説明

液体充填装置、及び、待機方法

【課題】待機状態において充填ノズルのニードルが外気と接触することのない液体充填装置を実現する。
【解決手段】本発明の液体充填装置は、ニードル122を刺し込んで密閉容器3に液体を充填する充填ノズル12と、密閉容器3に液体を充填していないときにニードル122を収容する待機容器15とを備えている。待機容器15の封止部材152に形成された貫通孔152aを介してニードル122を待機容器15に収容したときに封止部材152に嵌合するニードルベース123がニードル122の根元に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズルを用いて容器に液体を充填する液体充填装置に関する。また、本発明は、そのような液体充填装置において、ノズルを待機させる待機方法に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料やインクなどの流動性を有する物体(以下、液体と呼ぶ)を容器に充填するために、液体充填装置がしばしば用いられる。液体充填装置は、第1の容器(以下、「供給容器」と呼称する)に蓄えられた液体を第2の容器(以下、「充填容器」と呼称する)に充填することを目的としている。
【0003】
液体充填装置の各部の構成は、用途に応じて様々に異なりうる。特に液体を充填容器内に射出する充填ノズルの形状は、充填する液体の性質(例えば、粘性や揮発性など)によっても、また、充填容器の形状や性質等によっても多様に異なりうる。
【0004】
例えば、紙コップに液体を充填するための装置としては、特許文献1に記載の液体充填装置が挙げられる。この液体充填装置においては、先がラッパ状に広がった充填ノズルが用いられている。
【0005】
一方、密閉容器に液体を充填する場合や、揮発性の高い液体を容器に充填する場合には、液体の充填中および充填後における充填容器の密閉性を高く保つ必要がある。このような場合、充填容器の開口部を内向きの内部応力を持った弾性体で封止したうえで、この弾性体に刺し込んだニードルを介して充填容器内に液体を充填する方法がしばしば用いられる。
【0006】
充填する液体の一例としては、プリンターのインクが挙げられる。プリンターのインクには、さまざまな性質のものがある。溶媒としては、主に揮発性のある有機溶剤が用いられ、溶質としては、染料や顔料、熱硬化性の樹脂を含有したものが用いられる。また、最近では液体吐出記録装置を産業用途に応用した装置の開発も進んでおり、例えば液晶ディスプレイの製造装置や太陽電池の製造装置にも応用されているが、その場合はそれぞれの目的に応じたインクが使用されている。
【0007】
特許文献2には、メインタンクに蓄積されたインクをサブタンクに充填する技術が開示されている。メインタンクが上記供給容器に対応し、サブタンクが上記充填容器に対応する。メインタンク及びサブタンクは、インクの乾燥を防ぐために密閉されている必要がある。このため、ニードルをジョイントゴムに刺し込んでサブタンクに液体を充填するようになっている。ジョイントゴムは、内部応力を有する状態でサブタンクを封止しており、供給ノズルが刺し込まれている状態のみならず、供給ノズルが引き抜かれた後であっても、サブタンクの密閉性を保つことができる。
【0008】
特許文献3には、待機容器の側壁上端にノズルの下面を当接させることによって、あるいは、待機容器の開口部を覆うシール部材にノズルを陥入させることによって、ノズルを収容した状態で待機容器を密閉し、待機状態においてノズルが外気と接触することを回避する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実開昭62−137296(公開日:1987年8月29日)
【特許文献2】特開2008-006772(公開日:2008年1月17日)
【特許文献3】特開2003−071363(公開日:2003年3月11日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献2に記載の液体充填装置は、充填ノズルが充填容器を離れて待機している状態(以下、「待機状態」とよぶ)において、充填ノズルが外気と接触するために充填ノズル内部に滞留している液体の品質が劣化しやすいという問題を有している。
【0011】
より具体的に言えば、溶媒が蒸発または揮発することによる、溶質の析出や液体の固化などが起こる危険性がある。そして、溶質の析出や液体の固化が起こると、充填ノズル内部の液体流路や配管の断面積が小さくなることにより流路抵抗が増大し、ノズル詰まりが生じる。また、析出物や固形物が剥がれて充填され、充填容器中に沈殿物が発生するなどの問題を生じる。特に、溶媒が揮発しやすい場合や待機時間が長い場合などには、このような問題が生じ易い。
【0012】
特許文献3に記載の技術によれば、このような問題を一応回避することができる。ただし、待機容器の側壁上端面にノズルの下面を当接させることによって密閉状態を実現する構成では、待機容器の側壁上端面およびノズルの下面の平坦性が少しでもそこなわれると密閉状態が実現できなくなるという問題があった。また、待機容器の開口部を覆うシール部材を用いて待機容器の密閉を実現する構成は、ニードルを刺し込んで容器に液体を充填するノズルには適用することができなかった。何故なら、このシール部材は可塑性を有しているため、ニードルが深く挿入され過ぎたり、斜めに挿入されたりしてニードルの先端あるいは待機容器を破損する虞があるからである。
