説明

液体吐出ヘッドのキャップ、及び、液体吐出装置

【課題】ヘッドに対するキャップの位置ずれを低減すること。
【解決手段】複数のノズル開口から液体を吐出する液体吐出ヘッドにおけるノズル開口面に当接可能であり、前記ノズル開口面に対向する対向面を有し、前記対向面が凸部を有することを特徴とする液体吐出ヘッドのキャップである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出ヘッドのキャップ、及び、液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体吐出装置として、ノズル開口からインク(液体)を吐出するヘッドを有するインク
ジェットプリンター(以下、プリンター)が知られている。このようなプリンターでは、
例えば、ノズル開口から長時間に亘ってインクが吐出されないと、ノズル開口からインク
溶媒が蒸発し、ノズルに目詰まりが生じてしまう。
【0003】
そこで、ノズルの目詰まりを防止する為に、凹部形状であるキャップ内に液体透過性の
膜を設け、ヘッドを長時間使用しないときは、その膜を含むキャップの空間内にインクを
溜めた状態で、ヘッドのノズル開口面をキャップで覆う方法が提案されている(例えば、
特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−138313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
その他、ノズルの目詰まりを防止する為に、略長方体形状であるキャップをヘッドのノ
ズル開口面に密着させる方法がある。ただし、ノズル開口面に密着させるキャップの面が
平らであると、ヘッドとキャップを密着させる為にヘッドにキャップを押し付けた際に、
キャップの変形しようとする部位の逃げ場がなく、ヘッドに対するキャップの位置がずれ
てしまう。そうすると、ヘッドのノズル開口面に傷が付いてしまう。
そこで、本発明では、ヘッドに対するキャップの位置ずれを低減することを目的とする

【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決する為の主たる発明は、複数のノズル開口から液体を吐出する液体吐出
ヘッドにおけるノズル開口面に当接可能であり、前記ノズル開口面に対向する対向面を有
し、前記対向面が凸部を有することを特徴とする液体吐出ヘッドのキャップである。
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1Aはプリンターの全体構成ブロック図であり、図1Bはプリンターの概略斜視図である。
【図2】ヘッドユニットを説明する図である。
【図3】本実施形態のキャップを説明する図であり、
【図4A】キャップがヘッドに密着する様子を説明する図である。
【図4B】キャップがヘッドに密着する様子を説明する図である。
【図4C】キャップがヘッドに密着する様子を説明する図である。
【図5】図5A及び図5Bは比較例のキャップを説明する図である。
【図6】変形例1のキャップを説明する図である。
【図7】図7A及び図7Bは変形例2のキャップを説明する図である。
【図8】変形例3のキャップを説明する図である。
【図9】図9A及び図9Bは変形例4のキャップを説明する図である。
【図10】変形例4のキャップを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
===開示の概要===
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかとなる。
【0009】
即ち、複数のノズル開口から液体を吐出する液体吐出ヘッドにおけるノズル開口面に当
接可能であり、前記ノズル開口面に対向する対向面を有し、前記対向面が凸部を有するこ
とを特徴とする液体吐出ヘッドのキャップである。
このような液体吐出ヘッドのキャップによれば、液体吐出ヘッドに対するキャップの位
置ずれを低減することができる。
【0010】
かかる液体吐出ヘッドのキャップであって、前記対向面が凹凸形状を成していること。

このような液体吐出ヘッドのキャップによれば、液体吐出ヘッドに対するキャップの位
置ずれを低減することができる。
【0011】
かかる液体吐出ヘッドのキャップであって、前記ノズル開口面に前記キャップが当接し
た際に、前記複数のノズル開口がそれぞれ独立して大気と連通しないこと。
このような液体吐出ヘッドのキャップによれば、ノズル開口からのインク溶媒の蒸発を
抑制することができる。
【0012】
かかる液体吐出ヘッドのキャップであって、前記複数のノズル開口から白インクが吐出
され、前記白インクを貯留し前記液体吐出ヘッドに連通するインク貯留部の内部の前記白
インクと、前記液体吐出ヘッドの内部の前記白インクとを、循環する循環機構を有する、
