説明

液体噴射ノズル

【課題】一つの液体噴射ノズルで多様な泡を噴射可能とし、利用者の負担を軽減することが可能な液体噴射ノズルを提供する。
【解決手段】液体を噴射する噴射口52の噴射方向前方に液体を泡状に変化させるメッシュシート55,63を備え、噴射口から噴射された液体を、メッシュシートを介して泡状に変化させて噴射する噴射ノズルにおいて、噴射口の噴射方向に、メッシュシートが重なって配置され、これらメッシュシートのうち、少なくとも1つのメッシュシートが回動可能に設けられることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内容液を泡状にして噴射可能な液体噴射ノズルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、液体洗剤など内溶液を泡状にして噴射可能な液体噴射ノズルが知られている。この種の液体噴射ノズルとしては、よりきめの細かい泡を作り出すために噴射口の噴射方向前方にメッシュシートを配置したものがある。この液体噴射ノズルの噴射口から噴射された霧状の内容液は、メッシュシートを通過する際に泡状に変化して、この泡が外界に噴射される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−207126号公報
【特許文献2】特開平8−252494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した従来の液体噴射ノズルは、その内部構造とメッシュシートの形状によって噴射される泡のきめ細かさや泡高などの性状が決まる。そして、ふき取りを重視する場合や、垂れ防止を重視する場合など、各利用態様によって最適な泡の性状が異なることから、最適な泡を噴射できる液体噴射ノズルを利用態様の数だけ用意する必要があり、利用者の負担が増加してしまうという課題がある。
【0005】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、一つの液体噴射ノズルで多様な泡を噴射可能とし、利用者の負担を軽減することが可能な液体噴射ノズルを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、液体を噴射する噴射口の噴射方向前方に液体を泡状に変化させるメッシュシートを備え、前記噴射口から噴射された液体を、前記メッシュシートを介して泡状に変化させて噴射する噴射ノズルにおいて、
複数の前記メッシュシートが噴射方向に重なって配置され、これら複数のメッシュシートのうち、少なくとも1つのメッシュシートが回動可能に設けられることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、複数の前記メッシュシートは、それぞれ異なる目の細かさのメッシュ、又は、それぞれ異なった目の形状のメッシュを有することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記メッシュシートが2つ設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載した発明によれば、噴射口から噴射された液体が、重なって配置された複数のメッシュシートを全て通過して外界へ噴射されることとなるが、少なくとも一つのメッシュシートを回動させることで、一つのメッシュシートのメッシュに対する、他のメッシュシートのメッシュの相対的な回動位置が変化して、複数のメッシュシートの組み合わせによる噴射方向から見たメッシュ形状や目の細かさが変化するので、このメッシュ形状や目の細かさに応じた異なる性状の泡を生成することができる。したがって、簡単な操作でメッシュの目の細かさや形状を変化させて一つの液体噴射ノズルで多様な泡が噴射可能となるため、利用者の負担を軽減することができる効果がある。
【0010】
請求項2に記載した発明によれば、請求項1の効果に加え、各メッシュシートの目の細かさを変えることで、多様なメッシュ形状および目の細かさを得ることができるため、より利用目的に適した泡を生成することができる効果がある。
【0011】
請求項3に記載した発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、2つのメッシュシートのうち、一方を回動させるだけで泡の性状を変化させることができるため、より容易に異なる性状の泡を噴射させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態における液体噴射ノズルを側方から見た縦断面図である。