【0013】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、待機状態において充填ノズルのニードルが外気と接触することのない液体充填装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明に係る液体充填装置は、ニードルを刺し込んで容器に液体を充填するノズルと、容器に液体を充填していないときに上記ニードルを収容する収容容器とを備えた液体充填装置であって、上記収容容器の口栓部に形成された貫通孔を介して上記ニードルを上記収容容器に収容したときに上記口栓部に嵌合する嵌合部が上記ニードルの根元に形成されている、ことを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、上記収容容器の口栓部に形成された貫通孔を介して上記ニードルを上記収容容器に収容すると、上記ニードルの根元に設けられた嵌合部が上記収容容器の口栓部に嵌合し、上記収容容器が密閉される。すなわち、上記収容容器の密閉が、上記嵌合部と上記口栓部との嵌合により実現される。このため、待機容器の側壁上端面とノズルの下面との当接により上記収容容器の密閉を実現する場合と比べ、より確実に収容容器を密閉することができる。すなわち、容器に液体を充填していないときに、上記ニードルが外気と接触することをより確実に防止することができる。
【0016】
しかも、上記構成によれば、上記ニードルの根元に設けられた嵌合部が上記口栓部に嵌合するので、上記ニードルが深く挿入され過ぎて、上記ニードルの先端が上記収容容器の底面に接触したり、上記ニードルが斜めに挿入されて、上記ニードルの先端が上記収容容器の側面に接触したりして、上記収容容器又は上記ニードルが破損することを防止できる。
【0017】
また、上記ニードルは、液体を充填するときのように容器に刺し込まれるのではなく、
上記口栓部に予め設けられた上記貫通孔を介して上記収容容器に収容される(貫通孔の直径は、上記ニードルの直径よりわずかに大きい)。したがって、上記ニードルと上記口栓部とが接触して、上記ニードル又は上記口栓部が破損することを防止できる。
【0018】
本発明に係る液体充填装置において、上記嵌合部は、頂点が上記ニードルの先端の方に向いた円錐または円錐台状に形成されている、ことが好ましい。
【0019】
上記構成によれば、より効果的に上記嵌合部を上記口栓部に嵌合させることができる。これにより、上記ニードルを上記収容容器に収容したときに、より確実に上記収容容器を密閉することができる。
【0020】
本発明に係る液体充填装置においては、上記口栓部の上記貫通孔を取り囲む内側面にO−リングが設けられている、ことが好ましい。
【0021】
上記構成によれば、上記勘合部を上記O−リングに押し付けることによって、より確実に上記収容容器を密閉することができる。
【0022】
本発明に係る液体充填装置において、上記嵌合部は、上記貫通孔を取り囲む上記口栓部の内縁に嵌合する凹部である、ことが好ましい。
【0023】
上記構成によれば、より効果的に上記嵌合部を上記口栓部に嵌合させることができる。これにより、上記ニードルを上記収容容器に収容したときに、より確実に上記収容容器を密閉することができる。
【0024】
本発明に係る液体充填装置において、上記口栓部は、開閉可能に分割されており、上記嵌合部は、上記口栓部を閉じた際に上記貫通孔を取り囲む上記口栓部の内縁に嵌合する凹部である、ことが好ましい。
【0025】
上記構成によれば、効果的に上記嵌合部を上記口栓部に嵌合させることができ、なおかつ、上記口栓部および嵌合部の磨耗,劣化を防ぐことができる。したがって、上記構成によれば、確実に上記収容容器を密閉することができ、なおかつ、上記口栓部および嵌合部の維持管理を容易ならしめることができる。
【0026】
上記課題を解決するために、本発明に係る待機方法は、ニードルを刺し込んで容器に液体を充填するノズルと、上記ニードルを収容する収容容器とを備えた液体充填装置において、上記ノズルを待機させる待機方法であって、容器に液体を充填していないときに、上記ニードルの根元に形成された嵌合部が上記収容容器の口栓部に嵌合するよう、上記口栓部に形成された貫通孔を介して上記ニードルを上記収容容器に収容する、ことを特徴とする。
【0027】
上記構成によれば、容器に液体を充填していないときに、上記ニードルが外気と接触することをより確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る液体充填装置は、以上のように、ニードルを刺し込んで容器に液体を充填するノズルと、容器に液体を充填していないときに上記ニードルを収容する収容容器とを備えた液体充填装置であって、上記収容容器の口栓部に形成された貫通孔を介して上記ニードルを上記収容容器に収容したときに上記口栓部に嵌合する嵌合部が上記ニードルの根元に形成されている。このため、容器に液体を充填していないときに、上記ニードルが外気と接触することをより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第3の実施形態を示すものであり、充填ノズルおよび待機容器の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態を示すものであって、本発明に係る液体充填装置の要部構成を示す概略図である。