液体吐出装置における前記液体吐出ヘッドの前記ノズル開口面に、当接可能な液体吐出ヘ
ッドのキャップである。
このような液体吐出ヘッドのキャップによれば、白インクによりノズル開口形成面に傷
が付き易い場合であっても、ノズル開口形成面に傷を付き難くすることができる。また、
白インクの循環時に白インクがキャップの外部へ漏れてしまうことを防止できる。
【0013】
かかる液体吐出ヘッドのキャップであって、前記対向面は、前記ノズル開口面に当接し
た際に前記複数のノズル開口を囲い、前記対向面と前記ノズル開口面との間に密閉空間を
成す周縁部を有し、前記周縁部の内側に前記凸部を有すること。
このような液体吐出ヘッドのキャップによれば、ノズル開口が周縁部の外部の大気と連
通しなくなるため、ノズル開口からのインク溶媒の蒸発を抑制することができる。
【0014】
かかる液体吐出ヘッドのキャップを備える液体吐出装置。
このような液体吐出装置によれば、液体吐出ヘッドに対するキャップの位置ずれを低減
することができる。
【0015】
===印刷システムについて===
液体吐出装置をインクジェットプリンター(以下、プリンター)とし、プリンターとコ
ンピューターが接続された印刷システムを例に挙げて、実施形態を説明する。
【0016】
図1Aは、プリンター1の全体構成ブロック図であり、図1Bは、プリンター1の概略
斜視図である。コンピューター70は、プリンター1と通信可能に接続されており、プリ
ンター1に画像を印刷させるための印刷データをプリンター1に出力する。
【0017】
コントローラー10は、プリンター1の制御を行うための制御ユニットである。インタ
ーフェース部11はコンピューター70とプリンター1との間でデータの送受信を行うた
めのものである。CPU12はプリンター1全体の制御を行うための演算処理装置である
。メモリー13はCPU12のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するための
ものである。CPU12はユニット制御回路14により各ユニットを制御する。なお、プ
リンター1内の状況を検出器群60が監視し、その検出結果に基づいて、コントローラー
10は各ユニットを制御する。
【0018】
搬送ユニット20は、媒体S(例:用紙、布など)を印刷可能な位置に送り込み、印刷
時には搬送方向に所定の搬送量で媒体Sを搬送するためのものである。
【0019】
キャリッジユニット30は、インクを吐出するヘッド41、及び、色ごとにインクを貯
留するインクカートリッジ42を保持したキャリッジ31を、搬送方向と交差する移動方
向に移動するためのものである。
【0020】
図2は、ヘッドユニット40を説明する図である。なお、図ではヘッド41の下面が示
されている。ヘッドユニット40は、媒体Sにインクを吐出するためのものであり、ヘッ
ド41とインク循環機構43を有する。ヘッド41(液体吐出ヘッドに相当)の下面には
、図2に示すように、インクが吐出されるノズル開口Nzが複数形成されている。よって
、ヘッド41の下面がノズル開口面に相当する。各ノズルはインクが充填されたインク室
(不図示)に連通し、インクカートリッジ42から各インク室にインクが供給される。な
お、ノズル開口Nzからのインク吐出方式は、駆動素子(ピエゾ素子)に電圧をかけてイ
ンク室を膨張・収縮させることによりインクを吐出させるピエゾ方式でもよいし、発熱素
子を用いてノズル内に気泡を発生させ、その気泡によってインクを吐出させるサーマル方
式でもよい。
【0021】
また、ノズル開口面には、インクの色ごとに、複数のノズル開口Nzが搬送方向に所定
の間隔おきに並んだノズル列が形成されている。本実施形態のプリンター1は5色のイン
クを吐出可能とし、ノズル開口面には、ブラックインクを吐出するブラックノズル列Kと
、シアンインクを吐出するシアンノズル列Cと、マゼンタインクを吐出するマゼンタノズ
ル列Mと、イエローインクを吐出するイエローノズル列Yと、白インクを吐出するホワイ
トノズル列Wが形成されている。
【0022】
白インクは、色材として、例えば、酸化チタンなどの白色顔料を含有する(例えば、特
開2002−38063に記載の白インク)。よって、白インクでは、色材(白色顔料)
が沈殿し、濃度が不均一になり易いため、白インクを攪拌して使用する必要がある。
【0023】
そこで、プリンター1は、白インクを貯留しヘッド41に白インクを供給する白インク
カートリッジ42(W)の内部の白インクと、ヘッド41の内部の白インク(例えば、イ
ンク室内の白インク)を循環するインク循環機構43(循環機構に相当)を備えている。
インク循環機構43は、循環パイプ431と、開閉弁432と、ポンプPを有する。
【0024】
ポンプPの稼働によって、例えば、白インクカートリッジ42(W)内の白インクは、
循環パイプ431を介して、開閉弁432、ポンプPを通過しつつ、ホワイトノズル列W
