説明

液体吸収性熱可塑性組成物を含む縁部バリアを含む吸収性物品

本発明は、トップシート、バックシート、そのトップシートとバックシートとの間に配置される吸収性要素、及び少なくとも1つの流体捕捉/分配層を含む、通常は婦人保護用である吸収性物品に関する。吸収性物品はまた、流体を遮断するための縁部バリア要素を含む。縁部バリア要素は、非水溶性の水膨潤性吸収性材料の粒子が内部に分散したポリマーベース材料を含む液体吸収性の熱可塑性組成物を含み、吸収性コアと少なくとも1つの流体捕捉/分配層との間に含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品、特に生理用ナプキン及びパンティライナーのような婦人用保護物品だけでなく、おむつのような物品、成人失禁用物品などに関し、これら物品は、トップシート、バックシート、吸収性コア、及び前記吸収性コアの対向する縁部マージンに沿って配置された少なくとも第1及び第2の縁部バリアを含む。この縁部バリア要素は液体吸収性の熱可塑性組成物を含み、この液体吸収性の熱可塑性組成物が、非水溶性の水膨潤性吸収性材料の粒子が内部に分散している熱可塑性ポリマーベース材料を含む。
【背景技術】
【0002】
生理用ナプキン又はパンティライナーのような吸収性物品は、使用中の保護及び快適さのような様々な特徴に関して、ここ数年、多くの改善がなされてきたが、これら2つの傾向に関して消費者はなおもさらなる改善を必要としている。
【0003】
実際、現実の消費者は、改善された液体処理特性を有し、すなわち向上した液体分配特性を有するとともに、特に長い着用期間後に消費者が漏れ又は染み付きの心配をすることなく使用するために十分高い液体保持及び含有能を有し、さらに薄くて柔軟性をもつことによって、向上したフィット感及び快適さを提供できる吸収性物品、通常は婦人用保護物品を必要としている。
【0004】
吸収性物品からの体液の漏れは、通常、物品が吸収した流体で飽和した後に生じる。しかし、実際には物品の飽和点に達する前に物品から体液が漏れる場合も多々ある。漏れは、支持体又は関連する衣類に染みをつくるので、こうした染み付きを防ぐために吸収性物品の交換を頻繁に行わなければならないことが多い。物品の飽和点より前の漏れは、通常、吸収性物品の中央領域にある吸収性材料の最上層と接触し、一時的に飽和した体液が滲み出ることによって生じることがあり、それが次いで、吸収性コアの主要なバルク内に浸透及び/又は完全に拡散する前に、物品の上面を通って中央領域からその側縁部、通常は長手方向側縁部にだけでなく、横断方向の側縁部にまで吸上げられる又は流動することによって体液が移動する。この作用はまた、主要な吸収性コアに加えて周知の流体捕捉/分配層が吸収性物品内に存在することによっても増大することがあり、それは吸収された体液が吸収性コアのより大きい表面積にわたって分配されるのを、その移動速度を上げることによっても改善する一方で、流体が吸収性コアに完全に吸収される前に吸収性物品の縁部方向に流体をより素早く移動させることもあるため、漏れが生じる可能性がある。このことはまた、流体捕捉/分配層が吸収性コアの下方にて、例えば吸収性コアとバックシートとの間にて吸収性物品に含まれる場合にも生じ得る。実際流体は、特定条件では吸収性コアの厚さ全体を通って素早く浸透し、コア自体の内部にさらに吸収され、拡散される前に、下層にある流体捕捉/分配層によって受容され、広げられ得る。これは、例えば、吸収性ゲル材料の粒子を間に含む少なくとも2つの繊維性層の積層構造にて通常構成される最新の非常に薄い吸収性コアで生じる可能性がある。こうした構造は、流体を吸収及び保持する大きな能力を有するが、吸収性ゲル材料粒子は吸収機構が相対的に遅いので、流体の拡散を促進及び増大させ、続くコアでの吸収をより効率的にするためには1以上の流体捕捉/分配層と結びつけるのが通常有利である。
【0005】
勿論、漏れはまた、吸収性物品を変形させ、圧縮し、流体をコアから絞り出す可能性のある着用中のユーザーの動きによっても促進される場合がある。特に生理用ナプキンに関しては、漏れ、通常は横方向だけでなく横断方向の側部の漏れを防ぐことが、ユーザーにとって最も重要なことである。
【0006】
生理用ナプキンのような吸収性物品における漏れの問題についての既知の解決策は、例えば、特許出願GB2019727に記載されており、その文献は、吸収性コアの衣類に面する表面よりも広く、長手方向側部及び好ましくはさらに吸収性コアの身体に面する表面の側部マージンを覆う長手方向縁部部分を有するバリアシートを備えた生理用ナプキンを開示する。しかし、この解決策は、特に最新の薄くてウィングも含む吸収性物品に適用するのには相対的に複雑な構造であるので不利である。さらに、吸収性コアの身体に面する表面部分に折り込まれたバリアシートの一部は、実際には直接的な流体捕捉に利用可能なコアの表面積を制限する。
【0007】
吸収性物品の漏れに対する別の種類のバリアも先行技術に記載されており、それは米国特許第5275591号に開示されるように、例えばエンボス加工、溶融又は熱封止によって、あるいは米国特許第4718898号に記載されるように、選択された位置にて水不透過性のホットメルト接着剤を適用することによって製造される封止ライン又は領域によって構成される。こうした解決策は全て、いずれにしても吸収性構造にて吸収が実際に阻害される領域を作り出すという共通の不利益がある。漏れの問題、より典型的には吸収性物品における側部の漏れに関する問題に対処するなおさらなる手法は、吸収性物品の身体に面する表面にて物理的バリア、例えば隆起した要素又は別の方法としては着用中に吸収性物品の身体に面する表面から上方に立ちあがることができるカフ若しくは壁を設けることである。この種類の自己起立カフ、好ましくはまた弾性要素を用いて提供されるものは、例えば米国特許第5074856号、米国特許第5490847号、米国特許第5810800号に記載されている。物理的バリアの欠点は、かなり面倒な構成であるとともに、特に吸収性物品の非常に一般的な他の特徴、例えばサイドウィングと組み合わせて存在する場合には製造プロセスが複雑になることを含意する。それらはまた、使用中の適合性及び快適さについて改善の余地がある。
【0008】
EP1013291A1は、超吸収性ポリマーを有するホットメルト接着剤を開示する。得られた熱可塑性ホットメルト接着剤材料は、吸収性物品の吸収性構造にさらなる吸収能力を付与するため、並びに吸収性物品に基材を接着剤結合させるために、すなわち吸収性構成接着剤として使用できる。熱可塑性の吸収性ホットメルト接着剤材料はまた、体液に対してある種のバリア効果を付与するために、通常コア又はトップシートの上方にて長手方向及び/又は横断方向の縁部縞の形態で適用されることができる。しかし、EP1013291A1に開示される吸収性物品には、最適な液体処理能からは程遠い欠点があり、特にそれらは漏れを防ぐと同時に流体を有効に拡散及び分配する能力が低い。
【0009】
それ故に、本発明の目的は、縁部の漏れ、特に長手方向の側縁部からの漏れの可能性を最小限にすると同時に、改善された流体処理能を有する、すなわち流体を有効に捕捉し、分配し、吸収できる吸収性物品を提供することにある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明のさらなる目的は、様々な材料、例えば従来の繊維性要素及び層、並びに吸収性ゲル材料を組み込むことによって吸収性でもある熱可塑性ホットメルト接着剤材料の利点及び固有の特性を、相乗的な方法で組み合わせた吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、長手方向軸線及び横断方向軸線を有する吸収性物品を提供するが、この物品は、トップシート、バックシート、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置された吸収性コア、及び少なくとも1つの流体捕捉/分配層を含む。
【0012】
