばよい。このようにすれば、回収容器29からインクが溢れ出ることがなくなる。
【0033】
以上、詳述した実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)インク供給回収装置12のケース27が、インクジェット式プリンタ11の外部に別体として設けられているため、各インクカートリッジ28及び回収容器29の大きさや形状を自由に設定することができる。このため、インクジェット式プリンタ11により大量印刷を行っても、各インクカートリッジ28を頻繁に交換したり、回収容器29内に回収されたインクを頻繁に処分したりする必要がなくなる。
【0034】
(2)インク供給回収装置12のケース27において、回収容器29の上側に各インクカートリッジ28が配置されているため、各インクカートリッジ28内の各インクを毛細管力によって記録ヘッド19に供給する場合に、該毛細管力を保つために必要な各インクカートリッジ28の高さを容易に確保することができる。
【0035】
(3)各インクカートリッジ28及び回収容器29が、インク供給回収装置12のケース27に対して着脱可能に構成されているため、各インクカートリッジ28の交換や回収容器29内に回収されたインクの処分を容易に行うことができる。
【0036】
(4)インク供給回収装置12は、各インクカートリッジ28内の各インクが、記録ヘッド19のノズルにおける毛細管力によって該記録ヘッド19に補充されるため、各インクを加圧するための加圧モータ等を必要とすることなく、すなわち、電源等を必要とすることなく各インク貯留室20、記録ヘッド19に各インクを補充することができる。このため、インク供給回収装置12(ケース27)の小型化やランニングコスト(電気代等)の低減を図ることができる。
【0037】
(5)各インクカートリッジ28内の各インクの液面28bは、記録ヘッド19のノズル形成面19aよりも低い位置にあるため、記録ヘッド19のノズル形成面19aにおいて各インクが正圧にならない。このため、記録ヘッド19から噴射される各インク量が多くなったり、各インクの噴射が不安定になったりするのを抑制することができ、記録ヘッド19から適切な量の各インクを安定して噴射することができる。
【0038】
(6)トレイ13により、インクジェット式プリンタ11とインク供給回収装置12(ケース27)とが、一定の位置関係に保つことができるため、各インクカートリッジ28内の各インクの水頭を適正に維持することができる。このため、記録ヘッド19のノズルにおける毛細管力により該各インクを、各インク貯留室20、記録ヘッド19に確実に補充、供給することができる。
【0039】
(7)インクジェット式プリンタ11の本体ケース14とインク供給回収装置12のケース27との間の露出したインク供給チューブ21、インク排出チューブ25及びケーブル(図示略)等は、カバー35によって覆われている。このため、カバー35によって、インク供給チューブ21、インク排出チューブ25及びケーブル(図示略)等を、外力から保護することができるとともに、これらがユーザ等によって誤って引き抜かれないようにすることができる。
(変更例)
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
【0040】
・カバー35を省略してもよい。
・トレイ13を省略してもよい。
・各インクカートリッジ28内は、自由液面でなくとも、これと同等の静水頭となる密閉した袋等であってもよい。
【0041】
・各インクカートリッジ28内の各インクの液面28bが、記録ヘッド19のノズル形成面19aと同じ高さか、それよりも高い位置になるように各インクカートリッジ28を配置してもよい。
【0042】
・各インクカートリッジ28内の各インクを、加圧ポンプ等によって加圧して記録ヘッド19に供給するようにしてもよい。
・回収容器29及び各インクカートリッジ28のうち少なくとも一方は、インク供給回収装置12のケース27に固着されていてもよい。この場合、各インクカートリッジ28への各インクの補充や回収容器29内のインクの処分ができるようにインク供給回収装置12のケース27を構成する必要がある。
【0043】
・各インクカートリッジ28の上側に回収容器29が配置されるようにインク供給回収装置12のケース27を構成してもよい。
・インク供給チューブ21及びインク排出チューブ25をそれぞれインクジェット式プリンタ11とインク供給回収装置12との間で分断し、この分断した部分を継手によってそれぞれ繋ぐようにして、インクジェット式プリンタ11とインク供給回収装置12とを分離可能に構成してもよい。このようにすれば、例えば、インク供給回収装置12を前述したような加圧ポンプ等によってインクを供給するタイプのものに容易に交換することもできる。
【0044】
・回収容器29内に回収したインクを吸収保持するインク吸収材を設けてもよい。この場合、インク吸収材は、回収容器29の内部に収まるような直方体形状のものであることが望ましい。これにより、回収したインクを効率的に保持することができる。
【0045】
・報知手段としてブザーやメロディ等を用いてもよい。
・インク供給回収装置12のケース27には、インクカートリッジ28を1個、あるいは8個以外の複数個設けるようにしてもよい。
【0046】
・上記実施形態では、液体噴射装置をインクジェット式プリンタ11として具体化したが、例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタの製造や、有機ELディスプレイ等の画素形成に利用される液体噴射装置であってもよい。
【符号の説明】
【0047】
11…液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ、12…液体供給回収装置としてのインク供給回収装置、13…保持部材としてのトレイ、19…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、19a…ノズル形成面、21…液体供給管としてのインク供給チューブ、25…液体排出管としてのインク排出チューブ、27…ユニット本体としてのケース、28…液体供給手段としてのインクカートリッジ、29…液体回収手段としての回収容器、35…被覆部材としてのカバー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯留し、該液体を液体噴射装置の液体噴射ヘッドに液体供給管を介して供給する液体供給手段と、前記液体噴射ヘッドから排出される液体を、液体排出管を介して回収する液体回収手段とを備えたユニット本体が、前記液体噴射装置の外部に別体として設けられたことを特徴とする液体供給回収装置。
【請求項2】
前記ユニット本体において、前記液体回収手段の上側に前記液体供給手段が配置されたことを特徴とする請求項1に記載の液体供給回収装置。
【請求項3】
前記液体供給手段及び前記液体回収手段は、前記ユニット本体に対して着脱可能に構成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体供給回収装置。
【請求項4】
前記液体供給手段は、前記液体噴射ヘッドのノズルにおける毛細管力により、前記液体が前記液体噴射ヘッドに供給されるように構成されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の液体供給回収装置。
【請求項5】
前記液体供給手段は、該液体供給手段に貯留された液体の静水頭が前記液体噴射ヘッドのノズル形成面よりも低くなるように配置されたことを特徴とする請求項4に記載の液体供給回収装置。
【請求項6】
前記液体噴射ヘッドのノズルにおける毛細管力により、前記液体が前記液体噴射ヘッドに供給される状態を維持するように前記液体噴射装置と前記ユニット本体との位置関係を保つ保持部材を備えたことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の液体供給回収装置。
【請求項7】
前記液体噴射装置と前記ユニット本体との間で前記液体供給管及び前記液体排出管を覆う被覆部材が設けられたことを特徴とする請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の液体供給回収装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−5878(P2011−5878A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−232587(P2010−232587)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【分割の表示】特願2005−133446(P2005−133446)の分割
【原出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】