に属する各ノズルのインク室内に送られた後、再び、白インクカートリッジ42(W)内
に戻る。このように白インクを循環することで、白インクカートリッジ42(W)内の白
インク、及び、ヘッド41内の白インクを攪拌することができ、白インクにおいて白色顔
料を均一に分散させることができる。よって、白インクの濃度を均一にすることができ、
良好な印刷を実施することができる。
【0025】
なお、図2では、白インクを循環する為のインク循環機構43だけを示しているが、こ
れに限らない。例えば、他の4色のインク(YMCK)が顔料インクである場合、白イン
クと同様に色材(顔料)が沈殿し易い。よって、プリンター1が各色のインクごとにイン
ク循環機構を備えるようにするとよい。
【0026】
キャップユニット50は、ヘッド41がホームポジションHP(非印刷領域)に位置す
る際に、ヘッド41に密着するキャップ等を有する(詳細は後述)。
【0027】
このようなプリンター1では、移動方向に沿って移動するヘッド41から媒体Sに対し
てインクが吐出される画像形成動作と、媒体Sが搬送方向に搬送される搬送動作と、が繰
り返される。その結果、先の画像形成動作により形成されたドットの位置とは異なる媒体
S上の位置に、後の画像形成動作にてドットが形成されるため、媒体S上に2次元の画像
が印刷される。
【0028】
===キャップユニット50について===
図3は、本実施形態のキャップ51を説明する図であり、図4Aから図4Cは、キャッ
プ51がヘッド41(ノズル開口面41a)に密着する様子を説明する図である。図3の
上図はキャップ51の搬送方向中央部の断面図であり、図3の下図はキャップ51を上方
から見た図であり、図4Aから図4Cはキャップ51やヘッド41等を搬送方向から見た
断面図である。
【0029】
キャップユニット50は、ヘッド41に当接し密着するキャップ51と、キャップ51
を保持する保持台52と、キャップ51及び保持台52を上下方向に昇降移動させるシリ
ンダー53と、を有する。なお、キャップ51は、弾性材料(例えば、ゴムや熱可塑性エ
ラストマー)で形成されている。また、シリンダー53は、本体部531と、本体部53
1に対して上下方向に伸縮可能なロッド部532を有し、ロッド部532の一端に保持台
52が取り付けられている。
【0030】
ところで、非印刷時や電源オフ時など、ヘッド41が長時間に亘って使用されないと、
即ち、ノズル開口Nzから長時間に亘ってインクが吐出されないと、ノズル開口Nzから
インク溶媒が蒸発してインクが増粘したり、ノズル開口Nzに異物が付着したりしてしま
う。そうすると、ノズルに目詰まりが生じ、ノズル開口Nzからインクが吐出されるべき
時にインクが吐出されず、画像の画質が劣化してしまう。
【0031】
そこで、プリンター1のコントローラー10は、次の印刷ジョブが無い時や電源オフ時
など、ヘッド41を暫くの間使用しない時には、キャリッジ31によりヘッド41をホー
ムポジションHPに移動させる。ヘッド41がホームポジションHPに移動すると、図4
Aに示すように、ヘッド41のノズル開口面41aとキャップ51の上面51a(図4A
にて太線で示す面)が上下方向に間隔を空けて対向した状態となる。
【0032】
そして、コントローラー10は、シリンダー53のロッド部532を上方に伸ばし、キ
ャプ51及び保持台52を上方に移動させる。そうすると、ヘッド41の上下方向の位置
は固定されているため、図4Bや図4Cに示すように、ヘッド41(ノズル開口面41a
)にキャップ51が当接する。そして、ロッド部532を更に伸ばすことにより、ヘッド
41にキャップ51が押し付けられて、ヘッド41とキャップ51が密着する。こうする
ことで、ノズル開口Nzがキャップ51に覆われ、ノズルの目詰まりを防止することがで
きる。なお、印刷再開時には、コントローラー10は、シリンダー53のロッド部532
を下方に縮め、ヘッド41からキャップ51を離す。
【0033】
<比較例のキャップ80>
図5A及び図5Bは、比較例のキャップ80を説明する図である。ここで、本実施形態
のキャップ51(図3)とは異なる比較例のキャップ80について説明する。比較例のキ
ャップ80は、弾性部材で形成された略長方体形状の部材である。つまり、比較例のキャ
ップ80の上面80a(図5Aにて太線で示す面)は平らである。
【0034】
シリンダー53がキャップ80及び保持台52を上方に移動させることで、キャップ8
0の上面80aがヘッド41のノズル開口面41aに当接し密着する。そうすることで、
ノズルの目詰まりを防止することができる。
【0035】
ただし、比較例のキャップ80のように上面80aが平らであると、ヘッド41とキャ
ップ80を密着させる為に、ヘッド41のノズル開口面41aにキャップ80を押し付け
た際に、キャップ80の変形しようとする部位の逃げ場がない。特に、キャップ80の上
面80aの中央部ほど変形する時の逃げ場がない。