前記吸収性物品はさらに、流体を遮断するための第1及び第2の縁部バリア要素を少なくとも含み、前記少なくとも第1及び第2の縁部バリア要素は、前記長手方向軸線の及び/又は前記横断方向軸線の両側に配置される。
【0013】
少なくとも第1及び第2の縁部バリア要素は、液体吸収性の熱可塑性組成物を含み、この組成物は、非水溶性の水膨潤性吸収性材料の粒子が内部に分散したポリマーベース材料を含み、前記少なくとも第1及び第2の縁部バリア要素は、吸収性コアと少なくとも1つの流体捕捉/分配層との間に少なくとも部分的に配置される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本明細書で「吸収性物品」という用語は、流体及び/又は滲出物、とりわけ体液/身体滲出物を、受け取ること及び/又は吸収すること及び/又は収容すること及び/又は保持することのできる、任意の物品を含めた非常に広い意味で用いられる。本明細書で言及する時、「吸収性物品」とは、これらに限定されないが、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁用パッド、会陰パッド、幼児用おむつ、成人失禁用おむつ、及び人排泄物処理装置を含む。特に、使い捨て吸収性物品は、生理用ナプキン又はパンティライナーを参照して以下に記載される。
【0015】
本明細書では、用語「使い捨て」は、洗濯したり、あるいは吸収性物品として復元又は再利用したりすることを意図しない物品を記載するために使用される(即ち、一回使用した後に破棄し、好ましくは、リサイクルして堆肥化したり、環境に適した方法で処理したりすることを意図している)。
【0016】
本明細書で使用する時、「着用者に面する」又は「身体に面する」表面という用語は、一般に物品の使用中に着用者の皮膚及び/又は粘膜表面に面して配向した物品の構成要素の面を指す。本明細書で使用する時、「衣類に面する」表面という用語は、物品の反対側の外表面を指し、典型的には衣類と直接接触して着用された場合に着用者の衣類の方を直接向く表面を指す。
【0017】
本明細書で使用する時、「体液」という用語は、自然に人体によって生成される任意の流体を指し、例えば、汗、尿、月経液、膣分泌物など、或いは例えば皮膚を切った場合又は傷の場合のように事故によって発生するものを含む。
【0018】
本発明の非限定実施形態としての吸収性物品の主要素を以下に説明する。
【0019】
吸収性物品は、長手方向軸線I−I、及び横方向軸線II−IIを有し、それらは互いに垂直である。
【0020】
本発明に従う吸収性物品は、主要な要素として:使用中物品のユーザーに面する及び液体、特に体液を物品内に運ぶために液体透過性であるトップシート;吸収した液体が物品から漏れないように液体を閉じ込めるバックシートであって、このバックシートは従来物品の衣類に面する表面を提供するバックシート;トップシートとバックシートとの間に含まれ、トップシートを通って物品に入った液体を捕捉し保持する物品の吸収能を与える吸収性コア;通常トップシートと吸収性コア、又はバックシートと吸収性コアとの間に含まれる少なくとも1つの液体/分配層であって、流体が捕捉された後、通常は吸上作用によってその構造内に流体を有効に、素早く拡散させるように意図された流体捕捉/分配層;及び吸収性コアとは別個の少なくとも1つの第1及び第2の縁部バリア要素であって、吸収性コアと少なくとも1つの流体捕捉/分配層との間に含まれ、吸収性物品の長手方向軸線及び/又は横断方向軸線の両側に配置されるバリア要素を含む。
【0021】
トップシート
トップシートは、可撓性があり、柔らかい感触で、着用者の皮膚に刺激がない。トップシートはまた、一方向又は二方向に弾性的に伸縮可能である。更に、トップシートは、好ましくは液体透過性であって、体液をその厚さを通して容易に浸透させることができる。
【0022】
好適なトップシートは、織布材料及び不織布材料;孔あき成形熱可塑性フィルム、孔あきプラスチックフィルム及び油圧成形熱可塑性フィルムのようなポリマー材料;並びに多孔質発泡体;網状発泡体;網状熱可塑性フィルム;及び熱可塑性スクリムなどの広い範囲の材料から製造することができる。好適な織布材料及び不織布材料は、天然繊維(例えば、木材繊維若しくは綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、若しくはポリエチレン繊維などの高分子繊維)、又は天然繊維と合成繊維との組み合わせを含むことができる。好適な不織布材料/層は、カーディングプロセス又はスパンボンドプロセス又はメルトブロープロセスによって形成され、それによって溶融したポリマー材料がダイを通して押出され、押出されたポリマーを繊維に細く引き延ばし、その直径を減少させて、続いて形成面に堆積させる繊維性不織布材料/層を含む。こうした不織布材料/層の形成方法は、当業者に既知である。こうした繊維性不織布材料/層の形成に使用するのに好適なポリマー材料としては、ポリオレフィン、例えばポリエチレン及びポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、エチレンビニルアセテート、エチレンメタクリレート、上記材料のコポリマー、ブロックコポリマー、例えばスチレン及びブタジエンのA−B−Aブロックコポリマーなどが挙げられる。
【0023】
孔あき成形フィルムは、身体滲出物に対して透過性があるが、非吸収性であると共に、流体が戻って着用者の皮膚を再び濡らす傾向を低減するので、トップシートとして特に好ましい。従って、身体と接触している成形フィルムの表面は乾いた状態に保たれ、これによって身体の汚れが低減されて、着用者に更に快適な感触を与える。好適な成形フィルムは、米国特許第3,929,135号、同第4,324,246号、同第4,342,314号、同第4,463,045号、及び同第5,006,394号に記載されている。特に好ましい微小孔あき成形フィルムのトップシートが、米国特許第4,609,518号及び同第4,629,643号に開示されている。本発明に好ましいトップシートは、上記の特許の1つ以上において説明され、「ドライウィーブ」(DRI-WEAVE)としてオハイオ州シンシナティ(Cincinnati)のプロクター・エンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)によって生理用ナプキンとして販売されている孔あき成形フィルムである。成形フィルムのトップシートの身体面は、身体面が親水性でない場合よりも素早く液体がトップシートを通して移動するのを助けるように親水性であることができる。好ましい実施形態において、米国特許出願07/794,745(1991年11月19日出願)に記載されるもののように、界面活性剤が成形フィルムトップシートのポリマー材料に配合される。あるいは、トップシートの身体面は、前述の米国特許第4,950,254号に記載されているように界面活性剤を用いて処理することによって親水性を持たせることができる。
【0024】
本明細書のさらなる実施形態において、トップシートは着用者面の方向に向けられた外側層と共に使用される。こうした外側層は液体が吸収性物品上に排泄されると予想される領域に少なくとも外側層がないように不連続な方法でトップシートに配置される。実際、トップシートは、いわゆるハイブリッドトップシートであり、ここで着用者接触面は孔あきポリマーフィルム又は不織布によって長手方向の中央部に提供される一方で、中央部を含まない領域は、例えば嵩高い不織布又は特に皮膚に優しいその他の不織布のような不織布を用いて提供されるのが特に好ましい。こうしたハイブリッドトップシートは、EPA−523683、EP−A−523719、EP−A−612233、又はEP−A−766953に開示されている。
【0025】
バックシート
バックシートは、吸収性要素に吸収され、含有された液体が吸収性物品に接触する物品、つまりパンツ、パジャマ及び下着などを濡らすのを防ぐ。バックシートは、好ましくは体液のような液体に不透過性であり、好ましくは薄いプラスチックフィルムから製造されるが、その他の可撓性の液体不透過性材料を使用することもできる。バックシートは、可撓性があって、ヒトの身体の一般的な形状や輪郭に容易に順応する。また、バックシートは、一方向又は二方向に弾性的に伸縮可能である特質を有することができる。