【図2】本発明の実施形態におけるノズル部周辺の拡大図である。
【図3】本発明の実施形態におけるメッシュシートの正面図であって、(a)は噴射口から遠い方のメッシュシート、(b)は噴射口から近い方のメッシュシートを示す。
【図4】図3(a)に示すメッシュシートの右回転による回動状態を示す図であって、(a)は初期位置、(b)は10度程度、(c)は20度程度、(d)は45度程度回動させた場合である。
【図5】本発明の実施形態における第1変形例のメッシュシートの図3に相当する正面図であって、(a)は噴射口から遠い方のメッシュシート、(b)は噴射口から近い方のメッシュシートを示す。
【図6】図5(a)に示すメッシュシートを左回転した回動状態を示す図であって、(a)は初期位置、(b)は10度程度、(c)は20度程度、(d)は45度程度、(e)は90度回動させた場合である。
【図7】本発明の実施形態における第2変形例のメッシュシートの図3に相当する正面図である。
【図8】図7に示すメッシュシートの左回転による回動状態を示す図であって、(a)は初期位置、(b)は10度程度、(c)は20度程度、(d)は45度程度、(e)は60度回動させた場合である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、この発明の実施形態の液体噴射ノズルについて図面を参照しながら説明する。
この実施形態の液体噴射ノズル1は、いわゆるトリガー式の噴射ノズルであって、内容液が予め注入された容器2の上部開口部3に、ベースキャップ4を介して螺設される。このベースキャップ4は、液体噴射ノズル1に取り付けられたバルブベース部5の下部に形成されたフランジ部6に回動可能に支持される。容器2の内溶液としては、例えば、液体洗剤や、美容用の液体などが挙げられる。
【0014】
バルブベース部5は、後述するファーストバルブとセカンドバルブとの二つのバルブを構成するベース部材であって、略円筒状の縦通路部7を備えて構成される。この縦通路部7の下部には、下方に延びる円筒状のディップチューブ8の上端が圧入され、縦通路部7とディップチューブ8とが連通される。このディップチューブ8は、容器2の内部に十分な液量の内溶液(図示せず)がある場合に、少なくともその下端部(図示せず)が内容液中に浸かるようになっている。
【0015】
ディップチューブ8の上側には、ファーストバルブを構成する逆止弁10が設けられる。この逆止弁10は、球形状の弁体を備え、縦通路部7からディップチューブ8側への液体の流出を規制すると共に、ディップチューブ8側から縦通路部7に向かってのみ液体の流入を許容する。逆止弁10の上側の縦通路部7の側壁11には、ポンプ部12に連通する貫通孔13が形成される。
【0016】
ポンプ部12は、貫通孔13に連通されるシリンダチューブ14と、シリンダチューブ14内に摺動可能に取り付けられたピストン15とを備えて構成される。ピストン15は、シリンダチューブ14内の中央部に配設されたコイルスプリング16によりシリンダ室17が拡大される方向に常時付勢され、揺動可能に取り付けられたトリガレバー18に連係される。ピストン15は、トリガレバー18が操作されることで圧縮方向に変位される。
【0017】
縦通路部7の貫通孔13の上側には、セカンドバルブを構成する弁体19が設けられる。この弁体19は、全周が縦通路部7の内面20に当接するつば部21と、このつば部21を逆止弁10側に付勢するバネ部22を有している。つば部21は、縦通路部7の延在方向に沿って摺動可能であり、縦通路部7に形成された段差7aによって下限位置が規制されている。バネ部22は、上下方向の略中央に括れを有する管状に形成され、つば部21と同様に全周が縦通路部7の内面20に当接配置されるベース部21bに支持され、このベース部21bによりバネ部22の姿勢が維持される。
【0018】
ここで、例えば、縦通路部7の内部の圧力がバネ部22の弾性力を上回ると、バネ部22が圧縮変形されて、つば部21が上方に変位される。なお、弁体19には、つば部21から下方に向けて延出する突起23が形成され、この突起23によって上述した逆止弁10の上限位置が規制される。
【0019】
縦通路部7の上部側壁24には、横通路部30が貫通孔25を介して接続される。この貫通孔25は、縦通路部7の内部圧力がバネ部22の弾性力を上回ってつば部21が上方に変位した際に、横通路部30と、つば部21よりも貫通孔13側の縦通路部7とが連通される所定位置に配置される。横通路部30は、縦通路部7とノズル部32とを接続する通路であり、トリガレバー18の基部18aよりもやや前方まで延びている。
【0020】