【0036】
よって、キャップ80がヘッド41(ノズル開口面41a)に押し付けられると、キャ
ップ80の上面80aの中央部から周縁部に向けて(即ち、ノズル開口面41aの外側に
向けて)、キャップ80の上面80aがノズル開口面41aに添って面方向にずれようと
する力が働く。これは、図5Bに示すように、キャップ80がヘッド41(ノズル開口面
41a)に押し付けられると、キャップ80の上下方向に沿う側面80c,80dが湾曲
し、キャップ80の一部がノズル開口面41aの外側にはみ出ることからも分かる。
【0037】
そのため、比較例のキャップ80がヘッド41(ノズル開口面41a)に押し付けられ
ると、ヘッド41のノズル開口面41aに対するキャップ80の上面80aの位置が最初
に当接した位置からずれてしまう。つまり、キャップ80の上面80aがヘッド41のノ
ズル開口面41aを擦ってしまう。そうすると、ノズル開口面41aに傷が付いてしまう

【0038】
通常、ノズル開口面41aには、インクの付着を防止し、また、ノズル開口Nzから吐
出されるインクの直進性を確保するために、撥水処理膜が設けられている。そのため、キ
ャップ80がノズル開口面41aを擦ってしまうと、ノズル開口面41aの撥水処理膜が
磨耗してしまう。そうすると、ノズル開口面41aがインクで汚れたり、ノズル開口Nz
からのインク吐出に悪影響が及んで画像の画質が劣化したりしてしまう。
【0039】
特に、本実施形態のプリンター1のように、酸化チタンなどの白色顔料を含有する白イ
ンクを使用する場合、白インクが介在する状態でキャップ80がノズル開口面41aを擦
ってしまうと、ノズル開口面41a(撥水処理膜)が磨耗し易い。また、白インクと同様
に、他の色インク(YMCK)が顔料インクである場合にも、顔料によりノズル開口面4
1a(撥水処理膜)が磨耗し易い。
そこで、本実施形態のキャップ51は、ヘッド41に対するキャップ51の位置ずれを
低減することを目的とする。
【0040】
<本実施形態のキャップ51>
まず、本実施形態のキャップ51について説明する。
本実施形態のキャップ51は(図3)、比較例のキャップ80(図5)と同様に、弾性
部材で形成された略長方体形状の部材である。ただし、比較例のキャップ80では上面8
0aが平らであるのに対して、本実施形態のキャップ51(図3)では、上面51a(ヘ
ッド41のノズル開口面41aに対向する面・対向面)に、上方に(ヘッド41側に)突
出した「凸部511」が形成されている。
【0041】
また、キャップ51の上面51aは、ノズル開口面41aと同程度の大きさの略長方形
である。そして、キャップ51の上面51aの周縁に(移動方向に沿う一対の側縁と搬送
方向に沿う一対の側縁に)、凸部511と同様に上方に突出し、且つ、周縁に沿って連続
する凸部である「周縁部512」が形成されている。この周縁部512の内側に凸部51
1が形成されている。本実施形態では、搬送方向に伸びた3つの凸部511が移動方向に
所定の間隔おきに並んで形成されているキャップ51を例に挙げる。ただし、凸部511
の形状、数、及び、配置は、これに限らない。例えば、移動方向に伸びた凸部511が形
成されているキャップ51(不図示)でもよい。
【0042】
また、凸部511と周縁部512の上下方向の高さが等しく、凸部511の搬送方向に
おける両端部と周縁部512は繋がっていない。ただし、これに限らず、凸部511と周
縁部512の高さが異なっていてもよいし、凸部511と周縁部512が繋がっていても
よい。
【0043】
また、キャップ51の上面51aにおいて、凸部511と周縁部512以外の部位、即
ち、凸部511と周縁部512よりも上下方向の高さが低い部位を、「凹部513」と呼
ぶ。
【0044】
このように本実施形態のキャップ51の上面51aでは、周縁部512の内側において
複数の凸部511と複数の凹部513が移動方向に交互に位置し、キャップ51の上面5
1aが凹凸形状を成している。
【0045】
次に、本実施形態のキャップ51がヘッド41に密着する過程について説明する。
前述のように、プリンター1のコントローラー10は、ヘッド41を暫くの間使用しな
い時には、ヘッド41をホームポジションHPに移動し、図4Aに示すように、ヘッド4
1のノズル開口面41aとキャップ51の上面51aが対向した状態にする。
【0046】
次に、コントローラー10は、シリンダー53のロッド部532を上方に伸ばし、キャ
ップ51及び保持台52を上方に移動させる。そうすると、図4Bに示すように、キャッ
プ51の上面51aのうち、凸部511と周縁部512がヘッド41のノズル開口面41
aに当接する。
【0047】
この時、ノズル開口面41aに形成されている全ノズル開口Nzが周縁部512の内側
に位置し、周縁部512が全ノズル開口Nzを囲った状態となる。一方、凸部511とノ