【0026】
バックシートは、織布材料若しくは不織布材料、ポリエチレン若しくはポリプロピレンの熱可塑性フィルム等のポリマーフィルム、又はフィルムコーティングされた不織布材等の複合材料を含み得る。
【0027】
代表的なポリエチレンフィルムが、オハイオ州シンシナティのクロペイ社(Clopay Corporation)によりP18−0401の名称で製造され、インディアナ州テレホート(Terre Haute)のエチル社(Ethyl Corporation)のビスクイーン部門(Visqueen Division)によりXP−39385の名称で製造されている。バックシートは、好ましくは、より布地様の外観を持つようにエンボス加工及び/又はマット仕上げ(matte finished)を施されていてよい。
【0028】
バックシートは典型的には吸収性要素全体にわたって延び、さらに延びて、好ましいサイドフラップ、サイドラップ要素又はウィングが存在する場合にはそれらの一部又は全体を形成できる。
【0029】
バックシートを通る液体輸送を防止することに加えて、バックシートは通気性であるのが好ましい。故にバックシートはまた、水蒸気、好ましくは水蒸気及び空気両方のバックシートを通る移動を可能にし、それによって物品と接触する皮膚の湿った閉鎖性の環境を減少できる。有利なことに、本発明の物品は、好ましくは通気性のバックシートと共に提供される場合に、乾燥及びぬれた状態の両方において顕著に乾燥した感触を示し、それによって快適さをさらに向上させる。
【0030】
本明細書に用いるのに好適な通気性のバックシートには、当該技術分野において既知の全ての通気性バックシートが含まれる。本明細書に用いるのに好適なものは、通気性で、液体不透過性の単一層の通気性バックシート、又は組み合わせて通気性と液体不透過性の両方を提供する二重層のバックシートである。
【0031】
本明細書に用いるのに好適な単一層の通気性バックシートとしては、例えばGBA2184389、GBA2184390、GBA2184391、US4591523、US3989867、US3156242及びPCT国際公開特許WO97/24097に記載されるものが挙げられる。
【0032】
通気性バックシートに好適な孔あき成形フィルムとしては、層の衣類に面する表面の水平面を超えてコアの方向に延びることで、突出部を形成する別個の開口を有するフィルムが挙げられる。これらの突出部は、それらの終端部にオリフィスが配置されている。好ましくは、前記突出部は、米国特許第3,929,135号に記載されているものと同様に、漏斗形のものである。好ましくは前記孔あき予備成形フィルムは、吸収性要素に向かう流体輸送の方向が完全にではないが、少なくとも実質的に1つとなるように一方向性である。本明細書で使用するのに好適な巨視的に伸張されたフィルムには、例えば、米国特許第637819号、米国特許第4591523号、米国特許第4637819号、及び米国特許第4591523号に記載されているようなフィルムが挙げられる。
【0033】
通気性バックシートに好適なモノリシックフィルムとしては、デュポン社(DuPont Corporation)(米国)から入手可能なハイトレル(Hytrel)(商標)、及びIndex93Congress、Session7A「不織布への価値の付与(Adding value to Nonwovens)」J−C.Cardinal及びY.Trouilhet、デュポン社(DuPont de Nemours International S.A.)(スイス)に記載されるような他の材料が挙げられる。特許出願PCT国際公開特許WO99/64077及びPCT国際公開特許WO99/64505に開示されるもののようなモノリシック組成物を含むモノリシックフィルムも、通気性バックシートのために使用できる。
【0034】
本明細書に用いるのに好適な二重層の通気性バックシートは、第1及び第2の層から製造される。第1層は、吸収性要素の衣類に面する表面と、第2層/外側層の着用者に面する表面との間に配置される。それは、液体が吸収性要素から外側に向かって通過するのを遅らせるか、又は防ぐと同時に、フィルムを通して自由に空気及び水蒸気を流動させるように配向される。第2の層は、物品の通気性を助けるために、水蒸気及び空気透過性を与える。水蒸気透過性に加えて、物品の通気性に起因する快適性の利益を更に改善するために、空気透過性も望ましい。こうした第1の層は、孔をあけることによって空気及び水蒸気透過性を付与する。好ましくは、この層は前述のUS−A−5,591,510、又はPCT国際公開特許WO97/03818、PCT国際公開特許WO97/03795に従って作られる。特に、この層は毛管を有するポリマーフィルムを含む。第1層材料としてモノリシックポリマーフィルムを用いることによって、応力条件下であっても水蒸気透過性を付与する。この開口が、「漏れの心配のない」状況では空気透過性を提供するが、応力条件下では毛管を閉じ、モノリシック材料がこうした場合に水蒸気透過性を維持する。本明細書に用いるのに好ましい通気性モノリシックフィルム材料は、高い蒸気交換を有するものである。
【0035】
本明細書の1つの実施形態において、バックシートは、弾力的で、三次元ウェブの第1の層から製造され、それはフィルム面に垂直でないが、フィルム面に対して90°未満の角度で配置された毛管を形成する開口を有する液体不透過性ポリマーフィルム、及び28、好ましくは13g/m未満の坪量を有する合成繊維から製造されたメルトブロー不織布層と合成繊維から製造されたスパンボンド不織布層との繊維性の不織布複合ウェブである多孔質のウェブの第2通気性層(外側層)から製造される。
【0036】
バックシートは、典型的には衣類に面する表面を形成し、その表面上にパンティー固定用接着剤が配置される。パンティー固定用接着剤は、かかる目的のために当該技術分野で使用されるいずれかの接着剤又はグルーを含むことができるが、感圧接着剤が好ましい。
【0037】
吸収性コア
トップシートとバックシートとの間に配設された吸収性コアは、着用者による排泄の後にトップシートから浸透した体液を吸収し、保持する。吸収性コアは、体液(例えば、経血及び/又は尿)を吸収するか、又は保持することができるいずれかの吸収性手段であってもよい。吸収性コアは、多種多様な寸法及び形状(例えば、方形、楕円形、砂時計形、ドッグボーン、非対称等)に製造されてもよく、また一般にエアフェルトと称される粉砕木材パルプ等、生理用ナプキン及び他の吸収性物品に一般に使用される多種多様な液体吸収性材料から製造されてもよい。他の好適な吸収性材料の例としては:クレープ加工されたセルロース塊;コフォームを包含するメルトブローポリマー;化学的に剛化、変性、若しくは架橋したセルロース繊維;合成繊維、例えばけん縮ポリエステル繊維;ピートモス;ティッシュラップ及びティッシュラミネートを包含するティッシュ;吸収性フォーム;吸収性スポンジ;超吸収性ポリマー;吸収性ゲル材料;又はいずれかの等価材料又はこれらの材料の組み合わせ又は混合物、例えば外側の繊維性層及びその間に超吸収性ポリマーの粒子を含む積層構造、又は上記構造のいずれか及びその下又はその上の1以上のさらなる層、例えばスパンレース加工された不織布層のような繊維性層を含む複合構造が挙げられる。吸収性コアの形体及び構成も変化してもよい(例えば、吸収性コアは、様々なキャリバーゾーン(例えば、中央で厚くなるように浮き上がる)、親水性勾配、超吸収性勾配、又は密度が低く、平均坪量の低い捕捉領域を有してもよく;あるいは1以上の層若しくは構造を含んでもよい)。しかし、吸収性コアの全吸収能力は、設計負荷、及び生理用ナプキンの意図される用途に適合性があるべきである。さらに、吸収性コアの寸法及び吸収能は、失禁用パッド、パンティライナー、通常の生理用ナプキン、又は夜用の生理用ナプキンのような異なる用途に適合するように変化してもよい。本発明の吸収性コアとして使用するのに好適な代表的な吸収性構造は、米国特許第4,950,264号(オズボーン(Osborn)、1990年8月21日発行);米国特許第4,610,678号(ウェイズマン(Weisman)ら、1986年9月9日発行);米国特許第4,834,735号(アレマニー(Alemany)ら、1989年5月30日発行);欧州特許出願第0 198 683号(プロクター・エンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)、ダンケ(Duenk)らの名で1986年10月22日公開);及び米国特許第5,009,653号(オズボーンIII(Osborn,III)、1991年4月23日発行)に記載されている。