【図3】本発明の実施形態の変形例を示すものであって、本発明に係る液体充填装置の要部構成を示す概略図である。
【図4】本発明の実施形態を示すものであり、密閉容器の構成を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態を示すものであって、(a)は充填ノズルおよび待機容器の構成を示す図であり、(b)は本実施形態の変形例を示す上面図であり、(c)は本実施形態の当該変形例を示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態を示すものであり、充填ノズルおよび待機容器の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
〔液体充填装置の構成〕
まず、液体充填装置1の要部構成について、図2を参照して説明する。図2は、液体充填装置1の要部構成を示した図である。
【0031】
液体充填装置1は、供給容器2に蓄えられた液体を密閉容器3に充填するための装置であり、図2に示したように、密閉容器設置部11と、充填ノズル(ノズル)12と、液体搬送用配管13と、液体搬送用ポンプ14と、待機容器(収容容器)15とを備えている。
【0032】
密閉容器設置部11は、密閉容器3を設置するための構成である。本実施形態においては、図2に示したように3つの密閉容器3を設置可能な密閉容器設置部11を用いているが、2つ又は4つ以上の密閉容器3を設置可能な密閉容器設置部を用いてもよいし、単一の密閉容器3を設置可能な密閉容器設置部を用いてもよい。また、多数の密閉容器3に液体を順次充填するために、既に液体が充填された密閉容器3を密閉容器設置部11から搬出し、未だ液体が充填されていない密閉容器3を密閉容器設置部11に搬入する構成を付加してもよい。
【0033】
充填ノズル12、液体搬送用配管13、及び、液体搬送用ポンプ14は、供給容器2に蓄えられている液体を、密閉容器設置部11に設置された密閉容器3に充填するための構成である。充填ノズル12にはニードルが設けられており、このニードルを密閉容器3に刺し込んで液体搬送用ポンプ14を作動させると、供給容器2に蓄えられた液体が、液体搬送用配管13を介して充填ノズル12に搬送され、ニードルを介して密閉容器3の内部に射出されるようになっている。
【0034】
なお、図2においては、単一の充填ノズル12、液体搬送用配管13、及び、液体搬送用ポンプ14を備えた液体充填装置1を例示しているが、液体充填装置1は複数の充填ノズル12、液体搬送用配管13、及び、液体搬送用ポンプ14を備えていてもよい。特に、種類の異なる複数の液体を充填する場合には、充填する液体の種類と同数の充填ノズル12、液体搬送用配管13、及び、液体搬送用ポンプ14を設け、充填する液体の種類に応じて充填ノズル12、液体搬送用配管13、及び、液体搬送用ポンプ14を使い分けるようにしてもよい。また、密閉容器設置部11に複数の密閉容器3を設置可能な場合には、密閉容器3と同数の充填ノズル12を設け、それらの密閉容器3に同時に液体を充填するようにしてもよい。
【0035】
また、液体搬送用配管13は、供給容器2から充填ノズル12に搬送される液体の流路となる配管であれば何でもよいが、その材質は、充填する液体の性質に応じたものであることが好ましい。本実施形態においては、PFAチューブを液体搬送用配管として使用している。また、液体搬送用配管13は、端部が供給容器2の底面に到達するよう供給容器2に深く差し込み、供給容器2に蓄積された液体が減少しても液体を搬送し続けることができるようにしている。一方、液体搬送用配管13の他方の端部の外側面にはネジ山が切られており、充填ノズル12をネジ止めすることができるようになっている。
【0036】
また、液体搬送用ポンプ14は、供給容器2側から吸引した液体を充填ノズル12側に排出するポンプであれば何でもよいが、その構造および材質は、充填する液体の性質に応じたものであることが好ましい。本実施形態においては、チューブポンプを液体搬送用ポンプ14として使用しているが、チューブポンプの代わりに、ダイヤフラムポンプを液体搬送用ポンプ14として使用してもよい。また、液体搬送用ポンプ14によって液体を搬送する代わりに、供給容器2を加圧タンクに入れ、加圧タンク内を加圧することによって、液体を搬送するようにしてもよい。
【0037】
待機容器15は、液体を充填していないときに充填ノズル12のニードルを収容するための容器である。待機容器15の材質は、充填する液体の性質に応じたものであることが好ましい。待機容器15は、貫通孔が形成された封止部材により封止されており、この貫通孔を介して挿入された充填ノズル12のニードルを内部に収容することができるようになっている。この際、充填ノズル12のニードルの根元に設けられたニードルベースが、封止部材に設けられた貫通孔を塞ぐことによって、待機容器15の密閉が実現される。待機容器15内には溶媒が予め充填されており、待機状態においても充填ノズル12に滞留している液体が乾燥しないようになっている。なお、待機容器15の内容積が十分小さい場合には、溶媒を待機容器15に予め充填しておかなくてもよい。この場合には、充填ノズル12に滞留している溶媒により、待機容器15内の蒸気圧が十分高く保たれるためである。