ズル開口Nzの位置関係は規定しない。よって、凸部511がノズル開口Nzを覆ってい
てもよいし、凸部511がノズル開口Nzを覆わずに凹部513がノズル開口Nzと対向
していてもよい。
【0048】
また、周縁部512はキャップ51の上面51aの周縁に沿って連続する凸部である。
そのため、周縁部512がノズル開口面41aに当接することで、周縁部512の内側、
即ち、キャップ51の上面51aとノズル開口面41aとの間に、密閉空間が形成される
。つまり、凹部513が、周縁部512の外部の大気と連通していない密閉空間となる。
【0049】
そして、コントローラー10が、シリンダー53のロッド部532を更に上方に伸ばす
と、キャップ51はヘッド41のノズル開口面41aに押し付けられる。即ち、キャップ
51は、ヘッド41のノズル開口面41aと保持台52の間に挟まれて圧縮される。そう
すると、キャップ51は弾性部材で形成されているため、ノズル開口面41aに当接して
いる凸部511が変形する。
【0050】
この時、本実施形態のキャップ51の上面51aは凹凸形状を成しているため、圧縮さ
れて変形する凸部511が移動方向に隣接する凹部513に逃げることができる。よって
、圧縮されて変形しようとする凸部511がノズル開口面41aに沿って面方向にずれよ
うとする力が抑制され、ノズル開口面41aに対する凸部511の位置ずれが抑制される

【0051】
同様に、圧縮されて変形する周縁部512も、周縁部512の内側に隣接する凹部51
3と周縁部512の外側(ノズル開口面41aの外側)に逃げることができる。よって、
圧縮されて変形しようとする周縁部512がノズル開口面41aに沿って面方向にずれよ
うとする力が抑制され、ノズル開口面41aに対する周縁部512の位置ずれが抑制され
る。
【0052】
そして、コントローラー10は、最終的に、図4Cに示すように、凸部511と周縁部
512が潰れて、凹部513がノズル開口面41aに当接して密着するまで、シリンダー
53のロッド部532を上方に伸ばし、キャップ51を上下方向に圧縮する。つまり、凹
部513とノズル開口面41aとの間に空間が無くなり、ノズル開口面41aの全面に亘
ってキャップ51の上面51aが密着するように、コントローラー10はヘッド41とキ
ャップ51を密着させる。
【0053】
その結果、ノズル開口面41aに形成されている全ノズル開口Nzがキャップ51の上
面51a(凸部511と凹部513)に覆われ、全ノズル開口Nzが大気と連通していな
い状態となる。そのため、ノズル開口Nzからのインク溶媒の蒸発やノズル開口Nzへの
異物の付着を防止することができ、ノズルの目詰まりを防止することができる。よって、
長時間に亘ってヘッド41が使用されなくても、印刷を再開した際に良好な印刷を実施す
ることができる。
【0054】
以上をまとめると、本実施形態のキャップ51は、複数のノズル開口Nzをそれぞれ独
立して覆うことが可能なキャップ51であり、ノズル開口Nzからインクを吐出するヘッ
ド41のノズル開口面41aに当接可能であり、ノズル開口面41aに対向する上面51
a(対向面)を有し、その上面51aに凸部が形成されている。
【0055】
キャップ51の上面51aに凸部511を形成することで、凸部511がヘッド41の
ノズル開口面41aに当接した際に、ノズル開口面41aとキャップ51との間に空間(
本実施形態における凹部513)が形成される。
【0056】
そのため、ヘッド41(ノズル開口面41a)にキャップ51を密着させる為に、キャ
ップ51(凸部511)をノズル開口面41aに押し付けても、圧縮されて変形する凸部
511が凹部513に逃げることができる。よって、圧縮されて変形しようとする凸部5
11がノズル開口面41aに沿って面方向にずれようとする力が抑制され、凸部511が
ノズル開口面41aに最初に当接した位置からずれてしまうことを抑制できる。同様に、
周縁部512も圧縮されて変形する時に凹部513やノズル開口面41aの外側に逃げる
ことができるので、周縁部512が最初に当接した位置からずれてしまうことを抑制でき
る。
【0057】
つまり、本実施形態のキャップ51によれば、ヘッド41とキャップ51を密着させる
時のヘッド41に対するキャップ51の位置ずれを低減することができる。その結果、キ
ャップ51がヘッド41のノズル開口面41aを傷付けてしまうことを抑えることができ
、例えば、ノズル開口面41aの撥水処理膜の磨耗を抑制することができる。そうすると
、ノズル開口面41aへのインクの付着を抑え、ノズル開口Nzから吐出されるインクの
直進性を確保することができる。
【0058】
また、本実施形態のキャップ51では、上面51aに複数の凸部511が形成され、上
面51aが凹凸形状を成している。キャップ51の上面51aの凸部511の数が増える
ことで、凹部513の数も増える。よって、凸部511(例えば、凸部511の中央部)