【0038】
所望により、本発明の吸収性物品は、意図する製品用途に代表的なこうした構成要素の全てを含むことができる。例えば、生理用ナプキン及びパンティライナーのような吸収性物品は、それらの配置及び汚れ保護性能、特に物品の後方末端部に対する性能を改善するためにウィングのような構成要素を含むことができる。こうした設計は、例えばEP130848又はEP134086にて示される。ウィングを有するひもライナーは、米国意匠394,503、英国意匠2,076,491及び2,087,071、並びに国際出願産業モデル(internationally filed industrial model)DM045544(HagueAgreementの下で出願、1998年10月21日登録)に示される。
【0039】
ウィングは別個の部分として提供され、物品、通常はパンティライナー又は生理用ナプキンに取付けられることができ、或いはそれらは、例えばトップシート、バックシート又はそれらの組み合わせを一体化して伸張することにより吸収性物品の材料と一体化できる。ウィングが取付けられる場合、それらは基本的な外側の指示(pointing)位置に取付けられることができ、或いは使用中の位置、すなわち長手方向の中央線に対して既に予め配設されることができる。
【0040】
流体捕捉/分配層
流体捕捉/分配層は、体液の捕捉及び続く構造内への吸上げ及び拡散を改善する機能を主に果たす。
【0041】
体液の改善された吸上げが重要な理由はいくつかあり、それには吸収性コアを通って体液をより均一に分配し、例えば吸収性物品を相対的に薄くできるという理由がある。本明細書にて言及される吸上げは、1つ、2つ又は全ての方向、すなわちx−y平面又はz方向への液体輸送を包含し得る。流体捕捉/分配層は、いくつかの異なる材料を含むことができ、その材料としてはポリエステル、ポリプロピレン若しくはポリエチレンを含む合成繊維の不織布又は織布ウェブ;綿若しくはセルロースを含む天然繊維;合成及び天然繊維のブレンド;又は任意の等価材料若しくは材料の組み合わせが挙げられる。
【0042】
流体捕捉/分配層は、トップシートと吸収性コアとの間に含まれることができ、それによって通常は二次トップシートとして作用するか、別の方法として又はさらに、吸収性コアとバックシートとの間に含まれることができる。第1の場合では、流体捕捉/分配層がまずトップシートを通して直接流体を捕捉し、その毛管構造によってその厚さ内により大きい面積で流体を均一に有効に分配し、その後下層にある吸収性コアに流体を放出することを目的とする。二次トップシート型の流体捕捉/分配層の代替物として又はそれに加えて、吸収性コアの下方に配置された流体捕捉/分配層は、吸収性コアを通過し得る流体を素早く捕捉し、広げ、その後その中に有効に拡散及び吸収させることを目的とする。これは、身体から相対的に多量の流体が突然噴出して放出される場合に、薄い吸収性コア、例えば外側繊維性層と吸収性ゲル材料の粒子がその間に分配された積層構造によって構成されるものを有する薄い吸収性物品にて行うことができる。流体は、薄い吸収性コアに到達し、そこに完全に捕捉及び吸収できない場合に、少なくとも部分的にコアを通過して、衣類に面する表面に到達し得る。そのため、下層にある隣接した流体捕捉/分配層は、この流体を捕捉し、有効に分配し、吸収性コアの衣類に面する表面のより大きい面積を流体の後の吸収のために利用可能にする。複数の流体捕捉/分配層、例えばコアとトップシートとの間に含まれるもの、及びコアとバックシートに含まれるものも吸収性物品に使用されることができ、或いは互いに重ね合わせられ、多層構造を形成する2以上の流体捕捉/分配層も使用できる。複数の流体捕捉/分配層はまた、異なるが、重ね合わせられていない層、例えば2つの別個のより狭い層を含むことができ、それぞれが各々の縁部バリア要素に結び付けられる。
【0043】
吸収性物品、すなわち二次トップシート型流体捕捉/分配層を有する生理用ナプキンの例は、米国特許第4.950,264号により完全に記載されている。当業者に既知の材料のいずれかを、少なくとも1つの流体捕捉/分配層のために本明細書で使用してもよく、それらには、ポリオレフィン又はセルロースのような天然又は合成繊維から製造される繊維性の不織布又は織布材料、例えばスパンレース加工された不織布層が挙げられるが、これらに限定されない。流体捕捉/分配層が二次トップシートの形態である場合、1平方メートルあたり約35グラム(gsm)の坪量を有するエアレイドティッシュが好ましい場合がある。好適な材料は、メルフィン・ハイジン・プロダクツ(Merfin Hygiene Products Ltd.)(カナダ、BC、デルタ(Delta))から入手可能である。二次トップシート型流体捕捉/分配層を形成するのに好適な代替不織布材料としては、ファイバーウェブ・コーポレーション(Fiberweb Corporation)(Simpsonville、S.C.)から商標名セレストラ(CELESTRA)として入手可能なスパンボンドポリプロピレン繊維の不織布、及びハヴィックス社(Havix Company)(日本)からS2416として入手可能なポリエチレン鞘及びポリウレタン芯を有する2成分繊維から形成される不織布が挙げられる。
【0044】
縁部バリア要素
吸収性コアとは別個であり、吸収性コアに加えて縁部バリア要素は、本発明の吸収性物品の本質的な特徴を構成し、それは、図1及び2に示されるように生理用ナプキンを参照して以下で説明される。
【0045】
図1は、本発明の好ましい実施形態に従う生理用ナプキン10の上方平面図を示し、物品を形成する要素の一部は、物品構造をより明確に示すために部分的に切り欠いている。生理用ナプキン10は、トップシート12、バックシート14、及びトップシートとバックシートとの間に含まれる吸収性コア16を含む。生理用ナプキン10はさらに、吸収性コア16とトップシート12との間に配設された流体捕捉/分配層18を含む。吸収性コア16とは別個の第1及び第2の縁部バリア要素20は、長手方向軸線I−Iの両側に配置され、すなわちそれぞれのバリア要素20は、コア16のそれぞれの長手方向縁部マージン22全体に実質的に沿って、それらと平行に走る連続的な狭い縞の形態である。本発明に従う縁部バリア要素20は、液体吸収性の熱可塑性組成物を含み、通常はそれから構成され、この組成物は、超吸収性材料又は吸収性ゲル材料(AGM)の粒子と呼ばれることもある非水溶性の水膨潤性吸収性材料の粒子が内部に分散したポリマーベース材料を含む。
【0046】
縁部バリア要素20は、吸収性コア16と、図1及び2に示される本発明の実施形態において、トップシート12と吸収性コア16との間に配置される二次トップシートを実質的に構成する流体捕捉/分配層18との間に含まれる。
【0047】
縁部バリア要素20は、体液が吸収性コア16の縁部に到達する前に体液を遮断でき、本発明によれば、それらは良好で、より有効な閉じ込め及び漏れ防止作用を提供すると共に、層、すなわち吸収性コア16及び流体捕捉/分配層18と組み合わせてそれらの間に含まれて作用することによって吸収性物品全体の流体捕捉及び処理能を全体的に良好にする。
【0048】