【0038】
なお、図2においては、単一の待機容器15を備えた液体充填装置1を例示しているが、液体充填装置1は複数の待機容器15を備えていてもよい。特に、複数の充填ノズル12を設ける場合には、充填ノズル12と同数の待機容器15を設け、それらの充填ノズル12を同時に待機させることができるようにするとよい。
【0039】
液体充填装置1は、更に、充填ノズル12又は密閉容器3および待機容器15を水平方向に移動する移動手段(不図示)と、充填ノズル12又は密閉容器3および待機容器15を鉛直方向に移動する移動手段(不図示)とを備えている。
【0040】
密閉容器3に液体を充填するときには、充填ノズル12が密閉容器3上に配置されるよう、水平方向移動手段が充填ノズル12又は密閉容器3を水平方向に移動する。そして、充填ノズル12のニードルが密閉容器3に差し込まれるよう、鉛直方向移動手段が充填ノズル12を降下させるか、又は、密閉容器3を上昇させる。一方、密閉容器3に液体を充填していないときには、充填ノズル12が待機容器15上に配置されるよう、水平方向移動手段が充填ノズル12又は待機容器15を水平方向に移動する。そして、充填ノズル12のニードルが待機容器15に収容されるよう、鉛直方向移動手段が充填ノズル12を降下させるか、又は、待機容器15を上昇させる。
【0041】
なお、本実施形態においては、密閉容器3および待機容器15を載置するステージ(不図示)と、ステージを水平方向に駆動するモータースライダー(不図示)とにより水平方向移動手段を構成しているが、モータースライダーなどの電気駆動機器の代わりに、エアーシリンダーなどのエアー駆動機器を利用してもよい。また、多数の密閉容器3に液体を
順次充填する場合には、充填ノズル12を水平方向に移動する構成よりも、密閉容器3および待機容器15を水平方向に移動する構成の方が好ましい。この場合、コンベアなどを用いて、既に液体が充填された密閉容器3を充填ノズル12の直下から搬出し、未だ液体が充填されていない密閉容器3を充填ノズル12の直下に搬入する動作を繰り返すようにするとよい。
【0042】
また、本実施形態においては、エアーシリンダーにより鉛直方向移動手段を構成しているが、エアーシリンダーなどのエアー駆動駆動機器の代わりに、モータースライダーなどの電気駆動機器を用いてもよい。なお、充填容器2を上下に移動するだけであれば、エアーシリンダーを使用するのが簡便である。
【0043】
次に、液体充填装置1の一変形例について、図3を参照して説明する。図3は、幾つかの構成を付加した液体充填装置1の変形例を示す図である。ここでは、充填容器3に充填すべき液体として空気との接触を嫌う液体を想定し、図2に示した構成に、主に、排気ノズル21と、排気用配管22と、排気用ポンプ23と、脱気装置24と、逆止弁25とを付加している。
【0044】
排気ノズル21、排気用配管22、及び、排気用ポンプ23は、液体を充填する前に密閉容器3を真空引きするための構成である。排気ノズル21は、充填ノズル12と同様に構成されており、排気ノズル21に設けられたニードルを密閉容器3に刺し込んで排気用ポンプ23を作動させると、密閉容器3内の気体が排気用配管22を介して外部に排出される。密閉容器3は、可塑性を有する材料で形成されており、密閉容器3内の気体を排出することによって、容易に真空または略真空にすることができる。
【0045】
脱気装置24、及び、逆止弁25は、液体搬送用配管13を介して充填ノズル12に搬送される液体から溶存気体を除去する(脱気する)ための構成である。脱気装置24内には微細孔が形成された管が設けられており、充填ノズル12に搬送される液体はこの管を通過する。この際、溶存気体が微細孔から管外に拡散するため、管内の液体から溶存気体が除去される。脱気装置24は、逆止弁25を介して排気用配管22に連結されており、脱気装置24により液体から除去された気体は、排気用配管22を介して外部に排出される。
【0046】
なお、図3に示したように、液体搬送用配管13に制御弁26を設け、搬送される液体の流速を制御可能にしてもよい。液体搬送用配管13に設ける制御弁26は、搬送される液体の性質、及び、搬送される液体の圧力に応じたものであれば何でもよい。また、液体搬送用配管13のどこに制御弁26を設けてもよいが、例えば、図3に示したように、供給容器2の付近、及び、充填ノズル12の付近に設けるとよい。
【0047】
また、図3に示したように、排気用配管22にも制御弁26を設け、排出される気体の流速を制御可能にしてもよい。排気用配管22に設ける制御弁26は、排気される気体の性質、及び、排気される気体の圧力に応じたものであれば何でもよい。また、排気用配管22のどこに制御弁26を設けてもよいが、例えば、図3に示したように、排気ノズル21の付近に設けるとよい。
【0048】
また、図3に示した液体充填装置1は制御装置27を備えており、液体充填装置1の各部の動作を制御装置27により制御するようになっている。本実施形態においては、水平方向移動手段、鉛直方向移動手段、液体搬送用ポンプ14、排気用ポンプ23、及び、制御弁26の動作を制御装置27により制御するようにしている。なお、制御装置27としては、例えば、パーソナルコンピュータやPLC(Programmable Logic Controller)な