ここで、トリガレバー18が図1に示す矢印方向に揺動されると、初めに、ピストン15が圧縮方向に変位してシリンダ室17が圧縮され、シリンダ室17内の空気等が縦通路部7に押し出され、縦通路部7内が大気圧から正圧に転じる。ここで、トリガレバー18が初動の場合には、縦通路部7やシリンダ室17内には空気が存在する。この際、縦通路部7内の正圧が逆止弁10を閉塞させる方向に作用して、この正圧がバネ部22の弾性力を上回ると、弁体19が上方に変位して縦通路部7と横通路部30とが連通される。これにより、縦通路部7内の圧力が低下し、弁体19のつば部21がバネ部22の弾性力により貫通孔25よりも貫通孔13側に戻り、縦通路部7と横通路部30との連通が遮断される。
【0021】
次いで、トリガレバー18の操作が解除されると、コイルスプリング16の弾性力により、トリガレバー18とピストン15とが元の位置に戻され、シリンダ室17内に縦通路部7の空気が吸引される。これにより、縦通路部7内が負圧に転じて、逆止弁10が開放され、この負圧によりディップチューブ8から縦通路部7内に容器2の内溶液が吸い上げられる。そして、この吸い上げられた内溶液が貫通孔13を介してシリンダ室17内に流入される。
【0022】
そして、再度トリガレバー18が操作されると、シリンダ室17内の内溶液が縦通路部7内に押し出されて縦通路部7内の液圧が上昇し、この液圧がバネ部22の弾性力を上回ると、つば部21が上方に変位して縦通路部7と横通路部30とが連通される。この際、縦通路部7内の内溶液は、その液圧により横通路部30へ押し出されることとなる。そして、この横通路部30内に流出した内溶液は、横通路部30を通じて後述する噴射口52に供給され、その後、トリガレバー18が操作される度に、上述した仕組みで内溶液が横通路部30へと送り出されることとなる。
【0023】
横通路部30の先端31側には、ノズル部32を支持するノズルベース部33が取り付けられる。ノズルベース部33は、横通路部30の外周に嵌合される筒状の取付部34を有しており、この筒状の取付部34の底部35に、横通路部30の通路断面よりも十分に小さい貫通孔36が設けられる。この貫通孔36により、流路断面が急激に縮小され、横通路部30を介して供給される内溶液の流速が増加されるようになっている。また、ノズルベース部33には、取付部の反対側に延びる筒状の壁部37と、この壁部37の中心に延出される柱状部38とを備えている。これら壁部37と柱状部38との間には、略円筒状の通路39が形成される。
【0024】
ノズル部32は、ノズルベース部33の壁部37の外周側に係合される係合筒部41と、ノズルベース部33の柱状部38が圧入される有底筒部42とを備え、これら係合筒部41と有底筒部42とを介してノズルベース部33の前方側に取り付けられる。なお、ノズル部32には、さらに係合筒部41の外側を覆うカバー部43が形成される。
【0025】
図2に示すように、ノズル部32は、有底筒部42の内周面45に複数の溝46が形成され。さらに、柱状部38の先端側には、柱状部38の外周面47から柱状部38の端面48に亘る傾斜溝49が形成される。そして、これら溝46と傾斜溝49とが、互いに連通されるように配置され、さらに、溝46と上述したノズルベース部33の筒状の通路39とがそれぞれ連通される。
【0026】
有底筒部42の底部51と柱状部38の端面48との間には隙間50が形成され、底部51の略中央部には、底部51を貫通し、柱状部38の外径よりも十分に小さい噴射口52が形成される。さらに、底部51の隙間50とは反対側には、断面略円錐台状の凹部53が形成される。
【0027】
ノズル部32には、噴射口52よりも前方側に延びる略円筒状の支持部59が形成される。この支持部59の径方向内側の噴射口52の前方側には、支持部59よりも小径な略円筒状の枠部56が取り付けられている。より具体的には、枠部56の外周面には、径方向外側に向かって突出し、枠部56の軸線に沿って形成され、枠部56の周方向に所定間隔で形成されたリブ61が形成される一方、支持部59の内周面には凹部59cが形成され、枠部56が支持部59内に押し込まれて枠部56のリブ61が支持部59の凹部59cに係止され、枠部56の噴射方向前方側への変位が規制される。
【0028】
さらに枠部56の外周面には、枠部56の軸線に沿う溝56cが形成され、リブ61が形成されていない枠部56の外周面56aと支持部59の内周面59aとの間に、噴射口52の周囲に空気を導入するための空気導入通路66が形成される。これにより、溝56cと空気導入通路66とを介して、枠部56と噴射口52との間に空気が導入可能となっている。なお、リブ61は枠部56よりも噴射口52側に若干突出して形成され、枠部56と噴射口52との距離を一定に保持する位置決め機能も有している。