既知の機構に従って、トップシート12を通して直接受容した流体と最初に接触する際、流体捕捉/分配層18は、x及びy方向の両方において、さらにその厚みを通して、すなわちz方向にて直接流体を有効に拡散し、広げ、下層にある吸収性コア16のより大きい領域を流体の吸収及び保持のために利用可能にする。流体はまた、例えば流体を素早く拡散でき、超吸収性材料の粒子がその間に分配された2つの外側繊維性層を有する積層構造などの非常に薄いコア構造の場合、吸収性コアの外側身体に面する表面にわたって及び身体に面する表面に沿って、吸収プロセスの少なくとも初期段階にて部分的に拡散するようにできる。吸収性物品に含まれる層内、通常は繊維性層内のより大きい領域にわたって流体をこのように有効に分配することは、物品の性能全体に有益であり、吸収性コアの吸収能をより有効に活かすが、少なくとも一部の流体を、流体が最初に到達する領域に普通はより近い吸収性コアの縁部、通常は吸収性コアの長手方向縁部マージン22だけでなく、横断方向縁部マージン24にも向けることがある。しかし、流体捕捉/分配層18と吸収性コア16との間に含まれる側縁部バリア要素20が存在することで、流体を有効に遮断し、コアの縁部マージン、通常は図1及び2の実施形態において長手方向縁部マージン22に到達するのを妨げる。
【0049】
いかなる理論にも束縛されないが、流体を受け入れ、拡散し、吸収することをそれぞれ目的とする2つの層、通常は繊維性層間に縁部バリア要素20が存在することにより、これらの層の流体捕捉/分配及び吸収能と、その間に含まれる縁部バリア要素の流体遮断能とを組み合わせた相乗効果が得られると考えられる。換言すれば、流体は、流体捕捉/分配層内及び吸収性コアの隣接する外側表面内での吸上げ、すなわち互いに流体連通した流体捕捉/分配層と吸収性コアとの界面における吸上によって非常に有効に拡散する。同時に、2つの隣接層間に含まれる縁部バリア要素は、流体が吸収性コアの縁部マージンに到達する前に流体を遮断することによって有効なバリア作用を提供する。
【0050】
図3の具体的な実施形態を参照してさらにより詳細に示される本発明の代替の好ましい実施形態によれば、流体捕捉分配層は、図1及び2に示される二次トップシートとして配置される流体捕捉分配層18の代わりに、又はそれに加えて吸収性コアの下方、すなわちコアとバックシートとの間に含まれることができる。上述の同じ機構が、吸収性コアの下方にて流体捕捉/分配層と、その間に含まれる縁部バリア要素との組み合わせに適用される。これは、例えば2つの外側繊維層と超吸収性材料の粒子をその間に有する積層構造を含む薄い吸収性コアの場合に特に有用である。特定の条件では、例えば相対的に多量の流体が繰り返し排出される場合、例えば特に重い月経の初期の期間に着用される生理用ナプキンの場合、流体は、コアの構造内に有効に吸収される前に実際には吸収性コアを直接通過し得る。吸収性コアの下方の流体捕捉/分配層と、それら2つの間にある縁部バリア要素との組み合わせにより、過剰の流体の有効な処理が確実となり、その流体が流体捕捉/分配層を通って拡散し、吸収性コア内にてより大きい領域が後の吸収のために利用可能となる。縁部バリア要素が存在することで、同時にコア縁部マージンからの漏れを防ぐ。
【0051】
本発明の吸収性物品における縁部バリア要素の各々は、液体吸収性の熱可塑性組成物の1を越える縞によって構成されるのが好ましい場合がある。例えば、それぞれの縁部バリア要素は、2以上の別個の縞を含むことができ、それは通常互いに平行で、3以上の縞の場合には互いに等距離でもあり、そのため流体の遮断に対して改善されたバリア効果をもたらす。本発明の縁部バリア要素に含まれる各縞は、連続であることができ、又は不連続であることができる。個々の縁部バリア要素に関しては、互いに平行に走る複数の同一縞が好ましいが、それはそれらの縞が、通常同じ長さを有し、複数の縞を組み合わせた量と同じ量の液体吸収性の熱可塑性材料を用いるただ1つの縞よりも効率的な流体遮断効果を提供するからである。
【0052】
図1に示される実施形態において、吸収性コア16は実質的に方形の形状を有し、各縁部バリア要素20は、コア16の各長手方向縁部マージン22に対して平行な、液体吸収性の熱可塑性組成物の直線状の縞を含む。しかし、本発明の吸収性物品はまた、縁部バリア要素の各々が1以上の縞を含み、吸収性コアのそれぞれの長手方向縁部マージンに対して平行でない代替の形状を含むことができる。非限定的な例として、こうした代替形状は、吸収性コアが方形でなく、当該技術分野において既知のような異なった形状、例えば砂時計型であり、縁部バリア要素が直線状で、物品の長手方向軸線I−Iに平行、又は例えば図4に示されるようにコアの長手方向縁部マージンに平行であるか、あるいはまたコアの長手方向縁部マージンとは異なる曲率で曲がる実施形態を含む。あるいは、曲がる縁部バリア要素は方形コアと組み合わせることができる。
【0053】
本発明の吸収性物品はまた、物品の長手方向軸線I−Iの両側に配置される第1及び第2の縁部バリア要素の代わりに、又はそれに加えて、物品の横断方向軸線II−IIの両側に配置される縁部バリア要素を含むことができる。図4は、長手方向軸線I−Iの両側に配置される、この場合は吸収性コア16の長手方向縁部マージン22と平行でもある第1及び第2縁部バリア要素20、及びさらに物品の横断方向軸線II−IIの両側に配置され、吸収性コア16の横断方向側縁部24に実質的に平行でもある第1及び第2のバリア要素20’を含む本発明の実施形態を示す。無論同じ考察が縁部バリア要素20’に適用され、それはまた、液体吸収性の熱可塑性組成物の単一又は複数の縞によって構成されることができ、それぞれの縞は連続又は不連続である。縁部バリア要素20’は、吸収性コアのそれぞれの横断方向縁部マージンに平行な、又は平行でない直線状又は曲線状であることができる。
【0054】
本発明のさらなる代替実施形態によれば、縁部バリア要素20及び縁部バリア要素20’は、吸収性コアの長手方向縁部マージン22及び横断方向縁部マージン24に沿って全面的に、所望によりそれらに平行に走る連続した単一又は複数の縞を構成できる。
【0055】
図1及び2の実施形態において、吸収性コア16及び少なくとも1つの流体捕捉/分配層18は本発明の代替実施形態に従って同一の広がりを持つが、少なくとも第1及び第2の縁部バリア要素20が吸収性コアと少なくとも1つの流体捕捉/分配層との間に少なくとも部分的に配置される限り、異なる形状及び伸張を有することができる。
【0056】
本発明のさらなる代替の好ましい実施形態によれば、縁部バリア要素、好ましくは少なくとも第1及び第2の縁部バリア要素の両方は、吸収性コアのそれぞれの長手方向縁部マージンの外側及び/又は流体捕捉/分配層の外側に部分的に横方向に延びる。この特徴は、吸収性コアと異なる幅を有する流体捕捉/分配層とを組み合わせた本発明に従う吸収性物品に含まれるのがより好ましい。例えば、好ましい実施形態は、吸収性コアよりも幅の広い流体捕捉/分配層と組み合わせて、吸収性コアだけの各長手方向縁部マージンの外側に横方向に延びる縁部バリア要素、及び逆もまた同様に流体捕捉/分配層の各長手方向縁部マージンの外側に横方向に延びる縁部バリア要素は、流体捕捉/分配層よりも幅の広い吸収性コアと組み合わせられる。好ましくは少なくとも第1及び第2縁部バリア要素の各々が、前記吸収性コアの、及び/又は液体捕捉/分配層の各長手方向縁部マージンの外側に、その全体の長さに沿って横方向に部分的に延びる。
【0057】
上記特徴は、例えば特に厳しい着用条件の間に搾り出され、コアの多量の流体充填量と、例えばユーザーの動きによる応力条件とが組み合わさって、吸収性コアの及び/又は流体捕捉/分配層の長手方向縁部マージンを離れる可能性のある流体に対する漏れもさらに保護できる。
【0058】
例えば、図3に示される本発明の好ましい代替実施形態によれば、吸収性物品110は、吸収性コア116とバックシート114との間に配置される流体捕捉/分配層118を含み、ここで流体捕捉/分配層118は、上層にある吸収性コア116よりも幅が広い。吸収性物品110はさらに、トップシート112と吸収性コア116との間に配置される第2流体捕捉/分配層118’を含み、従ってそれは二次トップシートとして作用し、示された実施形態においては吸収性コア116と同じ幅を有する。
【0059】