どを用いればよい。また、制御装置27と液体充填装置1との間の制御信号の送受信には
、LANやC.C.Linkなどを用いればよい。
【0049】
〔密閉容器の構成〕
次に、密閉容器3の構成について、図4を参照して説明する。図4(a)は、密閉容器3の口栓部周辺の分解断面図であり、図4(b)は、密閉容器3の分解断面図である。
【0050】
密閉容器3は、図4(b)に示したように、開口が形成された密閉容器本体32と、密閉容器本体32の開口箇所に取り付けられた密閉容器口栓部31とにより構成されている。
【0051】
密閉容器本体32は、どのようなものを使用しても構わないが、充填する液体の性質に応じた材質のものであることが好ましい。例えば、充填する液体が空気に触れることを嫌う場合など、液体を充填する前に真空引きする必要がある場合は、可塑性のある材質のものを使用することが好ましい。本実施形態においては、ポリエチレンシートを熱圧着により袋状にしたものを密閉容器本体32として用いている。
【0052】
密閉容器口栓部31は、図4(a)に示したように、密閉容器開口部311と、密閉容器開口部311を封止するための密閉容器封止部材312と、密閉容器封止部材312を密閉容器開口部311に固定するための封止部材抑え313とから構成されている。密閉容器開口部311、及び、封止部材抑え313は、どのようなものを使用しても構わないが、充填する液体の性質に応じたものであることが好ましい。本実施形態においては、テフロン(登録商標)製の密閉容器開口部311、及び、封止部材抑え313を用いている。また、密閉容器封止部材312は、弾性を有するものなら何でもよいが、本実施形態においては、シリコンゴムをテフロンコーティングしたものを密閉容器封止部材312として用いている。
【0053】
密閉容器封止部材312の外径は、密閉容器開口部311の内径よりも大きいことが好ましい。これにより、密閉容器開口部311に密閉容器封止部材312を挿入したとき、密閉容器封止部材312に内部応力が発生する。この内部応力によって、充填ノズル12を刺し込んだ状態であっても、充填ノズル12を抜き去った状態であっても、密閉容器3の密閉性を保つことができる。
【0054】
封止部材抑え313は、密閉容器開口部311と封止部材抑え313とに設けられた固定手段によって、密閉容器開口部311に固定される。例えば、密閉容器開口部311及び封止部材抑え313に雄ネジ及び雌ネジをそれぞれ設け、封止部材抑え313を捩じ込むことによって、封止部材抑え313を密閉容器開口部311に対して固定する方法が挙げられる。また、密閉容器開口部311及び封止部材抑え313にツメ及びツメ受けをそれぞれ設け、封止部材抑え313を密閉容器開口部311に嵌め込むことによって、封止部材抑え313を密閉容器開口部311に対して固定する方法などもそうである。
【0055】
〔実施形態1〕
次に、本発明の第1の実施形態に係る液体充填装置1について説明する。本実施形態に係る液体充填装置1の特徴は、充填ノズル12および待機容器15の構造にある。本実施形態に係る液体充填装置1のその他の構成については、既に図2および図3を参照して説明したので、以下では、本実施形態に係る液体充填装置1が備えている充填ノズル12と待機容器15とについて図5を参照して説明する。
【0056】
図5は、充填ノズル12および待機容器15の構造を示す図である。充填ノズル12については側面図を、待機容器15については断面図を示している。
【0057】
充填ノズル12は、図5に示したように、配管取り付け部121と、ニードル122と、ニードルベース(嵌合部)123とを備えており、これらの内部に設けられた流路が連通するようにこれらを一体化することにより構成されている。配管取り付け部121、ニードル122、及び、ニードルベース123は、何れもSUS製である。
【0058】
本実施形態におけるニードルベース123は円柱状であり、ニードル122の中心軸とニードルベース123と中心軸とが一致するように、ニードル122の根元に設けられている。また、ニードルベース123の外側面には、ニードルベース123を周回する凹部(溝)123aが形成されている(掘り込まれている)。
【0059】
本実施形態においては、直径1.0mmのSUS製パイプの先端部を斜めに切断して針状にしたものをニードル122として用いる。ただし、ニードル122の先端の形状は、密閉容器封止部材312に刺し込みやすい形状であれば何でもよく、これに限定されるものではない。また、ニードル122の直径も、必要な強度と流量とが確保される範囲であればどんな値であってもよく、これに限定されるものではない。ただし、密閉容器封止部材312への刺し込み易さを考えれば、ニードル122は細い方が好ましい。
【0060】
密閉容器3への液体の充填は、このニードル122を密閉容器封止部材312に刺し込み、液体搬送用配管13から搬送された液体をニードル122を介して密閉容器3の内部へ射出することにより行われる。密閉容器封止部材312の内部応力により、ニードル122を密閉容器封止部材312に刺し込んだときに、ニードル122と密閉容器封止部材312との間に隙間が生じることはない。このため、液体が漏洩したり、外気が混入したりすることはない。
【0061】