から凹部513までの距離が短くなり、圧縮されて変形する凸部511が凹部513に逃
げ易くなる。そうすると、凸部511がノズル開口面41aに沿って面方向にずれようと
する力がより抑制され、ヘッド41に対するキャップ51の位置ずれをより低減すること
ができる。
【0059】
また、本実施形態では、最終的に、図4Cに示すように、凸部511と周縁部512が
潰れ、凹部513もノズル開口面41aに密着するまで、キャップ51が圧縮される。そ
うすることで、ノズル開口面41aにキャップ51が当接した際に、複数のノズル開口N
zがそれぞれ独立して大気と連通しない状態になる。その結果、ノズル開口Nzからのイ
ンク溶媒の蒸発をより抑制することができ、ノズルの目詰まりをより抑制することができ
る。
【0060】
なお、凸部511と周縁部512が潰れ、凹部513がノズル開口面41aに密着し、
ノズル開口Nzが大気と連通していない状態にするために、キャップ51の硬度や、凸部
511及び周縁部512の上下方向の高さ、シリンダー53によるキャップ51の押し上
げ力(圧力)を調整するとよい。
【0061】
また、本実施形態のキャップ51の上面51aの周縁には、ノズル開口面41aに当接
した際にノズル開口Nzを囲い、キャップ51の上面51aとノズル開口面41aとの間
に密閉空間を形成する周縁部512が形成されている。そして、周縁部512の内側に凸
部511が形成されている。
【0062】
キャップ51の周縁部512がノズル開口面41aに当接し密着することで、キャップ
51とノズル開口面41aとの境界部分がシールされ、キャップ51の上面51aとノズ
ル開口面41aとの間の空間であり、周縁部512の内側の空間は、密閉空間となる。そ
うすると、周縁部512の内側の空間(即ち、凹部513)が、周縁部512の外部の大
気と連通していない状態となる。また、周縁部512の内側にノズル開口Nzが位置する
ため、周縁部512がノズル開口面41aに当接することで、ノズル開口Nzも周縁部5
12の外部の大気と連通していない状態となる。
【0063】
よって、凸部511や周縁部512が完全に潰れずに、凹部513がノズル開口面41
aに完全に当接しない場合があっても、周縁部512により、ノズル開口Nzは周縁部5
12の外部の大気と連通しなくなるため、ノズル開口Nzからのインク溶媒の蒸発を抑制
することができる。
【0064】
また、周縁部512の内側に凸部511が形成されていることで、ヘッド41のノズル
開口面41aにキャップ51(凸部511と周縁部512)が当接した時の安定感が増し
、ヘッド41に対するキャップ51の位置ずれをより低減することができる。
【0065】
また、本実施形態のプリンター1では、白インクを使用し(ノズル開口Nzから白イン
クが吐出され)、白インクカートリッジ42(W)(白インクを貯留しヘッド41に連通
するインク貯留部)の内部の白インクとヘッド41の内部の白インクとを循環するインク
循環機構43を有する。
【0066】
酸化チタンなどの白色顔料を含有する白インクを使用する場合、ヘッド41に対するキ
ャップ51の位置ずれにより、ノズル開口面41aに傷が付き易くなる。白インクを使用
し、ノズル開口面41aに傷が付き易い場合であっても、ヘッド41に対するキャップ5
1の位置ずれが低減される本実施形態のキャップ51を使用することで、ノズル開口面4
1aに傷を付き難くすることができる。また、白インクに限らず、他の色インク(YMC
K)が顔料インクである場合にも、ノズル開口面41aが顔料により傷付き易いので、本
実施形態のキャップ51が有効となる。
【0067】
また、ヘッド41を暫くの間使用しない時と同様に、インク循環機構43により白イン
クを循環する時にも、ヘッド41にキャップ51を密着させる必要がある。その際に、図
4Cに示すように、凹部513もノズル開口面41aに密着するまでキャップ511を圧
縮してノズル開口Nzが大気と連通していない状態にしたり、周縁部512が形成された
キャップ51を使用したりすることで、白インクの循環時に白インクがキャップ51の外
部へ漏れてしまうことを防止できる。そうすることで、プリンター1の内部がインクによ
り汚れてしまうことを防止できる。また、白インクに限らず、他の色インク(YMCK)
が顔料インクであり、インク循環機構により顔料インクを循環する場合にも、ノズル開口
Nzが大気と連通していない状態にしたり、周縁部512が形成されたキャップ51を使
用したりするとよい。
【0068】
また、粘度の高いインク(例:紫外線硬化型インク)を使用する場合、ヒーターにより
インクの温度を調整する等して、ノズル開口Nzから吐出するインクの粘度を調整する。
インクの粘度を調整する時にも、ヘッド41にキャップ51を密着させる場合がある。こ
の場合にも、ノズル開口Nzが大気と連通していない状態にしたり、周縁部512が形成