示された好ましい実施形態において、各縁部バリア要素120は、液体吸収性の熱可塑性組成物の3つの同一縞によって構成され、それは互いに等距離であり、互いに平行でもあり、吸収性コア116の各長手方向縁部マージン122に対しても平行である。各縁部バリア要素120は、流体捕捉/分配層118全体にわたって配置され、コア116よりも幅が広く、吸収性コアの各長手方向縁部マージン122の外側にその全体の長さに沿って横方向に部分的に延びる。
【0060】
図3の実施形態は、高密度で、通常薄い吸収性コアを持ち、x−y平面とz方向の両方にて特に良好な分配/吸上能を有する吸収性物品に特に好ましい場合がある。流体は、コアを通って効率良く分配されることができるとともに、コアの厚みを通って直接下層にある層に到達する。故に流体は、二重の経路に沿って流れることができ、すなわち流体はコア自体の内部にあるコア縁部、通常長手方向縁部マージン122に素早く到達し、次いで縁部バリア要素120によってブロックされ、さらに、長手方向縁部マージン122の外側に部分的に延びるが、好ましくは図3の実施形態に示されるように、流体捕捉/分配層118上になおも配置される、それらの各部分によってもブロックされる。同時に流体はまた、コアの厚さを通って下層にある流体捕捉/分配層118によって捕捉され、さらにコアの衣類に面する表面に沿って分配され、流体捕捉/分配層118の長手方向縁部マージンに到達する前に同様に縁部バリア要素120によってブロックされる。
【0061】
代替の好ましい実施形態は図5に示され、図3の場合と同様の吸収性物品210を示すが、流体捕捉/分配層218は、トップシート212と吸収性コア216との間に含まれ、コアよりも狭い。図3を参照して既に記載された同じ配置を有する液体吸収性の熱可塑性組成物の3つの縞によって構成される各縁部バリア要素220は、流体捕捉/分配層218よりも広いコア216全体にわたって配置され、流体捕捉/分配層218の各長手方向縁部マージン226の外側にその長さ全体に沿って横方向に部分的に延びる。
【0062】
図5の実施形態は、相対的に低い流体分配能を有する低密度で、通常は厚く、毛羽立ったコアを有する吸収性物品に特に好ましい場合がある。流体は、流体捕捉/分配層218内に主に素早く、かつ効率的に分配され、コア216の身体に面する表面に広がる。流体は、実際流体捕捉/分配層218の最末端部、特にその長手方向縁部マージン226に到達し得るが、側部の漏れは、流体捕捉/分配層218の長手方向縁部マージン226の外側に横方向にも延びるコア216の一部分と組み合わせて、図5に示されるようにさらに横方向に延びる縁部バリア要素220によって妨げられる。
【0063】
あるいは、図3及び5の2つの実施形態について、各縁部バリア要素として単一の幅の広い縞が、流体捕捉/分配層の及びコアの各長手方向縁部マージンに対して同じ配置を有するように使用できる。
【0064】
上記実施形態にて縁部バリア要素を構成する複数の縞のそれ程は好ましくない代替物として、各縁部バリア要素120、220は、好適な幅を有する液体吸収性の熱可塑性組成物の単一縞によって構成されることができ、吸収性コアと少なくとも1つの流体捕捉/分配層との間に配置され、縁部バリア要素の一部が、コア116の、又は流体捕捉/分配層218の各長手方向縁部マージン122 226の外側に横方向に部分的に延びるようにする。
【0065】
一般に、本発明に従って、少なくとも第1及び第2の縁部バリア要素が吸収性コアと少なくとも1つの流体捕捉/分配層との間に少なくとも部分的に配置される限り、追加の要素又は層がまた、コアと流体捕捉/分配層との間に含まれること、通常は縁部バリア要素に加えてさらなる繊維層が含まれることを排除しない。例えば、さらなる吸収性層がコアと流体捕捉/分配層との間に含まれることができ、故に例えば最上部から最下部まで流体捕捉/分配層と、例えば第1のコア要素を構成できる第1の吸収性層と、少なくとも第1及び第2の縁部バリア要素と、及び本発明のこの代替実施形態では二次コア要素を構成し得る吸収性コアとを含む層状構造を最終的に形成する。
【0066】
本発明のさらなる代替の好ましい実施形態によれば、吸収性コアはまた、トップシートと吸収性コアとの間に配置される上方の流体捕捉/分配層、及び吸収性コアとバックシートとの間に配置される下方の流体捕捉/分配層を含むことができ、ここで少なくとも第1及び第2の縁部バリア要素は、上方流体捕捉/分配層とコアとの間に配置され、さらなる少なくとも第1及び第2の縁部バリア要素は、下方の流体捕捉/分配層と吸収性コアとの間に配置される。こうした構成は、縁部漏れ防止と組み合わせてさらに向上した流体処理能を有する吸収性物品を提供できる。
【0067】
好ましくは少なくとも第1及び第2の縁部バリア要素は、60cm以下、より好ましくは2cm〜60cm、さらにより好ましくは10cm〜40cm、最も好ましくは20cm〜30cmの面積全体を覆うように構成されることができる。好ましくは、縁部バリア要素によって覆われる吸収性コアの身体に面する表面の面積又は衣類に面する表面の面積は、コアの各表面の面積全体の35%以下、より好ましくは2%〜32%、さらにより好ましくは5%〜30%、最も好ましくは15%〜25%である。
【0068】
各縁部バリア要素は、連続縞によって構成されるのが好ましく、より好ましくは互いに平行な複数の連続縞によって構成され、各縞は0.1mm〜20mm、好ましくは0.5mm〜15mm、より好ましくは1mm〜10mmの幅を有する。縁部バリア要素を好ましくは構成する複数の縞は、互いに少なくとも0.1mm、好ましくは0.5〜10mm、より好ましくは1〜5mm、最も好ましくは1.2〜4mmの距離で離れ、流体を遮断する所望の改善されたバリア効果を提供する。
【0069】
吸収性物品の長手方向及び/又は横断方向軸線の両側に配置される少なくとも第1及び第2の縁部バリア要素間の距離は、長手方向軸線の両側に配置される縁部バリア要素について吸収性コアの最小幅の好ましくは少なくとも20%、好ましくは少なくとも25%であり、横断方向軸線の両側に配置される縁部バリア要素については長手方向軸線に沿って測定される吸収性コアの長さの少なくとも20%、好ましくは少なくとも25%である。いずれの場合でも長手方向及び/又は横断方向軸線の両側に配置される第1及び第2縁部バリア要素間の最小距離は、少なくとも10mm、好ましくは少なくとも15mm、より好ましくは少なくとも20mmでなければならない。
【0070】
縁部バリア要素の液体吸収性熱可塑性組成物は、好適なキャリアとしての熱可塑性ポリマーベース材料に均質に又は不均質に分散した非水溶性の水膨潤性吸収性材料の粒子を含む。
【0071】
非水溶性であるが、水膨潤性の吸収性材料又は吸収性ゲル材料は、通常「ヒドロゲル」、「超吸収体」、「吸収性ゲル」材料と呼ばれる。吸収性ゲル材料は、水性流体、特に水性体液と接触するときに、かかる流体を吸収することによってヒドロゲルを形成する材料である。これらの吸収性ゲル材料は、一般に大量の水性体液を吸収することができ、更にそのような吸収した流体を適度の圧力下で保持することができる。繊維形状の超吸収体が既知であるとしても、これらの吸収性ゲル材料は典型的には別個の非繊維性粒子の形状である。
【0072】
粒子状形態の任意の市販の超吸収性材料は本発明に好適である。本明細書で用いられるのに好適な吸収性ゲル材料は、実質的に非水溶性で、僅かに架橋し、部分的に又は完全に中和したポリマーゲル材料を含むことが最も多い。この材料は水に接触するとヒドロゲルを形成する。このようなポリマー材料は、重合可能な不飽和の酸含有モノマーから調製することができる。
【0073】
本明細書に使用される吸収性材料の乾燥状態での粒径は、150マイクロメートル未満、より好ましくは50マイクロメートル未満、最も好ましくは40〜10マイクロメートルであるのが好ましい。小さい粒径が本明細書では好ましいが、これが、最適な性能及び熱可塑性組成物の所望の基材の接着に関する加工性をもたらすからである。本明細書で使用する時、「粒径」という用語は、個々の粒子の最小寸法の加重平均を意味する。本明細書で使用するのに極めて好ましい非水溶性の水膨潤性材料は、実質的に角のない形状を有し、好ましくは球状である。好適な市販の吸収性ゲル材料は、例えば、平均粒径が20μm〜30μmのアクアキープ(Aquakeep)(商標)10SH−NF(住友精化(Sumitomo Seika)から入手可能)である。