待機容器15は、図5の(a)に示したように、開口が形成された待機容器本体151と、その開口を封止する待機容器封止部材152とから構成されている。待機容器封止部材152は、弾性を有するものなら何でもよいが、本実施形態においては、シリコンゴムをテフロンコーティングしたものを待機容器封止部材152として用いている。
【0062】
待機容器封止部材152の中央には、ニードル122を貫通させるための円形の貫通孔152aが形成されている。貫通孔152aの直径は、ニードル122の直径よりも十分に大きく、ニードルベース123の直径よりもわずかに小さい。このため、待機容器封止部材152に接触させることなく、ニードル122を待機容器15に収容することができ、かつ、ニードル122を待機容器15に収容した際に、ニードルベース123に形成された凹部123aと、貫通孔152aを取り囲む待機容器封止部材152の内縁とを嵌合させることができる。これにより、待機状態における待機容器15の密閉が達成される。
【0063】
なお、上述したように、待機容器封止部材152の弾性を利用することによって、ニードルベース123に形成された凹部123aと、貫通孔152aを取り囲む待機容器封止部材152の内縁とを嵌合させる構成の代わりに、待機容器封止部材152を開閉可能に分割することによって、ニードルベース123に形成された凹部123aと、貫通孔152aを取り囲む待機容器封止部材152の内縁とを嵌合させる構成を採用してもよい。このような構成を待機容器本体151の開口周辺部に待機容器封止部材スライド機構160を設けることによって実現したものを図5の(b)および(c)に示す。
【0064】
図5の(b)および(c)は、待機容器封止部材スライド機構160を具体的に示した図である。図5の(b)は待機容器151の開口周辺部を示す上面図であり、図5の(c)は、図5の(b)におけるAA’断面図である。
【0065】
図5の(b)に示すように、待機容器封止部材スライド機構160は、待機容器封止部
材152と、スライダー161と、レール162と、弾性体163と、閉蓋機構164とを備えている。
【0066】
レール162はスライダー161をスライド可能に支持するための部位である。図5の(b)に示すように、レール162の中央にはニードル122を貫通させるための円形の貫通孔162aが形成されている。さらに、レール162の上面には2つのスライダー161が、貫通孔162aの中心軸を挟んで向かい合うように、また、レール162に対して貫通孔162aの直径方向に直線的にスライド可能となるように取り付けられている。
【0067】
レール162の下面は待機容器151に、待機容器151の開口の中心軸と貫通孔162aの中心軸とが一致するように固定されている。本実施形態においては、待機容器151の開口は貫通孔162aと等しい直径を有する円形である。また、貫通孔162aの直径はニードル122の直径よりも十分に大きい。従って、待機容器およびレール162に接触させることなく、ニードル122を待機容器15に収容することができる。
【0068】
また、図5の(b)に示すように、各々のスライダー161の貫通孔162aに対向する側には待機容器封止部材152が取り付けられている。本実施形態においては、待機容器封止部材152の形状は半円状であり、その円周部はスライダー161の貫通孔162a対向側に形成された半円状の縁に密着して固定されている。
【0069】
待機容器封止部材152の貫通孔162aに対向する側の縁には、図5の(b)に示すように、半円状の切込みが形成されており、その切込みの半径はニードルベース123の半径よりもわずかに小さい。従って、ニードル122を待機容器15に収容した際には、各々のスライダー161を貫通孔162aに向かってスライドさせることにより、ニードルベース123に形成された凹部123aと、待機容器封止部材152に形成された上記半円状の切込みとを嵌合させることができる。
【0070】
また、凹部123aと、上記半円状の切込みとが嵌合する際、対向するスライダー161も互いに当接し、対向するスライダー161における各々の待機容器封止部材152の縁も互いに当接する。これにより、待機状態において待機容器15の密閉が達成される。
【0071】
なお、待機容器封止部材152は、弾性を有するものが好ましく、本実施形態においては、シリコンゴムをテフロンコーティングしたものを待機容器封止部材152として用いている。
【0072】
また、スライダー161の動作はモーターなどの動力源(不図示)を利用することにより、充填ノズル12の動作に連動して制御してもよいが、図5の(b)および(c)に示すように、閉蓋機構164および弾性体163を用いてスライダー161の動作を行うこともできる。
【0073】
具体的には、図5の(b)に示すように、各々のスライダー161の上面に直角3角形状の断面をもつ閉蓋機構164を取り付け、ニードル122を待機容器15に収容する際には、充填ノズル12周辺に固定された当接部位(不図示)を閉蓋機構164の斜面に上側から押し付けることで、充填ノズル12の下降動作に連動してスライダー161を貫通孔162aに向かってスライドさせることができる。
【0074】
また、各々のスライダー161は、弾性体163によって貫通孔162aの反対方向に付勢されているため、充填ノズル12の待機状態が終了し、充填素ズル12が待機容器15から引き抜かれた際には、各々のスライダー161はお互いに十分離れた状態に復元する。