【0029】
枠部56の噴射方向前方側の略円形の前縁部56bには、メッシュシート55が枠部56の略円形の開口を塞ぐように接着等で取り付けられている。また、支持部59には、この支持部59よりも大径な略円筒状の取付枠部62が、支持部59の外側で、且つ、枠部56の径方向外側となる位置に取り付けられる。取付枠部62の噴射方向前方側の略円形の前縁部62aには、取付枠部62の略円形の開口を塞ぐようにメッシュシート63が接着等で取り付けられている。
ここで、支持部59の外周面59bには、径方向外側にリング状に突出する突条60が形成される、一方、取付枠部62の内周面62bには、その周方向に沿う溝58が形成され、支持部59の突条60が取付枠部62の溝58に摺動可能に嵌合される。つまり、取付枠部62は支持部59に回動可能に支持されている。なお、図2中、噴射方向を矢印で示している。なお、メッシュシート55とメッシュシート63とは当接してもよいが、若干離して配置させるようにしてもよい。
【0030】
図3(a),(b)に示すように、メッシュシート55,63は、それぞれ同一形状および同一の目の細かさのメッシュを有する。メッシュは、等間隔で且つ平行に配列された縦横2種類の複数の仕切り部67,68が、それぞれ直交して格子状を呈し、これら仕切り部67,68によって複数の孔部69が画成される。これら孔部69は、メッシュシート63の外周縁を除き、平面視で略同一面積の略正方形状となっている。これらメッシュシート55,63は、図4(a)に示すように、メッシュ形状が同一であるため、所定の初期回転位置で各仕切り部67,68が重なる。
【0031】
そして、図4(a),(b)に示すように、上述した取付枠部62を噴射方向前方から見て例えば右周りに回動させるとメッシュシート63が回動され、二つのメッシュシート55,63の組み合わせにより形成されるメッシュ形状、すなわち噴射方向から見たメッシュ形状が変化して、さらに目の細かさも変化する。このメッシュ形状および目の細かさの変化は、メッシュシート55,63を組み合わせたメッシュ全域に亘り、メッシュシート55,63の中心近傍と周縁とで均一のメッシュ形状および目の細かさが得られる。
【0032】
図4(c),(d)に示すように、さらに取付枠部62を右回りに回動させると、順次メッシュ形状および目の細かさが変化する。なお、メッシュ形状および目の細かさの変化は、回動角度が0度〜45度、45度〜90度、90度〜135度、および、135度〜180度の間でそれぞれ同様な変化をたどる。上記各角度範囲において、中間位置(例えば、0度から45度の場合、22.5度)を基準としてそれぞれ回動方向両側に対称なメッシュ変化が現れる。
【0033】
すなわち、上述した液体噴射ノズル1は、横通路部30から通路39に流入された内溶液が、溝46と傾斜溝49とを通じて隙間50に送り込まれ、に示すように、噴射口52から前方に向かって放射状に噴射される。この際、内溶液は、霧状に噴射されて、空気と混ざりながら、噴射口52の前方に配置されたメッシュシート55,63に衝突する。このメッシュシート55,63への衝突により内溶液が泡状に変化されて、この泡状の内溶液がメッシュシート55,63の前方へ噴射されることとなる。
一方、噴射される泡の性状を変化させたいときには、取付枠部62によりメッシュシート63を回動させて、メッシュシート55,63の重なりにより生じるメッシュ形状および目の細かさを適宜変化させることで、内溶液が所望の性状の泡となって前方へ噴射されることとなる。
【0034】
したがって、上述した実施形態における液体噴射ノズル1によれば、噴射口52から噴射された液体が、二つのメッシュシート55,63を全て通過して外界へ噴射されることとなるが、少なくとも一つのメッシュシート63を回動させることで、一つのメッシュシート63のメッシュに対する、他のメッシュシート55のメッシュの相対的な回動方向の位置が変化して、噴射口52から見たメッシュシート55,56の実質的なメッシュ形状や目の細かさが変化するので、このメッシュ形状や目の細かさに応じた異なる性状の泡が生成され、この結果、簡単な操作でメッシュの目の細かさや形状を変化させて一つの液体噴射ノズルで多様な泡が噴射可能となるため、利用者の負担を軽減することができる。
【0035】
なお、この発明は上述した実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。