【0074】
非水溶性の水膨潤性吸収性材料は、液体吸収性熱可塑性組成物全体の1重量%〜95重量%、好ましくは10重量%〜90重量%、より好ましくは30重量%〜70重量%、最も好ましくは40重量%〜60重量%の量で存在する。
【0075】
吸収性材料の他に、本明細書で使用される液体吸収性熱可塑性組成物はさらに、必須要素として、典型的には液体吸収性の熱可塑性組成物の5重量%〜99重量%、好ましくは10重量%〜90重量%、より好ましくは30重量%〜70重量%、最も好ましくは40重量%〜60重量%の濃度でポリマーベース材料を含む。
【0076】
当業者に既知であり、また女性ケア吸収性物品(例えば、生理用ナプキン、パンティライナー、又は失禁物品)又はベビーケア吸収性物品(例えばおむつ)など、吸収性物品を構成するために従来から使用されるいかなるポリマーベース材料も、本明細書で使用できる。本明細書で使用されるポリマーベース材料は、必須成分として熱可塑性ポリマーを含む。熱可塑性ポリマー又はポリマーの混合物は、典型的には、熱可塑性ポリマーベース材料の総重量に対して、約5重量%〜99重量%、好ましくは10重量%〜90重量%、より好ましくは30重量%〜70重量%、最も好ましくは40重量%〜60重量%の範囲の量で存在する。
【0077】
超吸収性材料の粒子を含む液体吸収性の熱可塑性組成物は、当該技術分野において既に既知であり、本発明の吸収性物品に縁部バリア要素を提供するために使用できる。例えば特許出願PCT国際公開特許WO98/27559及びPCT国際公開特許WO99/57201に記載される材料は、本発明に使用できる。
【0078】
超吸収性材料の粒子を含む特に好ましい液体吸収性熱可塑性組成物は、特許出願PCT国際公開特許WO03/49777に記載されている。本願は、本発明の吸収性物品に適用されるべき液体吸収性の熱可塑性組成物に使用するための極めて好ましい熱可塑性ポリマーベース材料を開示するが、それは、ASTM D570−81に従って本明細書に記載される吸水率試験に従って、200μm厚さのフィルムにて測定される場合に少なくとも30%を越える、好ましくは40%を越える、より好ましくは60%を越える、最も好ましくは90%を越える吸水能を有する。ポリマーベース材料/マトリックスの本質的な吸収性により、体液はマトリックス内でより効果的に拡散され、従って、体液はより良好に広がって、より多くの吸収性材料粒子に達することができ、その後より良好に吸収性材料を利用することができる。
【0079】
PCT国際公開特許WO03/49777に記載される非常に好ましい液体吸収性熱可塑性組成物は、湿った状態では良好な一体性を示し、故に、湿った状態で、乾燥状態での前記組成物の引張強度の少なくとも20%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは60%の引張強度を有する。前記引張強度は、本明細書に記載される引張強度試験に従って評価される。より高い吸水率の値を有する本明細書の液体吸収性の熱可塑性組成物において、熱可塑性ベース材料を選択することにより、この吸収性組成物は、より良好な液体吸収/処理特性を有しつつも、湿った状態では引張強度を損なわないということを理解すべきである。事実、このような吸収性組成物は液体吸収時においても実質的に完全なままであり、その意図された使用のために十分な引張強度を有することになる。
【0080】
事実、本明細書で使用するための極めて好ましい液体吸収性熱可塑性組成物は、改善された機械特性及び吸収特性を提供する。理論に束縛されるものではないが、マトリックス固有の吸収性により体液が捕捉されマトリックス内に拡散されることができるので、粘着強度の低いマトリックスを有する必要なしに、流体吸収時に実質的に完全なままであり、十分な強度を有するマトリックスを用いて、マトリックスに含有される吸収性材料に流体が接触すること及び膨潤することが可能となるものと考えられる。
【0081】
粒子形状の吸収体又はその混合物は、既知の方法のいずれかでポリマーベース材料とブレンドされて、本明細書で使用される液体吸収性の熱可塑性組成物を与える。例えば、最初に熱可塑性ポリマーベース材料を融解し、次に必要量の吸収性材料粒子を加えて混合することによる。メルトミキサー又は押出し成形機などの好適な接着剤加工装置を使用することができる。好ましくは、本明細書で使用される液体吸収性の熱可塑性組成物は、ホットメルト特性を有するように処方され、その結果それらの材料はホットメルト接着剤を適用するのに使用される既知のいずれかの方法を利用して適用され得る。
【0082】
少なくともコーティング温度において、液体吸収性熱可塑性組成物は熱可塑性ポリマーベース材料を含むので、複合構造を形成するために支持基材上で接着特性を示すことができ、その結果、縁部バリア要素、故に液体吸収性熱可塑性組成物がその間に含まれる層、通常は少なくとも吸収性コアと流体捕捉/分配層との永続的な付着を達成するために追加の接着剤を必要としない。ただし、ホットメルト技術が好ましいものの、熱可塑性組成物を加工するためのその他の既知のいかなる方法も、既知のいかなる形態/パターンにて吸収性組成物の加工のために使用できる。また、押出成形、積層プロセスと同様、熱可塑性組成物を噴霧する、印刷する、打点する、コーティングする、又は発泡させるための既知の方法のいずれかを使用することができる。
【0083】
液体吸収性の熱可塑性組成物を基材に適用するのに特に適する方法は、グラビア印刷又はスロットコーティングによるものである。どちらの方法も、本明細書に記載された熱可塑性組成物を基材上に非連続的に適用するために特に好適である。グラビア印刷ユニット又はスロット適用機は、熱可塑性組成物を望ましいパターンで基材上に適用する。
【0084】
吸収性組成物は熱可塑性であるので、ホットメルト技術が適用でき、従って異なる基材上に、例えば吸収性コアあるいは流体捕捉/分配層上に直接、選択された好適なパターンでの適用性に関する多様性を増大させる。
【0085】
液体吸収性の熱可塑性組成物は、坪量が10g/m〜2000g/m、好ましくは50g/m〜1000g/m、より好ましくは100g/m〜350g/mの縁部バリア要素を形成するために、選択された基材上に適用でき、この坪量は、縁部バリア要素を構成する単一要素それぞれについて、例えば典型的な複数の縞の縁部バリア要素における1つの縞について考慮される。
【0086】
本発明の代替実施形態によれば、吸収性コアと少なくとも1つの流体捕捉/分配層間に配置される液体吸収性の熱可塑性組成物の連続層は、縁部バリア要素が存在しなくとも、液体吸収性の熱可塑性組成物と、2つの層、すなわちそれを間に含む吸収性コア及び流体捕捉/分配層との組み合わせによる相乗作用によって、改善された液体捕捉、分配及び保持という利点を有し、側部漏れの可能性の少ない吸収性物品をなおも提供できる。あるいは液体吸収性の熱可塑性組成物の層は連続でなくてもよく、すなわち不連続であるが、結合されたパターンにて提供されてもよい。不連続であるが、結合されたパターンは、互いに結合された液体吸収性熱可塑性組成物の単一要素、例えば互いに結合し、不連続層を形成する、すなわち空隙領域を有する結合された線、縞、ドット、円、四角形などを含む。
【0087】
本発明の吸収性物品の実施例は、本明細書にて以下に記載される。
【0088】
図1及び2に示されるものと同様の生理用ナプキンは、最上部から最下部まで、トップシートとして孔あきポリマーフィルム(トレディガー(Tredegar)から入手可能なCPM RISコード化1035025)、流体捕捉/分配層として40g/mのBICO熱接着カーディッド不織布(サンドラー(Sandler)から入手可能なコード化Sawabond4313)、吸収性コアとしてコードGH.150.1006の下でコンサート(Concert GmbH)から販売される2成分のセルロース繊維、超吸収性粒子及び結合剤を含む複合エアレイド構造、並びにバックシートとして表記P18−0401の下でオハイオ州シンシナティのクロペイ社(Clopay Corporation)によって製造されるポリエチレンフィルムを含む。