【0075】
なお、閉蓋機構164の形状や配置は上記の説明に限定されるものではなく、充填ノズル12を待機容器151に向かい下降させる力を利用してスライダー161を貫通孔162aに向かってスライドさせるものであれば様々な形状および機構が可能である。
【0076】
本実施形態においては、上記のようにニードル122の待機状態において、待機容器15の密閉が達成されるため、待機状態において充填ノズル12内に滞留している液体が外気に触れて、その品質が劣化することを抑制できる。より具体的には、充填ノズル12内に滞留している液体から溶媒が蒸発または揮発することによって溶質が析出したり、充填ノズル12内に滞留している液体が固化したりすることを抑制できる。しかも、待機容器封止部材152に接触させることなく、ニードル122を待機容器15に収容することができるので、充填ノズル12の待機が繰り返し行われるような場合であっても、ニードル122及び待機容器封止部材152の劣化が生じ難い。
【0077】
なお、待機容器15に予め溶媒を充填しておくことで、充填ノズル12内に滞留している液体の品質劣化をより確実に防止することができる。なお、待機容器15の容積が十分小さい場合には、待機容器15に予め溶媒を充填しておかなくてもよい。これは、待機容器15の容積が十分小さければ、充填ノズル12内に滞留している液体により、待機容器15内の溶媒の蒸気圧が短時間で十分高くなるためである。
【0078】
〔実施形態2〕
次に、本発明の第2の実施形態に係る液体充填装置1について説明する。本実施形態に係る液体充填装置1の特徴も、充填ノズル12および待機容器15の構造にある。本実施形態に係る液体充填装置1のその他の構成については、既に図2および図3を参照して説明したので、以下では、本実施形態に係る液体充填装置1が備えている充填ノズル12と待機容器15とについて図6を参照して説明する。
【0079】
図6は、本実施形態に係る充填ノズル12および待機容器15の構造を示す図である。充填ノズル12については側面図を、待機容器15については断面図を示している。
【0080】
充填ノズル12は、第1の第1の実施形態のものと同様、配管取り付け部121と、ニードル122と、ニードルベース123とを備えている。ただし、図6に示すように、円柱状のニードルベース123のニードル122側の端部がテーパ状に加工されている点で第1の実施形態のものと相違している。
【0081】
また、待機容器15は、第1の実施形態のものと同様、開口が形成された待機容器本体151と、その開口を封止する待機容器封止部材152とから構成されている。ただし、待機容器封止部材152の貫通孔152aを取り囲む内側面に、O−リング153が嵌め込まれている点で第1の実施形態のものと相違している。なお、本実施形態において使用するO―リング153は、パーフロ製のO−リングである。
【0082】
本実施形態に係る待機容器封止部材152の貫通孔152aは、直径の異なる上部孔と下部孔とが中心軸を共有するように連結されたものである。下部孔の直径は上部孔の直径より小さく、O−リング153は、ちょうど上部孔と下部孔との間の段差の上に嵌め込まれる。
【0083】
ニードル122を待機容器15に収容すると、ニードルベース123が貫通孔152aの上部(上部孔)に嵌まり込む。この際、ニードルベース123のニードル122側の端部がO―リング153に押し付けられる。これにより、待機容器封止部材152がテフロンなどの非弾性体で構成されている場合であっても、O−リング153の弾性により待機
容器15の密閉が達成される。
【0084】
なお、待機容器封止部材152を弾性体により構成する場合には、貫通孔152aの上部(上部孔)の直径をニードルベース123の直径よりもわずかに小さくしておくことにより、ニードルベース123を貫通孔152aにはめ込んだ際に、待機容器封止部材152の内部応力を生じせしめることができる。このため、待機状態における待機容器15の密閉がより確実になる。なお、ニードル122の待機容器15への収容、すなわち、ニードルベース123のO―リング153への押し付けは、充填ノズル12を押下げることにより実現してもよいし、待機容器15を押し上げることにより実現してもよい。
【0085】
このように、本実施形態においても、待機状態において充填ノズル12内に滞留している液体が外気に触れて、その品質が劣化することを抑制できる。しかも、待機容器封止部材152に接触させることなく、ニードル122を待機容器15に収容することができるので、充填ノズル12の待機が繰り返し行われるような場合であっても、ニードル122及び待機容器封止部材152の劣化が生じ難い。
【0086】
更に、第1の実施形態のものと比べて、充填ノズル12の製作加工も容易になる。
【0087】
〔実施形態3〕
次に、本発明の第3の実施形態に係る液体充填装置1について説明する。本実施形態に係る液体充填装置1の特徴も、充填ノズル12および待機容器15の構造にある。本実施形態に係る液体充填装置1のその他の構成については、既に図2および図3を参照して説明したので、以下では、本実施形態に係る液体充填装置1が備えている充填ノズル12と待機容器15とについて図1を参照して説明する。
【0088】
図1は、本実施形態に係る充填ノズル12および待機容器15の構造を示す図である。充填ノズル12については側面図を、待機容器15については断面図を示している。