されたキャップ51を使用したりすることで、インクがキャップ51の外部へ漏れてしま
うことを防止できる。
【0069】
<変形例1>
図6は、変形例1のキャップ51を説明する図である。前述の実施形態のキャップ51
(図3)では、キャップ51の上面51aの周縁に沿って上方に突出した周縁部512が
形成されているが、これに限らない。変形例1のキャップ51の上面51aには、搬送方
向に伸びた凸部511は形成されているが、上面51aの周縁に周縁部512が形成され
ていない。
【0070】
このような変形例1のキャップ51であっても、ヘッド41のノズル開口面41aにキ
ャップ51を密着させる時に、圧縮されて変形しようとする凸部511が隣接する凹部5
13に逃げることができ、ヘッド41に対するキャップ51の位置ずれを低減することが
できる。
【0071】
また、凸部511が潰れ、且つ、凹部513がノズル開口面41aに密着するまでキャ
ップ51を圧縮することで、ノズル開口Nzが大気と連通していない状態になる。よって
、キャップ51の上面に周縁部512が形成されていなくても、ノズル開口Nzからのイ
ンク溶媒の蒸発を抑制することができる。
【0072】
<変形例2>
図7A及び図7Bは、変形例2のキャップ51を説明する図である。前述の実施形態の
キャップ51(図3)では、キャップ51の上面51aに形成されている凸部511が搬
送方向に伸びているが、これに限らない。変形例2のキャプ51の上面51aには、搬送
方向の長さが短い凸部511が、移動方向及び搬送方向に所定の間隔おきに形成されてい
る。
【0073】
図7Aのキャップ51の上面51aには円柱形状の凸部511が形成されており、図7
Bのキャップ51の上面51aには直方体形状の凸部511が形成されている。なお、キ
ャップ51の上面51aに、周縁部512が形成されていても、周縁部512が形成され
ていなくてもよい。
【0074】
このような変形例2のキャップ51では、凸部511の周囲に凹部513が形成されて
いる。そのため、ヘッド41のノズル開口面41aにキャップ51を密着させる時に、圧
縮されて変形しようとする凸部511が、移動方向に隣接する凹部513にも、搬送方向
に隣接する凹部513にも、逃げることができ、ヘッド41に対するキャップ51の位置
ずれを低減することができる。
【0075】
<変形例3>
図8は、変形例3のキャップ51を説明する図である。前述の実施形態のキャップ51
(図3)では、搬送方向に伸びた直方体形状の凸部511が形成されているため、凹部5
13も搬送方向に伸び、搬送方向から見た凹部513の断面が長方形となっているが、こ
れに限らない。変形例3のキャップ51の上面51aには、半球状の凹部513が、移動
方向及び搬送方向に所定の間隔おきに形成されている。即ち、変形例3のキャップ51は
、上面が平らである比較例のキャップ80(図5)に半球形の溝を掘った形状である。
【0076】
この場合、キャップ51の上面51aにおいて、凹部513の周囲が凸部511及び周
縁部512となる。そのため、変形例3のキャップ51においても、ヘッド41のノズル
開口面41aにキャップ51を密着させる時に、圧縮されて変形しようとする凸部511
が凹部513に逃げることができ、ヘッド41に対するキャップ51の位置ずれを低減す
ることができる。
【0077】
また、ヘッド41のノズル開口面41aに、キャップ51の上面51aの凹部513以
外の部位が当接することで、ノズル開口Nzはキャップ51の外部の大気と連通していな
い状態となる。よって、凹部513がノズル開口面41aに完全に当接しない場合があっ
ても、ノズル開口Nzからのインク溶媒の蒸発を抑制することができる。
【0078】
<変形例4>
図9A及び図9Bと図10は、変形例4のキャップ51を説明する図である。前述の実
施形態のキャップ51(図3)では、上面51aに複数の凸部511が形成されているが
、これに限らない。
【0079】
変形例4のキャプ51の上面51aには、搬送方向に伸びた凸部511が1つだけ形成
されている。図9では、移動方向の中央部にかけて上方に突出した山型の凸部511が形
成されている。ただし、これに限らず、直方体形状の凸部が1つだけ形成されていてもよ
い。また、図9Aに示すようにキャップ51の上面51aの周縁に周縁部512が形成さ
れていてもよいし、図9Bに示すようにキャップ51の上面51aに周縁部512が形成
されていなくてもよい。
【0080】
また、図10に示すように、キャップ51の上面51aの移動方向における両端部から
中央部にかけて上方に湾曲した凸部511を有するキャップ、即ち、キャップ51の上面
51aの全体が山型となっているキャップでもよい。
【0081】
このような変形例4のキャップ51であっても、凸部511がヘッド41のノズル開口
面41aに当接した際に、ノズル開口面41aとキャップ51との間に空間が形成される