上述した実施形態では、2つのメッシュシート55,63がそれぞれ格子状の仕切り部67,68を備える場合について説明したが、この構成に限られず、例えば図5の第1変形例のように、ライン状の仕切り部74からなるメッシュより具体的には、等間隔で且つ平行に配列された仕切り部74を有するメッシュを備えた2つのメッシュシート72,73を上述したメッシュシート55,63と置き換えて、これら2つのメッシュシート72,73の組み合わせにより格子状のメッシュを形成するようにしても良い。
【0036】
この第1変形例の場合、2つのメッシュシート72,73が、図6(a)に示す所定の初期位置では、噴射方向から見て完全に重なる。しかし、図6(b)〜図6(e)に示す一例のように、一方のメッシュシート72を初期位置から順次回動させることで、噴射方向から見たメッシュ形状が格子状を呈し、回転の角度に応じてその形状および、目の細かさが変化することとなる。なお、このように、各メッシュシート72,73の目の細かさを変えることで、多様なメッシュ形状および目の細かさを得ることができるため、より利用目的に適した泡を生成することができる。なお、この第1変形例の場合、図6(e)の90度を境に、角度が増加するにつれて180度までの間に、左右対称な形状のメッシュが出現される。
【0037】
また、図7に示す第2変形例のように、異なるメッシュ形状のメッシュシート63,73を組み合わせるようにしてもよい。図7(a),(b)は、例えば、異なるメッシュ形状として、上述した第1変形例のライン状のメッシュを有するメッシュシート73と、格子状のメッシュを有する実施形態のメッシュシート63とを組み合わせた場合を示している。そして、図8(a)〜図8(e)に示すように、格子状のメッシュシート63の縦方向の仕切り部67とライン状のメッシュシート73の仕切り部74とを重ならせた状態から、一方のメッシュシート73を例えば左回転に回動させると、回動角度に応じて、メッシュシート63,73の組み合わせによる噴射方向から見たメッシュ形状およびメッシュの目の細かさが、上述した実施形態や第1変形例とは異なるメッシュ形状およびメッシュの目の細かさとなる。このように、各メッシュシート63,73を異なったメッシュ形状とすることで、噴射方向から見て多様なメッシュ形状および目の細かさを得ることができるため、利用目的に応じて泡の性状をきめ細かく変化させることができる。なお、メッシュシート73を回動させる場合について説明したが、メッシュシート63を回動させても同様の泡を得ることができる。
【0038】
また、上述した実施形態の液体噴射ノズル1にあっては、噴射口52から噴射された内溶液が直接的にメッシュシート55,63に衝突する場合について説明したが、噴射口52とメッシュシート55との間に、壁面に液体を衝突させることで起泡させる起泡筒(図示せず)を設けるようにしても良い。このように構成することで、一般的に造泡し難い溶液、例えば、アルコール分が比較的多く含まれている内溶液の場合であってもきめ細かい泡を造り出すことが可能となる。
【0039】
さらに、上述した実施形態では、2枚のメッシュシート55,63を重ねて組み合わせる場合について述べたが、メッシュシートは2枚に限られるものではなく、3枚以上の複数のメッシュシートを重ねて組み合わせても良い。この場合、回動可能なメッシュシートは一枚に限られず、複数のメッシュシートが回動可能であっても良い。
【符号の説明】
【0040】
52 噴射口
55 メッシュシート
63 メッシュシート
72,73 メッシュシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を噴射する噴射口の噴射方向前方に、液体を泡状に変化させるメッシュシートを備え、前記噴射口から噴射された液体を、前記メッシュシートを介して泡状に変化させて噴射する噴射ノズルにおいて、
複数の前記メッシュシートが噴射方向に重なって配置され、これら複数のメッシュシートのうち、少なくとも1つのメッシュシートが回動可能に設けられることを特徴とする液体噴射ノズル。
【請求項2】
複数の前記メッシュシートは、それぞれ異なる目の細かさのメッシュ、又は、それぞれ異なった目の形状のメッシュを有することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ノズル。
【請求項3】
前記メッシュシートが2つ設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体噴射ノズル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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