【0089】
充填ノズル12は、第1の実施形態のものと同様、配管取り付け部121と、ニードル122と、ニードルベース123とを備えている。ただし、図1に示すように、ニードルベース123の形状が、頂点がニードル122の先端の方に向いた円錐台形である点で第1の実施形態のものと相違している。
【0090】
また、待機容器15は、第1の実施形態のものと同様、開口が形成された待機容器本体151と、その開口を封止する待機容器封止部材152とから構成されている。ただし、待機容器封止部材152の形状が、頂点が待機容器15の底面の方に向いた、ニードルベース123の形状と相似な(頂点角が等しい)円錐台形である点で第1の実施形態のものと相違している。
【0091】
ニードル122を待機容器15に収容すると、ニードルベース123が貫通孔152aに嵌まり込む。この際、ニードルベース123の形状と貫通孔152aの形状とが互いに相似なので、ニードルベース123と待機容器封止部材152とが隙間を生じることなく密接に嵌合する。これにより、待機状態における待機容器15の更に確実な密閉が達成される。
【0092】
このように、本実施形態においても、待機状態において充填ノズル12内に滞留している液体が外気に触れて、その品質が劣化することを抑制できる。しかも、待機容器封止部材152に接触させることなく、ニードル122を待機容器15に収容することができるので、充填ノズル12の待機が繰り返し行われるような場合であっても、ニードル122及び待機容器封止部材152の劣化が生じ難い。
【0093】
更に、本実施形態の待機容器封止部材152およびニードルベース123は、第1の実施形態および第2の実施形態のものと比べて簡単な構造を有している。これにより、O−リングを交換する必要がなくなり、待機容器15の洗浄も簡単になる。また、充填ノズル12の製作加工も容易になる。このため、液体充填装置1の維持管理コストおよび製造コストを低減することができる。
【0094】
上述した実施形態に係る液体充填装置は、密閉容器への液体の充填に適用したものであるが、本発明に係る液体充填装置は密閉容器への充填に限られるものではない。また、上述した3つの実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、家庭用であるか産業用であるかを問わず、液体を容器に充填する液体充填装置全般に広く適用することができる。例えば、食品、飲料、薬品などの液体をパッケージに充填する液体充填装置や、インクなどの液体をカートリッジに充填する液体充填装置などに、取り分け好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0096】
1 液体充填装置
11 密閉容器設置部
12 充填ノズル
121 配管取り付け部
122 ニードル
123 ニードルベース(嵌合部)
13 液体搬送用配管
14 液体搬送用ポンプ
15 待機容器(収容容器)
151 待機容器本体
152 待機容器封止部材(口栓部)
152a 貫通孔
2 供給容器
3 充填容器(容器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニードルを刺し込んで容器に液体を充填するノズルと、容器に液体を充填していないときに上記ニードルを収容する収容容器とを備えた液体充填装置であって、
上記収容容器の口栓部に形成された貫通孔を介して上記ニードルを上記収容容器に収容したときに上記口栓部に嵌合する嵌合部が上記ニードルの根元に形成されている、ことを特徴とする液体充填装置。
【請求項2】
上記嵌合部は、頂点が上記ニードルの先端の方に向いた円錐または円錐台状に形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の液体充填装置。
【請求項3】
上記口栓部の上記貫通孔を取り囲む内側面にO−リングが設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の液体充填装置。
【請求項4】
上記嵌合部は、上記貫通孔を取り囲む上記口栓部の内縁に嵌合する凹部である、
ことを特徴とする請求項1に記載の液体充填装置。
【請求項5】
上記口栓部は、開閉可能に分割されており、上記嵌合部は、上記口栓部を閉じた際に上記貫通孔を取り囲む上記口栓部の内縁に嵌合する凹部である、ことを特徴とする請求項4に記載の液体充填装置。
【請求項6】
ニードルを刺し込んで容器に液体を充填するノズルと、上記ニードルを収容する収容容器とを備えた液体充填装置において、上記ノズルを待機させる待機方法であって、
容器に液体を充填していないときに、上記ニードルの根元に形成された嵌合部が上記収容容器の口栓部に嵌合するよう、上記口栓部に形成された貫通孔を介して上記ニードルを上記収容容器に収容する、ことを特徴とする待機方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−274966(P2010−274966A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−129528(P2009−129528)
【出願日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】