。よって、圧縮されて変形しようとする凸部511がその空間に逃げることができるため
、ヘッド41に対するキャップ51の位置ずれを低減することができる。
【0082】
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主として液体吐出装置について記載されているが、液体吐出ヘッド
のキャップ等の開示が含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にす
るためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣
旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれるこ
とはいうまでもない。
【0083】
<プリンターについて>
前述の実施形態では、移動方向に沿って移動するヘッドからインクを吐出する動作と、
媒体を搬送方向に搬送する搬送動作と、が繰り返されるプリンター1を例に挙げているが
、これに限らない。例えば、紙幅方向に固定されて並んだ複数のヘッドの下を、紙幅方向
と交差する方向に媒体が通過する際に、ヘッドから媒体に向けてインクを吐出するプリン
ター(所謂ラインヘッドプリンター)であってもよい。また、例えば、印刷領域に搬送さ
れた連続用紙に対して、ヘッドを媒体搬送方向に移動しながら画像を形成する動作と、ヘ
ッドを紙幅方向に移動する動作と、を繰り返して画像を形成し、その後、未だ印刷されて
いない媒体部分を印刷領域に搬送するプリンターであってもよい。
【0084】
<液体吐出装置について>
前述の実施形態では、液体吐出装置としてインクジェットプリンターを例示しているが
、これに限らない。液体吐出装置は、様々な工業用装置に適用可能であり、例えば、布地
に模様をつけるための捺染装置、カラーフィルター製造装置や有機ELディスプレイ等の
ディスプレイ製造装置等であっても、本件発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0085】
1 プリンター、10 コントローラー、11 インターフェース部、
12 CPU、13 メモリー、14 ユニット制御回路、
20 搬送ユニット、30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、41a ノズル開口面、
Nz ノズル開口、42 インクカートリッジ、43 インク循環機構、
431 循環パイプ、432 開閉弁、P ポンプ、
50 キャップユニット、51 キャップ、51a 上面、
511 凸部、512 周縁部、513 凹部、52 保持台、
53 シリンダー、531 本体部、532 ロッド部、
60 検出器群、70 コンピューター、
80 (比較例)キャップ、80a 上面、80c 側面、80d 側面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノズル開口から液体を吐出する液体吐出ヘッドにおけるノズル開口面に当接可能
であり、前記ノズル開口面に対向する対向面を有し、前記対向面が凸部を有することを特
徴とする液体吐出ヘッドのキャップ。
【請求項2】
請求項1に記載の液体吐出ヘッドのキャップであって、
前記対向面が凹凸形状を成している、
液体吐出ヘッドのキャップ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の液体吐出ヘッドのキャップであって、
前記ノズル開口面に前記キャップが当接した際に、前記複数のノズル開口がそれぞれ独
立して大気と連通しない、
液体吐出ヘッドのキャップ。
【請求項4】
請求項3に記載の液体吐出ヘッドのキャップであって、
前記複数のノズル開口から白インクが吐出され、
前記白インクを貯留し前記液体吐出ヘッドに連通するインク貯留部の内部の前記白イン
クと、前記液体吐出ヘッドの内部の前記白インクとを、循環する循環機構を有する、
液体吐出装置における前記液体吐出ヘッドの前記ノズル開口面に、当接可能な液体吐出
ヘッドのキャップ。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の液体吐出ヘッドのキャップであって、
前記対向面は、前記ノズル開口面に当接した際に前記複数のノズル開口を囲い、前記対
向面と前記ノズル開口面との間に密閉空間を成す周縁部を有し、
前記周縁部の内側に前記凸部を有する、
液体吐出ヘッドのキャップ。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5に記載の液体吐出ヘッドのキャップを備える液体吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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