【0089】
吸収性コア及び流体捕捉/分配層は、方形であり、同一の広がりを持ち、それらの間に第1及び第2の縁部バリア要素を含み、それぞれはコアの及び流体捕捉/分配層のそれぞれ共通する長手方向縁部マージンの全体の長さに沿って実質的に長手方向に走る。それぞれの縁部バリア要素は、互いに平行に走り、3mmの距離で隔てられる液体吸収性の熱可塑性組成物の3つの連続する縞によって構成される。各縞は、2mmの幅を有し、約300g/mの坪量で適用される液体吸収性の熱可塑性組成物を含む。第1及び第2の縁部バリア要素の最内部の縞間の距離は36mmである。
【0090】
縁部バリア要素を形成する液体吸収性の熱可塑性組成物は、次の組成を有し、ホットメルト接着剤を形成する:
18%のノヴェオン(Noveon)からのエスタン(Estane)T5410
17%のダウケミカル(Dow Chemical)からのPEG E400
1%のチバスペシャリティケミカルズ(Ciba Speciality Chemicals)からのイルガノックス(Irganox)B225
19%のサヴァーレ(Savare)からのCR00(旧PM17)
45%の住友精化(Sumitomo-Seika)からのアクアキープ(Aquakeep)10 SH−NF(登録商標)
エスタン(Estane)T5410は親水性ポリウレタン熱可塑性ポリマーであり、PEG E400はポリエチレングリコール(可塑剤、MW約400)であり、イルガノックス(Irganox)B225は酸化防止剤であり、CR00は市販のホットメルト接着剤である。
【0091】
本発明の特定の実施形態について例証し説明したが、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の他の変更及び修正が可能であることは当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本明細書に記載されるように液体吸収性の熱可塑性組成物から製造される縁部バリア要素を有する本発明の生理用ナプキンの衣類に面する表面の平面図。
【図2】線A−A’に沿って切り取った図1の生理用ナプキンの断面図。
【図3】本発明の別の好ましい実施形態に従う生理用ナプキンの断面図。
【図4】本発明の別の好ましい実施形態に従う生理用ナプキンの概略平面図。
【図5】図3と同様の、本発明のさらなる代替実施形態に従う生理用ナプキンの断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸線及び横断方向軸線を有する吸収性物品であって、前記吸収性物品が、トップシート、バックシート、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置されている吸収性コア、及び少なくとも1つの流体捕捉/分配層を含み、
前記吸収性物品がさらに、流体を遮断するための少なくとも1つの第1及び第2の縁部バリア要素を含み、前記少なくとも第1及び第2の縁部バリア要素が、前記長手方向軸線及び/又は前記横断方向軸線の両側に配置されており、
前記少なくとも第1及び第2の縁部バリア要素が液体吸収性の熱可塑性組成物を含み、この液体吸収性の熱可塑性組成物が、非水溶性の水膨潤性吸収性材料の粒子が内部に分散しているポリマーベース材料を含み、
前記少なくとも第1及び第2の縁部バリア要素が、前記吸収性コアと前記少なくとも1つの流体捕捉/分配層との間に少なくとも部分的に配置されている吸収性物品。
【請求項2】
前記少なくとも1つの流体捕捉/分配層が、前記トップシートと前記吸収性コアとの間に配置されている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記少なくとも1つの流体捕捉/分配層が、前記バックシートと前記吸収性コアとの間に配置されている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記物品が、前記トップシートと前記吸収性コアとの間に配置された上方流体捕捉/分配層、前記バックシートと前記吸収性コアとの間に配置された下方流体捕捉/分配層、前記上方流体捕捉/分配層と前記コアとの間に配置された少なくとも1つの第1及び第2の縁部バリア要素、及び前記下方流体捕捉/分配層と前記吸収性コアとの間に配置された少なくとも1つの第1及び第2の縁部バリア要素を含む、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記少なくとも第1及び第2の縁部バリア要素の各々が少なくとも2つの平行縞を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記少なくとも第1及び第2の縁部バリア要素が、前記長手方向軸線の両側に配置され、前記第1及び第2の縁部バリア要素の各々が、前記吸収性コア及び/又は前記流体捕捉/分配層のそれぞれの長手方向縁部マージンの外側に横方向に部分的に延びる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記少なくとも第1及び第2の縁部バリア要素が前記長手方向軸線の両側に配置され、前記第1及び第2の縁部バリア要素の各々が、前記吸収性コアのそれぞれの長手方向縁部マージンの外側に横方向に部分的に延び、前記流体捕捉/分配層が前記吸収性コアよりも広い、請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記少なくとも第1及び第2の縁部バリア要素が前記長手方向軸線の両側に配置され、前記第1及び第2の縁部バリア要素の各々が、前記流体捕捉/分配層のそれぞれの長手方向縁部マージンの外側に横方向に部分的に延び、前記吸収性コアが前記流体捕捉/分配層よりも広い、請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記第1及び第2縁部バリア要素の各々が、前記吸収性コアの又は前記液体捕捉/分配層のそれぞれの長手方向縁部マージンの外側にて、その全体の長さに沿って横方向に部分的に延びる、請求項6〜8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記少なくとも第1及び第2の縁部バリア要素全体が、60cm以下、好ましくは2cm〜60cm、より好ましくは10cm〜40cm、最も好ましくは20cm〜30cmの面積を覆う、請求項1〜9のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項11】
トップシート、バックシート、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置された吸収性コア、及び少なくとも1つの流体捕捉/分配層を含む吸収性物品であって、
前記吸収性物品がさらに、液体吸収性の熱可塑性組成物の層を含み、この液体吸収性の熱可塑性組成物が、非水溶性の水膨潤性吸収性材料の粒子が内部に分散しているポリマーベース材料を含み、
前記層が連続であるか、又は不連続であるが結合されたパターンを有し、
前記層が、前記吸収性コアと前記少なくとも1つの流体捕捉/分配層との間に少なくとも部分的に配置されている吸収性物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−529287(P2007−529287A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−504187(P2007−504187)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/010012
【国際公開番号】WO2005/094748
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】